有料老人ホームの前払金に係る契約の問題に関する建議

2010年12月17日
消費者委員会

有料老人ホーム(注)については、平成18年に改正老人福祉法が施行され、入居者保護の観点から、倒産等の場合に備えた前払金の保全義務化や都道府県の立入検査権の付与等、一定の規制強化が行われた。
しかしながら、その後も、有料老人ホームに関する相談件数は増加の一途をたどっており、昨年度の全国の消費生活センターに寄せられた相談件数は、上記改正老人福祉法が施行される前の平成17年度対比約1.7倍にまで増加している。中でもその8割に「契約・解約」に関する相談が含まれており、家賃や入居一時金等の名目で徴収される前払金の返還金に係る苦情が多いことが明らかになった。
(注)老人福祉法第29条第1項に規定される施設を言う。以下同じ。

他方、
(1) 我が国社会では、今後、高齢化が急速に進展するとされていること、
(2) 有料老人ホーム以外にも高齢者向けの住宅・施設は存在するものの、有料老人ホームの在所者数の伸びが最も大きくなっていること、
(3) 悪質な事業者に関する風評の結果、優良な事業者が良質のサービスを提供しても、それを市場で正当に評価してもらえないとの声が聞かれること
等の事情も踏まえると、有料老人ホームの入居契約における前払金の返還に係る消費者苦情について抜本的な解決を図らなければ、消費者被害がさらに続くだけでなく、市場の健全な発展も見込めないと考えられる。

そこで、消費者委員会は、本年4月以降、厚生労働省、都道府県、関係業界団体及び消費者団体等へのヒアリングを行うと同時に、苦情件数の突出している埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県の4都県(以下「4都県」という。)内の有料老人ホームに関するデータを網羅的に収集・整理する等の調査を実施した。
消費者委員会は、本調査から判明した事実に基づき、厚生労働大臣に対して、次のとおり、消費者庁及び消費者委員会設置法に基づき建議する。
さらに、消費者委員会は、この建議について、厚生労働省に対して、平成23年6月までにその実施状況の報告を求める。

1 短期解約特例制度(いわゆる90日ルール)についての法制化・明確化

(建議事項1)
厚生労働省は、前払金を受領しながら短期解約特例制度(以下「90日ルール」という。)を設けていない事業者が少なからず存在している状況に加え、前払金の返還に関する消費者苦情が絶えないことや都道府県等からの要望も踏まえ、以下の措置を講ずること
○ 90日ルールを設けていない事業者に対して都道府県が適切かつ実効性のある指導等を行うことができるよう、同ルールの法制化等の措置を講ずること
○ 上記法制化等の措置を行うに当たっては、90日ルールの趣旨を逸脱した運営を防止する観点から、(1)契約締結時点で入居可能でない場合の取扱いを定めること、(2)90日以内に契約解除の申出を行えば、同ルールが適用されることを明確にすること、(3)死亡による契約終了の場合にも、同ルールが適用されることを明確にすること、(4)事業者側が返還時に受領することができる利用料等の範囲をより明確化すること

(理由)
○ 有料老人ホームについては、高齢者やその家族等が入居する前に得ている情報と入居した後に得られる情報に大きな格差等が存在するといわれており、その結果、比較的短期間で中途解約に至る場合が少なからず存在する。また、入居後の慣れない環境の下で、要介護度の状態が急速に変化し、短期間で契約を解除せざるを得ない場合などもみられる。

○ こうした状況等を踏まえて、平成18年3月31日に改正された「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」(以下「指導指針」という。)中「9(1)ウ(エ)」において、「契約締結日から概ね90日以内の契約解除の場合については、既受領の一時金の全額を利用者に返還すること。ただし、この場合において、契約解除日までの利用期間に係る利用料及び原状回復のための費用について、適切な範囲で設定し、受領することは差し支えないこと。また、当該費用については、契約書等に明示すること」と規定され、短期解約特例制度、いわゆる90日ルールが設けられている。

○ しかしながら、当委員会の実態調査によれば、4都県内の施設で前払金を受領する方式の合計1,196施設のうち、重要事項説明書において90日ルールの適用に関する規定が確認できないものが 370施設(30.9%)みられた。
さらに、90日ルールに関する規定がある施設について確認したところ、契約解除に当たって「7から90日間」の予告期間を必要とする旨規定していることもあって、90日ルールの適用期間が実質的には90日より短い期間となっているとみられるものが相当数みられるなど、同ルールを明記していながらも上記指針の趣旨とは異なる取扱いの契約内容が規定されている例が多数確認できた。
このほか、下記のような例も散見された。
(例1)90日ルール適用の際に、利用期間に係る利用料に加え、初期償却額(前払金のうち不返還部分)相当額を受領する旨規定しているもの
(例2)前払金を償却日数で割り戻した金額よりも高額な1日当たりの利用料を受領する旨規定しており、返還されない額が過重となっていると考えられるもの

○ また、当委員会の実態調査によれば、90日ルールを適用している施設のうち、入居者が90日以内に死亡した場合の取扱いについて記載があった施設の約4割が、死亡した場合は同ルールを適用しないとしているが、現行の指導指針においても90日以内に解約した場合と死亡した場合とで、返還の基準を区別してはいないほか、そのような区別に合理性を見出すことは困難であるため、死亡による契約終了の場合にも同ルールを適用することが適当である。

○ 実際、全国の消費生活センターに寄せられた苦情をみると、「契約のため、1,100万円を入金して6日後に解約を申し出たが、返金はほとんどないと言われた。」、「契約書には90日以内に解除の場合は全額返金とあるが、2か月で解約したのに施設からは入会金は戻らないと言われた。」、「入居した有料老人ホームの処遇が悪く5日間で退去したが、返還金から2か月分の家賃・管理費を控除された。」等の苦情が寄せられている。

○ 指導指針は地方自治法第245条の4第1項に規定する技術的な助言に該当し、各都道府県では、指導指針とほぼ同様の「有料老人ホーム設置運営指導方針」等と称する指導方針をそれぞれにおいて策定している。
しかし、ヒアリングを行った一部の都道府県からは、90日ルールの導入を拒む事業者に対し行政指導で対応しようとしても、その根拠が指導指針では強制力に欠けることから、90日ルールを法制化することが望ましいとする趣旨の意見が聞かれた。
さらに、一部の事業者団体からは、90日ルールを徹底するには指導指針ではなく老人福祉法に義務規定を置いたうえで、都道府県に対し指導の徹底を要請すべきであるとする趣旨の意見が聞かれた。

○ したがって、厚生労働省は、90日ルールを設けていない事業者に対して都道府県が適切かつ実効性のある措置を講ずることができるよう、例えば、以下のような法制上の規定を設けるなどの措置を講ずることが適当である。

(1) 老人福祉法第29条第9項を以下のように修正(下線部が修正部分)
都道府県知事は、有料老人ホームの設置者が第4項から第6項までの規定に違反したと認めるとき、当該有料老人ホームに入居している者(以下「入居者」という。)の処遇に関し不当な行為をし、又はその運営に関し入居者の利益を害する行為をしたと認める場合として厚生労働省令で定める場合に該当するとき、その他入居者の保護のため必要があると認めるときは、当該設置者に対して、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。

(2) 老人福祉法施行規則に新たに以下のような条項を追加
第○条 法第29条第9項の厚生労働省令で定める場合は、次のとおりとする。
一 有料老人ホームの入居に係る契約において、契約締結日から90日以内に入居者から契約解除の申出がなされた場合又は入居者の死亡により契約が終了した場合に、有料老人ホームの設置者が入居者から受領した前払金(法第29条第6項で有料老人ホームの設置者が受領する前払金をいう。)の全額から、契約締結日から契約終了日又は居室明渡日のいずれか遅い日までの期間に係る家賃又は施設の利用料、介護、食事の提供及びその他の日常生活上必要な便宜の供与の対価として収受する費用並びに原状回復のための費用(以下本条において「家賃等」という。)の合計額を超える金額を控除して、返還する場合
二 前号に定める家賃等の算定方法が合理性を欠くものである場合
三 第一号において、控除する家賃等の金額又はその算定方法を入居に係る契約書等にあらかじめ明示しない場合
四 その他都道府県知事が、有料老人ホームの設置者が入居者の処遇に関し不当な行為をし、又はその運営に関し入居者の利益を害する行為をしたと認める場合
2 前項第一号において、入居者が有料老人ホームの入居に係る契約締結後直ちに入居することができない場合には、「契約締結日」を「入居日」と読み替えるものとする。

○ さらに、上記条項の追加に加え、事業者側が返還時に受領することができる利用料等が消費者にとって過重なものとならないよう、実費相当額に制限するなど、指導指針において、その範囲をより明確化しておくことが適当である。

○ なお、前払金のうち不返還となっている部分(初期償却)については、消費者契約法等との関連で問題である等の見解があり、実際に苦情等も寄せられていることから、適格消費者団体等は、事業者に対してその改善を申し入れるとともに、国に対しても改善を図るよう強く要望等を行っているところである。
この点、当委員会の今回の調査では、有料老人ホームの経営実態等については対象としていなかったこと、初期償却の法的位置づけ等についても様々な意見があり、十分な検討を要することもあって、今回は建議の対象としなかった。
ただし、前払金に係る消費者苦情を抜本的に解決するためには、初期償却の問題についても徹底的に議論されるべきであると考える。
(有料老人ホームの契約に関する実態調査報告 P16からP19、P22からP26、P31からP32 参照)

2 前払金の保全措置の徹底

(建議事項2)
厚生労働省は、老人福祉法第29条第6項の規定に違反して、前払金の保全措置を講じていない事業者が相当数存在している状況を踏まえ、保全措置義務の実効性を確保する観点から、直罰規定の導入など所要の措置を講ずるとともに、併せて都道府県に対し適正かつ効果的な指導等を行うことを要請すること

(理由)
○ 改正老人福祉法の施行の際、入居者保護の観点から、有料老人ホームの設置者に対し、家賃や入居一時金等の名目で前払金として一括して受領する場合、当該前払金の算定の基礎を書面で明示し、かつ、当該前払金について必要な保全措置を講ずることを新たに義務付けている(老人福祉法第29条第6項)。
なお、前払金の保全義務については、原則として平成18年4月1日以降に届け出た有料老人ホームに対して適用されるものであり、それ以前から事業を開始し、届け出ている有料老人ホームについては努力義務とされている(老人福祉法附則(平成17年6月29日法律第77号)第17条第2項及び同法施行規則附則第3項並びに指導指針)

○ 前払金の保全方法(老人福祉法施行規則第20条の10)については、「厚生労働大臣が定める有料老人ホームの設置者等が講ずべき措置」(平成18年3月31日厚生労働省告示第266号)において、次の5つのいずれかの措置を講ずることとされている。
(1) 銀行等との連帯保証委託契約
(2) 指定格付機関による特定格付が付与された親会社との連帯保証委託契約
(3) 保険事業者との保証保険契約
(4) 信託会社等(信託会社及び信託業務を行う金融機関)との信託契約
(5) 高齢者の福祉の増進に寄与することを目的として設立された一般社団法人又は一般財団法人との間の保全のための契約で前記(1)から(4)に準ずるものとして都道府県知事が認めるもの(例えば、社団法人全国有料老人ホーム協会の入居者基金制度が該当)

○ 保全措置義務違反に対する罰則は間接罰(注)であり、違反があった場合には、一次的には都道府県知事による改善命令(老人福祉法第29条第9項)があり、当該命令に違反した者に罰則(6月以下の懲役又は50万円以下の罰金)が科されている(老人福祉法第39条)。
(注)「間接罰」とは、違法行為に対し、まず、行政指導や行政命令を行った上で、行政命令等への違反があった場合に、それを理由として適用される罰則をいう。これに対し、違法行為に対し、即時に適用される罰則を「直接罰」といい、その規定を「直罰規定」という。

○ しかしながら、当委員会の実態調査によれば、4都県内で平成18年4月1日以降に事業を開始したとする519施設のうち、重要事項説明書において保全措置なしとしているものが137施設(26.4%)保全措置ありとしながら「銀行へ定期預金」、「専用口座にて管理」等告示で定められた方法以外の措置を講じているものが11施設(2.1%)みられるなど、前払金の保全措置義務に違反しているとみられる事業者が計148施設(28.5%)あることが確認できた。

○ 都道府県では、既に事業を開始している事業者に対しては、入居者保護の観点から改善命令等の行政処分を行うことは事実上困難であるとして、ヒアリングを行った一部の都道府県からは、行政処分前置の間接罰則規定では違反事業者に対する抑止力にはなり得ないので、実効性を担保するためには直罰化等の規制の強化についても視野に入れて検討すべきであるとする趣旨の意見が聞かれた。加えて、割賦販売法などの他法令においても、前受金等の保全措置について行政処分のほかに直罰規定を設けている例がみられる。

○ 実際、全国の消費生活センターに寄せられた苦情をみると、「契約書では、前払金について退所後3か月後に返金とあるが、ホームからは待って欲しいと言われたが、その後、約束は果たされていない。」、「ホームから、前払金について資金繰りが厳しいとのことで、4か月たっても返金されない。」とか、「退所後1年半たっても返金されない。」等の苦情が目立っている。

○ したがって、厚生労働省は、
(1) 指導に応じない事業者に対し、都道府県が適切かつ実効性のある指導を行うための裏付けとして、保全措置義務違反については直罰化するなどの措置を講ずるとともに、
(2) 都道府県に対し、有料老人ホームの設置者が事業を開始する前の段階において、保全措置状況の確認及び是正を指導することを徹底させるなど、適正かつ効果的な指導等を行うことを要請すること

など、保全措置義務の実効性を確保するための所要の措置を講ずることが適当である。
(有料老人ホームの契約に関する実態調査報告 P20からP21、P27からP30 参照)

3 その他規定の明確化等

(建議事項3)
厚生労働省は、指導指針等の規定が徹底されていない事業者が少なからず存在している状況に加え、前払金の返還に関する消費者苦情が絶えないことも踏まえ、以下の観点から消費者苦情を解決するための対策を検討し、改善の措置を講ずること
○ 指導指針では、前払金の償却年数は平均余命を勘案し決められていることと規定されているが、入居時の年齢や要介護の程度等に関係なく一定に決められている例が相当数みられることから、償却年数が入居後の平均余命等を踏まえた相応のものとなるよう一定のひな型を設けるなどにより、当該規定の実効性を確保すること
○ 老人福祉法第29条第6項では、前払金の算定基礎を書面で明示することが義務づけられているが、指導指針において定める内容が明確性を欠くこと等もあって、事業者側が返還時に受領することができる利用料等を明示していない例、具体的な記載となっていない例、保全措置に関する記載が確認できない例が多数みられることから、都道府県に対し指導の徹底を要請するとともに、指導指針又は施行規則で記載すべき事項等を明確に規定するなど所要の措置を講ずること
○ 消費者が有料老人ホームとの入居契約を行う前に、自らの健康状態や財産等を踏まえて、有料老人ホーム以外の施設とも比較して入居施設を選択するために必要な情報を入手したり、個別に相談を行ったりすることができるように公的な仕組みを整備(既存の公的機関の活用も含む。)すること

(理由)
○ 改正老人福祉法の施行の際、入居者保護の観点から、有料老人ホームの設置者に対し、重要事項説明書の交付(老人福祉法第29条第5項)及び前払金の算定基礎を書面で明示(老人福祉法第29条第6項)することを新たに義務付けている。
また、償却年数については、指導指針において平均余命を勘案し決められていることと規定している。

○ しかしながら、当委員会の実態調査によれば、4都県内で前払金を受領する1,196施設のうち、年齢により償却期間等の設定を変えているものは398施設(33.3%)であり、残り798施設(66.7%)においては一定期間の設定又は部屋のグレードや支払いプランによる料金体系となっている。
さらに、前払金を年単位で償却する契約としているものが44施設(3.7%)みられ、その結果、例えば、入居期間が1年1か月で解約した場合であっても2年分が償却されることとなるなど、消費者にとって著しい不利益を強いられる例もみられた。

○ また、90日ルールに関する規定がある826施設について確認したところ、重要事項説明書において明示すべき事項が明確でないこと等から、事業者側が返還時に受領することができる利用料等を明示していない例が72施設(8.7%)、明示されていても日割計算の際の1日当たり利用料の額や計算式等の具体的・詳細な記載がないものが496施設(60.0%)みられた。
このほか、前述のとおり保全措置に関する記載がないものが34施設(2.8%)散見された。

○ 実際、ある事業者団体からは、償却年数のひな型を設けるのであれば、平均余命は入居者の要介護の程度によっても大きく左右されるものであり、重度の要介護者を中心に受け入れる施設と自立者が中心となる施設とで、それぞれ別に償却年数のひな型を設けることが望ましいとする趣旨の意見が聞かれた。

○ 他方、別の事業者団体からは、有料老人ホームに係る相談件数が増えている背景として、消費生活センターなど契約後に問題が生じてから消費者が駆け込む窓口は存在するものの、高齢者自身が自らの健康状態や資産状態等を踏まえて、有料老人ホーム以外の施設とも比較して適切に判断するために必要な情報を入手することができたり、個別に相談を行ったりすることができるようにするための公的な窓口が十分に整備されていないことが問題であるとする意見も聞かれた。

○ 実際、高齢者のための住まい・施設は、多種多様にわたり、その制度や根拠法令もそれぞれ異なるほか、各施設の入居に関する契約内容も詳細にわたる。高齢者及びその家族がこれらの内容を正確に理解することは困難であるものとみられる。したがって、消費者に対して、高齢者向けの住まい・施設に関する中立的な情報提供を行ったり、個別に相談に応じたりすることができる公的な仕組みを整備する必要性は高いと考えられる。

○ したがって、厚生労働省は、
(1) 償却年数が入居後の平均余命等を踏まえた相応かつ合理的なものとなるよう、償却年数に係る一定のひな型を設けるなどの措置を講ずること
(2) 指導指針で定める内容が明確性を欠くこと等もあって、重要事項説明書の記載内容に差異がある等の実態を踏まえ、指導指針の規定の明確化を図ることに加え、特に重要な事項については、老人福祉法施行規則等において明確に規定すること
(3) 消費者が有料老人ホームとの入居契約を行う前に、自らの健康状態や財産等を踏まえて、有料老人ホーム以外の施設とも比較して適切に判断するために必要な情報を入手したり、個別に相談を行ったりすることができるようにするための公的な仕組みを整備(既存の公的機関の活用も含む。)すること

など、消費者苦情を解決するための対策を検討し、改善を図るための措置を講ずることが適当である。
(有料老人ホームの契約に関する実態調査報告 P14からP17、P31から33 参照)

建議の概要

  1. 短期解約特例制度(いわゆる90日ルール)についての法制化・明確化
  2. 前払金の保全措置の徹底(直罰規定の導入、都道府県に対する効果的な指導等の要請)
  3. その他規定の明確化等(指導指針の規定の実効性の確保・明確化、消費者が情報入手・相談できる公的な仕組みの整備)

主な成果

  • 老人福祉法において、有料老人ホームの短期解約特例制度を導入する内容の改正法案が成立(2012年4月施行)。
  • 各都道府県担当部局長あてに、短期解約特例の未導入・前払金保全義務の不履行の問題について、報告徴収等による実態把握、改善命令を視野に入れた指導徹底を求める内容の通知を発出(2011年1月)。