第14回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2016年2月19日(金)9:29~12:13

場所

消費者委員会会議室

出席者

【委員】
古城座長、井手座長代理、古賀委員、白山委員、陶山委員、松村委員、矢野委員、山内委員
【消費者委員会担当委員】
蟹瀬委員、長田委員
【説明者】
日本生活協同組合連合会 総合運営本部 政策企画部 小熊部長
一般社団法人 海外電力調査会 大西主任研究員
【事務局】
消費者委員会 黒木事務局長、小野審議官、丸山参事官
消費者庁 福岡審議官

議事次第

  1. 開会
  2. 日本生活協同組合連合会からの「家庭用エネルギーの料金制度に関わる新たな政策制度研究会報告書」に関するヒアリング
    説明者:小熊 竹彦 日本生活協同組合連合会 総合運営本部 政策企画部 部長
  3. 海外での電力小売りに係る消費者取引に関するヒアリング
    説明者:大西 健一 一般社団法人 海外電力調査会 主任研究員
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官 それでは、定刻になりましたので、会議のほうを始めさせていただきたいと思います。

本日は皆様お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会第14回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

公共料金等専門調査会につきましては、第4次の委員会といたしましては本日が初めての会合となっております。

構成員につきましては、去る2月2日、それから、2月16日に、お手元に配付しております資料1のとおり、消費者委員会の河上委員長より指名をされております。座長につきましては同日、河上委員長から古城誠専門委員に務めていただくよう指名されております。どうぞよろしくお願いいたします。

なお、消費者委員会から担当委員としまして蟹瀬委員、長田委員がオブザーバー参加をされております。

本日は所用により、山内委員が若干遅れるということで連絡をいただいております。

それでは、議事に入ります前に配付資料の確認をさせていただいております。

ただいまお配りさせていただいております資料につきまして、配付資料を議事次第の下部に一覧を記しております。資料1~4、参考資料となっております。不足の資料がございましたら事務局へお申し出お願いいたします。

なお、本日の会議につきましては公開で行います。議事録につきましては後日公開することとさせていただいております。

それでは、古城座長、以後の議事進行をお願いします。

○古城座長 おはようございます。

公共料金等専門調査会の座長を務めることになりました古城です。どうぞよろしくお願いいたします。

第3次の公共料金等専門調査会では、平成26年4月の消費税率の引き上げに伴う公共料金等の改定についてや、NTT東西プライスキャップ制度の基準料金システムの見直しについて審議を行い、意見を提出いたしました。また、電力の小売料金全面自由化に向け、諸外国の現状と課題について有識者ヒアリングを実施いたしました。

今期は資料2にございます公共料金等専門調査会における「電力の小売料金全面自由化」に関する当面の課題に記載されているとおり、4月に電力の小売料金全面自由化が実施されます。これに関する議論を早急に深めていきたいと思います。

また、中期的な課題として、各電力会社の料金値上げに関して、値上げ後のフォローアップ。平成29年4月に予定されている消費税率10%への引き上げに伴う各種の公共料金の改定への対応などに引き続き取り組む必要があります。委員各位におかれましては前期同様、当専門調査会の円滑な運営、調査審議に御協力くださるようお願い申し上げます。

それから、座長代理につきましては、設置運営規程により座長が指名することになっております。去る2月4日に井手秀樹専門委員を指名したので、報告いたします。

それでは、専門調査会委員の皆様に自己紹介をお願いしたいと思います。

井手座長代理から順に自己紹介をお願いいたします。

○井手座長代理 慶應大学名誉教授の井手と申します。よろしくお願いいたします。

○古賀委員 NPO法人コンシューマーネット・ジャパンの古賀と申します。

○白山委員 公認会計士の白山でございます。よろしくお願いいたします。

○陶山委員 北九州市消団連から参加させていただいております陶山惠子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○松村委員 東京大学社会科学研究所の松村と申します。よろしくお願いいたします。

○矢野委員 東京消費者団体連絡センターの事務局長を務めておりました矢野と申します。よろしくお願いいたします。

○古城座長 山内委員は遅れているようなので、後ほど御挨拶をお願いしたいと思います。

ありがとうございました。

続いて、消費者委員会の蟹瀬委員、長田委員からお願いいたします。

○蟹瀬委員 昨年まで公共料金の担当をしておりまして、ことしから消費者委員会の委員をやっております蟹瀬と申します。よろしくお願いいたします。

○長田委員 消費者委員会委員の長田でございます。よろしくお願いいたします。

○古城座長 ありがとうございました。

本日は、消費者庁から福岡審議官に御出席いただいております。

○福岡審議官 消費者庁の福岡でございます。よろしくお願いいたします。


≪2.日本生活協同組合連合会からの「家庭用エネルギーの料金制度に関わる新たな政策制度研究会報告書」に関するヒアリング≫

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。

最初の議題は、日本生活協同組合連合会からの「家庭用エネルギーの料金制度に関わる新たな政策制度研究会報告書」に関するヒアリングです。

日本生活協同組合連合会総合運営本部政策企画部の小熊部長にお越しいただいております。

日本生活協同組合連合会は、消費者利益にかなうエネルギーシステム構築に向けた提言を行うために、生協総合研究所に委託し調査研究を実施され、平成27年5月に家庭用エネルギーの料金制度にかかわる新たな政策制度研究会を立ち上げ、今回報告書をまとめられました。この報告書について御説明をいただき、その後、意見交換を行いたいと思います。

それでは、小熊部長から説明をお願いいたします。30分程度でお願いします。

○日本生活協同組合連合会小熊部長 御紹介いただきました小熊でございます。よろしくお願いいたします。

今、御紹介いただきましたように、生協総合研究所でこの間、研究させていただいた中身と、それを踏まえて私ども日本生協連でどのようなところをポイントに今後考えていくかということについて、御報告をさせていただきたいと思います。

お話に入る前に、今回参加されている委員の皆様には、いろいろな面で大変お世話になっております。改めて感謝申し上げたいと思います。

生協は全国で2,000万人の組合員、いわゆる会員が参加している組織でございますけれども、電力の小売全面自由化については、非常に高い関心があります。その関心の特徴を3点ほど前段でお話したいと思います。

1つが、非常に関心が高いのですけれども、基本的なことが全くわからないという声が非常に多いというのが特徴でございます。これまで消費者は、電気はコンセントにつなげば自動的に来て、あとは料金を払うだけということで暮らしをしておりましたので、今回の電気を選択するという意味自体について御説明するのが非常に難しいというのが1つございます。

2つ目の特徴は、そこを理解した上で、では選択をするときに何を基準に選択をするのかということで、メニューを選ぶときにも大変混乱をしているのが現状でございます。実は私も自分の家でどうするかということで妻と今、相談しているのですけれども、『日経トレンディ』とか、こういうものが出ているのですが、これを見てもなかなか判断がつきませんし、ホームページを見てもなかなか判断がつかないというのが正直なところでございます。

3点目ですが、首都圏とほかの地方の情報格差が極めて大きいという現実があります。私は東京に住んでおりますので、テレビコマーシャルとか番組、新聞等で報道される機会が非常に多いので、目に触れる機会が多いのですが、例えば宮城県とか広島県にお住いの方に話を伺いますと、コマーシャルをやっているのは、ある通信系の会社が1社程度しか印象に残っていないという話で、そういう意味で選択肢が首都圏と地方でかなり大きな格差が生まれているということが、この間、非常に感じているところでございます。そのような状況を踏まえて御報告をさせていただきます。

資料はお手元に資料3-1と資料3-2、それから、研究会報告書それ自体を配付させていただいております。研究会報告書そのものについては後で御覧いただくということで、主要には資料3-1を使って御説明したいと思います。

1枚めくっていただいて、最初にポンチ絵が出てきております。「電力自由化」ってどういうこと?ということで、先ほど言いましたように全国の生協で非常に関心が高いものですから、まず基本的なことの説明をどのようにしているかということの御紹介をしています。

次のページが、これまでの電気の流れで、その次のページがこれからこのように変わるんですよというような、このような説明をしながら電気を選ぶということがどういうことなのかということについて説明をしているところでございます。

ただ、それは単に小売を自由化するだけではなくて、全体としての電力システム改革の大きな流れがあって、その中の16年というのは1つのポイント点に来ているのですよということを御説明しています。

家庭用エネルギーを選べる時代になったということなのですが、ただ受動的に待っているだけで本当にエネルギーの未来はバラ色かということについて、多くの疑問が出されます。ここに表を出しておりますけれども、今までプロパンガス、灯油、ガソリンは既に自由化をされていまして、今回この4月から電気、来年4月から都市ガスが自由化されるということになり、いわゆる家庭用エネルギーが全て自由化をされるわけですけれども、これが本当に消費者利益につながるものなのかどうかということについては、改めてきちんと検討する必要があると考えました。

そうした問題意識に基づきまして、先ほど御紹介がありましたとおり、昨年4月に生協総合研究所に家庭用エネルギーの料金制度に関わる新たな政策制度研究会を設置して、この間6回の研究会を開催して、研究をまとめてきたということでございます。本日、御出席の委員の方には直接御参加いただいたり、あるいはプレゼンテーションしていただいたりということで大変お世話になっております。どうもありがとうございます。

まず結論的なことから申し上げたいと思います。冊子の報告書では3ページ目の「はじめに」というところに掲載をしております。6回も研究会をしてわかったことはこれだけなのかと言われそうなのですけれども、基本的なことを改めて確認ができたということです。

1つは、制度改善の継続的な積み重ねが必要だということについて、改めて認識をした。いわば4月1日から一旦制度が始まるわけですけれども、制度が始まっただけですぐに公正で自由な競争市場ができるわけではなくて、さまざまな制度改善の積み重ねをしていかないと、単純に正解があるわけではないということが非常によくわかったというのが1点目です。

2点目には、そのためには消費者の立場から消費者利益を実現していくために、消費者自身がいろいろな意見反映ですとか参画をしていくことが極めて重要だということがわかったというのが大きな結論でございます。

具体的な中身については、全体の構成、1章、2章、3章としております。1章はエネルギーシステム改革とは何かということなのですが、とりわけ今回の研究会で重点で考えましたのは、既に先行して自由化を行っている諸国において、どのようなことが行われて、どういう変遷を経てきたのかということについて、可能な限り調べて、そこから教訓化できるものは何かということについて検討したということでございます。第2章のところは、それに基づいて私どもで今後改革に求められるものを挙げて、3章は生協の研究として委託をしているものですから、これは付属的な中身ですけれども、生協自身がどのような役割を果たすべきかということについてまとめました。全体の構成はそのようになっております。

とりわけEUのエネルギーシステム改革から何を学ぶのかということが非常に大きなポイントでございました。研究会の報告書の中にはイギリスとフランスとドイツの事例を御紹介させていただいておりますけれども、特にこの3つの国を比較検討した中では、イギリスでの経験が最も参考になったというのが正直なところでございます。ただ、残念ながら現地にまで行って調査をする余裕がなかったので、ぜひ消費者委員会で現地調査を含めて、現地のいろいろな組織ですとか団体がございますので、生の状況をつかんでいただいて、消費者利益のために役割を発揮していただけたらなというのが正直なところでございます。

1999年にイギリスは全面自由化をしておりますけれども、16年間、決して一本調子でよかったわけではなくて、さまざま紆余曲折をしてきたことが非常によくわかりました。その意味では、そこでの経験をきちんと踏まえることが非常に大事だと思っております。

報告書を御覧いただきたいのですが、43ページから英国におけるエネルギーシステムの監視機関ですとか、消費者関連組織の代表的なものについてピックアップをしております。現地に行く時間がなかったのでホームページ等を参照しながら、それぞれの団体がどういう役割を果たしているのかということについて、理解を深めてきました。

Ofgemは日本で言う電力取引監視等委員会に当たるものだと思いますけれども、行政機関としての規制当局。それから、Energy Ombudsmanという消費者紛争処理機関。Which?という消費者団体であるとともに比較サイトを運営している団体。Citizens advice、消費者保護機関、これは消費生活センターに近いかなという感じがしておりますけれども、それから生協というものがあるということで、とりわけ43ページにありますけれども、右側に「Ofgemについて」という自己紹介の中で、「私たちは機能を遂行する上で主な目的は、現在及び将来において電気やガスを使用する消費者の皆様の利益を守ることです」と明記をされております。

昨年9月に発足した電力取引監視等委員会でも、八田委員長が御挨拶で似たようなことを述べられていますけれども、より組織目的を明確に示すことが非常に大事なことではないかと思っております。

それ以外の団体の中身についてはお時間がありませんので割愛して、ぜひ後ほど御覧いただけたらと思います。

資料3-1に戻って、次のページに「実現したい7つの目的と2つの基本視点」ということで整理をしております。

7つの目的は消費者の立場から見たときに、今回の電力システム改革が消費者にとってはこうしたことが期待されるということで掲げている内容と御理解いただけたらと思います。料金の低下、安定供給、安全性、信頼性、サービスの質の向上、選択の自由、環境保全、それから、全ての消費者、地域でそれらの価値が享受できるというような項目を掲げております。それを踏まえて2つの視点から今回、報告書をまとめております。

1つが自由化の実効性がきちんと確保できることが非常に大切だという視点と、第2点は消費者の権利及び利益確保と参画が非常に大事だということで、この2つの視点から報告書をまとめております。

報告書の中身については5つの角度からまとめております。いわゆる電気の流れに沿って、1つが一番川下である小売のあり方。2番目は、一番川上である発電のほうのあり方。(3)がそれをつなぐネットワーク、送配電のあり方で、4番目は、それら全体を統括、監視する仕組みのあり方。最後に(5)として消費者の保護、苦情・紛争にかかわることについて整理をさせていただいております。

きょうは消費者委員会という場でございますので、特に消費者との接点にかかわる問題についての問題意識を中心に御説明をしたいと思います。

「あるべき姿1」ですけれども、信頼できる小売事業者が選べ、安心して契約できるということが何より大切というように考えています。この点で現時点で非常に心配しておりますのが、小売市場への新規事業者の活発な参入について、本当に確保できるのかどうかということです。先日、電力広域的運用推進機関が発表されたいわゆるスイッチング、電気のメニューや会社を切りかえた方の数の表が出ておりましたけれども、東北、北陸、中国、四国、沖縄についてはゼロ件というデータが出ております。まだスタート自体が4月1日ですので、決してこれがこのままいくということではないと思いますけれども、1つはこの点について懸念を持っているということがございます。

「あるべき姿2」ですけれども、適切な選択ができてエネルギーの節約にもつながるということで、情報開示の問題については、この間、経済産業省との間で電源構成の情報開示の義務化の問題についてやりとりをしていて、今、「望ましい行為」ということで一旦決着をしておりますけれども、これについては引き続き求めていきたいと思っております。

いわゆるエネルギー消費の合理化に資するような料金メニューがこれから出てきてほしいというものが、非常に大きな要望としてございます。

3点目、経過措置料金規制の問題。これは後で触れたいと思います。

「あるべき姿3」ですけれども、信頼でき、使い勝手のよい比較サイトなど、スイッチングを支援する仕組みがあるということで、欧米諸国の先行事例を見ても、比較サイトが非常に大きなスイッチングに役割を果たしていることがわかります。ただ、比較サイト自体が信頼性を置けるのかということについては、非常に大きな問題があると思っています。

実はある大手電力会社のホームページで、その会社に連携している会社という一覧表が出ているのですけれども、そこにある比較サイトを運営されている会社が連携先として載っていました。どういう連携をしているのかというのは気にはなるのですけれども、いわば特定の電気小売事業者と中立性を保つべき比較サイトの関係がきちんと独立してできないと、保険分野でも見られるように、比較をしていくと結果的にはある特定の会社に誘導されてしまうようなことが起きる危険性というのはあり得るということで、比較サイトについての信頼性を保証する仕組み、イギリスではガイドラインをつくっていますが、その辺が1つ、今後検討課題としてあると思っております。

それから、報告書には詳しく載っていないのですが、この間、私ども内部で大きな議論になっておりますのが、解約手数料の問題です。長期契約が非常にいろいろな形のメニューが出てきているのですが、実は解約手数料についての表示は非常に目立たないようにしかホームページには掲載されておらず、よく探さないとわからないぐらいの状態になっております。携帯電話で2年縛りの問題などいろいろ議論になっておりますけれども、こういった解約手数料が適正かどうかという問題もありますし、そのことをきちんと消費者にどう伝えるかということも研究会報告書には余り踏み込んで触れていませんけれども、今、問題意識として持っているところでございます。

エネルギーの製造、卸については、現時点でかなりきちんとした制度設計が行われていて、余り大きな問題意識は持っておりません。ただ、ネットワーク部門については、特に託送料金の問題が非常に大きな問題だと認識をしております。現状いろいろな電気料金の比較をしても、高額利用者といいますか、高い利用をしている方には大きくメリットが出る料金メニューになっていて、利用の低い方については余りメリットのある料金メニューが出てきていないのが現状です。その1つのネックは託送料金にあるのではないかと感じております。この辺は、いわばネットワーク部門の効率化を促進しながらどう引き下げを図っていくのかというのが課題ではないかと思っております。

次に、システム全体の統括と監視、改善の問題です。ここについては「あるべき姿2」において、電力取引監視等委員会について、組織目的に消費者利益の確保がきちんと位置づけられることが大事だと思っておりますし、消費者代表が参画していることも非常に大事だと思っております。特に委員会の委員が現在5名で構成をされておりまして、専門家で構成することになっていますので、消費者代表がその委員になるというのは現時点では無理があるかなと思っておりますけれども、現在の委員の担当分野で言うと経済、法律、会計という形の専門分野で5名いらっしゃるのですが、例えばイギリスのOfgemの資料を見ますと、報告書の44ページの一番上ですけれども、非常勤の役員は以下を含む幅広い分野の経験や専門知識を提供してくれますという中に、「産業」、「経済」の次に「消費者及び社会政策」ということで書かれております。そういう意味では消費者問題に精通した専門家が、こうした監視の場に委員として参画することは十分あり得るのではないかと思っております。

「あるべき姿3」ですが、これも極めて重要だと認識しておりますが、この監視等委員会と関連省庁である消費者庁、消費者委員会、公正取引委員会等々との役割分担と連携が適切に行われることが重要です。そうした意味で先日、監視等委員会と国民生活センターが提携をすることで発表されましたけれども、非常にそういった連携が大切ではないかと思っております。

同時に「あるべき姿4」に触れていますけれども、監視等委員会が現在五十数名の体制で、全員東京にいらっしゃるわけですが、先ほど言いましたように地方におけるいろいろな市場の動向の監視ということについては、きめ細かく見ていくためにどのような各地域の実情の把握の仕方があるのかということが、非常に大きな検討課題ではないかと思っております。

次に、消費者保護、苦情・紛争対応についてですけれども、「あるべき姿1」は「消費者保護機関、紛争処理機関が設置され、公正な役割を果たしている」ということを書いております。こここそ消費者委員会の専門分野だと思いますので、ぜひこの分野で役割を発揮していただけたらと期待しております。

次のページでは、それらを踏まえて重点的に行政にこういう点について検討いただきたいということで7点まとめておりますので、御覧いただけたらと思います。

実は総合研究所の研究報告を踏まえて、日本生協連の理事会としてどういったことを政策制度として求めるかということを検討させていただきまして、別紙3-2ですけれども、これは日本生協連側での政策制度要求の整理でございます。先ほどと重複をしている部分は省略したいと思いますが、1点だけ、(3)のところですけれども、今年の4月1日から電力・ガス取引監視等委員会になりますが、今のところ電力と都市ガスを対象ということなのですけれども、後ほど少し御紹介したいと思いますが、消費者にとっては生活必需性で言うと同じガスという意味ではLPガスの問題、また、灯油の問題等あって、これらをトータルで監視をしていくという仕組みを検討する必要があるのではないかと認識をしております。

あとは先ほど言いましたように(5)のスイッチングの促進を図っていくこと、逆に言うとスイッチングを阻害する要因についても含めて研究、検討が必要ではないかと思っております。

3-2の2ページ目のところですけれども、(8)ですが、競争状態が確認されるまで経過措置料金を維持することを要求しています。電力については2020年3月まで経過措置料金を維持するというのが基本的方向として出されておりますので、その部分については消費者は安心していけるかと思いますけれども、むしろそれを解除するときのあり方についてどう考えるのかというのは、少し先になりますけれども、検討課題と思っております。

(11)のネットワーク部門の法的分離については、ぜひ確実に進めていただきたいと思っております。

3ページ目、きょうは電力ということなので、参考資料ということで見ていただければと思いますけれども、都市ガス、LPガスについてもこのような要望を出しています。きょう山内委員がいらっしゃる前で大変恐縮なのですが、ガスシステム改革につきましても、特に、経過措置料金のあり方についてはぜひ慎重な御検討をお願いできたらと思っているところでございます。

また、反面教師として非常にわかりやすい市場がございまして、LPガス市場というものがございます。これは昔から完全自由化をされているわけですけれども、これだけ原油が安くなっていても、灯油やガソリンは大きく下がっていますが、家庭用のLPガス料金だけ下がっていないということで、消費者としては、今後都市ガス市場がLPガス市場のようになる危険性がないのかというのを非常に懸念をしています。本日の主要なことではないのですが、反面教師として少し御紹介をさせていただきました。

次のページのグラフを御覧いただければわかりますけれども、家庭用LPガス料金は著しい下方硬直性を示しておりまして、卸売価格、輸入価格が1,300円ぐらい下がっているにもかかわらず、小売価格が300円しか下がっていません。小売の粗利益率71%となっており、従来でも6割ぐらいできわめて高いと言われていたのですけれども、さらに大きくなっています。制度上は自由な市場と言われているわけですが、どうしてこういうことが起こるのかということを考えていただきたいと思います。自由化すればすべてよくなるということではないという例として考えていく必要があるかなと思っております。

次に、先ほど申し上げましたとおり本当に地方において競争が起こるのかということについてです。いわゆる東京電力管内では3万3,000件がスイッチングしておりますし、関西電力管内では2万件がスイッチングしておりますけれども、5つの電力会社の管内はゼロ、それから、北海道電力でも400、中部電力であっても100件未満ということで、こういったスイッチングにおける地方間格差の問題について考えていくことが非常に重要ではないかと思っております。

次のページ以降は消費者に対して私ども生協が電力自由化についてどのように御紹介し、どこをポイントに説明しているかという資料でございます。消費者の選択は一方で選ぶ責任もあるということもこの間、強調しておりますし、次のページにありますように、何を基準に選ぶのかということについても、当然料金は非常に大きなウエートを占めるのは事実ですけれども、会社ですとか契約、発電の方法などについても、きちんと情報を得て判断材料にすることは大事ですというお話をしております。

次のページのところは、そうした私たちの選択が結果として電力のあり方についても影響を与えるということを示しているものでございます。

電源構成の表示問題等についての要望があるので少しつけ加えていますし、消費者としての注意点ということで、きちんと契約について見ていく。先ほど言いましたように中途解約の問題については非常に重要な問題だと認識しております。じっくり判断するということ、それから、省エネも考えましょうということを呼びかけております。

次のページに、よくあるQ&Aということで、私どもで学習会をするとよく出る質問を並べております。まずここから理解を広げていくというのが、現在の日本の消費者の段階だということを御理解いただけたらと思います。

その次のページに、ぜひ皆さんでこのようなことをやっていきましょうということで、いろいろなメニュー調べですとか、領収書を調べたりとか、スマートメーターが設置されますので、どう活用するかということについてもいろいろ呼びかけているということでございます。

ということで一番最後のページですけれども、私たち消費者の行動や選択が未来をつくっていくということなので、みんなで考えながら選択をしていきましょうということで現在進めています。このことを御紹介させていただきまして、報告を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○古城座長 ありがとうございました。

御説明いただいた内容について御質問、御意見のある方は御発言をお願いいたします。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 御説明ありがとうございました。

日生協さんでこのように簡潔にまとめていただいて、本当にありがとうございます。

いただいた資料で、最初に7つの目的と2つの基本視点というところがあるのですけれども、全くこのとおりだと思います。電力システム改革が始まった後で、消費者保護の視点からこのような視点が非常に重要だと思っていますけれども、このような受け身の姿勢ではなくて、あと2つぐらい目的があったように思いました。1つは消費者としては原子力に頼らないエネルギーが欲しいということで、再生エネルギーの促進と再生エネルギーの増加、そして、消費者が電力を選択できるようにすること。これをかなり重点的な市民運動としてやってきました。

もう一つは、節電ということが非常に重要だということで、今回、小売電力が自由化されていろいろなメニューも選択できるようになるわけですけれども、その前提として、消費者がエネルギーをどのように将来に向けて考えて、持続可能なエネルギーの体制をいろいろな方法で消費者がみずからつくり、みずから供給するところまで踏み込んでいろいろな取り組みが進んでいると思います。そうした消費者側の意識改革を受けとめながら、制度改革が大方かたまってきている今、さまざまな消費者にとっての多様な取り組みをうけたなかで消費者不利益の回避のためにどうすべきかを消費者委員会として考えるべきであると私は考えております。

その視点から、政策提言についてしていただいていることについて御質問をさせていただいてもよろしいでしょうか。

政策提言中、別紙の5番と6番のところなのですけれども、「消費者への広報活動の強化、スイッチング促進」とあるのですけれども、まさに正確な情報提供がないと消費者は選べないわけです。
こうしたものについて諸外国の例など御紹介していただき、資料も提出していただいているのですけれども、何々チェンジとかスイッチングの情報などのサイトに対するある程度の規制のためのガイドラインというものが必要と考えていらっしゃいますでしょうか。

それから、「小売電気事業者に電源構成の情報開示を義務づけること」というのは、エネ庁では「望ましい行為」としての努力義務ということになったわけですが、私たちは望ましい行為ではなくて義務にしてほしいということを日生協の方や消費者団体とともにずっと要望し続けてきたわけですけれども、この電源構成の情報開示を義務づけることということを今後も消費者として取り組んでいただけるかということと、一方では不当な表示も監視していかなければいけないと思うので、いたずらにグリーンをうたったりしていることもこれから先問題になってくると思うので、そういったところについての表示の監視を消費者委員会ですることへの要望もお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

以上、2点についてお伺いします。

○日本生活協同組合連合会小熊部長 ありがとうございます。

実は今回、生協総研に委託をした研究自体は、1つの枠組みを持って研究をしておりまして、日本生協連全体では「エネルギー政策の転換をめざして」という大きな意味でのエネルギー政策を別に持っていて、その中で例えば今後に向けて原子力に頼らないエネルギー政策への転換の必要性とか、省エネルギーの推進とか、再生可能エネルギーの普及ということを項目として挙げております。その1つに電力システム改革の推進を挙げていまして、今回の研究会は、その電力システム改革にかかわる部分について調査研究をいただいて、とりわけ消費者利益の部分で検討してほしいというお願いの仕方をしているので、先ほど言った原子力発電の問題とか、再生可能エネルギーについては、そもそも研究対象としていないということについて、前段で御理解をいただきたいと思います。ただ、そうは言いましても7つの目的の6番目に「現在及び将来にわたり環境が保全されること」ということを掲げていますから、その中に、そうした意味合いも大きな意味では含めているということで御理解をいただけたらと思っております。

その上で御質問の点についてですが、広報活動のあり方に関する規制のあり方というのは正直言って難しいと思います。イギリスの経験でも、政府自体が「エネルギーを選んで買う人になろう」というキャンペーンを展開されたりという面もあるが、広報活動を自由にして活発にいろいろな形で創意工夫をして事業者が行うこと自体はいいことではないかと思うのですけれども、問題はそれが非常に優良誤認を与えるとか、不当な表示になってしまうことになることも一方であり得るわけで、そのバランスの中で考えていくしかないのかなと思っています。

そういう意味で、先ほども制度改革の積み上げが必要だということを申し上げたのですけれども、一つ一つ検証していきながら、これは妥当と考えるかどうかということについて検討していくことが大事かなと思っております。

それから、電源構成の情報開示のことについては、こちらに掲げていますように引き続きぜひ義務づけをしてほしいというように要望を続けていく予定でございます。資料3-2の脚注にも入れましたけれども、私の知っている範囲では、世界の中で電力の自由化をした国、地域において電源構成の情報開示を義務づけていない国、地域はない。そういう意味では日本が電源構成の情報開示を義務づけていない初めての国になると思っておりまして、そういう意味では何でも世界標準にすればいいということではありませんけれども、少なくとも消費者の選択の保証の1つの情報のリソースとしてきちんと提供していくことが非常に重要だと認識しております。私どもが行った消費者アンケートでも9割の消費者が、ぜひ義務づけてほしいという回答をしておりますので、そういう意味では引き続き要望をしていきたいと思います。

ただ、一旦「望ましい行為」ということでスタートすることになりましたので、むしろ義務づけを求めていきつつも、現実に事業者がどのような形で情報開示をこれからしていくのか。「望ましい行為」というのがどの程度されるのか。それから、多分それを消費者が比較できるような条件をつくっていかなければいけないと思いますので、それについては行政がやるという考え方もあると思いますけれども、消費者団体がきちんと情報を集めて、消費者が比較できるようにしていくという工夫をみずから努力してやっていくことも重要ではないかと認識しております。

以上です。

○古城座長 ほかいかがでしょうか。

丸山参事官、どうぞ。

○丸山参事官 古賀委員から、消費者委員会で表示の部分について監視をというお話がありましたけれども、なかなか消費者委員会については個別の違反事例について取り締まりを行うような機関ではないということもありますので、まずは電力取引監視等委員会、それから、一般的な事案については消費者庁で景表法に基づく優良誤認の取り締まりがございますので、まずはそちらのほうをということではないかと考えております。

○古城座長 ほかいかがでしょうか。蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 引き続いて、今の電源構成についてなのですが、何を基準に選びますかというところに4つ、料金、会社、契約、発電と書いてありますね。ということは情報がないとここを基準に選べないということになるかと思います。例えば自由化されたものはたくさんあって、私たちは食品も、化粧品も、薬品も、全てにおいてその中の成分について、何が入っているかを書かなければいけない義務があります。

今度、電力ということになって自由化されることになれば、その買う、選ぶ基準として、どういったものでこの電気がつくられているのかという構成を知る権利があると思いますので、逆に言えば消費者がこの食べ物に何が入っているか知らしめなければいけませんと言われて、消費者に知らしめていくという私たちの対策というか国の方向性があるのですが、そういったときに、やはりそこをきちんと要求していって、販売をする会社に対してこのような義務がありますよと言っていくことによって開示をされていくことがあるかもしれません。

いろいろな電力の問題がある中で、今、自由化されているものを考えて、それに沿って子会社に要求をしていくというようなやり方で、消費者がより選びやすい形をつくっていくことは考えてはいただけないでしょうか。

○日本生活協同組合連合会小熊部長 ありがとうございます。ぜひそういうことをやっていきたいと思っております。

ただ、この議論は私どものほうからはぜひそのようにしてほしいとずっと要望している立場なのですが、反論としては「食品の成分表示とは違う。電気の成分は同じである。発電源というのはいわばつくったもとが違うだけであって、物自体は同じなのだから」という反論をいつもいただいております。しかし、私どもからすると単に商品の中身ということだけではなくて、エシカル消費の議論が最近活発ですけれども、そもそもその商品がどのようなプロセスを経てつくられてきたのかということまで、消費者はいろいろな目を持ってこれから商品の選択にあたっての1つの情報にしていくという時代に入ってきているのであるから、ぜひそういうことを消費者が求めている時代に来たということについて、経済産業省含め関係するところで御理解いただきたいということでこの間ずっとやりとりをしております。

それから、先ほど言いましたように比較できるようにしたいと思っておりますので、そういう意味では事業者に対しておたくはどこでどういう形で公開されていますか、その中身はどうですかということについて、いろいろな聞き取りなどをしていきたいと思っています。ただ、実は非常にその際にも1つネックだなと思っておりますのが、「望ましい行為」の場合は情報開示をした事業者が損をしてしまう可能性がある。情報を開示してしまうことで逆に非常に悪いというように誤解されてしまうと思われることがあり得るということです。具体的な例で申し上げますと、例えば再生可能エネルギーの比率ですが、現在、日本全体でいえば大型水力を除けば3~4%ぐらいなわけです。ある再生エネルギーに熱心な電力会社が10%の再生エネルギーの比率だということで公表したとしても、社会的に消費者から見れば、じゃあ9割は火力発電なのか、あまり再生可能エネルギーに熱心ではないと見られてしまうわけです。そうすると全部がきちんと開示されていて相対的に比較ができないと、ある出したところだけが、実は3割やっていれば私は再生可能エネルギー比率のきわめて高い会社だと思うのですけれども、一般の消費者から見れば3割しかやっていない会社なのですかという社会的な評価に、その会社だけしか開示されなければなってしまうということになりかねないわけです。やはり全体についてきちんと開示を義務づけて、それらについて相対比較ができるような条件をつくっていくことが大事ではないかと思っております。

以上です。

○古城座長 古賀さん、関連してですか。

○古賀委員 重ねてで申しわけないのですけれども、おっしゃったとおりだと思うのですが、これは事務局に言う話かもしれないですけれども、私たちが電気を選ぶ場合に差別化するポイントとしては、価格やサービスだけ(今そういう方向に全体的に流れているわけなのですけれども)ではなく、環境性とか表示の持つ意味というものについて正確に監視し信頼を担保するにはどうすればよいかということを調査会でも考えていくべきだと思います。そういった意味では電気料金の内訳の表示なども非常に重要な問題で、私たちはフィットによる賦課金については非常に痛税感があるのですけれども、一方で電源開発促進税などは表示されていないという不公平な問題もありますので、そういうことも含めて全体の消費者の立場から見て、「環境性も重視した視点」を含めた表示の問題を、消費者委員会としてのガイドライン等としてつくるということをここでもう一度お願いしたいと思います。

○古城座長 陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 大変整理された内容での御報告、本当にありがとうございました。

御報告の中で何度も触れられました、首都圏と地方の格差という点についてと、もう一つ、比較サイトについて2つ少しお話を聞かせていただきたいと思います。

私も自己紹介しましたように、北九州からこちらに参加させていただいておりますので、そのことをつくづく感じている次第です。

政策制度要求の中に(4)で消費者被害発生の防止のための消費者保護、紛争処理体制の強化というものがございますが、今後予測もしないようなことも含めて発生する。それが東京で把握していらっしゃることと随分違うような内容も含めて発生するのだろうなと思います。そのときに電力取引監視等委員会の関係と、地域のそれこそ現場、主婦が何かあったときにどこに相談をしに行くのということも含めて、今後充実させていかなければならないのだろうと思いますが、この制度要求の中に掲げてありますさまざまな体制強化ということでは、もう少し具体的にどのようなことを御検討になっておられるか。あればもう少し仕組みとして御説明いただきたいということです。

もう一つ、比較サイトの重要性については、この委員会の中でもたびたび話題になってまいりました。きょう小熊さんの話で、研究会でまとめられた生協の果たすべき役割としては、比較サイトの育成とか相談窓口の紹介という形で、比較サイトと少し距離を置いた感じでまとめられているのですが、今、調査会の中でお話になった小熊さんのお話だと、消費者組織自体が比較サイトにかかわっていく必要もあるのではないかというニュアンスでお話になりましたので、今後、日生協初め、比較サイト自体を運営するというようなことも想定しておられるのかどうか、少し伺いたいと思います。

○日本生活協同組合連合会小熊部長 ありがとうございます。

まず第1点目の首都圏と地方との格差の問題なのですが、別紙3-2の1ページ目の裏の(10)のところにその問題意識を反映させております。先ほど言いましたように、東京に電力取引監視等委員会は現在五十数名しかいないと伺っておりますけれども、この体制では当然各地方の紛争案件に対応することは多分全く無理というのが現状だと思います。

1つは先ほど言いましたように、消費生活センターとか国民生活センターとの連携を(9)で協調しているのですけれども、もう一方で地方における体制としては、現状で言うと各地方にある経済産業局、それから、地方自治体がどう役割を果たせるのかということが非常に重要だと認識しております。実践的にはそことの連携関係をどうつくっていくのかというのが1つの課題ではないかと思います。

電気料金の値上げの時には公聴会みたいな仕組みもあったわけですけれども、例えばということで、消費者、事業者、行政一堂に会する意見交換の場を地方ごとで定期的に持つということで、そこで各地方の実情の把握とか改善のための体制づくりということが、具体的には最も現実的に、今すぐやれそうなこととしてはあるのではないかと思っております。

もう一点の比較サイトの件なのですが、大変鋭い御質問で、非常に慎重な書きぶりをしております。なぜかといいますと、生協自身が電力事業者として参入することがありうるからです。既に今年4月1日から参入する生協があります。そうすると先ほど言いましたように比較サイトと事業者の関係が深いこと自体が、比較サイトの信頼性、公正性に影響を及ぼす危険性もあるということを一方で認識しておりますので、そういう意味では同じ生協が事業もやって比較サイトもやるという運営の仕方は、正しくないと思っています。事業をやっているのであれば、その事業で徹底してその地域の消費者のために役立った取り組みをするというのが1つの役割としてあって、もう一方でいろいろな地域の団体と一緒になった消費者団体の枠組みの中で、公正な比較サイトをシステム会社ときちんと連携してつくっていくとかいうふうにしていくことが必要だと認識しています。したがって、生協の役割のところについて少し距離感のある書き方をしている背景には、そういう理由があるということで御理解いただけたらと思います。

○古城座長 ありがとうございます。

松村委員、お願いします。

○松村委員 まず監視等委員会に関して消費者問題に詳しい人材が要る。しかし人数の問題もあって難しい。合理的な要求だと思います。実際に人数の問題で難しいので、だから例えば実質的な詳細なルールを決める専門委員会などにそういう人が入って欲しいという要求はあり得ると思います。ただ、その場合にここに書かれていることは正しいと思うのですが、それは消費者として、利益代表として入るのか、消費者問題に詳しい中立的な専門家として入るのかということは、大きな違いがあると思います。

利益代表として入るということだとすると、では事業者の利益代表も、あるいは大口の消費者の利益代表、あるいは大口の消費者と言ってもいろいろなタイプがいるから、そういうことを言ったら収拾がつかなくなるし、そもそも利益代表のような人が入らないほうがいいのではないかという考え方も十分あり得ると思う。この点はここに書かれているとおり、消費者問題に非常に詳しい中立的な人という要求以上のことは、今後も出てこないことを願っています。

その点では、いろいろな審議会で消費者の代表と称して出てきている人たちが、仮にガスの審議会などで、日本全体としては効率性が増すが、その利益は第一義的には大口の消費者に帰属する。小口の消費者には間接的にしか波及しない。でも日本全体にとってはとてもいいこと。このような改革案には物すごく消極的な発言を繰り返して、一方で日本全体として本当に効率性改善に資するかどうか怪しいけれども、家庭用の消費者の利益にはとりあえずなりそうなことについては物すごく強く主張する委員が出てくれば、それは消費者問題に詳しい専門家が出てきていると幾ら言ったって結局利益代表と理解されることになる。そういう発言を繰り返せば、当然そのような要求の信ぴょう性というか信頼性が落ちることになり、長期的に消費者の利益にならないと思うので、もし生協が消費者代表としてそのようなところに委員を送り込むことになったときには、そのような誤認を招かないように十分自覚して、それから、この委員会に関連する方々がそのような形で委員として出るときにも、十分自覚した上で発言することも促していただきたい。質問ではなく意見です。

次に、省エネのことが議論されて、恐らく3段階料金が念頭にあると思うのですが、これに関しては議論の余地があると思います。2段階の消費にとどまっている世帯は、3段階目までいかないのは省エネがとても進んでいて消費量が少ないという可能性もあるとは思いますが、一方で世帯の構成員が少ないからそこにとどまっているということだってあり得る。3段階料金のところまで行っている世帯は、省エネが足りないからそんなに消費しているという側面がないとは言わないけれども、世帯の構成人数が多いから必然的にそうなっているという側面も大きい。というよりも、そちらのほうが強いと思います。そのときに世帯の構成員が3人家族、4人家族の世帯には強い省エネのインセンティブを与えるのが正しいけれども、単身赴任世帯には強いインセンティブを与えなくてもいい。単身者の省エネなんてどうでもいいのですという料金体系は、本当に省エネの観点からいいのですか、ということまで考えていただきたい。託送料金のようなものを3段階にしたらどうかとかいうことはいろいろなところから聞こえてきて、多分そのようなつもりで書かれていたのだろうと思うのですけれども、それについては本当に合理的な要求なのかどうかは、きちんと考えていただきたい。

多くの合理的な要求があっても、そういうわけがわからない要求が幾つかまじっていると、全体の信ぴょう性を損ねることも十分あり得ることは、ぜひ認識していただきたい。

表示のことについては、先ほどお答えになったとおりだと思いますが、少なくとも食品表示のアナロジーでこれもやれというようなことが普通に議論をして通用するはずがない。消費者の権利などというもので通用するはずはないということは御認識のとおりだと思います。先ほど9割の消費者が関心があるということをおっしゃった。消費者にとってはとても重要だということを相当強調するということは、逆に言えば望ましい行為として位置づけられて大半の事業者が情報を開示しているにもかかわらず、実際の消費者の選択が、ほとんどポイントがたくさんあるとか、価格がちょっとだけ安いとかいうものに偏って、どう考えても環境特性だとか、電源構成に対して他の文脈で生協が主張している結果と、実際の消費者の選択が大きく食い違うことになったとすると、それはどちらかが誤りだったと判断されても仕方がない。消費者はこの点に物すごく関心があるということなのか、あるいは消費者は環境あるいは原子力、石炭にすごく関心があるという主張が間違いだったのかということになるということですので、この点はきちんと自覚して、9割の人が関心があると言い切った以上、消費者がちゃんとそれに関心を持って、実際に開示された情報に基づいて選択し、なおかつ、それでも望ましい行為としても位置づけられたのにもかかわらず、情報を開示しないなどというのは消費者の当然の権利として選択しないということも可能だと思いますから、そういう行動が促せるように、ある種の啓発行動に対しても責任を持ってきちんとやっていただきたい。

以上です。

○日本生活協同組合連合会小熊部長 ありがとうございます。

基本的には、ぜひよく考えてきちんと立場を踏まえて対応してほしいという御意見ということだと思いますので、松村委員が今おっしゃった点については重々理解しながらこの間もやってきているつもりです。それは理解しているということを前提に少しだけコメントします。1点目についての御指摘はおっしゃるとおりで、私どものいろいろな消費者の主張というのも社会的な合意形成の枠組みの中で説得性を持たなければ、いわゆる利益代表としての要求だけでは、それは業界団体がそう言っているのと同じ水準のような言い方をしてしまえば、それは通らないというのは当然のことだと思います。そこは重々踏まえながら意見はしていきたいと思いますが、ただ、立っているポジション自体は、いわゆる消費者の目線から物事を見ていくということは、私どもの1つの役割であると思いますので、消費者のエゴイスティックな要求ということではなくて、消費者の目線に立ったときに何が社会的な要請として一番大切なのかということについて、それに資するような意見をぜひ出していきたいと思っています。

2つ目の3段階料金の要求については、今回出している要望の中には託送料金についてネットワーク部門の効率化を促進して料金を引き下げることという提言にとどめていますので、今回の研究会報告書自体の中にはそのような要望は出しておりません。議論があるのはありますけれども、一応そのような中身ということでございます。

3点目については、発破をかけられたと私どもは受けとめているのですけれども、同時に一方では、アンケート調査と実際の購買行動が違うというのは私どもは商品で事業もやっていますので、よくあることだというのも認識しております。その時に白か黒かみたいな議論の仕方ではなくて、おっしゃるとおり現実にどのような形で購買行動が変化しているのかということをきちんと踏まえながら、ではそのことが起きている原因は何なのか。それは消費者に対してきちんと情報開示がされていないからそういう事態が起きているのか、あるいは先ほど言いましたように形式的には開示をされているのだけれども、ばらばらに存在をしていて消費者が比較できないという状況にあり、条件が整備されていないからそのようなことが起きているのか、あるいは消費者自身がアンケートではそう答えたけれども、本音ではそう思っていないということなのか、ということも含めて、きちんと分析をしながら実践をしていくことが非常に大事だということは認識をしつつ、進めていきたいと思っております。

○古城座長 松村委員、どうぞ。

○松村委員 誤解があるとけないので一言申し上げます。生協が消費者の立場に立って、組合員の立場に立って発言するのは間違っているとは少しも思いません。生協も含めて委員会の委員として出てきたときに、利害代表として発言するのか、あるいは問題に詳しい中立的な委員として発言するのか、そういうことを言っただけですので、普段の活動や発言について言ったのではありません。

それから、アンケートと購買行動が違うというのは確かに全くそのとおりなのですが、しかし、一方でアンケートの結果がまさに真実であるかのごとく発言する人はいっぱいいるわけです。今回でも90%の人が言っているということは、事実を言ったわけではなくて、アンケートの結果を使って言っているわけですから、アンケートの結果を使って強い主張をする以上は、それは違うということがわかっているというのは後出しじゃんけんのように言うのは、ちょっと不誠実というか、長期的に発言の信頼を損なう言い訳という気がします。

以上です。

○古城座長 白山委員、どうぞ。

○白山委員 非常に有用な研究ありがとうございました。

消費者の方々の適正な選択という意味で、有用な意思決定に必要な情報は何かという観点からいろいろ考えてみたのですけれども、先ほど来、議論がありますように有用な意思決定をする場合には情報の信頼性ということと、意思決定される目的に対する目的の適合性という問題があるわけですが、情報の信頼性を確保する要件として先ほど来、議論になっております情報の中立性という問題と、情報が適正に表示されるという意味での適正性や事実の忠実な表示ということと、その情報を使った検証の可能性という3つの要素があると思っています。

先ほど来、議論になっております比較サイトというのは、意思決定のためには非常に重要な情報の1つと考えておりまして、比較サイトを情報の開示レベルの問題として、その開示レベルの内容について、どの水準まで統一的なガイドライン的なものの設定などを想定して検討していくかというのは大前提になるような気がいたします。情報を開示した人が損をするというのでは全く意味がないので、そこら辺は何らかの統一的なガイドライン的なものが、どうしても必要になってくるのかなという感じがいたします。

それと比較サイトの問題で、私は実は中立性ということで生協さんに非常に期待をしていたのですが、先ほどのお話をお聞きしまして、少々ガクッっときてしまったところがあるのですが、イギリスの調査でも「Which?」という消費者団体、ここが恐らく私の想定に該当するようなものではないかと思うのですが、ある意味で中立的に運営された団体が出す情報が重要だと思っておりまして、この運営を例えば民間の会社がやるのもいいのですけれども、先ほど来ございました電力会社への誘導みたいな問題がどうしても出てきてしまうので、そこら辺をどう整理するかということが課題だと思います。

少し御質問なのですが、生協さんで確かにこの事業に参入するからというものがあるのですが、例えば、私もよく勉強不足でわからないのですが、報告書の55ページに「Which?」の消費者団体のところで、私たちの資金源はという記載のところで、「エネルギー供給業者を切りかえられる際、定額の手数料をいただきます」というものがあり、「私たちのサイト運営費をカバーし、全ての消費者のためにキャンペーンを行うのに使われます」というような形になっております。ここから推察するに、中立性を確保するために運営形態を何らかの形で分離するとか、あるいは資金源を区分経理するとかなどによって中立性を確保するという手段もあるのではないかという気がいたしまして、この辺、何か今後の想定される仕組み、比較サイトの運営的な面で、実際に電力の小売事業に参入していくことが、即、中立性が損なわれるというようにならずに、一定の仕組みのようなものを諸外国の事例も含めて今後研究されていくとか、何かそういった方向性が、もしおありになるかなど、なかなか言いにくいところだと思いますが、御質問させていただければと思います。

○日本生活協同組合連合会小熊部長 ありがとうございます。

研究会の報告書の範囲では、そのことについて結論めいたことは出しておりません。ただ、現時点でこれだけ状況が進んできている中で、先ほど言いましたように自分の家庭でぜひやっていただきたいのですけれども、本当にどこを選んでよいのか、わからないのです。ある雑誌に書いてあることと、東京電力のホームページでシミュレーションしたものと、ソフトバンクでんきでシミュレーションしたものと、東京ガスでシミュレーションしたものとで、結果が全部違うわけです。自分の設定の仕方が悪いのかなと思っていろいろやったりするのですけれども、どちらが本当でどうなのかというのがなかなかわからないという現実があるわけです。そういう意味で消費者の多くが選択しようと思った時に戸惑っている現実があるということを踏まえると、今、松村委員がおっしゃるような比較サイトの公正性は、これから非常に重要なポイントになってくると思います。

もう一つ大切なことは、現在、イギリスでも行われている比較サイトは、単に比較をするための情報源というだけではなくて、それを通じてスイッチングができるわけです。切りかえができるというところにみそがあって、そこからアクセスしていくと切りかえができるようになっていて、スイッチングをした時に比較サイトを運営している会社は、スイッチングをした会社から手数料をいただいて、それを運営費にしているという仕組み、仕掛けでやっているということなのです。スイッチングの量が一定量かなりあって、そのことについて社会的な理解と合意ができている状態ができれば、1つの形態としてイギリス型というのはあると思います。

もう一つのやり方として、行政が比較サイトをやってしまうというやり方も、もちろんあると思います。その際、公正性、信頼性はかなり高いかもしれませんけれども、非常にややこしい問題が多分行政の仕組みとしては問題が発生する危険性があって、簡単にできるのかなという問題があるかなと思います。

生協自身としてやる場合であっても、当然先ほど言いましたように生協の事業体としてこの電力事業はやっているということと、スイッチングについて比較サイトをつくっているということを完全に何らかの形で分離をして、そのことについては全部公開をして社会的な御理解を得られることができる条件ができてくるのであれば、私どもがやることは大事な意味があるのではないかと思っています。ただ、まだそでの段階まで研究がまだいっていないので、そういう意味ではこのイギリスのやり方などを含めて勉強が必要かなと思っております。

○古城座長 陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 今、白山委員から話がありましたけれども、私もどちらかと言えばこの研究会の報告書は隔靴掻痒というか、もう少し踏み込んで書かれるのを多くの消費者は期待していたのかなと思いまして、お聞きしました。

最終的にどの比較サイトに中立性があって、公平で、そこを信じるに値するかというのは選ぶ側、消費者が判断するということになってこようかと思います。その点ではこれまでのさまざまな積み重ねの中で消費者の側に立っていて、消費者利益を追求しているというところでは、一歩生協陣営は進んでおられるかなと思いましたので、イギリスの制度等も含めてぜひさらに信頼のおける制度はどうあるべきかということについても御研究いただければと思います。

先ほど松村委員からの御意見もありましたけれども、さまざまな制度が変わるときに、いろいろな立場から当然評価もし、意見も出し、それについて反映していくことになろうかと思いますが、そのときに常に立ち返るべきところを持ちながら、それぞれの立場から社会づくりを進めていく必要があるのかなと思っております。

今回の電力システム改革については、当初目的にしたこのシステム改革によって何を得ようとするのか。何をもってこの社会を成長させていこうとしているのかということに事業者側だけでなく、消費者側だけでなく、常にそこをぶれずに立ち返ることが必要かなと思います。その中でこの中にも書かれていますが、改善をしていくPDCAで回していきましょうというのが現状としては非常に私も賛同するところではあります。そこのぶれないものを、私たちも常に忘れないようにしていくところが、消費者委員会なり消費者庁の役割ではないかと思いますので、きょうは非常に参考になったなと思います。ありがとうございます。

○古城座長 井手座長代理、どうぞ。

○井手座長代理 3つ、質問とコメントをしたいと思います。

1つ目は、実現したい7つの目的というところで料金の低廉化とか、サービスの質とかいろいろありますけれども、よく言われるように300kWhとか200kWhの人は恩恵をこうむるけれども、少量需要家あるいはひとり住まいといった人たちは、今回の電気の小売自由化にとってどのようなメリットがあると生協の方は考えていらっしゃるのか。それをどのように評価しているかというところを1つ伺いたい。

2つ目は、資料3-2でスイッチングを促進することで、スイッチングが望ましいということですけれども、基本的にスイッチングさせるためには、今まで指摘されたようにウエブ上であるとか、あるいは訪問販売で、イギリス等で訪問販売というのはいろいろなトラブルがあったという事例もありますけれども、ウエブ上でもなかなか正確な比較というのはできないです。ポイントであったり、ガスとの併給であったり、電鉄会社の何とかというようないろいろなものと提携していますから、単純に電気だけの比較だけではできないので、これは消費者のライフスタイルに合った形で自分の合ったサイトで選択してもらう。全く正確なものは多分できないと思う。

ここでスイッチングを促進するというときに、忘れてはならないのは2020年までは規制料金というものが残る予定になっていますから、規制料金をいかに安くするかというところも大事だと思います。電力会社の料金メニューは全部自由化のほうにシフトさせるような形で、例えばオール電化についても全部シフトさせていくような感じを受けるのですけれども、やはりスイッチングを促進しない顧客も、スイッチングをしなかったらどのようなデメリットがあるのかというところもぜひ検討していただきたい。

もう一つは、資料3-2で8番目に競争状態が確認されるまで料金規制は解除すべきではないという指摘がございますけれども、どのような状態のときに競争が進展しているというか、行き渡っていると見ているのかという、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

○日本生活協同組合連合会小熊部長 ありがとうございます。

第1点目なのですが、委員がおっしゃるとおり現実に今、起きていることは少量需要家には余りメリットがない状態になっているのが事実だと思います。なので私どもの立場からすれば、どのようなことをやっていけば少量需要家にもメリットがある仕組みなりメニューが出てくるような形にできるのかということについて、これは知恵を絞らなければいけないなと思います。

先ほど松村委員が批判的に触れておられた3段階託送料金みたいなものも、そのような中で、そうしたら何とかなるのではないかという議論の1つのアイデアだと思うのですが、いずれにしても、いかにしたら少量需要家にもメリットがあるものにできるのか。7つの目的のマル7に書いたことはそのような意味なのです。「すべての消費者、すべての地域がそれらの価値を享受できること」というのは、ある特定の消費者だけが利益を得て、逆にほかの消費者については非常なデメリットがあるという状態を生むことは余り望ましいことではない。それはシステム改革そのものが下手をすると失敗だったという評価にもつながる可能性があるので、そういう意味ではどのようにしたらできるのかということについては、これはむしろ逆に専門家の先生含めて知恵を絞っていかなければいけないと思っています。今、私からこうすればうまくいく、これが決め手ですというのはなかなか言えないというのは正直なところです。

2点目ですが、電気の場合は今お話のありましたとおり、いわゆる規制料金が残るということで、これは非常に大切なことだと思っています。いきなりこれがもし電力で外されていたら、4月1日から先ほど紹介したようにスイッチングがゼロみたいな地域がでてしまうとしたら、いわばそこの電力会社は当然利益を上げたければ4月から値段を上げてしまうということが発生し得るわけで、そういう意味ではこれからの4年間をどうしていくのかということが非常に重要だと思います。

規制料金をいかに安くするかという考え方も1つの考え方だと思いますけれども、これから2020年以降のことを考えたら、いずれにしても経過措置としていずれは撤廃することが前提になって組み立てられているので、そのような意味ではいかにいろいろな形での料金メニューだとか、安い料金体系が出されて、それで競争が起きて公正な競争市場ができるのかということが一番大切なことだと思います。そこをポイントとして、むしろ規制料金がある4年間をどうしていくのかということが、ある意味では非常に重要ではないかと思っています。

そういう意味で重要なのがモニタリングだと思っています。現実の家庭で受け取っている領収書を集めるモニターの仕組みをつくって調査をやろうかということを今、検討しているのですけれども、実際に料金メニューはいろいろ出ますけれども、最終的には領収書に書かれた電気料金がいかに変わっていくのかというのが一番大事な部分だと思います。そういったものは私ども生協でも検討しておりますが、いわゆる行政ベースの物価モニターによる消費者ベースでのモニタリングというものをしながら現実にどう推移しているのかということをチェックしていくことが非常に重要ではないかと思っています。

3番目の御質問の競争状態の確認というのも、今お話したことと非常にかかわっているわけですけれども、少なくとも何%がほかの新規参入者が占めていればいいかというのは、それはいろいろなレベルの議論があると思います。15%がいいとか、30%がいいとか、それはいろいろな議論があって、それはそれでいいと思うのですけれども、少なくとも消費者から見たときに、比較的容易に負担のかからない形できちんと別の選択肢がまず用意されていることが最低の条件だと思います。

きょうは電力の場なのでガスのことは別の話ですけれども、ガスの場合には今、審議されているのは、都市ガス内で仮に競争がなくてもLPガスと競争しているからということで、一定の比率であれば外していいのではないかという議論がされています。しかし、消費者が都市ガス同士の中で切りかえるというのは比較的容易だと思うのですけれども、ではLPガスに変えるのはそんなに簡単なことなのかどうかということを現実問題として考えることが非常に大事だと思います。競争状態というのも現実に地域における消費者、例えば九州電力なら九州電力管内できちんとスイッチングが現実的に行われていて、なおかつ消費者が選択できる、容易に切りかえることができるような状態が確認できるかどうかということが大事ではないかと思います。その基準のあり方については、いろいろな議論をしていくことがこれから大事だと思っています。ありがとうございました。

○古城座長 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 松村委員の発言で感じたことがありましたので、きょうの小熊さんから報告されたことと重ねて少し意見を述べさせていただきます。

消費者利益と事業者利益というのは、必ずしも消費者と事業者の立場が対等ではないところで、私たちの寄るべきところはやはり消費者基本法であったり、そこに盛られている理念や消費者の権利がきちんと確保されることが大前提になると思います。その上で消費者代表の委員がどうかかわっていくかということは常に研鑽していかなければいけないことですが、本日の御報告のところでも、結論のところで消費者の参画と意見反映の仕組みが肝要というところで、参画のあり方というか中身の問題が常に問われているのではないかと思っております。

そういう意味では、その次の報告書に盛られた3章の生協が果たすべき役割の1番の、主体的な消費者組織として、まさに消費者が主体的にかかわるということは、よりよき社会の形成者として目指しているものに向かってどのようにかかわっていくのか、会議等で意見を述べるときにもどのようにそこに参画していくのかということが非常に重要になっていくと思います。ですからそのようなことを常に心しながら、かつ基本的な消費者の権利や基本法に盛られたことを大事にしながら、学習も含めて進めていかなければいけないかなと思いますので、生協でもそういったことを積極的に行っていただきたいと思っております。

以上です。

○古城座長 もうそろそろ時間も押しているので、どうしてもというものでなかったら。どうしてもですか。

○古賀委員 今の矢野さんの意見に同調するものなのですけれども、先ほど、アンケートについての御意見があったと思うのですが、アンケートというのは何か新しいことをするときの参考のためによくされるものですけれども、あくまでも現状の時点における状況で将来的希望とか、過去の経緯を含め、対象の人たちがこうしたい、ああしたい、それについてどう評価するかということであって、松村委員の発言とは時間軸の捉え方が違うのではないかと思ったのです。アンケートでの意見や希望と将来的に消費者がどのような選択行動をしたかが違っているというのは当然のことであって、それはまさに制度設計自体のまずさといいますか、実際の制度環境が消費者が望んでいたものと大幅に違っていたということではないかと思います。

それから、消費者代表についても日生協さんはもちろん事業もやっていますけれども、消費者代表として行くときは、いろいろな消費者団体の意見も含めて提案したり意見を述べていらっしゃると思いますので、そこのところは消費者代表という捉え方は、もう少し実情を踏まえて厳密に考えていただきたいと思います。

○古城座長 いろいろ御意見があるかと思いますが、次の報告も用意しておりますので、このセッションはこれで終わらせていただきたいと思います。日本生活協同組合連合会、小熊部長におかれましてはお忙しい中、審議に御協力いただきましてありがとうございました。

≪3.海外での電力小売りに係る消費者取引に関するヒアリング≫

○古城座長 続いての議題は、海外での電力小売に係る消費者取引に関するヒアリングです。一般社団法人海外電力調査会の大西主任研究員にお越しいただいております。

大西主任研究員は、海外の電力自由化の現状と課題などについて研究をされており、本日は海外の電力自由化の動向と料金メニューや消費者保護策等について御説明をいただき、その後、意見交換を行いたいと思います。

それでは、大西主任研究員、御説明をお願いいたします。大体30分程度でお願いいたします。

○海外電力調査会大西主任研究員 ただいま御紹介に預かりました、一般社団法人海外電力調査会の大西と申します。

中立的な立場から、今回は、主に海外主要国について小売電力市場の動向及び消費者保護の取り組み、トラブル事例等も含めて紹介させていただきたいと思います。

お手元の資料の3ページ目、小売電力市場の自由化、電気料金の動向というところから、時間も限られておりますので、端折りながら説明させていただきます。

4ページ、そもそも欧米で電力の自由化が導入された背景というのは、70年代の景気低迷の時代に公益事業の民営化、規制緩和といった小さな政府を志向する中で、電気事業も例外なく規制緩和が行われるという背景があったことが重要でございます。また、小規模電源もコスト的に大規模電源に対抗できるような技術進歩があったというところで発電部門の自然独占性が減退していったということで、発電部門、小売部門を自由化していこうということで電気事業者の経営効率化、活性化、電気料金の低廉化、サービス品質の向上といったことが実現されるのではないかという期待があって、欧米で自由化が導入されたと考えております。そういう意味では発電・小売部門というのは競争原理を導入一方、ネットワーク部門は競争できませんので、自然独占性に基づき独占体制を維持していく。ただ、垂直統合事業者の場合は発電・小売部門をきっちり分離していかなければ、公平なサービスが提供できないということが懸念されて、発送電分離という議論に至ったわけでございます。

5ページ、これは欧米諸国における小売市場の自由化というところで、アメリカでは90年代末から家庭用需要家を含めて全面自由化が導入されておりまして、現在は13州+ワシントンD.C.、右の図で示させていただきますと、赤色の州が全面自由化を実施している州でございます。主にテキサス州とアメリカの北東部の地域が自由化されていることになっております。

一方、欧州でございますけれども、イギリスが99年に家庭用を含めた全面自由化を実施、ドイツも98年に実施、フランスについては少し遅れて2007年に全面自由化という、少し国によって全面自由化の導入時期が異なっております。

6ページ、次に欧米諸国における電気料金の推移というところで傾向をお示しさせていただきます。

まずアメリカでございますけれども、左下の図でございます。これは全面自由化州、先ほど申し上げました13州+ワシントンD.C.の単純平均の価格でございます。水色が非自由化州というところで、これも単純平均で価格をまとめております。これから言えることは、基本的に全面自由化州というのは、もともと全面自由化する前から電気料金が割高であったこと。だからこそ自由化を入れて電気料金を低減させたいという期待があったという背景がございます。ただ、2000年代に入って自由化したものの、全面自由化州では規制料金が撤廃されていますので燃料費とか追加コストを電気料金に転嫁しやすい。そういう意味で2000年代前半から高騰した燃料価格を転嫁しやすかったという背景もあって、赤色のグラフ、カーブが急峻になっているように、自由化州のほうが電気料金が急峻に上がってしまったということでございます。

次に、右の欧州のほうでございますけれども、これはドイツ、フランス、英国と電気料金の推移を示させていただいています。もともとヨーロッパのほうは、この3カ国に関してはそれほど大きな開きはなかったのですけれども、2000年代前半からの燃料費高騰、それ以降の再エネ賦課金の転嫁というところで、特にドイツに関しては家庭用の電気料金はかなり上がっております。ドイツの場合、再エネ賦課金の増加がインパクトを与えておりまして、例えば2000年時点で1世帯当たり、大体月額約80円だったのが、2014年には約2,400円に急増ということで、料金自体も98年と比較して2倍程度の水準になっているという状況でございます。フランスについては原子力比率が80%、また規制料金が自由化後も存続している理由で、電気料金は比較的安価な水準を保っておりますけれども、最近フランスでも再生可能エネルギーの固定価格買取制度を導入しておりますので、再エネ賦課金の転嫁によって、黄色のグラフですけれども、若干上がってきているという状況でございます。

7ページ、新規事業者のシェアを御紹介させていただきます。アメリカはテキサス州は比較的自由化した成功事例とよく言われています。ここで成功したという理由ですが、料金が低減したということではなくて、スイッチング、いわゆる新規事業者のシェアが増えたという意味で成功したと言われております。右の図を見ていただければと思うのですけれども、青色のグラフがテキサス州でございます。家庭用の部門でございますけれども、テキサス州の場合、2002年1月から全面自由化を開始しまして、2002年から2006年まで規制料金も併存して提供されていた状況でございます。ただ、規制料金がある中で新規事業者のシェアが増えていった。これを成功事例と見なしていることについては、次のページで少し説明させていただきます。

あと、イリノイ州だとかオハイオ州あたりも、2009年か2011年ぐらいから新規事業者のシェアが増えております。これは様々な理由がありますが、最も大きな理由だと個人的に考えているのが、地方自治体による需要集約制度が導入されたことです。これは市町村が需要家を集約して一気に小売事業者を変えてしまうという仕組みでございます。例えば、イリノイ州のシカゴ市もこの需要集約制度を導入したのですけれども、一気にシカゴ市では数十万軒が需要家を切り替えたという事例もあって、アメリカの自由化州で需要集約制度を入れている地方自治体では、スイッチングのインパクトに効いてきています。

8ページ、先ほど申し上げましたテキサス州の事例について御紹介させていただきます。テキサス州は先ほど申しましたように2002年から自由化が始まって、2006年まで規制料金があった。一般的には規制料金というものを低減しなければいけないといった発想がある中でテキサス州というのは実は規制料金を高く設定していったという特殊な事例でございます。右下の図のテキサス州における規制料金の競争料金の推移というグラフを見ていただければと思うのですけれども、これはテキサス州の公益事業委員会が作成したグラフでございます。紺色のグラフが規制料金、既存事業者が当局の認可を得て出している規制料金でございます。赤色がいわゆる新規事業者が出している競争料金の最安値で、水色が競争料金の平均値。黄色い線は先物ガス価格ということで、軸は右軸になります。

何が言いたいかというと、規制料金のほうが一貫して高い水準にあった。例えば顕著なのは、規制料金が廃止される1年ぐらい前の間の出来事でございますけれども、黄色の線の先物ガス価格が2005年末ぐらいから下がっているにもかかわらず、規制料金は下がっていない。一度たりとも下がっていない。競争料金のほうが下がっていた。結局、規制料金を高く設定することで新規事業者が逆に入りやすい環境となっていた。だから新規事業者のシェアが増えた。シェアが増えたというのはある意味、成功事例だったと言われておりまして、一般に我々が考える料金が安くなったから自由化が成功したという考え方ではないのです。このような見方もあるということで1つ事例を紹介させていただきました。

9ページ、こちらは欧州の新規事業者のシェアでございます。ドイツ、フランス、英国と事例を挙げさせていただいておりますけれども、基本的に国ごとにいろいろ競争環境が違いますので何とも言えないのですけれども、この右下のシェアの推移のグラフを見ていただければと思うのですが、ドイツは98年に家庭用を含めた全面自由化をして、現在、20%を超えたあたりでございます。そういう意味では16年かけてようやく2割程度の新規事業者のシェアになった。フランスは2007年から始まっておりますので10%に達していない程度。逆にイギリスに関しては99年から始まって、現在60%程度。先ほど地域間格差という話も出たのですけれども、イギリスは14配電地域がございますので、その配電地域毎の新規事業者のシェアがどれぐらいだったかという平均値が公表されています。例えばヨークシャー地域ですと7割ぐらいが新規事業者のシェア。一方で北スコットランドのほうは、まだ3割程度のシェアということで、地域間のスイッチングの格差がどうしても起きてしまうというのは、海外事例を見てもあるのではないかと考えております。

次のページにまいりまして、これから小売事業者が自由化下においてどのような競争戦略をとっているのか。逆に消費者にとってどのようなトラブルがあったのか。そういった事例を御紹介させていただきます。

11ページ、料金メニューでございます。一般的に規制時代というのは規制料金、我々変動価格型料金と言っておりますけれども、要は不定期にコストが上がれば料金を変えていくというのが一般的だったのですけれども、自由化になると様々な料金メニューが出てきます。一般的に導入されているのが固定価格型料金でございます。これは一定期間において料金単価を固定化するというところで、消費者にとってみれば料金単価の変動リスクを回避するというメリットはありますし、小売事業者のほうも一定期間、需要家をつなぎとめることができるというメリットがございますので、比較的この固定価格型料金はよく利用されているような状況でございます。欧米諸国では電力、ガスのセット販売というのは確かに行われております。ただ、私が知る限り、セット販売したからディスカウントをやっているというのは海外事例で実はそれほどなくて、イギリスでそのようなセット販売をすることによって割引をしますよ、ディスカウントしますよという事例を見つけることができるぐらい。かつ、セット料金することによって、単体で契約するよりも2%程度割引が出るという相場観でございます。そういう意味では我が国においてはセット販売というものが流行っていますけれども、海外ではそれほど実は一般的ではないのではないかという見解を私的には持っています。

3ポツ目でございます。これはイギリスの事例ですけれども、アメリカだとか他の国でも言えることなのですが、家庭用消費者が小売事業者を変更する理由。これは割安な電気料金の変更というのは一番多くございます。先ほどアンケートという考え方と、実際の実績はどうなんだという話とも少し関連するのですけれども、ここで言う小売事業者の変更理由というのは、小売事業者を実際に変更した人がどう感じたかという数字でございます。だから一般的な消費者がどう思っているかとは少し違うということでございます。何が言えるかというと、実際に切り替えた人というのは電気料金が割安なほうがいいというのが変えた理由で、ここで顕著なのがグリーン料金契約への切り替えというものが、2015年調査でDECCというイギリスの環境省の調査でございますけれども、実は2%程度しかいないということでございます。

そのような意味では、アンケートと実績には乖離が実際にはあるのではないかと私的にも考えているところでございます。

12ページ、料金メニューに対する規制強化。本来、自由化下においては料金メニューに対する規制は、競争原理が働くだとかもしくは事業者の創意工夫を重視するという観点から立てば、できる限り介入しないほうがいいということではありますけれども、例えばイギリスのように2010年時点で400種類ぐらいの電気料金メニューが提示されたとなると、やはり消費者がおじけついてしまう。要は選べない。選べないから逆に変えないという思考に陥ることがあった。ちなみに400種類というのはOfgemという英国の規制機関のデータでございます。

このため、2013年にイギリスではOfgemという独立規制委員会が中心になって制度改革を行って、料金メニュー数の制限等を導入しました。今まで10種類、20種類出していた料金メニューを4種類以内に抑えなさいという制限を行った。あと、料金の標準化、簡素化。これも様々な料金メニューがあったのですが、基本的には基本料金プラス従量料金の料金体系に統一してくださいということにした。注目すべきは消費量に基づく段階別逓減・逓増料金も原則禁止されていることです。これは需要家が実際に料金比較する時に消費量毎に電気料金の単価が違うと小売事業者間の比較ができないから、消費者はなかなか選択できないのではないかとの配慮からこのような規定を入れております。ディスカウント、抱き合わせ販売、ポイントサービスについても基準を作っています。例えば、ディスカウントに関しては、初めに契約する時にディスカウントをするのだったらいいのですけれども、1年間の契約後に契約を継続してくれたからその時点でようやくディスカウントを行うことは禁止されている。

13ページ、次に小売事業者の競争戦略。事業者はどのように考えて事業を行っているかというところでございますけれども、ここもイギリスの事例を紹介させていただきます。2ポツ目でございますけれども、実はイギリス自体、系統規模が東京電力と大体同じくらいなのです。そこに大手事業者6社がひしめいている。6社というのは家庭用シェアの9割を占めていて、いわゆる寡占状態です。そのかわり電力間競争が激しいという市場でございまして、残り数%をめぐって20社程度の小規模事業者が競争しているような状況でございます。この6社が90%を占めているということで、6社がどのような料金改定を行っているのかというのをOfgemという独立規制機関が調べており、右のグラフでございます。ほぼ同じタイミングを見計らって料金を変更している。そういう意味では自由化になるとマーケットリーダーと言われている小売事業者がまず料金を改定して、それに追随していくという行動をとり始めるというのが、このグラフから分かるのではないかと考えております。

14ページ、では小売事業者は需要家に対してどのような営業活動を行っているのかについては、大きく2つございます。1つが受信型営業、インバウンドと呼ばれています。もう一つが発信型営業、アウトバウンド。受信型営業というのは消費者からの問い合わせとか、消費者が価格比較サイトとか、そういったところにアクセスしてきた段階で営業を行うという、あくまで受け身的な営業活動を行っているというのが前者のほうでございまして、後者のほうは発信型ということなので、アクティブに消費者に対して戸別訪問販売を行うだとか、電話勧誘販売を行うだとか、ダイレクトメールを送付するとか、こういった活動が後者のアウトバウンド、発信型営業と言われています。

消費者トラブルで一番多いのが後者の戸別訪問販売や電話勧誘販売。小売事業者が消費者と接触するので、どうしてもトラブルが発生してしまう。そのため、電力間競争が厳しくなればそういうトラブルが多くなりますので、場合によっては規制機関から罰金、補償金を科せられる傾向が近年出てきております。

右のグラフを見ていただければと思うのですけれども、水色が2010年に調査した数字でございまして、薄紫色が2015年調査。料金比較サイトというのは一番上にありますけれども、実は2010年断面では戸別訪問販売よりも営業手法としては少ない。15年には40%に伸びている。逆に戸別訪問販売は2010年断面では34%だったが、2015年は10%に落ちている。これは罰金だとか制裁が加えられたために、小売事業者が戸別訪問販売をやらなくなってしまった。その意味で大きな変化があったと見ていただければと思います。

15ページ、トラブルが一般的には規制時代よりは当然多発するということでございますけれども、先ほど申し上げましたように2012年から2014年にかけてイギリスでは不適切な営業活動を行ったということで、大手事業者6社に全て罰則を科している。6社は何らかのトラブルを起こしていたということでございまして、この期間だけの罰則金、補償金の総額は約4,000万ポンド、約70億円となっています。小売ライセンスから外れた違法行為というのは様々ありますが、代表的な違法行為としては、青色で提示させていただいています。一番多いのは需要家の消費電力量の実績値を全く考慮せずに、需要家にいい加減に営業をかけている事例。営業の人は需要家がどのくらいの消費をしているのかを把握せずに、この料金メニューはいいですよみたいなことをやっていたとか、基本的な電力供給条件を提示せずに、知らないうちにスイッチングをさせていたとか、割高な料金メニューを意図的に需要家に勧めている等があります。こういうトラブルが発生しております。

16ページ、先ほどから比較サイトについての話が出てきたので、イギリスの事例を少し使って説明させていただきます。その前に欧米の傾向なのですけれども、欧州はイギリス含めてフランスもそうですし、ドイツも基本的には民間団体や民間企業がこのような比較サイトを運営することが一般的であります。一方でアメリカは、規制当局が料金比較サイトを開設している傾向がありまして、欧州とアメリカで違う。アメリカの場合、規制機関がやっているということで非常にシンプルな内容になっています。基本的には掲載情報というのは会社名、メニュー名、価格等のシンプルな構成となっていますけれども、民間サイトがやるといろいろな創意工夫があるということでございます。例えば、イギリスの料金比較サイトuSwitch?は運営開始が2000年ということで、1999年に全面自由化がイギリスでは行われているので、その翌年に開設されています。uSwitch?という会社は、利用者の投票をもとに顧客対応ランキングを公表しています。逆にその結果を電力会社が自社のウエブサイトで広告として掲載するということで、自社がこれだけ消費者から信頼されているということをアピールするために使う。こういう創意工夫もございます。

ただ、そうは言っても民間が行う限りにおいては、何らかの形で一定程度ガイドラインを敷いておかないと、需要家がだまされてしまう、需要家の混乱を招いてしまうといった懸念があったのだと思います。料金比較サービス実施規則をイギリスでは策定しております。

下が概要でございます。ポイントになるところを少し赤字で書かせておいておりますけれども、一番重要なのは小売事業者から独立性を確保しておくことでございます。もちろん小売事業者から手数料を受領する、それで運営していくことは可能でございますけれども、消費者への情報提供や公平性を確保することは、このガイドラインで決められております。例えば、料金比較結果とは別の小売事業者を推奨することは禁止してございます。今、日本でもレストランの比較サイトみたいなところで検索はできますけれども、あるレストランのオーナーさんが少しそのサイトにお金を払えば上位のほうに結果が出てくるようなりますが、この規則だとNGです。かつ、料金比較ページ上において特定の小売事業者の広告を載せることも禁止。価格順で比較したのであれば、最も割安な料金から表示しなさいということも規定してございます。

先ほどサービス品質というところで、顧客対応ランキング等を公表することもできるとお話ししましたが、ランキングの基準を主観的に比較サイトの運営者が決めてしまう恐れもありますので、規制当局にこういう基準でランキングをつくっているといった評価方法をきちんと報告した上で、それに則って小売事業者の評価を決定するとことであれば認められるという前提条件があります。

17ページ、これは規制料金の適用事例というところで、一般的には欧米諸国というのは規制料金と言われるものは自由化されてから廃止されていく傾向でございます。ただ、これは国によって違っていて、例えばフランスに関しましては、家庭用需要家への料金については規制料金を今後も続けていくことを表明しています。そういう意味ではフランスでは既存事業者のフランス電力会社(EDF)が規制料金と競争料金を2つ提示して、需要家に電力供給を行っています。EDFは、原子力が中心の会社ですので発電原価が安い傾向があります。発電原価を考慮されて規制料金が策定されているためEDFの規制料金比較的安く設定されてございます。

この右上のグラフでございますけれども、これはフランスにおける小売事業者毎の電気料金の支払額でして、黄色の線が既存事業者のEDFが提示している規制料金の支払額です。大体このぐらいの水準。一方で上のほうでEDFは競争料金を出していますが、比較的割高に設定されております。最近は新規事業者も割安なメニューを出しておりまして、一番安い会社で言うとDirect Energieという会社があり、410ユーロ程度の年間支払額となっています。この水準は規制料金より5%ぐらい割安な水準でございます。競争料金がもっと割安であれば、需要家がスイッチングを行う傾向が強まるかもしれませんが、規制料金よりも5%程度安いということだと、先ほど冒頭で申し上げましたようにフランスの家庭用需要家の新規事業者のシェアは10%いかない程度なので、なかなか新規事業者のシェアは増えづらいのかなという印象を抱いております。

次に苦情処理、経済的弱者の保護について若干コメントをさせていただきます。

19ページ、欧米諸国における苦情処理手続というところで少しまとめさせていただいております。これはざっくり言うと一番下の図の苦情処理の流れというところをまず見ていただければと思います。電力会社の中に顧客オンブズマンという部署を設置しております。ここに先ず需要家は苦情を提出することからトラブルの処理手続が始まります。顧客オンブズマンは事業者内の組織ですけれども、一般的には事業者の利害から独立して、消費者と解決策を共に模索していこうという部署でございます。

これでトラブルが解決しなければ、いわゆる裁判外紛争解決手続機関(ADR)に申し立てが行われる流れになります。ADRは各国で指定されてございまして、例えばドイツだとエネルギー調停機関(SSE)がADRを担当して、職員数は17名程度。2013年度の電力・ガスの苦情申請数は9,600件。また、独立規制機関の連邦系統規制庁(BNetzA)も苦情処理をやっておりまして、電力・ガスの苦情申請数は1年で1万7,500件、結構な数でございます。

フランスについては、エネルギー全国仲裁機関(MNE)という組織を置いてADRをやっているのですけれども、職員数は46名で、年間予算が大体6~7億円程度。2014年の電力・ガス苦情申請数が1万4,000件。需要家軒数全体で見ると10万軒中50件の申請数があったということで、かなりのボリューム感があります。

右の円グラフでございます。どのような苦情が多いのかというのを示しておりまして、上のドイツの場合だと47%が料金・消費量データで、あと38%が契約内容。下のフランスに関しては60%程度が消費量データ、料金請求書。これらのデータを見る限り、需要家は自身の消費量データが本当に正しいのかどうか、それが料金として適切に整合が取れているかどうかということに一番関心を持っているようです。こういう非常に細かい苦情がどんどん申請されますので我が国でも自由化をしたらこの種の苦情トラブルが増えてくるのではないかと考えられますし、受け入れ態勢をしっかりしておかなければいけないのではないかと思います。

20ページ、欧米諸国における経済的弱者の保護策というところでございます。こちらは自由化をすることになると、小売事業者が消費者サービスを需要家毎に差別化できるというのが前提になりますので、そういう意味では一番恩恵を受けない経済的弱者にいかに配慮をしていくのかというのが一番重要なポイントになってくると思います。各国で様々な経済的弱者への保護策がありますが、例えば料金滞納者に対する供給遮断の制限、料金支払いの費用補助、割引料金の適用、無料エネルギー診断の実施をして省エネをしてくださいというコンサルを行う、未払い料金の延滞設定、このような数々の救済措置を導入してございます。

最後に21ページ目でございますけれども、まとめということで個人的な意見をここで少しまとめさせていただきますと、まず2ポツ目について大多数の需要家は、割安な料金への変更を希望していることが一般的な傾向でございます。その意味では需要家が自身の電力消費実態をきちんと把握して、適切な料金メニューを選択できるかどうかということが重要でございます。これを実現するためには需要家への啓蒙活動は非常に重要な対策だと考えられます。悪意ある小売事業者がもしかしたらいるかもしれない中で、需要家は自分自身を守っていかなければいけない。この部分が最も重要ではないかと個人的には考えております。

3ポツ目は、イギリスの事例を紹介させていただきました。料金メニューが複雑になったり多数になったりしたということで需要家の混乱を招いたという背景から規制強化策を講じたわけでございますけれども、個人的には相当程度の理由がない限り、小売事業者の料金メニューに対して規制強化を導入するというのは、慎重にしたほうがいいのではないかと考えております。小売事業者の料金メニューの創意性というのは、規制強化によって減退する恐れもあります。例えば、先ほど申し上げましたように、イギリスは電気料金メニューを4種類まで限定しなければいけないということになりましたが、大手の小売事業者はグリーン料金メニューを真っ先に外しました。2%程度の需要家しか興味を持っていないグリーン料金にコストをかけるよりは、もっと多彩な固定価格型料金を入れたほうが、4種類のメニューに限定されている中では多くの需要家が選んでくれると考えてしまうのではないかと思量されます。従いまして、料金メニューの規制強化はそのような弊害もあるので、慎重に行ったほうがいいのではないかと考えてございます。

次に比較サイトについてです。比較サイトは一定の公平性を担保することは必要なのではないかと考えております。全くガイドラインなしにやってしまうと、レストランの比較サイトと変わらない料金比較サイトになってしまう恐れもございますので、ある程度消費者の保護を優先するのであれば、何らか対策はしておいたほうがいいのではないかと思います。

最後に、苦情処理についてはイギリスやフランス、ドイツの事例を見る限りにおいては多くの苦情件数が来ています。受け入れ態勢をきっちりしておかないと、それがまたトラブルの種になっていく恐れもありますので、苦情処理体制はきちんと担保していったほうがいいのではないかと考えております。

以上、駆け足で説明させていただきました。ありがとうございます。

○古城座長 どうもありがとうございました。

御説明いただいた内容について御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 非常に貴重な資料をありがとうございました。

お聞きしたいことが幾つかあるのですが、まず大西さんも最初におっしゃっていましたように、成功したかどうかはスイッチングが広がったかどうか、進んだかどうかというところで見て、成功したかどうかということでお話をいただいたのですが、スライド4にも書いてあるのですが、自由化することによってこのようなことが期待されていましたよということの中で、小売電気料金の低廉化とサービス品質の向上というのは消費者にとっては非常に重要な項目が入っておりますが、トレンドとしては上がる方向にしか動いていない。もしこのスイッチングがなかったらもっと上がっていましたよとか、もっとサービスが低下していましたよというような予測があるのでしょうか、どうでしょうかということ。

もう一つは、自由化したら当然のようにさまざまなコストを電気料金に転嫁しやすいので、上昇スピードは急峻であったという報告がされています。では反対に石油なんかもどんどん下がってきているという状況の中で、例えば下がるほうに環境が動いたときに、これは同じようなスピードあるいはなかなか上げるスピードと同じようにはならないかもしれないけれども、確実に下がっていますよというような検証ができるのかどうか。もしこれが下げられていないときに、消費者としてどこかでこれについて意見を言ったり、あるいは何らかの監視組織のところから指導あるいは罰則というようなものがあるのかどうか、そのあたりを教えていただけますでしょうか。

○海外電力調査会大西主任研究員 ありがとうございます。

まず1点目の自由化をしなかったら、もしかしたらもっと上がっていたのではないかという御質問なのですけれども、そこはなかなか量り兼ねる部分があって、そういう意味では計測がしにくい面があるのかなと考えております。

2番目の燃料価格が上がっている時に電気料金が上昇するスピードと同じスピードで燃料価格が下がっている時に電気料金が低減するかどうか。ここも非常に難しいところでございまして、例えば13ページ目の既存大手事業者の料金水準がどのように動いているのかというところを見ていただければと思うのですけれども、やはり自由化になると小売事業者が料金をどのタイミングで引き下げるのか、どのタイミングで上げるのかというのは決めることができますので、燃料価格が上がったからすぐに引き下げるという行動に出るかどうかというのは、その時々の競争環境に由来するのではないかと思います。例えば、競争が余り起きていない場合であれば、燃料価格は下がったとしても競争がなければ電気料金をそのまま引き止めておいても、もしかしたらいいという発想もありますし、逆に大手が引き下げたのであれば、自分の会社もすぐに引き下げなければいけないとか、そのような発想に至るかもしれませんので、それは時々の市場環境によるところがあるのではないかと思います。

もし電気料金の引き下げのスピードがおかしいではないかと規制機関が判断する時に、指導があるのか、罰則はあるのかという話でございますけれども、基本的にはないと考えております。これは同じ13ページのOfgemという独立規制委員会が、小売電力市場の調査をやっております。いわゆるマーケットリーダーが上げ下げしたら、追随して同じ幅で上げていくという行動は、実は談合しているのではないかとか、カルテルが実はあるのではないかというところまで独立規制委員会は調べ上げたそうなのですけれども、結局なかった。どこの会社が、どのタイミングで、どのくらい上げるのかは、電気料金が他の商品やサービスとは違って非常にある意味シンプル。余り差別化するところがないので、ある程度経験を積めばどのタイミングでこの会社は上げるか分ってくるので、そういう意味では暗黙的に分ってしまう。そういう意味で一緒に追随していくような流れになっているので、Ofgemも談合、カルテルとかないと結論付けています。

○陶山委員 関連してよろしいですか。お聞きしたかったのは、スイッチングが進んだということを成功の指標にされていたのですが、当初期待したところから言えば逆の方向に動いているように見えるのですが、それと見合わせたときに果たして成功だったのかということと、もしそれを成功だと言うのであれば、スイッチングしなかったときにもっと実は上がっていたので、スイッチングが進んだので、これが成功でしたよということが言えるのかどうかということをお聞きしたかったということです。

○海外電力調査会大西主任研究員 前者の部分でございますけれども、当初欧州もアメリカも自由化を導入するという1つの目的は、料金の低減は確かにありました。しかし、実は自由化というところで料金が下がる要素は非常に限定的。やはり燃料価格等が料金の上げ下げに大きく響いておりますので、そういう意味では必ずしも2000年代から2000年代半ばぐらいまで燃料費が高騰していく中で、料金もそれに伴って上がっていったというところで、そういう意味では必ずしも自由化することによって料金が下がるという期待は必ずしもない。劇的な料金低減は達成できないという断面で恐らく見切ったのだと思います。だからこそアメリカでは最近は自由化を入れることによってどのようなメリットがあるかということになると、料金の低減とか言うのではなくて、自由化することによって消費者が選べる権利を手に入れた。だから自由化というのは素晴らしいという感じになってきています。

そういう意味では当初の目的を達成したかというと、恐らくはそれはそもそも見当違いだったのではないかと個人的にはそう思っています。自由化しなかったらもっと上がっていたのではないかというところの御質問についても、自由化することによってコストを削減できる部分というのは、限定的だと思うのです。結局、燃料価格だとか一次エネルギー資源の動向によって大きく左右されるのではないかと個人的に考えております。

○古城座長 長田委員、どうぞ。

○長田委員 2つお伺いしたいことがあって、今のお話にも少し関連するのですが、イギリスの例を見ていると90%のシェアを占めている6事業者が料金的にもほぼ追随していく形で、料金的に言えば余り競争ができない状況の中で、比較サイトの中でスイッチをしていく人たちというものでは何を選択の材料にしているのかなと思いましたので、もしそれがおわかりでしたら教えていただきたいということと、これも大手事業者の違法行為ということで15ページに解約金という事例が挙げてあるのですが、現在、日本でいろいろメニューが出ている中でも、期間を拘束した契約で解約金が存在するものも結構あると思いますし、日本の場合はエネルギー同士のセットではなく、全然異業種とのセットみたいなものもあって、性格が全く違うものの期間拘束も存在したりしていて、欧米とは全然違うメニューが出てきているのでますます比較がすごく難しいと思っているのですが、欧米の場合の例えば電力とガスのセットというものも、期間は拘束した形で何年契約ということになっているのかどうかを教えてください。

○海外電力調査会大西主任研究員 まず初めの質問でございますけれども、確かに6大事業者の料金が追随しているということはグラフのほうでもお分かりになると思います。ただ、グラフに載せているのは変動型の料金メニューのセットの場合でございまして、これだけではなくて、2番目の質問と絡んでくるかもしれませんけれども、期間を設定した固定価格の料金メニューを、大手の小売事業者は、1社当たり2メニュー、3メニュー出していますので、このような固定価格型の料金メニューで料金格差が会社毎に出ております。料金比較サイトを見れば様々な料金メニューの価格が上から下まで出てきますので、お客さんはどの料金メニューが安いのか確認しながら電気料金メニューを選んで買う。だから基本的には固定価格型料金メニューは1年単位であったり2年単位であったりすることが多いので、1年単位で契約したら、1年間はその契約で電力供給を受ける。そして、次のタイミングでまた変えるというところで、この固定価格型料金を選ぶ時に、どのくらい安いのかというのを判断して選んでいるという意味でございまして、変動価格型料金メニューを選ぶ方もいるのですけれども、この場合だと恐らくそれほど大きな差はないのではないかと考えております。

解約金の話だとか、契約期間のお話でございますけれども、これは国によって契約期間がどのくらいかというのは様々で、イギリスに関して見る限りだと、大体1年契約だとか2年契約がほとんどでございます。少なくとも大手の小売事業者は1年、2年ぐらいは出しています。国によって違うというのは、アメリカのペンシルベニア州では長期の例で言うと6年間の固定契約を入れたり、オハイオ州では7年契約という相当すさまじい長期の契約を入れた事例があると私も聞いていまして、そういう料金メニューがお客様に果たして支持されたのかどうかは把握しておりません。過去にそういう実績があったというところでございます。

ただ、解約金の話で言えば、イギリスに関してはブリティッシュガスの事例で言うと、16カ月間の固定価格の電気単独の料金メニューであれば30ポンド、約4,000~5,000円の解約金です。26カ月で50ポンドで大体9,000円ぐらいなので倍程度。デュアルフューエルの場合は電気とガスがセットになるので、今の解約金が2倍になる。電気単独であれば1年間契約でイギリスだと5,000~6,000円ぐらいの水準かなというのが相場かなと思います。ただ、どのくらいの解約金の水準が適正なのかというのは、余り欧米で議論になったことはないと私的には考えておりまして、その辺は我が国でどのようにそれを見ているのかというのは、私も非常に興味があって、観察しております。

○長田委員 1つ追加で、30ポンドとかいうのは、どの時点で解約しても同じ解約金なのですか。

○海外電力調査会大西主任研究員 そのように理解しております。

○古城座長 松村委員、どうぞ。

○松村委員 最初にぶち壊すようなことを言って申しわけないのですが、最初にわざわざ中立的な機関とおっしゃったのですけれども、海電調は一般電気事業者からお金が入っていませんでしたっけ。それから、一般電気事業者からの出向者はいなかったのでしたっけ。だからといってきょうの話を聞いたら著しく偏っているとまでは思わないので、そんなしょうもないことを言ってもしようがないのですけれども、わざわざ自分で言うことか、それほど中立的な機関か、というのが気になりました。余計なことでした。

まずスイッチング率が高いと高い評価をされること自体がそもそもおかしい。ただ、海外で実際に制度設計した人も評価されるわけで、そのときに具体的に価格がどれだけ下がったかで評価されたらかなわない。燃料費が上がったとか、そういう効果のほうが大きいに決まっているので。確かに競争が全く機能していなければスイッチとか起こらないでしょうから、スイッチ率がある程度あれば、ある程度競争メカニズムが働いたかもしれないと類推できると考えるのはあり得る考え方。しかし、スイッチ率が高ければ成功だという愚かなことを考えている人はさすがに日本ではほとんどいないと思う。もしそんな愚かなことを考えていたなら、経過措置料金規制は設けないはず。既存事業者に思いっきり高い価格をつけさせればスイッチ率は上がるに決まっているから。そもそもそんな制度設計をするはずがない。スイッチ率は重要な要素ではあるけれども、高ければ高いほどいいとか、低ければ低いほどだめだとかいう形では評価されないと思います。成功、不成功はコストが本当に下がったかどうかということをちゃんと見て日本では評価されると信じていますので、こんなしょうもない評価に基づいたしょうもない評価や議論など日本では不要。その意味で紹介された議論のかなりの部分は無意味なのではないか。

それから、自由化で実際に価格が上がっているではないかと不安になられたという御指摘に関しては、一方で燃料価格などが上がっているし、ヨーロッパなどで賦課金が上がっているのだから、規制料金のままだって当然上がったということも予想されるもの。そうすると、本来は燃料価格の影響を除いて、賦課金の影響を除いてもこうだということを言わなければいけないのだろうと思いますが、それは我々もやらなければいけないことで、その点は、お叱りは甘んじて受けざるを得ないと思いますが、この点今日の報告も批判は免れない。日本では実際に調整した評価が既に震災前になされている。日本では大口の自由化だけはされたわけで、その間、電気代は大きく下がった。でも、この局面では金利が大幅に低下するなどの影響があったかもしれないということで、実際に電気代は下がったのだけれども、その半分ぐらいの効果は実は外部要因だったということが検証されている。しかしいずれにせよ、大口の自由化のところでも、外部要因の効果を除いても価格はかなり下がっていることは実証的に日本では既に出ている。先ほどコストの削減余地などほとんどない、自由化でコストが下がることは期待薄だという御発言があったのですが、海電調の立場としては、あるいは一般電気事業者の利害からはそう言わざるを得ないと思いますが、私は日本の実際のデータからすれば、あるいは料金審査で明らかになったデータからしても、可能性は十分あると思っています。

しかし、一方で御指摘のとおり、寡占市場になって価格が上がってしまうおそれがあるのは確かなので、だから経過措置料金を設けているわけです。経過措置料金規制は安直には廃止してはいけないということを、このデータでもう一度、認識させていただいた。

日本では燃料費調整制度がもともと規制で入っていたので、燃料費が上がったからといって規制価格では簡単に上がらないという今日の御説明は日本には当てはまらない。諸外国の規制料金でそういうものがあってもなおこうなった、あるいはなかった結果としてこうなったのかということは重要な点なので、もし今後諸外国の御紹介をするときには、この規制料金の性質はどうだったかという点は必ず説明に加えるべき。でないと説明の信憑性を損なうと思います。

料金メニューに関して、イギリスのように制限する規制に消極的な意見をお持ちとのこと。メニューの数をイギリス流に制限すると選択肢を不必要に狭めるという御主張はよくわかりました。そのときに真っ先にグリーン電力料金が廃止されてしまったという事実も重要。ということは、イギリスの消費者はそういうものに余り関心がなかったということなのでしょうか。

○海外電力調査会大西主任研究員 アンケートというか、データを見る限りは個人的にはそのように思いました。

○松村委員 ありがとうございます。

○古城座長 時間も押していますので、意見のところで反論は我慢してもらって、質問にだけお答えください。

○海外電力調査会大西主任研究員 コスト削減の部分については少し発言したいところがあるのですけれども、今回は控えさせていただいて、自由化市場で燃料費調整制度をやっているところは、私が知る限りございません。

○山内委員 それはアメリカから始まったのです。アメリカの昔の規制料金では燃料費調整制度はあったのです。それを日本がまねした。

○海外電力調査会大西主任研究員 アメリカの自由化州では燃料費調整制度はないとの認識だが。

○山内委員 今は規制料金でしょう。規制料金ではやっていた。

○古城座長 井手座長代理、どうぞ。

○井手座長代理 先ほどの長田委員の質問にも関連しているのですけれども、1年とか2年で契約をしているときに、中途解約の手数料をとるというものがあります。変動と固定ですね。固定のときには当然、消費者かエネルギー会社のどちらかがリスクを負うわけですから、これは当然中途解約の手数料というのはあるケースがほとんどでしょうかということ。変動の場合には、解約の手数料が発生するのかどうか。

ドイツの場合は例えば2年なら2年で中途解約とかいうものではなくて、2年間契約を継続したら、その時点で割り引くという制度もあります。それから、御承知のとおり携帯電話の場合は中途解約すると3社全部で9,500円と同じ料金を請求して、それがいろいろなところで裁判になって、その根拠がどうなのかという話があるのですけれども、多分このエネルギーの場合でも中途解約というものがない会社もありますけれども、ある場合には当然根拠というものがある程度はっきりしないと紛争のもとになるのではないかという印象です。

○海外電力調査会大西主任研究員 まず変動価格型の料金メニューについては一般的に解約金はありません。イギリスの事例を見る限り、それは全くなかったです。固定価格型の料金メニューは各社とも解約金というものを設けております。またはその場合、どの程度の解約金に設定しているのかというのは、恐らく各社がどれだけ解約されたことによって損失が発生するのか、そういう合理的な判断で設定しているのだろうと推測されますけれども、どうやって決めているのかまでは私のほうで把握しておりません。

以上でございます。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 2つ質問と1つお願いがあるのですが、質問の1つは6ページのところに電気料金の推移が3つの国で比較してあるのですが、これはいわゆる物価変動指数を補正したものではなくて、単に料金だけの比較をしたものですか。

○海外電力調査会大西主任研究員 名目です。物価変動は考慮に入れていません。

○古賀委員 ほかの例えば公共料金の水道とかガスがそうなのかどうかわからないのですけれども、そういうものと比べても生活財として上昇率に問題があるとか、そのような評価はできるのでしょうか。

○海外電力調査会大西主任研究員 再エネ賦課金等が転嫁されて電気料金が上がっていることについて問題だとする意見もある。だからサーチャージを少なくしようとか、そのような議論はあるのですけれども、結果としてこのように上がってきているので、批判はあってもどう改善したらいいのかというのが欧州でも手探りな状態ではないかと思っています。

○古賀委員 ありがとうございます。

それから、11ページの先ほどのグリーン料金で、2%しか消費者が結局選択しなかったというお話なのですが、もともとグリーン料金を消費者はどれぐらい選択することができたのでしょうか。選択しうる対象としてどれくらいあったかということを教えていただけますか。

○海外電力調査会大西主任研究員 例えば12ページの図を御覧いただければと思うのですけれども、上の図ですが、料金メニューがどのぐらいあったのかという推移を2007年から2010年まで示しておりまして、いわゆる料金のメニューが制限されたのが2013年なので、今の時点でどうなっているのかというのは数字的にないのですけれども、その前は緑の部分、グリーン料金というのは比較的大手小売事業者も出していたし、小規模小売事業者も出していたというところで、選択の余地はなかったわけではないかなと思います。結果的には事業者を変更した人の中でグリーン料金に切りかえたいから変えたという人の割合が少なかったということかなと思います。だから選択がなかったというわけではないと思います。

○古賀委員 それから16ページの比較サイトの傾向というところなのですが、消費者への情報の提供やマーケティング等がアウトバウンド型からインバウンド型に、日本の場合も当然そちらの比重が多くなると思うので、この比較サイトに対するガイドラインというものは非常に重要だと思うのです。イギリスにおける実施規則の詳細な内容というのは御提供していただけますでしょうか。

○海外電力調査会大西主任研究員 原文ということですか。わかりました。それは後ほど。

○古城座長 白山委員、どうぞ。

○白山委員 私は単に勉強不足という観点で、純粋にお伺いしたいということがございます。

まず7ページの米国における新規事業者のシェアということで、イリノイ州とオハイオ州では地方自治体による需要集約制度の導入によってと書いてございますが、この地方自治体による需要集約制度の内容についてお伺いしたいのと、なぜそのような制度が導入されたのかという契機をお伺いしたいのが1点目でございます。

2点目は、19ページのところの苦情処理手続絡みのところでございますが、小売事業者、社内に顧客オンブズマンの設置と書いてあるのですけれども、これは実際、多分なかなかデータがないと思うのですが、顧客オンブズマンに対する件数といいますか、どのぐらいの問い合わせがあったのかとか、オンブズマンの設置というものが各社によって違うのでしょうけれども、どのぐらいの規模の組織体を社内に設置しているのかとか、そういうデータをお持ちであればお伺いしたいのです。

○海外電力調査会大西主任研究員 まず1点目の需要集約制度からお話させていただきますと、これはアメリカで自由化している州で数州程度、数は正確に今、思い出せないのですけれども、7~9州程度で導入されている制度がございまして、その州の中でも多数の地方自治体がありますので、需要集約制度を実際に導入している地方自治体があったり、なかったりと様々でございます。具体的にどういうことかというと、基本的には地方自治体が住民に対して、既存の電力会社から違う電力会社に切りかえるプログラムを構築して、このプログラムに対して参加拒否の意思を表示しない限り、自動的に切り替えていく流れです。参加の意思を示さなかった人を除いては基本的には自動的に切り替わるという制度でございまして、これは2点目とも絡むのですけれども、どのような理由なのかというと、やはり需要家がなかなかスイッチングをしないという事態なので、地方自治体がイニシアチブをとって、このようなプログラムを組んで住民全員で一緒に切り替えようという感じで導入されております。

ただ、これは弊害もあって、実際にみんなで移ったといっても契約期間がございますので、契約期間内に何らかの理由で解約する場合は解約金が取られるということが1つと、みんなで移ったのはいいけれども、契約期間中に他の小売事業者がもしかしたら割安な料金を提示するかもしれないといった場合、このプログラムに乗っかってしまった人は切り替えられないので、もしかしたら切り替えなかったら自分で安い小売事業者を選べたのに選べられなくなったという弊害もありますので、アメリカの中では一概に賛同を得ているわけではないというところがございます。

ただ、もう一つおもしろいのは、地方自治体によっては需要集約制度のプログラムに供給している電力会社を選択する時に、例えば再エネ100%で供給してくれる小売事業者だけが候補になるとか、条件をつけて地方自治体が選ぶというやり方もありまして、そういう意味では地方自治体が再エネをどんどん入れたいというところにも一役買っている。そういうおもしろい制度であります。ただ、いきなりシカゴで数十万軒が一気にがさっと変わることになります。この辺の地域はPGMという独立系統運用者がプール市場で卸市場を運営しているので、小売事業者はぱっとスポット市場から電力調達できる環境がありますので、欧州や日本のように相対契約、内部取引が中心の事業体制の中では、そんな急に多くのお客さんがいきなり変わるということは、物理的に難しいのではないかと個人的には考えております。

苦情処理機関については、社内オンブズマンの話は私は今、データを持ち合わせておりません。申しわけありません。

○古城座長 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 大変貴重な報告ありがとうございました。諸外国それぞれのお国柄を反映した対応がとられているなという違いもいろいろな報告の中でわかりました。1つ、小売事業者の変更理由の11ページの、ここだけは変更理由にとどまっていますから、価格自体がそれぞれどう違ったのかというのが見えてこないので、1つの側面を見るという点で捉えさせていただきましたので、ひょっとしたらグリーン料金はかなり高かったのではないかと考えられます。特に参考にしたいのは苦情処理手続のことや、実際にどのような苦情がたくさん寄せられているかという点は、今後の日本での自由化の中でいろいろなところで参考にしていかなければいけないかなと思います。冒頭、松村委員から言われましたけれども、9つの電力会社が調査会を構成していらっしゃると思いますけれども、これらのせっかくいい研究調査をされていることが国内の電力会社にも十分活用されているというか、そういった苦情処理の実情などが報告されていると思うのですけれども、その辺の活用の度合いというのはどうなのでしょうか。

○海外電力調査会大西主任研究員 正確に申し上げますと、一般社団法人海外電力調査会は、日本の一般電気事業者10社、電源開発、日本原電が会員となって運営されている非営利団体でございまして、調査活動だけでなく途上国に対する協力業務もやってございます。

私はそういう意味で身分を明かしますとプロパーでございます。我々調査部内、確かにプロパー職員と電力会社さんから派遣で来られている若手の社員さんがいまして、その方々と協力し合いながら海外の調査を調べて、基本的にはメンバーカンパニーに海外事例を紹介すると同時に、経済産業省等の役所にも情報提供している。一般的にもこのような場であるとか、できる限り情報提供させていただいております。

個人的には組織自体、中立的な観点から調査を行うということで、別に悪い面、いい面、両方とも紹介していこうというスタンスでやっておりまして、個人的にもそこまで偏っているとは思ってはいないのですけれども、そういう意味では今後ともこのような情報提供というのはさせていただきたいと考えております。

○古城座長 いろいろ皆さんまだ質問したいことがあると思うのですけれども、時間が超過いたしましたので、残念ですけれども、これで終了させていただきたいと思います。

大西主任研究員におかれましては、お忙しい中御出席いただきましてありがとうございました。


≪4.閉会≫

○古城座長 あと事務局から連絡事項はございますか。

○丸山参事官 本日も熱心な御議論ありがとうございました。

今後の専門調査会についてですけれども、座長からお話がありましたように、電力の小売料金全面自由化に関しまして関係者、団体等からヒアリングを続けていきたいと考えております。日程につきましては確定次第、追って御連絡をさせていただきます。

○古城座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)

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