イノベーション25ホーム
新着情報
イノベーション25とは
活動報告
国内外の政策
資料室
ご意見・ご感想はこちら
キッズページ

イノベー君

科学技術政策トップページへ

このコーナーの記事は私見に基づくものであり、
イノベーション25特命室の公式な見解を示すものではありません。

黒川顧問からのメッセージ・第3回「環境とエネルギー」(2006/12/07)


11月30日の第3回イノベーション25戦略会議では、橋本和仁先生からイノベーションが興りやすい環境についてご意見を伺いました(橋本先生の資料)。

「キーワード」は「異」です。イノベーションを興すには、異端の人材や考え方を受け入れる文化、異分野・異業種人材がぶつかり合う場、そうしたプロセス を支援する環境が必要だということで、学習障害児等の教育、昆虫サイボーグ、光触媒などの例を挙げて分かりやすくご説明いただきました。やはり「グローバ ル」「オープン」という考え方がイノベーションには大切です。

21世紀に人類に最もイノベーションが必要な分野はエネルギー・環境という話もありました。まったく同感です。多くの人口を抱え急速な 発展を続けるBRICsは、消費を拡大し続けるエネルギーの問題や顕著に現れはじめた環境問題を真剣に考えはじめました。中国での環境汚染は、地理的にす ぐに日本の環境汚染につながります。インドやブラジルなどの他の発展途上国の環境汚染も現地からの食糧輸入などを通して間接的に日本人の生活を脅かすで しょう。情けは人のためならずとでもいいましょうか、安倍総理が議長を務める「アジア・ゲートウェイ戦略会議」「海外経済協力会議」等で発信されているよ うに、日本は環境やエネルギーの分野でもアジアや世界へ貢献しなければならないと思います。

日本は、2度のオイルショックが起きた1970年代以来、エネルギーの有効利用に対する関心が高く、省エネルギー、新エネルギー、エネ ルギー多様化、石油備蓄などをがんばってきたおかげで、世界で最も効率のよくエネルギーを使っています。図1は、各国が100万ドルのGDPを稼ぎ出すの に、どれだけの一次エネルギーを消費したかを示したものです。日本は、OECD諸国平均の2分の1、世界全体平均の3分の1となっています。

また、環境分野は、日本では、公害が問題となった1950年代及び60年代以来、社会的に関心が高く、これまで大気汚染や有害物質等の 対策で大きな成果を挙げてきました。GDP当たりのCO2排出量は、日本が世界で最も少ない国のひとつとなっています。環境に優しいエネルギーとして注目 が高まっている太陽光発電ですが、太陽電池の日本の技術力は高く、橋本先生の資料にある図2のように、世界の太陽光発電市場の5割近くを日本勢が握ってい ます。新世代の電池といわれている燃料電池の技術も日本は世界最先端です。日本の「3R」と「もったいない」の考え方も素晴らしいものだと思います。

エネルギーと環境こそ、日本がコア・コンピタンスとして、アジアそして世界に、技術的、社会的に貢献できる分野のひとつでしょう。各国との協力と共生が進むことで、日本は「世界のイノベーションセンター」として「信頼される国家」になるのではないでしょうか。

図1.各国のGDP当たり一次エネルギー供給


図2.太陽電池生産量推移とメーカー別シェア