渡辺内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年8月3日

(平成19年8月3日(金) 10:36~10:52  於:内閣府本府 522号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私の方からの報告事項はございません。
 どうぞ。

2.質疑応答

(問)今、一部報道の中で、民主党案への天下り根絶法案の譲歩という記事が大きく載っていましたけれども、あれについてどのような方向性で調整なさっていくのかというお考えをお願いします。
(答)政府案がベストだと思って出しているわけでして、それが成立をしたわけでありますから、譲歩ということはあり得ません。
(問)先日、報道ステーションに出られた際に、場合によっては建設に妥協といいますか……
(答)それは、政策論争は大いに結構なことではないんですか。お互いに政策をぶつけ合って建設的な妥協を図るというのは大いにあり得る話であって、国家公務員法改正について言えば、これはもう成立をしているわけですね。
 ですから、政府案よりももっといい話があるんだということが証明されれば、また話は別でございます。大幅譲歩の方向で検討しているということはあり得ません。
(問)もっといい案があればというところには、人材交流センターとか制度の根幹にかかわる部分ということが入ってくる可能性はあるんでしょうか。
(答)ですから、官民人材交流センターがなぜ必要なのかという点ですよね。これはまさしく、将来、官と民との交流を促進をする、そういう意味合いも持たせているわけですね。
 ですから、政府案と民主党案の最大の違いは、官民交流、その垣根を高くするのか、低くするのか。我々は低くしていこうということを言っているわけですね。一方、民主党は、とにかく官と民との垣根は高くし続けようと。もっと高くしてしまおうというのが民主党案ですよね。それは我々の目指すべき方向性とは違うということです。
(問)つまり、その部分では譲歩はできないという理解でよろしいんですか。
(答)ですから、それは方向性が全然違うわけですからね。
(問)民主党案と政府案にかなり方向性が違う面もあるかと思うんですけれども、天下りの今の現状を変えていかなければいけないという意味では同じようなところがあると思うんですが、政策的な協議ができるとすればどういう点ができるでしょうか。
(答)ですから、天下りを根絶するというのは我々も同じ方向性ですね。民主党も同じ方向性で、政府案よりももっといい天下り根絶案があるのかどうかですね。衆議院に出された民主党案でいい案だとはちょっと思えないですね。
 要するに、我々の方向性は、各省のあっせんを全面禁止。民主党はこれを丸のみしたわけですね。官民人材交流センターのあっせんもやらないということです。ですから、独立行政法人の天下りも認めないと。我々は、独立行政法人は101独立行政法人すべてを見直すと。
 独立行政法人というのは、政府からより民間に近づけるという方向性を持っていますからね。ですから、そういう方向で、今まさに行政減量・効率化有識者会議の方で見直しの基準づくりを今やっているわけですから。それを見て、場合によっては101独立行政法人全部廃止という結論だって理論的にはあり得るわけではないですか。廃止するのに天下り規制をかけるというのはおかしな話ですよね。ですから、それを待っての議論になるわけですね、独立行政法人問題というのは。
(問)とりあえず、民主党が今の案というのをもっと修正して出してほしいということですか。
(答)ですから、建設的な妥協については我々も聞く耳を持っていますよということですよ。しかし、ただ単に、政治を混乱させる、政府のイメージダウンを図る、そういうのでは到底のめませんよねということですね。
 政策的な論争が起こることは大いに結構なことではないんですか。衆議院と参議院と多数派が違ってしまったわけですからね。ですから、これは大いに緊急感があってよろしいのではないんですか。建設的な政策論争をやる絶好の機会だと思います。
 でも、政局オンリーで、とにかく政府を追い詰めて解散に持ち込むんだと、これでは話になりませんよね。
(問)そうすると、もっといい案が出てきた場合という、そのもっといい案の中に、これまで衆議院で民主党が出されてきた対案ですね、これは含まれるんですか、含まれないんですか。
(答)衆議院の対案は衆議院では否決をしたわけですよ。ですから、我々は政府案の方がベストだということで否決をしたわけであって、あのままそっくりそのままのことを言われても、それは無理ですよね。
(問)部分的に、例えば協議に応じることもあり得るということですか。
(答)我々の発想は、官と民との垣根をできるだけ低くしていこうと。一方において、天下りネットワークが温存をされるのは絶対に認めないという立場ですよ。
 ですから、天下りネットワークを根絶するという方向で一致できるのであれば、それはまた話は別ということですよ。
(問)官民の垣根をできるだけ低くしようという基本的な理念については、これはもう譲歩する余地はないと考えてよろしいんでしょうか。
(答)だってそういう基本コンセプトで我々は公務員制度改革のプランをつくったわけですから。これは衆参の多数の議決をもって成立をしているわけです。
 一方、天下り根絶については大変な抵抗があったわけですね。ですから、中には政府案を否定しようと、敵の敵は味方というような感覚の連携もなきにしもあらずだったんですね。
 ある野党議員が言っていましたよ。呼びもしないのに、最近役人がしょっちゅう来るんだとか。ですから、そういうことを考えれば、我々は、天下り根絶、天下りネットワークは許さない、そういう点での方向性で建設的な議論ができれば、それはそれで国民にとっても結構なことではないんですか。
(問)もう既に、官民人材交流センターの方は制度設計に関する有識者懇談会が始まっていまして、これは今後、政策論争が起こった際に、官民人材交流センターの制度設計にかかわる懇談会の中でその議論というのが反映されていく余地というんですか、これは制度設計の中でいろいろな形で建設的妥協というような言葉でいいのか、これはそういうことは影響してくるかどうか。
(答)ですから、官民人材交流センターというのは、官と民との垣根をできるだけ低くすると。しかし、一方において、官民癒着はだめですよと、そういう2つの要請を同時に満たしていく背景から、ああいう制度設計が行われているわけですよね。
 ですから、我々としては、天下りという言葉が死語になるような、そういう官民交流のあり方というものを追求しているわけでありますから、選挙結果を踏まえてこの懇談会でも議論はしていただいておりますけれども、特にその懇談会がなくなってしまうとかそんなことはあり得ないですよね。粛々と議論はしていただくことだと思います。
(問)ちょっと話が変わるんですけれども、自民党の中川幹事長が政治資金規正の問題について、すべての政治団体について1円からという考えを示しましたけれども、大臣自身はこの考えについてはどのようにお考えになりますか。
(答)ちょっと私もその話はよく勉強していなくてわからないんですけれども、事務所費以外のものも含めてということですか。
(問)そうですね。人件費を除くということだと思うんですけれども。
(答)人件費を除いてね。いずれにしても、前から申し上げているように、今の紙と鉛筆でやっているダンボール会計の実態を改めていきませんと、なかなかこの世界で生産性の向上を伴った改革というのは難しいと思うんですね。
 ですから、本当にこのIT技術を使えば、そんなコスト負担を伴わずに、割と透明な政治資金会計はできてしまうんですよ。ですから、ぜひそのデファクトの改革としてそういうことを行っていくべきだと思います。
 ですから、その領収書をつける、つけないというのは、これはもう自民党の議論にお任せいたしますけれども、余りにもその実態がちょっと古いですよね、ダンボール会計で。ですから、パソコンとソフトぐらい使ったらどうですかと、私などは常々言っております。
(問)前の国会では、今までの範囲を広げることにかなり自民党内でも抵抗の声があってなかなか進まずに、結局、資金管理団体のみということになったわけですけれども、今後広げていく方向で進めようとしたときに、自民党内というのは話がまとまっていくことができると思われますか。
(答)ですから、要するに、実態が余りにもちょっと旧態依然だと思うんですよ。ダンボール会計で、手書きで帳面をつけていて、それで負担が増大するというところからいろいろな反対が起きるんだと思いますけれども。ですから、これを皆さんがやっているみたいに、今若い人はパソコンを使うのは簡単にできてしまうわけだから。だから、そんなものはもう政治資金会計ソフトを入れてやればそんな難しいことはないんですよ。
 ですから、そういうデファクトの改革が行われていくと、そんな世間とずれたようなことをやらずに済むようになると思いますよ。
(問)今、閣議の後、大臣お残りになられたようですが、総理や長官なんかと公務員の話について何か指示を受けたということですか。
(答)総理とは話しておりませんが、官房長官と話をしておりました。これは官房長官に聞いてください。
(問)日本年金機構の現在の社会保険庁の職員を移す採用方針を話し合う懇談会というか会議というのは……
(答)第三者委員会ですね。
(問)あれはいつぐらいに……
(答)すみません。ちょっと選挙があったものですから作業が遅れておりましたが、人選を今最終的に詰めているところです。選挙中も詰めていたんですが、詰め切れずに今日まで来てしまっておりますので、早急にこれは最終的に人選を詰めて、官邸とも相談した上で発表をさせていただきたいと思っています。
(問)第1回目の会合のめどはまだちょっとわからないということですか。
(答)できるだけ早くやります。
 よろしいですか。
 ありがとうございました。

(以上)