泉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年11月9日

(平成19年11月9日(金) 9:17~9:31  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 今日は、岸田国民生活担当大臣から、「平成18年度我が国における自殺の概要及び自殺対策の実施状況」について閣議で報告をされました。続いて、上川少子化対策担当大臣から、「平成19年度『家族の日・家族の週間』」についてのお話がございました。その後、私の方から「自然災害の『犠牲者ゼロ』を目指す当面の取組について」閣僚懇で発言をさせていただきました。
 総理の所信表明の中で、災害が発生した場合の犠牲者ゼロを目指す対策の充実に意を用いていくという御発言がなされておりますので、これを受けまして、自然災害が発生した場合の犠牲者を極力出さないための対策として、国民一人ひとりに日々の備えを充実していただくということ、住民の相互の助け合い、さらには自治体、消防、警察、自衛隊、医療機関、いわゆる公ですが、こうした自助、共助、公助の考え方に基づいた多様な主体が役割を分担して、災害の犠牲者ゼロを目指すということに取り組みたいということを申し上げ、関係閣僚の御協力をお願い申し上げました。
 これに対しまして、国土交通大臣から、生命を守ることは大変重要なことだ、財産を守ることは大変重要なことであると。緊急地震速報を開始しているわけですが、10秒前に知らされれば相当の被害を減少することができるというお話もあって、この速報が出た場合に、一人一人がどういう対応をしていくかということを、国民の皆様にも考えていただき、活用していただければ非常にいいと。そしてまた、今月中には火山警報を出す準備をしていると。有珠山では、火山予報をやったために死者ゼロであったし、一方、雲仙普賢岳では43名の方が亡くなったという、こういう差が出ている。もちろん噴火の内容等が違いますから、一概に地震予報だけでと国土交通大臣はおっしゃったわけではありませんけれども、地震予報を活用して被害を抑えるために自分も努力をしたいというお話でございました。
 総理からは、大変重要なことだから、関係閣僚はぜひ協力してゼロを目指してほしいというお話がございました。

2.質疑応答

(問)昨日、佐賀県で銃器を用いた事件がまた発生し、一人亡くなられています。現在改正銃刀法案の審議中ですが、この事件についてご所感がありましたらお聞かせください。
(答)佐賀の事件については、現在捜査中ですのでコメントを差し控えますが、最近、銃を用いた事件が目立っているように思います。今回の改正銃刀法案を是非成立させていただき、今回のような事件が起きないように、一層取り組んでまいりたいと思っております。銃器犯罪が潜在化しつつあるのではないかという心配もしておりまして、ご承知のように、銃器情報を提供していただいた方に謝礼を差し上げるというような、角度を変えた取組みも検討しております。水際対策も更に一層進めなければならないと思っております。
(問)今の「犠牲者ゼロ」に関してなんですが、「改めて」という言葉が出てきますが、徐々に火山警報とか緊急地震速報など新しい情報が始まりますが、自助、共助、公助というのは前から言われていることで、「改めて」というのは何か新しい方向をやろうとされているのか。もう一回改めての「改めて」というのはどういう意味なのでしょうか。
(答)自助、共助、公助という基本は従来の考え方そのものだと私も思っております。ただ、最近は地震にしても雨にしても、いつ、どこで起きてもおかしくない。今までどちらかというと、皆さん方はよそごと・他人事だという思いを持っておられたと思うのですね。そういう意味では、国民一人ひとりがどういうことをして欲しいか、どういうことを期待しておられるかというような、行政側の視点からだけではなく、被災を受けられる方々の立場に立った施策というものを考えなければならないのではないか、というのが一つ思いでございます。それから、雪害、雪で亡くなられている方も結構多いです。これから高齢社会になっていきます。こうした問題にもどう取り組んでいくかというのは、もう1回大きなテーマとして、高齢化社会を迎えるに当たっての課題ではないか、そんな思いを持っておりますし、従来からやってきたハザードマップを整備するとか、そんなことももちろんございます。
 あるいは、直下地震で近畿圏・中部圏は大きな災害を予想されておりますが、従来のペースで死者を半減するとか、被災を抑える、ということはできるのかを考えますと、大きなふろしきを広げるわけではありませんけれど、何か新しい取り組みをして災害に対応していかなければ、我々の問題提起が、ただ提起に終わってしまう可能性もありますので、改めて「ゼロを目指して」取り組まさせていただきたいと考えた次第です。
(問)それは具体的に関係省庁の検討会をつくって、計画をつくられるというようなお考えをお持ちなのか。それと、被災者生活再建支援法が今日にも衆参本会議で成立する見込みとなりました。それについての大臣のご所見をお願いします。
(答)最初の事柄については、できれば来週の月曜日に担当の課長クラスになるかと思いますが、お集まりいただいて、趣旨を徹底して、これから取り組みたい。これは大ざっぱな考え方ですけれども、年内ぐらいにある一つの考え方を整理し、年度内に皆さんにも御報告できるようなものができればという思いを持っております。
 それから、支援法については、こういう政治状況の中で、自民党、公明党そして民主党の議員の先生方が、被災者の立場を考えて御結論を出していただいた。早ければ今日にでも成立をさせていただくということについては、担当大臣として大変感謝をいたしております。被災者が、この法律によって元気を出していただける、そして、しばしば言われましたように、そのことを通して地域の復興、これは目的にも書いていただいたわけですけれども、地域の復興が一日も早く進んでいくという、そういう状況をつくり出していただいた今回の法律案については繰り返しますが、私としては大変感謝をいたしておりまして、これをきちんと実施して実行していくということが、これからの私の使命だと思っております。
(問)担当の課長クラスの会議というのは、さっきおっしゃったように、雪害とか直下型の地震対策のどの部分の話をされたのでしょうか。
(答)私が思っていることを、先ほど雪害も含めて申し上げたわけです。ですから、各省が今まで持っていた問題を、もう一回出してもらう。それから、我々としては雪害の話も、それから河川災害の話も、先日来、出させていただいたように大きなテーマであるわけですから。それから、学校、病院などの耐震化はもう時間の余りない中で進めなければなりませんし、ライフラインも水がなければ医療機関が手術もできないという実態があるわけですね。そういうことを放っておいて、「いや災害対策だ。」といったって、なかなかできませんので、かなり幅広い議論をやっていかなければならないと思います。ですから関係省が何を今までやって、これから何をやろうとしているかをまず聞いて、それから調整をして具体的なテーマを決めていきたいと思っております。
(問)それは災害全般の課題についての話ということで。
(答)そうですね。焦点は「犠牲者ゼロ」に焦点を当てていかざるを得ない、それを今日は発言をさせていただいておりますので。

(以上)