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このコーナーの記事は私見に基づくものであり、
イノベーション25特命室の公式な見解を示すものではありません。

黒川顧問からのメッセージ・第6回「大学のグローバル度」(2006/12/20)


私は今年始めから何度もさまざまな場所で「大学の大相撲化」を言っています。「大相撲化、オオズモウナイゼーション」というのです。これは私が英語の講演でよく使う言葉です。

第3回イノベーション25戦略会議でも話をしましたが(議事要旨配布資料5)、『エコノミスト』には、世界中のブレーン・パワーをどうやって自分の国に持ってこられるかが各国・各大学の競争になっているということが書かれています。

『ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション』で発表されている世界大学ベスト200には、日本は世界で2番目のエコノミーなのに、日本の大学は11校しかありません。日本の大学で最高順位の東京大学は、昨年の15位からダウンし、アジアとの大学の比較では、2005年に北京大学(2006年は14位)に抜かれ、2006年にオーストラリア国立大学(同16位)にも抜かれ、シンガポール大学と同じ19位になっています。ちゃんとテキストを読むと、東京大学はナショナル・ユニバーシティーとしてはいいけれども、グローバル・ユニバーシティーではないということが書かれています。

『ニューズウィーク』にある大学ランキングの特集について、私は取材を受けたのですが、私のコメントは掲載されませんでした。日本では早稲田大学国際部(学生の25%が外人。とはいっても、早稲田大学の全体としては別扱いですから、私にいわせればむしろ「差別」でしょうか)や、秋田国際大学もありますが、まだ小さくてこの特集の題材にもなりません。去年の『ニューズウィーク日本語版(10月19日号)』にも「大学の国際村化」という特集がありましたが、ここでも日本の大学では、大分の「Asia Pacific University」が取り上げられているだけでした。つまり、日本にはグローバル・ユニバーシティーというテーマで取り上げるような大学がないということなのです。結局、ニューズウィークは33ページにわたって特集を組みましたが、日本の大学のことは2、3箇所、全部で6行ぐらいしか書かれませんでした。ニューズウィークの編集部は(日本支局ではありません)、日本でもこの特集のようなトレンドや動きが当然あると思っていたらしいのですが、日本はまだそういう国ではない、実は"鎖国"だと認識したのでしょう。日本の大学は、東京大学が14位、京都大学が25位に入っています(同順位の大学を別々に数えると、東京大学16位、京都大学29位、阪大57位、東北大68位、名古屋大94位)。論文引用回数の多い研究者数、Nature、Scienceの掲載論文数、とかそんな指標によるランキングなので、当然、日本の大学も出てきます。しかし、これらの大学について、本文中に何のコメントもされていないところに注目すべきです。

グローバル・ユニバーシティーというところでは、日本の大学は存在感が全くありません。いろいろな方から話を聞いていると、教育については、制度としても、海外からの学生を受け入れる環境が整っていないといわれます。そうしたところも何とかしていかなければなりませんが、何よりも、世界で見ている大学の「グローバル度」とは何かということの認識が海外の大学と日本の大学とで違う、ということでしょう。