サプライチェーン強靱化の取組(重要物資の安定的な供給の確保に関する制度)

サプライチェーン強靱化の取組について

経済安全保障推進法では、国民の生存に必要不可欠な又は広く国民生活・経済活動が依拠している重要な物資について、特定重要物資として指定し、その安定供給確保に取り組む民間事業者等を支援することを通じて、特定重要物資のサプライチェーンの強靱化を図ることとしています。

重要物資の安定的な供給の確保(サプライチェーン強靱化)に関する制度の概要図
サプライチェーン強靱化制度の概要図

令和4年12月、特定重要物資として、抗菌性物質製剤、肥料、永久磁石、工作機械・産業用ロボット、航空機の部品、半導体、蓄電池、クラウドプログラム、天然ガス、重要鉱物及び船舶の部品の11物資を政令で指定しました。また、令和6年2月、新たに特定重要物資として先端電子部品(コンデンサー及びろ波器)を政令で指定し、既に指定されている重要鉱物の鉱種にウランを追加しました。

特定重要物資の詳細は、以下の施行令第1条を御覧ください。

安定供給の確保に係る取組の認定について

これまでに指定された特定重要物資について、物資所管大臣により「安定供給確保を図るための取組方針」(以下「安定供給確保取組方針」という。)が策定、公表されています。

経済安全保障推進法に基づき特定重要物資の安定供給確保を図ろうとする場合は、安定供給確保取組方針をご確認の上、実施しようとする安定供給確保のための取組に関する計画(供給確保計画)を作成し、物資所管大臣に提出して認定を受けてください。

供給確保計画の認定を受けた場合には、取組の実施に当たって必要な資金について、安定供給確保支援法人又は安定供給確保支援独立行政法人による助成や、長期・低利の財政融資を原資とした指定金融機関による融資等の支援を受けられます。

供給確保計画の認定(申請)を希望される場合は、まずは物資所管省庁担当課にご連絡ください。

物資所管大臣が策定した安定供給確保取組方針、認定供給確保計画の概要及び物資所管省庁担当課の問い合わせ先については、以下を御覧ください。

(参考)

供給確保計画の認定の後、助成を希望される場合は、特定重要物資ごとに指定されている安定供給確保支援法人又は安定供給確保支援独立行政法人に申請が必要です。

特定重要物資名 物資所管省庁担当課 安定供給確保支援法人又は安定供給確保支援独立行政法人
1. 抗菌性物質製剤 厚生労働省 医政局 医薬産業振興・医療情報企画課 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
2. 肥料 農林水産省 農産局 技術普及課生産資材対策室 一般財団法人肥料経済研究所
3. 永久磁石 経済産業省 製造産業局 金属課 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
4. 工作機械及び産業用ロボット 経済産業省 製造産業局 産業機械課・ロボット政策室 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
5. 航空機の部品 経済産業省 製造産業局 航空機武器宇宙産業課
経済産業省 製造産業局 素材産業課
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
6. 半導体 経済産業省 商務情報政策局 情報産業課デバイス・半導体戦略室
経済産業省 製造産業局 素材産業課
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
7. 蓄電池 経済産業省 商務情報政策局 情報産業課電池産業室 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
8. クラウドプログラム 経済産業省 商務情報政策局 情報産業課ソフトウェア・情報サービス戦略室 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
9. 可燃性天然ガス 資源エネルギー庁 資源・燃料部 資源開発課 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構
10. 重要鉱物 資源エネルギー庁 資源・燃料部 鉱物資源課 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構
11. 船舶の部品 国土交通省 海事局 船舶産業課 一般財団法人日本船舶技術研究協会
12. 先端電子部品 経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

融資支援(ツーステップローン)について

経済安全保障推進法では、供給確保計画の認定を受けた事業者は、内閣総理大臣及び財務大臣の指定を受けた指定金融機関から、長期・低利の財政融資を原資とした融資を受けられます。

ツーステップローン制度の概要図
ツーステップローン制度の概要図

※ 認定事業者に資金が渡るまで2つの金融機関を経由するため、ツーステップローンと呼んでいます。

ツーステップローンの支援を利用する場合には、特定重要物資等の安定供給確保を図ろうとする供給確保計画にツーステップローンの支援を希望する旨を記載し、物資所管大臣の認定を受けてください。

ツーステップローン制度の活用が想定されるケースとメリット
ツーステップローン制度の活用が想定されるケースとメリット

※ ツーステップローン制度は、大規模かつ回収に相応の期間を要することから、民間金融機関のみで対応することが困難な設備投資等の資金需要に対応するものです。そのため、必要な資金が原則として50億円以上、貸付期間が5年以上、民間金融機関との協調融資を原則としています。(必要な資金は事業規模を指しており、指定金融機関からの融資額が50億円以上である必要はありません。)

現在、経済安全保障推進法に基づく指定金融機関として、「株式会社日本政策投資銀行」(DBJ)が指定されています。

ツーステップローンの活用を検討される際には、物資所管省庁担当課のほか、前広に指定金融機関に御相談ください。

  • 株式会社日本政策投資銀行本店・支店情報
  • 制度の詳細については以下を御覧ください。

    サプライチェーン強靱化に向けた支援について

    経済安全保障推進法に基づく支援措置以外に、日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本貿易保険においてもサプライチェーンの強靱化に向けた支援を行っています(こちらは支援を受けるに当たって供給確保計画の認定を受ける必要はありません。)。

    サプライチェーン強靱化に向けた支援の概要
    サプライチェーン強靱化に向けた支援の概要

    それぞれの支援内容については以下のページを御覧ください。

    経済安全保障法制に関する有識者会議

    関連省庁

    安定供給確保支援法人・安定供給確保支援独立行政法人