内閣府 Cabinet Office, Government of Japan

内閣府ホーム  >  活動・白書等  >  審議会・懇談会等  >  消費者委員会  >  記者会見  >  2011年  >  河上消費者委員会委員長記者会見

河上消費者委員会委員長 記者会見

2011年10月6日
消費者委員会

日時

2011年10月6日(木)18:00~18:49

場所

消費者庁6階記者会見室

冒頭発言

 本日は実は第2次の消費者委員会の立場で、最初の会見ということになりますので、どちらかと申しますと、これからの自分の抱負のようなことを中心にお話することにして、あとで、皆様の方から御質問がございましたら、改めて私の、個人的ではありますが、考えを述べたいと思います。
 ご承知のように、まだ消費者委員会は立ちあがったばかりでございまして、この1か月の間に幾つかのテーマに関する自由な議論を委員の間で交わしまして、これからどういう深掘りをしていくかということについて、かなり深まった議論も致してまいりました。ですから、もう少し時間をいただいて、これからの具体的なことは決めていきたいと思います。一般的な話で恐縮ですけれども、委員会としては国の消費者行政全体を監視するということが1つ目的ですが、それ以外にも審議をしたり調査をしたり、あるいは消費者の相談員現場の方から生の声を聞いて、それを実際に国政に対してつなげていくというパイプ機能も果たさなければいけないということで、課題山積でして、大変いろんな機能を期待されている委員会であることを実感しております。
 消費者委員会としては、現実に次々と起きてくるさまざまな消費者問題に対して、迅速かつ的確に対応できますよう、消費者庁始め国民生活センター、地域のセンター等ともしっかり連携をいたしまして、情報、問題意識を共有しながら地道に作業をしていきたいと思っております。
 御承知のように組織論としても、いろいろと議論がありまして、事務局の人的体制が必ずしも十分ではないのではないかとか、予算的な問題もあって思うように動けない部分もございますけれども、しかし、ともかく、その与えられた環境と条件の中で精一杯頑張っていくということで、事務局の方も相当士気が高まっておりますし、委員の方もこれから頑張るぞということで、少しでも御期待にそえるようにと懸命に取り組んでおりますので、どうぞ御声援をいただければと思います。
 なお、現実に発生した問題に対して的確に対処していくことも勿論大事なことですけれども、委員会としては「これからの消費者市民」といいますか、将来消費者になっていくであろう子どもたちに対する教育の部分、いわゆる消費者教育の問題についても強い関心を持っております。今日も実はヒアリングの中でその問題が出てきましたけれども、これまでも何度も同じようなことが問題になっては、なかなか前に進んでいないということがありまして、具体的な今後のプロセスに対して、消費者委員会として何ができるんだろうかということも積極的に考えていきたいと思います。
 また、消費者に対して一定の情報をどういう形で伝えていくかということに関して申しますと、実はメディアの方々の役割には非常に大きいところがございます。消費者委員会としての問題意識をできるだけ私どもからもお伝えいたしますので、それを読者や視聴者の方々にわかりやすい形で伝えていただければと考えております。逆に、実際の現場で記者の方々が発見された問題について、我々に対していろいろと教えていただいて、むしろ情報をいただくというようなことも期待しておりまして、皆様方からの御指導とか、あるいは御提言を是非お願いしたいと考えております。
 本日、皆様のお手元にインターネットで紹介させて戴いております第2次消費者委員会の委員のプロフィールが配られているかと思いますので、それを見ながらこういう人たちが委員なのだなということで、御理解いただければと思います。
 簡単ながら、私からの就任の御挨拶は以上ですけれども、何か御質問がございましたらお受けいたします。いかがでしょうか。

質疑応答

(問) よろしくお願いいたします。2つありまして、1つは国民生活センターとの一元化について、前の体制では消費者委員会としては拙速な一元化に関しては、かなり懸念の声を出されていたかと思うんですが、体制も新しく変わられて、委員長個人といいますか、委員長としてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。

(答) まだ私の個人的な見解ということになります。話題には上っておりますが、委員会の中で正式に議論をしたということではございません。ただ、私自身は基本的には1次の委員会のスタンスを支持すべきものであろうと考えております。これまで、国民生活センターというところがある程度行政からむしろ少し自由な形で情報を集め、それを分析し、消費者に還元していくという非常に活発な活動をこれまで展開してまいりました。それをうまく維持できるかどうかという辺りについて大きな疑念がございまして、一元化をすることによって萎縮効果はないだろうか、角を矯めて牛を殺すようなことにならないだろうかということについて心配しております。その意味では国民生活センターというのはいい意味で三極のうちの1つ、つまり消費者庁、消費者委員会、そして国民生活センターがいい意味で緊張関係のある三極をつくって、消費者問題に対して連携してスクラムを組むという在り方が、消費者行政全体の機能強化にとって最終的には一番いいのではないかと思います。
 これは独法改革との絡みがございますので、問題は簡単ではありません。最終的にどういう形態になるのがいいかというのは別途に協議会ができましたので、それの検討に期待したいと思いますけれども、個人的にはそのような考え方を持っております。

(問) もう一つ、消費者庁ができて2年。消費者委員会もそうなんですが、両方に言えることですけれども、司令塔としての役割を果たしてこられたのかというのが消費者庁の1つの課題であり、消費者委員会としてもいろいろ建議を後半になってたくさん出してきましたが、なかなか発信力といいますか、新たな問題にメスを入れるというか、そういうところが十分になし得なかったのではないのかと私なんかは思っているんですが、双方の足りないところというのはどういうところにあって、どういう問題があって、どういうふうにしていきたいというところで、委員長のお考えはありますか。

(答) 消費者庁に関しても、でき上がったばかりの組織でして、それなりに一生懸命なさっていたのだろうと思うのです。ただ、何年か消費者庁に来ては帰っていくというような形の職員の方々が、自分の省庁に対して物申すというのはなかなか難しいところがあって、生え抜きの職員を育てていくようなことが必要なんだろうかという感じはします。ただ、意識は非常に高い人たちが多いので、今後消費者庁も頑張ってくれるのではないかと期待しておりますし、厳しい意見も遠慮なく申しますけれども、基本的には温かく見守ってあげればと思います。
 消費者委員会としても、問題はございます。先ほども申しましたけれども、幾つかの機能を一気に背負った委員会というのは世界的にも余り先行するタイプがないのです。ですから第1次の委員会は手探りで、何をどういうふうにしたらいいかということを一つひとつ決めていかないといけなかった。しかも下部の専門調査会をつくって具体的に深掘りをするテーマを決めて、委員を委嘱してマンデートを与えるまでの間にどうしても時間がかかってしまった。ですから2年目は非常にたくさんの報告書が出ましたが、1年目はなかなか難しかったというようなことはあるようです。
 苦労されて第1次の消費者委員会がおおよその道筋をつくってくれましたので、それをうまく生かして、2次の委員会でも早めにそういう大切な課題について必要な建議につながるような委員会を立てて、深掘りを進めていきたいと思います。効率のいい建議や提言ができるかどうかということで、集中的にどのくらいできるかはまだわかりませんが、いかんせん調査のための人手やお金が非常に限られていますので、それをうまく使いながらやらねばなりません。次年度から予算をもうちょっと増やしてほしいと思いますけれども、とにかく、今はそれを効率的に使いながら頑張っていきたいと思います。

(問) 委員会が今日も開かれましたけれども、年内不定期でということでしたが、開催が遅れていた理由あるいは不定期の理由というのは何なんでしょうか。

(答) 委員としての任命が9月1日ですけれども、私の場合もお話があったのは、7月後半か8月ぐらいでございました。結局、既に年内の予定が皆さん入っている状態で委員ということになってしまいましたので、なかなか委員間の集まれる日程の調整というのが難しくて、不定期になってしまっているという問題がございます。来年度になりましたら4月以降の日程に関しては比較的安定した形で開けるだろうと思いますが、しかし、回数に関して言いますと、委員会の本会議は大体隔週ぐらいで効率的に行い、それ以外の夜の遅い時間でも委員間で時間が合えば打ち合わせ会を持って、そこで予め準備会的に意見交換をして委員会の時間は短いですけれども、その時間の間に効率的にいろんな審議や方向づけができるように、今、工夫をしているところです。

(問) その場合、1つの要望みたいなものなんですが、9月以降なかったわけですけれども、打ち合わせ会というのが3回ほど開かれている。打ち合わせ会はホームページでもテーマが発表されていますが、外から見ていますと要するにテーマだけであって、つまり何が語られているのかわからない。もともと打ち合わせ会を、これは非公開ですので、当初打ち合わせ会のテーマなりを発表する背景は、第1次のときのこんにゃくゼリーの問題で建議を出すか提言になるかという中で、打ち合わせ会の中で非常にわからなかった。だから内容なりを発表してほしいということをこういう場で言ったときに、記者の中で出てきたわけですけれども、今の状況の中でもまだわからないところがある。
 例えば、今日委員会の中で出てきた3回の打ち合わせ会の中のテーマを見ても、非常にわかりにくくなっている。だから基本的にもう少し同じ2行で書くのであれば、同じことを書いてある2行ですので、それをもう少しわかりやすく書いてほしい。例えば消費者事故の公表について、調査の在り方について検討したとか書いてありますけれども、あるいは製品事故の公表の在り方とか、しかし、そういうことがよく見えないのでわからない。少なくともそういう形でもう少しポイントなりを出してほしいということです。

(答) 了解しました。委員会が打ち合わせの場という見えないところで実質的な審議をして決めてしまっていて、実際の本会のときには結論しか出てこないということのないように、打ち合わせ会の中で重要な意見とか重要な方向性が議論されたときは、もう少し項目のスケルトンだけではなくて、中身がわかるような公表の仕方というものを工夫していきたいと思います。実は、打ち合わせの場でも、もう少し打ち合わせ会での議論について公表の仕方を工夫すべきであるということが話題になりましたことを申し添えます。
 ただ、物によっては、今、消費者委員会が手をつけようとしているというようなことで、相手方に余り知られたくないものも恐らくあると思います。抜き打ち的に調査をやろうとしているときなどですね。ですから、そのあたりは考えるべきこともありますけれども、基本的には、本会で突然出てくるようなことはないように、打ち合わせの内容の公開の仕方といいますか、表示の仕方について工夫を重ねたいと思いますので、期待をしていただければと思います。

(問) もう一つ、今日が実質最初の本格検討だと思うんですけれども、特定商取引法の改正について議論になった。これについて大阪弁護士会からの意見書を基にヒアリングをされて、それに対して委員の方が意見を言った。恐らく消費者委員会には年間100件ぐらい、2年間200件ぐらいの意見書なりが来ていると思うんです。それは最後に項目でどういう意見かというのは出るかと思うんですけれども、ただ、最初の本格検討だったもので、なぜ意見書を基にしたものとしてヒアリングをされて、なぜ特商法の改正なのか。つまり、これは委員会として今後特商法改正について意見、提言、建議なりを検討されていくのかという形でもとれるわけですが、どうなんでしょうか。

(答) 今のところはそういう具体的な課題とはリンクしておりませんが、ただ、そろそろ消費者庁の方で例の貴金属の買取りに関する検討委員会の中間報告が出てきまして、パブリックコメントを求めようという段階ですので、消費者委員会としても報告書についての説明を受けることになっております。今回は、消費者委員会でも、それを受けて、その中間報告に対する意見を述べたかったのですけれども、たまたま消費者庁の説明担当者の日程上、今回では難しかったものですから、それならばむしろ前々から懸案になっていた、大阪弁護士会からの同じテーマに関する意見書についての話を直接伺って、これから出てくるであろう中間報告の説明に対する言わば問題点の整理を自分たちの委員会の中でも行ういい機会にしようではないかということで、今回扱わせていただいた次第です。
 将来これを提言に向けるか、あるいはどういう形で扱うかというのは、今のところはまだ決めておりません。

(問) いただいた略歴を沿ってで結構なんですけれども、消費者行政とのこれまでの関わりと、御専門で消費者行政の分野で特にどのようなことに取り組まれてきたかというのをお聞かせください。

(答) 特に取り組んだというほどのことはございません。民法という法分野については大体イメージがおありかと思いますけれども、一般の自然人が基本となっている市民社会の基本ルールを定めた法律です。一般の自然人が社会生活を行っていくときには、多くの場合に事業者との間でいろんな行為をします。物を買ったり、物を借りたり。それは事実上、消費者として行動している場面が多いのです。ですから民法の議論をしているときには、当事者の情報力とか交渉力の格差を意識しますので、かなりの部分の問題が消費者問題につながるというのが私の持論であります。そういう意味ではいろんな消費者センターなんかに寄せられる問題というのは、実は民法を勉強していく上でも物すごくよい刺激になるのです。
 かつて交通事故というのが不法行為法を大変リードした。その後、医療事故というのが契約法の世界をリードした。今、消費者法の諸問題というのが民法の最先端の議論をリードしているという認識です。その意味では特にこれがということではないのですけれども、私自身は国民生活審議会や地方自治体の消費者委員会での審議、消費者相談員の方々との勉強会を通じて、非常に多くのものを学ばせて戴いたと実感しております。その意味では、民法を勉強しながら常に消費者法を見てきたというつもりでおります。
 ただ、今度は消費者委員会に入って行政の問題だとか、あるいは民法以外の刑事責任とか、いろんな問題を更に広く見ないといけない立場になりました。この辺りについてはまだまだこれから勉強しないといけないと思っております。

(問) 東京都消費生活対策審議会委員とか、仙台市の審議会の委員というのは、どういうような。

(答) 基本的には消費者問題がそれぞれの地方自治体の中で、どういうふうにこれから扱われていくべきかという基本的な政策決定をしていくときの審議会の委員でございます。仙台市の消費生活審議会では、その年にセンターに持ち込まれたいろんな問題であるとか、これから仙台市が条例として消費者保護のためにどういうことをやっていくか、基本計画の策定といった作業や、具体的な紛争処理委員会の作業なども経験させて戴きました。そういうことは東京都の消費対策審議会についても言えることでして、どこでも消費者政策問題の一般的な方向づけについて、具体的な事件や相談事例の発生状況を見ながら考えていくという作業は、不十分ながら、同じようにやってまいりました。最近では、相談員の方々のための実践的な相談マニュアルの策定や、消費者法関連の裁判例解説の編集作業などもやらせて戴きました。公刊されておりますので、参照戴けますと幸いです。

(問) 国民生活センターの問題についてお伺いしたいのですが、今回、後藤副大臣の下に置かれる検証会議では、一元化と一元化以外の論点についてのみ検討する。消費者委員会が出した意見からは少しずれている。消費者委員会を含む全体の議論については、とりあえずその議論が終わってからやりたい。やるというふうにおっしゃったと私は認識しているんですが、事務局の消費者庁と国民生活センターというタスクと同じ事務局がやっていて、今までも意見はすごく聞きましたとずっと言われているんですけれども、聞き終えたように私は認識しておりまして、消費者委員会は何らかの形で関わる必要はないのでしょうか。

(答) 検証会議について大臣の記者会見があったということは私も了解しております。それから、事務的にではございますけれども、消費者委員会からもオブザーバーを出してほしいという話が来ておりまして、消費者委員会からも委員ではないのですが、オブザーバーとして委員を出すことを考えているところでございます。
 今回は当事者の間ではある程度タスクフォースの中で、一定の意見まで達するほど議論は詰まったわけですけれども、ただ、それに対しては、様々な疑念が払拭されていないので、第三者の目から見てどうかというところをもう一度きちんと考えてほしいというのが消費者委員会からの要望だったわけでして、消費者庁と国民生活センターと消費者委員会というのは、オブザーバーとしてそこに入らせてほしいというのが委員会からの要望で、基本的にはこれが受け入れられているということだろうと思います。
 ただ、消費者庁の中に国民生活センターを取り込んで一元化するかしないかというレベルだけに関して言えば、これは当事者の問題なので、一応「当事者」として2者が入り、消費者委員会はオブザーバーとして入るという形になっておりまして、そのような趣旨での記者会見があったと私は理解しております。ですから、余り消費者委員会から出した意見との間でのずれは、ないのではないかということでございます。最終的な判断は、その審議会での意見を聞きながら、さらに政務で行うということであろうと思います。

(問) 今後その議論を聞きながら意見を述べていくというスタンスでしょうか。

(答) それは第三者委員会がどういうふうに意見をまとめていかれるかということを注目しながら見てまいりますので、場合によっては消費者委員会として何か物申すことがあれば、言わせていただくことになろうかと思います。もし、最も効果的に消費者委員会の意見が述べられる場所があれば、場合によってはその検証会議に呼んでいただければ私が出かけていって、話をするのもいとわないつもりでおります。

(問) それから、申し訳ないんですが、1次のときはなかなか専門調査会も決まらずに動きが見えなくていらいらすることがあったのですが、やはり今回の1次と2次とのつなぎというか、政務三役の判断なのでしょうが、任命の手法などに関しては皆さん疑問を持たれていると思っていて、それがうまく継続をしていないことによって、次の専門調査会がなかなか立たないみたいなイメージをとても持っているのです。その引継ぎを全くしなくて、突然事前に何らメンバーも公表されないし、そういうことについて何か対策をとられるとか、お感じになっていることがあるのか。
 あと、専門調査会についてはどのぐらいまで議論が進んでいて、いつぐらいに何を立ち上げようとしているのでしょうか。

(答) 任命の手法などについては、ここで申し上げるべき情報をもっておりません。今後の専門調査会等の立ち上げについて、まだ具体的なところまでお話できないのは申し訳ないのですけれども、できるだけ早く問題として掘り下げた方がいいものと、さしあたって検証のためのヒアリングを今からかなりやりますので、そのヒアリングをやりながら、これは建議まで持っていった方がいい問題が残っているという状況がわかったものについては、どんどん深掘りをやっていく所存です。
 現在、それとは別に、私の方で、企画調査班に対して幾つかの具体的な問題について試し掘りをお願いしているところでございます。もちろん、第1次の委員会から引き継がれている問題もございまして、それについて更に検討したり検証をしなければいけない問題は引き続いてやっていくことになりますので、すぐに調査会を立ち上がげてやれるというふうになかなかなりませんけれども、そこはもう少し温かく見守っていただければありがたいと思います。
 今、消費者基本計画で示された150程度のテーマの中から、各委員の関心にそって、これをやろうということを、委員の間でいろいろと議論をしながら検討しておりますので、今しばらくお待ちください。せっかくの資源とマンパワーですから、立ち上げたからにはある程度きちんとした問題提起ができるまでは持っていきたいと考えております。
 もう一つは、これまではなかなか委員長見解のような形で意見を申し上げることができなかったのですが、もう少し柔軟に、事実関係がはっきりしているが問題があるのではないかと思われる場合や、消費者委員会としてまとまった見解が出て、これについて早く皆さんにアピールをしたいというような場合には、場合によっては委員長見解・委員長声明というものも発表させていただいて、提言とかそういうものにならないものでも、できるだけ早めに皆さんに委員会としての意向を伝えたいと考えているところでございます。

(問) 先ほど消費者教育に関して非常に関心があるというお話があったんですけれども、中でも特に将来の消費者、子どもへのということがあったんですが、今の消費者被害で多く出ているのは高齢者の被害ということで、振り込め詐欺なり未公開株、社債、貴金属の買取りもそうです。それで個別のものがどんどんイタチごっこのように出てきていて、個別の例えば貴金属買取りとか未公開株とやっていっても、被害がおさまらないように思うんですが、現在の高齢者の被害へのいわゆる消費者教育みたいなものですとか、何かお考えというのはありますでしょうか。

(答) 高齢消費者の問題は、実に悩ましい問題です。貴金属の買取り問題については、具体的に決め手になるような立法提案を、消費者庁でこれから検討していってくれるみたいですから、それを見てから考えてみたいと思いますけれども、一般的な問題は残っております。やはり高齢者というのは心身の衰えがありますし、どうしても新しい情報から隔離されているんだろうと思うのです。いろんな意味で自分が身につけてきた経験とか知識というのが陳腐化しているわけですから、そういう人たちを守るためにはある程度情報をきちんと高齢者に伝えて支援をするという、見守りの徹底といいますか、周りの人間からの支援というのが大事なのではないかと思います。
 たとえば高齢者が集団をつくっているところへ出かけていって、できるだけ話をしていくというようなことも大事ですし、それ以外にも民生委員の方に消費者問題についての理解を深めていただくとか、そういう形で今できる範囲でやっていくほかありません。要は、市場での不適切なアプローチに対する耐性が乏しいわけです。高齢者の人には、実は被害者意識が余りない方もいらっしゃるのです。ですから、そういう少し寂しい思いをしていると、肩なんかもまれると何となく契約してしまう。子どもたちにはだまされたことを言いたくないから黙っているというような問題もたくさんありますので、表面に出てこない被害もあろうかと思います。お互いに高齢者を包み込んでいる社会そのものを、もう少し潤滑な形に持っていけるような仕組みを考える必要があるのではないかという辺りしか、今のところはお話しできるいい知恵がございません。

(問) ただ、非常に大きな問題だなという認識はあるということで。

(答) そうですね。もっと言いますと、高齢者だけでなく、心身障害者の方や、外国人消費者のような、コミュニケーションギャップをもった消費者の問題にも目配りしなければならないと考えています。

(問) わかりました。ありがとうございます。

(問) 国民生活センターと消費者庁の一元化についてもう一つ。財産事案の情報提供だとか、人事交流などの点で先行的な試行が始まっているのは御存じかと思いますけれども、この施行について一部の消費者団体からは、一元化を事実上強行しようとしているのではないかという指摘もあります。今、始まっている施行について委員長はどのようにお考えでしょうか。

(答) これは長官も前にどこかでお話されているのを聞いたことがありますけれども、試行するというのは、要するに実際にやってみたらどういうふうな状況になるかということについての評価をするための材料を集めるだけだとおっしゃっていて、私もそうだろうと思います。
 お互いにどういう仕事をしていて、自分たちにはどういうことができるのかということがわかるだけでも、人事交流をしたり意見交換をするということにはそれなりの意味があるのだろうと思うのです。
 逆に言えば、消費者庁としては自分たちの得意技はまさに行政の中で執行をきちんとやることで、他省庁に対して司令塔としての機能を十分果たすというところが大事なんだということに気づいてもらえるとありがたいし、国民生活センターの方ではここでぎちぎちとやるよりも、もう少し国民生活センターとして自由なスタンスでやった方がいいと思うことが明らかになるかもしれない。
 ですから、試行することによってそれぞれの立ち位置というものがよりはっきりわかってくるんだったら、その方がいいだろうと思いますから、私は試行そのものはやった方がいいと思います。先行して取り込んでいくなんていうことではなくて、実際にどういうふうな形になるのが消費者行政を最も強化していくことになるのかという観点から材料を集めるということであれば、私は試行にはそれほど神経質になる必要はないかなと思います。問題は、そうした試行が、消費者庁にとっての一方的な内容にならないように注意することだと思います。

(問) 高齢者消費者被害の状況調査というものが入っているのですが、何を考えているのかということと、全体の予算として消費者庁が14%増なのに、なぜ3.3%増なのか。それから、参事官を1人異動させられていますが、この参事官はどういう参事官なのでしょうか。この辺についてお教えいただき、もし委員長がこの概算について何か私見をお持ちのようでしたら。

(答) これは私が委員長になったときには予算はでき上がっていますので、よくわからないのですが、事務的に説明をいただけますか。

(答・事務局) 高齢者被害ですけれども、先ほど委員長の方からもお話がありましたが、特にこれから独居高齢者が増えていくということが言われるわけですけれども、特に高齢者被害についてはなかなか表に出ないという実態もありますので、そういったことを対面調査等を行って把握をしていきたい。そこで何か問題点があれば、それを建議に持っていきたいということを考えているということでございます。
 機構・定員要求につきましては参事官プラス補佐、専門職2名ということでございますが、建議担当の参事官等を新たに設けていきたいということで要求しております。

(問) 増員ですか。

(答・事務局) 増員です。ただし、これは管理職であれば当然振替えになりますので、この財源をどこから持ってくるかという問題があります。ここについてはまだ検討中です。
 全体の枠ですけれども、御案内のとおり今年の政府全体の方針として震災復興や財政健全化の要請もありますので、厳しい枠にはめられているということで、ここで精一杯のところで、内閣府の一部門たる消費者委員会事務局としては、現状がここでは最大とれるところだったということでございます。消費者庁の14%というのがどういうふうになっているのか私はよくわかりませんけれども、内閣府の消費者委員会事務局としては、頑張れるところで頑張ってきたということでございます。

(問) 日本再生重点化措置枠では2,800万がすべてということですね。裁量枠は何%削減したんですか。

(答・事務局) 消費者委員会予算の10%です。

(問) 10%丸々削減させられているということですか。

(答・事務局) 10%削減です。

(問) 何か優遇はされなかったと。

(答・事務局) そうです。全部局統一での対応です。

(河上委員長) 少ないですね。本当に財政的支援は少ないと思います。だから委員会に、消費者行政を本気で監視させるつもりなのかという気がします。ですから、我々の方も今度概算要求を来年に向けてやるときに、委員会としてこんなことをやりたい、あんなこともやりたいというようなことでプロジェクトをたくさん考えて、知恵を出して、事務局に手伝ってもらいながら少しでも予算をつけてもらえるようにお願いしようと思います。実際にもらえるかどうかはわかりません。今回もかなり頑張ったということは私も聞いておりますので、頑張ってここまでということだったということなのであれば、なかなか難しい状況であることは確かですが、これからの消費者行政を真剣に考えたときには、これではまだまだ不足だという感じはします。

(問) どうもありがとうございました。

(以上)

内閣府 Cabinet Office, Government of Japan 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)