増田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年1月25日

(平成20年1月25日(金) 9:41~9:58  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。閣議で二つ発言をしております。
 一つは、平成20年度地方団体の歳入歳出総額の見込額に関する書類ということで発言をしております。骨太の方針に沿って、全般の抑制に努めた上で、地方再生対策費を創設するとともに、一般財源の総額を確保しました。それから引き続き生じる財源不足について特例地方債の発行により補てんをすることとした結果、歳入歳出総額の見込額の規模が83兆4,014億円となったということを発言しております。
 消費者物価指数について、これは毎月この時期に発表しているものであります。消費者物価指数の主なポイントでありますが、12月の全国の指数が1年前に比べ0.7%の上昇で3か月連続の上昇でございます。それから生鮮食品を除く指数は0.8%の上昇。そして、平成19年平均の全国の指数は、前年と同水準。それから年明けまして、1月の東京都区部速報値でありますが、これは1年前に比べ0.2%上昇ということを、閣議で報告をしております。
 次に、私の方から2点、申し上げます。一つは昨日の夕方に開催されました年金記録問題に関する関係閣僚会議で、総務省で所管しております年金記録確認第三者委員会の事務処理の強化策を御説明しております。この年金記録確認第三者委員会でありますが、審査の迅速な処理を図っていく、そして処理件数を大幅に増幅させるために、更に増員を図るということで御説明いたしました。昨年の秋以来、体制の増強を行ってきておりまして、委員を338人から538人へ増員、事務局職員を468人から877人へ増員、審議チームは54チームから118チームに増強いたしましたが、特に処理のスピードアップが必要と考えられる地域、大都市を抱える都道府県15か所程度に50チームを更に増やして投入していくということです。このことによって、本年の3月末までに申し立てられると見込まれる事案の、その時点で処理が終わってないものについては、4月以降おおむね1年以内を目途に処理を終えたいということで考えております。3月末までにどの程度まで増えてくるかということもございますが、必要に応じてまた更にそれ以上増強することもあり得るということでございますが、大体そのぐらいを目途に処理を終えたいというふうに申し上げました。それから、4月以降も申立てがいろいろ出てくるだろうと思いますので、それはそのときの状況を見て、逐次体制を増強していくということになるかと思います。いずれにしても、領収書や記録がないという人たちの記憶をいろいろ呼び起こしたり、できるだけ丁寧に処理をする必要がある。社会保険庁の方に行ってもらちが開かず、ここが最後の場所ということでこちらに来ているものですので、スピードアップするためには、聞いてどんどん処理をするということにしてもいいのですけれども、もうどうしようもなくなってこちらに来られるという方々に対しまして、そういう対応をするというのもいかがかなと思い、私どもも記録などが出てこないとき、丁寧にお聞きをして何かないかということで、もう一度相手といろいろお話をするというような対応をしてきていますので、処理に多少時間がかかっています。それから、先例の蓄積といいましても、いろいろ聞くと類型化できるところもあるのですが、やはり個別の事情というのは、一人一人違いますから、それをまた丁寧に聞くということで、先例の積み重ねだけでは対応できないところもあると思います。スピードアップと丁寧に聞くということをうまく両立させるのはなかなか大変です。それから、今現役世代と受給者と両方の申立が入ってきていますが、できるだけ受給者の方の申立て処理を優先させるなどの方法が必要になってくるのではないかということを事務局の方に申しわたしています。そうしたことも工夫しながら迅速な処理を目指していきたいというふうに思っております。
 それから、ユビキタス特区の創設について発表させていただきます。このユビキタス特区については昨年の秋に募集について申し上げましたが、結果として応募案件が188件ございました。これらについて新しい観点が盛り込まれている新規性、それから世界の需要に応えるかどうか等の観点から評価を行って、今般、対象プロジェクトと地域を決定いたしました。あとで申し上げますけれども、全部を決めたということではなくて、まだ検討すべき課題が幾つか残っているものの、良い内容の提案というものがあるので、引き続き評価を行って、本年の3月を目途に第二次の決定を行うということを考えております。それを前提に今回決めたものについて申し上げますと、まず国による予算支援を予定するプロジェクトとして7件を決めております。世界各国の通信市場の発展段階に対応し得る携帯端末の開発ですとか、多様な周波数セグメントを用いた携帯端末向け放送の高度化。それからユビキタス環境立国戦略として、電力線通信を活用した家電のモニタリングなど、7件。それからもう一つのグループは、国による予算支援を予定しないけれども、新たに利用可能な電波を活用する地域発のプロジェクトというものでございます。一つはITS(安全運転支援システム)の国際規格化で7件。それから、携帯端末向け放送サービスの実証で5件。もう一つは、ワイヤレスブロードバンドの実証で3件。こちらの方は全部で15件。先ほどの7件と合わせて22件を今回決めたものでございます。いずれも、地域発で国際展開を志すもので、我が国の成長力強化にも寄与するのではないかということを期待しております。それから、冒頭申し上げましたが、今回で全部決めたということではなくて、内容をもう少し評価をして、それでいいものをまた何件か決めたいと思っておりますので、それは3月を目途に第二次の決定ということで考えております。詳細はこのあと、事務方から詳しい説明させたいと思います。

2.質疑応答

(問)地方税の偏在是正とか、ふるさと納税の導入とか、地方税制改正の関連法案と来年の地方交付税法等改正案が今日、例年に比べて2週間くらい早く国会に提出されると思いますけれども、現時点で先に提出済みの補正関連法案を含めて、成立の見通しについてお願いします。
(答)いろいろ内容を吟味して、提出をいたしましたので、何としても成立をさせたい。それから一方で国会状況がこういう状況でございますので、今後の審議については予断を許さない状況であると、こういうふうに思っております。であるからこそ、例年以上に内容を御説明いたしたい、そして、幅広く理解を求めていきたい。特に日切れの関係については、3月末までに成立をしないと国民生活に大変影響が出てくるということでございますので、それを回避するためにも3月末までになんとか御理解いただいて、成立に漕ぎ着けたいということでございます。
(問)NHKの新会長に本日付でアサヒビール相談役の福地氏が就任されましたけれども、久々の外部企業の方ですが、特にどのような点を大臣として期待されていますか。
(答)やはり今、インサイダー取引という大変深刻な不祥事が発覚をしたわけでありますが、まだその内容が明らかになっていませんので、私としてはまず不祥事の全容解明。それから、当然これまでもコンプライアンスの確立に努めてきたはずでありますが、それが機能していなかったということがはっきりしたわけですので、もう一回、一から見直しをしていただいて、そして、その点をきちんと整えていただきたい。これが非常に重要なことだと思います。本当は、次のデジタル化対応の問題ですとか、それから通信・放送への融合ですとか、公共放送として大変大きな役割が期待をされますので、そういう点について大いなる期待を申し上げたいところでありますけれども、今は先ほど言いましたように、とにかく当面、私はNHKにとって未曾有の危機ではないかと思いますので、これへの対応を全力で上げていただくということを申し上げるしか今の段階ではないのではないかというふうに思っております。やはりお互いに連絡なく、同時に3人の方が別々の場所でインサイダー取引のようなことを行っていたというのは、やはり組織風土全体に問題があったのではないか、著しくその点について危機意識が足りなかったのではないかと思わざるを得ませんので、やはりそれに対しての対応策を新会長以下、幹部が率先して、きちんとした対応をとっていただいて、そして、国民の間に広がっております不信感、これは解消してきたと、信頼感が芽生え始めてきたという報告を橋本前会長からも受けてたところでありますが、振り出しに戻ったと思っていますので、国民の信頼感の回復ということに向けて、一丸となって全力を上げていただきたいと、こういうふうに思います。
(問)NHKの経営委員会に望むようなことはありますでしょうか。
(答)経営委員会に対してですか。経営委員会もNHK執行部との間の緊張関係の中で役割を果たしていくわけであります。昨日も臨時の経営委員会を開いて、いろいろ執行部の方に対して要請をしたようですけれども、そういう形で執行部と緊張関係を維持しつつ、トータルとしてはNHKの改革に向けて、また役割を果たしていただければと思います。
(問)NHKの予算の関係で、付帯意見について今どのようにお考えになっているのか、お聞かせください。
(答):まだ、どういうふうに付帯意見を付けるか検討中です。この間の今回の問題に対しての対応等もよく見てから内容を考えたい。期限が来月の上旬と決められておりますので、それまでには当然のことながら我々の考えをまとめたいと思いますが、今現在はまだ検討中ということでございます。よく、NHKの今後の対応も見ながら内容を吟味したいと思います。
(問)外国人登録制度ですけれども、在留カードというものを使って新しい制度を構築する方向とありますけれども、この検討状況をちょっと伺いたいのですが。
(答)法務省と検討中で私もまだ詳しく報告を受けていませんが、平成21年の通常国会ですから、次の通常国会ですね、1年後の通常国会に法律を出すということは決めております。それから、今御承知のとおり、市町村の方で外国人登録を受けておりますけれども、それをやめて、台帳に整備し直してやるということなのですが、詳細はまだあまり法務省ときちんとした詰めができてないのではないかと思います。もう少し時間いただかなければいけないと思いますが、ただ、事務方の中ではいろいろな案が出ていると思いますけれども、まだきちんと詰まっている段階ではないと思っています。まだ、詳しい報告受けておりません。いずれ、来年の通常国会の話ですので、私のところには、今通常国会が終わってからになるのではないかと思います。今の制度の問題点等をよく整理した上で実効性のある制度にしてもらいたいと思っております。
(問)よろしいですか。

(以上)