第283回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2018年8月23日(木)16:00~16:51

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    高委員長、池本委員長代理、大森委員、長田委員、樋口委員、増田委員
    (高委員長の「高」は、正しくは「はしごだか」)
  • 【説明者】
    総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課大塚企画官、総務省総合通信基盤局電気通信事業部担当者
  • 【事務局】
    黒木事務局長、福島審議官、坂田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. モバイル市場の公正競争促進に関する取組について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○高委員長 それでは、時間になりましたので「消費者委員会第283回本会議」を開催させていただきます。

お忙しいところ御参集いただきまして、ありがとうございます。

本日は、蟹瀬委員、鹿野委員、山本委員、受田委員が御欠席となっております。

それでは、最初に、配付資料の確認につきまして、事務局よりお願いいたします。

○坂田参事官 議事次第に配付資料一覧を記載しております。

もし不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますよう、お願いいたします。

よろしゅうございますでしょうか。


≪2.モバイル市場の公正競争促進に関する取組について≫

○高委員長 本日の議題は「モバイル市場の公正競争促進に関する取組について」でございます。

携帯電話、インターネットサービス市場がますます拡大する中、サービスメニューの多様化、複雑化により、消費者保護の必要性はますます高まっており、消費者基本計画工程表の検証・評価・監視の観点から昨年11月に開催しました第261回委員会におきまして、電気通信事業法に基づく消費者保護ルールの実施状況のモニタリング結果について、総務省にヒアリングを行いました。その結果、法令遵守に関し判明した不適切な事例については、既に一定の取組が行われていることが分かりましたが、一方で、料金プランの説明、解約時の手続などに関する消費者からの苦情が寄せられているということでございました。

その後、総務省においては、モバイル市場におけるMVNOを含めた事業者間の公正な競争を更に促進し、利用者のニーズに応じた多様なサービスの提供や料金の低廉化を通じた利用者利益の向上を図るための施策について検討を行うため、昨年12月に検討会を立ち上げ、本年4月に、ネットワーク提供条件の同等性確保、中古端末の国内流通促進、利用者の自由なサービス・端末選択の促進の観点から検討された報告書が取りまとめられたということでございます。

また、6月には、公正取引委員会から「携帯電話市場における競争政策上の課題について」が公表されております。

本日は、総務省において検討されました報告書の内容について総務省より御説明をいただきまして、意見交換を行いたく思います。

本日は、総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課大塚企画官においでいただいております。お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

それでは、恐縮でございますけれども、20分程度で御説明をお願いいたします。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課大塚企画官 委員長、ありがとうございます。

本日は、こうした貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。お手元の資料1「モバイル市場の公正競争促進に関する取組について」に基づきまして、この取組につきまして御紹介させていただきます。今、委員長から言及いただきました検討会の報告書本体につきましても、資料2として添付させていただいておりますけれども、概要につきましては、今、申し上げました資料1にございますので、こちらで進めさせていただきます。

資料1の1ページをお開きいただければと存じます。まず前提といたしまして、モバイル市場の競争状況をこちらに掲げさせていただいてございます。モバイル市場、大きく言いますと、プレーヤーとして、中ほどの図表の左側にあります大手携帯電話事業者3社、これらが合わせてシェアで9割ほどの売上を占めております。これに対して、こういった3社からネットワークを借り受けてサービスを提供していらっしゃる事業者をMVNOと呼びますけれども、こういった事業者方が売上で見てシェアの10%強を占めているという姿になってございます。

総務省としまして、こういった大手の事業者、それから大手の事業者からネットワークの貸出しを受けてサービスを提供するMVNO、こういった方々の競争を促進することによって、一番下にございますように、利用者が多様なサービスを低廉な料金で利用できるようにするという取組をこれまでも行ってきたところでございます。

具体的には、2ページが、昨年12月から今年4月にかけて開催させていただきました検討会でございます。趣旨は、今ほど申し上げましたとおり、MVNOを含めました事業者間の公正な競争を更に促進し、もって利用者の需要に応じた多様なサービスの提供、料金の低廉化を通じた利用者利益の向上を図るための方策について検討を行うというものでございます。

その中で、3ページにございますとおり、先ほど申しました大手の事業者、MVNOの皆様、携帯の契約あるいは端末の販売に関わっていらっしゃいます全国携帯電話販売代理店協会の皆様、中古端末の販売に関わっていらっしゃる方々、それからもちろん消費者団体の2団体の方々から御意見を伺いながら、現在のモバイル市場における課題を俎上に載せまして、それに対する取組を御検討いただいたところでございます。

具体的な内容を4ページに掲げてございます。柱立てにつきましては、今ほど委員長から御紹介を頂戴いたしましたとおり、オレンジ色、緑色、青色と3つに色分けしてございます。これらが大きな柱でございます。順番に、ネットワーク提供条件の同等性確保、中古端末の国内流通の促進、利用者の自由なサービス・端末選択の促進という3つでございます。

これらにつきまして、その中に幾つかの項目がございまして、これらの項目についてそれぞれ検討して方向性を示していったというのが、この12月から4月までの検討会の内容でございます。少し細かくなる事項もございますけれども、それぞれの内容を簡単に次のページから御紹介させていただきたいと考えてございます。

5ページをお開きいただければと存じます。まず1つ目の柱のネットワーク提供条件の同等性確保に関する取組でございます。こちらは消費者の方々に直接関係するものではなく、冒頭申し上げましたとおり、大手事業者とMVNOとの関係に関するものということでございますけれども、5ページの上に3つの項目を掲げてございます。グループ内外へのネットワーク提供条件を透明化、適正化していくという取組でございます。

1つ目の項目でございますけれども、MNOのサービス提供に係る料金とコストの関係、それから、MNOのグループ内の「ミルク補給」というものを検証していくと。これはMNOの中で最近、サブブランドと呼ばれるようなサービス、従来のサービスより安価なサービスを提供していらっしゃる会社、あるいはグループ内で別会社としてMVNOのサービスを行っている会社が出ていらっしゃっています。そういった会社とその他のMVNOの方々との間の競争環境をしっかり整えるという観点から、MNOが提供されている安価なサービスがコスト割れで行われていることがないのかという関心が生じたところでございます。また、MNOのグループの中で関連のMVNOに対して金銭的な補助が行われることによって安価なサービスが実現し、それによってMVNO間の競争を損なうような形になっていないかという問題意識があったところでございます。

2つ目として、ネットワーク提供条件に関する接続のルールを検討。3つ目として、MVNOというのはMNOのネットワークを借り受けてサービスを提供していらっしゃるわけですが、その際にMNOがトラヒックを不当に差別的に取り扱うことがないということを確保したいという観点から、これについては省令改正に向けて、今、審議会で御議論をいただいているところでございます。

引き続きまして、6ページでございますが、大手の事業者とMVNOとの間の取引関係。MVNOは、ネットワークを借り受けるに当たり接続料を支払っていらっしゃいます。この料金水準でございますが、中ほどのグラフにありますとおり、今までトラヒック増などを踏まえまして、低廉化が進んできたところでございます。また、トラヒック増など、併せまして、総務省で接続料算定の適正化に取り組んでございます。このグラフでありますと、2つ青字に白抜きで書いてございますけれども、MNOが資本を調達するときのコストが接続料の算定に当たって一つの要素となってくるわけでございますが、この調達コストを計算するに当たっての方法をより厳格に定める、あるいは2016年のところに書いてございますけれども、MNOがグループ内の他企業と共用するような設備があるときの接続料の算定の仕方について適正化するというような、算定方法の適正化を行ってまいりまして、こういった取組の結果、MVNOが支払う接続料が御覧のとおりの低減を示しているということになってございます。

引き続きまして、7ページでございます。この辺りから消費者の方々が直接接せられる課題となってまいります。7ページにつきましては、事業者間移転の円滑化に関する課題でございます。事業者間移転、モバイルのナンバーポータビリティー、MNPと呼んでいる制度がございますが、現在、大手の事業者3社のうち、ウェブでの転出手続を行っていらっしゃるグループは1社しかなく、残り2社については、電話あるいは店頭等での受付のみ行っているという姿になってございます。利用者、消費者が転出手続を取るということで、移転元の事業者に接触を試みますと、その際に引止めが行われることがあると聞いてございます。これにつきまして、引き止めの機会なく速やかに解約、移転の手続を取りたいという消費者もいらっしゃると考えてございまして、こういった方々に引止め機会のない手続を保障するという観点から、現在ウェブ手続を提供していない事業者におかれても、ウェブでのナンバーポータビリティーの手続ができるような措置をとっていただきたいという形でガイドラインを改正すべく、今、手続を行っているところでございます。

引き続きまして、8ページをお願いいたします。MNOの迷惑メールフィルタ設定における同等性という課題でございます。MNOが提供しておりますメールサービスにおいてフィルタという設定をかけますと、MNOのユーザーから届くメールについてはフィルタに掛からずに利用者のお手元に届くことになっておりますけれども、MVNOのユーザーあるいは他のフリーアドレス等から来るメールについては、このフィルタに掛かってしまうという状況になってございます。これにつきまして、どういった基準でフィルタに掛かる設定になっているのか、どういうセキュリティーの基準を満たせばフィルタを通過させることになっているのかということを、MNOからMVNOの方々に情報提供していただきたい。それによって、その条件を満たすように設定を変えることをMVNOが選択されるのであれば、こういったメールの疎通が柔軟に行えるようになるという観点から、この情報の提供を行うよう、行政指導という形でMNOに要請させていただいているところでございます。

以上が3つの柱のうちの1つ目でございまして、続きまして、2つ目の中古端末の国内流通の促進という項目について御説明させていただきます。9ページでございますが、中古端末の国内流通の関係者を模式図に表わしたものでございます。具体的な項目については上に掲げてございますが、MNOによる中古端末の国内流通制限を禁止するというガイドラインの改正を予定しております。具体的に申しますと、MNOが今、利用者から中古端末を下取りするということを行っていらっしゃいますけれども、下取られた端末は、この模式図で言いますと一番上にございます仲介事業者に販売されます。その際に、仲介事業者がその次に販売する先をMNOが指図していると、国内で販売しないようにというようなことを言っていらっしゃったと疑われる例がございます。これにつきまして、MNOによる国内販売の制限を行わないようにという内容をガイドラインで定めるものでございます。これも今、手続を行っているところでございます。

2点目でございますが、最近新聞記事でも御紹介いただいてございますが、MNOによる中古端末のSIMロック解除の実施を確保するためのガイドラインの改正という手続を行ってございます。SIMロックの解除をMNOによって進めていただくという取組を総務省で進めてございますけれども、従来は通信サービスの契約者、もともとその端末を買った方からの請求に対して、MNOはSIMロックを解除するという形態をとってございました。それに対して今回、ガイドラインの改正によりまして、中古端末を譲り受けた方、あるいは中古端末の取り扱い業者からのSIMロック解除の請求に対しても、MNOは応答いただくことを考えてございます。

3点目でございますが、中古端末の国内流通促進に向けまして、例えば盗品が適正に排除される、あるいは個人情報が適正に消去されるというような手順をしっかり確認すべく、そういった手順等について定めるガイドライン等の作成が関係の団体で進められております。この取組を総務省として後押しするということを開始してございます。

具体的に申しますと、10ページ、中古端末の普及促進に向けて、リユースモバイル関連ガイドライン検討会というものを関係の団体の方々が立ち上げていらっしゃいます。7月6日に立ち上げがなされてございますが、こちらの団体が秋ごろに向けて、先ほど申し上げました盗品の排除、あるいは個人情報の適正な消去というような取組を行っていらっしゃいまして、総務省としてもこの取組にオブザーバーとして参加しているところでございます。

引き続きまして、3つの柱のうちの最後、3本目の柱でございますが、利用者の自由なサービス・端末選択の促進ということにつきまして、幾つか御紹介をさせていただきます。

まず、11ページをお願いいたします。利用者の利用期間拘束についてでございます。いわゆる2年縛りというものがございまして、2年間の期間拘束の契約をしますと、2か月間は無料で解約ができる時期があって、その後、特に手続を取らなければ自動的にこの2年契約が更新されるというのが現状の事業者が採っていらっしゃる料金プランとなってございます。この料金プラン、期間拘束につきまして、少なくとも現状において契約満了時点までの違約金、あるいは25か月目の料金のいずれも支払わない解約をMNOによって実現していただきたいということを要請しております。

今、どういったことになっているかと申しますと、2年契約について、24か月目の途中で解約することになりますと、まだ2年が完全には経過していないということで9,500円の違約金が発生してしまいます。逆に24か月を超えて25か月目に入りますと、違約金は発生しないのですが、25か月目の通信サービス料が発生してしまう。少なくともこの点について是正ができないかということで、まずはこの点についての是正を求めるという行政指導を行っておりまして、これにつきましては大手3社から、現在、無料解約月が25か月目、26か月目にございますけれども、これを24か月目に延長する方向で検討するという御回答をいただいているところでございます。

引き続きまして、12ページがいわゆる4年縛りというものでございます。11ページで御紹介しました2年縛りは、通信サービスの契約に関するものでございますけれども、4年縛りというのは端末の販売のプログラムに関するものでございます。どういったものかと申しますと、下の模式図にイメージを掲げてございますけれども、端末の販売を48回、48か月払いの割賦で組むというものでございます。ちょうど24か月を経過したところより後において、この端末を下取りに出して、再度同じプログラムに入る場合には、もともと48回割賦で組みました割賦の残債、最大で48か月のうちの24か月ということですので半分になるわけですが、この免除を受けられる。下取りと再度のプログラムの加入を満たしている場合には残債の免除を受けられるという内容のプログラムでございました。

こちらにつきまして、代表的なものは昨年の7月、9月に提供が開始されたところでございますけれども、この残債免除等の条件につきまして、十分に説明が行われていないのではないかという御指摘が多々寄せられてございましたので、こちらにつきましてしっかりと説明を行っていただくという内容の取組を総務省で行ってございます。また、いわゆる4年縛りにつきましては、公正取引委員会からも御指摘があったと承知してございまして、この4年縛りを行っていらっしゃるKDDI、ソフトバンクの両社において、残債の免除を受ける際の条件として、再度のプログラム加入という部分について見直す方向であるということを発表されていると承知してございます。

引き続きまして、13ページをお願いいたします。こちらはスマートフォンのデータ通信でございますけれども、実際の使用量と契約している容量との間にかなり開きがある例があるということが総務省で得ている情報で確認できております。これにつきまして、下に模式図を掲げてございますけれども、現状において、実際の利用ということで1ギガ、2ギガしか使っていない方が約半数いらっしゃるわけでございますけれども、契約のデータ量を見ますと、もっと大きな契約に偏っているという姿になっておりまして、実際のデータ使用量と契約量との間に差があるということになってございます。これにつきまして、実際のデータの利用実績に基づいて料金プランを勧めるという取組を行っていただきたいという内容の行政指導を6月6日に総務省から大手携帯電話会社3社に行っているところでございます。

最後になりますが、14ページをお願いいたします。端末販売価格の実質的指示の禁止という内容でございます。端末の行き過ぎた値引きに関しましては、端末奨励金の適正化ということで総務省はこれまでも取り組んできたところでございます。ただ、端末につきましては、大手事業者が直接消費者に販売されているものもあるのですが、大部分は大手の事業者が販売店に卸販売をして、販売店が小売をするという姿になってございます。大手の携帯事業者に対して、先ほどの端末奨励金の適正化ということで一定のガイドラインによる規律をかけさせていただいているわけでございますけれども、これを潜脱する形で、代理店、販売店の独自の施策であるという態をとって、実質的には大手事業者が販売店に販売価格を指示しているという例が今回見られました。こういったものについて、実質的な販売価格の指示をして、行き過ぎた値引きを行うことは、このガイドラインに反するものであるということをガイドラインの改正によって明確にするというのが今回のこの取組となってございます。これにつきましても、ガイドライン改正の手続を進めてございまして、間もなくガイドライン改正を確定させるという方向で取り組んでいるところでございます。

以上、項目として非常に多岐に渡る内容、細かい内容も含みますが、我々といたしまして取り組んでいる内容につきまして御紹介させていただきました。ありがとうございました。

○高委員長 ありがとうございました。

ただいま、モバイル市場の公正競争促進に関する取組をまとめました報告書の内容について御説明いただきました。御意見、御質問のある方は、どうぞ御発言ください。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 2年縛り、4年縛りのことなのですけれども、十分な説明をすると言われても、十分な説明をされてもなかなか一般の消費者は分かりにくいと思うのです。しかも、私たちが料金を払うときには通信サービスと端末の価格とを一緒に払っているような格好になっているので、通信サービスが2年縛りで端末の販売が4年縛りという時期がずれていると、永遠にタイミングを上手に解約出来ないというか、機種を変えたりするタイミングを見つけるのが非常に難しいのではないかと思うのです。

1年を2年に延ばすとかいう話ではなくて、契約が切れた時点、契約が満期になった時点でどうされますかと聞いてほしいなと思います。このまま継続するかどうかと。でないと、なかなか、これは2年だ、これは4年だと、端末のこととか通信のこととか、普通の消費者は日々生活に追われているので、ずっとそればかり集中して待ち構えていられません。自動的に継続するのではなくて、満了になった時点でどうするか決めさせてほしいということと、2年と4年でずれているのはやめてほしいなと思います。いつでもやめたいと思ったらやめられる、継続したいと思ったら継続できるというような、自由な選択ができるようにしてもらわないと、公正な競争の促進にはならないのではないかと思います。

○高委員長 2点あるのでしょうか。2年縛りと4年縛りの両方があることで解約しにくくなると。もう一点は、契約満了になったときに会社側からその案内があっても良いのではないかという御意見がありましたが、いかがでしょうか。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課大塚企画官 大森先生、ありがとうございます。

2年縛り、4年縛り、あるいは今、様々な固定であるとか、あるいは電力等々とのセットの割引もございまして、そういった点を併せて提供がされていると、なかなか思ったときに解約しにくいという現状があることは承知してございます。今のところそれらについて、期間をそろえなければいけないという規律を設けているわけではございませんけれども、いろいろなセット割引等もありますので、どういった形で取り組んでいくのが適切かということは考えてまいりたいと思ってございます。

もう一つ、利用者の方は実際にいつが解約時期なのか待ち構えているわけではないという御指摘をいただきました。これは全く御指摘のとおりだと思ってございまして、現状において、11ページで説明させていただきましたとおり、この2年縛りというのは、利用者側でアクションを取らなければ自動更新になってしまうわけですが、こちらにつきましては総務省で以前取組を行っておりまして、更新時期が到来したことを利用者の方にしっかりと通知していただくということを事業者にお願いしておりまして、事業者から通知を行っていただいております。それがどれだけ分かりやすいか、公正取引委員会が先般開催された研究会においては、そういった通知に気づいていないという方の声もあったという御指摘をいただいてございますけれども、これについても状況を見て取り組んでまいりたいと思います。

○高委員長 通知は、携帯を通じての通知ということですね。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課大塚企画官 はい。SMSであるのか、メールであるのか、そういった手段を通じての通知ということになっております。

○高委員長 よろしいですか。

他はございますか。

増田委員、どうぞ。

○増田委員 ギガ数の件なのですけれども、最近、いろいろ選択ができて良くなったなと思っています。私も変えたところなのですけれども、中にはまだまだ変えていない方もいらっしゃいます。ほとんどネットを使わなっていないのに大きいギガ数の契約をしていることに最近気がついたという方もいらっしゃると思うのです。これは一人一人の契約者の実績とか契約内容を確認して通知するのですよね。それはすごく大変な作業だとは思うのですけれども、是非やっていただければ良いなと思うのと、今後は、やはりその方の生活実態に合わせた契約をお勧めしていただかなくてはいけないと思います。機種にしてもどういうレベルの機種をお勧めするのか、それから、通信契約もその方がパソコンがあるのかとか、お勤めしているのかとか、そのようなことも含めてのお勧めをしていただきたいと思います。一部されているとは思うのですけれども、今までされていないことがあったからこそ合っていないものを使っているのだろうと思いますので、是非それは実行していただく。それが消費者自身の理解につながっていくのだろうと思いますので、お願いしたいと思います。

○高委員長 ありがとうございます。

今、御指摘の点は、3番目の利用者の自由なサービス・端末選択の促進策の中の一つに既に入っている話ですね。それに加えて、例えば機種の選択などの説明もあって良いのではないかと。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課大塚企画官 ありがとうございます。

内容としましては、資料の13ページに関係するところだと思ってございます。今、増田先生から御指摘いただきましたとおり、昨今、もともとはデータの容量は5ギガプランであるとか、20ギガプランであるとか特定の大きさのものを購入するスタイルが主流でございましたけれども、各社、新しいプランを導入しておられまして、多段階型と申しますか、実際に使った分、大きく使えばより払う額は多いわけですけれども、そういう意味でかい離が生じないようなプランを作られています。場合によっては、思ったよりも使ってしまうということがあるのかもしれませんので、その点については注意する必要があると思ってございますけれども、かい離という点からは、この取組は前進であろうと考えてございます。

もう一つ、実態に合わせて料金プランを勧めていくということにつきましては、契約時点において多くのMNOは、もちろんウェブでの加入もできるわけでありますけれども、店舗においてやりとりをされることが主流であろうと思っています。その際にフェイス・トゥ・フェイスで、こういう場合にはこういう料金プランがありますと説明を行っていらっしゃると思っていますが、この検討会では、実際に契約したときではなくて、その後の利用実績、思ったほど使わないとか、思ったより使うということがあって、それに対しての手当てができていないのではないかという御指摘がありましたので、どれぐらい使いそうだなという契約時点だけではなくて、その後の実際の利用実績を踏まえて勧めていただくということを今回、お願いさせていただいているところでございます。

先生から今いただいた御指摘ということですと、端末も含めての案内でありますとか、そういったところについてはまだ手当てができていないところでありますので、そこは一つの課題として考えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

○高委員長 ありがとうございます。

池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。

今回の検討会、比較的短期間に集中的に、しかも多岐に渡る論点を積極的に検討し、提言にまとめられていると受け止めています。この資料で言いますと、4ページの概要の一番下に「アウトプットに関して、フォローアップのための体制を立ち上げ。公正取引委員会等との連携を図る」と書いてありますが、最も注目するのは、これが実効性を持って実施されているかどうかをどういう形でフォローアップし、どのぐらいのスパン、期間でそれを検証していくのかというところ、あるいはそれをどう公表していただけるのかというところに関心があるのですが、その点はいかがでしょうか。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課大塚企画官 ありがとうございます。

4ページ下ほどに「アウトプットに関して、フォローアップのための体制を立ち上げ。公正取引委員会等との連携を図る」と記載させていただきました。こちらにつきまして、今、報告書の提言を受けまして、例えばガイドラインの改正等々を申し上げましたけれども、総務省としてアクションをとっているものもございます。それから、総務省から既に要請を差し上げて、事業者において取組が始まる、あるいは取組の方針を示されたというようなものもございます。時期につきましては、例えばSIMロックの解除等々の場合であれば、店舗において手続を取るわけですけれども、その手続が取れるような体制をシステム改修して整える必要があると聞いてございまして、これはそれなりに時間が掛かります。具体的に申しますと、中古端末についてSIMロックを解除していただくというものを掲げてございますけれども、これの実現時期については来年の7月という案で、今、パブリックコメントをかけさせていただいてございますが、事業者に聞き取りを行いますと、システム改修のタイミングを見るとこのぐらいの時期になるのではないかということを受けて、こういった時期を設定させていただいてございます。

実現の時期についてはかなり幅があるものでございますけれども、それぞれいつまでに実現をするということ、例えばガイドライン等で総務省が示させていただいておりますので、この時期までに実現するということはしっかりフォローアップさせていただきたいと思ってございます。

前後いたしますが、体制といたしましては、速やかに総務省で行政指導をさせていただいているものもありますし、ガイドラインの改正も間もなく行われるところでございますので、それほど時間をかけることなく行いたいと思ってございまして、実は本日、総務省として情報通信審議会に諮問をしてございます。モバイルの関係だけではないのですけれども、電気通信分野のルールについて包括的な検証を総務省で諮問してございまして、この中でモバイルについての検討も行っていただくことを考えてございます。この一環として、4月までに行いましたモバイルの検討会についてのフォローアップも併せて行わせていただくという方向で考えてございますので、そこはしっかり行っていきたいと考えてございます。

また、公正取引委員会等との連携というのも書かせていただいてございまして、この資料では公正取引委員会のみを書かせていただいてございますけれども、公正取引委員会と消費者庁との連携を考えてございます。今月であったと思いますけれども、事務方での連絡会を既に立ち上げさせていただいてございまして、関係する省庁と連携をしながら取り組んでまいりたいと考えてございます。

○高委員長 どうぞ。

○池本委員長代理 ありがとうございます。

それぞれの課題についても順次着手していくということは具体的に進めていただくということですが、特にそういう中身を、毎年消費者基本計画工程表を作るときに、いつごろまでにどの課題を実施する、あるいはある時点で検証するというような作業スケジュールが見える形で、例えば今度の年度末とか、そういうところでまた示していただければ、第三者から見てもそれが本当に実効性を持って実施されたかどうかというのを確認しやすいので、是非工夫していただきたいと思います。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課大塚企画官 分かりました。

○高委員長 ありがとうございます。

他はございますでしょうか。

長田委員、どうぞ。

○長田委員 私どもの団体もヒアリングでは意見を述べさせていただきました。そのとき申し上げました1つは、2年縛りの自動更新をする意味についてというか、するなという話で、2年間拘束したらもう後は自由にさせてほしい。確かに2年間終わった後に拘束されないものがあるのですけれども、高くなるのですね。それはおかしいだろうと。契約をするために掛かったコストは既に2年間で回収されているはずで、前に総務省で開かれた自動更新に関する検討でもそこは指摘されていたと思います。また今いろいろな指摘、もうけ過ぎという指摘もいっぱい出ているところ、ここは是非次の検討では勝ち取っていただきたいなと思っています。

それから、データを余り使わない人へのプランがいろいろ出てきているのですけれども、なぜか端末にまた制限があったりとか、幾つかそういうことで提供されているものもあるのではないかと思って見ておりまして、もうちょっと本当にユーザーのニーズに合わせたシンプルなプランを検討させる仕組みを考えていただきたいなと思っています。

以上です。

○高委員長 お答えいただいてもよろしいですか。11ページのところですね。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課大塚企画官 ありがとうございます。

11ページについて、この検討会のヒアリングにおいて長田先生から御指摘いただいたところを十分認識してございますが、結果としまして、今回、2年の自動更新について、これが禁止される形にはなってございません。

今、先生から、差があるということを御指摘いただきましたけれども、具体的に言いますと、11ページのKDDI、ソフトバンクのところでございます。分かりやすいようにドコモと比較いたしますと、ドコモについては2年が過ぎまして、自動更新があるものについては引き続き2,700円。それから、その後、期間拘束がないプランについても2,700円という形で差がないものになってございます。ただ、これについては、ポイントでの特典等に差があるということは聞いてございます。

一方で、KDDI、ソフトバンクについては下ほどにございますけれども、2,700円のプランで行きまして、一番の下の辺りになりますけれども、自動更新があるものは2,700円、期間拘束がないものについては4,200円、あるいは更に2年経過後に自動更新なく止められるというものであっても3,000円という形で3つの選択肢があるという姿になってございまして、料金に差があるということになっております。

これにつきましても、この差を少しでも小さくできないかという検討を行政指導といいますか、要請という形でさせていただいてございます。この点については、事業者それぞれの考えでは理由があると、それぞれのコストを計算して適正なものであると考えているという答えを今のところいただいているところでございますけれども、この辺りについては利用者の方々からも大きな声をいただいているところでありますので、検証の中でしっかり、この期間拘束の在り方を良く考えていきたいと思っております。

○高委員長 どうぞ。

○長田委員 ドコモの場合も利用年数割引のところに影響がありまして、契約は続いているのに、そこに差別化があるというのはやはりすごく大きいのです。同じドコモの契約として続いているのに、自動更新だと割引が継続される。でも、期間拘束なしになるとそれが無くなる。だから、差は実はある。現実、あるというのはあると思いますので、まだまだ甘いのではないかと思っています。

○高委員長 今の御指摘のところは、ドコモは期間拘束なし2,700円となっているのだけれども、実は更に安いプランもあるという説明ですか。

○長田委員 結局、上の更新をした場合と違う金額になる。

○高委員長 ポイント以外にもあるということですか。

○長田委員 はい。

○高委員長 ただ、この説明でいえば、ドコモの取組が一番進んでいるのですね。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課大塚企画官 ありがとうございます。

3社の中ではドコモが相対的には進んでいるということだと思っておりますが、今、長田先生から御指摘いただきましたのは、同じ金額であるけれども、ポイントの他に長期割引というのをドコモは実施されていますけれども、そういうところで差が出てくるので、同じ金額といっても差はあるということを御指摘いただいたものだと思っております。

○高委員長 分かりました。

ここの資料の説明は、まだこれも時間を掛けながら、行政指導でもってできるだけ改善していくということですね。既に6月6日に行政指導が行われているけれども、今後、引き続き改善を求めていくという意味の説明ですね、この資料は。これで決着したというわけではないのですね。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課大塚企画官 11ページの箱の中に書いてございますのは、先ほど申し上げた無料の解約月、この表でありますとピンク色が連続している中で更新月2か月というところだけ白抜きになってございます。ここについては9,500円の違約金が掛からずに更新できる時期であるわけですけれども、これが先ほど申し上げた、ややこしいのですが、24か月目にやめる場合は違約金が掛かり、25か月目にやめる場合は25か月目の料金を払わなければいけない。そこについては改善を行政指導しておりまして、これについては改善をすると回答いただいているところでございます。

一方で、先ほど長田先生から御指摘いただきました幾つかのプランがある中で料金に差があるではないかという問題につきましては、KDDI、ソフトバンクに対して改善の余地はないのかという検討を依頼してございますが、先ほど申し上げたとおり、一旦、事業者の回答としては、これらについては正当性があると考えているという回答をいただいたところでございます。ただ、これについては、御指摘があるところだと思っておりますので、今後、このフォローアップの中でどういった取組があるのかしっかり考えてまいりたいと思います。

○高委員長 ありがとうございます。

他はよろしいですか。

いろいろな問題のある業界の公正競争を促すための取組課題がいろいろある中で、この報告書をうまくまとめてくださったと思っております。当然、まとめると同時に、その中身についてもいろいろな進展があるなとの印象を持ちました。4ページのところに一覧がございまして、3つの柱を立てていただいて、最初にネットワーク提供条件の同等性確保。その中身を見ると4つほどあって、例えばミルク補給のところについては検証していくとしております。接続料金の算定に関しては、全体として改善がみられているけれども、今後も注視していくという説明をいただき、事業者間移転については、ガイドラインの改正案を今策定中で意見を求めていると。迷惑メールうんぬんというのがございましたけれども、これについても基準の同質化に向けて行政指導を既に行っているという御説明でした。

それから、2番目の中古端末の流通促進というところを見ますと3つほどありまして、流通制限の禁止ということで、これは明確にガイドラインを改正した上でやられるのでしょうけれども、業務改善命令の対象にするという御説明があって、それから、SIMロックの解除についてもガイドラインの改正を予定しているとしておりました。取引市場形成に向けては、新しい検討会を立ち上げて、自主的にフレームワークを作っていこうとされている。

最後のところは、利用者の自由なサービス・端末選択の促進という柱を立てておられますけれども、そこは主に3つ取組があって、利用期間拘束、先ほどいろいろ声がありましたが、2年縛り、4年縛りの話がありました。これも行政指導を実施して、今後も改善していくと。一遍に変えることはなかなか難しいかと思いますけれども、そういう動きがあることがはっきりと分かりました。それから、利用実績に合わせたサービスの選択というところで、委員からもいろいろ意見があって、先ほどいただいた回答は更にその先に進んでいるなとの印象を受けました。実際に契約をするときだけではなくて、利用されている状況を見て、その後に利用者にプランの変更などをお勧めすることもできるのではないか、こういうことに取り組んでおられるということでございました。最後のMNOからの値引きに関する指示については、これも明確に業務改善命令の対象にすると説明されております。したがいまして、全体的には、相当動いているなという印象を受けました。

ただ、課題もこれだけ山積している業界だと思っておりまして、先ほど池本委員長代理からもありましたけれども、結局、最後のところでアウトプットがどうなっていくのかと。そのためにはフォローアップの体制を立ち上げて、今後、公正取引委員会、消費者庁等と連携しながら進めていかれるということで、私どもも非常に重要な分野だと思っておりますので、今後も注視していきたいと思っております。

それでは、本日は、詳しい説明をいただきまして、誠にありがとうございました。御退席いただいてよろしいかと思います。どうぞ。

(総務省退室)


≪3.閉会≫

○高委員長 本日の議題は以上となります。

最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いいたします。

○坂田参事官 次回の本会議は、日程が決まり次第委員会ホームページにおいてお知らせをいたします。

以上です。

○高委員長 ありがとうございました。

それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところを御参集いただきまして、ありがとうございました。

(以上)