大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成18年10月10日

(平成18年10月10日(火) 9:45~9:56  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議では、教育再生会議の設置、昨日の北朝鮮核実験の2つが主な議題になりました。
 それから、閣僚懇談会では、昨日一昨日の総理の中韓訪問についてお話がありました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)まず北朝鮮の核実験についての大臣の御所見と、大分為替が円高に入っているようですが、日本経済に与える影響についてお聞かせください。
(答)北朝鮮の核実験については大変遺憾なことだと思っております。これは、政府一体となって取組がなされるものと思っております。
 それから、円高に振れているとすれば、少しその要因が一時的な要因であるのか否か、見極めたいと思っております。現在、実質実効為替レートは、かなり円 安になっておりますので、一時的な要因であればそれほど大きな影響はないと思いますので、しばらく様子を見たいと考えております。
(問)諮問会議の予定について、今週で日程を考えていらっしゃるのか教えてください。
(答)諮問会議の日程については、現在まだ調整中です。
 今朝、初めての4人会を開催いたしました。時間がなかなかとれませんで、私の方もなかなか時間がありませんでしたので、今回に限って朝食会ということ で、都内のホテルで初めて4人の先生方に顔合わせをさせていただきました。今日は顔合わせでもありますが、いずれにせよそろそろ1回目の諮問会議も近いの で、今後諮問会議でどういう議論をしていくかについてブレーンストーミングをしていただきました。
(問)今の4人会についてもう少し詳しく4人の議員の方のお話をご紹介してもらいたいと思います。
(答)4人の方とも、これからしっかりと改革を加速させていかなくてはいけないと。なおかつ経済がか なり正常な状態に戻ってきているということもありますので、グローバル化に対応した、つまりオープンで新しい経済の可能性を開いていかなくてはいけないと いう総論的なお話。さらに、その中で、諮問会議では優先順位をしっかりと考えながら、成果の出る審議をしていかなくてはいけないという議論が出ました。
(問)個別の項目で、是非こういった点を諮問会議で議論していきたいという御提案などあったのでしょうか。
(答)いえ、特別それはございません。柱としては、オープン・イノベーションということ、それから歳出・歳入一体改革ということ。それから、人材といったところが柱になるのかなという感じを受けました。
(問)その辺りのことは、1回目から民間議員ペーパーという形で示されることになりそうなのでしょうか。
(答)恐らく今回は、事前に4人の議員方で議論していただく時間も短いですから、どういう優先順位ス ケジュールで議論をするかというところまでは、まだ議論は至らないと思います。ただ、このようなことが課題になるのではないかという課題の全体像のような ものはお示しいただけるかなと思っています。
(問)北朝鮮の核実験の件で伺いたいのですけれども、今日閣議をかなり長くやっていらっしゃったようですけれども、追加制裁についてどのような議論がなされたのでしょうか。
(答)それについては、特別の議論はございません。今検討しているということです。
(問)北朝鮮の関連で、先ほど円相場についてありましたけれども、株式市場も若干下げているようですが、日本経済全体に対する影響についてはどのような御所見があるでしょうか。
(答)まだ今日はマーケットの動きを十分に把握しておりませんので、少しその動向を見てみたいと思います。
(問)諮問会議の当面の課題になる歳出削減の工程表のイメージについて改めてお伺いしますけれども、「骨太2006」では歳出改革の具体的内容が別紙として付いていましたけれども、あれをタイムスケジュールに当てはめていくというイメージでよろしいのでしょうか。
(答)これはまだ私自身が考えていることで、諮問会議の民間議員の方とはまだ具体的に意見交換をした わけではありませんが、恐らく数値としてこの年は幾らという工程は難しいだろうと思います。むしろ、制度改革の工程表というイメージです。その裏づけとな る制度改革はまだ議論されておりませんので、そこを議論していく必要があるだろうと思います。
(問)かなり具体的な各論まで前提のことを考えては……
(答)そこまではまだ私自身も具体的に考えておりません。
(問)課題の全体像の中に法人税などは入っていますか。
(答)その中身については、今4人の先生方がご議論いただいていると思います。私は、途中で退席いたしましたので、今日の4人会の半分ぐらいしか出られておりません。
(問)所要時間がどのぐらいで、そのうち大臣はどれくらい出られたんでしょうか。
(答)8時から開催いたしまして、予定されている時間は1時間半を予定しておりました。私は、ちょうど半分経ったところで閣議がありましたので、退席いたしました。
(問)閣議、閣僚懇の中で、北朝鮮について、総理の方から何か指示なりお話はなかったのでしょうか。
(答)「地下核実験について」ということで、総理の御発言をご紹介いたしますと、我が国政府は昨日の 北朝鮮地下核実験実施発表を受け、米国を始めとした関係各国と連携しつつ、早急な事実確認に全力を挙げているところである。このような北朝鮮の行動は、我 が国の安全に対する重大な挑戦であり、また東アジア及び国際社会の平和と安全に対する重大な脅威である。

 我が国としては、北朝鮮に対し厳重に抗議し断固として非難するとともに、米国を始めとする国際社会と連携して、国連安保理等において迅速に対応していく ものである。今回の実験が事実としても、人体や環境への放射能の影響は問題のない範囲と考えられることから、国民の皆様方の冷静な対応をお願いしたいとい う御発言がありました。
(問)消費税を含めた税制改革の議論の時期について、「骨太2006」では今年度内を目途という書きぶりがあって、先般の記者会見も目途だというお 話がありましたけれども、骨太に一言盛り込むことの難しさとか重みをよく御存じの大田大臣の発言としては、若干意外な感じも受けたんですが、この辺りはそ のぐらいの尊重の度合いでいいということなのか、ちょっと御所見を伺えればと思ったんですけれども。
(答)骨太の方針は、毎年の予算編成に向けての課題と併せて中期的な取組についても書いております。そのときに、中期的な課題につきましては、基本的な考え方は明確に述べると。その方向に沿って議論するということになります。

 したがって、そこを目途にして議論するという時に、必ずそこでやるというより、その方向に沿って、その考え方に沿って税制改革についても議論するということで書かれたものと認識しております。
(問)諮問会議自体の運営ですが、国務大臣の参加するメンバーは、これまでと同じと考えてよろしいですか。
(答)同じです。日銀総裁の御出席も同じです。
(問)ノーベル経済学賞はコロンビア大のフェルプスさんが取りましたけれども、その業績について、日本の財政金融政策と絡めておっしゃることがあればお伺いしたいのと、後もう1点、日本人でノーベル経済学賞をとっている人がまだ出ていないのですが、これについて御所見がありましたらお願いします。
(答)フィリップス曲線を期待によって修正したというのは、やはりマクロ経済学の基礎となるもので、今回の受賞はいささか遅いのですけれども、専門家の間では当然のことと受け止められていると思います。

 日本人のノーベル経済学賞受賞は、ぜひ期待しております。

(以上)