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松本消費者委員会委員長 記者会見

2011年8月31日
消費者委員会

日時

2011年8月31日(水)15:30~16:18

場所

消費者庁6階記者会見室

冒頭発言

(事務局) 時間がまいりましたが、幹事社の方がおられないようなので、消費者委員会事務局の原が司会をさせていただきたいと思います。
 今日は変則的な時間帯ですが、本日8月31日は第1次消費者委員会の任期の最後ということになりましたので、消費者委員会委員長の記者会見を行いたいと思っております。
 そうしましたら、委員長、先に少し話をしていただければと思います。

(松本委員長) 本日で第1期の2年の任期がちょうど終わるということであります。また、昨日の委員会で、この1年間の消費者委員会の活動について総括して、今後についての議論を行いましたので、まずそのお話をして、そしてこの2年間の活動について少し振り返るということにしたいと思います。
 お手元に分厚い資料が配付されていると思いますけれども、2年目の活動は1年目の活動に比べると相当活発だったと思っております。単純に数字の方だけを見ていただきますと、活動報告の3ページに「はじめに」がありまして、私の巻頭言が入っております。ここに書いておりますように、例えば建議が1年目は1件だったのが、2年目は5件出している。提言については、1年目は2件だったのが3件出している。その他のさまざまな意見についても、1年目は4件だったのが2年目は10件出しているということで、単純に消費者委員会としての態度表明をした事柄が1年目と2年目を比べると260%増、2.6倍であるということで、それをはっきり分厚さで表しているのが添付している資料であります。
 1年目は活動報告の添付資料は約120ページでした。それが2年目は370ページを超えております。つまり、文書量にして3倍ということでありますから、数値で出せるデータとしては、2.5~3倍の活動を委員会と事務局で合わせて行ってきたと評価していいのではないかと思います。とりわけ、建議の件数をかなりたくさん出しているということは、消費者委員会の固有の機能でありますところの監視機能に基づいた調査を踏まえて建議という形で意見を出していくというプロセスがかなりうまく回ったんだろうと思います。更に提言とか建議で具体的に関係省庁に対して、こういう点を対応していただきたいという要望、指摘をしたのに対して、各省庁さまざまな形でそれに応えていただいているケースがかなり出てきているということです。
 一番典型的には金融庁だと思いますが、消費者委員会として最初の提言という形で未公開株取引における消費者被害の救済や予防のためにこういうことをしていただきたいという提言をしました。それは去年の4月ですから、もう1年以上前です。最初は金融庁もなかなか厳しい反応だったんですけれども、少しずつ我々が求めていることをやっていただいて、最後はついに金融商品取引法の改正ということで、無登録業者による未公開株等の販売契約についてはそもそも無効だという消費者にとっては大変画期的な法整備を実現していただいところです。
 そういうふうに2年前の国会で、全会一致で消費者委員会をつくって、勧告や建議の機能を与えて、消費者行政をよくしていこうとした意図が少しずつ実現してきていると言ってよいかと思います。
 もっとさまざまな建議を出して、もっと多面的にやるべきだったのではないかという御指摘はあると思いますけれども、消費者委員会としては、現在のスタッフの力の出せる範囲内でやれたんだと思っております。もっと、もう一層という点に関しましては、事務局、スタッフをもう少し増やしてもらわないとなかなか難しいのではないかということで、1年目の活動報告の最後のところで、事務局の増員をお願いしたいということを書きました。しかし、残念ながら、昨年末のいわゆる政策コンテストで、消費者委員会として調査部門を中心とした事務局、スタッフの増員を要求したんですけれども、A、B、C、Dという4段階評価の下から2番目のC評価という大変低い評価を受けて、あまり人員増は実現しなかったということで、これは大変残念であります。スタッフが倍増すれば、恐らく消費者委員会の活動は現在の2倍、3倍の内容で実現できたのではないかと思います。
 それから、昨日の関係団体、消費者団体や法律家団体あるいは経済団体との意見交換会で指摘された点として、関係団体との間の意見交換を一時期かなり積極的に行ったんですが、その後、委員会が少し忙しくなったということもあって、意見交換の機会を持つことが非常に少なくなったという点があり、確かにそうだという反省をしているところです。消費者委員会の役割としては、昔からの審議会としての機能と、監視機能という非常にユニークな機能に加えて消費者の声を行政に直接届けるという機能が期待されているわけです。それを実現するためには、やはり関係団体等との意見交換をもっと密にしていく必要があったという点につきましては、意識はしていたんだけれども、やや不十分な結果に終わったかなという点は、反省をしている次第です。
 大体最初に申し上げる点としてはこの程度ですから、どうぞ質問をお出しください。

質疑応答

(事務局) そうしましたら、お手をお挙げいただけたらと思います。
 どうぞ。

(問) 1年目に比べて2年目はかなり活発な建議がなされたという報告ですけれども、お疲れ様でした。いろいろ大変なところやってこられたのは、見ていてよくわかりました。
 今日で任期が切れる方が何人いるというのは、お話しできますか。

(答) それは私の方からは申し上げられません。

(問) この後、エンバーゴーで発表になるんですか。

(答) はい。

(問) なるほど。
 そうすると質問の仕方もあれなんですけれども、次、松本さんがやるか、やられないかは別として、今後、消費者委員会として更に力を入れて他省庁に働きかけていくなり、監視していかなければいけない分野というのは、やり残したところになるのかもしれないですが、どういうところが必要だとお考えでしょうか。

(答) 幾つかの段階があるんですが、一番大きいのは、2年前に消費者行政の新しい仕組みをつくり出したときのことをきちんと振り返って、現状でうまくいっていると評価していいのか、不十分な点はないのかといったところを見直すことだと思います。
 国民生活センターをどうするかということが、過去8か月ほど焦点になっていましたけれども、これは焦点の当て方が非常に限定的過ぎてよくなかったと思っています。国民生活センターというのは従来からあった組織でありますから、そこをどうするんだという点よりは、むしろ新しくできた消費者庁や消費者委員会がこの2年間どうだったのか。法律にいろんなことが書いてありますが、これがきちんと実行できたのか、またこれでよかったのかどうかをそろそろ見直して、行政機能の評価をしてもいいのではないかと思っております。そういう観点から、国民生活センターの見直しに関する意見を消費者委員会が述べる際に、消費者庁と国民生活センターの関係をどうするかだけではなくて、3つの組織全体の在り方を見直す必要があるのではないかという指摘をしたわけです。
 例えば消費者委員会が今のままでいいのかについては、2年間やってきて、必ずしも今のままでいいとは思っておりません。それは権限の配分の問題、あるいは監視機能が消費者委員会にとって一番重要だと言われるんですが、監視機能というのは一体何なのか。どのように実現していくのかということを政府全体の仕組みの中でもう一度考えないと、監視機能という言葉だけが独り歩きをしているところがあります。そして、何か新しい政策を考えてやっていこうという場合に、消費者庁が新たな政策を考えて検討するというのと、消費者委員会が考えて検討するというのがどういう関係になるのかという点も必ずしもはっきりしていないわけです。
 典型的には、地方消費者行政を充実、強化するためにどうすべきかという論点が2年前、3年前からずっとあるわけですが、これは昨年の活動報告の巻頭言のところで書いていることですけれども、消費者庁は消費者庁で検討組織を内部でつくって、一定の結論を出すということをやっている。消費者委員会は消費者委員会で専門調査会をつくって議論をしてきたわけですが、この両者が別々に同じテーマについて、しかも同じ時期にやっていくというのが適切なのかどうかというのは、大変大きな問題です。
 法律上は権限が重なっています。消費者委員会の方が狭いわけですが、消費者庁の持っている権限の中の更に絞った重要な部分については、消費者委員会は自ら調査して建議できるという書きぶりになっているので、法律上は重なってもおかしくはないわけですが、それが果たしていいのかどうか。双方がそれぞれ労力をかけて同時並行的にやるのがいいのか。そこで別々の結論が出た場合にどうするんだというところは、考えていく必要があるだろうと思います。

(問) 今の消費者委員会の監視機能を強化するという点では、もっとこういうふうにしたらいいという御提案みたいなものはございますか。

(答) 我々として、こういうテーマを取り上げてやっていこうということで、ある時期記者会見でしたか、あるいは委員会でしたかで少しお話したことがあると思うんですけれども、その中で余りまだやれていなかった部分が幾つかあります。
 どのテーマを取り上げるかという点では、基本的には苦情相談が多い中から幾つかピックアップをして取り組んできたということがありますし、もう一つは、消費者団体や関係団体から要望書がいっぱい出てまいります。その中から優先的に取り上げるべきテーマをピックアップしてやってきた。苦情相談も多いし、こういう点についてこういう形で是正すべきだという要望、提言が寄せられているものを取り上げてやっているというケースもあります。
 そういうさまざまな要望、それから我々が苦情相談の中からピックアップしてきたものについて、もっとやっていきたかったわけですが、単に印象的にこれは問題だからこうすべきだという議論では説得力がありません。しかるべく調査、それは実態調査と法令面で各省庁の持っている権限がどうなのかということもすり合わせた上での調査をきちんと踏まえた上で、こうこうすべきだという建議なり、提言にする必要があると思います。そのためには、緻密な調査をする部隊がいなければならないわけで、その調査部隊が十分備わっていれば、もっと多様なテーマを取り上げられたと思っております。具体的にやろうと言っていて、十分やれなかったものとして、留学あっせんのケースとか、美容医療関係のケースなどがあります。
 消費者教育については、昨日も大きなテーマだという御指摘がありましたけれども、現実の問題が生じていて、消費者被害を予防する、あるいは消費者の権利を擁護するためにこうこうすることが必要だといういう類のものと少し視点の違ったテーマになると思います。消費者教育の問題は、監視機能というよりは、消費者の利益の擁護・増進のための環境整備に関する政策提言的なものになっていくのではないかと。だから、消費者委員会固有の機能というよりは、消費者委員会も調査審議の対象とできるし、当然消費者庁もやれるという重なった領域だと思います。

(問) ありがとうございました。

(事務局) ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。

(問) 2年間お疲れ様でした。
 先ほどの質問に関連しては、やはり審議会機能をもう少し見直すべきではないかと意見が報告書の中にも書かれていたと思うのですが、先ほどの委員長の説明では、地方消費者行政と両方で同じことをやるのはどうかという問題があったのですが、昨日の中では、要するに個人情報とか公益通報とか消費者庁が事務局をやっているものについてどうするのかという話と、もう一つ、特保のような細々とした認定は必要ないのではないかという話とかいろいろあったのですが、ただ、人選を消費者庁に任せては心配だという御意見もあったり、いろいろなところがあったのですが、委員長としては個人的な発言でないと難しいのかもしれないのですが、その辺について踏み込んで御意見をお持ちのようでしたらお教えください。

(答) これはなかなか難しい、消費者庁と消費者委員会の機能分担をどうするかという話に最後はたどり着くと思うので、そういう意味ではもう一度、国民生活センターを含めた三者の関係を見直すべきだという話になるわけです。
 要するに、消費者庁は消費者庁で検討会とか研究会とか、あるいはそのもう一歩前の段階の何とかチームとかをつくって、いろんな検討をしているわけです。他方で、消費者委員会の方も専門調査会をつくったり、その下の調査会をつくったりして、いろいろな検討をしている。特に消費者委員会の方で検討する場合に、消費者庁からこの点については消費者委員会の方で検討してくれと依頼をされてやっているテーマがいろいろあります。例えば健康食品の表示の規制等に関しては、消費者庁の方から消費者委員会に依頼があった。要するに、これは正式に諮問を受けたという形の諮問答申型の従来の審議会と同じスタイルではないわけですけれども、依頼があって、消費者委員会の方で審議をしたということです。
 個人情報は大臣の方から御依頼があった。公益通報者保護についても、消費者庁から依頼があったと言っていい、健康食品と似たような感じだろうと思います。政策的な事項について検討の依頼をされれば、消費者委員会としてきちんと検討して、自分たちとしての意見をまとめるということ自体、別に断る必要はないと思っています。しかし、政策と関わらない、単なる法執行の一翼を担うだけの審議会機能として、食品表示関係があります。食品表示部会、新開発食品調査部会の2つの部会のやっていることは、政策形成とは無関係な、法律上、消費者委員会の意見を聞かなければならないとされている、法執行の一翼として必ずそこを通らなければならないというプロセス上の審議会にすぎないわけですから、ここは消費者委員会の機能と切り離しても問題ないのではないかと思います。

(問) ここを切り離すためには、法改正が必要なんですか。

(答) 法律に消費者委員会の意見を聞くと書いてあるものについては法改正が必要ですが、法律ではなくて、政省令のレベルで書かれているものであれば、その政省令を改正するだけで対応は可能です。
 多分、特保の表示許可の際に消費者委員会の意見を聞くという部分は、法律に書かれているのではなくて、内閣府令だと聞いていますから、府令を変えればいいんだと思いますが、他方で、食品衛生法とかJAS法上の表示については、たしか法律に消費者委員会の意見を聞くと書かれていたと思いますので、これは法改正が必要です。

(問) ちょっと細かいのですが、事務局が今28人で、この審議会のお世話にどのぐらい取られているのでしょうか。そして、一番必要な監視のための調査にはどのぐらいの人数が振り分けられていて、本来はどのぐらい必要なんでしょうか。

(答) つまり、食品表示部会と新開発食品調査部会に事務局としてはどれぐらいの。

(答・事務局) 新開発と食品表示だけでいいんですか。そうすると、3.5人です。

(問) 調査には何人ぐらい充てるんですか。

(答・事務局) 調査は6人です。

(答・事務局) 余りぴっちりとは言えません。その時々で違ってしまいます。

(問) 本来であれば、増えれば増えるほど建議ができるとおっしゃっていたのですが、最低限ではどのぐらいは欲しいといかいうのはあるんですか。

(答) 今、ラインが1つなんです。ですから、1つの大きな問題を取り上げるとかかりっきりになるということになりますので、せめて2チーム欲しいなという要望を前からしているところです。つまり、企画官か参事官をトップにした2ライン。

(問) 昨日も出ていたように、本当は委員のほかに専門スタッフが欲しいということも要望はしてきていますか。

(答) 専門スタッフという言い方はしていないと思いますが、事務局の方の本来の定員内の職員をもっと増やしてほしいと。それは調査部門を充実させるためだということで要求は去年もしておりましたし、今年も恐らくやっていただくことになると思います。

(答・事務局) 粗々の事務局、スタッフの配分は、今、28人ぐらいいて、管理職は審議官がいて、事務局長がいて、参事官が2人、企画官が1人という形で、それを除いた分の大体半分は間接部門です。つまり、いろんな仕事の総括的な部分と庶務的な部分ですね。 委員が100人近くいますから、その委員手当が何だ、そういう庶務的なことをやらなければならない。それが大体半分ぐらいあります。残り半分ぐらいが言わば実動部隊で、その実動部隊が審議会部分と調査部門の2つに分かれると、そんなイメージで考えております。
 人数はその時々によって考えて異なります。

(答) 審議会部分ということの意味は、専門調査会とか部会がかなりありますね。それぞれに担当する事務局の人が付いています。ただ、非常に狭い意味の審議会といいましょうか、法執行のための審議会部門に専従している人が3.5人という話ですね。
 それ以外の政策形成に関わる部分、例えば集団消費者被害救済だとか、消費者安全についての立派な報告書を出していただきましたけれども、そういった専門調査会のお世話をする人というのもきちんと付けているわけですから、それは調査部門とはちょっと違いますが、政策形成に関わる部分のスタッフということになります。

(事務局) 事務局体制の話になってしまいましたが、ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。

(問) 先ほどの監視機能の話の関連なんですけれども、これは特に国センの統合の議論のときに少し気になったんですが、消費者行政を監視する消費者委員会と監視される側の消費者庁の担当大臣が同じであること。これが特に消費者庁に対して、建議とか提言とか意見をしていく上でやりにくさとか、何か支障になるようなことはあったのでしょうか。

(答) 一般論としては、やはりやりにくいところがあります。まさに原発について今、指摘されている状況。すなわち、経産省の中に規制当局である原子力安全・保安院と推進部隊である資源エネルギー庁が一緒にいるというのはおかしいではないかということで、両者を分離して、保安院を今度は環境省の外局として付けるということになったわけで、それは担当大臣を分けるべきだという考えに基づいているわけです。
 そもそも監視機能ということを強調されている行政機関は余りないんです。原子力安全・保安院が監視機能かというと、多分監視機能ではなくて、規制当局ですね。消費者委員会は規制当局ではないんです。何の規制の権限もないけれども、しかし、監視だということが強調されている。もう一つ原子力安全委員会というのがありますが、あそこは監視機能かというと、一般にはダブルチェック機能だと言われています。保安院だけでは不安だから、もう一度外側で安全委員会がダブルチェックしているんだということで、規則をつくったりする一定の権限があります。消費者委員会にはこのような規制の権限は何もありません。建議をする、あるいは消費者基本計画の検証、評価、監視をするという法律上の権限ですが、規制とつながる権限では全然ないんです。そういう意味の監視機能だけを持っている行政組織というのが、今、日本の政府にあるのか。似た組織があるのかと考えると、ないんですね。国会の法案修正の中で監視機能が強調されて、消費者委員会が新しく生み出された。我々も監視機能ということをスローガンに挙げますが、必ずしもこれが監視機能だということがはっきりしないままで動き出した。法律の条文には、どこにも監視機能という言葉は書いていないんです。ただ、国会の議論の中では監視機能だと言われている。
 そういう中で、1年目、2年目と試行錯誤してきてやってきたわけですが、そこで今、おっしゃったような担当大臣が一緒の場合、やりにくいのではないかという点が出てくる。それは確かにそうだということです。大臣が言わば超越していてというか、傘下のそれぞれの組織の意見が並行して上がってくるのを待って、政治的な判断としてこうすべきだとされるのであれば、それは2つの監視される側と監視する側が両方あってもいいのかもしれませんけれども、そうではない場合、大臣としては、ある組織のやり方でいいんだと思われている場合に、別の傘下の組織がそれに対する異論を出すというのは、一般的にはやりにくいことだし、出された側としても大変対応に困ることだろうと思います。
 これをもう少し広げていくと、実は消費者委員会の大きな権限の中に勧告権というものがあります。消費者安全法という法律に基づいて内閣総理大臣に対して一定の措置を取るように勧告できるという権限があるのですが、これは2年間、一度も発動していません。どういう場合に勧告ができるかというと、消費者安全法上、消費者庁がしかるべき措置を取れば重大な被害の発生を防止できる、あるいは拡大を防止できるという状況があるのに、消費者庁がその措置を取らない場合。つまり法律上、権限が与えられているにもかかわらず、被害の発生、拡大防止のための必要な措置を取らない場合には、消費者委員会は内閣総理大臣に対して一定の措置を取るように勧告できるという規定があるわけです。
 ただ、これは考えてみれば、消費者庁に権限があって、やればできるのに、やる必要がないという決断を消費者庁がし、そして大臣がそれでいいとしている状況なわけです。そういうところに消費者委員会が独自の判断でこうすべきだという勧告が果たしてできるのか。これは国民生活センターをどうするかというよりは、もっと厳しい話になります。今の仕組みからいけば、恐らくそんな勧告はできないのではないかと。ということは、勧告権を与えられたけれども、結局、そういう行使ができるシチュエーションというのはあり得ないのではないか。つまり、政府がそんなことは必要ない、最終的には内閣総理大臣が消費者庁の一番上の責任者ですから、総理大臣がそんな措置を取る必要はないと決断されているのに、消費者委員会が措置を取るべきだなどと言うことが許されるのかという話に最後はなってくるわけです。民主党が2年前の国会で提案されていた消費者権利院というのは、内閣の外にある組織だということでしたから、できるのかもしれないですが、消費者委員会は内閣の中ですし、内閣府の単なる一組織ですから、恐らくそのような状況は想定できないと思います。
 となると、ムード的に消費者委員会にいろんな権限が法律で与えられているんだけれども、これでいいのかということを再検討すべきだと思います。

(問) これは再検討するとしたら、どういう場でやるべきだと思いますか。

(答) これは消費者委員会の意見書の中でも述べていますが、当事者としては、こういう点でいろいろ困難な点があるとか、こういう点で問題があると感じている。しかし、当事者が「だからこうすべきだ」と決めるというのは、やはりおかしいと思うんです。そこは当事者でない第三者がたくさん入った場で決める。
 言わば消費者庁国会の熱気の中でできたのが消費者委員会です。消費者行政を強化しなければならないという国会の猛烈な熱気の中でこういう組織ができたわけですが、少し冷静に2年間を振り返ってみて、本当にあの熱気のままでよかったのかどうか。もう少し落ち着いて考えると、いろいろチューニングをする必要があるのではないかということを、当事者からも意見を聞きながら、少し当事者から離れた立場の人が考えて決断をするというのが一番いいのではないかと思います。
 当事者はそこに巻き込まれていますから、少し発言に色が付いているというか、必ずしも客観的でない部分もあると思いますから、そこは第三者の目からきちんと見て評価していただくのがいいんだと思います。

(事務局) そのほかございますでしょうか。
 どうぞ。

(問) 先ほどの独立性の問題は、私も非常に気になっているのですが、これは組織に具体的な提言はないんですか。外に出して、大臣を変えるのか。それとも組織を全面的に見直すのか。
 それから、ちょっと気になったのは、事務局の職員に対しても圧力がかかったり、今日のように、この段階でも次の委員が出てこない。引き継ぎはどうなるのか。逆に国民生活センターの問題などがあるときに、作為的に委員の主張を変えられるのではないかみたいなことも逆に心配になってくるような状況がある。
 事務局は内閣府の担当大臣が決めるわけですね。この辺については、委員に対する消費者庁と同じ大臣の圧力がかかるようなときもあるし、事務局にもかかるようなことがあるというのは、非常に見ていて理不尽だなと感じたのですが、その辺はやはり大臣を分ける、もうちょっとどういうふうに具体的にはお考えなのでしょうか。

(答) 委員は、一応法律上、独立して職権を行使するとなっていますが、事務局は別に委員会が任命するとか、委員会に人事権があるとかいうのではなくて、内閣府の中の人事として動いているわけです。そういう意味では、事務局は最終的には大臣の指示を仰がなければならないという状況にあるわけですから、大臣がこうしろと言えば、それは拒めないということです。
 したがって、監視機能という場合に、本当に徹底して監視機能を追求するのであれば、民主党の消費者権利院のような内閣の外に出すか、国会の一部にするとか、組織的に分けないと徹底しないということになると思います。ですから、監視機能と言っているけれども、どの程度のことをどういうふうにやるのが一番適切なのかというところの制度設計をもう一度やり直さないと、言葉だけが独り歩きしていく。監視機能という名の下にここまでやるべきで、やらないと消費者委員会は仕事をさぼっていると評価する人もいれば、そんなことはやり過ぎだと評価する人もいるわけなので、そこのあいまいさがこの2年間の我々の仕事のやりにくさの1つの原因だったんだろうと思っています。

(問) ほかにやりにくいところはありましたか。審議会とその住み分けがよくわからないという問題と、独立性の問題と、監視の定義があいまいであったと。最初に、提言と意見と建議がすごくよくわからなくて、どこからが建議で、どこからが提言なのか、提言と意見の差が余りわからないところで、今もそんな感じはあるのですが、ほかにもありますか。

(答) やりにくさということですか。

(問) やりにくい部分。

(答) 我々は、言わばみんな行政の素人です。霞が関の外側から入ってきたので、霞が関の内部のいろんな作法といいますか、他の省庁とどういうふうに接するべきなのか。つまり、監視される側と監視する側がどういうふうに交渉すべきなのかといったことが委員の側は全然わからない状況で入ってきていて、その辺は、どちらかというと事務局側に任せざるを得なかったということがあります。

(問) では、この2年間をやって一番評価できる点は、今もおっしゃられたように、建議をして、法律とかいろんなものが変えられるようになったということですか。

(答) 2年間やって、自画自賛かもしれないですけれども、相対的に我々としてやったと思える点としては、今、おっしゃったとおり、幾つかのテーマを取り上げて、法律の改正や法律外での新たな施策を提案して、それを全面的あるいは一部採用していただけた部分があるという点。そこは半歩、一歩という形での前進だと思います。
 ただ、いろいろ提言、建議等をしたけれども、ゼロ回答もあります。地方消費者行政の充実、強化の建議などは、残念ながらほとんどゼロ回答だったということです。とはいえ、消費者委員会は建議する権限はありますが、強制する権限は全くないので、あとはそれを関係省庁が受け止めて、もっともだと思えば施策として取り入れてもらえるし、もっともでないと思われれば無視されるというのは、法律上そういう仕組みになっているわけで、やむを得ないことです。

(問) 附帯決議でいろいろ書かれて、誠実に対応するとか、そういうふうに対応しろと書かれても、おひざ元の消費者庁が全く無視しているというのは、非常に想像を絶する状況があると私は思っているんですが、それについてはいかがでしょうか。

(答) 我々としては、我々の意見をもっと汲み入れていただきたいと思いますが、そんな意見は不適切だと評価されているうちは仕方がないです。

(事務局) ほかにはいかがでしょうか。まだ御発言ない方、どなたかいらっしゃいませんか。よろしいでしょうか。
 では、記者会見を終わりにしたいと思います。どうも本当に2年間、委員長にはありがとうございました。それから、記者クラブにももうちょっといろいろと情報を持ってくればよかったなと思っておりますけれども、今後ともどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。

(答) どうも2年間おつき合いいただきまして、本当にありがとうございました。

(以上)

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