河上消費者委員会委員長 記者会見

2012年7月24日
消費者委員会

日時

2012年7月24日(火)17:58~18:11

場所

消費者委員会大会議室1

質疑応答

(事務局) それでは、始めたいと思います。
 6時からもう一つの会議も始まっているところなので、簡潔にやりたいと思います。
 今、お手元の資料といたしましては、今日の建議のポイントというもの、それから、「建議」。先ほど、案で提出しておりましたけれども、案が取れまして、今日付での建議となっております。
 もう一つ、委員長からのメッセージという1枚紙で、地方消費者行政を応援していますという形の紙をつけさせていただいております。
 内容については、委員会に出席されていたということで割愛させていただいて、質疑だけさせていただけたらと思います。 それでは、御質問がございましたら、どうぞ。

(問) 大臣からは何かお話がありましたでしょうか。

(答) はい。総理からも、地方消費者行政をしっかり支えてほしいという話があったということを伺いまして、消費者担当大臣としてもしっかりとこの建議を受けとめて、できることをやっていきたいというようなお話がございました。

(問) 突っ込んだやり取りはなかったのですか。

(答) 少し時間が短かったのであまり立ち入った話は致しておりません。財政支援の件に関しては、先ほどは出てきませんでした。ただ、相談員の身分の安定の問題というのが話題になりまして、そのことに関して大臣は総務省の方ともいろいろお話をしているようで、消費者委員会の意見を深刻に受けとめて考えているということでした。

(問) 特に委員長から、お金に関しては頼みますよという念押しをしたとか、そういうことはありましたか。

(答) 念押しはしました。

(問) それに対してはどういう反応でしたか。

(答) 特に引き受けたという感じではなかったですけれども、それは頑張るということはおっしゃいました。
 お金の出し方に関して、今回の消費者委員会の建議の中には、地方財政法の規定を明示的に出して、それに基づいて幾つか選択肢としてあるのではないかという提案をしましたけれども、その辺についても前向きに考えていくという様子ではありました。

(問) それはこの辺に書いてある話ですか。

(答) そうです。

(事務局) 6ページの(3)の最後のところです。

(答) 地方財政法第10条、第16条の活用にはそれぞれメリット、デメリットがあるようで、使い勝手のよさも含めていろいろ難しい議論もあるのですけれども、選択肢としては出してみる価値はあり、これは検討できるのではないかということです。ともかく、安定した財源をつくっていただくということが大事なので、考えられることを全部考えてくださいと、こういうことです。

(問) 一番最後の「中長期的なビジョンの策定」を今後の課題としてあえて提案された理由ということが一つと、地方消費者行政の場合、今までずっと言われてきたのは、国との関係、地方との関係、それと、検討が始まっていますけれども、国センとの関係、あるいは消費者委員会との関係と、いろいろ言われてきました。この中で、ここは国が地方消費者行政をつくるようにという提案で、それに対して消費者委員会は、それに貢献するという形になっています。消費者委員会としてビジョンというのはつくられないのでしょうか。

(答) 中長期ビジョンについて検討するのは消費者委員会の役目でもありますから、検討は今後ともやっていくことになりますけれども、消費者庁で「指針」をつくりまして、それを、これから見直し・改定を順次行っていくとされています。その中で、消費者行政が中長期的に目指すべき姿を消費者庁の方で明確にするということが期待されますので、委員会としてこれを横から見守り、フォローアップしていくというのが一つのやり方になります。
 もう一つ、今回、建議を発出しましたので、この建議のフォローアップ作業を半年おきぐらいにやることになります。その機会や、その他の消費者基本計画の検証・評価・監視といった機会もつかまえまして、中長期的なビジョンの明確化をやっていきたいと思います。ほかにも具体的な問題、たとえば国から一定の財政負担の在り方とか、支援の在り方といったことについて、取組の具体的な問題が出てきましたら、それについてはまた意見なり建議なりをしながら、中長期的な事柄について発言していくということで対応したいと、今のところは考えております。
 それから、国との全体の関係ですが、これはいろいろなことが問題になります。特に地方分権の大きな流れの中で、こういう形での議論を出していくことの問題とか、あるいは国センの役割との関係とか、多くの課題がありますけれども、地方分権との関係で言えば、分権をやって地方に創意工夫をしていただくということとできるだけ両立するような下支えというやり方でやっていただく必要があります。建議は地方分権と真っ向から対立するような提言ではないという認識でおります。
 国センは、基本的には各消費者センターのセンターオブセンターズになるという位置づけで、今後、活動してもらえればありがたいと考えております。これも今、大臣の下で検討会をやっている最中ですので、そちらの検討にあわせて更に消費者委員会でも考えてみたいとは思います。

(問) これ以外の質問でもいいでしょうか。

(答) はい。

(問) 電気料金の件ですが、消費者委員会としても委員長がコメントを出されたり、委員会としても意見を出されていました。今回、ああいう結果になりました。委員長のコメントにしても、委員会のあれにしても、要するに、通常のような感じで東電を位置づけることの妥当性に対して非常に疑問視されていて、安定化維持費用とか、電力購入費用とか、こういうことに対していろいろ提案されていました。そして、こういう結果になりました。そこで、大きな核心的なところというのは反映されなかったような気がしますけれども、その点について、今回、委員長として、あるいは委員会として、何かコメントをお願いしたいのですが。

(答) 山口委員が委員会の席上「非常に残念だ」というふうな言い方をされた気持ちは、私も共有しております。今回、委員会で一番指摘したかったことは、例のお金の決め方に関して、利用者としての消費者と、東電と、東電の債権者としての金融機関であるとか、あるいは支援をしてきた国民全体、そうした人たちがどういう形で今回の事故に基づくコストを分担するのかということでした。この一番大事なところの議論が、ある意味ではもう1年以上前に原賠のスキームの中で固定されてしまって、その固定された枠からどうしても抜け出ることができなかったわけです。そこが基本的な限界だったと思います。
 このスキームについて、きちんと見直さないといけなかったわけで、何となくわからないのに、ほかの電力会社にも通用するような電力値上げのスキームをということで、いろいろよくわからない費目が入ってきたから、我々として質問をし続けたわけです。ですから、そこの部分についてのきちんとした説明がないのであれば、それは全部外してくださいという言い方をせざるを得ません。全部外してしまうと、実は、山口委員は6%とおっしゃいましたが、更に小さかったかもしれない。
 ですから、実際には利用者がどのくらいの負担を今回の費用に関して負担すべきかという議論をきちんとして、その上で、それが7%、8%ということで明らかになっていけば、それは消費者もある程度納得できたと思うのです。その意味では、最後の大臣の間でのぎりぎりのやり取りの中で、どういう政治的な判断があったかというところまではなかなか見ることができない。大臣自身はうんと頑張られたのだとは信じておりますが、この結果で満足ですかと言われると、やはり、十分満足はできませんということになります。

(事務局) ほかにはいかがでしょうか。
 また随時、御質問は受けます。6時からのもう一つの会合は、委員長もメンバーで出席しないといけませんので、申し訳ございません。

(答) もし機会があれば、申入れをしていただければと思います。

(事務局) 継続した課題ですので、よろしくお願いいたします。

(以上)