第261回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2017年11月24日(金)13:30~15:34

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    高委員長、池本委員長代理、受田委員、大森委員、長田委員、樋口委員、増田委員、山本委員
    (高委員長の「高」は正しくははしごだか)
  • 【説明者】
    総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長
    総務省総合通信基盤局電気通信事業部担当者
    消費者庁赤崎食品表示企画課長
    消費者庁阿部食品表示対策室長
  • 【事務局】
    黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 電気通信事業法に基づく消費者保護ルールの実施状況について
  3. 食品表示制度の理解、周知に係る取組状況について
  4. その他
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○高委員長 定刻になりましたので、ただいまから「消費者委員会第261回本会議」を開催いたします。

本日は、皆様、お忙しいところを御参集いただきまして、ありがとうございます。

委員会では鹿野委員と蟹瀬委員が御欠席となります。

それでは、配付資料の確認につきまして、事務局より確認をお願いいたします。

○丸山参事官 お手元の議事次第の下部に配付資料一覧を記載しております。資料1から資料2-1から2-4、参考資料となっております。もし不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますようよろしくお願いいたします。


≪2.電気通信事業法に基づく消費者保護ルールの実施状況について≫

○高委員長 最初の議題は「電気通信事業法に基づく消費者保護ルールの実施状況について」でございます。

携帯電話、インターネットサービス市場がますます拡大する中、サービスメニューの多様化、複雑化により、消費者保護の必要性はますます高まっております。

総務省においては、電気通信事業法に基づく消費者保護ルールの実効性確保のため、販売現場における利用者への説明の実施状況などについて確認するための実地調査を行い、その結果を踏まえ、調査対象の各伝記通信事業者に対し、必要な改善を求める指導を行ったということでございます。本日はその電気通信事業法に基づく消費者保護ルールの実施状況のモニタリングの結果についてヒアリングを行い、意見交換を行いたく思います。

総務省におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、取りまとめ結果の概要につきまして、20分程度で御説明をお願いいたします。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 総務省消費者行政第一課長の徳光と申します。よろしくお願い申し上げます。

本日は御説明の機会を頂戴いたしまして、大変ありがとうございます。早速ですけれども、資料1に基づきまして、簡単に御説明差し上げたいと思っております。

1ページ、御案内のとおり、消費者保護ルールを充実・強化する改正電気通信事業法が昨年の5月に施行されております。改正内容は、説明義務の充実、契約書面交付義務、初期契約解除制度の導入等々でございます。この改正後の法執行を適切に実施して、制度の実効性を確保するためということで、実施状況のモニタリングを継続的に実施することにしております。総務省及び関係者から成るモニタリング定期会合というものも開催しておりまして、消費者保護ルールの実施状況について、改善すべき点や、優良事例も含めて共有・検討・評価し、事業者の自主的取組を促進させる。あるいは、必要に応じて制度の見直しをしていくというようなことに取り組んでいるところでございます。

28年度につきましては、1ページの表に記載されている流れのとおり、各種調査を行いまして、2月3日には中間報告、そして、6月22日に評価・総括ということで、取りまとめを行っているところでございます。

2ページ、モニタリング定期会合の構成員、オブザーバーでございますけれども、割愛させていただきます。

4ページ、モニタリングの対象・方法ということであります。まず、苦情等傾向分析ということでございますけれども、総務省及び全国の消費生活センターで受け付けたPIO-NETの苦情相談の総件数を把握するということとともに、その内容を共通の項目により分類・整理するということでございまして、具体的には、サービス種類、あるいは発生チャンネル、発生要因、発生時期などの項目を設定して整理してございます。なお、苦情相談の全数を調査することはリソースの関係もありまして困難でございますので、3分の1を無作為抽出して実施したというところでございます。

それから、定期調査ということで、まずは書面等調査ということで、業務の運用方法や書面の記載状況について、事業者から書面で回答を得て検証するというものでございます。

それから、実地調査。調査員が利用者に扮して説明や応対を受けて販売現場の実態を確認するという、いわゆる覆面調査というものであります。そして、これを補足する利用者アンケートを行っております。これらをそれぞれ右の表に記載してありますとおり実施しておりまして、特に28年度はMNO、FTTHを重点的に実施、調査したというところでございます。

5ページ、苦情相談の全体状況であります。まず、その件数の推移でございます。苦情相談件数というのは、近年右肩上がりで増加しておりましたけれども、右の表のとおり、PIO-NET、そして、総務省、いずれも28年度は27年度と比較して減少しており、総計では4.9%減少となっております。そして、今回、苦情分析として、昨年の1月から今年の3月分についてサービス別の分類・整理等を実施したというところでございます。そうして見てみますと、下の左のところですが、本年1月から3月分は、昨年の1月から3月分と比較して、FTTHサービスは6%増加ということになっておりまして、昨年1年間でみると一定程度減少しているけれども、この調査期間の足元では増加しているというところであります。他方、ISPサービスについては35%減少、MNOサービスは14%減少、MVNOサービスは70%増加ということになっております。

右のところですが、去年の7月から今年の3月分までのサービス別分類内訳であります。FTTHが一番多くて、MNO、MVNO、ISPに続くという状況であります。なお、これらの苦情分析結果も踏まえながら、FTTH、MVNOの特定の事業者に対して、個別に行政指導も実施しているところでございます。

6ページ、苦情相談の内容等であります。(1)苦情相談の要因となった販路または応対場所等についてでありますけれども、MNOサービスについては、これは御覧のとおり店舗が一番多くて50%近いというところ、FTTHサービスについては、電話勧誘が半分以上の53.1%を占めているというところ、MVNOサービスについては、店舗が一番多くて4分の1を占めますが、それに続いて通信販売となっております。

下の(2)の主な苦情の発生要因と苦情内容の例でありますが、MNOサービスにつきましては一番多いのが通信料金等の説明不足に起因するものということで、勧められてタブレットを購入したけれども、通信料金が思ったより高くなることに気づいた、解約したいといったようなもの。あるいは2番目の発生要因としましては、申告者の認識との不一致に起因するもの、3番目、誤案内・案内不足に起因するものといった形で続きます。

FTTHサービスにつきましては、事業者への信用度への不安に起因するものが一番多くなっておりまして、大手通信事業者を名乗る代理店から不審な電話勧誘を受けたが大丈夫か。そして、契約先事業者についての説明不足に起因するものということで、大手電話事業者と思って契約したが違っていた、それから、通信料金等の説明不足に起因するものといった形で続きます。

また、MVNOサービスにつきましては、申告者の認識・ニーズとの不一致に起因するものということで、機器が故障したので修理を依頼したが保証外と言われた、手持ちの端末でSIMカードが利用できなかった、通信速度が遅く使いづらいといったもの、あるいは、解約条件等の説明不足に起因するもの、また、事業者の信用度への不安に起因するものといった形で続きます。そうしてみますと、MNOとは違うMVNOサービスに特徴的なもの多く寄せられているのかなというところでございます。

7ページ、各種調査結果等でございます。ここからは特に文字が小さくて大変恐縮ですが、ポイントを追って説明させていただきます。まず(1)説明書面・契約書面の記載状況の確認結果というところであります。MNOにつきましては、対象3社全社で、法令上の明確な問題は認められなかったということでございます。他方、FTTH、MVNO、CATVサービスにつきましては、一部記載不備等が判明し、これについては改善指導等を実施したところでございます。

(2)実地調査な主な結果でありますけれども、これは覆面調査結果、そして、これを補足するアンケート結果でございまして、特に全体的に実施状況が悪かった事項は次のとおりということで、8ページを御覧いただきたいと思います。

MNO、FTTH共通としては、料金プランについて、期間拘束・自動更新つきプラン、いわゆる2年縛りプランと言われるものですが、これ以外の選択肢の紹介が全くなかった例が多くあったということでございます。一方、「cf」と書いていますけれども、利用実態等に応じたデータ通信容量の料金プランの紹介、あるいは複数のデータ通信容量の料金プラン紹介の実施状況については、良かったという結果になっております。それから、その期間拘束・自動更新の仕組みが適切に説明されなかった例、あるいはマル3でありますけれども、解約時の費用について個別の解約費用の十分な説明がなかった例。また、マル4確認措置、これは初期契約解除制度に代えて電波状況が不十分な場合、説明が不十分であった場合等に端末も含めて解約できる代替的措置でありますが、この確認措置や初期契約解除制度について適切に説明されなかった例ということであります。その他、マル5マル6マル7マル8マル9とあります。マル7の実際に使用する者が申込者自身であるかどうかの確認というのは、これは青少年インターネット環境整備法では、利用者が18歳未満の場合に、保護者が不要の申出をしない限り、フィルタリングサービスの利用を条件に提供することが義務付けられておりますので、その関係でございます。

9ページ、運用面の改善事項についてであります。今、申し上げました実地調査の関係では、当然のことながら、各調査対象事業者においては、特に実施状況が悪い事項、その他の実地調査結果を踏まえた履行の徹底が必要ということでございます。(2)確認措置関係でございますけれども、各社の運用状況を検証したところ、NTTドコモにおいては、利用者から契約書面の記載に基づき確認措置の解約を申し出る旨の表明がなければ、その適用をしないこととするといったことなど不適切な運用が認められたというところでございまして、抜本的な改善が必要と指摘したところでございます。これら(1)(2)については第3回の会合後、6月28日に改めて総務省から行政指導を実施しているところでございます。

(3)は、中間報告時にその時点の苦情分析の結果なども踏まえまして、改善・検討事項ということで、各社に検討を依頼したものでございます。具体的には、下に書いておりますが、一つ目は、総支払い額(合計金額)の明示・交付ということでございまして、これは通信サービスの料金やオプションの料金、あるいは初期費用について、それぞれ個々に説明するだけではなく、結果として合計金額がどのぐらいの見込みになるのかということも明示して、これを記載した説明書面等を交付する運用を基本とするようにすべきといったようなものであります。

また、料金の請求情報に関する通知ということでは、電子メールでの利用者への連絡が可能な場合は、利用者が不要としない限り、デフォルトでその通知を行う運用を基本とすべきといったものでございます。

10ページ、解約時の諸費用の一括での明示・交付というのは、総支払い額の明示・交付と同様のものでございます。それから、オプションサービスの無料期間前のそれをお知らせする通知というもの、また、契約書面の様式の適正化ということ。

FTTHサービスにつきましては、まず「転用」に係る不利益の説明ということで、これはNTTのFTTHサービスから乗り換えようとする利用者に対しては、乗換え後にまた元サービスへの復帰ということになりますと「電話番号が変更となる」あるいは「費用が掛かる」といった不利益が発生する可能性があることを、利用者に適切に伝えるようにすべきということでございます。これは特に各社横断的な話でもございますので、業界団体でも検討するようにということを依頼したものであります。

また、電話勧誘における説明としては、契約先事業者に関する説明の改めての徹底のほか、説明内容の後確認ということで、代理店による電話勧誘により新規の契約を結ぶ場合は、電気通信事業者自らの責任による後確認の実施を基本とするというようにすべきであるということ。また、代理店に対する監督措置の実施の方法についても指摘しております。これらにつきましては、中間報告後の6月22日時点で各社実施済み、または実施予定であるとの報告を受けておりますが、今後とも必要なフォローアップはしていきたいと考えております。

また、一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会から、改善策ということで次の4項目が挙げられております。説明前の問診表の導入、契約前の料金シミュレーション、高齢者対応の見直し、録音による対応品質の向上といったものを検討しているという説明がありました。これらにつきましては、現在検討が進められているところでございますけれども、引き続き関係事業者が当該検討に積極的に協力していくとともに、行政も必要に応じて検討を行っていくことが適当であると言及しているところでございます。

11ページ、制度面における対応ということでありますが、これら指摘事項について、その継続的な実施と調査対象外事業者による実施の観点から、我々がおります消費者保護ルールガイドラインにおいて、基本的に実施が適切である事項等として明記することが適当としておりまして、この9月1日にパブリックコメントを経てガイドラインを改正したところであります。

優良な点についてというところであります。運用面の優良事例ということであります。マル動画による事前説明、これはNTTドコモが昨年11月から実施しているものですが、ショップでの待ち時間にお客様に対して、タブレットで御契約に当たっての注意事項ということで、動画でポイントを御覧いただくというものでございます。あるいは、マル2簡易な帳票の交付というのは、契約書面の電子交付を選択された利用者に対しても、その理解を助けるために、料金等の基本的事項について2枚程度にまとめたものを併せて交付するといった取組であります。また、マル3販売員に対する毎日のテストというのは、接客用のタブレットに毎朝販売員がログインすることになりますが、その際に日替わりで何問かのテストを実施するといったようなものでございます、マル2マル3はいずれもソフトバンクが行ってございます。FTTHはこちらに書いてあるとおりです。

(2)の販売現場での説明・応対の関係ですが、覆面調査では、説明が分かりやすかった、応対態度に好感が持てたといった肯定的なコメントも半分近く寄せられておりました。また、利用者アンケートでも応対態度がとても親切、または親切だったという回答も半分近くありましたので、これらを挙げているというところでございます。

最後に12ページ、その他ということで、今後の留意点等をまとめております。

MNOに関しては、苦情等の総量については、1月から3月は去年の同期と比べると相当程度減少していますが、絶対数としては依然として高い水準であり、各事業者及び関係業界団体においては、必要な改善を実施していくとともに、継続的な運用状況を注視し、適時見直しを行っていくことが求められるといったこと。

FTTHにつきましては、苦情等の総量は平成28年度を通じては減少したと考えられるが、他方で、直近では増加しており、各事業者においては、継続的に運用状況を注視し、適時見直しを行っていくことが求められる。特に取組を進めるに当たっては、特に電話勧誘販売に留意する必要があるといったこと。

その他、業界団体の(一社)テレコムサービス協会の関係委員会では、光卸を利用したFTTHサービスの説明・勧誘の在り方について検討が進められているところであり、引き続き取り組んでいくことが期待されるといったこと。

さらに、一番下ですが、総務省においては、従前から、電話勧誘を受けた際の留意点について消費者向けに周知を行っているのですけれども、本年春に改めてリーフレットを3万部作成して周知を図っているところでございます。また、引き続き個別の疑い事案があれば調査等を行い、対応していくものであるといったことを言及しております。

13ページ、MVNOでございますけれども、MVNOサービスの普及が急速に拡大しつつあり、苦情等の総量も増加しているところであり、各事業者においては、今回の苦情等分析の結果を受け止め、継続的に運用状況を注視し、適時見直しを行っていくことが求められるといったこと。それと、(一社)テレコムサービス協会MVNO委員会という業界団体がありますけれども、この委員会が国民生活センターからの報道発表を踏まえ、また、総務省からの要請を受けてMVNOサービス利用に当たっての注意点等を記載したチェックリストを作成し、発表し、周知を図っているところでございます。引き続き、各事業者においても、こうした注意点等の利用者への周知等を行うことにより、消費者保護を充実・向上させていく必要があると考えられるといったことを言及しております。

また、CATVサービス、分離型ISPサービスに関しましては、CATVサービスについては苦情等の絶対数が少なく、また、ISPサービスについては苦情等の総量が昨年同期と比較して35%減少してはいますけれども、引き続き各事業者においては運用状況を注視し、適時見直しを行っていくことが求められるといったようなことに言及しております。

14ページ、先ほど言及しました総務省で今年の4月に改めて周知のために作成したリーフレットを付けております。

15ページ、これも先ほど言及しましたけれども、(一社)テレコムサービス協会のMVNO委員会が作成しました「MVNOサービスの利用を考えている方へのご注意とアドバイス」という利用者向けのチェックポイントを添付しております。詳細については割愛させていただきます。

16ページ、ガイドラインの改定の概要ですので、これも割愛させていただきます。

最後に17ページ、今年度のモニタリングについてでございます。10月12日にパブリックコメントを経て調査計画も策定しておりますが、概要を申し上げますと、マル1苦情等傾向分析ということで、これは当然昨年度に続けて実施していくということであります。また、マル2実地調査等ということに関しましても、MNO、FTTHについては、引き続き、定点観測として実施します。さらに、今年はMVNOについても新たに実施するということ、また、優良事例の発掘も引き続き実施ということです。そして、マル3改善事項等のフォローアップもしていくということでございます。スケジュール的には下の表のとおりでございます。

以上、簡単でございますけれども、説明とさせていただきます。ありがとうございました。

○高委員長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの説明に関しまして、御質問、御意見がございましたら、どうぞ。

私から1つよろしいですか。教えてもらいたいのですけれども、先ほどの資料を見ていきまして、基本的に7ページ目、MNOのところは「法令上の明確な問題は認められなかった」という説明で総括されておりますが、8ページ目以降を見ていくと結構いろいろな問題が多いのだなと思うのです。消費者保護という観点から考えると、法律上の問題はなかったのかもしれませんが、もうちょっと改善があってもよろしいのではないか。例えば8ページのマル1マル2マル3マル4、全部そうですね。パーセンテージをみるとMNOのところはいずれも50%を超えるような数値で、これは余り問題だとは認識されていないのですか。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 正に問題だと認識しておるところです。したがって、8ページにこの覆面調査に基づく実際の口頭での説明状況について書いておりますけれども、こうした点を踏まえまして行政指導しております。

他方、7ページは、いわゆる説明の書面や、あるいは契約書面には、法律に基づき、記載すべきことを定めていますが、それらについては最低限きっちり書けていたというところでございます。

○高委員長 ありがとうございました。書面上の問題ということですね。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 そういうことでございます。

○高委員長 もう一点、10ページのMNOのところで、オプションサービスの無料期間の終了前の通知という話があるのですが、これは難しいのでしょうけれども、恐らくメールか何かで案内が来るわけですね。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 そういうことでございます。

○高委員長 逆も考えるということはあり得ないのですか。自動的に期間が終了したらそこで終わる、継続をする人だけが返事をする仕組みであれば、何かいろいろ難しい議論があるのでしょうけれども、その辺りの議論はあったのですか。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 今回の会合では、明示的には議論はなかったですけれども、一つのやり方としてそういったことも有り得るということは、過去の検討会でも指摘されているというところでございます。その状況なども見ながら、あるいはメリット、デメリットはどういうところであるのかということも踏まえて考えていく必要があるかなと思っております。

○高委員長 委員の方、どうでしょうか。

長田委員、お願いします。

○長田委員 最後の今の御指摘のところは、当然議論はありました。ただ、サービスを継続するのに必ずその行為を起こさなければいけないということが、むしろユーザーの不便になるのだという御主張側に負けた形でそれはそうなってしまったということなのだと思うのですけれども、決して何も意見がなかったわけではないと。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 本日ご説明したモニタリング定期会合というところでは、先ほど申し上げたとおりなのですけれども、過去のICTサービス安心・安全研究会という会合の中で、そうした議論があったというのは、長田委員のおっしゃるとおりでございます。

○長田委員 一つだけ確認なのですが、ドコモさんの確認措置のところで不適切な運用が認められて改善を求めた後のドコモさんの対応がもしお分かりでしたら教えてください。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部担当者 回答させていただきます。

NTTドコモのMNOサービスの確認措置の運用状況については、不適正な運用があったということが認められて行政指導を行ったというのは先ほど説明したとおりでございますが、その後、7月にドコモから確認措置の運用に関しての見直しなどの対応について、我々としても報告を受けており、行政指導で指摘した事項については改善されたことを確認しているところでございます。

また、ドコモにおいては、行った措置についてホームページ上で公表し、ウェブにおいても確認措置の適用についての問合せの窓口を公開したということを確認しております。

以上でございます。

○長田委員 ということは、初期契約解除を申し出られても認めてもらえなかった方々が、その後どのくらい契約解除ができたかどうか。そこがもしお分かりだったら教えていただきたいのですけれども。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部担当者 そちらの状況については、今後ドコモからも状況等を確認して、別途、その結果についてどうだったかということを検証してまいりたいと考えております。

○高委員長 ほか、ございますでしょうか。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 御説明ありがとうございます。

まったく形式的なことを最初に申し上げますと、7ページや8ページでMNOとかFTTHとかMVNOとか、業界やその担当部署では当然の言葉なのだろうと思うのですけれども、こういう外へ向けての資料では、分かりやすい日本語と略称を併記していただければ幸いです。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 失礼しました、御指摘ありがとうございます。

○池本委員長代理 個別のところですが、9ページ、中間報告時指摘の改善・検討事項が6月22日の時点で指摘をなさったということですが、それはこういう問題について、しかも、その下にはMNO3社はいずれの項目も実施済み、または実施予定となっているとか、その下もFTTHも実施済みまたは実施予定となっているという記載があるのですが、おおむねいつ頃までにそれを実施し報告を求めるとか、どういう期間で要請をなさっているのかというところをお伺いしたいと思います。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部担当者 回答いたします。

2月の中間報告で指摘しました改善・検討事項については、6月の第3回のモニタリング会合において、最初のフォローアップをし、結果がこちらに書いてあるものでございます。ここにおいて措置予定などとなっているものは確かにございました。こちらについてはどういったことが原因だったかということでございますが、中にはシステム的な対応が必要だといったものとか、事業者同士のサービスの譲渡、そういったものがございまして、システムの更改を予定しているといったいろいろな事情がございまして、すぐには導入できないといったものがあるというような報告をいただいております。こちらについては、引き続きフォローアップしていくということになりますけれども、最終的には遅くとも年度内、そのぐらいのイメージを我々としては持っております。中にはもちろん年度内に間に合わないといったものもあるかと思いますが、そこは引き続きフォローアップしていくということで、モニタリング会合の中で見ていきたいと考えております。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 若干補足させていただきますと、本日の資料の中には付けられておりませんが、6月のモニタリング会合の取りまとめにおいては、苦情分析など、それぞれパーツごとに資料を用意しておりまして、この改善・検討事項についても資料を用意し、公表もしております。その中では、それぞれの項目において、いつ頃実施予定なのだというようなことも記載しており、それらも踏まえてフォローしていきたいと考えております。

○池本委員長代理 時期との関係で、これは私の聞き取り違いだったのかもしれないので再確認ですが、9ページの中間報告時指摘の改善・検討事項関係というところは、私は6月22日の時点で指摘をしたと聞いてしまったのですが、先ほどの御説明では、2月ころに指摘をし、6月はフォローアップをしたと御説明があったかと思うのですが、この問題点を指摘した時期、それから、フォローアップをした時期との関係、もう一度確認させてください。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部担当者 資料9ページにございます(3)の中間報告時の指摘の改善・検討事項ということでございまして、こちらについては、2月3日の第2回モニタリング会合において指摘をし、事業者に対して検討してくださいというようなお願いをさせていただいております。そして、第3回モニタリング会合を6月22日に開催しましたけれども、そこでどうなったかという報告をさせていただいているということでございます。

○高委員長 大森委員、お願いします。

○大森委員 どうも熱心に取り組んでいただいて、ありがとうございます。

実は私の主人も絶対にガラケーが良いと言いまして、今、スマホでないと大手では売っていなくて、これはMVNOになるのですか、購入に行ったのですけれども、ちゃんと解約費用がかかるとか、丁寧に説明されていたので、一生懸命取り組んでおられることが反映しているのかなと思いました。

6ページを見せていただいて、気になるのは、FTTHの電話勧誘のトラブルが多いことなのです。そもそもなかなか複雑な契約になるので、電話で理解するのは難しいのではないかと思うのです。電話勧誘を受けられる人というのは、ばたばたしている子育て中の主婦もしくは理解が難しくなってくる高齢者で、この電気通信機器に関しては、とても必要ではあるけれども、高齢者にとってはとても苦手な難しい内容のものだと思うので、電話勧誘そのものがこういう商品の販売とか契約にとってあって良いのかなという気がちょっとするのです。今後電話勧誘でこういうものを販売するということをもうちょっと考えていかないといけないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 ありがとうございます。

電話勧誘についてはFTTHの苦情の半数ぐらいを占めているということで、我々も問題意識を持っておりまして、先ほど申し上げましたように、個別にも個々の事例に対して行政指導もしておりますし、今回のマクロな観点で申し上げますと、先ほどの改善・検討事項という中では特に説明内容の後確認ということで、代理店が一度電話した後、その後にもう一度代理店ではない電気通信事業者自身が、その責任をもとにもう一度後確認をするようなことで対応するということにしております。そういった状況も踏まえて、今後の苦情の状況なども注視して考えていきたいと思っております。

○大森委員 私たちは高齢者の悪質商法の出前講座などをやるときは、耳からだけではなかなか理解がしにくいので、メッセージカードといってキーワードを見せながら、目と耳から確認していただくというようなことをやっているのです。何回確認いただいても電話だけというのは高齢者にとっては難しいかと思うので、このあたりも今後考えていただけたらと思います。

○高委員長 ほか、意見はございますでしょうか。

受田委員、お願いします。

○受田委員 ちょっと教えていただきたいのですけれども、もともとこの5ページにあるように、電気通信サービスに係る苦情相談件数の推移というものを、一つは消費生活センター等の総受付件数、もう一つは総務省の総受付件数ということで、経時的な変化をお示しになられて、そこから話が始まっているわけでございます。途中で定点観測という言葉もお使いになりましたけれども、例えばここにおける属性の変化として、年齢層ごとの変化が顕著に表れている傾向があるのではないかと思うのですけれども、ここではまだ詳しい属性が分からないので、もしそこのデータがございましたら、先ほどのそれぞれのMNOあるいはFTTHサービスの変化、それから、内容と絡めて少し補足をしていただきますと幸いでございます。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部担当者 例えば年齢に関して、本日の資料に付いていませんけれども、第3回のモニタリング会合の苦情分析の資料において、年齢についても確認をした資料がございます。読み上げになってしまうのですが、特に高齢者からの苦情というところに注目がありますので、高齢者からの苦情相談の状況を見るため、総務省が年代別の通信の利用動向について、モニタリグ調査とは別の調査ですが行っていまして、その年代ごとの利用割合と苦情発生の年代ごとの割合を比べてみたデータを出しております。それによりますと、例えばMNOですと70代の苦情の発生割合というのは12.6%という数が出ておりまして、利用動向でみると70代は10.9%ということで、若干高齢者のほうに高い数字が出ているのかなといった結果も分かっております。こういったところも引き続き今後の苦情分析において調査してまいりたいと考えております。

○受田委員 ありがとうございます。

そういうクロス集計がもとになって、恐らく10ページにある(一社)全国携帯電話販売代理店協会から提示された改善策について、少し高齢者対応の見直しということで、属性の特にターゲットとする部分について修正を図るということを工夫されているかと思います。ぜひ、そういった詳細な因果関係というものをよりはっきりお示しいただけますと、改善の効果をどれぐらい期待できるのかが分かりやすくなるのではないかと思いました。

以上です。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 ありがとうございました。用意していきたいと思います。

○高委員長 ありがとうございました。

ほか、いかがでしょうか。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 これはページで言うと5ページ、6ページに関連する質問になるのかどうか確認したいのですが、この頃代理店などが、本来の情報通信のサービスというよりはそれに付随して、例えば何とかサポートサービスとかセキュリティーのサービスとか、固有の電気通信サービスではないものをくっつけてそれをめぐってのトラブルもたくさん出てきていると聞いております。それはこの苦情相談の内容などの分類ではどこに位置付けられるのか。あるいは、そこには含まれているのかどうか、ここを説明いただけますか。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 御指摘の点も入っております。6ページ目で言いますと、(2)の3.誤案内・案内不足に起因するものというもので、勧められてオプションをつけたけれども、料金等について十分説明がなかったとか、そのあたりに含まれております。

○池本委員長代理 ということは、このオプションというのは、固有の電気通信サービス以外のそういった付随的な契約分も含むという理解でよろしいわけですね。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 結構でございます。

○池本委員長代理 その場合には、本来のMNOとかMVNOとか、自身の提供するサービスではない、代理店がそれとは全く独自に付けているものだからうちは関係ないのだというような、そういう対応があるやに聞いているのですが、そのあたりの責任の所在なり、対応すべき主体をどう位置付けて対応を求めておられるのでしょうか。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 確かに代理店が独自にオプションを提供している、あるいは販売代理しているというものもございます。そこについて、電気通信事業者が過度に干渉し過ぎるということになると、それはそれでまた問題があろうかと思います。ただし、他方で、利用者が携帯電話といった電気通信サービスの契約に来ていながら、いろいろなオプションを勧誘され、販売されるということに伴うトラブルということに対して、これは全く知りませんというわけには当然いかないわけでございます。したがって、特に代理店指導措置という中で、代理店の独自オプションでも契約書面をきちんと作って、名前や料金を書いた契約書面を交付するようにといったようなこと、あるいはそれに関連した形で指導するといったスキームで捉えております。

○高委員長 今の対応は業界では周知されているのですか。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 かなり重要なこととして議論もなされておりましたので、基本的にはそういう意識のもとにやっていただいていると思っております。

○高委員長 分かりました。

ほかにございますでしょうか。

増田委員、お願いします。

○増田委員 いろいろありがとうございます。

総務省さんがお作りになっているチラシ、それから、テレコムさんのほうで作られている「MVNOサービスの利用を考えている方への御注意とアドバイス」、非常にまとまっていると思うのですけれども、これはどちらで配付されているのでしょう。特にテレコムさんのほうですが。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部担当者 まず、総務省が作成したものについてはホームページ等で公開していますし、地方の消費者センターとか自治体に配付したりしています。(一社)テレコムサービス協会が作りましたMVNOの注意喚起につきましては、関係のMVNOの事業者に我々から、こういったものを作りましたので利用者の対応に当たってはこういう点を注意してくださいという意味で送付し、また、関係事業者団体を通じてMVNO事業者に配布しております。そのほかにも、例えば、総務省が各地で説明会などを開くときにもこのような注意喚起を行っていますといったことを積極的に呼びかけ、周知を図っているところでございます。

○増田委員 こういうものをどういう形で周知徹底するのかがすごく重要です。内容的にはとても良いと思うのですけれども、周知方法を工夫していただきたいと思いました。前に美容医療の問題があったときも、契約しに行った美容クリニックのところに貼っておいてほしいと思いました。例えば販売店に貼っていただくとか、あるいは販売店で配っていただいて、これにのっとった説明をしていますよということをしたら、すごく信頼性も高まるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 正に御指摘のとおりでございまして、このチラシや周知のツールを作って、作るだけで終わって自己満足しているようでは全然意味はありません。総務省といたしましても、常にあとこういうところが足りないねとか、あるいは、こういうところにやったほうが良いのではないかというのは中でも議論していますし、また、有識者あるいは消費者団体の方の御意見なども適宜伺いながら、より効果的な形で周知していけたらと思っております。

○高委員長 ほかにございますでしょうか。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 何度も申し訳ありません。29年度のモニタリングという17ページのところで、先ほどお伺いしたところによると、第2回の2月の時点で問題点を指摘し、6月22日の時点では途中経過としてまだ検討実施途中であるというようなことだったということで、その意味では、年度末というと第4回会合かあるいは2月、3月ころが一つのめどになるでしょうし、新たな調査を行って第5回会合のころに向けてもう一度調査ヒアリングなどをしてつかんだ事実と事業者側の対応ぶりを照合してみることが非常に焦点になる時期なのだろうと思います。

そこでお伺いしたいのですが、この苦情傾向分析というところで、全国の消費生活センター等で受け付けた苦情の傾向分析を継続実施とありますが、これは具体的に例えば国民生活センターの側でPIO-NETから分析して報告してもらうということなのか、それとも別の何かヒアリングなりをなさるということなのか。これはどういうタイミングでどういう頻度でやるということなのでしょうか。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 これは常々あり得るのですけれども、PIO-NETには、各相談を受けた方において、いろいろな記載項目について登録されていくわけですけれども、それを我々総務省において、一定期間についてまとめていただきましたものと、総務省で受け付けたものも併せて共通の項目で分類・整理していく作業をメーンで実施しております。そうした意味では、今申しましたような作業を総務省で行い、そのアウトプットをモニタリング会合にて報告するという形でございます。

○池本委員長代理 今おっしゃった作業をして、取りまとめ、報告するというのは、例えば第4回会合、第5回会合という、そのときに向けて分析・集計したものを公表するということですね。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 そういうことでございます。

○池本委員長代理 分かりました。

○高委員長 ほか、ございますでしょうか。

よろしいでしょうか。

本日は消費者保護ルールの実施状況について御説明をいただきまして、若干印象めいたことを申し上げますが、モニタリングについては、なかなか合理的な仕組みで取り組んでこられたなと感じました。投入できる資源や予算が限定される中で、まず書面調査を行って、実施については覆面と利用者のアンケート等を行って、実態がどうなっているのかということで、きちんとそういうことを進めてこられたのだなということがよく分かりました。

ただ、それと同時に幾つかいろいろな問題が残っているのだなと。例えば料金プランの説明とか、先ほどありましたオプションサービスの無料期間終了の通知について、これも御議論があるということですけれども、そういう問題。解約時の手続とか光回線サービスについては、電話勧誘のところをどうしていくのかという問題があるとか、MVNOサービスについても苦情が多い。もちろん、今日の説明を聞いておりますと全体として平成28年から徐々に下がり始めているということで、皆さん方の取組はそれなりの成果を出しているのかなというような印象も持ちました。第2回目の会合で指導されて、第3回目のところは指導しっ放しではなくて、その後どうなっているのかということでモニターもされておられるというようなことで、ある意味で一定の効果は上げているのかなという印象を持ちましたけれども、何度も御説明いただきましたように、苦情の総数はかなりの規模があるということで、今後も引き続きモニタリングの活動を続けていただきまして、第4回のところ、第5回のところというところで、もっと消費者問題が解決できるような方向で努力を続けていただければと思います。

また、それと併せて、消費者基本計画工程表の改定に関しまして、この取組のモニタリングのさらなる徹底というものも盛り込んでいただきたいと思います。

私どもとしては、今後も皆様方の活動を注視させていただきたいと思います。

総務省におかれましては、本日はお忙しいところを説明いただきまして、ありがとうございました。

○総務省総合通信基盤局電気通信事業部徳光消費者行政第一課長 ありがとうございました。

(総務省退席)

(消費者庁着席)

≪3.食品表示制度の理解、周知に係る取組状況について≫

○高委員長 次の議題に進めさせていただきます。次の議題でございますけれども、「食品制度の理解、周知に係る取組状況について」でございます。

健康食品の表示に関しましては、平成28年4月に「健康食品の表示・広告の適正化に向けた対応策と、特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議」を発出し、対応が不十分な点があったことを踏まえ、平成29年1月に消費者への特定保健用食品制度の周知の強化の内容を含む、同建議の実施報告に対する意見を改めて発出しました。

また、本年6月の第248回委員会において、消費者基本計画工程表の改定の際、重要業績評価指標(KPI)としての食品表示制度の理解度について議論がなされたところでございます。

加えて、当委員会が平成29年8月に発出した加工食品の原料原産地表示に係る答申においても、消費者に対する周知について言及したところでございます。

本日は、健康食品に限ることなく、食品表示全般についての消費者、事業者の理解や周知状況、それらに関する取組について、消費者庁からヒアリングを行い、意見交換を行いたく思います。

消費者庁におかれましては、忙しいところを御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 消費者庁の食品表示企画課長の赤崎といいます。

お手元に消費者庁から提出した資料がございますので、これに即して20分程度まず御説明をさせていただきます。なお、その後の質疑応答につきましては、私のほか、食品表示対策室長の阿部共々対応させていただきます。

まず、お手元の資料になります。「食品表示の周知、理解度向上に向けた取組について」という横長が入っているかと思います。基本、この資料に基づいて御説明をさせていただきます。まず「理解度向上」とここに書いております。この理解度につきましては、今年の6月の消費者委員会でも工程表の改定の関係でいろいろ御議論いただいたところで、まず、その点について、我々が今どう考えているのか説明させていただいた後に、理解度の達成に向けて今どういう周知をしておるのか、その説明をさせていただきます。

なお、今年の9月1日から原料原産地表示の新しい制度が施行されておりますが、その関係で8月10日付で消費者委員会から答申をいただいております。正にこの答申でいただいた前提条件について我々は今どういう取組をしているのかも併せて御説明させていただきます。

1ページ、食品表示制度に関する消費者の理解度でございます。これまでどういうKPIで我々は推進なり、普及なりしてきたかですが、上にありますように、これまでは「食品表示制度の認知度」、これを政策評価の測定指標としていました。正に普及推進のKPIになります。

では、認知度とは何かですけれども、基本は読んで字のごとく知っているかどうかということです。現行の整理だと、まず食品は生鮮食品と加工食品に大きく分けられます。生鮮食品の場合、義務の表示として名称や産地を書いていただくとされています。加工食品の場合、名称、原材料、内容量、期限表示など、いろいろ義務の表示が定められていますが、そういう複数の表示の義務があるのを御存じかどうかということに着目して、消費者意向調査として1万人余りのモニターを対象にウェブで調査をした結果、平成28年度の認知度は69.2%と、こういう整理をしております。この69%につきましては、政策評価書という公表済の公的な資料がありますが、その中にも書き込まれています。ちなみに、KPIはこの認知度のほかに、例えば説明会への講師の派遣回数なども入れて複数あるという整理をしております。

今までは認知度というものをKPIとしていましたが、認知度とは基本は知っているかどうかですから、知っていてもどの程度の深さで分かっているのかということがストレートに出ないということで、その意味ではそれに付加するものとして、理解度というものも指標として考えられるのではないかと。これは実は今年の消費者基本計画工程表の改定のときに、我々なりに理解度という問題提起をさせていただいて、消費者委員会の皆様の御議論をいただきましたが、結果的には具体的な理解度というのは工程表の中には入っていないと承知しています。これは、この46ページのKPIのところに、実は「食品表示制度に関する消費者の理解度」と「講師派遣回数」があるのですが、数字としては、講師派遣回数のみ書かれていて理解度の数字が入っていないというのが、今の工程表の実態です。

では、その理解度をどう設定するかですが、これは我々としては仕切り直しになりますが、今後消費者意向調査に基づいて、例えば栄養成分や原料原産地などの具体の表示項目ごとに、それぞれ参考にして購入している方がどれぐらいいるのかを踏まえて、この目標値を設定したいと考えています。

ちなみに消費者意向調査は平成28年度から実施していて、今年も予定しており、次年度以降も引き続き実施したいと考えています。今年度の消費者意向調査は、来年の1月頃具体の設問を決めて、それ以降3月までの間に実際の調査をしたいと思っております。

以上が理解度、それに先立つ認知度、いずれにしても我々が今KPIとして考えているものについての御説明です。

2ページ、実際の普及推進をどのようにしているのかということです。周知取組の状況マル1というものがございますが、これは先ほど委員長からお話のありましたように、今年の1月17日付で消費者委員会から御意見を我々はいただいています。これは特保などの健康食品との関連で、特に消費者への周知の強化が必要だという内容ですが、この意見も踏まえて、表示制度全般についていろいろな取組をしているということになります。

資料の左側にいろいろな説明会の開催について書いています。平成26年からいろいろな取組をしています。まず、27年4月に制度が大きく変わっていますが、その前後にいろいろ説明会を開催しました。28年1月以降は、28年4月から別途製造所固有記号の制度が変わったり、機能性のデータベースが去年の4月から導入されました。その関係で、その前後にいろいろ説明会を開催しています。今年の1月以降は原料原産地制度の見直しの関係でいろいろな説明会を開催しているという状況です。

中ほど、政府広報の活用とありますが、今年の1月の消費者委員会意見の中でテレビ、新聞、雑誌といった媒体を使って、ネットだけに頼らずにという思いだと理解していますが、きめ細かく、特に高齢の方向けに普及推進するようにとの意見をいただいているので、今年の6月に特保について政府広報のラジオ番組で制度の紹介、正しい活用をお願いしたいという普及を行っています。あと、今年の9月に原料原産地表示が変わりました関係で、9月以降、例えばBSのテレビ番組や政府広報のラジオを使った普及もしております。右にありますパンフレットも随時使っています。

以上、全体の普及になります。

特にターゲットを消費者に絞った形の周知の取組が3ページ、周知取組の状況マル2になります。消費者への普及啓発ということで、年度区切りになっていますが、今年の4月から今までの間、10回講師の派遣等を行っています。テーマの欄に出ていますが、原料原産地もあれば遺伝子組換えもあるし、食品表示全体の場合もありますが、こういう形で向こうのニーズに応じ、あと、原料原産地なり遺伝子組換えの説明をしても、表示の中のそれぞれの制度ですから、表示全般にまたがるような形でいろいろな意見交換もさせていただいています。また、資料の右にございますように、いろいろな団体にパンフレットを配ったりといった取組もしています。

4ページ、周知取組の状況マル3でございます。これは何かというと、そもそも今年の1月に消費者委員会からいただいた意見書は、特保に関連して、健康食品の在り方に問題意識があると理解しています。要は、表示制度といっても単に理解してもらうだけでなく使いこなして初めて意味があるので、その意味では、最近の話題だと健康食品、これは特保とか機能性表示食品も入りますが、趣旨を正しく理解いただいて日々の選択の中で賢くそれを活用していただかないと、幾ら知識だけあっても実際の行動につながらないと不十分でないかということで、特にそういう問題意識で、今、独自の取組を我々で行っています。その中身が4ページになります。要は、普及推進といっても、関心があるところに響くようにしないと情報が右から左へ抜けてしまうので、関心を持っていただいたものを切り口に食品表示全体について理解いただいて、日々の食品の選択に活用してもらう。正しい食生活作りに役立ててもらう。では、そうした場合、何が切り口として一番良いかですが、栄養成分表示が適当と思っています。ちょうどこの栄養成分表示は、2020年度から表示の義務が全面的に始まります。今は移行期間ですから、ちょうどその制度の切れ目になります。栄養成分といっても、下の○にありますように、ターゲットによって受け止めが違うと思っています。若年の女性だとダイエットという観点でカロリーに着目していますし、私みたいな中高年になるとメタボということで、同じカロリーでも切り口がやや違ってきます。高齢者の方は逆に低栄養、貧栄養が問題だと、そういう一般的な状況がありますから、それぞれにターゲットを定めて、それに合った形で栄養成分表示をどう日々の生活で使っていただくのか、そういう心に訴えやすい形で、まずは食品の表示を考えていただいて、それを契機にして食品表示全体に関心を持ってもらい、その結果、日々の正しい食生活、健康食品もそうですしそれ以外もそうですが、実際の購買行動に反映していただく。こういう流れの取組を行っています。

平成29年度は、正にターゲットを定めてそれぞれにお渡しをする例えば教育媒体の資料、それを消費者団体とか栄養関係団体の方にかみ砕いて説明していただく指導者向けの教材、まず両方を使って実地に徳島をフィールドにして本当にそれで良いかどうかという検証をしてもらおうと思っています。

ちなみに、本事業の売りは他のいろいろな機関との連携もあります。結局、この取組は食育にも関連しますので、我々だけではなく、例えば栄養士会、都道府県の栄養部局、保健所も含めて、そういうところと連携しながらこの事業にしっかり取り組んでいくこととしています。実際、今年度の事業について我々は委託していますが、受託者は徳島大学になっています。だから、そういう形、広範なステークホルダーが連携をしながら、単に表示の普及といってもみんな関心がないと進まないので、切り口を定めて、それを取っかかりに理解していただく。ひいては、それを日々の購買に生かしていただくという観点の事業を今やっているということです。今年度、徳島である程度見極めをした上で、来年度以降、ほかのエリアでの全国展開も含めて本格的な実施につなげていきたいと思っております。

最後のページ、加工食品の原料原産地表示の関係でございます。これは今年の9月から、もう新制度を施行しておりますが、我々はあらかじめ消費者委員会に諮問をして、今年の8月10日付で答申をいただいております。そのときに、制度の見直しをするに当たって幾つかの前提がある。これをきっちりやることが我々の諮問内容を是とする前提条件だとされています。

その前提条件の中身というのが、やはり理解度をちゃんとターゲティングで定めて、それがきちんと達成出来ているか日々検証しつつ、具体的な取組を行うことを我々のほうに求めているという内容ですので、その関係の御説明をさせていただきます。

まず、この理解度の目標値については「経過措置期間終了時」と書いていますが、これは今年の9月から新制度が始まりましたが、しばらくは旧制度でも良いということで、完全に新制度に切り替わるのが2022年4月になっています。正にその時点を念頭に置いて、2022年3月末、4月初めの時点で、消費者の理解度について、結論としてはまずは55%を目標に今からいろいろな普及推進に取り組んでいきたいと思っています。55%の設定根拠をそこに書いていますが、まず、最初のページで御説明した食品表示に対する認知度ですね。表示制度がどういうものか分かっている方が69%で、加えて、表示の義務の項目がいろいろありますが、関心がある項目とない項目もあるのだと思います。結局原料原産地表示は消費者の選択の制度ですから、関心がある人にきちんと理解いただいて正しく使っていただくことが必要ですが、もう安全性は担保されているので原料原産地はそんなに関心がない人も一方でいますので、その意味で、この制度を参考にしたいという方が大体76.8%というのが今の我々の把握している数字ですので、当面のターゲティングとしては両方を掛け合わせた55%の方に焦点を当てて、精力的に、単にこれは知っているだけではなくて、中身も正しく理解いただいて使いこなしていただけるようにということを目標に取り組んでまいりたいと思っています。

以上は消費者ですが、事業者の側は正しく表示をつけないといけませんから、その意味では目標値は100%にすることが適当ではないかと思っています。こういう形で、まず2022年3月末の目標を定めて、それを実現するためにいろいろな取組をしていく必要がありますが、具体的にはその下にありますように、可能な限りいろいろな取組をしていきたいと思っています。まずは上の●にあるように、今年の9月1日に制度の施行をしていますが、消費者向けのパンフ、リーフレット、Q&Aを出しています。パンフとリーフレットはお手元に配られているということでよろしいでしょうか。そういうものも既に公表しております。消費者向けセミナーというのも新しい取組で新規にやりたいと思っています。ウェブ調査だけで理解度を把握しても、どうしても皮相的なものになりますから、個別に一定の方々と相対で、フェイス・ツー・フェイスでどこまで理解しているのか。それを確認させていただくとともに、併せてそういう方々に制度をよく御理解いただいて波及効果を図る、そういった取組をできれば早々にもやりたいと思っています。

それ以外に、いろいろな説明会に講師を派遣したり、原料原産地については、今年の11月30日に県等の担当を集めた会議を新規に開催することにしています。また、消費者のみならず事業者への普及啓発の一環で相談体制、これは消費者庁のみならず農水省の地方支分部局なりFAMICと連携して取り組んでいます。また、事業者の現状の理解度についても、何らかの形で我々は調査をしていきたいと思っております。

また、答申の内容の中には検査といいますか、事後チェックという観点、それがきちんとルールどおり遵守されているかどうかということも入っています。各都道府県でも監視取締りは行っていますので、その担当の方々を対象にしたブロック説明会も鋭意行っておりまして、まだ1カ所は来月開催予定ですが、それも含めてここに書いてあるようないろいろな取組をやっているということです。

まず、我々からの説明は以上とさせていただきます。

○高委員長 御説明ありがとうございました。

それでは、委員の方々から質問等がございましたら、どうぞ。

大森委員、お願いします。

○大森委員 3ページなのですが、講演を10回ほどされていますけれども、これは大学とか消費者団体向けにされているのですが、地域などは載っていないのですけれども、全国むらなくされているのかということと、毎年いろいろなところに行かれているのかということ。あと、こういう講演会、希望があれば行きますよというようなことをどういう形で広報されているのか。その辺りをお聞かせください。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 まず、この3ページに講演ということで10のケースが載っておりますけれども、この中には例えば徳島県で開いたものもありますし、北海道、名古屋、千葉で開いたものもありますので、全部が全部首都圏、東京というわけではなく、我々のアンテナの中でお声掛けいただいたところを津々浦々対応しています。

こういう講演への講師派遣については、我々はいろいろな形で消費者団体の方と接しておりますので、そういう場を使って御希望があれば我々のほうに御連絡いただきたいと案内しておりまして、消費者庁のウェブサイトに御希望があればよろしくと書いているわけではありません。ただ、いろいろな説明会、我々は原料原産地表示も含めてやっております。そういう場では、出席された方々に対し、説明会の場なりでまだ不明な点があれば講師の派遣も含めていろいろ前向きに対応するというお話をしております。まずはそういう状況だということを御理解いただければと思います。

○大森委員 この食品表示の出前講座なども私は所属しているNPOでやるのですけれども、一般の方の認知度はかなり低いかなと思うのです。消費者団体の方はとても熱心に詳しく勉強されていますけれども、この広報の仕方を見ましても、特定の消費者団体なり、もう既に連携のあるところに対しての広報は充実しているけれども、その先まで届いていないのではないかということがとても危惧されるのです。例えば新しいルールが入って、PTAとか地域の自治体とか、いろいろなところに広報していこうとすれば、もっと小回りのきくような助成金や制度を使って、地元に密着しているようなNPOや団体にもう少し活動資金やリーフレットが行き渡るような方法が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今の御意見、誠にそのとおりだと思っています。我々も体制の面も制約要因としてありますので、十分対応出来ていないところもあるかもしれません。ただ、今、お話のあったような消費者団体の生の声を我々の従前のネットワーク以外のパイプで吸い上げて対応していくことは非常に大事だと思っており、その意味では、この資料の最後のページをもう一度見ていただければと思います。今後の取組ということで、下に●が幾つか出ていますが、上から二つ目に「消費者向けセミナーを実施し、理解度等を把握するテスト、アンケート等を実施予定」とありますが、この点については、今、委員のおっしゃった我々の側の予算事業の一環で新規にできないかという問題意識を持っております。特に東京以外の地方、それも県庁所在地ではない、本当にそれぞれの道府県の中で余り中核都市ではないところも視野に入れて、そういう地域の消費者の生の声をいかに聞くのかという問題意識でこの点については考えております。その具体化の中で、委員がおっしゃった我々のほうの予算事業とのコラボといいますか、お話の御趣旨に合ったような取組ができないか考えていますので、できれば早々に形にして実際の取組につなげていきたいと思っています。

○大森委員 幼稚園だとか小学校とか中学校のPTAのお母さん方も、年間1回ぐらい学習会を持たないといけないので、限られた予算の中で学習会を持つ場合に、こういうことが無料でできるとすごく良いかなと思うのです。日々、食品に接しているお母さん方で、子供のアレルギーとか、いろいろなことでも関心があると思うので、また方向性を変えて、一般の消費者につながるような形でぜひ考えていただけたらと思います。

○高委員長 ほか、どうぞ。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 池本でございます。

食品の表示や原料原産地という本当に国民全体にどう周知するか、あるいは膨大な数の事業者にどう周知していくかという非常に重たい課題で熱心に取り組んでおられるということを、私はまず評価しているところです。特に経過措置期間終了時の事業者の理解度の達成目標値を100%にという、本当にこれはもう思い切って提示されたなと感じております。

問題は、目標達成のための取組というときに、私は特に事業者の理解度という意味でいうと、いわばアプローチの仕方を二つに分ける必要があるのではないかと思うのです。全ての事業者に対して全部声が届くように、あるいは資料が届き、しかも、ただリーフレットを回すだけであれば印刷すれば済むでしょうけれども、それでは全然理解ではない。本当に届くようにするためには、ここで言うと下の●の4番目あたりに農政局とかFAMICとか相談窓口、中小企業からの相談体制とか、あるいはその二つ上で、行政機関、事業者団体などの依頼に応じて説明会に講師を派遣というのは、いわば希望するところへ伝えに行くということにとどまっているように思います。あるいは、相談窓口のというのは、心配している人たちが確認できるようにということにとどまっていると思います。しかも、それは消費者庁の限られた人材で全国くまなくやっていくのには限界があるだろうと思います。その意味では、ここに「都道府県担当者研修会を開催予定」と書いてありますが、むしろ都道府県が更にその地域の中でどういう事業者団体とか、あるいは分野に応じてどこを動かして、どういう形で啓発活動をしていくのか。そのためには一定の予算措置や事業の方向性などを示して、地方自治体に本気で動いてもらう必要があるのではないか。

しかも、そのためによく表示モニターという制度がありますが、先ほど無作為の1万人のモニターに聞くというのは、それは消費者全般の理解度の問題ですが、むしろ中身がよく分かっていてチェックをしてくれる人。どちらかというと、これは理解度達成よりは監視のほうにつながるのかもしれませんが、監視を徹底するために十分理解し、意識的にチェックをして、その情報を行政に寄せて、そういうところへ集中的に声を伝えていって全体として底上げをしていくというくまなく伝えようという努力、それから監視につながるチェック活動という二つのアプローチを組み合わせていかないと、消費者庁の限られた人が全国を回ることは不可能でしょうから、その辺りのできるだけ効率的な仕組みを作っておかれたらいかがかと思います。その辺りの自治体との連携、あるいは消費者団体というか、理解と行動をするモニター的な消費者団体との連携という辺りはどうお考えかお伺いできればと思います。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 まず、委員からお話のありました都道府県との連携という意味では、これもおっしゃるとおりだと本当に思っています。我々もまだ十分ではないのかもしれませんが、もう一度この資料の周知取組の状況マル1を御覧になっていただければと思います。実は平成28年6月に、これが初めてなのですが、都道府県の食品表示担当者に東京に来ていただいて、いろいろな情報交換、都道府県の実情もお伺いするという会議を初めて開催しました。これは毎年1回開催ということで、今年の6月も開いております。毎年1回、特定の表示項目に限らず全般について、それも制度そのものの理解のほか、監視取締りというものも射程に入れていろいろな情報交換をさせていただいています。ただ、年1回の会議だけだと、原料原産地表示の場合は周知期間、経過措置期間の間に十分な取組をするには大分先になりますし、不十分だろうということで、急遽今年の11月30日に臨時にこれを開くこととしました。この中で、都道府県の担当の方々も、それぞれの域内でいろいろな事業者や消費者団体と向き合っており、接点もございますので、我々といろいろな協力、連携をさせていただいて、いろいろな相談への対応について我々とうまく連携しながらなど、相談のほかに監視も含めてどのように取り組めばできるだけスムーズに行えるのか。そういう問題意識も持って、まずはやっていきたいと思っています。

それ以外に、都道府県からいろいろ説明会に来てほしいという御要望が多々来ております。それで十分かどうかということはありますが、まずはそういう取組を今後とも丁寧にやっていくことによって、全体的な底上げといいますか、都道府県との連携はしっかりと確保していきたいと思っております。

もう一点、主として消費者の皆様への対応の一環だと理解しておりますが、委員からは表示モニターというお話もございました。これもどこまで何ができるのか、今からよく整理する必要があると思っています。ただ、我々だけがいきなり消費者団体に向き合って、都道府県も含めて消費者団体と向き合ってというだけだと、消費者の数も圧倒的に多いですし、取りこぼしといいますか、いろいろ穴もあるだろうと。それをモニターさんと連携することによって、様々な情報がこれまでとは違うパイプ、ツールで我々のほうに入ってくるし、それは逆方向で情報を提供することによっていろいろな共有もできるのではないかということだと思っています。この点は非常に御示唆に富んだ、先々にとって非常に有用な御意見だと承知しましたので、また我々の中なり、いろいろな機会を見て都道府県とも相談をさせていただいて、どういうことができるのか、そこは考えさせていただければと思います。

○高委員長 ほか、どうぞ。

受田委員、お願いします。

○受田委員 受田です。

積極的に取り組んでおられる御説明をいただきまして、本当にありがとうございました。私も御存じのとおり、第4次で食品表示部会の委員も務めたこともありまして、経過に関しては本当に当事者として関心を持っているところでございます。その点で幾つか質問を申し上げたいと思います。内容的には主に四つです。

一つ目、先ほど赤崎課長から、周知取組の状況のマル1ということで、2ページ目で政府広報の活用という御紹介がございました。特にこの中では特保について政府広報ラジオで発信されたと。これも特徴的なトライアルではないかと思います。気になるのは、こういったラジオ番組等で単発で発信しても、恐らくなかなか繰り返し、また、ターゲットを広範に考えていかなければ、効果としてはそれほど期待できない可能性があると思います。1点伺いたいのは、こういった政府広報等、ほかにもございますけれども、こういった広報のフォローアップは何か系統的に取り組んでおられるのでしょうか。まずそれが一つ目でございます。

二つ目、周知取組状況のマル3、4ページ、ここに徳島のモデル的な取組というものが挙げられていたかと思います。こういったモデル的な取組については我々も大いに注目をし、そして、そのモデルがどの程度可視化されるかという点に関心を持っているところでございます。特にこういった徳島県内においてマル1からマル3、若年女性、中高年者、そして、高齢者といったようにセグメントを分けるという考え方、これは本当に、大いなる成果の可視化としては、これまでに見られなかったものが見えてくるのではないかと思うところです。

実際に伺いたいのは、この徳島の、中間段階でもその成果が公開されるのがいつなのかという点です。特に先ほども御紹介がございましたように、こういった栄養成分表示、その延長線上には保健機能食品制度の在り方であるとかその価値に関して、具体的に消費者にどういう効果を持っているかということを成果として現していくことが念頭にあるかと思います。ついては、もともとこの保健機能食品制度自体が食生活の改善、あるいは健康の維持増進に資するということがミッションとしてございますので、そのミッションに関わるような成果のところまで一定、定点で観測できるようなベースを築いていこうとされているかどうか。この点に関して、併せて伺いたいと思います。これが2点目です。

3点目でございます。これは食品表示部会において議論をしてきました原料原産地表示に関する内容でございます。この制度の導入に当たっては、分かりにくいとか、あるいは事業者のコストの問題、非常に多くの課題が山積をしている状況の中でかんかんがくがく議論をし、既に運用が始まったところでございます。この消費者委員会においても、業界団体あるいは消費者団体の皆様と意見交換をする場もございます。そういった中で依然としてそういった声が聞かれているということに私自身は大きな懸念を抱いておりまして、いち早くこれを払拭していくことが求められているということを当事者の一人としても認識をしているところでございます。

先ほどKPIとして、事業者100%ということ。これに関しては、私自身もこのKPIの早期達成を願っている一人でございますが、一方で、事業者サイドからのインセンティブとすれば、マーケットにおける購買をする消費者の側が、より一層この原料原産地表示の価値を知ることが求められているのではないかと思います。その点に鑑みたときに、消費者側の55%というのが事業者の100%を誘引していくことになるのかどうか。すなわち、こちらの側の数値目標をもっと高く設定することによって、より短期間に事業者の100%が実現していく道もあるのではないかと感じております。これは私自身の主観的な考え方にもなるかもしれませんが、消費者庁側のお考えを伺いたいということ。

もう一点、この原料原産地表示に関しては、例の「又は表示」あるいは「大括り表示」といった例外措置を設定している件がございました。この例外措置に関しては、これが法として施行された後、周知期間の間にどれぐらい例外表示とそうではない原則表示が見られるのか、市場調査をやっていかなければならないということが求められていたかと思います。ついては、この消費者基本計画の中に、この例外表示の比率等のモニタリングという項目が見当たりませんでしたので、今後どのように取り組んでいかれるかが3点目でございます。

最後四つ目、先ほどの意向調査に関してでございます。机上配付されている資料の中に、新たな加工食品の原料原産地表示に対する認知度、理解度を測るための設問がございます。私自身としては、こういった設問が理解度を測る上では非常に適した物差しになるなと感じておりますので、これを一つの案として進めていただければと思います。

一方で、以前も食品表示部会の中で発言を申し上げましたが、この加工食品の原料原産地表示に関連するような意向調査の設問が、平成28年度、もう既に盛り込まれていて、ここの部分とのクロス集計が極めて原料原産地表示に関して導入した意義を明確にしていく可能性があるのではないかと期待しているところでございます。特に、表示方法が異なる商品があるために困惑をするという消費者の意向調査における回答が一定ございました。こういったところが、加工食品全部における原料原産地表示の導入によって、かなり数字として改善されていく可能性が期待されます。こういうことを通じて原料原産地表示の浸透度といったものを考えていく必要があると考えてはいるのですけれども、この意向調査に関してのクロス集計に関してどのように考えておられるか。最後にこれについてお答えいただければと思います。

○高委員長 では、一つ一つお願いできますか。最初は政府広報等ですね。ラジオの話が出ましたけれども、それのフォローアップはやっているのかという話でした。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 それでは、今、お話のありました政府広報のフォローアップの件ですけれども、我々としては、いろいろな形で政府広報で周知を図っています。その後の対応については、実際に我々はいろいろな方、消費者の方もそうですし事業者の方もそうですが、そういう方々といろいろなお話もしくはコミュニケーションをするときに、そういうものについてどう評価されておられるのかを伺って、可能な限り、それをフィードバックする形で次に生かしていくという取組をしています。定量的にシステマチックにやるという観点からみると、まだ物足りないかもしれません。ただ、政府広報というのも、その時々の旬の話題といいますか、正に一般の消費者なり事業者の皆様はどういう点に御関心があるのかが分からないと、我々もエントリーはしても、つぼにはまる、きちんとアピールできる広報が打てませんので、我々の有しているパイプ、ネットワークを通じていろいろな形で伺って、総合的に踏まえて、次はどういう切り口で対応するのかを考えているというのが今の実情でございます。

○高委員長 受田委員、今の回答でよろしいですか。

○受田委員 はい。分かりました。

○高委員長 2番目は、たしか徳島モデルの取組ですけれども、中間段階でそういった成果を公表されるのかということと、それが保健機能食品制度の趣旨を周知させることにつながっていくのか、そういうところを考えておられるのかという御質問でした。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 ただいまの点でございます。この徳島事業につきましては、我々もその取組をしている過程であっても、いろいろな情報提供、情報発信をしていきたいと思っています。この資料になりますけれども、今年度、まずは消費者向けの教育媒体、お渡しするパンフレット、リーフレットと、指導者向けの指導要領を使って、それが本当に現場目線から見て問題があるのかないのか調べるということを考えていますが、今、我々が使って今年度事業をしようとしている教育媒体や指導要領については、早々に公開、公表することを内部で考えています。その意味では、いきなり成果品、完成品が出来て初めて世の中に出るというのではなくて、そのプロセスとしての資料についても、できるだけ情報公開をし、実際にそれは徳島で、オンサイトでトライアルもします。そういう御意見も我々で吸い上げますが、途中経過の資料を出してそれを一般の方が見られたお考え、御反応というものも我々の参考にさせていただいて、最終成果品の作成に結びつけていきたいと思っております。

この事業の本来の趣旨というのは、文字どおりお話のあった健康食品を含めて、日々の食生活をいかに正しく、消費者の方から見て意味のあるものにしていただくかということで、その意味では、正にそのためのツールの一つだと考えています。そういう問題意識のもとで、これは当課だけではなくて、オール消費者庁になりますけれども、健康食品を考えるというリーフレットが皆様方のお手元にあろうかと思っておりますが、これはもう既に出して情報発信もしています。正にこういうものを正しく理解していただくのと、我々の徳島事業というのは相互補完といいますか、両方相まって最大限の効果が出てくるように、それを旨として取り組んでいるというのが、我々の基本的なスタンスでございます。

○高委員長 3番目、これは二つおっしゃったのではないかと思うのですけれども、一つ目は、原料原産地表示に関して消費者の理解度の目標値が55%と言いましたけれども、これをもっと高めることで事業者の100%を後押しできるのではないかという御質問と、もう一つは、例外措置と原則表示というものが併存しているような形になっているけれども、このモニタリングはどうするのか。受田委員、そのような解釈で良いですか。

○受田委員 そのとおりです。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 ただいまの点でございます。この55%という理解度の達成目標、今我々が考えている案につきましては、変わり得るものと御理解いただければと思います。最終的にはより多くの消費者の方に正しくこの制度を御理解いただいてというのが我々の究極の目標ですので、55%で満足しているわけではありません。ただ、あえて100%と言ってしまうと、全て100が望ましいわけで、具体の取組として、どこまで現実のいろいろな取組をするベースになるのかとなりますので、その意味では、そこに小さく書いておりますが、今、現実に食品表示制度がこういうものだということを知っている方がいて、また原料原産地も消費者の選択のための制度ですから、その中で原料原産地を日々の生活に生かしたいという人、この二つの要素から55%を設定しています。そういう意味では、もっともっと多くの人に原料原産地表示制度を含めた表示制度全般を理解いただければ、69.2%というものは変わっていきます。

加えて、そういう取組を通じて原料原産地を参考にする方が増えることも大いにあり得ると思っていますので、その意味では、今、冒頭述べたようないろいろな取組、制度全体の普及推進を図って、健康食品一般の食を通じて正しい理解をいただければ、この55%という数字は上がってくると思っています。そうなれば目標値も上がって、我々はそれをターゲットに取り組んでいくということですので、結果、これが上がるような取組をすれば、正に事業者の方々もそれが消費者の声、正にニーズに合ったものを作っていくという意味では無視できない数字になると思っていますから、受田委員がおっしゃった事業者の方々の100%という目標値を達成していく誘引に、今の時点では55%はなり得ると思っています。55%というものが将来的に高まるという意味を加味すれば、そういうことは我々として言えるのではないかと思っております。

もう一点お話のあった、この8月10日付の意見書の前提条件の8番になると理解していますが、例外表示の検証ということで、実際に「又は表示」や「大括り表示」がどれぐらいスーパーや店舗で置かれているかを検証して調べることについては、当然、これは我々は重い宿題として認識しておりますので、取組を行うことにしています。ただ、いつから調べるかということですが、我々、事業者を含めていろいろコミュニケーションをとっていますが、まだ9月1日に制度がスタートした直後の今時点は、現実になかなか例外表示もないのではないか。したがって、少なくとも今時点、このタイミングでは持てるリソースはできるだけ普及啓発のほうに振り向けて、来年度以降、どこかの時点で例外表示がどの程度ついて消費者の目に触れるようになっているか調べることに当然しています。実際はオンサイトで、実際のリアル店舗の全ての加工食品を把握した上でその中でどれぐらい例外表示がなされているかを、しっかいでは調べられませんが、特定の店舗、特定の消費者の目に触れる陳列棚を前提に何らかこれを調べたいと思っています。これは今日御説明しなかったのは、やらないということでは決してありませんで、来年度以降どこの時点で、またいろいろな方々の御意見もいただいた上でしっかりと把握に努めていきたいと思っております。

○高委員長 最後は、以前の調査で加工食品に対する意向調査でもって、表示方法が異なっていることで消費者の困惑を招くという問題があるという指摘があったのですか。それで今回のこの原料原産地表示でもってこういった問題が改善されるのではないかという期待をしているのだけれども、これは最終的にはそれについてのクロス分析をしてほしいということですか。

○受田委員 はい。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 文字どおり、今から設問を考えます。消費者意向調査というのは、我々は外部の事業者に委託することにしていますが、まだ仕様書も作っておらず正式な公募もまだですから、今から中身を考えていく際に、設問のみならず、クロス集計についてもまた必要があれば個別に御意見をいただくなりして、我々としても使い勝手が良い整理をして外に情報発信をしたいと思っています。

○高委員長 受田委員、お願いします。

○受田委員 長い質問にお答えいただいて、ありがとうございました。特に徳島のモデルについて、そもそもの保健機能食品制度の導入に関する問題意識といいますか、目的について、しっかりと理解をしていただいているということについては、大いに注目をしたいと思います。一定のモデル地域において、例えば保健機能食品の導入あるいは利用が、結果的に健康寿命の延伸であるとか健康の維持増進につながっているという間接的な因果関係がもし導けるようになれば、これこそ今特保を超えて機能性表示食品自体もかなり増えてきておりますけれども、こういった産業的な視点から見ても大いなるまたインセンティブになると思いますし、結果的にそれが消費者の生活の健全性、QOLの高進、向上につながっていくということになるので、正にウィン・ウィンの関係になっていくのだろうと思います。大いに期待を申し上げるところです。

○高委員長 ほか、ございますでしょうか。

増田委員、お願いします。

○増田委員 徳島のほうで実証フィールドということで実施されていると思いますけれども、来年度全国展開されるということですが、これは徳島だからできる部分というところもあろうかと思います。来年度実施の方法とか計画、手挙げ方式でやるのかとか、どこかにお願いするとか、その辺りのところは何かお決まりになっていますか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 この徳島事業の来年度以降の取組についてですが、実は今平成30年度の概算要求を財務省に出しておりまして、12月の末には政府としての概算決定がまとまると理解しています。それが年末の概算決定で固まれば、ある程度具体的なものとして外部の方々にもお話ができるのではないかと思っています。そういう形でこの次年度以降の取組については、我々としても情報発信をしていきたいと思っています。いろいろ考えておりますけれども、まだそのとおりになるかどうかということが定かでないので、いずれ近々そういうタイミングが来れば良いと思っていますが、その中で情報発信はきちんとやっていきたいと思います。

○高委員長 増田委員、良いですか。

長田委員、お願いします。

○長田委員 ありがとうございます。

一つは、受田委員がおっしゃいました55%という数字は、私も見た途端に、100%を頑張った事業者さんたちが消費者庁は消費者を55%くらいしか見ていないのか、55%くらいで良いと見ているのかというのは、とてもがっかりされると思いますし、もともと原料原産地表示をする加工食品が全ての加工食品になったわけですから、必要とする、原料原産地を見てぜひ買いたいと思う食品の幅はすごく広がったので、単純にこの69.2%のうちの76.8%という計算ではないだろうと。何のために拡大したのかということだと思いますので、ここはきちんともうちょっと目標値を上げていただいて、消費者基本計画にもKPIとして使えるような数値を出していただければ良いなと思います。1年で一遍にはいかないと思いますので、それは完全実施に向けて丁寧にちゃんと階段を上っていけるような、そういう数字を出していくべきではないかと思いました。

徳島でなさるせっかくの事業のところで、この「健康食品Q&A」というものは非常に分かりやすく、私は良いなと思っているのです。「健康維持の基本は『栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な休養』です。この三つに代わる健康食品はありません」、非常に分かりやすい表現をされていると思います。前にも1度申し上げたかもしれませんが、徳島県はケーブルテレビが非常に充実していて、そういうところで特に高齢者の方向けの情報提供というものを番組でやってもらうことにぜひ協力をしてもらって、こういう内容を直接伝えてみた結果、その後認知度はどう変わるかとか、少し幾つか仮説を置いた広報のやり方にトライしていただけると良いのではないかと思っています。よろしくお願いします。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今の委員の御指摘でございます。この原料原産地の消費者の理解度等の達成目標の55%、これは我々も55%が究極のゴールで、ここに至れば100点満点とは考えておりません。思いは同じだと思っております。いろいろ経緯があってできた制度でもあり、多くの方にきちんと理解いただいて日々の選択に活用していただくのが、我々の本当の切なる希望でもあります。ここは最終的には、今、長田委員のおっしゃったことも踏まえてやっていきたいと思っています。

ここにあります数字は、あくまで現在我々が持っているいろいろな諸元、データをもとに、この経過措置終了期間という4年半先を念頭に、まずはこの55%を達成することが、現実のニーズとしては今いろいろあるだろうということで、そこはまず食品表示に対する認知度を高めていくとか、そもそももっと多くの方々にこれを参考にしてもらうという今後の伸び代といいますか、それを踏まえた上で将来変わり得る、上方修正もあり得る数字だと思っております。くれぐれも55%を達成したから万々歳とならないように、我々はやっていくことにはしております。

あと、徳島事業でケーブルテレビのお話もございました。これも一度御意見として我々も承っているところですので、これも今、徳島のほうで何ができるのか、更に具体的に我々のほうで考えさせていただきます。

○高委員長 ありがとうございました。

大森委員、お願いします。

○大森委員 加工食品の原料原産地表示の例外表示の市場調査のことなのですけれども、私は以前、表示モニターをしたことがあるのですが、表示のルールをしっかりレクチャーしていただいて、実際に自分が物を買うときにそれが守られているかどうかを報告するというやり方だったのですが、とても私自身も勉強になりました。先ほど市場調査に関して、全て調査するわけにはいかないけれども、幾つかのところでとおっしゃっていましたが、表示モニターのような感じで全国的に消費者を募って、加工食品の原料原産地表示のルールを説明して、その上でモニターをやっていただくということをすると、一般消費者に対する周知徹底も図れるし、くまなくいろいろな地域の表示がチェック出来て良いのではないかと思いましたので、また考えていただけたらと思います。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 貴重な御意見、どうもありがとうございました。早速になるのかもしれませんが、最後のページの●の上から2つ目に、繰り返しになりますが、今年度以降の新規の取組でそこにありますセミナー等を実施して、実際に御出席いただいた消費者の方々に理解度を教えていただいたり、いろいろな形で、我々はこの事業の推進に向けた取組をすることにしていますので、その際にお話のあったモニターとうまくシンクロできないかということで、我々のほうで検討させていただくことにいたします。

○高委員長 ほか、ございますでしょうか。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 前半で私が発言したのと、今、大森委員から提案されたところも共通するので、念のため、私から要望として申し上げます。消費者の認知度ではなくて理解度55%というのは、ある意味で1億2,000万人の全体の55%が理解するところまでというのは、これはものすごく高い数字だと感じています。無作為抽出で検討して55%というのは、です。制度として、そもそも事業者がきちんとルールを守ったもので出ていかなければ選ぶ側が選びようがないわけで、私は二つは同時並行か、むしろ事業者のほうの実施がまず先行してほしいという気がするわけです。

そうなると、先ほどもう既に御回答の中にありましたけれども、消費者向けセミナーを実施しというものを1億2,000万人にできるだけ近く全国くまなく消費者の集まりに出向いていきますというためよりは、まずはしっかり理解してモニターとしてチェックする役の人を育てていく。しかも、どちらかというとそのモデルケースを消費者庁なりあるいは徳島モデルなりでやって、そのパターンを全国の都道府県で同じようにやってもらって、各地でそういう見る目を持った人を育てていかないと、とてもとても消費者庁だけでできることでは私はないと思っています。その意味で、自治体にもっと本気で動いてもらう。ただ、私が理解しているところでは、自治体の食品表示の担当者というのは本当に手薄なのではないかと思うのです。ですから、もっと自治体の表示担当者の部分の底上げということも含めて、本当にあれもこれも一斉にということになるかもしれませんが、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

○高委員長 ありがとうございました。

それでは、大体よろしいですか。

今、消費者庁からこの食品表示制度の理解、周知に関わるところの取組状況について説明をいただきまして、我々が消費者委員会として質問した項目は大きく分けまして三つあったのですけれども、その三つにそれぞれ細かく御説明をいただいたと思っております。

確認しますけれども、1番目が食品表示制度に関する消費者の理解度の概念について云々ということでお聞きしたわけですが、これにつきましては、認知度という概念ではなくて理解度という概念を用いてKPIというものを明確にして取り組んでいく。それに当たって、例えば理解度というものもまだ明確ではないので、それを作るためにどれぐらいの栄養成分とか原料原産地とか、そういった表示項目を参考にして消費者が購入している割合を数字として理解度として用いますと、こういう説明を1ページでいただいたと思っております。ですから、我々が聞きました三つあった1番目の質問には、このように答えていただいたと思っております。

2番目の食品表示に係る消費者に向けた周知取組の状況ということで、これは資料、それぞれ全体的な数字もお示しいただいたのですけれども、特に4ページのところで、こういう新しい周知の取組、特に徳島での取組、ここの経験を踏まえて今後横展開していく。非常におもしろい着目点で、切り口として若年の女性はダイエットなどですね。中高年はメタボとか、高齢者は栄養とか、それぞれの人たちが関心を持っているところにターゲットを絞って栄養成分表示の啓発というものをまずやってみる。そのときに、指導者を育成するための教材なども作って、多分、成功するのでしょうね。結果を見て横展開するということですので、これは大いに期待できることかと思っております。

3番目に我々が質問いたしましたのが、加工食品の原料原産地表示に係る答申の際に付した前提条件への対応ということで、特に周知に関しては四つの前提条件があったと思うのです。一つ目は目標値の設定をやるべきだということを前提条件として挙げておきました。二つ目が消費者への啓発、三つ目が事業者への周知、四つ目が、これが第5の前提条件になるのですけれども、四つ目が周知状況を把握してモニターして、必要があればそれを改善していく。こういう前提条件を挙げておいたのですけれども、これに対しても、今回いただいた資料の最後の5ページでこれに全部お答えいただいたと思っております。目標数値の設定ということで、多分、上のところで55%と。委員の意見は大変な数字だというのともっとチャレンジングでも良いのではないかという意見で分かれておりますけれども、この55%という数字を目指して、消費者については取り組む。事業者については100%を目指していくという説明をいただきました。

その下の●のところの上の二つが、恐らく消費者への啓発についての御説明だったと思います。具体的な取組を展開されているわけですけれども、本委員会としては意見が多かったところで、二つ目の●のところで、大森委員と池本委員長代理からありました、ただ単にセミナーを開催するというだけではなくて、表示モニターというものを使った啓発の方法もあるのではないかということで、これも御検討いただければ有り難いということでございます。

その下のところが事業者に対する周知徹底の方法ということで、あえて申し上げれば、事業者に対する周知徹底というのは、これで成果が上がるのかどうかはよく分からない。そういう意味で、前提条件の最後のものになりますけれども、成果を見ながら必要があればまた新しい周知の方法を考えて取り組んでいっていただければと思います。

表示については非常に大切な取組でございますので、今後も私ども委員会として注視し、必要があればまたヒアリングをお願いすることになるかと思います。

本日は、御説明ありがとうございました。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 ありがとうございました。

(消費者庁退席)

≪4.その他≫

○高委員長 次に、議題「その他」といたしまして、10月21日に実施しました「消費者問題シンポジウムin岐阜」について、実施報告を事務局からお願いいたします。

○黒木事務局長 平成29年10月21日土曜日に、「消費者問題シンポジウムin岐阜」を消費者ネットワーク岐阜と共催で開催いたしましたので、それについて御報告をいたします。資料は参考資料になっておりますので、適宜御覧いただければと思います。

当日は、岐阜県、岐阜市を初め、近隣の市の消費者行政担当者の方、あるいは相談員の方、それから、消費者団体、事業者、一般消費者など、約80名の傍聴の御参加をいただきました。シンポジウムのテーマは「岐阜県における高齢消費者被害防止の取組み」ということで、共催団体の消費者ネットワーク岐阜の大藪代表に開会の御挨拶をいただきまして、続いて、本委員会委員であります増田委員から基調講演をしていただきました。それから、美濃市の産業振興部の佐藤主任にも御報告をいただき、その後、後半でパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは「岐阜県における高齢者消費者被害防止の取組み」をテーマに、コーディネーターを消費者ネットワーク岐阜の大藪代表が務められ、パネリストとして増田委員、消費者庁の消費者教育・地方協力課の梅田課長補佐、美濃市産業振興部の佐藤主任、岐阜県環境生活部県民生活課の杉山課長補佐、それから、郡上市健康福祉部の松井次長、消費者ネットワーク岐阜の副代表、御子柴弁護士に御参加をいただいて、御議論をいただいたところでございます。

ディスカッションの中では、高齢者の見守りには地域力のアップというものが必要不可欠だということで理解をしているけれども、見守る方たちは本当に業務量が多くて多岐にわたるので、その担い手不足ということも少し心配しているという御意見。それから、まずは緩やかな形からでもネットワークを立ち上げるようにお願いしている。県としても、協議会の設置に向けた取組の支援をさせていただきたいというような御発言。それから、所管が違うと連携、情報共有ができないというのが行政の問題なので、何が高齢者にとって一番必要なのかということを考えると、部署が違うというようなことではなく、目の前の問題に対して庁舎内で一体となって取り組んでいくようにしたい。誰かが動かないと縦割りは崩せないので、そうした力になっていきたいというような御発言等をいただいておりました。

会の最後には増田委員より、消費者庁が法律や制度を作っているけれども、実際の現場では、その法律や制度のそのままをきっちり実行できるということではない。ただ、それは本当は似たようなことが機能しているということがよく分かったので、そういうことを大事にしていただいて、広く広めていただくことが重要だということを改めて感じたという総括コメントをいただいております。

当日の配付資料、開催レポートはホームページに掲載しておりますので、御報告します。

○高委員長 ありがとうございました。

このシンポジウムに御参加いただきました増田委員から一言、感想など、コメントをお願いできますか。

○増田委員 現場ではいろいろな形で既に地域ネットワーク、見守りの活動が実行されていると思いますので、それを大事にしていただくということ、それを広めていただくこと、継続していただくこと、職員がかわっても引き継いでいただくというようなことが重要ではないかと感じました。様々な活動について改めてお礼申し上げたいと思います。

○高委員長 ありがとうございました。


≪5.閉会≫

○高委員長 本日の議題は以上となります。

最後に、事務局より今後の予定について御説明をお願いいたします。

○丸山参事官 次回の本会議の日程や議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページ等を通じてお知らせさせていただきます。

○高委員長 それでは、本日はこれにて閉会といたします。

お忙しいところを御参集いただきまして、ありがとうございました。

(以上)