不動産特定共同事業法に基づく小規模不動産特定共同事業に対する意見

2017年8月3日
消費者委員会

不動産特定共同事業法に基づく小規模不動産特定共同事業に対する意見

平成29年7月31日付けで、消費者庁から当委員会に対し、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律(平成29年法律第46号)に基づく小規模不動産特定共同事業に関し、特定商取引に関する法律(以下「特商法」という。)の適用除外の対象とすることについての諮問がなされた。

上記諮問に関しては、特商法の趣旨に鑑み、同事業を特商法の適用除外とすることは妥当であると思料し、平成29年8月1日付けでその旨の答申を行った。

他方で、不動産特定共同事業法に基づく小規模不動産特定共同事業の運用に当たっては、同制度を悪用した消費者被害及び消費者トラブルを防止するために、同法を主管する国土交通省において、関係省庁と連携しつつ、下記の事項について取組を行うことを求める。

  1. 小規模不動産特定共同事業に関し、問題のある事業者が同事業に参入することを防ぐために、国及び都道府県の不動産特定共同事業法を担当する部署は、小規模不動産特定共同事業者の登録・更新時はもとより、それ以外の時期についても継続的に運用実態の把握に努めること。
  2. 小規模不動産特定共同事業の制度について、消費者(投資者)が同制度を十分に理解できるよう周知を図ること。また、こうした投資ファンドの悪用に関する過去の類例を踏まえ、同制度を悪用した投資詐欺等の消費者被害を防止すべく、消費者に対する注意喚起等、適切な対応を行うこと。さらに、消費生活センターに対しても消費者からの相談に対し、適切に助言等の対応ができるよう同制度の周知を行うこと。
  3. 小規模不動産特定共同事業者の行う事業内容について適切に監督を行う観点から、国や都道府県の不動産特定共同事業法の担当部署等は、国民生活センターや消費生活センターと事業者に対する苦情を共有する等の連携を図ること。
  4. 不動産特定共同事業者により、契約成立時の書面等が情報通信の技術を利用して提供された場合において、不動産特定共同事業法第26条第1項の書面による解除(クーリング・オフ)の起算点を明確にし、消費者及び消費生活センターに周知すること。

以上