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松本消費者委員会委員長 記者会見

2010年3月25日
消費者委員会

日時

2010年3月25日(木)17:00~18:00

場所

消費者庁記者会見室

冒頭発言

(原事務局長)お待たせをいたしました。消費者委員会事務局長の原です。よろしくお願いいたします。今日は、急遽、委員長記者会見をセッティングさせていただきましたけれども、ちょうど3月、年度末ということもあり、それから、消費者基本計画についての答申も今朝の消費者委員会でまとめたところでありますので、設立してちょうど7か月経ったところですので、そういったことも含めて委員長の記者会見、懇談を開きたいと思います。委員長、何時までよろしかったですか?

(松本委員長)何時でもいいですよ。学会の理事会があるんですが、遅れて行ってもいいですから。

(原事務局長)ということで始めたいと思います。 それでは委員長、よろしくお願いします。

(松本委員長)それでは最初に私のほうから2点ほどまとまった話をさせていただきます。一つは、本日午前中の消費者基本計画(案)について、諮問に対して答申をしたという件でありまして、個別施策の文言についてはもう少し書き込んでほしいという意見もございましたけれども、全体としてはこれで良いのではないかということで、全員一致で諮問に対して妥当という答申をしたということです。ただ、個々のところでは確かにそれぞれの委員はもう少しというお気持ちもあることは事実でありまして、そういったことを別紙の「消費者基本計画の検証・評価・監視についての視点」で表現しています。消費者委員会としてこの基本計画の検証・評価・監視において果たすべき役割の中で、皆さんが思っているもう一歩という部分について、その観点から検証・評価・監視を行うという方向を、この別紙で打ち出したということでございます。とりわけ、三つほどの視点を重視して、これらの視点から各施策、各省庁の取り組みについて検証・評価・監視したいと。一つは、消費者の意見がどういう形、プロセスで反映されているのか、あるいは新たな制度づくりとしてどのようなものを考えているのかということです。消費者参画という視点です。
  二つ目が、高齢者についての取引被害や安全の問題が噴出する中で、高齢消費者対策として、どういうことが各施策の中でとられているのかという点。
  それから、三つ目が、各省庁別に施策が出されておりますし、いくつかの省庁が協働してということがありますが、関係省庁が協働するだけではなくて、地方公共団体とどう協力・協働・連携するのか、あるいは消費者団体や事業者団体とどういうふうに協働するのかといったことにつきましても、評価の視点に入れたいということです。
  さらに、今回の消費者基本計画というのは、前回の一回目の計画に比べますと非常に早い段階から消費者その他の国民から意見を聴取するというプロセスがとられました。素案を作る前の段階からどういう方向でやればいいか、どういう施策を盛り込むべきかというパブリックコメントをやりまして、そのあと素案を作って、それに対するパブリックコメントをまた行う、消費者委員会から何回もヒアリングを行う、さらに政務三役や民主党の消費者問題特別委員会の議員政策研究会からの意見等々を受け入れるという形で、さまざまなルートから意見がインプットされてできあがったものだということで、第一回目のものに比べると、参加型の形でできたという点を高く評価したいと考えております。
  それから、もう一点は、消費者委員会は9月1日に発足をいたしました。9月は、残念ながら政権移行期ということもありましたから、きちんとした活動はできないで、委員会内部での勉強会的な形で終わったわけです。10月に入りましてから、本格的に委員会活動を行って、現在までで200日あまりを過ぎたということになります。9月1日から数えればほぼ7ヶ月ということになります。
  そこで、200日ということを振り返ってみて、どういうことをやってきたのかというのを少し整理したのがもう一枚の紙であります。
  審議事項といたしましては、若干大おおくくりにしたところもございますが、ここに挙げたようなざっと数えても18ぐらいの項目について審議を行いました。本日までの間に20回行いまして、1回目は委員長選任で終わったわけですけれども、2回目以降いろいろなテーマを取り上げてきたということで、その中でも一番多いのが本日まで行いました「消費者基本計画」で、実に8回行っております。この過程において、さらにパブリックコメントも何回か入っています。これを見ても消費者基本計画がかなり丁寧にさまざまな意見を組み入れて作られたということがわかるかと思います。それ以外でも、回数が多いのが上のほうに固まっておりますのは、これらはどちらかというと計画作り的な要素の強いものです。工程表、基本計画、基本的な方針、それから地方消費者行政の充実・強化についてというのも、これからこういう方向でやりましょうという類のものが大変多かったという印象です。その結果として、個別問題に対する切込みが弱いのではないかという批判があるかと思いますが、これは消費者庁という新しい組織が発足し、消費者委員会が発足し、消費者行政のパラダイム転換の中で最初の計画づくり、フレームワークづくりということでやむをえない部分もあったかと思います。
  6以下の部分が個別の課題ということになるかと思いますが、その中でも金融の関係を3回行っておりますし、事故情報については4回行っているということです。
  さらに消費者委員会として、意見書を本日のものも入れまして三つ出しております。地方消費者行政について一つと、基本計画について二つ出しております。また、地方消費者行政については事務局による詳細な報告書が出ております。
 下部組織につきましては、すでに三つの組織が実際に動き出しておりますし、まもなく、地方消費者行政も動き出す予定であります。公益通報、個人情報保護につきましても動き出すという予定でありまして、さらに、設置予定のものとしてあと三つくらい当面考えられているところです。
 ということで、いろいろとやってきたわけですけれども、人的構成というのを最後にあげております。委員は10人ですがこれは全員非常勤です。常勤的非常勤という名の非常勤そのものです。事務局は、本日、最大瞬間風速で20人いるようでありますけれども、定員内職員はわずか2人しかいないという、非正規労働者のかたまりのような感じの職場ということでありまして、平成22年度予算の中に若干の定員増が盛り込まれているということを聞いておりますので、少し定員内の職員も増えるかと思います。
 以上が私からの最初の発言でございます。

質疑応答

(問)NHKの内山です。改めてになりますけれど、この基本計画の中身についての委員長の評価をいただきたいのと、あともう一つ、食品安全庁の件については、私も午前中の議論途中で出入りしていたのでちゃんと聞いてないところがあるのですが、これについては委員会でどのように受け止め、どのように議論、どんな意見が出されたのかという点を教えてください。

(松本委員長)一つめの基本計画に対する評価ですが、これは委員会全体としてこれで良いという判断をしているわけですから、私も同じでありますし、当初に出された素案と呼ばれていたものに比べると随分良くなったと思います。良くなるプロセスにおいても消費者委員会からの意見もかなり組み入れられましたし、パブリックコメントの意見も入っているし、それから政治のほうからの意見もかなり入っているということで、さまざまな意見が入って元のバージョンに比べるとかなり良くなった、それは総論部分においてもそうですし、各論部分についてもそうだと思います。

(問)ごめんなない。そういう話ではなくてですね、もっとこの基本計画というのがどういうもので、これを施策として生かしていくことで世の中どうなっていくのかという、そういう大きな話として、この計画を進めていくことによってこうしていきたいんだという、消費者委員会の立場ではありますけれど、消費者行政をこう進めていくべきだというところのメッセージをいただきたいなと。

(松本委員長)それは、この総論のところの冒頭部分にも書かれていますように、消費者庁、消費者委員会が発足をして、消費者行政についてのパラダイム転換が起こったということを背景にして、消費者庁が、司令塔としてどんどん提案をするとか指示をするだけではなくて、自らエンジン役として働いていくんだという宣言をしているわけですし、消費者委員会もまた、司令塔とかエンジン役というわけではありませんけれども、消費者庁その他の各省庁の政策、計画、提案してやりますと言っていることについて、きちんとそれがやれているのかどうかを毎年、検証・評価・監視という形で点検をしていって、そこに、さらに毎年国民の皆様からの要望とか意見とかも組み込んだ形で反映させていくということがこの計画自体に書かれております。そういう意味で、これらがこのとおりきちんと実現されれば当然、今よりは良い世の中になるだろうと思っていますが、これで100%完璧かというと多分そうではなくて、もっとほかにもあるんでしょうけれども、一応こういう内容について政府内部においてやりますという合意がとれたということは十分評価してもいいと思います。
  それからもう一点、食品安全庁の話ですが、これはもともと民主党の衆議院議員選挙のときのマニフェストに書かれていたことです。2、3年前には法案まで出されていることですから、別に私には意外でもなんでもなくて、マニフェストに出ているのだから当然、実現のためにやるというのが政党の役割だと思っておりますが、消費者委員会として食品安全庁を作ったほうがいいのか、そうでないほうがいいのかという議論は、今のところ全くしておりません。

(問)そうしたものがですね、さんざんいろいろ8回も、かなり侃々諤々議論やってきたわけじゃないですか。それが突然ポンと出てきてですね、今日はこれについてはほとんど異論というか意見は出なかったんですかね。

(松本委員長)出たのはですね、表現のしかたが少し誤解を与えかねないようなところがあって、すなわち、食品の安全についてのリスク評価を行うところの食品安全委員会と、リスク管理を行う厚労省、農水省とを統合して一元化というように誤解をされかねないような表現があったことから、それであれば議論が十分でないんじゃないかという意見は出ましたが、そこは誤解であって、リスク評価を行う食品安全委員会を強化する、それから他方でリスク管理を行う厚労省、農水省、さらに消費者庁、これらの一元化を検討すると。一元化して食品安全庁という名前にするかどうかは別として、カッコ付きの食品安全庁を検討するということです。リスク管理の食品安全行政がバラバラになっているのは良くないということは多くの委員の方が意識されていたことなので、その限りにおいてはそれらを一元化する形で一つの省庁にまとめるということを検討すること自体には特に反対はなかったと理解しています。

(問)そういう意味では、認識としてはあくまでも検討ということで、設置へ向けてというよりも、設置の是非も含めて検討という認識でよろしいでしょうか。

(松本委員長)そうですね。文言の書き方自体が食品安全庁について検討するという表現ですから、確かに前段階的な書きぶりですけれども、従来の案にはなかったものがそこまで入ったということは、動き出したということだと思います。

(問)朝日新聞社の茂木です。確か、年末の会見のときに、まだその時点では消費者庁について評価を下すのは早いと、年度末にしたいと確かおっしゃっていたと思うんですけれども、現時点で、半年過ぎて、消費者庁の働きぶり、機能しているかどうか、どのように評価されていますか。

(松本委員長)きちんと点検はしていないので今答えると不十分になると思います。申し訳ありません。ただ、消費者委員会のほうはこういうふうに過去の記録等にあたりまして出してみて、それなりの評価ができるかなと。これに近いものを今度、消費者庁のほうにも作っていただいて、例えば、消費者庁が出したさまざまな注意喚起情報だとかというのがいろいろありますよね。ああいうものの一覧を作れば、どういう問題について消費者庁が国民に対して情報を出しているかといったことが分かってくるだろうと思いますし、食品SOSプロジェクトだとか、何々問題についての担当省庁の連絡会議だとか、そういうのもいろいろありますから、そういう一覧を消費者庁にも作っていただいて、消費者委員会として評価をするというようなこともやれればと思います。そういうデータなしに、ちょっと印象的なことだけで評価することになるとあまり良くないところもあるかと思いますので。

(問)それと、年末の会見で、消費者委員会の委員の中で委員会のあり方とか、どのような役割を果たすのかということで、ちょっと意見のバラつきがあるみたいなことをおっしゃったかと思うんですけれども、その点、何か委員の間で認識を共有できたのか、共通のものになったのか、その辺はどうでしょうか。

(松本委員長)共通かどうかということを確認することはやっておりませんが、今日の委員会の発言等からも分かりますように、いろんな考えの方がいらっしゃるということは事実だし、あえて無理やりに同じ考えにしなくてもいいのではないかなと思っております。さまざまな考え方の人がいて、ちょっと異なったベクトルで動いているということもそれなりに評価すべきかなと思います。みんなが一枚岩になって同じ方向を目指すというのは動き出せば早いかもしれないけど、ちょっと危険な面もあるかもしれないから、少し違った観点から発言をする人がいるというのも良いと思います。

(問)それと、これは難しいかもしれないですけれども、消費者庁ができたときに家賃問題なんかもあってですね、費用対効果っていう話も出たんですけれども、200日間で消費者委員会は費用対効果を十分に果たしているとお考えでしょうか。

(松本委員長)これは何とも言えないですね。活動をいくらと評価するかという話になってまいりますから。家賃の問題は一般論として言えば、この霞ヶ関界隈で一定の面積を占めている以上は、たとえ国有地の国有建物であっても経済学的にはコストを負担しているはずなので、ここは民間だからそれが表に出るというだけの違いと思いますから、ここの家賃が高くて、ほかの自前の国有地の国有ビルに入っているところはコストがゼロで動いているという比較は、あまり適切ではないかなと思います。その上で、期待されている役割をきちんと果たしているのかどうかということを評価すべきかと思います。

(問)なかなかその成果というのが、消費者委員会の成果はこれだというのが我々に見えにくいので、費用対効果という言葉を使ってしまったんですけれども、この200日間の、これが実績なんだと、委員の方が努力して議論されているのは分かるんですけれども、実績という形ではどうなるんでしょうか。

(松本委員長)ですからいったい何を持って実績というのかという話です。一部の方の評価だと、消費者委員会のエコナの問題への対応は評価するけれども、ほかは何もやっていないという指摘をされることもあります。しかし、エコナの問題は消費者委員会が何かやったのではなくて、むしろ、消費者庁あるいは消費者庁の政務三役、食品SOSプロジェクトを作ってそのリーダーとなった政務三役がこの問題を取り上げて、第2回の消費者委員会で、諮問をするのではなくて、意見を聞きたいと、消費者委員会の個々の委員のこの問題についての意見を聞きたいという提起をされて、それに対して委員がそれぞれ個人的な意見を述べたと。それを受けて、その直後に、正式に諮問を出すという決定を消費者庁サイドがされた※1。それとほとんど前後して事業者側が失効届けを出したということなので、消費者委員会が何か決めて、それに事業者が従ったということではないんですよね。ということは、エコナで、結果との間で一番影響が強かったのは政務三役の決断だと思います。
  したがって、消費者委員会が評価してもらっても、私は、そこは評価の相手先をまちがっているんじゃないかなと思います。他方で自動車のリコールの問題とか、あるいは、本日も取り上げましたが金融消費者被害の問題については、消費者委員会としてかなりいろんな意見を出しましたが、受け止める側がそれに対して積極的に対応するということを今のところまだされていない。自動車のリコールについては、前原大臣のほうが制度について見直すということをおっしゃっていますし、我々としても現状は十分ではないというふうに見ておりますので、もう少し本格的に調査をしたうえで、できましたら建議という形に持っていけたらと考えております。それから金融被害につきましても、消費者委員会としてはかなり何回も取り上げて、問題だということを言っておりますが、金融庁、消費者庁ともに一定の対応はされているんですけれども、今日の委員会の委員の意見からも見られますように、もう一つまだ足りないのではないかということでありまして、そういう意味では成果に結びついていない。それは実際の法律づくりとか政策づくりを担当する側が動いていないという意味で成果がないということになるのかなと思います。

(問)すみません。今のお話に出ました、建議という言葉ですけれども、これは委員の間で一致した見解なのか、それとも、委員長の個人的な思いなのかどっちなのでしょうか。

(松本委員長)まだどちらかというと私の個人的な思いかと思いますが、建議あるいは勧告というのが法律的に認められております消費者委員会の権限です。監視機能と言われておりますが、それを法律的に制度化したものが建議をする権限だとか、勧告をする権限であって、そのために各省庁に対して資料提出要求権という権利が与えられているわけです。そういう最もフォーマルなプロセスで消費者委員会が権限を行使するというのを今のところまだ一回もやっておりませんので、早い段階できちんとした、しかも建設的な形のものをやりたいと思っています。今日のお昼に福島大臣とお会いしたときも、毎月のように建議をしてくださいとおっしゃいましたので、できればそういう方向にしたいですけれども、調査等に基づかないで感想的にこれは何とかしてくださいねというだけではちょっと弱いと思います。行政の実態をある程度踏まえたうえで、ここが問題だからここを何とかというような形できちんと調査・分析を踏まえたものとして行いたいと思っています。

(問)ということは、トヨタのリコール問題で、まずその資料提出要求をして、必要があれば建議までしたいということでよろしいんですか。

(松本委員長)そうですね。リコールの問題については、まだまだ国交省の取り組みといいますか、日本のリコール制度はアメリカやヨーロッパの制度に比べると、十分でないところがあります。制度のデコボコがあります。これは法律を見れば明らかですが、そのあたりについては言おうと思えばいつでも言えることですけれども、それだけではなくてもう少しきちんとした形でデータ等に基づいて建議ができればと思っておりますし、車検制度が日本は非常に充実をしています。アメリカには車検がございません。という中で果たしているリコールの役割は、おそらくちょっと違ったものになるはずです。本来、車検制度が充実していれば、リコールはアメリカに比べれば少なくていいかもしれないわけですが、そのあたり車検制度とリコール制度がきちんと連携しているというか、役割分担してやれているのか等についても問題指摘されているところですので、リコールと車検とを含めた自動車の安全確保について、現在、事務局に調査をしていただいているところです。

(問)まさに今おっしゃったことを伺いたかったのですが、どのへんを不十分と捉えられているのかということですが、今おっしゃったことで網羅されているのでしょうか。

(松本委員長)具体的に言いますとですね、日本の道路運送車両法に基づくリコール制度といいますのは、保安基準に違反をしている場合という限定があります。保安基準というのは技術基準のことですね。技術基準があって、それに違反をしている場合で、その原因が設計や製造過程にあるという場合にリコール命令を出すことができる、という制度です。他方で、法律には書いてありませんが通達に基づく制度として、改善対策というのがありまして、これは保安基準に違反しているわけではないけれども、安全とか環境保全上問題があって、その原因が設計や製造過程にあるという場合に、事業者が自主的にリコールする場合は届け出をしてやりなさいという制度ですから、ここの部分については、行政の側からリコール命令を出せるという制度がありません。通達に基づいて自主的に対策をとるという制度です。
  もうひとつ、サービスキャンペーンという三つめの制度がありまして、これは一応、安全とか環境とかに関係がない部分の改善ということですから、乗り心地を良くするためとかそういうようなイメージかと思うんです。この点、アメリカの法制度を見ますと、そもそも技術基準に違反をしている場合にリコールが限定されるなんていう仕組みにはなっておりません。ヨーロッパもそうです。つまり、基準があろうがなかろうが、安全上問題があれば、そしてその原因が設計や製造過程にあればリコール命令を出せるということだし、リコールしなきゃならないという制度です。
  技術基準があるかないかで分けるというのは、日本における自動車の世界だけでありまして、自動車でないところの製品事故の場合、消費生活用製品安全法上のリコールの場合は、技術基準に違反している場合にそもそも限定しておりませんで、欠陥がある場合には、政府としてリコール命令を出せるという制度になっております。こういう点、諸外国と比べて、また、日本の自動車以外と比べて、自動車が保安基準、技術基準違反の場合のみにリコール命令を出せる場合を限定しているというのは、明らかにちょっと狭いんじゃないかと思いますから、ここは早急に是正していただきたいと思っています。

(問)今のリコールの問題で、この前の消費者委員会でこの問題を扱われたときに同じようなことをおっしゃっておられて、今後、業界団体とかそういうところから話を聞いたうえで、建議に持っていけたらいいなと、そのときも個人的なという話でしたけれども、今後、日程といいますか、審議の予定、計画などはどの程度詰まっているのでしょうか。

(松本委員長)まだ、いつこういうことをやると決められるほどにはなっておりませんが、技術者の方からのヒアリングを、非公式の場でまず行って、そのうえで公開の委員会の場でどういう形の議論が可能かということを考えようというのがひとつ。もうひとつは、事務局にお願いをして、きちんとしたデータに基づく分析を、現在行っていただいているところです。

(問)朝日新聞、上田です。ちょっと戻るんですけれども、基本計画についてなんですけれども、これだけ数が非常に多くてですね、項目が多くてどれが重要なのかというのが今ひとつ我々が見ているだけでは分かりにくいんですけれども、委員長自身がご判断されて、特にこれは重要だと思われる部分を挙げていただけますでしょうか。

(松本委員長)いや、これが重要で、これは重要でないというのはなかなか言えないので、それぞれみんな重要だから、これを掲げた官庁としてはきちんと実現していただきたいと思います。

(問)逆に言うと、これだけ挙げすぎると、どれも進まないという話になるのじゃないかなっている感じがするんで、かえってこの部分は…

(松本委員長)そこは、確かにおっしゃるとおりで難しいところで、特に、例えば消費者庁としてこういうことをやりますということを書いているのが非常にたくさんあります。やはり、消費者庁が中心になって作ったということもあって、消費者庁の課題が多いんですが、内田長官がいみじくも、ここに挙がっていることのすべてを法律として実現しようと思うと、今の消費者庁の陣容ではなかなかできないかもしれないということをおっしゃっていて、確かにそのとおりだと思います。だから、本日の委員会でも山口委員から消費者庁はもっと人員要求をしろと、消費者委員会としてもバックアップするからという声もあったくらいなのです。欲張りすぎているといえば欲張りすぎているわけですが、かといって、政策を掲げないと、今度は消費者団体とかあるいは特別委員会の議員政策研究会とかから、きちんと仕事をやらないつもりかということを言われるというところもありますから、消費者庁としては、やらなければならないと考えていることについては、そのキャパシティを超えているという感覚を持ちながら掲げているということだと思いますし、そこは、やらなくて良いですよなんていうことはなかなか委員会からは言えないことですし、我々も消費者庁がもっと音頭を取って横断的なあるいは横割り的な施策をどんどんやってくださいということを言っています関係上※2、消費者庁もっと活躍しろということを言わざるを得ないというところがあります。

(問)もう一回、確認で良いですか。すみません、ちょっと確認ですけれども、食品安全庁の件なんですけれども、要するに、委員の皆様の認識としてですね、今、食品安全行政がバラバラなのは良くないと、何とかしなきゃいけないというのが共通認識なんですけども、庁を本当に設置するかという点で、先ほど委員長は前段階の検討とおっしゃいましたが、つまり、設置をする方向で検討ということではなく、設置の、どのようなあり方が良いのかということですね、その食品安全行政をですね一元的に進めるにあたってはどのような進め方が良いのかということを検討するという言い方なのか、それとも、設置を目指して検討なのか、もう一回確認したいんですが。

(松本委員長)それは、この計画に書いている文言…

(問)それが計画から読み取れないから聞いているんですね。

(松本委員長)これは、明らかに、設置を目指してとかいうほどの方向性をはっきり書いているわけではないと思います。そのもう少し前段階の検討から始めるということだと思いますし、食品安全庁という名前もカッコ付きですし、一元化すべきだという方向はあるにしても、それをどういう形でどこに設置するかというのが、実は大きな問題となると思いますからそういうのも含めてこれから議論されるということだと思います。

(問)今後、議論の場というのは、どういう所でなされますか。

(松本委員長)ここでは担当省庁として、消費者庁、食品安全委員会、厚労省、農水省、その他関係省庁ということなので、消費者庁が声を掛けて、集まっていただく場を持つということになると思いますし、福島大臣が食品安全の特命担当大臣ということもありますから、おそらく大臣のもとで、関係省庁を集めてというのが一番ありうる形かと思います。

(問)今日のこのペーパーなんですが、消費者委員会のほうで視点として出されたペーパーのことなんですけど、消費者基本計画というのは、基本的には消費者政策会議が基本計画をつくって、その検証・評価・監視も確か会議はやるというところの中で、ちょっと確認なんですけれども、それはちょっとおかしい感じはするんですが、確認というのは、この視点というのは、政府、消費者政策会議が検証・評価・監視する際の、こういう視点を持ってほしいというものと、消費者委員会自身がその監視機能を最大限発揮して、検証・評価に関与していくということが書いてありますので、そのときの視点でもあるという、この二つの面があるのかということがひとつと、一番最初の新しい制度、つまり、消費者施策に消費者の意見が反映されることを狙った部分のところで、最後のほうに新しい制度の創設の必要性ということが書かれています。この新しい制度の創設というのが、何かイメージがあるのか、ということがひとつです。
  最後に、意見書なんですが、意見書は消費者委員会から出された意見書が3枚あるということですが、この意見書ではなくて、消費者委員会に提出された意見書、各消費者団体とか各機関とかですね、例えばトヨタのリコール問題が出たときに、フォローの、改善対策とか、サービスキャンペーンのあり方とか、ということについてリコール制度の改善を求める意見書も出ていたり、というのがあったと。ほかにも多重債務の問題とか、被害救済とか、いろいろな意見書が消費者委員会に届けられている、提出されているということを聞いておるんですけれども、何とか、中身自体の公表ではなくとも、どういう意見書が出ているのか、公表はできないかということなんですけども、どうでしょうか。

(松本委員長)意見書をどういう形で公表するかについては委員会としてはまだ決めてはおりません。一応、全員が意見書について複製をしたうえで共有するということをしておりますし、かなりの部分はここに上がっております審議事項の中に入っているようなところがあります。もちろん、全く入らないようなものもありますが、それらの意見書についてどういうふうに扱うかというのは、前から懸案事項ではあるんですけれども、こういうふうにしましょうという決定はまだしていないということです。至急、委員内部で議論をいたしまして、取り扱いについて方針を決めたいと思います。
  それから、最初にご質問された分で、検証・評価・監視についての視点というのは委員会の視点なのか、消費者政策会議に対する要望なのかということですが、我々がこういう文書を出そうと決めたときには要望じゃ弱いから、我々はこういうふうな観点でやりますという感じの文章にしましょうということでありまして、制度的には確かに検証・評価・監視そのものは消費者政策会議が行うということになっていますが、その際、消費者委員会の意見を聴くということになっておりまして、この基本計画の中でも消費者委員会の持っている監視機能を最大限発揮して検証・評価・監視をするという書きぶりになっておりますから、その検証・評価・監視というプロセスの中に消費者委員会も一定の参画をすると。我々が参画をする場合には、こういう視点を重視してやりますよと。したがって、各省庁としては、こういうことも考えて、施策を実施してくださいという、結果的には担当省庁に対する要望ということにもなります。
  それから、新しい制度創設の必要性という点ですけれども、これは委員の内部でも意見が出ておりまして、いわゆるスーパーコンプレイント制度というイギリスで何年か前、10年弱くらい前のエンタープライズアクト、企業法という法律の中でできた制度でありまして、特定の消費者団体が政府に対して正式に申し入れができ、それに対して政府はきちんと一定期間内に回答しなきゃならないという制度です。そのスーパーコンプレイント制度について日本でも取り入れるべきではないかという議論が以前からなされておりまして、確か私の記憶では自民党の消費者問題調査会の報告でもそういう問題提起がされていたと思います。また、それ以外にも、考えられるかもしれないということです。

(問)消費者委員会の200日の4番の下部組織なんですけど、設置決定済みとあるものと、設置予定とあるもの、下のほうにあるんですけれども、これらは遅くともいつごろまでに設置したいとかですね、スケジュール感がもしあればお願いします。

(松本委員長)決定済みの部分はもう消費者委員会で、設置を決議しておりまして、現在、人事の発令を待っている。人選段階ということです。そうでない設置予定の部分はまだ作るということを消費者委員会として正式に議決はしていないということです。このうち、集団的被害者救済制度、それから健康食品の表示については、消費者庁のほうがそれぞれ検討会をやっておりまして、そこがとりまとめを行って、さらに立法的措置をとる必要があるというようなことであれば、消費者委員会のほうがあとを引き継いでもう少しいろんな委員に入っていただいて法制化に向けた議論をするということになると思います。
  消費者教育のほうは少し違っていて、消費者教育の重要性というのはいろいろなところから言われておりますし、今回の消費者基本計画でも消費者教育が重要だということで大きな柱として途中で立てていただいたということもあります。そこで、消費者教育についてさまざまな観点から議論する専門調査会がぜひ必要じゃないかということで、設置をしたいと考えておりますが、委員会としてオープンの場でこの問題をまだ議論しておりません。まず、委員会の場で議論をして、専門家にも来ていただいて、こういう問題が現在あるんだという指摘を受けた上で、専門調査会の設置を決議して始めるというのが適切なプロセスじゃないかと思っております。いつというのはまだ言えませんけれども、早い段階、4月か5月、4月くらいにはまず専門家の方に来ていただいて委員会として、消費者教育の課題について意見をお聞きするということをまずやりたいと思っています。

(問)人選が遅れているんですか。ようやく消費者安全専門調査会も昨日でしたか、開かれましたけれども、だいぶ人選にご苦労されてるということなんですか。

(松本委員長)なかなかいろいろございますけれども、委員にどういう方におなりいただくか等々で予定よりは少し遅れているところがあるということです。

(問)先ほど、トヨタ問題のリコールで建議を考えているというお話ありまして、やっぱりそういうお考えというのはタイムリーに、トヨタリコール問題が非常にマスメディアなどで報じられているときにこそ言うべき話だと思うので、何かむしろその委員長の会見後ですね、年末の時点でもこれからどうやってやるのか検討したいって話があったのですけども、もうちょっとその委員会があったときにちょびっとでもやるとか、少しこの一回でやると長時間になっちゃうので、もうちょっとやりようがあるんじゃないかと思うんですがいかがですか。

(松本委員長)検討いたします。もう少し頻繁にやったほうが良いということであればそういうふうにしたいと思います。

(問)さっきのトヨタのフォローアップなんですけど、車検制度の話をされていて、そこらへんのデータを取って調べるというふうな話があるんですけれど、もうちょっと具体的にイメージを持ちたいんですけども。

(松本委員長)私も調査担当の方から、こういうことを調査したいという説明を以前受けたんですけれども、ちょっと今、手元に資料がありませんし、記憶があいまいなので、正確に答えられないので申し訳ありませんが。安全確保のためにというのが広い意味のつながりです。アメリカは車検がない、日本は車検がある、という違いの中で、リコールという制度がどういう役割を果たすのだろうかという問題意識です。

(問)フォローアップの質問で、要するに、リコール問題だけじゃなく自動車の安全確保全般について議論したいということで、4月中の委員会でこの問題についてもう一回検討するということになるんですか、次のアクションとしては。

(松本委員長)検討のしかたの問題でして、私の個人的な見解としては、前回は行政担当の方から意見を聞いたわけですよね。そうすると、あと、ぜひお聞きしたいのは、技術の専門家の方、最近の自動車というのは技術的にはどういうふうになっているか、電子制御によって安全性はどうなんだといったような話についてお聞きしたいと思いますし、それから、ユーザーサイドの方のご意見もお聞きしたいと思います。だから自動車の、昔であればユーザーユニオンのような、自動車ユーザーとして活躍している団体があれば、そこから意見を聴きたいところですけれども、ユーザーユニオンはたぶん今は全然活動していないと思いますので、そういう立場、ユーザーの立場からいろいろご発言いただける方にぜひ来ていただきたいし、技術の観点からいろいろご指摘いただける方にも来ていただいて、議論をオープンな形でやれればと思っておリます。

(問)実際に建議するにしても、だいぶ先の話になっちゃうのですか。

(松本委員長)もう全く問題が消えてしまってからやったんじゃ意味がないと思います。国交省自体も前原大臣が一定の方針を出されたわけですから、それとつながるような形で建議ができて、より良い方向にいければ一番良いんじゃないかと思ってます。

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※1 エコナ関連製品をめぐる審議等の経過は次のとおりです。

  • 平成21年10月7日:第2回消費者委員会においてエコナ関連製品への対応について食品SOS対応プロジェクトより報告
  • 10月8日:消費者庁より諮問
  • 10月9日:消費者庁より諮問の取り下げ
  • 10月13日:第3回消費者委員会においてエコナ関連製品への対応について消費者庁より報告

※2 3月3日に消費者委員会が採択した「消費者基本計画策定に向けての意見」では、分野横断的な10項目(事故情報、事故調査機関、情報伝達、食品表示、食品安全、消費者教育、消費者意見の反映、高齢化、情報・通信、地球温暖化)を重点施策として挙げています。

(以上)

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