増田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年6月24日

(平成20年6月24日(火) 10:51~11:07  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今朝ほどの閣議で特に発言事項はありません。
 私の方から発表事項が何点かございます。1つは地方公営企業等金融機構、これは地方公共団体の方で資金を持ち寄って設立する機構でありますが、公営企業金融公庫が今年の10月1日に廃止されて、その後継組織として設立をされるわけです。その設立を、本日、認可をしたということを発表いたします。総務省として本日、設立を認可しましたので、今後、地方公共団体からの出資の払い込みを受けて、今年の10月1日の業務開始に備えるため8月1日をもって設立される予定と聞いております。
 この地方公営企業等金融機構は、地方公共団体の資金調達を効率的かつ効果的に補完をするために、その公営企業について長期かつ低利の資金を融通する法人でございます。今後、健全な運営がなされて地方公共団体の財政の健全な運営ですとか住民の福祉の増進に寄与するよう努めていただきたいというふうに考えております。
 2つ目でありますが、第三セクター等の処理方策等について、新たに検討する研究会を立ち上げるというものであります。
 まず、第三セクターにつきましては、健全化法等の施行等に伴って、いろいろ改革の必要性が問われているわけですが、その一連の関係で、年限を区切った集中的な取組を更に促していきたいというふうに考えております。そのために新たなガイドラインを今月中にも発出することを予定しております。
 この第三セクターについては、一方で内閣府の方で地域力再生機構というのを、これは法律について継続審議になっておりますが、この検討がなされております。この地域力再生機構の活用によって再生をすると、これも大変重要な手段であるというふうに思いますし、それからそういったことをもってしても、もう清算をするしかないというようなものもあると思います。再生するにしても清算するにしても、思い切った第三セクターの整理を断行するためには、特に地方公共団体が締結しております損失補償契約の履行が必要となる場合があり、また往々にして、そうした契約が金融機関と交わされる場合が多いわけであります。その履行が必要になる場合に、そのための地方債等の財政措置の要望もいろいろと我々の方にいただいております。
 これは、住民負担に直結する問題であり、第三セクターの経営責任ということをはっきりさせる必要があるといったようなこともございますので、今後、研究会を立ち上げてというか、しばらく中断しておりました「債務調整等に関する調査研究会」に新たな委員にも入っていただきまして、またこの研究会を再開し、6月30日に第1回目を開くということでございます。こうした研究会の成果も踏まえて、第三セクター等の経営改革を進めていきたいということであります。後ほど名簿等を配布したいと思います。
 それから3点目、昨年10月より「デジタル・ディバイド解消戦略会議」を開催し、ブロードバンドゼロ地域の解消等について検討を進め、先週6月20日の会議において報告書を取りまとめていただきました。この報告書を受け総務省としての「デジタル・ディバイド解消戦略」を策定しました。この戦略では、2010年度末までに携帯電話のエリア外人口を約20万人解消する。現在、30万人ですが、そのうちの20万人を解消する等の新たな整備目標、またブロードバンド基盤と携帯電話のエリア整備等を一体的に推進すること等のデジタル・ディバイド解消に向けた具体的な施策、いろいろな技術が出てきていますので、それをこのデジタル・ディバイド解消に具体的に活かしていく。それから策定した解消戦略のフォローアップを目的とした「デジタル・ディバイド解消戦略推進本部(仮称)」を作って、そこで継続的にフォローアップをしていくと、こういった点が盛り込まれているのが、この解消戦略のポイントであります。
 平成21年度予算要求にも必要な予算を盛り込んでいきたいと思っておりまして、この解消戦略を活かしながら、今後、デジタル・ディバイドの解消を通じた地域の活性化に努めていきたいということであります。
 最後に4点目です。記念貨幣の関係であります。地方自治法施行60周年記念貨幣ですけれども、まず第1段として、北海道で発行するということを先般、会見で申し上げましたけれども、きょう、大阪の造幣局で打ち初め式をやるというふうに聞いております。それに引き続きまして、第2段として京都府、島根県分の貨幣について図柄が決定されました。あとで図柄については、配布をいたします。
 それから、この後の予定でありますが、20年度はこれで打ち止めということになります。それから平成21年度前半に発行予定の都道府県につきましては、このたび有識者会合で、新潟県と長野県の2県が決まったところであります。新潟県は特別天然記念物トキの放鳥を来年予定しているということで、長野県は日本アルプスや、来年の4月が国宝善光寺のご開帳があるといったようなことから、この両県が来年の前半部分として決定をしております。来年度の後半の方でもまた幾つか決定をすることになろうかと思いますが、それは今後の有識者会合で御審議をいただいて、決定をしていきたいと思っております。以上です。

2.質疑応答

(問)地上波デジタル放送について、昨日の情報通信審議会の部会でチューナーの無料配布など、低所得者対策がまとまりました。大臣は以前、地デジ移行に必要な予算規模について、今後数年で2千億円程度になるとの見通しをお示しになりましたけども、今回の低所得者対策には、そのうち、どれくらいの予算を組む必要性があるとお考えでしょうか。また、これを受けまして、来年度の予算では、どのぐらいの予算を計上する必要があるというふうにお考えでしょうか。以上、お願いします。
(答)来年度予算については、シーリング等の関係があり、まだ規模感は決められません。今、省内でどの程度のものが盛り込めるのか検討しており、もう少し時間をいただきたいと思います。
 それから低所得者対策の関係ですが、今週、情報通信審議会の総会がございます。そこで正式に答申をいただいてから、細部をよく詰めたいというふうに思っていますので、もう少しこれも詰めさせていただきたいと思います。5千円のチューナー、アンテナの費用、それに設置工事費等を含めると、低所得者世帯で3万5千円から4万円くらいの額が必要な世帯もあろうかと思いますし、それからチューナーだけでアンテナ工事が必要のないという世帯もあろうかと思います。生活保護の受給世帯が、全体で今、100万世帯強ですが、様々であり、その中でどの程度の方がどういう対策を必要とするのかということを、もう少し時間をいただいて詰めたいというふうに思っております。
(問)関連ですが、弱者対策の対象は生活保護世帯ということになっていますけれども、大臣はそれで十分とお考えでしょうか。
(答)答申を正式にいただいて、省内で再度検討したいと思います。今は、審議会の方で「生活保護世帯」ということであれば、その理由をよくお聞きをしたいと思っています。十分な理由があれば、それで結構だと思いますし、また、生活実態を見てもう少し膨らませる必要があるのであれば、何か考える必要があると思います。今のところ、部会段階でありますが、「生活保護世帯」と出てきて、それは必ず必要だろうというふうには思っています。
(問)例えば農家でですね、持ち家があって、田んぼはあるけれども、お年寄りだけの世帯で年金だけで暮らしているというところはいくらでもある。大臣は岩手県に居られたので、十分お分かりだと思いますが、そういう方の中にはテレビだけをほとんど情報源にしていたり、楽しみにしていたりする人もいるわけで、生活保護というところだけではくくれない弱者という人がかなりいると思われるのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
(答)生活保護受給世帯で、経済的な弱者を区切るというのが1つの行政の基準になっているのは間違いないと思います。今、おっしゃったようなところに関しても、生活保護の対象になっていないというのは、やはり大きな線引きの理由がある訳で、生活保護受給世帯を対象にする必要性は間違いなくある訳です。多くの行政の分野で、そこを1つの弱者対策のメルクマールにしていますので、それを広げるとき、何か区切れる基準があるのかどうかというのは、また別の議論になるのだと思います。
(問)タクシー接待の問題ですけれども、その後、調査を進めているかと思いますが。
(答)今週中に明らかにしようと思っていますが、今、細部を詰めていまして、まだ私のところに最終的な数字が上がってきていません。今週上げてもらう予定です。全部まとまりましたら、公表したいと思います。
(問)あと、分権の関係ですけれども、今週にも地方支分部局の統廃合をテーマに委員会が再始動というか、動き出すことになっていますが、委員会に期待することというか、どういう議論を期待されますか。
(答)8月に中間報告をいただきたいと思っていますので、それに向けて議論をしていただくことにしていますが、まず今週の木曜日、私も委員会に行くつもりにしています。出先機関については、政府としても金曜日に閣議決定で骨太の方針を決めますから、その中に一定の考え方、委員会での議論を踏まえた考え方を入れてあるので、それを更に深めたものを中間報告で考え方のより細かなものを出してもらいたいと思います。それから、この間の地方分権改革の第一次勧告は、行政分野のうちのかなり重点的な分野だけをとって国と地方の役割分担、あるいは地方の中の役割分担を決めたもので、あれで全部網羅しているわけではない。代表的な、重点的な分野での分け方になっていますから、地方支分部局でやっている仕事を全部ふるいに掛けて、それでひとつひとつ検証していくということになるので、この間の第一次勧告の考え方と、これからの分権委員会でのそういった精緻な積み上げ作業とを含めて、それで暮れの第二次勧告につなげていただければというふうに思います。いずれにしても、8月の中間報告でそれに向けての分権委員会としてのより深めた考え方が提示されることになると思うので、時間がひと月ちょっとということになると思いますけれども、精力的な審議をお願いしたいというふうに思います。
(問)確認ですけれども、デジタル・ディバイドのところですが、来年度予算の要求額とかは。
(答)まだシーリングの関係がどうなるか分からなくて、ですから、先ほど言いました弱者対策関係のところをどういうふうにするかなどを省内でもっと詰めるのと、それからシーリングの関係は、省としての全体の中での議論になるので、どういうシーリングが掛かってくるかを見ながら、来年度の省としての要求の規模感を決めていきたいと思います。いずれにしても残り3年で、最後の年は、前半、工事期間を考えるとかなり限られているので、それに間に合うような形にしたいと思います。目出しをきちんと初年度にしておかなければいけなくて、結構大変だと思うので、初年度どの程度にしておいて、2年目に充実させるのかとか、そこはシーリング等の関係で考えたいと思います。
(問)よろしいですか。ありがとうございました。

(以上)