増田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年3月21日

(平成20年3月21日(金) 9:56~10:09  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。お待たせしました。よろしいですか。
 今朝、道州制特区推進本部会議がありまして、その中で、北海道からの提案に基づいて、道州制特区基本方針の一部変更等をいたしました。内容については、あとで事務方から聞いていただきたいと思います。
 閣議では、その道州制特区の関係を御報告しておきました。
 そのあとの閣僚懇談会で、私の方から地方分権改革の推進について発言をいたしました。今、御案内のとおり、地方分権改革推進委員会で6月の第一次勧告に向けて、議論をしているのですけれども、大変重要な問題であります。内閣として重要な問題で、今後も積極的に取り組んでいかなければいけない問題であるのですが、このところ地方分権改革推進委員会の丹羽委員長等とも何回か懇談をしておりますけれども、今、3月一杯は各省の事務方とのやり取りをすると、こういうことになっているわけですが、その事務方とのやり取りが必ずしも分権改革の方向に沿うものとはなっていない状況でございます。これは、全部オープンにしているので、皆さん方も御存知かと思います。そういうこともございますので、各大臣に是非こうした事務方のやり取りに留めずに、今後とも積極的に御関与いただきたい。ちょうど3月一杯で事務方とのやり取りを終わって、いよいよ上に上げてこれから議論していく段階にきていますので、各大臣として是非、積極的に御関与いただきたいということを私の方から発言しました。総理の方からもそれを受けて、地方分権改革は大変重要なので、事務方のやり取りに任せずに、政治家としての判断をしてほしいということを閣僚懇談会で総理から御発言がございました。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、全国知事会の緊急会議が開かれまして、道路特定財源の今後に向けて議論されたようですけれども、関連法案の成立を求めるとともに、一応、暫定税率の維持ということも引き続き求めていくようですが、これについて国会に与える影響等を含めて大臣の受け止めをお願いします。
(答)各知事さん方の心配している気持ちは痛いほどよく解るということであります。知事さん方もとにかく来年度に向けて法案を早く審議して通していただきたいということで、それから暫定税率の維持ということを強く望んでいます。それは当然のことであって、是非そうした各知事さん方の思いを真摯に受け止めて、立法府の方で議論が進むことを私も願っております。
(問)総理が先日一般財源化について、全額の一般財源化も含めて検討するということを表明されていますけれども、それについては全国知事会では慎重な意見が多かったようでして、これから調整が難航するような感じもあるのですけれども、その点についてどのようにお考えですか。
(答)受益と負担との関係が、道路財源の関係でそれが基本で成り立っているので、一般財源化することによって税収が減ることにつながらないか、多分そこの御心配だと思います。総理の方からはそういう指示があったので、私の方も一般財源化に向けて検討する立場であります。ただ、地方財源を守るということをそこではっきりと指示されていますから、地方財源を守る立場で今後議論が進むということを、これは与野党との議論になりますので主として党の方でやられることですが、そういう地方財源を守るという立場で議論が進むことを期待しています。
(問)今まで総理とお会いになられていたようですが、どのようなお話をされたのでしょうか。
(答)道州制ビジョン懇談会の中間取りまとめが、一昨日の議論を経て、来週、私の方に提出される、こういうスケジュールになっていますので、これまでの議論の様子、結果等についての御報告を中心に行ってまいりました。総理も大変御関心をお持ちですし、道州制について大変前向きだと思います。
(問)先ほどの閣僚懇での地方分権の話に関連してですけれども、改めてなのですが、地方分権改革委員会で各省からゼロ回答ということで、それに対する受け止めと、今日、閣僚懇で総理から指示があったことによって、今後どのように進めていきたいかという2点をお願いします。
(答)事務方のやり取りですので、これは今までこうした問題を行ってくる際の必ず途中で経なければならないプロセスだというふうに思っています。事務方の方ではどうしても今の出先機関を守る立場から回答するのでしょうけれども、理屈になっていない、国民の理解が得られるには到底至らないような、そういう回答が多いと私も思います。個別には、省庁によっていろいろな理由がありますけれども、やはり国民の理解が得られるような議論に到底なっていない。正にこれからですから、官房長官の方からもこの問題については、4月ないしは5月、適切な時期に閣僚間でフリーディスカッションのような場を設けてもいいという御発言も今日ありましたから、各省ごとの論点をよく整理をして、そして、6月の勧告に向けて各大臣と私も協議をしたいと思います。
(問)年金記録確認の第三者委員会の話なのですけれども、今月に入ってから却下された方が認められた人を上回るという逆転現象が起きたのですけれども、これ、評価が厳しいのではないかという声も上がっているのですが、それはどういうふうに見ていらっしゃるのかということと、結局密室でやっていって、議論の過程がやはり見えないという不満の声が上がっていて、オープンにするべきだという声も上がっているのですが、それをオープンにされていく予定はないのかということについてお願いします。
(答)却下事案が今半分ちょっとになって、今おっしゃったように逆転したような格好になっているのですが、大変難しい事案が多いのです。できるだけ訂正に結びつけられるようにやっていきたいという気持ちは全員共有しているのですが、ただ、何らかの証拠がないとどうしてもそうしたものに結びつけられないということなのです。社会保険庁に掛け合って、結局らちがあかないと、でもどうしてもということで、最後のよりどころで来られて、それで半分は救ったのですよね、逆に言いますと。大変難しい事案でありますが、半分は救った。できるだけ申請者の御負担は少ないような形にして、それで本当にお払いになっている、あるいは訂正に結びつけるべきものは、今後もその訂正に結びつけていきたいというふうに思っております。それから、議論の経過ですけれども、一般論ではなくて全て個別の議論なので、なかなかオープンにしづらいところがあります。事案の概要についてあとで公表する形にして、それで透明性を確保しているということなので、そこは是非御理解いただきたいというふうに思います。
(問)今月までの申立てを1年間で全部終わらせるということなのですが、今のところ1割ぐらいだと思うのですが、スピードアップしていくために、改めてどういう対策をとっていかれるのでしょうか。
(答)審議のスピードが2月になって大分上がりました。3月は2,000件を超える処理件数までいきますし、それから体制を、この間まで118チームでやっていましたけれども、今50チーム増やして168チーム、実際にはもう少し増えますけれども、でやれますので、週に最初は1チームで3件ぐらいでしたけれども、4~5件、あるいは5~6件まで、事例も積み重ねてきて、審議ペースも上げられますので、大体今月一杯までに申し立てられる件数が50,000件弱、約47,000~48,000件になると思います。そのうち大体5,000件ぐらいは処理できるので、残りの約45,000件について今申し上げたようなチーム数で処理をしていけば1年で全部処理の目途がつきます。体制を整備するということがほぼこれで目途がついたので、それに基づいてやっていくということ。それから判例的な処理の実績づくりが大分できてきましたので、それによって公平な審議が行われる。それから社会保険労務士協会の皆さん方に御協力をいただいて、事務的な作業についてはそちらの方の協力も得られることになっていますので、今年の3月までに申し立てられた事案については、おおむね1年を目途に処理するというその目標は必ず達成をしたいと思っております。
(問)先ほどの分権改革の議論ですけれども、4月以降閣僚折衝みたいなものを行っていくと、そのようなイメージでよろしいのでしょうか。
(答)時期、どういうふうにするかはありますけれども、各省の審議すべきポイントについて、まず事務局で3月までの状況についてきちんと整理をして、レベルを上げていろいろと取り組んでもらいますけれども、最後はやはり、今日、総理から御指示があったようにかなり政治的な判断をしていかなければならないところがあります。今、勧告の予定は5月下旬から6月となっていますけれども、それに向けて、最後の段階はそういうことを考えたいというふうに思います。
(問)よろしいですか。
(答)ありがとうございました。

(以上)