増田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年10月2日

(平成19年10月2日(火) 10:51~11:11  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今朝ほど閣議がありましたが、私の方からの発言事項は特にございません。
 1点、こちらの方から発表事項がございます。年金の関係でございますけれども、先般この関係について、第2回目の調査を行ったわけであります。これは社会保険庁で調査をして、私どもが協力すると、こういうことにしたわけでありますが、この市町村職員による年金保険料の着服事案の調査結果が社会保険庁から公表されました。こうした市町村職員の行為についてでありますけれども、地方公務員の服務規律の確保ということについては、これまでも再三各地方公共団体に総務省の方から要請をしております。昨年の秋に例の裏金問題等が出ましたときにこうした通知を発出しているわけでありますが、今日、また全地方公共団体に対して、改めて厳正な服務規律の確保と適正な行政執行体制の確立等を求める通知を発出することといたしました。また、これに加えまして、総務省としては、これは異例の対応ではありますけれども、着服事案の報告があった市町村、これは全部で90市町村に上ります。件数では先般の調査では101件ということになりますが、こうした着服事案の報告があった90市町村に対しまして、法に則して現在採りうる限りの措置を講じて、住民への説明責任を果たしていただきたいという旨の文書を出すことにいたしております。したがいまして、各地方公共団体におきましては、改めて、地方行政及び地方公務員に対する信頼回復に努めていただきたい、こういうことでございます。

2.質疑応答

(問)先ほど出されたその文書というのは、法的拘束力のようなものはあるのでしょうか。
(答)総務大臣の依命通知と、こういう形になっております。それで事務次官名で各市町村の方に通知をすると、こういう形になっております。
(問)舛添大臣がこの市町村の着服などに関連して、社会保険庁は信用ならない、市町村はもっと信用ならないという発言をしまして、市町村からの反発とかもあるようなのですけれども、その辺についてはどのように思われますか。
(答)社会保険庁の保険料徴収の過程で、市町村の方で、先ほど言いましたように、着服をするという事案があった。これはもう厳正な事実でありますので、そのことについて、舛添大臣も恐らく怒り心頭に発して、そういう発言を多分されたのではないかというふうに思います。あの人はそういうことを、怒りを当然あらわにされる方ですから、そういうことだろうと思います。2週間ぐらい前でしょうか、この調査結果が出たあと、確かに国民の皆さん方の声が、報道等などで報じられておりましたが、皆さん大変怒りを感じておられたということでありますので、そうした市町村職員がいたということ、そしてまた場合によって、その経過が公表されていないところもあったようでございますので、そうしたことに対してはきちんと受け止めなければならないだろうと。このことは市町村全般の中で見ますと、もちろん誠実にこの保険料の徴収業務というのを行っていた市町村が大変多い、ほとんどであったと、それから一般的に市町村では、公金の収受ということを保険料以外にも多くの場面で、税、それから手数料等、窓口で徴収しているわけでございますが、そうしたことについてもきちんと行われているというふうに思いつつ、一方で、ぽつんぽつんと問題の事案があるということもあります。ですから、そういう事案に対して、国民、納税者が大変強い怒りがあるということも十分に心に置きながら厳正な執行を今後も図っていかなければならないというのは、これはもう全市町村にとって共通の事柄でありますし、昨年通知も一度発出をしておりますが、今回改めて通知を発出したということは、そうした大変重い責務を各市町村が負っているということを含め、改めて服務規律などには厳正に対応していただきたいということを全市町村に促したものであります。いずれにしても、各市町村において、きちんと業務を執行していただくということで、国民の信頼に十分に応えていただきたいと、そういうふうに思います。
(問)郵政民営化のことでお尋ねしたいのですけれども、昨日スタートしまして、比較的スムーズだったようにも思うのですが、一部、システムにトラブル等もあったように聞いています。1日目のスタートについての大臣の所感と、あと、郵便局というのが、過疎地において唯一の金融機関というところも少なくないと思うのですけれども、やはり簡易郵便局とかで数が減っているというような現状もあるようでして、過疎地の金融ディバイドといいますか、そういう問題について今後どういうふうに対処していくべきとお考えでしょうか。
(答)昨日から民営化がスタートいたしまして、初日、総じて言いますと、大きなトラブル等は生じなかった。しかし、今御指摘いただきましたように、一部、業務が内部的に滞ったという事案があるということもございます。スタートの一日が大事だということで、会社の方に、西川社長以下幹部の皆さん方に申し上げておりましたが、最初の一日、次は最初の一週間、今週一週間が大変大事でありますし、更にはスタートの一か月が大変大事だと思いますので、緊張感を常に持ち続けて、今回の郵政民営化を成功に導いていただきたいというふうに期待をしております。そのことは会社の方にも申し上げております。それから、今お話ございました、いわゆるネットワーク水準等の話でございますが、これについては、法律でも義務付けがなされているわけでありますが、西川社長もこのネットワーク水準の維持ということに最大限努力するということで、これからもネットワーク水準が低下、劣化をすることのないように取り組むと言われています。是非、そのことに全力を挙げていただきたいと思います。全国を見ますと、確かに最近簡易郵便局の休止ということが数字として出てきております。全体で今簡易郵便局が約4,300局あると思いますが、1割弱ぐらいが一時閉鎖という形になっておりますが、様々な事情があります。農協等の再編の関係もありますし、受託者が高齢化しているといったような事情もあるのですが、代替の拠点ないしは代替の措置というものを極力早急に会社として整えていただいて、そうしたいわゆる過疎地域での水準の維持が困難にならないような努力を今後も行っていただきたい、このことも会社に申し上げておりますが、そうした代替のサービスの確保ということに全力を挙げていただきたいというふうに考えております。
(問)大臣が最初におっしゃられた通知の件ですけれども、法に則したとか服務規律の確保ということをおっしゃられたのですが、これは刑事訴訟法の告発義務規定も守るようにと、そういうような内容も含まれているのでしょうか。
(答)法というのは、施行されている法律すべてということになりますので、刑事訴訟法の告発などについても、法に則った形で考えていただきたいということであります。
(問)今の刑事訴訟法だと、告発の義務の規定はあるのですけれども、罰則等がないのですけれども、大臣、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)訴訟手続の関係は、また一般的な刑事手続全般の話になりますので、私どもはその是非についてまで申し上げられませんので、これは法務省の訟務関係者の方で御検討いただく話になると思います。我々は、今の法律の範囲の中で法律を遵守しながら、今回の問題に対応していただきたいということを市町村の方に、これも要請になりますけれども、要請していきたいというふうに考えています。
(問)今の関係で、特に90自治体については住民への説明責任まで入れて、要請ベースとはいえ、総務省に対応のフィードバックみたいなものを求めるのですか。やったのかやっていないのかを含めて。
(答)どういう形でやってもらったかは、当然報告していただく必要があると思います。
(問)特に期限はないわけですか。
(答)期限を特に設けてはおりませんけれども、この通知を出して、それでまた、恐らく市町村の方でもこうした対応、何らかの形で考えておられると思います。もう既に公表してありますので。それを更に私どもの方でも今回の通知を出しておりますので、それぞれの市町村で、社会通念から見てお考えいただく期間というものを経ましたら、私どもの方で、どういう措置を執ったか報告を求めたいというふうに思います。
(問)90市町村に対しても、これは通知という形でよろしいですか。
(答)そうです。通知のような扱いですね。文書を出しますので。
(問)住民への説明というのは、どういう形で行われるのが望ましいとお考えですか。
(問)これは、それぞれの市町村でのやり方があると思いますが、市町村は県と違って、県の場合は直接全住民に対しての広報手段というのは通常持ってないのですが、市町村の場合には市町村だよりのような形で全戸に配布するような手段をお持ちになっているところが恐らく多い。全部かどうかわかりませんが、ほとんどのところがそういうものを持っておられると思いますので、そういう中でいろいろ説明されるというのが、一般的にはそういう形が多かろうと思います。今回、どういうふうにそこをなさるのかは市町村の御判断ですが、その市町村の住民の皆さん方にできるだけ分かりやすい形で説明をしていただきたいなと思っております。
(問)4日に経済財政諮問会議が福田政権で初めて開かれる予定になっていますが、一か月ほど前にも地方問題をやるということで予定されていたものが急遽キャンセルになってそのあと一か月間あったということで影響と、その一か月間の中で新たに打ち出されるような話というのは煮詰まっているのでしょうか。
(答)4日は再度キックオフのような形になります。確かに後の議論する時間がやはり窮屈になったのは否めないですね、10月にスタートになりましたので。一定の区切りの時期と言いますと、これは大田内閣府特命担当大臣がどうスケジュールを考えておられるかによりますけれども、やはり12月に入ってからだと少し窮屈になりすぎるので、11月の下旬ぐらいまでにはやはり一定の方向性を出さなければいけないだろうと思います。ですから、本当にスケジュール的には厳しい。回数を多く積み重ねるなり何なりされるのではないかと思います。この間私どもも地方対策を担当するという意味で、中で、物事詰めておりましたけれども、恐らく今回はまず民間議員ペーパーのようなものが出て、そこで議論をスタートさせるということになると思いますので、この間私どものやっていた作業等も、民間議員ペーパーがどういうものか見ながら、経済財政諮問会議の方にフィードバックしていくような形になると思います。
(問)公立病院のことについてお伺いしたいんですけれども、今、懇談会で議論されていますが、改めてこの公立病院を改革しなければいけないということについての意義を聞かせていただきたいのと、数値目標を設けるかどうかという議論をされていると思いますけれども、それについてのお考えを聞かせてください。
(答)公立病院改革は、菅前大臣のときに、夏休みちょっと前くらいのときに、公立病院改革懇談会を設置されたというふうに聞いていますが、恐らく問題意識としては、公立病院の経営問題と医師の確保の問題、この二つの大きな問題意識としてあったのではないかというふうに思います。確かに公立病院の場合には一般の民間病院と違いまして、いわゆる政策医療というような部分を担当しなければいけない。いわゆる経営的に見ると、非常に不採算な部門でありますけれども、公的病院なので、地域で仮に特殊な伝染病が生じたといったときのための、ふだん空けておくようなベッドをそこで確保しなければいけないといったような役割を持っているような病院ですとか、非常に地域医療の政策医療的な分野を担うということもあって、単に採算的な形とは別に考えなければいけない役割を担っている、非常に重要なものであります。なおかつ、今問題になっている医師不足の問題の関係でいうと、岩手などでもそうですけれども、特に過疎地域の医療体制を守るという重要な役割を果たしているので、今の過疎での医療体制の崩壊、医師不足などについて、非常に関わりが大きいということがあります。ですから、経営など効率化していくには一般会計からの持ち出しで病院を運営しているところがほとんどだと思いますが、一般財政が苦しいということもあり、経営をできるだけ効率化する中で、しかし、公的な役割をどのように維持していくのかというのは大変大きな論点なので、公立病院改革懇談会の中で、今まで公立病院改革を進めてきた人たちが入っていますので、そうした点からのアドバイスをいただくというのは大変重要ではないか。それから全国でも非常に数の多い公立病院であって、医師確保についての、その公立病院関係者からの提案というのは非常に厚生労働省の医療行政の中でも有益だと思いますので、私どもの方で、一定の公立病院のガイドラインを作って、それでそれをまた厚生労働省の医療行政の中にも是非反映をさせていただきたいなと、そういう考え方もございます。私も今年の4月まで、全国自治体病院開設者協議会会長をずっとやっていましたので、この関係については、また、自治体病院サイドでも相当経営効率化の努力が必要だなということと同時に、国の方からの政策的な、この公立病院に対しての、特に医師確保に対しての支援、さっきも言いましたように、政策医療的な分野を担っていますので、国のいろいろな医師を派遣する制度がありますが、そういったものを優先的に回してもらうようなそういう必要性も高いのではないかと思っておりましたので、このガイドラインの中で病院経営の観点からいろいろ議論していきますが、国へ申し上げることも結果として多いのではないかと思います。それから、数値目標等についてですが、これは中で、今後の議論の上でできるだけガイドラインとして分かりやすいものをつくっていただきたいなという思いがございますけれども、そこは数値目標として明確に掲げられるものはあるのかどうか、私もまだ議論の内容よく承知しておりませんが、まとめの段階になりましたら、よく内容を、私なりの目で見ていきたいなと思います。
(問)よろしいでしょうか。ありがとうございました。

(以上)