消費者団体ほか関係団体との意見交換会でいただいた主なご意見についての考え方

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2013年4月9日
消費者委員会

 本年2月から3月にかけて計3回にわたって行われた消費者団体ほか関係団体との意見交換会でいただいたご意見については、今後の活動の参考にさせていただきます。なお、参加団体(※)から重ねてご指摘があった課題についての、委員会としての考え方は下記のとおりです。なお、意見交換会の議事録を消費者委員会のホームページに掲載しておりますので、あわせてご参照いただければ幸いです。


(※)意見交換会参加団体(11団体)

○2月12日(火)
全国消費者行政ウォッチねっと、公益社団法人全国消費生活相談員協会、全国消費者団体連絡会、公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
○2月26日(火)
消費者支援ネット北海道、埼玉消費者被害をなくす会、消費者ネット広島、消費者支援機構福岡、大分県消費者問題ネットワーク
○3月12日(火)
消費者関連専門家会議、日本経済団体連合会


1.委員会の検討テーマについて
  • 一般の消費者とって身近で、分かりやすい検討テーマを取り上げるべき。
  • 消費者等からの意見・要望書等の内容や関係団体との意見交換の結果をどのように委員会活動に活かしているのかを明らかにするべき
  • 検討テーマの優先順位付けや重点化を図るべき。
  • 消費者委員会はその発足以降、さまざまな消費者問題について積極的に調査審議を行い、建議・提言等を行ってきました。第2次の委員会となってから行った建議・提言等のテーマを見ても、エステ・美容医療に関するトラブル、公共料金問題、健康食品の表示や電気通信事業者の販売勧誘方法のあり方等、消費者にとって身近かつ具体的な課題を取り上げてきました。
  • 消費者委員会は、「消費者の意見が直接届く透明性の高い仕組み」であることが求められています。このため、検討テーマを選定するに当たっては、消費生活相談の動向や消費者被害の発生状況、消費者等からの意見・要望書等の内容、関係団体との意見交換や地方消費者委員会、有識者からのヒアリングの結果等、幅広い情報を基にして取り組むべき課題を決定しております。また、委員会に寄せられた意見・要望書等の一覧や、消費者団体や事業者団体等との意見交換会の場でいただいた主なご意見に対する考え方については、定期的に委員会においてご紹介したり、委員会のホームページに掲載したりしてきているところです。
  • 消費者委員会でどのような検討テーマに優先的に取り組むかは非常に重要な課題であり、委員間で上記のような情報を踏まえて重点的に議論をしてきております。消費者行政には課題が山積しており、また、委員会でないと対応できないような問題も多いため、かなり広範なテーマを扱わざるを得ない面もありますが、消費者の利益を擁護・増進する上での重要な課題について、着実に成果をあげられるよう、十分に留意してまいります。同様に、消費者基本計画の検証・評価についても、重点施策を中心に行っております。

2.委員会の情報発信力の強化について
  • 建議・提言等のとりまとめに当たっては、委員会としての主張を明確に打ち出すべき。
  • 委員会活動や建議・提言等の成果等についての情報提供・広報を強化すべき。
  • 調査審議の透明性を向上すべき。
  • 消費者委員会の建議・提言等については、取り上げた課題ができる限り迅速かつ効果的に解決できるかを常に注視するとともに、その結果のフォローアップを行うことを通じて拡充を図っております。委員会は今後とも独立した第三者機関として自ら調査審議を行い、消費者庁を含む関係省庁の消費者行政全般に対して、積極的に意見表明を行っていきます。
  • 消費者委員会の活動や建議・提言等の成果の情報提供・広報の強化は、これまでの意見交換会等でも度々ご指摘をいただいてきており、委員会としても大きな課題であると認識しています。委員会の建議・提言等のフォローアップ結果については、建議・提言事項とそれに対して関係省庁がどのような対応を行ったかを一覧表にしています。ホームページ上にバナーを設置し、最新の情報がわかるように随時更新をしておりますので、ご確認いただければと思います。また、ホームページの充実や委員長記者会見の定例化、雑誌への寄稿等を通じて情報提供・広報の強化を図ってきているところですが、引き続きその充実を図ってまいります。
  • 消費者委員会とその下部組織等については、一部を除き会議や議事録等を公開しています。また、委員会としての関心事項や審議スケジュール等についても、委員長の定例記者会見や委員会ホームページのトップへの掲載等を通じて、可能な限り明示いたします。なお、ご指摘をいただいた「消費者契約法に関する調査作業チーム」については、昨年9月開催分より詳細な議事要旨を公開しています。「委員間打合せ」の概要についても、より詳しくご紹介するよう努めます。

3.委員会事務局体制の強化について
  • 事務局体制の充実・強化を図るべき。できない原因は何か?
  • 下部組織で検討を行う際には、消費者(団体)や事業者(団体)等、幅広い分野からメンバーを選定するべき。
  • 多岐にわたる消費者行政の課題を消費者の視点から分析し、委員会での調査審議をサポートするための事務局体制の強化は、消費者委員会立ち上げ時から一貫した最重要課題です。政府全体として厳しい財政状況の中で、大幅な人員増を短期間に実現することは極めて困難でありますが、事務局体制の充実・強化のための取組を行ってきた結果、定員については設立当初の2人から現在は11人となっております。これ以外にも民間の多様な専門分野における人材を任期付職員や非常勤職員等として任用し、委員会活動を支える体制を整備してきています。委員会事務局としては厳しい財政状況の中で奔走しているところですが、消費者団体ほか関係団体の皆様からも一層のご支援をお願いいたします。
  • 下部組織で検討を行う際には、学識経験者等のほかに、消費者(団体)や事業者(団体)等の幅広い分野からメンバーとしてご参加をいただいています。なお、ご指摘をいただいた「消費者契約法に関する調査作業チーム」については、消費者委員会において本格的な調査審議を行いうる体制が整うまでの間、論点整理や選択肢の検討等の事前準備を行うという観点から、学識経験者や法律実務家を中心としたメンバー構成としたものであり、今後、委員会に置いて本格的な調査審議を行う際には、消費者(団体)や事業者(団体)等の幅広い分野からメンバーとしてご参加をいただくことになるものと考えています。

4.他の機関・団体との連携について
  • 消費者庁、国民生活センターとの連携強化を図るべき(情報共有、審議会機能、地方での取組等)。
  • 消費者(団体)、事業者(団体)等との連携強化を図るべき。
  • 消費者庁、消費者委員会、国民生活センターの3機関は、それぞれの持ち味(機能)を活かし、良い意味での緊張関係と連携関係をもとに、消費者問題に取り組むことが重要であると考えています。すでに、国民生活センターが収集・分析する相談情報の動向につき定期的に情報共有・意見交換を行い、委員会の調査審議に積極的に活用したうえで、建議・提言等に反映しています。今後も国民生活センターが有する問題意識を、委員会としてもより一層共有できるよう、連携を強化していきます。
  • また、消費者委員会が担う「審議会機能」の運営に当たっては、消費者庁との連携・協力や役割分担を図ることが有効かつ効率的であると考えます。「公共料金等専門調査会」等の運営はこのような考え方に基づき行っていますが、今後、他の分野でもこのような連携・協力関係を広げていきたいと考えています。
  • さらに、消費者庁と消費者委員会が行う地方での取組(地方消費者グループフォーラムや地方消費者委員会等)については、有効かつ効率的に行うために、開催時期や開催場所が重複しないように事前に調整しているほか、相互に出席者を派遣し、情報提供を行う等、連携・協力を図りながら実施しています。
  • 消費者委員会の活動において消費者(団体)、事業者(団体)等との連携は極めて重要であり、委員会におけるヒアリングへの出席、意見交換会の実施、地方消費者委員会への参加等をお願いすること通じて、連携・協力関係を強化していくことが重要であると考えています。また、委員会では地元の自治体や消費者団体等のご要請に応じて、委員を講演会等のイベントに派遣することも行っています。その際、委員への謝金や交通費の負担は不要です。ぜひ、お声かけをお待ちしています。

5.その他(個別課題に関する検討要請等)
  • 地方消費者行政の活性化に向けた検討を継続するべき。
  • 適格消費者団体への財政面を含めた支援のあり方について検討するべき。
  • 企業の社会的責任の普及・促進するための議論を行うべき。
  • 集団的消費者被害回復に係る訴訟制度案や消費者の財産被害に係る行政手法の検討、消費者契約法の見直しに際しては、健全な事業活動を委縮させ、経済成長へ悪影響を生じさせないように留意すべき。
  • 地方消費者行政については、第1次、第2次の消費者委員会でそれぞれ建議を行ってきたところです。また、本年3月末から専門調査会を開催し、地方消費者行政が中期的に目指すべき姿の明確化や、それを実現するための支援策のあり方等について検討した上で、本年夏を目途に一定のとりまとめを行う予定としています。
  • 消費者全体の利益擁護のために差止請求権を適切に行使することが求められている適格消費者団体は、消費者政策の推進において重要な位置づけを占めています。消費者委員会としても、各地において適格消費者団体の設立を促し、これらの団体が差止請求関係業務を着実に行うための基盤整備を支援することは極めて重要な課題であると認識しており、引き続き財政面を含めた効果的な支援のあり方について検討を行ってまいります。
  • 悪質な事業者を排除して公正かつ信頼できる市場を形成することは、消費者と健全な事業者の双方に利益をもたらすほか、経済の活性化にも資するものです。消費者委員会としては、消費者と事業者の間でWin-Winの関係を構築するため、消費者保護ための基本的なルール作りや事業者の活動の適正化、消費者教育等に関する調査審議を通じて、政府をはじめとする関係者の取組を後押ししてまいります。その際には、消費者委員会やその下部組織において、事業者、消費者団体、学識経験者等、幅広い意見を代表する方々にご参加いただき、十分な議論を積み重ねることが重要であります。このような取組を通じて透明で予見可能性の高い仕組みを構築することにより、健全な事業活動の委縮といった問題は避けられるものと考えます。なお、ご指摘のとおり、中小企業等に対する周知や情報提供の強化は重要な課題であり、委員会としても政府全体のさらなる取組を期待します。

以上