大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年4月6日

(平成19年4月6日(金) 9:23~9:31  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今朝の閣議ですが、安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案については安全保障会議の名前を国家安全保障会議に改める等の御発言。また、麻生大臣の海外出張の御報告がありました。その後、閣僚懇談会では総理大臣から国家安全保障会議についての御発言があり、財務大臣から予算執行調査についての御発言がありました。
 閣議及び閣僚懇談会の報告は以上です。
 今日夕方に諮問会議を開きます。テーマは前からご案内しているとおり2つです。労働市場専門調査会の報告は随時取りまとめていきますが、今回は1回目の報告です。これは、労働参加率を高めるための方策について御提言を頂く予定です。柳澤厚生労働大臣に出席していただきます。
 もう1つのテーマが、ハローワークへの市場化テストの導入についてということで、ILO条約との整合性について、私的懇談会を私の下に開きましたが、その報告を花見座長にしていただきます。引き続き柳澤大臣に御出席いただいて審議いたします。
 それから、毎年「骨太方針」がどれぐらい達成されたかフォローアップを行うことにしています。諮問会議はずっとPDCAサイクルというのをやってきましたので、「骨太方針」自体PDCAをやっていくということで、そのフォローアップ結果を発表いたします。
 それから、生産性加速プログラムの取りまとめを今やっておりますので、今日はまず生産性に関するデータを内閣府から紹介いたします。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今日のハローワークへの市場化テストの導入についてですけれども、ハローワークとILO条約に関する懇談会の報告が出ていますが、今度は失業手当給付といった業務に関連して問題が残っていると厚生労働省が主張していますが、どのように解決されていく考えなのでしょうか。
(答)今回は無料職業紹介を充実させることが最大の課題ですので、そのための市場化テスト導入です。単なる事業の効率化が狙いではなくて、今フリーターや子育て後の主婦といった雇用保険の外にいて無料職業紹介を希望している人達が増え、ニーズも高まっています。したがって、無料職業紹介を充実しなければいけないところが最大の眼目ですので、まずは無料職業紹介の市場化テスト導入を考えております。雇用保険業務は、必ず対象にしなくていけないとは思っておりません。
(問)労働市場改革について、今朝一部報道でも報告書の数字が出ていまして、今日昼前後に八代会長から公表がされると思いますが、この数字自体は「骨太」にすべて取り込む方針だと思っていいのでしょうか。一次報告の次に二次報告というのがあるのでしょうが、今後とりまとめる「骨太」での扱い方、一次報告、二次報告まで含めるかどうかを今後の見通しも含めてお願いします。
(答)まず前者ですが、数値は10年間の目標になりますけれども、民間議員の提案としては、それを行動指針のような形にしようということです。これは政府全体で「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議も開かれております。男女共同参画会議でもワーク・ライフ・バランスについては検討しており、政府全体で行動指針を取りまとめて、ここでより大きな動きにしていこうということがあります。もしうまくそういう形になればしっかり「骨太」に書いていきたいと思っています。
 2つ目の点ですが、まず今回は生産性加速プログラムのとりまとめ、あるいは成長力強化という目標がありましたので、労働参加率に焦点を当てた取りまとめをいただきました。いつ次をやるということではなくて、今回の取りまとめの後にまた次のテーマで審議をしていただいて、年内の夏なのか秋なのか、いつになるかわかりませんけれども取りまとめをお願いしたいと考えています。次のテーマも含めて専門調査会で議論していただきたいと考えています。
(問)ちょうど今回の労働市場改革専門調査会が出来た頃に、ホワイトカラー・エグゼンプションが話題になりましたが、今のところそういう事項を議論されたことはあまりないですが、二次報告で議論される可能性もまた出て来るのでしょうか。
(答)専門調査会は個別の法律を審議されるのではなくて、中長期的に10年先を睨んで、あるべき労働市場を考えようという趣旨で始まっています。個別にいろいろ議論になっていますけれども、これだけ働き方が変わる中で、全体の在り方を議論しないと今後の方向性も見えてこないというのが専門調査会の趣旨ですので、具体的にホワイトカラー・エグゼンプションをどうするという議論はなされていません。
 ただ、働き方の多様化という中で、労働時間に縛られない働き方は当然議論の中には入っております。ただ、それは具体的にホワイトカラー・エグゼンプションをどうするとか、それをどういう人たちに適用するかといった議論はしておりません。
 6つの壁の中で、今回は働き方の壁、男女の壁、年齢の壁といったものの議論がなされておりますので、今後、さらに正規・非正規の壁ですとか、第二次報告に向けてまたどこかに焦点を当てた検討がなされます。
 ちょうど新前川レポートの発表から20年経っているのですね。あの時に、やはり成長の成果をしっかりと労働者の方にも還元していくことによって、持続的な経済成長につながるという議論がなされていまして、その時に労働時間を1,800時間にというのが出されているのですね。それはほぼ達成されたのですけれども、パートタイマーが増えることによって達成されているのです。今回は、フルタイマーで1,800時間をやはり目指していこうということが盛り込まれています。
 それと、これまで多くの国で経済政策の中で失業率に焦点を当ててきているわけですけれども、労働力人口が減る中にあっては、労働力人口そのものを増やしていく。つまり、職探しを諦めてしまった方や高齢者の方などが、非労働力人口になるのを食い止めるのは重要なことで、失業率の低下から就業率の上昇へという具合に政策目標を大きく変えていくということですね。これは、今ヨーロッパ諸国でもそういう形で就業率の引上げが議論されています。全員参加型の労働市場といいますか、そのあたりが今回の一次報告にはしっかり盛り込まれております。詳しくはまた諮問会議の後の記者会見で申し上げます。

(以上)