河上消費者委員会委員長 記者会見

2013年4月3日
消費者委員会

日時

2013年4月3日(水)12:59~13:39

場所

消費者委員会大会議室

冒頭発言

(事務局) それでは、大体皆さんそろわれたように思いますので、委員長の定例の記者会見を始めたいと思います。
 4月から新しく着任された方も何人もおられるようで、また新しい顔ぶれということで、月1回、消費者委員会委員長による定例の記者会見というのを行っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 冒頭、委員長のほうから最近の活動、それから、今後について御報告をいたしまして、その後、質問をお受けしたいと思っております。
 それでは、委員長、先にお願いいたします。

(河上委員長) 委員長の河上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、座ってお話しさせていただきます。
 まず、先ほど事務局長からの話にもありましたけれども、4月から新しい方もおいでになったということで、まだまだ消費者委員会というものの認知度が十分ではなくて、消費者庁の中にある審議会かなと思っている人もいますし、地方へ行っても消費者庁と区別のつかない方がいっぱいいらっしゃるので、その辺もちゃんと話しておいたほうがいいかと思います。そこで、きょうはパンフレットとA4判の資料で「消費者委員会とは」ということで大体の概要を資料に入れてあります。
 御承知の方も多いと思いますけれども、消費者委員会は、消費者庁及び消費者委員会設置法という法律で、消費者庁の中ではなくて、外に、内閣府にぶら下がる形で独立してつくられた第三者委員会でして、その意味では非常に自由にいろいろな省庁に対して物が言える立場にあります。他方で諮問を受けて審議したり、消費者庁を初めとする各関係省庁に対して一定の、余り言葉はよくないですけれども、監視をするといいますか、消費者目線で、果たして消費者行政がうまく進んでいるかどうかというのを見守る、そういうことをする機関でもあります。
 また、消費者自身からいろいろな意見を吸い上げて、それを政策に反映させるというパイプ的な役割もあるということで、審議会の機能と、監視をする機能と、そしてパイプ的な役割、3つをそろえて持っている機関で、諸外国にこの種の機関の例はないのです。それは政治的な駆け引きの中ででき上がった偶然の産物でもあるのですけれども、全会一致で、90時間近い議論をしてでき上がった組織ですから、何とかそれぞれのよさを生かして、消費者庁は消費者庁、消費者委員会は消費者委員会それぞれの役割をきちんと果たしていければと思っています。
 ここ3年半ぐらい、最初の第1期委員会のときは組織の在り方そのものが手探りだったこともあって、なかなか調整がつかなかったり、外から見ると、消費者庁と消費者委員会がけんかしているととても面白いということで、消費者委員会が消費者庁に対して物申しているという場面がしばしば注目されたのですけれども、私自身にとっては、そういうことはどうでも良くて、むしろ消費者委員会は消費者庁の「良心」みたいなものですから、黒子であってもいいとさえ考えています。消費者庁が本当に消費者目線で各省庁に対して司令塔としてその力を発揮してもらえるように、きちんと後ろから必要なことを言い、必要な提案をし、そして支えていけるという役割を果たすことが大事なのだろうと思っています。
 消費者庁はまだ、いろいろな省庁からの寄せ集めの世帯でもあって、親元に対する遠慮から、なかなか思うようなことができない場合もあるみたいですから、むしろそういうときは消費者委員会のほうが遠慮せずにいろいろなことが言えますので、関係省庁に対して物を言って、先陣を切っていけるというように、お互い補完的な役割をうまく果たせればいいと考えております。その意味では、連携しつつも独立した第三者機関として頑張っていきたいということで、やってきております。
 委員会の構成委員は10人おりまして、資料の中に顔写真つきで入っております。私の顔も、これは実は数年前の写真であります。それぞれ消費者団体の方、学者とか、消費者問題のエキスパートの方がそろっております。ことしの8月末に第2期の委員会の任期が終わるということで、第4コーナーを回りつつあるという感じであります。
 これまで出した建議の一覧もこの資料の中につけておりますので、後でゆっくりとごらんいただければと思います。ホームページからも、わかりやすく情報を得られます。最近ではリコール情報についての建議なども行いました。
 御承知のように、例の長崎の老人ホームでの火災事故の原因がリコール未回収品であった。我々が建議をした直後にあれがリコールの未回収品であったことが明らかになって、建議を関係省庁がきちんと尊重して実施していただくことが大事だということを改めて痛感させられました。
 詳しい消費者委員会の活動等について、必要でありましたら事務局のほうから別の機会を設けさせていただきますけれども、本日は、以上のようなことで、ぜひ宜しくお願いしたいと思います。
 以下、私のほうから報告事項として幾つかお話をさせていただいた上で、今、委員会がどんなことを考えているかということについても簡単に関心事項をお話しし、時間が許す範囲で御質問をお受けしたいと思います。
 報告事項の第1番目は、公共料金の問題であります。
 関西電力、九州電力の家庭用電力料金の値上げ申請については、昨日2日に経産大臣から認可が行われました。査定のプロセスでは、消費者委員会の下部組織である電気料金調査会での議論を踏まえて作成されたチェックリスト、これは消費者庁のほうで最終的には用意してくれたわけですが、このチェックリストを踏まえて、その内容に従った審査が行われたということです。今後も同様な問題についての指針ともなるものではないかと考えております。
 結果的には、関電の場合が2.13%程度、それから、九電の場合が2.28%程度圧縮されたという結果になりました。どのくらい圧縮されたかというのは、成果みたいなものですけれども、余り重要ではなくて、むしろ電気料金がどういう形ででき上がっているかという内容の構成が透明であるかどうか。それから、それが合理的な積算であるかということ。さらに、電気料金を決定する過程で消費者がちゃんと意見を言って、その決定過程に参画できているかどうかといったところが大事かと考えております。
 今後、東北電力、四国電力からも値上げが申請されており、それに対して4月8日月曜日17時から第5回の家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会を開催して、東北電力、四国電力から申請内容について説明をいただくことにしております。また、4月17日には仙台で、4月22日は高松において、消費者庁主催という形で意見交換会が開催されます。地元の声を丁寧に聞きながら今後の対応を進めていきたいと考えているところです。
 第2番目が、消費者安全関係です。
 3月12日の第114回委員会において、平成22年8月に発出した自動車リコール制度に関する建議の実施状況に関する再検証を行いました。そこでは、再リコール事案における技術検証の的確な実施、あるいは自動車メーカーに対する厳格な監視の実施について、国土交通省に改めて要請をしたところであります。
 また、3月26日の第116回委員会におきまして、消費者安全の確保に関する基本方針の変更等について消費者庁から説明を受けて、質疑を行い、その結果を内閣総理大臣宛てに答申したところであります。この基本方針の変更点は、主として消安法の改正に伴って中身の表現を調整するということだったわけですけれども、この機会ですから、リスクコミュニケーションの問題であったり、多数消費者財産被害への対応であったり、消費者教育の推進であったり、さまざまな問題について、消費者委員会としても、こうあったほうがいいということについてはかなり細かく注文をつけて、ほぼ、それらの変更要請を満たしていただいた形での変更案となっております。
 将来、この基本方針は、消費者基本計画の中で、それと調和のとれた形で進めていかれなくてはいけないということでありますので、消費者基本計画の重点施策事項として盛り込まれて、きちんと実施されていくようにと期待しているところであります。
 第2次の委員会は、どちらかというと取引事案に関する意見表明が多くて、消費者安全の問題について正面からお話しする機会が少なかったのですけれども、2月に事故防止のための周知徹底に向けた対応策についての建議を行ったところでもあり、消費者安全の問題については実は内部では非常に高い関心を持ち続けてきたところでもあります。引き続き、この安全の問題についても関係省庁からのヒアリングを実施するということで、しっかりとした対応を求めていきたいと思っています。
 これが消費者安全関係でして、第3番目が地方消費者行政専門調査会についてであります。
 3月28日に第2次消費者委員会として地方消費者行政専門調査会を立ち上げてというか、前にあったものを再開したということになりますが、地方消費者行政が中期的に目指すべき姿についての検討に着手したところであります。これまで親委員会のほうでずっといろいろ調査をしたり、議論をしていたわけですが、そろそろまとめをしなくてはいけないということもあって、この専門調査会で深掘りをしていただくことになります。本年夏までに一定の取りまとめを行って、委員会としての意見表明を行う予定でおります。
 また、4月9日火曜日の第117回委員会において、平成24年7月に発出した、地方消費者行政の持続的な展開とさらなる充実・強化に向けた支援策についての建議というのがありますけれども、そのフォローアップとして、消費者庁、総務省から実施状況の概要等についてヒアリングを行う予定でおります。
 地方消費者行政の活性化基金は、森大臣のところで平成25年度末まで延長することにされたわけですけれども、まだ安定的なお金ではないわけです。消費者委員会としては、地方消費者行政の基盤を確立するためには、やはり人的・物的なものを含めて、これからまだまだ支援を継続的に行なわないとまずいと考えておりまして、そうした基盤確立をするための今から正念場に入るという認識であります。委員会本体としてもしっかりとこれに取り組んでいきたいと考えております。
 第4番目が、関係団体等との意見交換会であります。
 2月から3月にかけて、消費者団体、関係団体、全部で11団体ほどですが、それとの意見交換会を3回に分けて実施いたしました。
 その中で、いろいろ御意見をいただきました。例えば、消費者委員会はもっと検討テーマの優先順位をきちんとつけて重点化を図ったほうがいいのではないかとか、あるいは委員会の情報発信力が弱いのではないかということとか、これは前から言われていますが、事務局体制の充実・強化をもっとちゃんとはかるべきだという話。それから、消費者庁、国民生活センター等との、消費者団体も含めてですけれども、各種関係団体等との連携強化を図りなさいといったことが意見として開陳されました。いずれも重要な御指摘でありまして、いただいた意見については今後の委員会活動に大いに参考にさせていただこうと思います。
 委員会の情報発信力の強化という点は、内部的にはホームページを改善するぐらいの仕事しかなかなかできないので、もっといろいろ考えないといけないのですが、同時に報道機関の皆様の御協力も大変大事ではないかと考えております。その意味で、できるだけ消費者委員会の情報を報道の中でうまく取り上げていただいて、結果的に消費者にいい情報が国民に伝わって、消費者行政に資するような結果がもたらされればと思います。あらためて、報道機関の皆様にはいろいろ御協力をお願いしたいと思います。
 以前、脱法ハーブのことで皆様に御協力をお願いしましたら、脱法ハーブについての報道を非常にたくさんしていただいたということで、成果が随分上がったのではないかという気がします。今後とも報道機関の皆様の御協力をぜひお願いしたいと思います。
 以上が報告事項でありますけれども、その他の関心事項についても若干触れさせていただきますと、今、やっております作業の中では詐欺的な投資勧誘の問題がありまして、これまで学識経験者等との意見交換とか関係省庁からのヒアリングをやりまして、それらを前提に、担当委員を中心に、高齢者に対する被害の防止に向けて、どういう方策があり得るかということについて、鋭意、検討を進めています。
 なかなか難しい課題でありますけれども、今後、場合によっては補足的に学識経験者、関係省庁からヒアリングを行いますが、いつまでも、頭を抱えているだけでもいけませんので、対策としてできるところから提言できるものをまとめて出したいと思います。見解の取りまとめについてはゴールデンウイークの前後あたりを目指したいと思います。
 もう一つ、IT関連についても作業を一生懸命進めているところで、内部的な検討はある程度進んでいるのですが、これまた難問であります。
 それから、地方消費者委員会でありますけれども、5月25日土曜日ですが、第8回の地方消費者委員会を札幌で開催する予定です。札幌の方々と相談をして、今度は製品の安全をテーマにやろうということで、今、準備作業をしております。日程は5月25日で固まっております。詳細については、確定しましたら、またお知らせをしたいと思います。
 皆さんの積極的な参加を期待しますし、現地の支局のほうにも、5月25日は地方消費者委員会が札幌であるよということで連絡をしていただいて、御紹介いただけるとありがたいと思います。
 こちらからはこれぐらいでよろしいでしょうか。

質疑応答

(事務局) 一応、こちらからの準備した御報告というのは今のとおりになります。
 初めての記者の方々もおられますので、報告事項に限らず、お聞きになりたいことがありましたら、どうぞ、そちらもお受けしたいと思います。
 御質問ございますでしょうか。
 どうぞ。

(問) 2点あります。
 その他の関心事項のところでお伺いしたいのですが、詐欺的投資勧誘の問題は、いろいろ御努力されているということは拝聴しているのですが、やはり方向性といいますか、現段階でどういうふうに考えているのか、どうしていきたいというところの何か、今、御存じなところがあったら御意見を伺えますでしょうか。

(答) 詐欺的な投資勧誘の被害が全然減らないわけです。特に高齢者を相手とした投資勧誘が続いているということで、1つは民事的な効果として、投資勧誘がなされた結果として締結された契約から当事者を解放する手段の問題があります。また、場合によっては損害賠償ということもございます。集団的訴訟手続に関する立法の成否にも関わることですけれども、そうした民事的な効果がきちんと被害者救済に結びつくように対応することが必要であります。これは民法の世界での改正、消費者契約法の世界での改正とか、特商法での改正の可能性、いろんな可能性がありますので、どういうやり方が差し当たって必要かということが問題になってきます。
 もう一つは、現在、現金のやりとりをするときに振り込みが難しくなってきているということがあって、そのほかの手段、例えば、ゆうパックみたいなものに入れて送らせるとか、いろいろな形での、現金の受け渡しの手段が利用されています。そういうツールのところで何か規制をかけられることはないかということとか、単なる民事効果だけではなくて、例えば行政の観点からツールになっているものに対して何らかの対抗手段がとれないかといったことなど、いろいろな観点から問題点を洗い出して、今、できること、できないこと、物によっては通信の秘密なんかもありますから、そういうものとの調整もしながら、やれるべきことはどこまでだろうということを検討しているところです。

(事務局) もう一つ、ありましたね。

(問) その後、IT関連という話もあったのですが、済みません、私、その情報が持ち合わせていなかったので、どういうことをお考えになっているのかを教えてください。

(答) 1つは、個人情報が大量に流出してしまうと問題で、スマートフォンなどが非常に広く使われるようになって、そこでのいろいろな問題が起きていることは御承知のとおりです。総務省でも検討していますので、それとのにらみで考えていかないといけないのですけれども、消費者の権益を保護するために、ITを使ったさまざまな情報流出に対する保護の問題、それから、ITを使って詐欺的な勧誘行為や広告をするという場合への対応、例えばプロバイダ責任に関する法律等がございますけれども、それらについて見直すべき点はないかといったことも含めて検討しているところであります。
 問題があまりに広範囲に及びますので、ITの問題は一気に解決はできないのだろうというふうにも思いつつあるのですけれども、できるところから改正点を見つけ出して建議に結びつけることができればいいなと思っています。

(問) ありがとうございました。

(事務局) ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

(問) 先ほどの3回やられた消費者団体の意見交換会のことと付随することなのですけれども、3月中旬に森大臣が主催されている消費者行政体制整備のヒアリングがありました。消費者4団体が出て、3団体の中で消費者委員会に対して非常に厳しい指摘があったと思います。一つ一つの課題があったわけですが、委員長、陪席されていらっしゃいましたけれども、まずどういう感想を持たれましたでしょうか。

(答) 森大臣が主催された検討会の主たる目的は、国民生活センターの位置づけに関する議論で、有識者からの見解を聞くという場面であったので、消費者委員会についてああいう形での御議論をされたことについてはちょっと意外でありました。あの場で反論するようなことでもないかと思いましたので黙っておりましたけれども、やはり誤解が多いということでして、特に、例えば発言された団体からいろいろな意見が出ておりますが、その意見に対してもう少し丁寧に消費者委員会としても答えなくてはいけないかなという気持ちは持ちました。

(問) 先ほど意見交換会のこともありましたが、意見交換会に参加した方の中には、要するに意見を言っているのだけれども、答えがない。それで、先ほどの委員長のお話の中でも参考にされるということでした。
 つまり、透明性の確保という面から言うと、非常に消費者委員会が見えにくくなっている。委員の人たちがどう考えているのかということが一つあって、あと、先ほどの体制整備の充実に対しては、一つ一つの課題が文書で出ていますね。委員会のあれとかで、それは我々が見ても非常に厳しいといいますか、とても大事なことだと思うのですが、これは委員会の中で委員の方々がその意見を検討するというのはあるのでしょうか、あったのでしょうか。

(答) 実は、消費者委員会に向けて意見書というのが幾つも出ておりまして、今は3カ月に一遍ですか、消費者委員会の本会議の場で、こんな意見がありましたということで意見の一覧表を出して、必要なものについてコメントを加えるというやり方で対応するように致しました。前はそれはしていなかったのだと思いますけれども、今は必要かなと思うところについてはコメントを出すというふうにして一覧表が出ています。
 さらに、意見書そのものもホームページから飛べるようにしてもらいたいという意見もあるのですけれども、ただ、それはこういう意見がここから出ているということがわかれば、そこのホームページに飛べば必ず読める仕掛けになっているので、むしろ消費者委員会のホームページの中で宣伝に使われるのはどうかと思いますので、そのまま張りつけるということはしておりません。
 意見に対していろいろなコメントを本会議の中で私のほうからしたり、場合によっては委員から補足的にコメントを出す形で今後は対応していこうかなと思っているところです。

(問) それは意見書ですね。意見書とか意見とかに関してのあれということですね。

(答) そうです。
 この間の会合で出た意見とそれに対する返事は、今、事務的にまとめてもらっていますので、この概要はホームページに公表することにしたのでしたね。

(答・事務局) そうです。今回、それから、その前は去年の夏にやったものからどんな御意見が出ましたということと、消費者委員会としてはこう考えますという回答というのでしょうか、意見のようなものをつけたものを委員会の場で発表して、それをホームページに掲載をしているということで、今回は半年たったところですけれども、2回目になり、またその手順で進めているところです。

(答) 消費者委員会の中での意見形成が見えにくいということなのですけれども、正直言って、私はほとんどあばら骨まで見せている感じなので、そう言うと委員会の中での議論が少ないということかもしれませんが、実は委員会での意見形成は委員間打ち合わせというところでは、時間がなくて、ほとんどできません。2時間半ぐらいか3時間ぐらいの時間で情報を整理して、次の委員会ではこんなことを聞こうかとか、こういうことをしようかという話ぐらいしかできなくて、実質的な意見交換は、実は委員間のメールでやっています。第2期の委員会になってから、メールは1,000通を超えています。それがいつも飛び交っているということなのです。

(問) そうなると、要するに第1期のときと第2期の一番の大きな違いは、第1期のときは委員会の中の委員が議論するわけです。意見を闘わせるわけですよ。例えばこんにゃくゼリーでも建議を出すかとか、提言・意見をするかとか、それは反対だとか、行政法との関係でどうである、そういうものが要するに傍聴から、あるいはビデオでやっていましたから、わかるのです。
 ところが、第2期のほうは打ち合わせ会がまずわからないし、打ち合わせ会自体も、あれを発表するようになったのは、こんにゃくゼリーがわずか15分か20分で、打ち合わせの中で変わったということですね。それで当時、記者会のほうでおかしいではないかということで出したわけですけれども、打ち合わせ会自体の内容というのは今も本当にわからない。
 要するに、打ち合わせ会がわからない。それでメールでやっていて、委員会の中でも委員の方々がどんな意見を持っていらっしゃるのかが、発言されない方がいたりとか、そうなると消費者委員会の意見の形成過程は、メールは全くわからないです。そこが透明性の確保という意味で難しいところではないか。
 だから、あばら骨というのはわかるのですけれども、おっしゃりたいことはわかるのですが、それは例えば消費者からの意見がある。それをどういうふうに検討されて、それは消費者委員会にとっては非常にまずい提案もあるかと思うのです。そういうものを中でやる場合に、どういう過程があるのだとか、少なくともオープンの場では言うべきだ。

(答) 表に出ている情報はやはり少ないのかもしれません。最近は本委員会の中で、できるだけざっくばらんに意見を出してもらうような機会を持とうとはしているのですけれども、まだまだ足りないのかも知れません。
 内部で対立するいろいろな意見が出て、それに対して消費者委員会として意見形成が難しいとか、そういうことは一切ないです。実は、現在の第2期の消費者委員会の中で、意見の対立が余りないのです。誰かが、これはこうしたほうがいいのではないかというふうに言ったときに、みんなそうだなというふうに大筋で同意できて、あとは具体的にどういう手順で、どういう意思表明をしたらいいか、最も効果的な手法としての意思表明は何だろうというところでむしろ苦労している部分が多いと思います。
 消費者委員会ですから、他省庁に遠慮せずに何でも言いたいことを言えばいいではないかという意見もあるのですけれども、ただ、実際に運用している現場の人たちにしてみると、こういうことも考えないとなかなかうまくいかないのですよと、経産省なら経産省の人たちは答えてくるわけです。確かに、そういう問題があっても、今、こう工夫すれば、ここまではできるでしょうというふうにして、現場とのやりとりがあります。これを「調整にあけくれている」などと非難するのは簡単ですが、消費者委員会が無責任な評論家的委員会ではなくて、それなりに現状を踏まえて、一歩を進めるだけの提言のできる堅実な委員会として意見を表明するためには、その部分での作業は不可欠ではないかと個人的には思います。
 ですから、なかなか外から見たときに、何でここでこうなっているのだろうというのが見えにくいようなときに、うまく本会議の段階でこちらからも説明できればいいのだとは思いますけれども、至らないところは改善していくように努めたいと思います。

(答・事務局) 第1期も第2期も、やはり委員会の持ち方とか、委員間打ち合わせのあり方とか、それを外の人にわかってもらうにはどうしたらいいかというのはずっと引き続きの課題で、今、4年目もやっているところで、いろいろ御提案がありましたらお申し出いただければと思いますし、これからも試行錯誤でいろいろなことをやっていきたいと思っています。
 ほかにはいかがでしょうか。

(河上委員長) それから、会議があるときに案内が記者クラブに投げられるかと思うのですけれども、その点について、ちょっとお願いがあります。

(事務局) 事務局から3つお願いがあります。
 1つは、先ほど委員長が冒頭に申し上げましたように、新しい方が何人も来ておられるので、消費者委員会の仕事、消費者委員会という組織について説明会を持ちたいと思いますので、それはまた幹事社を通じて御案内したいと思います。
 それから、委員長の定例の記者会見で、今まで第1水曜日のこの時間にお願いしておりましたけれども、5月から第1火曜日の14時からお願いをしたいということで、これも幹事社を通じて御案内をしていますので、これもお返事を6日までということでお願いしておりますので、こちらもよろしくお願いをいたします。
 3つ目なのですが、今、委員長がお話ししましたように、委員会の活動を記者の方に知ってもらうというのは、この定例の記者会見がありますね。それから、建議や提言を出したときの委員長記者会見があります。それから、ボードに消費者委員会をこの議題で開きますとか専門調査会を開きますという、開催案内をボードに張っていますけれども、ボードもすごくたくさんの情報が張ってあるので、なかなか目立たないところがあって、それでは、皆さんに確実に、迅速に、消費者委員会は次に専門調査会がこういうテーマで開きますとか、こういう提言を出す予定ですとかというのを確実に知らせる方法はないのかなというのをちょっと考えておりまして、メールか何かで直接お知らせするような方法がいいのかどうかというのも事務局の中ではいろいろと考えたりしているところで、それについてもいい御提案があったらお願いをしたいと思っています。
 そういうことです。

(河上委員長) 個人のメールに投げるのがいいのかということもあるのですけれども、ただ、皆さんが、記者クラブにおられるときと、おられないときとがあるので、うまく伝わるかどうかが心配なので、色々と方法を考えさせて下さい。これまでの委員会の通知も項目だけが目次のようになっていますが、アジェンダの出し方ももう少し中身が想像できるような出し方に工夫してメールで送れないかと、この間も委員間打合せで話したばかりでございますので、何かいい知恵があったら教えてください。

(事務局) それでは、14時からは消費者庁のほうの会見もあると思いますので、また何かありましたら、いつでもお問い合わせいただければと思います。
 本日はどうもありがとうございました。

(河上委員長) どうもありがとうございました。

(以上)