大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年4月30日

(平成20年4月30日(水) 9:22~9:29  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議ですが、無差別大量殺人行為を行った団体の規則に関する法律の施行状況について、それから労働力調査、家計調査、有効求人倍率の発表がありました。また、福田総理のロシア訪問について発言がありました。
 閣僚懇談会では、格別の発言はありませんでした。
 次回の諮問会議ですが、5月9日を予定しています。議題としまして、日銀の展望レポートが出ますので、新しい総裁を加えてマクロ経済運営について議論を行います。この議題は決まっているのですが、それ以外の議題はまだ調整中です。決まり次第ご連絡いたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど公表になりました統計について、それぞれコメントを頂きたいのと、生産統計が市場予測と比べて大分下がっていますが、これを踏まえた上での景気認識についてお願いいたします。
(答)まず生産から申し上げます。3月の速報がマイナス3.1%で、やや大きなマイナス幅になりました。その中身として、減少しているのが輸送機械、一般機械、金属製品でして、アメリカ向け輸出が落ちている影響がじわじわ出て来ている感じがいたします。ただ、在庫がそれほど積み上がっておりませんで、プラス0.2ということで横ばいです。
 今後の予測を見ますと、4月はマイナス0.3ですが、5月はプラス3.4という比較的大きな数字になっていますので、今後の動向はもう少し様子を見たいと思っています。全体として生産が横ばい圏内にあるという判断は変えておりません。
 次に雇用について失業率は3.8%ということで下がりました。中身も比較的いいですね。失業者が7万人減り、雇用者が7万人増えているということで、雇用に関しては、失業率は、比較的いい数字になっております。ただ、有効求人倍率は0.95ということで下がっております。しかも中身は有効求人者数、有効求職者数ともに減少し、特に有効求人者数のマイナス幅の方が大きく、マイナス4.1%ですね。新規求人者数がマイナス6.8%ということで、こちらの方はあまりいい数字ではありません。したがいまして、全体として雇用は改善に足踏みが見られるという判断に変わりはありません。
 家計の消費支出は、季節調整済みで前月比マイナス2.2%ということで、こちらもやや弱い数字になっております。内訳を見ますと、自動車、設備修繕費が落ちているということで、自動車は税率の関係でやや買い控えがあった可能性もあります。全体として消費はやや弱いということで、総体として生産、消費が横ばいであるという状況に変わりありませんので、景気判断は変えてはおりません。
(問)企業の3月決算が大分出てきて、08年3月期はかなりいいのですが、09年3月期の予想で、円高、材料高、北米市場の動向とあって、かなり減益要素も多くなっているのですけれども、企業業績の減益についてはどう見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)まず、アメリカ経済が減速しているということ、それから円高、原油高といった外的な要因で企業収益が揺さぶられているという感じがいたします。そういうものが今の決算に現れています。これはアメリカ経済の減速がどの程度まで、またどれくらいの期間続くのかに依存しています。それによって大きく変わってきます。日本時間で今夜1-3月のGDPが発表になるので、十分警戒しながら先行きを見ているところです。
(問)改めてという感じになりますが、ガソリンの暫定税率が復活するということで、弱い消費への悪影響をどう考えていらっしゃるか、どう見ていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。
(答)ガソリンだけを取りますと、駆込み需要もあったようですけれども、値段が上がるとまた一時的に消費が落ちるのだと思います。ですが、全体として暫定税率復活によって地方自治体での予算執行の混乱が収まるといったようなこともあります。したがいまして、もう少し消費に対する影響というものはあまり短期、1ヵ月ということではなく、しばらく見ないと何とも言えません。物価に対する影響についても、ここはやや一時的な変動ですので、少し様子を見てみないと何とも申し上げられません。
 やはり、消費に対しては全体として賃金がこれからどうなるかということが一番大きいだろうと考えています。あとは、短期的なガソリンということよりも、全体として原油高が続いておりますし、原材料高が続いております。電力も値上がりしますので、そういう影響の方がやはり大きいだろうと考えています。

(以上)