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河上消費者委員会委員長 記者会見

2014年9月9日
消費者委員会

日時

2014年9月9日(火)19:00~19:30

場所

消費者庁記者会見室

冒頭発言

(事務局) それでは、ちょっと早いのですけれども、河上消費者委員会委員長の定例会見を開始させていだたきます。よろしくお願いします。

(河上委員長) どうもお待たせいたしました。それでは、1件ですけれども、報告をいたします。

当委員会は、本年7月15日に政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部が6月24日に決定した「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」に対して、意見を公表してきたわけであります。

このうち、いわゆる名簿屋等により販売された個人情報については、大綱に示す対策だけでなく、早急に実効的な対策のあり方を検討する必要があるということで、5つの視点を提示しておりました。

個人情報保護法施行後も事業者の個人情報流出事故が発生しておりまして、個人情報の取り扱いについて、消費者の不安感が高まっているということであります。

自己の個人情報については、みずからがコントロールできることが原則であるべきであって、不適正な個人情報の取引を防止し、消費者の権利、利益が侵害されないようにする観点から、7月の意見書に引き続いて、今回、より具体的に意見を述べることにいたしました。

お手元にあります「『いわゆる名簿屋等に関する今後検討すべき課題についての意見』について」という表題のものがございますが、これがその意見の本文であります。

既に山本委員によって事前にレクが行われたと伺っておりますので、内容については、御承知の方も多いかと思いますし、先ほども本会議で山本委員から説明がございました。

細かくは省略をいたしますけれども、この紙の一番最後に、カラーで「いわゆる名簿屋等に関する今後検討すべき課題についての意見【概要】」というものが、資料1-2という形で追加されているかと思います。この内容が基本的には意見の概要ということになりますので参考にしていただければと思います。

簡単に見てまいりますけれども、まず、一番最初が「第三者手続のオプトアウト手続の適正化と提供を受ける側の事業者の責任の明確化」というところであります。

これは本人の同意なしに、個人データの第三者提供を行う側の事業者だけでなく、その個人データの提供を受ける側の事業者にも、今、第三者機関として想定されている機関がございますけれども、そこにちゃんと届出をしてもらうということで届出義務を課して、届出を受けた第三者機関が届け出られた事項を公表することを制度化すべきであるとしております。

届け出るのは、別に生情報を届けなさいという話ではなくて、どういう種類の情報を、今、こういう形で別のところに提供しようとしているという、一般的な内容についての届出であります。そのときに情報を提供しようとする者ばかりではなくて、それを受け取る側にも一定の届出義務を課す。それを届出を受けた第三者機関が公表することによって、今、情報がどういう状態で流れているかということを少しでも明らかにしようというわけであります。

また、オプトアウトの規定によって、本人の同意なしに個人データの提供を受けた事業者に対しては、本人が自分の個人データの利用停止または消去を求める請求権を認めることも検討されるべきであるということが、意見として挙げられております。

今までのオプトアウトの手続では、ホームページなどにちょっと書いておけば、それで一応本人が知り得る状態にしているということにしていたようですけれども、それではいかにも不十分でして、実質的に、今、情報がどういうふうに提供されようとしているかということをわかるように、中身を明らかにしていただく。

しかも、そのことを消費者に通知した後、一定期間を置いて、同意するかということを十分考えさせるようにすることなども検討課題だろうということであります。

2番目が「不正取得された個人情報の流通の防止」の問題であります。1番目はむしろ適正に取得されたものについての問題だったわけですけれども、2番目はむしろ偽りその他不正の手段によって情報が取得された場面であります。

これは、もちろん現行法でもその取得を禁止しているわけですけれども、そこから先の話でして、実際にそれが転々流通していく場合には、ちゃんと適正な方法で取得したのか、不正取得されたのかがはっきりしない事態があり、立証するのも難しいということで、難点があったわけであります。

そこで、委員会意見としては、個人データの提供者、受領者双方に幾つかの義務を課すことで適正な流通を確保しようとしているわけであります。

まず、情報提供者について言いますと、提供しようとしている個人情報が適正に取得されたものであることを保証する。2番目に、勝手に情報を持ち出していることがあってはいけないので、社内的な権限を含めて提供できる権限があることを保証する。提供行為そのものが適法であることを保証する。この3つについて、保証する義務を課そうというものです。

さらに、これを受領する側も得ようとする個人情報が、以上の3つ、マル1~マル3の要件を満たしていることを事前に確認すべき義務づけをして、個人情報が適切に流通するように担保しようということであります。

しかし、その裏側になりますけれども、本人同意原則によらないで流通してしまった個人情報については、やはり何らかの対策が必要だということで、これが3のところになります。

現行法では、27条でもって、利用目的による制限に違反して取り扱われた場合、適正な取得に違反して取得された17条違反の場合は、本人からの求めに応じ、利用停止または消去を義務づけることにしてありまして、これはそのような形で使おうとしている人間について一定の利用停止、消去を求めることができる形になっているわけですけれども、先ほど申しましたように、転々流通してしまった場合には、どのような形でそれが流れているのかわかりませんし、利用停止や消去を求める相手方を特定するのが非常に難しいという難点があります。

そこで、これは先ほどのような形で、全事業者が誰から誰へどういう形で情報が流れているかということを第三者機関がきちんと把握して、それを開示できることにした上で、この個人情報について、全事業者に対して本人からの利用停止または消去の請求に応じることを義務づける制度が必要だということでありますし、利用停止や消去について、行政庁、新しくできる第三者機関もしくは主務大臣によって、利用停止命令等ができることにすべきであろうということであります。

4つ目については「個人データのトレーサビリティの確保」ということが問題となっております。本人が自己の個人データがどういうふうに流通して、現在、どの事業者のもとにあるのかということが把握できない状況にあるということでは、結果的にその権利主張が非常に難しくなることが明らかであります。

そこで、保有個人データの取得手段や取得元、提供先についても、原則として公開、公表・開示を義務づけることが必要であろうということでありまして、この点について、先ほども話しました、第三者機関への届出あるいは第三者機関による公表といった制度化が必要になるというところに結びついていくわけであります。

さらに5番目はやや微妙な問題ですけれども、加工された個人データ、つまり、第三者提供を受けた個人データというものを少し足し算、引き算をして、それを自分が都合のいいような形に変形していくことが行われることがしばしばあるわけです。特定の要素だけをつかまえて、ソートして並べかえてみるとか、いろいろなことができる。

そうすると、最初に提供を受けた情報とは別の新しい情報というものが、加工されたことによって観念されてしまう可能性が出てくるのではないかという疑問があります。加工された新しい情報に関して何らの対応ができないということでは、わずかな加工でもって、この適用を免れることにもなりかねない。

そこで、少なくとも第三者提供を受けた個人データがなければ、新たな個人データを作成することが社会通念上不可能、つまり、それが必須の要素になっているような場合、要件になっているような場合には、新たな個人データも第三者提供を受けた個人データとみなして制度を適用すべきであるという形で、漏れがないように対応を促しております。

それから、最後が第6番目でありまして、業規制をやるかということでありますけれども、これは前から議論がありました。名簿屋というのは一体どういうものかということについての議論をしたときに、個人だってやろうと思えばできるとか、いろいろな状況が考えられます。

有償で情報を提供することだけに特化することも考えられないではないのですけれども、名簿業者という形で継続的にやっているとか、どこかに登録してやっているということはないわけでありまして、一体どういうものを名簿業者として把握すればいいか、定義自体が現時点ではかなり難しいということであります。

まずは実態を把握することから作業を始めないといけないわけで、差し当たって業法について検討するのは将来的な課題ということにして、まずは今まで述べてきた行為規制でもって対応して、実態がより明らかになった段階で、しかも、今、述べた行為規制だけでは十分でないことが判明した場合に、事業者としての規制対象とする、業規制を検討することで、この点は留保して、将来的課題ということにしております。

以上のような内容で、本日は意見を取りまとめたわけでありますけれども、今後、内閣官房における法案化に当たりましては、この意見を十分に留意していただいて、消費者の個人情報等が保護され、消費者の安心感を生む制度が構築されることを期待したいと思います。

私からの報告は、以上であります。

質疑応答

(事務局) それでは、質疑応答に入ります。御質問はございますでしょうか。

お願いします。

(問) すごく基本的なところなのですけれども、この意見は、本日、内閣官房と消費者庁宛てに発出したことになるのでしょうか。

(答) そうです。

(問) 経済産業省は入っていないのでしたか。

(答) 業規制が留保されていることもあって、経産省は入れておりません。

(問) わかりました。

あと具体的に2点ございますが、幾つか提供側、受領側の事業者に義務づけ、適正に取得されたものの義務づけであるとか、これを義務づけて、義務に違反した場合の罰則まではちょっと意見のほうに見当たりませんでしたけれども、そこまでは求めていないのですか。

(答) いや、エンフォースメントといいますか、実際にこの義務づけをした義務がきちんと守られるようにするために一定の罰則が必要であれば、それは考えていただく必要は当然あります。

(問) そこまでこの意見書に入れられませんでしたけれども、義務というのは当然そういうものだという感じですか。

(答) その辺については、立法の際にまた考えていただくことになると思います。

(問) ごめんなさい。これはちゃんと読んだらわかるかと思うのですけれども、4番に取得手段とか、取得元の公表と開示なのですけれども、開示というのは当事者の請求によるチェックだと思うのですが、公表というのは第三者機関に届けることを想定していらっしゃるのですか。

(答) 公表は、第三者機関のほうが公表することによって、本人が自分の情報が、今、どういう形で扱われているかということを認識できるようにしようという仕掛けです。

(事務局) お願いします。

(問) 本人からの利用停止と消去の請求について、1点お伺いしたいのですが、1番目のオプトアウト手続のときの記述を見ると「請求権を認めることも検討されるべき」という表現になっていて、一方で3番目は義務づける制度が必要と、若干温度差があるかなという気がするのですが、これは何か理由があるのでしょうか。

(答) 検討課題としていろいろな方法があり得るので、そこは利用停止にしたり、消去を求める請求権でかなり広範に効果が及ぶものですから、どれぐらいできるかということも含めて検討してもらうということにとどめてありますが、そんなに大きな差があるわけではございません。

(事務局) ほかによろしいでしょうか。

(問) 第三者機関についてなのですけれども、大綱のほうを見ても、この意見を見ても、ちょっと具体的なイメージが浮かばないのですが、第三者機関は、例えば、そのデータを保存するだけなのか、もうちょっと踏み込んだ対応をすることを想定していらっしゃるのか、どういうものを想定していらっしゃるか、ちょっと教えていただきたいと思います。

(答) 実際には、第三者機関は、いろいろな情報をこういう形で届け出られた後、公表をいたしますし、その内容はちゃんと義務を守ってやっているのかどうかということについても監視する必要がある。

ですから、相当重い機関になることは間違いないと思います。個人情報保護のための、現在、考えられているような仕掛けも相当重いものです。マイナンバー法ができ上がった後の仕掛けとして考えていくと、恐らく相当大きい組織を考えざるを得ないだろうと思います。

そこまで大きな組織をつくって、しかもこれだけ重い課題をこの組織に負わせることになれば、やはりかなりの覚悟が要ることです。検討課題としてこちらから出させていただきましたけれども、今後、具体的にどういうふうに進んでいくかは未定ですので、こちらでも見守っていって、必要があればサポートしたいと思っています。

(事務局) ほかによろしいでしょうか。

(問) とても基本的なことです。法律の理解なのですけれども、3番に関連するのですが、今の仕組みでは、例えば、情報が転々としたときに、最後の業者が違法性を認識していなければ、例えば、本人から請求があったときも削除義務には応じる必要はないという理解でよろしいですか。

(答) 現行法ではそういう認識はしていないといいますか、法律上の要件で違反していないことが明らかであれば、それは責任はないです。

(問) つまり、事業者側に害意というか、悪意というか、自分が悪いことをして不正にとったのだという認識がなければ、なかなか難しい。

(答) 責任を追及することは難しい。

(問) 現在の仕組みではできない。だからこそ今回の仕組みで、ある意味、監視するのですね。

(答) そういうことです。

(問) わかりました。ありがとうございました。

(事務局) 一応、月例の会見でございますので、本事項以外でも結構でございますが、御質問はございますか。

(問) 2点ありまして、1点は、ノンアル飲料について先ほど報道がありまして、トクホを認める方針、つまり、消費者委員会の方針とは逆なのではないかという報道がありましたけれども、それに対する受けとめをいただきたいのが1点と、先ほどの委員会で商品先物の不招請勧誘の関係で報告があったと思うのですけれども、今後、この関連で消費者委員会として、例えば、ヒアリングをするとかという予定があれば、教えてください。

(答) 新聞報道でそういうものがあったと認識しておりますけれども、現時点においては、そういう事実はないというのが大臣からの御発言ではなかったですか。

(答・事務局) それはなかったと思います。本日の大臣の記者会見では特に質問は出ていません。

(答) そうですか。いずれにしても、私どもで認識している限りでは、そういう判断を消費者庁のほうでしたということは伺っておりません。ですから、コメントはできかねます。

(問) 不招請勧誘は。

(答) 不招請勧誘については、今はまだ協議中で、消費者庁のほうで、今、対応をしていただいております。ただ、私どもとしても、もし経済産業省なり、消費者庁が別の動きをすることがあるとすれば、きちんと対応しないといけないと考えております。

(事務局) ほかによろしいでしょうか。

特になければ、これで終わりにします。どうもありがとうございました。

(河上委員長) どうもお疲れさまでした。

(以上)

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