溝手大臣記者会見要旨 平成19年7月17日

(平成19年7月17日(火) 9:44~10:05  於:警察庁18階第4会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 一般案件は宮沢喜一さんの葬儀に関しての決定と、外務省関係、国土交通省関係などがありました。
 配布資料としては、警察白書を皆さんに御披露いたしました。特に、「暴力団の資金獲 得活動との対決」と題する特集を組んだことを強調いたしました。
 次に、平成19年台風第4号及び新潟県中越沖地震に関する話がございました。新潟県
 中越沖地震について、私から、昨日の地震で現在までに死者9名を初め、多くの人的被害が発生しておりますが、昨晩の関係閣僚会合において総理の御指示に基づき、政府一体となった対応に万全を期してまいりますので、関係閣僚の御協力をお願い申し上げたいという旨を申し上げたところでございます。総理からは、被災者が一日も早く安心して生活できるよう、被災公共団体と連携しつつ、被災者への支援、被災地の速やかな復興に向けて総力を挙げて取り組んでいく旨の発言がございました。これから夏休みシーズンを迎えるわけでございますが、各地で地震、大雨等が続いていることも踏まえ、国民の安全を第一に考えて更に緊張感を持って取り組んでいただきたい、という旨の発言もございました。
 私からは、国家公安委員会委員長として、警察関係の対応状況について発言いたしました。台風第4号に関しては、その接近・上陸に伴い、警察庁では被害情報の集約、官邸等関係機関への連絡を行うとともに、広域緊急援助隊の派遣準備等について調整を実施し、各管区警察局管内の広域緊急援助隊に待機を指示したこと、また、死傷者を含め大きな被害が生じた鹿児島県、沖縄県を始めとする関係府県の警察において災害警備本部等を設置し、被災状況の把握、被災者の捜索、避難誘導、交通対策等を実施したことを申し上げました。新潟県中越沖地震に関しては、警察庁では発災直後の昨日午前10時15分に警備局長を長とする災害警備本部を設置して、被害情報の集約、官邸等関係機関への連絡を行うとともに、広域緊急援助隊の派遣及び警察ヘリの広域派遣等について調整をしていること、また、新潟県警察では昨日午前10時14分に警察本部長を長とする災害警備対策本部を設置し、約2600名体制で被災状況の把握、被災者の捜索、避難誘導、交通対策等を実施していること、さらに、8都県から合計約370名の広域緊急援助隊を現地に派遣し、新潟県警察と共に災害警備活動に当たっていることを申し上げました。今後とも引き続き、関係機関と連携しつつ、全国警察が一丸となった警察活動を実施し、被災地の住民の安全、安心を確保するため万全を期するよう警察当局を督励してまいる所存である旨の発言をしたところでございます。
 閣議においては私の発言のほか、菅総務大臣、それから甘利経済産業大臣、冬柴国土交通大臣、小池防衛大臣等の発言があり、さらに最終的に総理が発言されまして、特に中越沖地震につきましては、激甚災害の指定の前提となる復旧事業費を把握するため、国の職員が現地調査に全面的に協力するなど、スピード感を持って対応していただきたいと、こういう発言があったところでございます。

2.質疑応答

(問)中越沖地震の御視察も終えられて、大臣の方から特別に指示されたような点はございましたでしょうか。
(答)指示したというか、内閣府の防災担当グループとずっと協議しながら行った。昨日は緊急の(平成19年(2007年)新潟県中越沖地震に係る関係閣僚)会合を持ったわけです。比較の問題になりますが、能登に比べますと、被災をした市街地の規模が非常に広い。能登半島は山とか畑とか広々としておりましたけれども、今度の柏崎は市街地が直撃されておりまして、これは大変だなと。特に、ライフラインでは、道路がうねったり、蛇行したり、陥没したりしておりますので、ガスとか水道が至るところで亀裂、ガス漏れ、水道漏れが起こったということで、両方とも市営のガス会社ですが、全部これは供給をストップしています。それで、昼御飯から打つ手がなくなったということで、水道が出ない、電気が半分ぐらい消えて、ガスはつかないということですから、食事の支度ができないということで、もう晩御飯の供給をするだけでも大変だったということです。このライフラインの復旧はどうなるのかという、私自身も不安感を持ちました。それで新潟県知事は乾パンとか自衛隊の備蓄食を持ち込むというような手を打っていたわけでございます。今朝から家屋の点検にずっと入っております。危ないところには入ってもらわないようにしなくてはいけないので。この2点は非常に気になったところです。
 もう一つは、私どもは2時ちょっと過ぎには着いたのですが、その時点では情報が集まっておりませんので、犠牲者の話がなく、いろいろな情報が飛び交っておりました。結果的には、現在まで(死者)9名ということでございます。大変多くの被災者が出たということで、心からお悔やみを申し上げたいと思っております。ほぼこれで行方不明とか埋められたと思われているところ(の調査)は大体終わったのではなかろうかと思います。まだ病院で何人か苦しんでいらっしゃる人がいるようだと聞いております。
(問)地震の関係の原子力発電所の状況、火災が鎮火したということで、放射能漏れの危険なのですが、これについては。
(答)私どもが現地に赴いたとき、総理も経済産業大臣も御一緒だったわけですが、火災は鎮火していた状況でございます。その時点において、まず火災関係で申し上げますと、火災は発電所の方へ電力を供給する、これは自家用と外からの買電によって動く電力のようですが、外部から発電所のタービン等の室内用の、そういう動力関係に使うトランスが外にあったわけです。建家から少し離れたところに。それが振動で揺れて、トランスの中には油が入っていますから、それが引火して火災をしたというような報告でございました。現地では駆体は残っておりますし、比較的近いところまで行きましたけれども、そんなひどい火災ではないなと思います。
 それから、もう1点の今朝の報道には出ておりましたけれども、放射性物質の漏洩の件でございますが、昨日質問をしていただきましたが、あの時点では我々は、現地の所長からは、我々に報告をいただいていなかった。情報が入ったということで、担当の経済産業大臣のところでこれに対して対応されたものだと思っております。深夜にわたって善後策等を対応されたというように伺っております。今回の中越沖地震関係の一連の中でも、経済産業大臣から、6号機だそうですが、6号機からの放射性物質の漏洩について、東京電力からの報告が遅れたことなどは国民に大きな不安を与えたことは遺憾であると。それから、昨晩総理の指示を受けて、東京電力社長に対し直接対応策を指示するとともに、各電力会社にも同様の指示を行ったと。国民の不安を解消するため、現地に職員を派遣することを含め、これからきちんとした原因究明と安全の確認を行うと。そういった趣旨の発言が今日あったところであります。
(問)今回の地震なのですが、中越地震からそれほど期間がたっていないにもかかわらず、あれほどの被害が出たという、それに関してはいかがお考えでしょうか。
(答)その原因等についていろいろな解説が出ております。地震学会の意見も出ております。私としては現在どれが本当のところか、当たらずといえども遠からずではないかなと思って聞いているところですが、本当のところは皆さんよくわからないのではないか。もう少し議論をしないと、新聞とかテレビで報道されているだけではちょっと即断はできないなと思っております。ただ、山古志村の被災地には私も遅ればせながらまいったのですが、ちょっと感じが違いますね。山古志村は土すべりが至るところで(発生しており)、土地柄も違うのかもしれません、だから密集地の被災ということで、原因そのものについて私は議論するだけの知識はないのですが、起きた災害の形は根本的に違うような気がいたしました。
(問)まだ直後の段階ですけれども、ほとんど高齢者の方が被害を受けておられますが、今後の高齢者対策、今も進めておられますけれども、何か考えておられますか。
(答)必死になって救済すべき(災害時要援護)者の、名簿というのはプライバシーの問題もあり、なかなか困難な面もありますが、精力的に県知事も指示されて、市長もこれに対応して、要介護、特別に避難所でもケアしなくちゃいけない人については特別な手を打つように、これは我々もそういう指示をしましたけれども、県、市とも懸命にその方向で動いております。喘息で苦しんでいる子供とか、ほとんど動けなくなったような老人も現地にいましたし、これは早く手を打たないといけないなと。
 ただ、余震が続いていますので、家に入れない人が多いのですよね。揺れ方が先般の能登半島(地震)のときに比べると、震源地が近いせいだろう思うのですが、皆さん一様におっしゃるのは下から1回持ち上げられて横にがさがさっと揺れたと、時間はそう長くないと。だから、仏壇とかテレビとか戸棚とかが全部部屋の中で倒れて散乱している。これは軒並み壊れてない家も全部そういう状況になっているようでした。それで、中は足の踏み場もないし、結構老夫婦とか年配の方はもう片づける気力もないし、幸い雨が降っていなかったので、道端で座り込んでみんなで人だまりができてしゃべっておられる、そんな状況でした。あと、中の片づけも大変だろうと思います。これはボランティアも含めて、地域の立ち直りのためにどうやって、やっていくかということも力を入れないといけないなと思いました。
 刈羽村の原子力発電所から、米山トンネルの間はかなり広いですが、その間が全部軒並みやられているということで、また被害がこれから積み上げて出てくるのではないかなという気がいたします。
 内閣府としましては、今、谷本政務官、昨日どこまで行けるか、行けるところまで行ってくれということで、(午後)9時現在でまだ高崎辺りで(最終的に現地に入りました。) 真夜中までに入ったと思いますが、あと現地で3人ほど我々の同行の調査団の人間が残っておりまして、4人で政府現地連絡対策室を置きました。市、県の対策本部と一緒に苦情を受けたり陳情を受けたりしながら現地の情報を正確に本部の方へ伝えるようにと、そういう役割、対応をしてくれるものと思っております。柏崎市役所の中でございます。

(以上)