渡辺内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年2月27日

(平成19年2月27日(火) 9:00~9:11  於:内閣府 522号室)

1.発言要旨

 本日の閣議におきまして、株式会社日本政策金融公庫法案及び同法の整備法案を閣議決定をいたしました。
 政策金融改革につきましては、いつも申し上げますように改革の後退は許さないという基本姿勢で取り組んでおります。行政改革推進法及び昨年6月の政策金融改革に係る制度設計の内容を忠実に法案化をし、国会に提出をいたしました。
 今後は、政府一体となって関係法案の早期成立を図ってまいります。
 私の方からは以上であります。

2.質疑応答

(問)教育委員会の改革についてなんですが、昨日規制改革会議が第2次提言という形で教育長が専門教育というのは国が関与すべきではないと、大臣もおっしゃる伝家の宝刀的なものなどの方針、いいなという意見、提言が出ましたが、それについて大臣どのようにお考えですか。
(答)これは、私は大臣に着任する前からの議論を提言の形でまとめたのだと思います。教育再生会議ができます前に教育委員会の必置規制などの問題について随分突っ込んだ議論が行われてきたと聞いています。そういう議論の延長戦で教育再生会議の結論を待って、改めて規制改革会議の立場を出したということだと思います。
 したがって、国の関与は全く認めていないということではないんですね。御指摘のように非常時対応としての伝家の宝刀というのは担保として認めているわけでありまして、ナショナルミニマムの確保とか、あるいは教育を受ける立場の子供たちの利益を守る、権利を守る、そういうことについての国の関与というのは認めているわけであります。したがって分権改革とこうした国の関与のあり方というのは決して矛盾するものではないと思います。
 法案を文部科学省において中央教育審議会の審議を踏まえておつくりになるわけでしょうから、地方教育行政組織法ですか、この改正案の中で規制改革会議の提案として一石を投じたということだろうと思います。
(問)大臣のお考えとしては、その法案、法改正の中に規制改革会議の提案も十分酌み取ってほしいというお考えでしょうか。
(答)私の立場は、規制改革会議を主導するとかということではなくて、できるだけ規制改革会議というのは伝統的に自由に物を言っていただくような、そういう立場だと思うんですね。中には霞ヶ関の野党クラブだなどという人もいらっしゃいますけれども、規制改革会議が自由な立場から物が言えた方が政府全体の議論も活性化をするのではなかろうかと思います。
 したがって、先週も申し上げたように、私の方から規制改革会議の議論に水を差すようなことはしたくないと思っております。
(問)それに関連して、規制改革会議に昨日出したものには、私学への指導、教育委員会の指導も認めないというようなお言葉あったりとか、中教審で議論している地教行法の改正にことごとく反対するような内容になっているわけですけれども、そういう政府の足並みの乱れを指摘されることについてはどう考えますか。
(答)これは自由な議論を法案作成の過程でしているというだけであって、政府の最終的な方針が決まったわけではないわけですから、ですから政府の方針が決まり、総理大臣が最終的な御決断をした後に、こういうことをやったらそれは閣内不統一と言われますけれども、これから決めていく過程での従来やってきた議論の延長戦で提案をしているわけでありますから、足並みの乱れとか閣内不一致とかということとは全く関係ないと思います。
(問)地方分権との兼ね合いなんですが、非常事態の担保として認めるという御説明だったんですが、これに関して中教審でもそういった議論がなされたという教育長の人事権とか非常に幅広いところに対して中教審の中でも意見が追われたところなんで、大臣御自身のお考えとしてどういった方向性が望ましいというふうにお考えでしょうか。
(答)私の個人的な考えは控えさせていただきますけれども、一般的に非常事態対応と分権推進というのは、これはもう全く矛盾する話ではないんだと思うんですね。非常にレベルの異なる話なのであって、そういうレベルの異なるものを制度設計の中で組み立てていくということは決して不可能なことではないと思います。
 いずれにしても、総理大臣がおっしゃられるように、最終的には総理大臣が御判断される場面があるのかもしれませんけれども、いずれにしてもまだ法案の最終的な姿が決まっていませんので、そういう段階での議論だということで御理解をいただきたいと思います。
(問)話変わりますけれども、衛藤晟一さんの復党問題で公明党の選挙協力の関係、あるいはほかの落選組の取り扱いなどとの比較等について、党内からも批判が出ていますが、大臣どのようにお考えでしょうか。
(答)衛藤晟一先生は、一時期私も同じ派閥にいたことがありまして、そのころ衛藤先生は社会保障のエキスパートという感じでした。たしかそのころだったんでしょうか。当時厚労部会とは言わなかったんです、社会部会と言ったのかな当時。ちょっと部会の正式な名称は忘れましたけれども、部会長が安倍晋三現総理だったんですね。ですから、社会保障で非常に闊達な議論を交わされていたのではないでしょうか、そのころから。ですから、そういう思いがあっての御判断だったと思います。
(問)そういう個人的な思いで総理は……
(答)これは個人的な思いというよりも、政治家にとって大事なことは理念と政策ですから、それは友情関係とかということ以前に、やはり志が同じだということが非常に強いのではないでしょうかね。志が違っちゃったら同じ政党にいる必要もないわけですね。ですから、何で政党をつくってそこに集まるのかと言ったら、やはり志が同じだと、理念と政策が同じだと言ったら、これは政治の離合集散としては正しいあり方なのではないでしょうか。
(問)当選組の復党のときには、内閣支持率にも急落するような影響が見られたんですけれども、今回の衛藤さんの件に関してどのような影響があると推測されますでしょうか。
(答)私は政治担当閣僚ではありませんので、そこまでシミュレーションはいたしておりませんけれども、最終的にはこれは党の方で、中川自民党幹事長の方で責任を持って対応されるものだと考えています。

(以上)