泉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年9月14日

(平成19年9月14日(金) 9:25~9:52  於:合同庁舎5号館 305号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣僚懇談会は、一般案件が1件、国会提出案件が1件、政令7件がございました。その他、閣僚からの発言がございましたが、私の方の関係案件につきましては、「平成19年8月2日から同4日までの間の暴風雨による災害についての激甚災害及びこれに対して適用する措置の指定に関する政令」がございました。これらの案件につきましては、後ほど総理の御決裁をいただいて決定となるということでございます。
 激甚災害の指定につきましては、台風5号が8月2日に宮崎県東に上陸し、大分県、宮崎県を中心に、農業関係に大きな被害をもたらしました。このため、本日の閣僚懇談会において、台風第5号による災害を激甚災害に指定し、適用措置として農地、農業用施設及び林道関係を指定する政令案が取り扱われました。後ほど総理の決裁をいただいて、決定ということになります。これによって農地等の災害復旧事業について国庫補助費が1割程度かさ上げされることになるわけでありまして、被災自治体が安心して復旧事業に取り組み、早期に復旧できることを願うものでございます。
 それから、閣僚からの御発言は、厚生労働大臣から「平成19年版厚生労働白書」について、100歳を超える高齢者の方にお祝い状と記念品を贈呈するなどのお話がございます。
 官房長官から、安倍内閣は今日も、当然存続をしておるわけでありますので、関係各大臣業務を適切に処理するようにという御発言がございました。
 閣僚懇談会の御報告は以上でございますけれども、もしお許しをいただければ、昨日赤旗で私の政治資金についての記事が掲載されましたので、御説明させていただければと思います。
 それでは、9月16日付の新聞赤旗で私のことが報じられております。概要だけまず申し上げて、それについての私の考え方、事実関係を御説明したいと思います。
 大きくは2点、少し分ければ3点になるわけでありますが、まず3つに分けて申し上げますと、固有名詞を出していいかどうかわかりませんが、ピーエス三菱など4社から献金を受けておると。16年4月15日に公正取引委員会の排除勧告が出されたにもかかわらずと言った方がいいかと思いますが、17年に私の政党支部47支部に4社から合計60万円の献金を頂戴しておる。公正取引委員会の話によれば談合が13年4月ごろから行われていた、にも関わらず、私自身が13年1月から14年1月まで国土交通副大臣の任にあったこと等から、この60万円についての疑念を報じられておるというのが第1点です。
 やはり、この献金について、2番目は、防衛施設庁発注の工事での談合にかかわった海洋業者、俗に言うマリコン、マリンコントラクターからお金を頂戴しておると。16年8月、公正取引委員会の排除勧告があった。そういう状況の中で、17年に、先ほど申し上げました私の政党支部47支部へ十数社から680万円の献金がある。税金を食い物のしたのではないかというのが2点目です。いわゆる大きく分けて2点と申し上げましたのは、献金と企業とのあり方についての報道です。
 もう一つは、事務所の借り上げについて、ただで借りているのではないか。赤旗の記述を御紹介いたしますと、私の後援会、九州泉みなと会が福岡県港湾建設協会、これは任意団体で、港湾とか空港の建設に携わっておられる方々で構成されている団体でございますけれども、ここに18年2月まで、昨年の2月まで主たる事務所を置いていたということが1点です。
 それから、同後援会は17年にパーティーを開催し、1,300万円を集め、先ほど来申し上げております私の政党支部47支部に600万円を献金しておるということでございます。そしてまた、福岡県港湾建設協会が、九州泉みなと会の主たる事務所を置かせる便宜を図っていたことは事実で、業界との癒着関係が見てとれる。こういうふうに献金の問題と事務所費の問題についての御指摘をいただいておるわけであります。
 このことについて、事実関係を申し上げさせていただきたいと思います。
 最初2つ申し上げました企業からの献金額はほぼ事実であります。ほぼ事実というふうに申し上げましたのは、PS三菱など4社からの60万円、これは間違いございません。もう一方の、先ほど680万円という数値を申し上げましたけれども、これは赤旗がどの企業のお金を拾い上げて、足し算をしてくださったのか、必ずしも我々としてはわからないところがございまして、ほぼという言葉を入れさせていただきました。大枠について大きく変わっておるとは思いません。しかし、これが絶対正しいということは、私どものサイドからは今の段階では申し上げられないということでございます。これについて、公正取引委員会が談合を認定した後も献金を受けていたということでございますが、談合に対する法的な措置というのは、御承知のように法体系の中できちんと処理されておるわけでありまして、企業の政治活動の自由と直ちに同一レベルで議論をすることができないのではないか、同一レベルで議論すべきことではないのではないかというのが私の基本的な考え方でありまして。言い換えますと、企業に仮に不正行為があったとして、今回談合が行われたということで不正行為があったということで、そのことをもって即企業からの善意の寄附を受けてはならないとは、これまで私自身は考えてこなかったわけであります。
 御指摘のような問題があるのかどうかということについては、法的な面も含めて、これから勉強してみたい。従来私が考えていたことが間違いだ、法的にも間違いだというようなことになるのかどうか、そうした面も含めて考えてみたいというふうに思っております。
 それから、事務所の件につきましては、ちょっと経緯が若干細かくなるかもしれませんが、申し上げますと、先ほど九州泉みなと会というものの名前を申し上げましたけれども、これは私の16年の参議院選挙で、私を応援しようということを念頭に大学の先輩を代表として設立された、これは15年7月18日だと承知しておりますが、政治団体でございます。
 実はその前、最初の時点は、泉信也君の国政を聞く九州の会、これは14年10月31日にスタートしておるわけですが、この主たる事務所の所在地を届け出るのに、適当な場所が見出せなかったといっては恐縮ですが、適当な場所が見出せずに、福岡県港湾建設協会の場所を借用し、主たる事務所として届け出たということがまず1つです。
 その後、今申し上げました国政を聞く九州の会の名称を九州泉みなと会と変え、これは15年7月18日でございますが、選挙支援に向けての本格的な活動をするためというか、していただくため、独自の事務所を借り上げて活動をいたしております。この独自の事務所は15年7月18日から16年8月31日まで。7月11日が選挙でございますので、選挙前から選挙が終わって1月余り、後始末をするまで、自前の事務所を設けて活動をしたわけであります。支援活動が終わりましたことから、再び主たる事務所の所在地を最初の港湾建設協会へ移したというわけでございます。
 この最初の段階、自前の事務所を持つまでの段階、あるいは選挙の後始末が終わってからの段階の政治団体の活動というのは、私が承知いたしております限り、常時物理的に占有する、机を置くとか、あるいはロッカーを置いたり、ソファーを置いたりというような、そういう常時空間を占有するような活動はしていなかったというように承知をいたしております。
 今申し上げました18年2月まで間借りをしていたということでございますが、その後政治活動と企業との関係が社会的に厳しく問われるということから、主たる事務所の所在地を私の政治団体の福岡事務所に移すと。この私の福岡事務所は15年4月23日に設置しておりますが、ここへ九州泉みなと会からの要請を受けまして、主たる事務所の所在地として私の事務所に移していただいたという事実がございます。これは18年2月8日に私の福岡事務所に移しております。
 先ほど申し上げましたように、選挙活動終了後、活動らしい活動ということを特段やっておるわけではないようでして、また今の私の事務所、泉信也の福岡事務所に18年2月8日以降、9日からですが、主たる事務所を移していただいておりますけれども、私の事務所にこの政治団体のための机やロッカーなどは存在いたしておりません。そういうことでございます。
 それから、もう一つ、17年に私の政党支部が600万円の献金を受けたというふうに赤旗では報じられておりますが、これは事実であります。これはもうちょっと時間をさかのぼって御説明いたしますと、この九州泉みなと会というのは本格的な事務所を構えて、自前の事務所を構えて支援活動に入るという時点で、私の政治団体、これは篠山会というのですが、政治団体がこの九州泉みなと会に1,000万円を寄附させていただいていると。15年7月でございます。このお金を活用していただきながら、選挙の体制を整えて応援をやっていただいたと思っておりますが、こういう過去の経緯もあって、逆に選挙も終わって一段落し、これからの当該政治団体、九州泉みなと会の政治活動のありよう等を考えた上で、逆に今度はこの団体が私の政治団体に寄附をしていただいたということでございます。600万円は事実でございますが、その前にそういう政治団体同士のお金のやり方があったということを踏まえて、お考えをいただければと思うわけであります。
 この事務所の問題につきましては、実体的に活動空間を占有するということはなかったと関係者も申しておりますし、私もそういう思いでございますが、事務所が無料で貸与された、赤旗の皆さん方の思いは、そこに問題があるのではないかとの御指摘でございますが、そこに問題がもしもあるとすれば、その解消にどのような方法があるか、収支報告書の訂正ということだけで済むのかどうか、適切な処理を考えていただくように一度福岡の政治団体に働きかけをしてみたいと思います。
 基本的には、先ほど来申し上げておりますように、確かに主たる事務所の場所をお借りしておりますけれども、実体的な空間の占有、あるいは人が毎日出入りして何か活動する、そういうことはいたしておりませんので、御指摘のようなことには当たらないと思っておりますが、なお今申し上げましたように、適正な処理に近いやり方があるとすれば、どうしたらいいかということを福岡の事務所に、福岡の事務所というのは当該政治団体の責任者に、あるいは代表なり会計の責任者にお伝えをいたしたいと思っておるのが現状でございます。
 以上、実態と一部私の考え方を申し上げさせていただきました。

2.質疑応答

(問)今御説明いただいた政治献金について、公正取引委員会から排除勧告を受けた企業に対してのとらえ方なのですが、大臣としては、献金を返金するようなおつもりはないというお考えでよろしいのでしょうか。
(答)今申し上げましたように、排除勧告を受けた、それは事実としてあるわけでありますが、そのことと企業の政治活動、具体的には献金という行為が同一レベルで議論すべきことではないのではないかと私はずっと思い続けておりましたので、今返金をしなければならないという思いは持ち合わせておりません。企業の政治活動の自由というものは、それはそれとして社会的な使命の1つとして認められることではないか、こんな思いを持っております。
(問)今回の赤旗の新聞に関して、何か収支報告の訂正だとか、返金も含めて何らかの措置をとられたということはないということでよろしいでしょうか。
(答)今申し上げましたように、数値はほぼ事実ということでございますし、それから若干の、極端なことを言いますと、600万円を福岡の後援会からお金をいただいたということだけをとると、何となく私の出先機関がお金を集めて私が頂戴をしておるというふうにも読みかねないような文章であると。しかし、先ほど申し上げましたように、スタート時点で1,000万円を差し上げてというようなことと本当は両方書いていただくと、読者の皆様方にも正確に理解していただけるという点はあります。そういう意味では、もうちょっと丁寧に書いていただきたいというようなことは申し上げてもいいかと思います。私はこの記事で赤旗の方に何かを申し上げるつもりはございません。これはこれとして真摯に受けとめて、なおこれからの政治活動についての襟を正すべきところはなお正していきたい。事実関係をもう少し丁寧に書いていただきたいと思うところはもちろんございます。
(問)大臣の関連の政治団体の収支報告書を訂正するとか、そういうことも今のところ考えておられないということですよね。
(答)はい。
(問)その600万円の献金も記載はされているわけですね。
(答)記載しております。それは見ていただければ、1,000万円も600万円も記載させていただいております。
(問)今回の安倍首相の辞任表明について、大臣として率直にどのように受けとめていらっしゃるのかということと、あと改めて御自身の大臣としての職務について、今日、官房長官から適切に処理するようにというお話があったようですが、御自身の大臣というものの職務について、改めてどのように臨んでいこうとお考えでしょうか。
(答)総理の本日の状況は、本当に本会議前、各大臣がそろったところで、本会議を待機しておる場所で初めて聞かせていただいたわけでございまして、本当か、事実かという思いがそのときの率直な気持ちでございました。
 その後、2時からの記者会見をテレビで拝見し、大変残念な思いをにじませながら、総理が辞任に至る経緯をおっしゃったと私は受けとめておりまして、私の思いは総理の掲げられた、必ずしも皆さんに評判がいいわけじゃありませんけれども、戦後レジームからの脱却という物の考え方は、戦後60年余りたって、もう一回日本の土台から見直すというお考えだろう。それは憲法改正であり、いろいろな法の改正などに足跡を残していただいたわけでありますので、安倍総理にはそうした視点からも辞任という形ではなくて、ぜひ重任を果たしていただきたかったという気持ちを、2時からの記者会見の中で強く思いました。
 今日の2点目の官房長官からのお話は、これは私も当然だろう思っておりまして、任命をいただいて、治安、あるいは国民の安全、安心、防災、すべて生活に直結した仕事を仰せつかっておりますので、私自身の気持ちは1日もゆるがせにできないと思って、総理の記者会見の後も役所の皆さんから必要なヒアリングを受け、今日までまいっておりますし、在任中はしっかり務めさせていただくつもりでございます。
(問)後継選びは、いろいろな動きが進んでいるのですが、自民党総裁選については、どういったお考えをお持ちでしょうか。
(答)私自身は今どなたとか特定の候補者についてお話をするということは、それだけの情報を得ておりませんので、ここでは発言を控えますが、とにかく日本にとって本当に大切な状況だ、国内外とも、これはかじのとり方を間違えると若い方々、将来の世代に大変御迷惑をおかけすることにもなりかねない時期だと思っておりまして、しっかり担っていただける方、そういう認識で日本の今後をしっかり担っていただける気力を持った方に。もちろん安倍総理の今回の御退任を思いますと、体力も相当なものだなというふうに、我々は推しはかることのできない非常に重圧を感じた中で職務を果たしておられることを思いますと、気力、体力ともに充実した方にぜひ総裁、総理として役割を果たしていただきたい、こんな思いを持っております。
 今日あたり、より具体的なお名前が出てくる中で、私自身もまたどの方に自分の思いを託すかということを判断してまいりたいと思います。

(以上)