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河上消費者委員会委員長 記者会見

2011年12月2日
消費者委員会

日時

2011年12月2日(金)18:52~19:19

場所

消費者庁6階記者会見室

冒頭発言

(事務局) それでは、どうも遅い時間に済みません、お待たせいたしました。
 先ほどちょうど終わりまして、国民生活センターの問題、それから、消費者契約法の作業チームの話がございましたので、そういったことを含めて少しお話をしたいと思います。
 最初に、口火だけ切っていただけますか。

(河上委員長) それでは、先ほども消費者委員会でお話しさせていただきましたように、一応、国民生活センターの在り方の見直しに関する検証会議の中間とりまとめが大体こういう方向でいきそうだということが明らかになってきましたので、それに対して意見をとりまとめさせていただきました。
 要点は、「記」のところの、紙で言いますと2枚目のところでして、当委員会としては、国民生活センターの組織面の位置づけについて、いずれの選択肢が適切か、あるいは他の選択肢がないのかということについては、まだ検討の余地があるのではないかということでして、仮にどういう組織形態を取ることになったとしても、国民生活センターの機能がちゃんと発揮できるようにということが大事で、少なくとも現在の機能がきちんと維持されるような状態を制度的に担保するという方策を講じてもらいたいということです。
 (1)から(4)まで挙げておりますけれども、そこでも繰り返し申し上げているように、消費者庁と消費者委員会と国民生活センターという現行の3つの機関が言わば三極を形成して、それぞれがお互いに役割をきちんと果たして、そして、いい意味で緊張関係を維持しながら、適切に連携を保っていくというのが基本的な理念であるということであります。
 第2番目で、「消費者の立場に立って」というところでありますが、必ずしも国の機関になった場合に消費者の立場に立たないかということでは全くないのですけれども、しかし、現在の国民生活センターの在り方というものは現場の目で、消費者の視線でもって消費者の支援をするという部分を特徴にしているわけでして、そうした消費者目線、そして、消費者の立場というものを前提に、柔軟かつ機動的な業務運営を行っていく。そこに国民生活センターのよさがあるわけですから、その特性が失われるようなことがあってはいけないということです。
 第3番目が、「国民生活センターの各機能の相互補完性・一体性」ということがございます。まるっきりそのままどこかにくっつけろとか、どこかへ持っていきなさいということはないかとは思うんですけれども、しかし、今の国民生活センターが機能しているのは、それぞれが全体として相互補完的なものを持っていて一体として動いているから意味があるという点をちゃんと確認して、それが確保できるような形で組織の在り方を考えるべきであるということです。
 それから、第4番目ですけれども、研修とかあっせんとか、経由相談などもそうなんですが、国民生活センターというものはやはり地方のそれぞれの消費者センターとの間で、これまで相互補完的にいろいろ連携を取りながらやってきた。今、試行の段階に入っていろいろやっていますけれども、センターが直接相談を限定したり、いろいろしながら、若干問題があるのではないかというようなことも言われています。その意味では、地方の消費者行政の現場と国民生活センターが今後も密接な連携関係を維持できるような組織の在り方をちゃんと考えていただきたいということです。
 これら4つの点を制度的に担保するような方策を考えた上で、組織の位置づけというものを考えていく必要があるということだけは、やはりくぎを刺しておく必要があるだろうということでございます。
 消費者契約法の方はとりあえずよろしいですか。

(事務局) そうですね。あとは御質問をお受けしたいと思います。

質疑応答

(問) これは、だれに対しての意見ということになるんですか。

(答) これは、基本的には消費者担当大臣に向けての意見です。例の検証会議は、山岡大臣の判断に資するために、今、意見をまとめようとしていますから、山岡大臣が政治的な判断をされる際に、現時点での検証会議の内容を前提に、委員会としてはこれだけはということを申し上げたかったということでございます。

(問) その読んでみての印象としては、国へ移行することは適当とされているということを肯定しているように思えて、これまでの消費者委員会のトーンからは結構現実的になって、中でも最低限これだけは入れてくれということをこの4つで書いていらっしゃると思うんですが、そうではなくて、刷新会議はわかるけれども、この短い間に検証し切れるものではないから、ほかの法人と国センとはちょっと違うから、もうちょっと議論して考えませんかというようなトーンとは全然違うように思えるんですが、その辺りはどう受け取ったらいいんでしょうか。

(答) 理解として強調しておきたいのは、一元化やむなしとか、国への移行やむなしという判断ではありません。むしろ、ほかの可能性をきちんと追求してくださいということが最初にあって、しかし、仮にそれは国へ移行することもやむなしという意見が大勢を占めてしまった場合にも、消費者委員会としては、しかし、それでもこれだけは守ってくれという書き方にしております。
 もう一つ、現在検証を行っていまして、それがまだ短期ですのでもう少し検証したらどうだという話は、実はこの意見書原案でも用意していた部分があったのです。ただ、その部分に関しては、私どもが手に入れた座長の試案の中に既に書き込まれておりましたので、そのことについてはあえてもう一度言う必要はないかということで書いておりません。しかし、確かに2か月ほどの検証で組織として果たしてどうかというようなことまで判断するのは早計であろうという気がいたしますので、やはりきちんと議論した方がいいということについては委員会としても検証会議の意見と同様でございます。

(問) それは、この「記」の前の文面、この辺りににじませていらっしゃるということなんでしょうか。

(答) にじんでいるかどうか。にじませているつもりですけれどもね。

(問) わかりました。

(事務局) ほかにいかがでしょうか。

(問) そうしますと、消費者庁への一元化とか、国への移行やむなしではなく、ほかの可能性を追求してほしいということは、消費者庁への一元化と国への移行は望ましいと考えていないという、それは反対だということなんですか。

(答) 現在の段階で消費者庁に一元化するということが望ましくないとまでは言っておりません。それは一元化をする仕方いかんだと思うのです。ですから、それは仮に、それが最も国民生活センターのパフォーマンスを最大化することになるのであればそれでも構いませんし、この4つの条件がきちんと制度的に担保されているのであれば国への移行ということはあっても構わないという前提でございます。
 しかし、それ以外にもこの4つの前提を守るための在り方というものはまだ考えられるのではないか。行政刷新会議がいろいろおっしゃっていますけれども、しかし、そこでの独立行政法人というものが本当に断崖絶壁の状態に置かれるようなものなのか。それとも、更に別の可能性が追求できるのかというようなことについても、この消費者委員会としては、そこは考える余地があるのでないかというスタンスでいるわけでございます。

(問) あと、消費者委員会への一体化といいますか、一緒になるという、これに関してはどのように考えているのでしょうか。

(答) これは消費者委員会の中でも若干議論をさせていただきまして、まだ意見がまとまっているわけではないのですけれども、消費者委員会の持っている中立性といいますか、そういうものを利用して国民生活センターの独立性を確保できるのであれば、消費者委員会としては国民生活センターを下にぶら下げるということはやぶさかではないと考えております。
 ただ、現在の消費者委員会の役割から考えますと、必ずしも今のままの組織の業務形態では、それは若干、組織論として難しい部分がありますので、もし消費者委員会のもとに国民生活センターをぶら下げるとすると、消費者委員会そのものの組織の在り方、例えば三条委員会に変えるとか、全体としての組織の在り方を見直す必要が出てくるかと思います。そうなると、消費者庁との関係ももう一度見直さないといけませんから、かなり大がかりな話にはなります。最近、事故調の話も出ましたけれども、事故調がいろんな評価に関して提言をするなどというものも、本当は消費者委員会の役割に近いものですから、こちらの方に持ってくるというようなことも考えられますので、全体の整理をし直すということがあるのかもしれません。例の設置法附則第3項の趣旨を前提にして更に検討し直すというようなときには、場合によってはそういうことも考える必要があるのかもしれないのです。
 ただ、私が懸念しておりますのは、国民生活センターの言わば帰属をめぐって消費者庁と消費者委員会が取りっこをしているような、問題を矮小化してしまう危険があるので、そのことについて消費者委員会が最初から手を出していくというようなことは余り考えておりません。むしろ幾つかの選択肢のうちの一つということで考えていただければありがたいと思います。

(問) ありがとうございます。

(事務局) ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。

(問) 確認なんですけれども、4つの項目が制度的に担保されているということが前提で、例えば1項と3項なんですが、1項の場合は3つの機関が言わば三極を形成するということで、これは恐らく、それが制度的に担保されているということですので、これが国への移行であっても、これが制度的に担保されていればOK。
 あと、3番目は相互補完性・一体性が確保されるということで、研修、あっせん、相談とか、ADRもありますが、特にADRについて、ほかのところで、例えば消費者委員会の方で、八条委員会としてADRを設置するけれども、ほかは消費者庁へということも案がありますが、それが制度的に一体性が担保されていればそれもやむなしといいますか、OKだということですね。

(答) そこは政治的な判断もあると思うのですが、ただ、基本は国民生活センターが一体化して動くといいますか、今の一体性を形の上でも制度の上でも持っていただくことの方が望ましいというメッセージは、この意見の中に含まれています。むしろ、ばらばらに機能を分解していろんなところに雲散霧消させてしまうというようなことはあってはならないという考えです。

(問) もう一つ、政府から独立した法人という3つのうちの一つなんですけれども、これは類型がないということで言われていましたが、ほかの2つもそんなにはっきりしているものではないということを今日委員長がおっしゃっていましたけれども、この政府から独立した法人ということについて何かコメントはありますでしょうか。

(答) 具体的な、制度的な在り方について、そんなに良い知恵があればとっくに出しているのですが、いろんな審議会でも御検討の上で、まだはっきりしていない。消費者委員会としても余りはっきり制度を提案できるにいたっていないのです。例えばの話ですけれども、公益法人として外に出るという形もないではないでしょうし、それから、いろんな地方自治体がみんなで財政的な援助を持ち合って、各地方自治体の消費者センターの言わばセンター・オブ・センターズとして国民生活センターができ上がるというようなことだって可能性としてはあるような気がするのです。全く頭の中でだけ考えても、様々な可能性が考えられます。
 ですから、外に出たからといって、つまり国に必ずくっつかないと国民生活センターが今後あり得ないなどというふうにまず考えてしまわない方がよくて、むしろ現在のセンターがうまくいくためには、最低限これだけの制度的保証が必要です。それで、その制度的保証を実現するために最もよい場所はどこで、形態はどのようなものでしょうという次の考えをめぐらして、それが例えば消費者庁の下にぶら下がることで比較的落ち着いていますねとか、消費者委員会のところにぶら下がる方がいいですねとか、場合によっては内閣府にもう一つぶら下げて、この3つが並列してやった方がうまくいきそうですねとか、いろんな議論があり得ると思うのです。
 その部分について、もう少し知恵を出して、そして、現在の検証作業というものを続けた上で固めていくのが適当でして、余り消費者庁にくっつけましょうということを急がない方がいいだろうということは考えております。

(事務局) どうぞ。

(問) 先ほど、消費者委員会の機能についても言及されましたけれども、すぐに国センをくっつけるのも難しかったり、あと、以前から委員長が指摘されている、人や予算が足りないためになかなか監視機能を発揮できないという点についても、すぐに人や予算が増えるわけではない。そういった中で、それでは今ある、例えば審議会機能の一部を返上するとか、審議会機能の事務局機能をどこか消費者庁に持っていくとか、要するに今ある仕事を一部返上して、その代わり監視機能を強化していくというお考えみたいな、現時点でお持ちのものなどはありますでしょうか。

(答) それはありません。現時点で持っている消費者委員会が果たすべき機能を削減するといいますか、減らしていこうというつもりは全くありません。
 ただ、むしろ消費者委員会としてもう少し手足を持って、必要な研修とか、非執行的な部分についてやれるものがあるのではないかという気がしておりますので、その意味では業務の拡大ということはありますけれども、何かを返上しようというつもりはございません。

(問) 人や予算はそのままで、うまく業務を。

(答) こなしていけないかなと。人手はもっと欲しいですけれどもね。

(事務局) どうぞ。

(問) この4つの意見は、2回前に山口先生が会議の中で言われたものと同じ内容なんです。もうちょっと期待していたんですが、実は、これを書くときによくわからなかったんです。この三極を形成するという意味なんですけれども、施設等機関として消費者庁の中に置くという今の案は三極を形成できるんでしょうか。

(答) 現在の施設等機関の考え方をそのままにして、消費者庁の中に置いたのではできないでしょうね。

(問) ということは、今の案は否定している、ピンどめはしているということでしょうか。

(答) そういうことになります。
 つまり、そこでもどういう留保を付けながら箱に入れるかにもよりますけれども、現在の体制で言われている施設等機関でしたら、これは三極にならないでしょうね。

(問) それから、実は私が独自で取材していて、今日、参事官マターの話が出て、もしあれをやるのであれば、本当は検証会議の中で議事録が残る形できちんとやるべきだと私は思っていて、どこまで公式のものとして扱うのか、私はちょっと判断に迷ったんですけれども、とりあえず向こう側の主張としては、次の通常国会に通ったら独法通則法はなくなってしまうので、長くても2年間しかない、今の組織を持つことができない。
 そうなりますと、国への移行で選択肢を切ってしまったときに、例えば消費者委員会を三条委員会にすることがその中での時間でできるのか。結局、いろいろな今までの流れからしますと、文章からしますと、消費者委員会にADRを入れて、あとは一元化をするんだろう、消費者庁の中に入れざるを得ない選択肢しか残らないのではないかなと読んでしまっている。皆さんがどう思うかは知れないんですけれども、私はそう読めてしまうところがある。その案についてはいかがですか。どうお考えですか。ADRのみを消費者委員会に持ってきて、消費者庁の中に一元化してしまうと。

(答) 一元化の仕方にもよるんですけれども、ADRだけを消費者委員会に持ってくるということは、現時点では不適切だと思います。

(問) それで、先生のお考えとして、消費者委員会の中に特別の機関、物すごくハードルが高いと思うんですか。

(答) いや、そんなことはないのではないですか。だって、今は何をやってもハードルは高いですよ。国民生活センターを国の中で適正に位置づけて、しかもその独立性を確保してやろうと考えれば、今までの常識的な組織のつくり方ではこれは成り立たないことだと思うんですよ。ですから、それはどれをやっても大変なので。

(問) ただ、国への移行で、何となく路線が引かれているので、もしこれで決着してしまったとして、そういう方向を模索していかれるんでしょうか。例えば消費者委員会の組織も変えたりとか、あと、特別の機関とか施設等の機関とかを、今後、消費者委員会もきっと、3者を検討するときは当事者になってくるわけですから、そういうようなお考えがあるのでしょうか。

(答) これから、恐らく次の検討会議みたいなものでは消費者委員会も当事者となってくるだろうと思いますので、当然、委員をそこに入れることになります。その上で3者の関係というものの整理ということはやらないといけないと思います。

(事務局) もう19時を過ぎましたので。
 どうぞ。

(問) 済みません、消費者契約法の調査の作業チームのことなんですが、これは予定として設置はいつで、あと、河上委員長がチーム長であるということで、あと、メンバーはもう決まっていらっしゃるんですか。

(答) はい。参考資料として、これはお配りしてありますか。

(答・事務局) 参考資料のその次にとめて付けてあります。

(答) 五十音順で有識者メンバーの予定表を入れていると思います。

(問) 設置はいつでしょうか。

(答) もう12月には立ち上げて、第1回を開く予定です。

(問) 12月に第1回ということで、月1回ペースでいくんですか。

(答) それから後は月1回ペースぐらいで、少し問題点の整理をしたりということを通じて、大体問題がはっきり見えてきたら今度は安定した調査委員会にして、皆さんにもはっきりと議論が見えるような形で議論していきたいと思います。

(問) 改正が目的ではなくて、今、実態を調べられているということでしょうか。

(答) そうです。問題の所在を整理することから始めます。最終的なゴールは改正の在り方を考えることになります。
 御承知のように、法務省の法制審議会の方で民法改正のための議論がどんどん進んでいますけれども、そこで一つの大きな論点として、消費者概念を民法に入れて、そして、消費者契約法の実体法部分を民法の中に組み込むという案が検討されておりますが、それに対して、消費者委員会として、場合によっては消費者庁が本格的に乗り出せば、消費者庁としてどういうふうに考えるかということをきちんと示さないといけないと思いますので、将来の立法のことも含めて考えていくことになります。

(事務局) あとはよろしいでしょうか。

(問) 前回の特商法の改正の提言についても聞いてもいいですか。

(答) はい。

(問) それについて、その後の記者会見で長官は、今はすき間事案としての安全法の改正に全力を挙げているところで、特商法の改正は次の課題であると認識しているというふうに発言されました。
 それで、法のすき間に対応するためにできた消費者庁なのに、すぐに特商法の改正案などに対応できないのは、消費者庁のどこに問題があるからだというふうに先生はお考えでしょうか。

(答) それは消費者庁の方の問題ではあるのですが、やはりちょっとパフォーマンスが今のところは余りよくなくて、人も足りないのではないかなと想像しています。見ていたら相当忙しそうにいろいろやっていることは確かでして、消費者契約法も実は一緒にやりましょうよと言っても、ちょっと大変そうな雰囲気で、勿論、調査はなさっているのですけれども、一緒にがんがんやっていこうというところまではまだ行かないのです。ですから、消安法について、今、改正で取り組んでいるので、特商法はもうちょっと、それが終わった後やらせてくださいという趣旨なのだと思います。
 ただ、消費者問題に関しては人が少ないというのは言いわけにならないので、ですから、消費者委員会としては、むしろ意見書で述べましたとおり、今回はとにかく立法ですぐに手当てをしていただきたいけれども、すき間事案が出てくることは当然予想されるので、それに対応するための手当てをきちんと速やかに考えてほしいと要請したということです。
 消安法で事足れりと思っていらっしゃるのだったら、もう一遍申し上げざるを得ないことになりますけれども、いずれにしても特商法の中でも対応できるように、速やかに検討していただきたいと考えているのが意見の趣旨です。

(事務局) それでは、一旦ここで閉じさせていただきたいと思います。
 どうも、長時間ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

(以上)

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