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3)大学改革

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大学はイノベーションを先導する「知」の源泉であり、既に世界の一流大学は頭脳獲得競争とも言うべき国際的な人材獲得競争を繰り広げている。さらに、自らの組織に安住することなく、外部に刺激を求めて国際的な大学間連携やグローバル企業との産学連携を進めており、多様な経歴を持った研究者や学生の競争・連携拠点としてダイナミックに変革を遂げており、我が国の大学も、好むと好まざるとに関わらず、このような競争に巻き込まれていることを認識する必要がある。

したがって、我が国の大学が世界に対してより開かれたものとなり、多くの優秀な外国人学生が学び、切磋琢磨する環境を整えることで、新たな活力を創造する場として再生し、活力ある多様な人材を多く生み出す拠点となるべきである。また、より多くの日本人学生が海外の大学で学び、否応なく「異」と触れ合う機会を得ることで、広い視野や知識を身に付け、また国際的な人的ネットワークを構築する機会を提供するべきである。 また、大学の本来の役割として、幅広い教養の厚みに裏打ちされた知性あふれる専門家・社会人の育成、独創的・先端的な研究の推進及び社会の発展への寄与が期待されており、これを十分に果たすことにより経済成長及びイノベーション創造に貢献することが重要である。


このような考え方の下、以下の取組を促進する。

なお、全ての大学が同じ方向を指向することは、却って国全体としての大学の力を低下させることにもつながりかねず、個々の大学の自主性・主体性を尊重しつつ、政策的にも大学の個性化を促進する方向で、画一的ではないきめ細かな対応を図っていくことが重要である。


[1]大学の研究力・教育力の強化


大学の研究と教育両面にわたる国際競争力の強化

イノベーションの担い手となる国際的に通用する質の高い人材を育成するためには、我が国の大学において、国際的にも魅力のある大学院を構築するとともに信頼される学部教育を実現し、大学の国際競争力を高めることが重要である。このため教育研究の基盤を支える基盤的資金は確実に措置しつつ、以下の取組を促進する。

  • 大学の研究と教育の両面の国際競争力の強化を通じた世界的な拠点を形成するための取組。
  • 社会の様々な分野で広く活躍する高度な人材を養成するための、大学院における優れた組織的・体系的な教育の取組。
  • 若手研究者の自立促進や女性研究者のための環境整備、日本人研究者の「異」との交流等を促進し、イノベーションの担い手となる創造的な人材の育成。
  • 学部段階における特色・個性ある教育実践の取組。
  • 学生への教育・研究指導の強化と厳格な成績評価の実施、授業の改善を図るための教員の組織的な研修や学生による授業評価の推進等、教育内容及び学位の質を保証する仕組みの検討。
  • 大学の施設環境を国際的な水準の魅力あるものとしていくための整備。

文系・理系区分の見直し

イノベーション創出のためには、特定の学問分野にとらわれない幅広い知見や経験を身に付けることが必要である。特に、科学技術に明るい経営者や、市場のニーズがわかる経営的なセンスを身に付けた研究者・技術者の輩出は、社会や企業がイノベーティブであり続けるために重要な要素である。

したがって、文系・理系の区分にとらわれない教育を実現し、高校・大学における履修科目や就職等卒業後の進路の選択の幅を狭めることのないよう、以下の取組を促進する。

  • 文系・理系の区分にとらわれず、募集単位の大くくり化等、受験生に幅広い学習を促すような入学者選抜の取組。
  • 学生が主たる専門以外の分野を体系的に学ぶことができる複数専攻制度の導入や、教養教育を重視した学部教育の質の充実等の取組。
  • 文系・理系の枠を越え、幅広い知識と専門性を兼ね備え、イノベーションの創出に寄与しうる人材を育成するため、自然科学や社会科学といった複数の学問分野の融合による教育の推進。

意欲・能力の高い学生を選抜するための大学入試の改善

受験生の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に判定しようとするきめ細やかな入学者選抜等により、大学入学者選抜の改善の視点に立ち、以下の取組を促進する。

  • 意欲・能力の高い理数系学生を選抜するための入試方法開発及び実践、これらの学生の才能を開花させるためのカリキュラム開発や実践・早期の研究室配属・学会参加等の取組の促進。
  • アドミッション・オフィス入試(AO入試)(詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、受験生の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に判定しようとするきめ細やかな入学者選抜方法)の更なる活用に向け、受験者や保護者、企業のニーズを調査・解析。また、AO入試で入学する学生の質を確保する観点からの、在学中や卒業後の追跡調査及び分析。


[2]世界に開かれた大学づくり 


海外の大学の学部や大学院との単位互換の促進

学生の交換留学を抜本的に拡充する観点から、海外の大学の学部や大学院との単位互換を促進する。

複数学位制(ダブル・ディグリー)の拡大等、国際的な大学間連携によるコンソーシアム形成の促進

我が国の大学の国際化を推進し、海外の有力大学等との国際的な連携を強化する観点から、国際的な相互連携プログラムを策定し以下のような取組を行う大学の活動を促進する。

  • 海外の有力大学等との複数学位制の拡大。
  • 大学間交流協定等に基づく学生・教職員等の組織的な交流。
  • 我が国の大学等における英語による体系的な教育プログラムの提供(英語だけでも卒業に必要な教科を履修し、単位を取得できるような取組の促進)。
  • 日本人学生の留学に対する支援。
  • 我が国の大学等における9月入学。

教授・准教授の流動性向上

教授・准教授の流動性をさらに向上し活力ある研究環境を形成する観点から、任期制やテニュアトラック制度の広範な定着に努める。

海外から優秀な人材を受け入れるための支援

我が国の大学に海外の優秀な人材を受け入れる環境を整える観点から、以下の取組を促進する。

  • 教授・准教授の流動性をさらに向上し、国際公募の推進等により、世界トップレベルの教員の採用を促進するとともに、来日した外国人研究者が円滑に日本に定着するために必要な支援(外国人の採用比率を2011年までに現行の2倍にすることを目指す)。
  • 優秀な外国人留学生を対象とした、産学連携による専門的な教育プログラム、ビジネスにも対応する高度な日本語研修、日本の企業文化を理解するためのビジネス研修、日本企業へのインターンシップ、日本企業への就労支援等「アジア人財資金構想」をはじめとした関連施策の推進。
  • 生活者としての外国人に対する支援。
  • 外国人の勤務先に一定の要件を設ける等の措置も講じた上で、在留期間を5年程度に引き上げ、専門的・技術的分野の高度人材の積極的な受入れを促進。

優れた学生に国籍に関係なくフェローシップを支給

大学院の真の国際化を推進する観点から、言語面での配慮を含めて、自大学出身者を優遇することのない国内外に公正に開かれた入学者選抜の実施の促進を検討するとともに、優れた学生には国籍に関係なくフェローシップ等を支給することにより優れた頭脳を世界から集めるための取組を促進する。


[3]地域の大学等を活用した新たなチャレンジにつながる生涯学習システムの構築 


健康寿命が延伸し、各々が生きがいを感じつつ自らの適性に応じて活動する場合でも、新たな知識を補充することにより、さらにチャレンジの可能性を広げることとなることから、こうした「学び直し」のニーズに対応した生涯学習システムの構築及び地域の人材養成のために地域の大学等の教育力を活かす観点から、以下の取組を促進する。

  • 生涯学習関連施設、大学・高等専門学校・専修学校と地域の産業界等関係者が連携し、社会人等が地域で実践的な学び直しができる実践的教育プログラム等の提供による機会の充実。
  • 地域の大学、高等専門学校や専門高校と産業界の連携により、学校の有する設備や教員を活用し、企業のベテラン技術者等の協力の下、地域や中小企業のニーズに応じた講義と実習を実施することにより、中小企業の若手技術者等地域産業を担う人材の育成・活用支援。
  • 地域の大学が協同して行う大学等の教育や地域貢献、地域ニーズに対応した人材育成。

大学改革の基本方針については、上記の点とともに、教育再生会議の更なる検討結果等を踏まえることとする。