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みどりの学術賞選考経過報告

第1回みどりの式典 みどりの学術賞選考経過報告

みどりの学術賞選考委員会委員長 山田康之

 選考委員会は、私を含めて計7名の委員で構成されております。

 選考委員会は、みどりの学術賞の意義を踏まえ、受賞対象の方向性について議論を行い、その議論をもとに、基礎的な研究分野から応用的な研究分野までの幅広い分野の研究者を対象に、計3回の選考会議を開き、慎重に候補者の選考を行いました。
 その結果、第1回 みどりの学術賞受賞者として、杉浦昌弘博士と浅野透博士を推薦することに決定いたしました。

 杉浦昌弘博士は、昭和11年生まれの70歳で、名古屋大学大学院を修了され、国立遺伝学研究所室長等を経て、昭和57年に名古屋大学教授に就任され、名古屋市立大学教授、など歴任、現在両大学の名誉教授であります。
 杉浦博士は、DNA塩基配列自動決定装置等の高度の研究装置が存在しなかった中、一つ一つ塩基を決定する努力を十年問重ね、昭和61年に世界で初めて、約16万塩基対におよぶタバコの葉緑体ゲノムの全塩基配列を決定しました。また、博士は、後に国際的なイネ・ゲノムプロジェクトの成功に大きく貢献するイネの葉緑体ゲノムの全塩基配列をも決定しました。さらに、これらの成果をもとに、葉緑体の遺伝子発現過程の各反応機構を分子レベルで解明するなど、葉緑体工学の基礎を築き、世界から高い評価を受けております。このように、博士の業績は、「みどり」を営む葉緑体の実体を明らかにし、「みどりの恵み」と科学とを結びつけた画期的なものであります。

 浅野透博士は、昭和31年生まれの50歳で、大阪市立大学大学院博士課程終了、森林総合研究所主任研究官等を経て、京都大学教授、総合地球環境学研究所教授を経て、東北大学大学院生命科学研究科教授に至っております。
 浅野博士は、中静透博士として活動され、長野県飯縄山(イイズナヤマ)等、日本の各地をフィールドとした長年の森林生態に関する調査研究によって、樹冠(じゅかん)層の変化により、天然林が更新される過程をギャップ・ダイナミクスとして明らかにし、世界の多くの森林に共通する現象であることを解明いたしました。また、日本海側の深い積雪が、太平洋側と日本海側とで、ブナ林の形成と再生に多大な影響を及ぼしていることを明らかにしました。さらに、マレーシアの熱帯雨林の動態研究にも取り組まれ、林冠を中心とした熱帯雨林の生態と地球環境変動との関係を明示しました。

 このように、博士の業績は、「みどり」との生態系としての接点が薄れた現代社会に生きる多くの人々に、「みどり」を身近なものとして意識させ、「みどりとの共生」の大切さを心から浸透させることに大きく寄与するものであります。

 以上をもちまして、私の選考経過報告を終わります。

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