第14回 公益通報者保護専門調査会 議事録

日時

2018年5月30日(水)13:00~14:45

場所

消費者委員会会議室

出席者

【委員】
山本座長、柿崎座長代理、石井委員、浦郷委員、亀井委員、川出委員、後藤委員、中村委員、林委員、春田委員、水町委員
【オブザーバー】
消費者委員会 池本委員長代理、鹿野委員、樋口委員
【消費者庁】
太田消費者制度課企画官、消費者制度課担当者
【内閣府】
幸田内閣府審議官
【事務局】
黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官、友行企画官

  ※なお、柿崎座長代理の崎は、正しくは立つ崎

議事次第

  1. 開会
  2. 行政通報の一元的窓口
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○山本座長 それでは、定刻になりましたので、開始をしたいと思います。

皆様、本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。

ただいまから、第14回「公益通報者保護専門調査会」を開催いたします。

最初に、配付資料の確認をさせていただきます。お配りしております資料は、配付資料一覧のとおりとなっております。不足がございましたら事務局までお願いいたします。


≪2.行政通報の一元的窓口≫

○山本座長 それでは、本日の議題に入ります。事務局から、本日御議論いただきたい論点の概要について、資料1の説明をお願いいたします。

○友行企画官 お手元にございます資料1を御覧いただけますでしょうか。本日、御議論いただきたい論点の概要でございます。

テーマといたしましては、通報を受ける側における体制整備というところでございまして、まず最初の問題の所在のところでございます。

現行法では、2号通報というものは通報対象事実について処分または勧告等をする権限を有する行政機関とされておりまして、2号通報を一元的に受け付ける機関や窓口についての規定はございません。

通報者といたしましては、権限を有する行政機関以外の行政機関に誤って通報した場合に、不利益取扱いから保護されるかについて明文の規定は置かれていないところでございます。

また、通報対応が適切にされているかモニタリングなどをする機関は、現行法上、規定としては置かれていないというところでございます。

本日、最初の論点でございますが、「1.一元的窓口の設置」でございます。これを設置することの是非というものが1つ目。それを規定するとして、一元的窓口が担う職務及びその実効性の担保。一元的窓口をどこに設置するかということでございます。

お手元の参考資料4を御覧いただけますでしょうか。こちらは消費者庁様が御用意している資料でございますけれども、そちらの2ページ目を御覧いただけますでしょうか。図を記載しておりますが、現行法というところでございまして、下の丸印のところからマル1の通報というところで、仮に処分等の権限を有しない行政機関に通報された場合には、教示という制度がございまして、通報者に対して正しいところが教示される。そしてマル3というところで、通報者は処分等の権限を有する行政機関に再通報するというのが現状の規定となっております。

4ページを御覧いただけますでしょうか。こちらは消費者庁に置かれております公益通報者保護制度相談ダイヤルに寄せられた、平成25年からの5年間の相談件数の内訳を整理したものが下半分にございますけれども、全相談件数といたしましては3,200件程度となっておりまして、そのうち相談内容のところ、カウントで重複はございますが、949件余りが通報先の問い合わせに関することとなっております。実態としてはこのような形になってございます。

もう一つ、資料を御確認いただきたいと思いますけれども、参考資料2を御覧いただけますでしょうか。こちらも消費者庁から提出されている資料でございますが、右側の図を見ていただきますと、現行法、処分等の権限を有する行政機関に通報がなされた場合に、それを受理して調査・是正措置をするというような形で、ずっと下に流れていくような形になっております。

仮に一元的窓口を消費者庁に置いた場合を左側に図で示しておられますが、この点線の部分を特に御覧いただきますと、例えば一元的窓口というものは消費者庁に置くということでございまして、そこから右側に矢印が点線で伸びておりますけれども、通報が一元的窓口に寄せられたものを処分等の権限を有する行政機関に回付するですとか、もう少し機能を持たせてモニタリング、それに対する報告を求める機能を持たせる。それから、3本目の点線でございますが、さらにもっと進めて是正要請や報告等を求めるといった職務を持たせることが論点としてございます。

もう一つ、左側の点線の一元的窓口のところの下向きに出ています点線でございますが、通報相談者に対して通知を受けたものについての結果などをフィードバックするといったような職務を持たせるといったことも、論点になろうかと思われます。

再度、資料1にお戻りいただけますでしょうか。本日御議論いただきたいところの2つ目の論点でございますが、「2.2号通報として保護の対象となる通報先の拡張」でございまして、こちらは一元的窓口へなされた通報についても、2号通報として保護の対象とするかどうかといったことや、誤って処分または勧告の権限のない行政機関にされた通報についても保護の対象とするか。それから、行政機関があらかじめ指定した者への通報につきましても、保護の対象とするかどうかといったことを御議論いただければと思います。

事務局からは以上でございます。

○山本座長 ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、次に消費者庁から資料2の説明をお願いいたします。

○太田消費者庁消費者制度課企画官 消費者庁でございます。

資料2に基づきまして、本日の論点の詳細について御説明させていただきます。

資料の構成につきましては、前回までと同様でございまして、「第1 問題の所在」におきまして現行制度の概要でありますとか考え方、どういった課題があるのかといったことについてまとめておりまして、「第2 本論点に関するこれまでの主な議論の整理」で、論点ごとにこれまでの検討において出された主な意見を御紹介しております。

資料2の御説明とあわせて参考資料2という1枚紙もございますけれども、こちらについても御説明の中で言及することがございますので、あわせて御参照いただければと考えております。

資料2の「第1 問題の所在」でございますが、「1.現行法の規定」のところを御覧ください。

主に法第3条と第11条にかかわってくるということでございまして、その枠の下にございますように、公益通報者保護法で保護される行政機関への通報、いわゆる2号通報でございますが、この通報先となるのは現行法におきましては、通報対象事実について処分または勧告等の権限を有する行政機関となってございまして、2号通報を一元的に受け付ける機関に関する規定は、特に存在していないということでございます。

こういった中で、仮に権限を有しない行政機関に誤って通報した際に、正しい行政機関を教示するという規定が法11条にございますけれども、通報者は通報内容についてどの行政機関が権限を有するのかをあらかじめ調べる必要がございます。ただし、一般の方にとっては、なかなかどの行政機関がどういった法的な権限を持っているのかというのを特定するのは難しいのではないかという御指摘がなされているところでございます。

さらに、誤って権限を有しない行政機関に通報した場合、現行法におきましては、不利益取扱いから保護されるかどうかといったことについて、明示の規定がないということでございまして、これは法律の解釈で保護され得るということになるのかもしれませんけれども、明確化したほうがいいのではないかという御指摘もいただいているところでございます。

3番目の●でございますが、各行政機関が通報を受け付けた際に、きちんと通報対応をしているのかどうかといったことについてモニタリングを行って、仮に不適切な対応がなされているといった場合に、是正措置などを講じるための機関は現行法上設けられていないということがございます。

「2.立法時における考え方」でございます。

(1)といたしまして、権限を有する行政機関が通報先となっている理由でございますが、最終的には通報を受けた調査・是正というものは、権限を有する行政機関に委ねざるを得ないということでございますので、権限を有する行政機関が直接通報を受け付けることが、その後の調査・是正措置も円滑にいくのではないかということで、現行法のような仕組みになったということでございます。

2ページ目を御覧ください。(2)といたしまして、法施行に関する附帯決議とございますけれども、法制定時の附帯決議におきましては、行政機関における通報の受付体制の整備といったことが求められてございまして、こういったことを受けまして参考のところにお示ししておりますように、政府として国の行政機関向けのガイドラインを策定するとともに、公益通報者保護制度相談ダイヤルというものを設置したということでございます。さらにホームページに通報先、相談先となる行政機関の検索システムを整備運用しているところでございます。

「3.立法後に明らかとなった課題等」でございます。

(1)といたしまして、行政機関における不適切な対応がなされている事案が存在しているということでございまして、権限を有する行政機関を特定することはなかなか簡単ではないといった事案も存在する中で、そういったものが行政機関の間でたらい回しにされてしまうといったこともございまして、こういった中で通報の放置でありますとか不適切な調査、秘密の漏えいといった不適切な対応も残念ながら起こってしまっているということでございます。参考資料に具体的な事例についてお示ししておりますので、あわせて御参照いただければと思います。

(2)といたしまして、消費者庁が実施したアンケート調査の結果についてお示しをしております。労働者に対して行った調査ですけれども、制度の運用面において政府、行政機関が強化すべき取組についてお尋ねしましたところ、行政機関が通報に対して適切に対応するといったことが回答数で第2位となっているということで、非常に高くなってございます。

3ページ目でございますけれども、通報・相談を考えたことがあると回答された方に、どういった法令違反でそう思ったのかということをお尋ねしたところ、分からないという回答が半数近くになってございます。何かしら不正がありそうだということは分かるのだけれども、それが具体的にどの法律の、どの規定に違反するのかを特定するのは、なかなか専門家でも難しいと言われている中で、このような状況が起こっているということかと思われます。

次の●でございますけれども、転退職後に不正行為について通報・相談しようと考えたことがあるが、実際にはしなかったと回答した方にその理由をお尋ねしましたところ、どこに通報・相談してよいか分からなかったという回答が、回答数で第3位ということで多くなってございます。

(3)といたしまして、消費者庁の相談ダイヤルにおける相談例をお示ししてございますけれども、まず1つ目の●にございますように、最近5年間に相談ダイヤルに寄せられた問い合わせの約3割に、通報先となる行政機関を問い合わせる内容を含んでいるという事実がございます。消費者庁のホームページにも通報先となる行政機関の検索システムを設けまして、こちらも年間数万件の検索数があるということで非常に御活用いただいているところでございますけれども、より詳しく聞きたいという方が相談ダイヤルにお問い合わせをいただいているということで、このように多くなっているということでございます。

具体的な御相談の内容でございますけれども、2つ目の●以下にございますように、行政機関に通報してもたらい回しにされたり、証拠の提出を求められたりするだけで何の措置もとられないといったこと、あるいは通報が放置されているといった御指摘をいただいているところでございます。

さらに3つ目の●にございますように、調査などの際に通報を端緒としたものであることが漏らされてしまったというような御指摘もいただいている事例もございます。

(4)に消費者庁が行ったヒアリングの結果を示しておりますけれども、相談ダイヤルの御指摘と同様でございまして、どの行政機関に通報すればよいか分からないでありますとか、十分な対応がなされないといった御指摘をいただいてございます。

4ページ、(5)といたしまして消費者庁関連三法案に対する附帯決議ということで、これは平成21年の消費者庁の創設等を内容とする法案でございますけれども、その採決の際に附帯決議が付されておりまして、公益通報窓口の消費者庁への一元化を含めた検討を行うといったことが宿題として求められてございます。

このような状況を受けまして、「4.ガイドラインによる措置」ということで、運用で改善できるところについては、これまでも措置してきたということでございまして、まず1つ目の●が、国の行政機関向けガイドラインを拡充しましたという話でございまして、小さなポツのところにその具体的な措置の内容についてお示ししておりますけれども、3つ目のポツにございますように、消費者庁の役割の明確化を図ったというようなところがございまして、各行政機関に対して資料の提出、説明など、必要な協力要請を行えるというようなことを明確化したということでございまして、これを根拠としまして、何らかの問題があった場合に、消費者庁が各行政機関に対して協力要請をしていくということはできるようになっております。

さらに地方公共団体向けガイドラインも新たに策定したわけでございますが、ここにおきましても消費者庁の役割を明確化するということで、各地方公共団体に助言などの必要な援助を行うことができるといった規定を設けましたし、さらに都道府県の役割につきましても、区域内の市区町村に対する必要な援助を行うといったことで、役割の明確化を図ったところでございます。

ただし、最後の●にございますように、あくまでもこれらは関係省庁間の申し合わせ、あるいは技術的な助言にとどまることでございまして、法的な拘束力を持たないということで一定の限界があるということでございます。

5ページ、「第2 本論点に関するこれまでの主な議論の整理」でございます。

最初に、一元的窓口を設置することについての論点でございますけれども、そういった窓口を設立することについて積極的なお立場からは、ワンストップの受け皿を作って、受け付けた通報を仕分けしていくことによって、行政機関に対する信頼が向上するのではないかといったことですとか、そういったことを通じて調べた結果を通報者に伝えていくといったこともしっかりやっていくべきだというような御意見をいただいているところでございます。

他方、少数ではございますけれども、慎重な立場からの御意見というものもございまして、行政機関にさまざまな不適切な対応があるということは事実でありますが、そういった問題があるのであれば、それ自体を是正していくことが筋ではないかということで、何らかの予断をもとに別の行政機関などを設けるというのは、やや無駄ではないかといった御指摘もいただいているところでございます。

(2)といたしまして、仮に一元的窓口を設置した場合に、その窓口が担う職務の内容でありますとか、実効性の担保方法をどうするのかということでございますが、これにつきましては参考資料2もあわせて御覧いただければと思いますけれども、主な御意見といたしまして、通報や意見、苦情等を受け付けるための一元的窓口を設けるということで、参考資料2においては破線で左のほうにお示ししておりますが、こういった窓口を設けて受け付けた情報を関係する行政機関に振り分けていく。参考資料2では回付という形で破線の矢印でお示ししているところでございます。そういった対応状況についてモニタリングを行っていくことが必要なのではないか。2番目の矢印のところでございます。

さらに2つ目の●のところにございますように、そういった通報の調査結果といったものを通報者に伝えていくことを義務化すべきではないかということでございまして、参考資料2で申しますと左下に通知その他の対応と記載した下向きの矢印がございますけれども、こういった機能もつけていくべきではないかということでございます。

さらに3番目の●でございますけれども、一元的窓口は行政的な権限を持って執行状況を調べる。問題があれば是正を勧告するというような制度とすべきではないかということでございまして、参考資料2で申しますと3番目の破線の矢印に是正要請・報告等とございますが、関係する行政機関において不適切な対応があった場合に、何らかの形で是正要請といったものができるようにすべきではないかという御意見もいただいてございます。

6ページに参考といたしまして、こういったことを行っていく場合に参考となる他の制度として、どういったものがあるのかということをお示ししております。

まず1つ目の●でございますが、行政への意見・苦情等を受け付けるための仕組みといたしまして、総務省に行政相談という制度がございまして、こういったものも参考になるのではないかということでございます。

その概要につきましては、脚注15及び参考資料3の1ページ目にお示ししておりますけれども、国の行政全般につきまして、国民全般から幅広く苦情等を受け付けていくということでございまして、寄せられた意見、苦情ごとに調査等を行って、所管官庁等への通知でありますとか、是正、改善の要請、あっせんなどを実施しているということでございまして、これによりまして実際に改善された例なども多数存在するということでございます。

ただし、その下にございますように全国各地に窓口等を設置しているということで、全国50カ所に行政相談窓口を置いたりでありますとか、約5,000人の行政相談委員を置いたりしているということでございます。このように大がかりな仕組みにまではならないにしても、必要な体制整備をどうするのかといったことも論点のひとつになるのではないかと思われます。

脚注から本文に戻っていただきまして、参考の2つ目の●のところでございますけれども、仮に各行政機関における通報対応状況についてモニタリングを行うことになりますと、何らかの報告徴求を求めるような仕組みが必要になってくるわけでございますが、そういったことを規定する法律も、消費者安全法でありますとか、公文書管理法など幾つか存在するということでございます。

さらに実効性を確保するため、他の行政機関に対して勧告等を行っていくことも必要となることも考えられますが、そういった勧告等を規定する法律として、国家公務員法ですとか公文書管理法などの例があるということでございます。こういった類例等も踏まえた上で御検討いただければと思います。

7ページ、(3)といたしまして仮に一元的窓口を設置するとした場合にどこに設置するか、その設置先に関する論点でございます。

まず消費者庁に設置すべきではないかという御意見でございますけれども、その最初の●にございますように、これまで消費者庁で本制度を所管してきてそれなりの蓄積を持っているということでございますので、これを活かした上で関係機関と連携しつつ、実施していくのがいいのではないかという御意見。

また2つ目の●にございますように、消費者庁に一元的窓口を設けた上で各行政機関に振り分ける。対応状況についてモニタリングをする。消費者庁が対応することが適当なものについては調査を行って、必要な改善要請等を行っていくということで、参考資料2にございます破線の矢印のところ、こういった機能を担うことが必要なのではないかという御意見でございます。

さらに3つ目の●にございますように、このように他の行政機関に改善要請を行うといった場合には、消費者庁にそれなりに強い権限を持たせる必要があるのではないかということでございまして、他省庁への勧告でありますとか、行政措置等も行えるような法改正が必要になってくるのではないかという御意見でございます。

参考のところに、仮にこういった制度を構築していく場合に、現行制度上、消費者庁が活用可能な制度として以下のようなものがあるということでお示ししております。

まず1つ目の小さなポツのところでございますが、すでに御紹介しておりますとおり公益通報者保護制度相談ダイヤルを運営しておりまして、制度に関する御相談でありますとか、通報先の御相談などに応じているということでございます。

ただ、こちらは個別事案に関する相談は対象としていないということで、個別事案についての具体的な判断でありますとか、具体的な対応についての助言などについては、現在は行っていないということでございます。仮に一元的窓口を置くことになりますと、こういった個別事案についての判断や助言などについてもある程度行うことが必要となりますので、現行の相談ダイヤルをもとにそういった機能を追加して、業務内容の拡充を図っていくことが考えられるということでございます。

また2つ目の小さなポツにございますように、消費者庁長官による他の行政機関への協力要求という権限がございます。これは設置法の第5条の規定によりまして、消費者庁長官はその所掌事務を遂行するために、必要な場合には関係行政機関の長に対して必要な協力を求めることができることとなっておりまして、これを踏まえて国の行政機関向けガイドラインにもその旨を規定しているところでございますが、こうした権限も活用することができるということでございます。

ただし、これはあくまでも協力ということでございまして、拘束力までを有するものではございませんので、一元的窓口の実効性を確保するためにこういった協力に関する規定だけで足りるのか、あるいはもう少し強い権限が必要になってくるのかといったところについても、御議論をいただきたいと考えております。

8ページですが、さらに消費者安全法に基づく措置というものがございまして、仮に通報の内容が消費者安全法上の消費者事故等の発生に関する情報などでございましたら、関係行政機関の長に対して情報提供をしたり、関係省庁が有する他の法律の規定に基づく措置の速やかな実施を要求、いわゆる措置要求と呼んでいるものでございますが、こういったことをしたりすることが現状としてもできるということでございまして、参考資料2の緑色の枠で囲った箱と矢印のところに書いてございますけれども、一定の条件を満たせば、他の行政機関に対する措置要求ですとか、他の法律の規定に基づく措置がない、いわゆる「すき間事案」の場合には、事業者に対する勧告・命令といったこともできるということでございまして、こういった仕組みを活用することも考えられるということでございます。

他方、その下の●に幾つか留意点をお示ししております。

まず1つ目の●でございますけれども、仮に消費者庁に他の行政機関への行政措置等を設けるとした場合に、通報内容について法令上の権限ですとか専門性を有する、各行政機関との間でその権限行使に関する調整が必要になってくるのではないかということでございまして、二重行政となることによっていろいろ混乱を招いてはいけないということでございますので、その辺について慎重な検討が必要なのではないかということでございます。

他方、各行政機関が有する個別の権限に踏み込むことなく、通報窓口の整備・運用ですとか、通報の秘密保持といった通報制度全般に共通するような事項に対象を限るということであれば、特に通報内容について専門性を有していなくても、行政機関の対応の適否について消費者庁が判断できるといったことも考えられるのではないかということで、仮にそういった行政措置等を設ける場合に、どこまで射程とすることが適当なのかといったところについても御議論をいただきたいと思います。

さらに次の●でございますけれども、行政機関への通報の受付件数については、消費者庁において行政機関に対する施行状況調査というものを行っておりまして、そこで把握している限りで申し上げますと、年間3万5,000件から4万件程度把握してございますが、これらを一元的窓口にあえて誘導するような形で処理をするということが果たして現実的なのかといったことについても問題になってこようかと思っております。実際問題として、これらの全てを処理するというのは組織のキャパシティー上の制約から困難であると考えられますので、仮に消費者庁に一元的窓口を設ける場合であっても、そこで扱うものについては消費者庁が対応することが適当なものについて優先的に対応していくことも考えられるのではないかということでございます。この点について、脚注の20でより具体的に書いてございますけれども、例えばということでございますが、通報内容について権限を有する行政機関が明らかであるといったものであって、さらに通報者御自身も権限を有する行政機関に通報しても構わないといったことをおっしゃっているような場合には、何もそれをあえて一元的窓口で処理する必要はなくて、権限を有する行政機関を教示して、そちらで対応していただくことも考えられるのではないかということでございますし、他方におきまして、いただいた通報、相談、意見などの内容が各行政機関においていろいろ不適切な点があるということで、消費者庁が関与することが必要だといったようなものについては、通報対応が終了するまでしっかりモニタリングしていくといような運用のあり方も考えられるのではないかということでございまして、どこまで対応するのが適当なのかということについても御意見を頂戴できればと思います。

8ページのイですが、消費者庁以外の機関に設置すべきだという御意見も一定程度ございまして、こういったお立場からは実効性を確保するためには受付ですとか調査、勧告といったことを独自の権限で行う行政機関、第三者機関を設置することが必要なのではないか。その第三者機関は強い権限を持って、各行政機関に対してきちんと意見をしていくといったような仕組みにする必要があるのではないかといった御意見でございまして、具体的には2つ目の●にございますように、委員会形式で立ち入り検査、指導、助言、勧告などを行う権限を持った独立した3条委員会のようなものが必要なのではないかという御意見もございます。

他方、これに対して慎重なお立場からは、なるべく速やかに法改正を行う必要があるという観点からすると、新たに第三者機関を設置することになりますと、コンセンサスを得るのに非常に時間と労力を要することになりますので、適当ではないのではないかというような御意見をいただいてございます。

9ページ、参考といたしまして、こういった個別の事案につきまして独自に調査等を実施して、他の行政機関に対して勧告でありますとか意見具申ができる機関の例ということで、個人情報保護委員会でありますとか、消費者安全調査委員会などがあるということでございます。脚注21にございますように、個人情報保護委員会については、マイナンバー法違反に関する事項について行政機関や事業者など、特定個人情報の取扱者に対して必要な指導、助言、報告徴求、立ち入り検査あるいは勧告、命令などができるということでございます。ただ、これはあくまでもマイナンバー法違反に関する事項に対してでございまして、各省庁が有する規制権限の行使に関する事項までは、その対象とはなっていないということに御留意いただければと思います。

さらに脚注22に消費者安全調査委員会の概要をお示ししておりますけれども、2つ目の小さなポツにございますように、他の行政機関等によって調査等がなされている場合には、その結果の評価等を行う。さらにみずから調査を実施することもできるということになっておりまして、こういった調査や評価の結果に基づいて、内閣総理大臣あるいは関係行政機関の長などに対して勧告や意見具申などをする機能を持っているということでございます。

ただし、その下のポツにございますように、同委員会の発足から約5年が経過してございますけれども、最終報告までに至った案件というのは12件ということで、機動性の面で課題があるということが指摘されてございます。

以上が一元的窓口の設置にかかわる論点でございまして、次に「2.2号通報として保護の対象となる通報先の拡張」に関する論点でございます。

(1)は、一元的窓口への通報についても保護の対象にしていくべきではないかという論点でございまして、仮に一元的窓口を設置した場合に、そこに対して通報した場合でも保護されるようにしないと、安心して通報できないということになってしまいますので、そういったものを置く場合には、当該窓口への通報についても保護していく必要があるのではないかという論点でございます。

(2)につきましては、誤って権限のない行政機関に対してなされた通報についても、保護の対象となる旨を明確化すべきかどうかというところでございまして、現行法上は教示の規定のみございまして、誤った行政機関について通報したことについて、保護されるかどうかの明示の規定がないわけでございますが、明確化の観点からそういったものも置くべきではないかといった論点でございます。

(3)は、行政機関が指定した者への通報というものも保護の対象にしていくかどうかということでございますけれども、これが特に問題になるのは、市区町村において通報・相談窓口の整備率がまだまだ十分でないという中で、例えば広域連携の仕組みでありますとか、あるいは都道府県が市区町村の肩がわりして共同の窓口を別途設けるということをする場合に、そういった各行政機関が指定した共同窓口のようなところに通報した場合にも、保護の対象となるということを明確化したほうがいいのではないかというようなことでございます。今後、市区町村における窓口の整備を促進していく上で、こういった法的な手当ても必要なのではないかということでございます。

10ページ目の参考のところにお示ししておりますけれども、現在、徳島県におきましては県内の市町村が共通して使える窓口を4月に設置したところでございまして、これにより各市町村の窓口と共通窓口のいずれに対しても通報できるようになっております。この際、共通窓口に対してなされた通報についても、運用上、権限を有する市町村になされたものとして取り扱うこととしているわけでございますが、共通窓口への通報が保護されるということを法律上も明確化することの必要性についても御議論をいいただきたいと考えております。

消費者庁からの御説明は以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。

本日、最初の論点は、一元的窓口の設置についてです。

まず、公益通報に関する一元的窓口を設置することを法律上、規定することについての是非と、規定した場合にそこが担う職務、実効性の担保について御議論をいただきます。

資料2で申しますと5ページ第2の1.(1)と(2)の部分が該当箇所になります。あわせて先ほどから何度か参照していただいておりますが、参考資料2もあわせて御参照いただければと思います。

それでは、御意見のある方はお願いをいたします。いかがでしょうか。林委員、お願いします。

○林委員 一元的な窓口を設置することには、設置すべきであると考えています。

一元的窓口を置く理由ですけれども、公益通報しようと考えている人は、この通報がどの行政機関が権限を持っているかということについて、なかなか分からないということが多い。分からないということから通報自体をちゅうちょしてしまうことが多くあると言われています。それはアンケートの結果にも出ているところなのですけれども、それだけではなくて、誤った通報先に通報してしまった場合に、法11条で権限または勧告を有する行政機関を教示しなくてはいけないと法文には書いてあるのですが、その教示がなかなかなされない、放置されてしまうという事案が多々あるということですので、一元的な窓口を設置することによって通報を受け付けるという段階での公益通報のしやすさという制度設計がなされるのではないかということで、窓口については一元的にすべきであると考えています。

消費者庁で検索システムがあるのですけれども、公益通報の相談を受けるときにどの法律に違反しているのかというのを私たちも検索するのですが、実を言いますと非常に使いにくい。ごめんなさい。使いにくくて、どういう法律に違反しているのだろうというのを探すのが非常に難しいのです。そうすると我々でも難しいのに、相談しようと思っている人がすぐにぱっと分かるかなというところがありまして、検索システムはあるのですけれども、使えるものにはなっていないのではないかというところがありますので、そこを通報する人の負担にするというのは話が間違っているのではないかと思いまして、一元的な窓口を設置すべきであると考えます。

ここまででいいですか。

○山本座長 ありがとうございました。

職務とか実効性の担保についてという部分もありますけれども、何かそこについてございますか。続けてお願いします。

○林委員 設置する場所なのですけれども、消費者庁がいいのではないかと私は考えています。これを管轄しているところが消費者庁であるということもありますし、特に新しい第三の機関を作る必要性もないと思いますので、そこは消費者庁でいいと思うのですけれども、あり方をどうするのかというところなのですが、今、消費者庁から御説明があったのと観点が違うのですが、一元的な窓口として通報を受け付けます。受け付けた通報について、それをどの行政機関に振ったらいいのかというのを判断して回付する。それが通報に当たりますということを行政機関から言われたときに、あなたの通報が受理されましたということを通報者に連絡する。実はそれは通報には当たらないですよということであれば、残念ながら通報に当たりませんという連絡を入れる。それが1つ目。

そこから調査が始まると思いますので、調査が開始されましたということであれば調査が開始されたということで、また通報者に連絡をし、調査の結果についてもまた報告をするという流れで、必ずどういう調査がなされたのかということについて、消費者庁が責任を持って窓口となって通報者に連絡をするということを作っていったらいいのではないかと思っています。

そして、それも期限を区切ってされたほうがいいのではないかと思うのです。たらい回しにされてしまって、そのうちよく分からないことになってしまうというのもあるかと思いますので、そこの辺は期限を切る。

今、言いましたように消費者庁が単なる窓口となって、それを担当する行政機関に回すということなのですが、ただ、その行政機関が本来調査すべきであると考えられるものであるにもかかわらず、なかなか調査をしないとか、何か理由がない場合です。そこは消費者庁に権限を持たせて措置できるような法制度を作ったらいいのではないかと考えています。ただ、その辺はまたいろいろな法制度が必要になるでしょうし、二重行政などの問題もあると思うのですけれども、私の考えているのは以上のところです。

○山本座長 ありがとうございました。

資料2の5ページ、6ページあたりと申しまして、7ページの一元的窓口の設置先については、また切ってというふうにも思うのですが、ただ、5ページ(2)の職務とか実効性の担保方法について議論をするときに、どこが実際にそれをやるのかということを想定しないで議論するのもやりにくいところがありますので、7ページ(3)の一元的窓口の設置先についても、後でまた特別にこれ固有の問題については少し時間をとりたいと思いますけれども、ここに議論がわたってしまっても結構です。そこのところは余り気にしないで意見をお出しいただければと思います。いかがでしょうか。

それでは、浦郷委員、お願いします。

○浦郷委員 私も一元的窓口の設置には賛成です。

今、林委員も言われたように、どの法律に違反することなのか、どの機関に通報すればいいのか判断できない場合があるということ。また、複数の行政機関をたらい回しにされるという事例もありますので一元化に。また、前回の議論のところで中小企業の内部通報体制整備に一定の配慮をするという方向性になったと思うのですけれども、中小企業の労働者からの通報を担保するためにも、2号通報のしやすさを確保するためにも一元的窓口は必要と思います。

さらに、正しい行政機関に通報されたとしても、例えばその不正が行政機関による監督が十分にできていなかったことでの不正だった場合、そのことが明らかになることを恐れて通報を放置してしまうというような、不正を行う事業者と行政機関の利害が一致してしまって、行政機関も当事者となり得るおそれもあって公益通報先として機能しないこともあることも考えると、私は一元的窓口の通報先は第三者機関として公益通報を包括的に受け付けて、専門性を持って対応、処理する機関であることが望ましいと思います。

窓口が担う職務のところに関しましては、通報に関する執行状況をきちんと確認して、問題があれば是正要請できる権限をきちんと持たせるということ。また、通報の調査結果を通報者に伝えるということを義務化する必要もあると思います。例えば匿名の通報であってもメールアドレスがわかれば、そのことを伝えることはできるのではないかと思っております。

そういうことで、実効性をきちんと確保するのであれば、通報の受付から調査、勧告、独自の権限で行う第三者機関を設置することが適当だと思っておりますが、それがなかなか難しい。本来ならば第三者機関がいいと思うのですけれども、調整などが難しくて、作るとなるとかなり時間がかかってしまうということであると、まずは第一歩を進めたいと思いますので、消費者庁の中に作るというのもあり得るのかなと思います。

消費者庁の中に作った場合は、どういう窓口にすべきかというところはまた後でお話させていただきます。

○山本座長 ありがとうございます。

そのほかにいかがでしょうか。それでは、お願いします。

○中村委員 まず一元的な窓口を設置することの是非に関しては、特に反対でもないということでございます。ただ、それがどのような形で設置されるかということが企業としては重要でございまして、例えば参考資料4の3ページに書かれているような行政機関の不適切な対応の事例というところを見ると、要は通報そのものについて放置をしたりであるとか、秘密を漏えいしたりであるとか、通報の取扱いについての専門性のなさというか、そういうところが課題であると捉えたときに、それを一元的な窓口に担っていただいて、振り分け等を行うという機能であれば、それはあり得る話なのかなと思っているところでございます。

他方で企業として懸念する部分といたしましては、調査が例えば例に出ております消費者安全法等の商品の安全性とかでありますと、特に企業の内部に入り込んで調べなければいけないということでもないかもしれないのですけれども、企業内に入って調査をしなければいけないであるとか、あるいは企業に調査を求めたりというような話でありますとか、あるいは法律についての専門的な判断に基づいて鋭意結論を出すというような部分につきまして、各行政の判断にまで入り込んで消費者庁が判断をするというようなことであったり、直接に消費者庁が調査をするというようなことになりますと、二重行政であったり、そこの判断の食い違いというようなことが生じて、企業としても困惑してしまう。そして事業者の負担も増えるということが懸念されますので、基本的に一元的な窓口の役割としては通報に関する秘密の保持であったり、通報の調査に関するフォロー、メンテナンスというか、そういうところにとどめるべきではないかと思うところであります。

御参考までというか、企業で公益通報を受けている窓口の感覚といたしましては、第三者に通報の窓口を設けているのと同じような形になるのではないかと感じているところでありますが、あるいは親会社に設けているところがいろいろございますけれども、現実に通報を受けておりますと、その場では調査の中身でありますとか、通報の中身というのは分かりにくいところが多々ありまして、一見、何か問題があるのかなと思っても、現実的にはそれぞれの会社の中で調べてみて、そうでなかったというようなことで、窓口としてはそれを受けるしかないというようなことが多々ございます。

また、今回、報告義務というようなことも議論されておりますけれども、通報をしてくる方自身について、私ども第三者においては報告が欲しいかどうかということを必ず確認するようにしておりますが、必要ないとおっしゃる方も相当数いらっしゃいます。メールであれば返信できることなのですけれども、メールを戻してみたところ、受信されないとか、あるいは電話でいただいた場合で匿名の場合はお返事ができないとか、いろいろなケースがありますので、もし報告義務というようなことを検討されるのであれば、そういったケースについても十分配慮の上で決めていく必要があるのではないかと思います。

以上です。

○山本座長 ありがとうございます。

それでは、川出委員、お願いします。

○川出委員 私も一元的窓口を設けることについては賛成です。その場合の一元的窓口というもののイメージなのですが、一元的窓口と言われると、行政機関に対してなされた通報のすべてが、一旦そこに集約されて、その上で処分等の権限を有する行政機関に回付されるかのようなイメージがあります。しかし、ここで考えられている仕組みはそうではなく、権限を有する行政機関になされた通報については、これまでどおり、その行政機関で処理されることを前提に、それとあわせて、例えば消費者庁に窓口を作り、そこになされた通報については、そこから権限を有する行政機関に回付して処理してもらうというイメージなのだろうと思います。それで結構だと思うのですが、そのような仕組みにする場合には、先ほどご提案がありましたように、一元的窓口に通報がなされたものについて、回付先の行政機関によって調査が開始されたことや、調査の結果を、一元的窓口から通報者に対して報告することを義務付けるのであれば、権限を有する行政機関に通報がなされた場合にも,同じことを、その行政機関に義務付ける仕組みを作らないと整合性がとれなくなります。そこまで含めて、一元的窓口が担う職務の内容を考えるべきだと思います。

加えて、これも先ほどご提案がありましたように、一元的窓口が、通報を回付した行政機関の対応をモニタリングして、それが不適当であれば是正を要請するといった職務を行うということであれば、権限を有する行政機関に通報がなされた場合にも、同様のモニタリングと是正要請ができるように、一元的窓口に対して、行政機関の通報対応に対する苦情を申し立てる仕組みを設けることが必要になると思います。

以上です。

○山本座長 ありがとうございます。

石井委員、お願いします。

○石井委員 皆様のこれまでの御意見と同様、私も一元的窓口を設けていいのだろう、設けていくべきだろう。むしろこれから通報対象事実、対象とする法律を広げていくことになりますと、ますます分かりにくくなってくることが予想されますので、その意味でも必要性が高まるのではないかという印象を持っております。

ただ、あわせて先ほどの川出委員と同じでございまして、権限がある機関にもちゃんと来る仕組み。これは当然保持すべきでありまして、それは対応も早いわけでございます。そこは決して否定してはいけない。そういうことを考えた場合に今、先ほど林委員が余り使い勝手がよくないんですとおっしゃられた検索システムはいろいろ工夫をしていただいて、わかりやすいものをご用意いただくというのを前提にすべきと考えます。また検索システム自体について、林委員などは御存じかもしれませんが、一般の通報しようという方がどの程度知っているかということもあると思いますので、その周知というものもあわせてやっていくことによって、行政の効率的な運営を考えていくべきではないかなと考えます。

その上で、窓口として置くのは消費者庁なのだと考えます。これまで法も施行されてきていまして、その知見というものがあるわけでございますので、これを活かさない手はないということで、当然消費者庁だと思いますが、そこでなし得ることをどのように考えるかということであります。

今、消費者相談ダイヤルは相談員が1名で対応されていらっしゃるということでございまして、恐らくこういう形で仕分け業務を行うことになりますと、その体制ではもたないだろうと考えます。私は当然この通報者のみならず、現在の相談ダイヤルには民間事業者の方も389件、相談されていまして、その制度そのものについて疑問を持ったり、まさに相談をしたいケースについてもお答えいただく機能というのは保持すべきだろうと考えますので、そういうことを考えてどういう形で権限を付与していくのか、あるいは機能を持っていくかということを考えていく必要があるだろうと思います。

そういう意味で通報者が今、自分の相談したものがきちんと権限あるところに渡っているのか、調査がなされているのか、そこを知りたいというのは確かにあると思いますし、フィードバックできたらそれは理想だと思いますが、もしそれを全ての件数をやっていくとなると、ものすごく体制として重いものを用意しないと回り切れないのではないかと思います。そうした場合に、一定程度のフィードバックを考えたときに、そこはおのずと軽重といいますか、一定の要件を満たしたものを考えていくのかなと考えます。例えば、国民の生命、身体にかかわる、環境問題などは消費者安全とまた違って非常に切実でございますし、一刻も早くというニーズが高いと思います。例えばそういう事案とか、あるいは複数省庁をまたがっていて、どうも動きが読み取れないものとか、さらには非常に動きが見えないということでお問い合わせがあったときとか、何かそのような形で一定の基準にあったものを対象として、今どうなっているかということを問い合わせるという形が現実的なのではないかと思います。

それから、現在、5条の規定で協力要請ができる規定があるわけなのですが、この規定を強めていかないと行政機関、他省庁が動かないのかどうかというところも考えたほうがいいように思います。もし協力要請の規定で動くのであれば、今この規定を強めるかどうかについては再考の余地があるかもしれないなと考えます。要は少し忘れていたということでウォーニングを発したら動き出すのであれば、それはそれでよろしいのではないかという感じもいたしますので、現行の5条の機能といいますか、状況がどうなのかというところも少し確認をしていただいたほうがよろしいのではないかと考えます。

以上でございます。

○山本座長 ありがとうございます。

一元的窓口の具体的な設置先として、消費者庁を想定した上での議論にまでかなり入っておりますけれども、ここまでのところはよろしいでしょうか。7ページの部分はもう少しそれなりに時間をとりたいと思いますが、資料2の6ページの部分まではよろしいでしょうか。

春田委員、お願いします。

○春田委員 私も消費者庁に一元的窓口を設置するということには賛成でございます。これは論点2にも係るかもしれませんが、設置する際にも通報者の秘密保持などの利益を損なうような仕組みはぜひ検討していただきたいということと、参考資料2にある図でありますけれども、通報内容は一元的窓口から調査権限を有する行政機関に回付される際、どうしても伝言という形になってしまいますので、これについては誤ってされる可能性も十分あるということもありまして、こういった通報者に不利益が生じてしまうことも懸念されてございます。

行政において、この場合はどうするんだという対応マニュアルをきちんと整備していただきたいということと、先ほど調査の話もありましたけれども、調査権限を有する行政機関については、実際の調査前に通報者と通報内容や対応をあらかじめ確認できるような仕組みを設けるなど、通報者に不利益が生じないような体制をきちんとマニュアルで整備して進めていくべきではないかと思っているところでございます。

また、体制整備の話が先ほどございましたけれども、今後、2号通報が増加していくということと、消費者庁のこういった権限を持たせるということになりますと、今の人員ではなかなか難しいと思いますので、そういった場合には増員等々も含めきちんと体制整備した上で進めていくべきではないかと思っているところでございます。

以上です。

○山本座長 ありがとうございます。

柿崎座長代理、お願いします。

○柿崎座長代理 皆さんと同じように、一元的窓口を作ることには賛成です。ただ、石井委員からお話がありましたように、現実問題として行政の窓口対応の事後のフォローまでを一元化できるのか、先ほど消費者庁に3万件から4万件の問い合わせが来るというお話がありましたので、この全部に対して、最初に林委員からお話がありましたように、この通報を受け付けました、調査を開始いたしましたということを消費者庁から通報者全員に返すということが果たして可能かのか、そのためにどれぐらいの人員が必要になってくるのかが懸念されるところです。それができるということであれば、一番理想的なのですけれども、その点の現実的な可能性ということは私どもには分からないので、その点を消費者庁の方のお話も聞かないといけないかなと思います。

ただ、石井委員から「ことの軽重」に応じて柔軟に対応するような仕組みをとったらどうかというご提案がありましたが、それももちろん1つの考え方だと思うのですけれども、ある程度の軽重の基準がはっきりしていないと、行政の効率性というところでは問題になってくるのかなと思います。では消費者庁から監督官庁に投げっぱなしでいいのかとは私も思っていないわけで、必ずその後はどうなったかということのフィードバック、つまりどのように処理したかの報告は消費者庁のほうで事後的に受けなければいけないのではないかと思います。通報の回送を受けたほうの行政機関が、本来であれば通報者に対して経過報告の連絡をとるのがそれぞれの行政官庁の職務とか任務だと思いますので、それはそちらにしていただいてもいいのかなと思うのです。ただ、消費者庁の方で受けた通報については、一定期間を区切って、通報を受けて回付したものに関してはどのような対応をとりましたかという形で問い合わせて、もう調査は終わっておりますとか、まだ調査の途中ですとか、そういった報告が消費者庁に一応集まってくるという仕組みをとらないと、受けたけれども、回付した後は、何もしないというのでは、あとになって通報者から消費者庁に問い合わせがきたときに全く困ります。かといって消費者庁が窓口になったものは、そこから全部の通報者へまた発信をしていくというのができればいいのですが、現実的には少し制度設計として重くなり過ぎるかなと思います。ただ、事後的に監督官庁の対応がどうであったか、そのあたりについては基本的にモニタリングをしてもらわないと困りますので、消費者庁がモニタリングのできる最低限度の報告は受ける仕組みは必要だと思います。

その際に、実際には、「これと同様の案件に関しては、ほかの監督官庁ではもう既に調査が終わっているのに、あなたのところはなぜ、まだなんですか」と聞くことで調査するとか説明を聞くとかすることも、そういう報告を受ける体制にしておけばいいわけで、報告を受けるということ自体、今の5条の条文でも多分できると思うので、それほど無理はないともいます。ですので、かなり譲歩した形ですけれども、そういう現実的な対応であればできるのではないかなと思いますが、そのあたりの落としどころというのはいかがなものでしょうか。林委員の言われたように全部消費者庁の方で、できるんだということであれば、それで構いません。そのほうがもちろん理想的なのですけれども、そのあたりの感触みたいなこともお話しいただければありがたいかなと思います。

○山本座長 それでは、先ほどの消費者庁、消費者委員会設置法の5条の協力要請の話と、今の実際上、こういう制度を作った場合に消費者庁がどの程度であれば現実的に対応できそうかという、このあたりを少し御説明いただけますか。

○太田消費者庁消費者制度課企画官 まず1点目の設置法5条に基づく協力要請の件でございますけれども、こちらにつきましてはこれまでもいろいろ対応に問題があるのではないかとか、新聞などでそういったことが大きく報じられた場合などには、個別に関係する行政機関にまず事情を伺った上で、必要があればきちんと対応してくださいといった事実上の要請は行ってきておりまして、それを踏まえて本当に問題がある場合には、各行政機関においても一定の対応をしていただいているということはございます。

ただ、さらに一元的窓口ということになってまいりまして、難しい案件について積極的に調整に乗り出すといったことが増えてきた場合に、果たして協力要請だけで十分なのか、もう少し強い権限を持たせることが必要なのかといったところについては、御議論をいただければと考えているところでございます。

2つ目の一元的窓口でこういった多数の通報を処理していくことが現実的にどの程度可能なのかというところでございますが、まず1点、訂正でございますけれども、3万5,000から4万件というのは消費者庁に対する通報ということではなくて、全行政機関、国の省庁ですとか都道府県、市区町村、全ての行政機関において受け付けた件数が3万5,000から4万ということでございまして、これが全て消費者庁に流れてくるということではございませんので、そこについては御留意いただければと思います。

ただ、そのうちのかなりの部分が一元的窓口に流れてくるだけでも、業務量としてはかなりのボリュームになってまいりますので、そこは何らかの優先順位をつけていくことが必要なのではないかということでございまして、いろいろ軽重をつけるでありますとか、何らかの基準を設けるといったことで幾つか御提案がございましたけれども、これにつきましては法制度の見直しなどを行った後に、ガイドラインでありますとか先ほどマニュアルといったようなお話もございましたが、各行政機関とよく相談した上で、どういった形で業務を行っていくのかといったことにつきまして合意形成をいたしまして、しっかりとした制度を作っていきたいと考えております。

以上でございます。

○山本座長 ありがとうございます。

そのほかにいかがでしょうか。では、今の点で林委員、お願いします。

○林委員 行政機関への通報が3万6,000から4万件あるという話と、相談ダイヤルに寄せられた相談件数ですが、これは5年間で3,214件なのですけれども、この件数が挙げられているのですが、これは同じ人が何度も通報しているのも重複して計算されているのではないかというのが1つ。行政機関への苦情とか相談も、恐らく同じ人がいろいろな行政機関に相談をされているというのもあると思うのです。そのうち本当に公益通報ではないものも恐らくたくさんあると思うのですけれども、この中で本当に公益通報に当たるものというのはどの程度だったのでしょうか。

○消費者庁消費者制度課担当者 お答えさせていただきます。

確かに御指摘のとおり、同じ方から、複数回、相談ダイヤルに相談が寄せられるというケースはございまして、参考資料4の4ページの相談件数3,214件の中には、そういった重複した相談も含まれています。

他方で、その相談件数のうち、個別事案に関する相談の件数2,142件や、不利益取扱いが問題となった件数、秘密漏洩の件数等については、確認の過程において、重複する事案に関してはダブルカウントしないよう留意をしているところでございます。

2点目の質問をもう一度お願いできますでしょうか。

○林委員 行政ダイヤルのほうが今のお答えですか。行政機関に寄せられている相談が3万5,000から4万件という数字ですけれども、この相談の中で公益通報に当たるものと、そうではなくて単なる苦情であったり、御要望だったりというものもあると思うのです。その内訳はどうなっているのでしょうか。

○消費者庁消費者制度課担当者 この3万5,000から4万件という数字については、公益通報に当たらないものも含めた通報の件数をカウントしております。そのうち、受理されたものに関しては、受理された側で公益通報であると判断して受理したものが多いと思われますけれども、それは数千件という数になっております。平成28 年度は約5,000件でございます。ですから、3万5,000件から4万件の通報の中には、公益通報に含まれない形の通報も多数含まれているということになります。

○林委員 そうすると、公益通報でないというところで振り分けられるものがたくさん出てくると思うので、一元的な窓口を置いたとしても、そんなに事務処理が大変なことにはならないのではないかなと私は思っているのです。

○消費者庁消費者制度課担当者 他方で、そのような振り分けを行う前提として、通報内容が法令違反に該当するかどうかを検討する必要がございまして、その検討を行うに際して、消費者庁の担当者は全ての法律について知見を有しているわけではないので、例えば各省庁に問い合わせを行うなど、そういったことが必要になる場合もございます。要するに通報内容が法令違反に該当するか該当しないかということが簡単に分かるわけではございませんので、そういったところで負担が生じる可能性というのは出てくるかと思われます。

○山本座長 よろしいですか。

○林委員 ですから、そこの判断はしないで行政機関に回付すればいいと思うのです。そういう判断までは消費者庁がするのではなくて、これはどこの行政機関なのかというのを判断して、そこの行政機関に振って、回付したところで、そこはうちではないですとか、違反はしていませんという判断をされて、もう受け付けませんということであれば回答すればいいと思いますので、その事務処理までは求めないという方向で話をしていったらいいのではないかと思います。

○太田消費者庁消費者制度課企画官 いずれにしても、その辺はよく各行政機関と調整して、円滑な形で処理できるような体制を構築していきたいと考えております。

○山本座長 まず後藤委員、お願いします。

○後藤委員 一元的窓口を設けるかどうかについては、反対はしません。ただ、今のお話をずっと聞いていても一元的な窓口の機能を考えるのに、どうも受け付けた通報の仕分けをするだけのようなイメージで、各省庁に振り分けていって、その後は各省庁に任せるというニュアンスでしか受け取れないのです。

そこから先の部分、我々は特に小規模の場合は、2号通報というのはこれから非常に有益な機能を果たすものとして期待できるのですけれども、一体、一元的な窓口に通報した場合に、最終的に各省庁は一体どういう仕組みで対応することになるのか。現状の仕組みに単に一元的窓口から仕分けしたものがどんどん流れていくのか、それとも省庁間の対応にばらつきが起きないようにある程度、監督することを含めきちんとした仕組みを作ってやっていくのかといった点を気にしています。

例えば実際に各省庁における担当所管のところにそういった通報が行ったときも、現場でかなりの件数の通報に対応していくことになると、先ほど来、少し出ていますように調査人員はどうするかとか、そういう現実の問題もあると思うのです。一挙にぐっと通報件数が増加して、先ほどからありますけれども、軽重を判断するというお話でしたが、判断をするといっても企業側に全く調査をかけずに判断するというのはなかなか難しいのではないか。そうすると、それぞれ通報があったものについては、ある一定の聞き取り調査などをやらざるを得なくなる可能性がある。その人員はどうするのか。

また、市町村レベルで相談窓口を設けているということなのですが、これとの関係はどういう形で進めていくのか。そのあたりの全体像を法律に書くことはそんなに難しいことではないような気がするのですけれども、具体的な運用面で全体像が一体どういうふうになるのか。そのあたりをもう少しお示しいただいたほうが、議論がかみ合うのかなと思います。

○太田消費者庁消費者制度課企画官 まず仮に一元的窓口を設置するとした場合には、単に権限を有する行政機関に回付をして後はお任せということだけではないということでございまして、それでスムーズに対応されるものについては、それでもいいと思うのですけれども、ある程度複雑な事案、例えば複数の行政機関がかかわるといった場合には、何らかの調整が必要になってくるものもございますので、そういった事案については一元的窓口がしっかり機能を発揮していくということでございます。また、単に回付しっ放しということではなくて、対応の過程でどうなっているかということについて折に触れ報告徴求をしたり、仮に何か滞っている場合には何らかの要請等をしたりすることもあり得るということで、最後まで適切な対応が図られるよう、一定の関与をしていくことを想定してございます。

さらに各行政機関の横並びとして、それなりの共通の対応がなされることが望ましいというところでございますけれども、現在でも国の行政機関向けのガイドラインでありますとか、地方公共団体向けのガイドラインを策定しておりまして、その中で秘密保持の徹底でありますとか、調査結果の通知など適切な通報対応を確保するために必要な事項について細かく規定しております。その意味で、現在でも各行政機関の対応にばらつきを生じさせないための基準というものはある程度示されているわけでございますが、ただ、それで十分なのかといわれますと、確かにまだ十分でない面もあるのは事実でございますので、今後、制度改正とあわせて、その実効性についてもしっかり向上するような取組を進めていきたいと考えております。

○後藤委員 1点だけ確認させていただきたいのですけれども、各省庁で今、単独で受けているものも一元化の窓口が起きたときには、先ほどどなたかからもありましたが、一元的窓口のところに全て集約されるという格好にするというイメージですか。それとも、それはそれ、こちらはこちらというイメージですか。

○太田消費者庁消費者制度課企画官 必ずしも全て集約するということではなくて、個別の行政機関に対して通報がなされて、それで特に問題が起きていないのであれば、それは権限を有するところでやっていただくというのが一番スムーズなのではないかと考えておりまして、ただ、個別の行政機関に通報したのだけれども、たらい回しに遭ってしまったでありますとか、複数の行政機関が関与してなかなか思うように進まないといった難しい事案については、一元的窓口に御相談をいただいて、そこで一定の交通整理をした上で各行政機関に改めてお願いをしていくというような形で、なるべく円滑に調査などが進むような調整を行っていきたいということでございます。

○後藤委員 今の回答とは趣旨が少し違っていたかもしれませんけれども、私が言っているのは、各省庁で一旦受けたものを一元的窓口のほうにも同じように情報を流して、各省庁で受け付けた通報についても一括管理するのかどうかというイメージのお話を伺いしているのですが。

○太田消費者庁消費者制度課企画官 そこについては今後、各行政機関と御相談ということかと思いますけれども、ただ、全ての案件について御報告いただいても、なかなか対応し切れないところがあろうかと思いますので、個別の行政機関で問題なく対応できるものについては、基本的にはその行政機関の中で処理をしていただくという形の方が円滑に進むのではないかと考えております。

○後藤委員 分かりました。

○山本座長 それでは、お待たせいたしました。

○亀井委員 今までさまざまな委員の方の御意見をお聞きしておりまして、総合しますと、処分等の権限を有する行政機関の窓口自体は残す。消費者庁様に決定ではないのでしょうけれども、一元的窓口を設置して、窓口自体は併存させる。その上で恐らくなのですけれども、公益通報であれば、その進捗管理は消費者庁様にも共有される。参考資料2の赤い点線の矢印に該当する作業はどちらの窓口に通報が来た場合にも、それが公益通報であれば行われるというふうに理解したのですが、これは間違っておりますでしょうか。

○太田消費者庁消費者制度課企画官 違います。個別の行政機関に公益通報に該当するような通報が来た場合に、そこで円滑に調査、是正措置が行われるということであれば、何もそれをわざわざ一元的窓口に回付していただくことはないと思っておりまして、基本的には個別の行政機関の司司で対応していただくという形を想定しております。

○亀井委員 分かりました。ありがとうございます。

ということですと、今まで課題の中にありました各行政機関の取扱い、つまり公益通報に関する取扱いに不備があったのではないかというのは、通報者の方が二次的にそれを消費者庁様に通報されたときに初めて判明するという仕組みになるということで。

○太田消費者庁消費者制度課企画官 そういうことが多いかと思います。

○亀井委員 なるほど、分かりました。

すみません、ここまでが単純な質問になってしまいまして、そうした場合であったとしても、大体4万件ぐらいの通報が総量としてあります。そのうち全てが一元的窓口にもたらされるということではないのですけれども、私どもの今の内部通報の受け付けをしているという感触だけから申しますと、今までよりも相当多くの数の通報をお受け付けになるのではないかと予想されますので、体制の拡充というのは必要ではないかなと思われます。

さらに、開示の仕方にも注意をしていただく必要があって、恐らく何でも対応できるというものでは絶対にないはずなので、私どももよくトラブルに陥るのが期待ギャップなので、できないことをちゃんと最初に開示しておいていただかないと、恐らく無用のトラブルに巻き込まれるのではないかと感じます。

もう一つは、参考資料2の赤い点線の矢印に該当する作業を適切に管理していくためには、どうしてもITのシステムが必要ではないかと思いまして、メールアドレスを皆さん各省庁の方を例えば名簿に書いておいて、それぞれ担当者の方が人力で振り分けるということを考えておりますと、多分、誤送信などでプチ漏えいを起こしてしまう可能性もあるので、マスターをちゃんと管理して、権限管理をしてというセキュリティーの面もありますし、その案件の進捗が本当に期限どおりに行われているのかということを管理する側面もあるので、そのあたりも考えますとある程度しっかり御予算を確保していただかないと、なかなか難しくなってしまうのではないか。すみません、法改正に何の関係もないお話なのですけれども、そのように感じました。

以上でございます。

○太田消費者庁消費者制度課企画官 貴重な御指摘ありがとうございます。

まず期待ギャップのところについての御指摘はごもっともでございまして、ここにつきましては仮にこういった窓口を設けることとなった場合、ホームページなどにそのためのポータルサイトなどを作ることになるのではないかと思いますけれども、そこで一元的な窓口と称するものがどのような機能、役割を果たしていくのかということでありますとか、その中でできること、できないことをあらかじめ明確にお示しした上で、それをあらかじめ御理解いただいた上で御利用いただくという形を徹底していきたいと考えております。それによって窓口の設置に伴う負担をなるべく軽減していくという方向で仕組みを作っていきたいと考えております。

それなりの人員も必要になってくるというところもおっしゃるとおりでございまして、現在、相談窓口の相談員については1人の体制でやっておりますけれども、相談員の増員に加えて、各行政機関との連絡調整要員といったところについても、何らかの手当をしなくてはならないと思っておりますので、今後の定員要求などの中でしっかりと措置をしていきたいと考えております。

ITシステムのところにつきましては、どれぐらいのボリュームが来るかというところとの見合いという面もありますので、今の時点で確たることは申し上げられないのですけれども、情報管理ですとかセキュリティー管理の重要性といったところにつきましては御指摘のとおりでございますので、仮にそういったメールなどによって運用するとしても、情報のやり取りに当たっては、必ずパスワードを設定するですとか、暗号化するですとか、そういった形でセキュリティーの面では万全を期していきたいと考えております。

以上でございます。

○山本座長 ありがとうございます。

それでは、水町委員、お願いします。

○水町委員 基本的に例えばサービス残業が行われている、労働基準法違反があるというときに消費者庁にまず行くか、労働基準監督署に行けばいいと知っていて、労働基準監督署に行くかでニュートラルな対応をしてあげる。川出委員もおっしゃっていたようにニュートラルな対応を行うことが大切で、そういう意味で分からないときは消費者庁に聞けばいいのだけれども、消費者庁に行ったから労働基準監督署に圧力をかけて早く回させるとか、そういうことがないように、逆にそういう期待で労働基準監督署と知っていて行けばそちらで処理してくれるのに、こちらに行ったらより何か大きなメリットがあるという誤解を生まないように、基本的に制度の建付けとしてはニュートラルですよというのが1つ。

もう一つは、だけれども、例えばどちらに行ってもいいのだけれども、知っていて行政機関に直接行ったのだけれども、事件がなかなか複雑で、複数の機関にまたがって動かないとか、被通報者と行政との癒着がありそうでなかなか動かないとか、それとも単純な行政の怠慢でなかなか動かないというときに、最初は行政機関に行ったのだけれども、これはやはり消費者庁が本来、消費者庁として一元的窓口が調整に乗り出すべき事案だったというときに、途中からでも通報して動いてくれるというアブノーマルな事案のときにはこちらをやるけれども、普通のノーマルな事案は直接権限のある省庁を知っていれば、そちらに行って対応をしてもらって、だからといって不利益を被ることは、行政側は順調に動いてくれないということはありませんよということを徹底することが、行政の効率化の観点からも必要かなと思います。

○山本座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

おおむね皆さんの意見が出そろいまして、それほど方向性において違いはないのではないかと思います。

一元的窓口の設置については、これは皆さん賛成をしていただいたと思います。ただ、その場合の前提として、一元的窓口というのは全ての通報をそこで受け付けますという趣旨ではない。あくまでそれぞれの行政機関が通報を受け付ける体制を作って、それで通報を適切に処理する体制を作っているということは当然前提であって、調査措置義務とか、守秘義務等を徹底させるという議論を前回しましたけれども、各行政機関においてそれはきちんとやっていただくということは前提で、通報する側からも、もちろん各行政機関のほうに直接言っていただいて、それは全然構わないということです。それがまず前提としてございます。

もう一つは、今の議論全体としては既に前提としていたことと思うのですけれども、それぞれ問題となっている法令違反があったかどうかというところまで、一元的窓口が調査をするとか判断をすることまでは想定していない。あくまで公益通報者保護法が適切に運用され、執行されるように一元的窓口が機能するべきである。そういう権限を一元的窓口は持つということが前提であったと思います。その辺、中村委員が若干最初に指摘をされていましたけれども、それぞれの各法令違反の調査とか判断まで一元的窓口がやるのではないという前提であったと思います。

その上で、しかし、一元的窓口を設けるのは、1つは行政組織は非常に複雑な構造で、しかも法令も非常に複雑な構造を持っていますので、どこに行ったらいいか分からないという、所管省庁がどこであるとか、あるいは何法に違反しているかということが容易に分からないという事態が、いくらそれぞれの省庁で窓口を整備したとしても想定されるので、一元的窓口がそこで機能を担っていただく。いわば通報を振り分けていくという機能を担っていただくということと、もう一つは、これはいろいろな要因があるのでしょうけれども、各省庁において公益通報に対する対応がうまくいかない場合がどうしても出てくる。これは単純な不注意の場合もあるでしょうし、先ほど少し出ていますけれども、関係者と若干の癒着が疑われるような関係があるといったこともあるでしょうけれども、各省庁において通報がされても適切に処理されないことがあり得るということで、それで一元的窓口が一旦、通報があった後の処理の状況において不適切な対応があったときに、それについて通報者から情報をもらって、そして各省庁に対して注意を喚起するということかと思います。

ですから、一元的窓口が初めから最後まで全部管理するというよりは、少なくとも通報先が分からないとか、あるいは通報があってもそれが適切に処理されないといったことがあったときに、一元的窓口が動くということが最低限のイメージではないかと思います。

そこから先、さらにどこまでやるかというところは、できるだけやったほうがいいという御意見もありましたし、しかし、現実的なことを考えると、できるだけやったほうがいいのは確かなのですけれども、現実的にどうなのだろうかという御意見がありましたので、この点は、消費者庁が一元的窓口になるとすれば、具体的にどの程度であれば処理ができるかということを少しお考えいただきたいと思います。

その際に例えば、全然一元的窓口のほうに行かなかった通報についても、ある程度消費者庁が把握する必要があるので、例えば定期的にまとめて各省庁から報告をもらうとかいったようなことも考えられるかと思います。これはそれぞれの個別の対応について逐一、消費者庁が見るというよりは、ある程度まとめて法の執行状況をモニターするというような、もう少しマクロの観点からのモニタリングかと思いますけれども、そういったことも考えられるのではないかと思います。この点は川出委員等が指摘をされていたことかと思いますので、その点も御留意いただきたい。

あとは法令上、現在は協力要請という形になっているのですけれども、ほかにさらに必要かという点ですが、これはかなり技術的な問題にもなってくるかと思います。恐らく公益通報者保護法の執行という形で限定をして、なおかつ内閣府に置かれている消費者庁等が行うということであれば、勧告等を各省庁、ほかの省庁に対して行うという仕組みも十分考えられるのではないかと思います。日本の場合には分担管理原則でなかなか省庁の縦割りが厳しいところもあるのですけれども、今のような条件があれば可能性はあるのではないかと、個人的には思います。

勧告等を行うという場合にも、強い命令というところまでいきますとかなり法制上はハードルが高いと思いますけれども、例えば勧告をして、それを公表するといった仕組みはいろいろな法令にも設けられているところですので、勧告とか公表といったような形で、あるいは勧告に対してどのような対応をしたかということを必ず通知する報告義務を設けるといった形で、一元的窓口の権限の実効性を担保することは十分あり得るのではないかと思います。それが大きな1つ目のところかと思います。

あと市町村等との関係について御指摘がありましたけれども、現行法でやるとすれば消費者庁が公益通報者保護法の所管省庁であるとすると、地方自治法上の技術的な助言・勧告であるとか、あるいはさらに自治事務であれば是正の要求、法定受託事務であれば是正の指示といったような制度がありますので、そのような形でもし不適切な対応があれば対応することは現行法上も可能だと思いますけれども、それに上乗せして何か必要なのかというあたりをさらに検討する必要があろうかと思います。現行法でも十分というのであれば、それでいいと思いますし、さらに何か必要であるかどうかということを少しチェックしておく必要があろうかと思います。

以上ですかね。資料2の7ページの一元的窓口の設置先についてというところでございますけれども、これについては先ほど第三者機関を設けられるのであれば、第三者機関を設けるのが適切ではないかという御意見がございまして、ただ、これも現実に可能であればということであって、現実になかなかそれが動かないとすると、とにかく喫緊に一元的窓口を設けるべきなので、そこにはこだわらないという御意見だったかと思います。

何かさらにこの一元的窓口の設置先について御意見ございますでしょうか。先ほどからほとんど消費者庁を前提にしたような議論になっているのですけれども、よろしいですか。浦郷委員、お願いします。

○浦郷委員 そうですね。そういうことであればまず消費者庁の中に作るというところで、まずは公益通報に当たるかどうかのところまで見るのではなくて、振り分けるといいますか、権限を持つ行政機関へ回付するということだと思います。ただ、窓口が単なる振り分け係になってしまうようなことがないように、法律的な詳しいところはよく分かりませんが、運用面では独立した機関にならないのかなというところは考えるところであります。

先ほどからもありましたように、窓口の整備とか運用や通報の秘密保持に関する事項、通報制度全般について、問題となる行政機関の対応については、消費者庁がきちんとそこは勧告・是正できるようなものにする必要があると思いますし、例えばこのイメージ図で緑の矢印、消費者安全法に関するところは今でもできるということなのですけれども、ここに関しても措置要求とか勧告命令をきちんとやっていただくというところだと思います。

公益通報の対象事実というのは、消費者庁よりも他省庁が権限を有している事項のほうが多いと思います。なのでその執行状況の確認などこれから法律でいろいろ決めていくところかと思いますけれども、それが十分にできていればいいのですが、そうでない場合は今後のところでも立法事実を積み重ねていって、独立した第三者機関の設置というのも視野に入れておいていただきたいなというところは思います。

以上です。

○山本座長 初めの受付けをして仕分けるのはもちろんなのですけれども、一旦、直接ほかの省庁に行って通報したのだけれども、全然処理をしてもらえないというときに、一元的窓口に行って、こういう状況なのだけれども、何とかしてくれということももちろん受け付けるというイメージですね。

ほかにございますでしょうか。それでは、林委員、お願いします。

○林委員 まず受付の話なのですけれども、単に消費者庁が受付係になってしまうのではというお話があったのですが、私も外部窓口をやらせていただいていて思うことなのですが、単なる受付係というのが非常に大事であると思うのです。といいますのも、単なる受付係であるからこそ、その方が匿名希望であれば、私はその方のかわりに言ってあげられるわけです。こういう通報がありますよと。延々に絶対に匿名であるということができるわけで、単なる受付係だからこそできる、調査をしないですから感情移入もありませんし、私はそういう担当なのですという立場にあることが、すごく大事なことではないかと思っています。そういう立場であるからこそ、きっちり調査ができたのか、調査の報告ができたのかということも監督ができると思います。

それと、先ほどから出ている消費者安全法39条とかの措置要求とか報告の話なのですけれども、以前、消費者庁の方にお聞きしたところ、そういう事案は一度もないと聞いておりまして、今まで一度もなかったものがこれからあるのかという疑問もあるので、これが本当に機能するのかなという心配を持っています。なので、この法律によるのではなくて、もう少し公益通報者保護法の中で措置ができるような制度にしていったほうがいいのではないかと考えております。

○山本座長 恐らく他省庁との関係について新たな仕組みを設けなくてはいけないとすれば、公益通報者保護法の中で少し手当をする必要が出てくるだろうと思います。要件であるとか、あるいはどういうような措置をとるかということについて、特別に考える必要が出てきそうな気がしますので、そうだとすると公益通報者保護法の中で少し考えることになるのではないでしょうか。

ほかにございますでしょうか。それでは、ここのところについては、第三者機関を設けることが将来的には考えられるといった御意見がございましたけれども、現実的には消費者庁であろうという御意見であったと思います。ただ、消費者庁が本当にそれで動いてくれるのかという御指摘もございましたので、そこのところは消費者庁にもしやっていただくとすれば、そこはきちんとぜひやっていただきたいと思います。

あと、特に他省庁との関係をどのような建付けにするかという部分は、これは法制上の問題もありますし、他省庁との関係もあることですので、ここで具体的にこうすべきだというところまではなかなか決め切れないところもあるのですけれども、ただ、ここで議論されたこととしては、とにかく実効的に他省庁に対して働きかけができるような仕組みを作ってほしいということであったと思います。

それでは、まだ少しだけ残っておりまして、2つ目の論点、2号通報として保護の対象となる通報先の拡張についてということで、一元的窓口へ通報されたものについて、2号通報として保護の対象とすることの是非。誤って処分または勧告の権限のない行政機関へなされた通報についても、2号通報として保護の対象とすることの是非。行政機関があらかじめ定めた通報先への通報、これは第三者に窓口を設けるというようなことかと思いますが、ここへの通報についても2号通報として保護の対象とすることの是非といった論点ですけれども、これについて御意見いかがでしょうか。資料2で申しますと9ページ、10ページですし、資料1で言うと2の部分ですけれども、いかがでしょうか。それでは、林委員、お願いします。

○林委員 一元的窓口への通報についても、2号通報として保護すべきであると考えます。

誤って権限のない行政機関になされた通報ですけれども、これも当然2号通報に当たると考えていいのではないかと思いますし、今の法制度でも保護すべきではないかと思いますが、明文化したほうが保護されやすいので、明文化すべきであると思います。

行政機関が指定した者への通報ですけれども、これも事業者が指定した場合には通報の窓口になるということが規定されていますので、これについても現行法で何とか解釈したらいけそうな気がしますが、明文化して改正したほうがいいのではないかと考えます。

○山本座長 ありがとうございます。

そのほかにいかがでしょうか。それでは、浦郷委員、お願いします。

○浦郷委員 私もこれ3つとも保護の対象になるように規定すべきだと思います。特に3つ目の行政機関が指定したものというところは、市区町村において通報窓口の体制整備が遅れているということで、地域の実情に合わせて共通の窓口を設置して活用することも考えられますので、やはりここもきちんと保護の対象の通報先として規定すべきかなと思います。

○山本座長 ほかにいかがでしょうか。中村委員、お願いします。

○中村委員 方向性としてはそれほど違う意見ではないのですけれども、誤って権限のない行政機関になされた通報でありましたり、行政機関が指定した者への通報となったときに、そこできちんと秘密の保持を課していただいて、そこから漏えいして風評被害が起こらないような形の措置をとっていただいた上で、ここの対象に含めるという形にしていただきたいと思います。

以上です。

○山本座長 ありがとうございます。

そうですね。前回、守秘義務の問題をやりましたけれども、それをきっちりかけるということが前提である。

そのほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。これについては保護の対象に含めるというのが、この場の意見であったと思います。行政機関に対する申請等々に関しては、行政不服審査法上も、あるいは行政事件訴訟法上も、あるいは国家賠償法上も、もろもろの法令において大抵そこのところは対応がされているところです。つまり、誤って別のところに不服申し立てをしてしまったとか、あるいは別の行政主体、行政機関を被告にしてしまったといった場合にどうするかとか、国家賠償法上、賠償責任の主体が少し拡張されているとか、これは、行政組織は非常に複雑で、どこが賠償主体になるのかよく分からない場合があるということが1つの理由になっていますが、そういったことももろもろ考えますと、ここのところは当然措置をすべき話なのではないかと私も思いますし、ここでもそれで異論はなかったと思います。


≪3.閉会≫

○山本座長 それでは、よろしいでしょうか。ほかに何か全体でございますでしょうか。

それでは、以上をもちまして本日は閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)

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