第251回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2017年7月25日(火)14:40~15:46

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、池本委員長代理、大森委員、蟹瀬委員、鹿野委員、長田委員、中原委員、樋口委員、増田委員
  • 【説明者】
    消費者庁金子消費者教育・地方協力課長
  • 【事務局】
    黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 地方消費者行政の充実・強化に向けた今後の支援のあり方等に 関する検討会報告書について
  3. その他
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので、始めさせていただきます。

皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会第251回本会議」を開催いたします。

本日は阿久澤委員が御欠席となります。

それでは、配付資料の確認をお願いいたします。

○丸山参事官 お手元の議事次第の下部のほうに配付資料一覧を記載しております。資料1-1から1-2、参考資料が1から5となっております。

不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますよう、よろしくお願いいたします。


≪2.地方消費者行政の充実・強化に向けた今後の支援のあり方等に関する検討会報告書について≫

○河上委員長 最初の議題は「地方消費者行政の充実・強化に向けた今後の支援のあり方等に関する検討会の報告書について」であります。

この地方消費者行政の充実・強化につきましては、これまで地方交付税措置の拡充や地方消費者行政推進交付金等による財政支援が行われてきたところですけれども、このうち、地方消費者行政推進交付金につきましては、平成29年度が新規個別事業の開始期限とされておりまして、一つの区切りを迎えることになっております。そこで、今後の地方消費者行政の充実・強化に向けた支援のあり方等について、消費者庁において「地方消費者行政の充実・強化に向けた今後の支援のあり方等に関する検討会」が本年の2月から開催され、本日、報告書が取りまとめられました。

本日は、消費者庁にお越しいただきまして、この報告書の内容について御説明をいただいた後、若干の意見交換を行いたいと考えております。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ御出席をいただきまして、ありがとうございます。

それでは、大変恐縮ですけれども、15分程度で説明をお願いいたします。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 それでは、お手元の資料に基づきまして、御説明をしたいと思います。

横長の概要の紙を主に使いますけれども、適宜本文も参照させていただければと思います。

まず、概要を見ていただければと思うのですけれども、趣旨については先ほど委員長からお話のあったとおりでございますので、説明は省略をさせていただければと思います。

その上で、この報告書は4章の構成になっております。順次御説明をしたいのですけれども、最初の1章では、そもそもの地方消費者行政の法令上の位置付けであるとか、財政支援、これまで行ったものについて整理をしたということであります。法令上の位置付けについては、これは地方の消費者行政というのは自治事務という役割にはなっているのだけれども、関連の消費者法の中でそれぞれ地方自治体の役割というのは規定をされているし、特に、特商法や景表法といったものが典型になるかと思うのですけれども、法執行に関する事務というのは法改正のとおり拡大をされてきたという、これまでの流れが整理されているということであります。

それに対しての財政的な支援ということでありますけれども、我々から自治体にお渡ししている交付税が昨年度までで大体500億円弱、それに併せて、地方交付税としてお渡ししてあるものの中で、少なくとも積算上は地方消費者行政のために使うということで積算をされたもの、それが足元の平成28年度であれば年間約270億円ある現状ということでございます。

それを踏まえまして、その右の2章のところでございますけれども、現状、どこまで進んだのか、そういったことを整理したということであります。この現状の進捗については、特に我々が提示している強化作戦の項目を主に見ていったわけでございますので、従来からお話ししている話ではあるのですけれども、例えば消費生活センターの設置率については、小規模の市町村でまだ進んでいないであるとか、あるいは、昨年度に施行した改正消費者安全法に基づく高齢者の見守り協議会の設置状況もまだ低水準であるとか、そういう意味で、進捗は図られているのだけれども、道半ばにあるということが整理をされているということであります。

それに加えて、特に交付税措置を中心に財政的支援を行ってきた中で、実際に自治体における消費者行政の予算がどう伸びてきたのかということも併せて整理をしたということであります。これについては、概要を見ていただくよりも本文のグラフで見ていただくほうがいいかなと思うのですが、4ページ目の図表1-1を見ていただければと思います。これで、折れ線と棒線のグラフがございますけれども、赤で示されている折れ線が、地方交付税で積算上消費者行政のためということで措置されたもの。先ほど申し上げたとおり、年間約270億円が足元では措置をされているということであります。

それに対する地方自治体での消費者関連の予算ということなのでありますけれども、青と緑で示されている部分というのが、いわゆる自前で措置されている、交付税でお渡ししたもの等を財源に自前で用意されているお金です。その上に乗っかっている黄色の部分というのが、我々が交付金としてお渡ししたもので措置をされたものということになるわけでございます。

これで見ますと、要はこの制度が始まった平成20年の補正から、我々の交付金の前身である基金が措置をされているわけでございますが、その時点でいいますと、赤い線で示されている地方交付税で措置をされたものを上回る形で、少なくとも消費者行政の予算が計上されていた。それが、我々の交付金も手当てをしましたし、交付税上も措置をされているのだけれども、思うように予算は伸びていかなくて、特に交付金を除いた形の自主財源に当たるものはほぼ横ばい、ないしは、近年だけを見ると若干下落気味という感じになっている。それで、小さな数字で「44%」と書いてございますけれども、要は赤い線で示されている地方財政措置、交付税でお渡ししたものを100としたときに、自前の財源というものが44%ぐらいになっているという状況になっている。そういう数字を整理させていただいております。

これから申し上げたいのが、要は、我々が交付金を要求したときの考え方として、特に消費者庁ができるのに併せて措置されたものでありますので、その当時というのは、地方の消費者行政の現状は非常にぜい弱であって、体制を整備していく上で元手は必要ということで、国が支援をすることになるのだけれども、我々が交付金としてお渡ししたお金が呼び水になって、次第に自前の財源というものが伸びていくのですよと。そういう形でこの制度を要求してきたものなのでありますけれども、現状が追いついていない状態になっている。要は、我々が交付金としてお渡ししている分を使っていただいているが、一方で、地方交付税としてお渡ししたものが、消費者行政以外の目的にその分回されている状態になっている。そうすると、このままの形で現行の交付税を継続する合理性がなかなか説明しづらい。何らかの制度変更といいますか、そういったことを考えなければいけないのではないだろうかという問題意識が、特に2章の中では語られているということでございます。

その上で、3章以降でそれを踏まえた対応を考えていくわけですけれども、基本的な考え方を3章で整理をする中で、特に本文を参照にしていただきながら御説明したいのが、本文の12ページの後半の部分を御覧いただければと思います。

「近年も」から始まるパラグラフからでございますけれども、要は、地方の例えば消費生活センター等が整備されることの意味について改めて整理をした部分になるわけでございますが、特にトラブルに遭った方々にその解決のための助言を行ったりあっせんをしたりというのが本来の消費生活センターの役目ということになるわけでありますけれども、それ以外にも、消費税率の引上げであるとか、電力・ガス自由化といった、国の側で制度を変更したとき、あるいは年金機構の個人情報流出のように、そういうトラブルが起きたとき、つまり狭義の消費者問題でない幅広いトラブルが起きたときに、一相談窓口の役割を果たしてきている。ですから、これは自治事務だと言っていながら、国の制度変更等があったときに、その対応窓口としての役割を果たしてきているので、この部分が弱体化してしまうことが仮にあるとすると、国としても困るのではないか。そういう意識をこの部分で整理したということであります。

その下の「これに加えて」でつながっているパラグラフにおいても、今後も、例えば成年年齢の引下げであるとか、そういった制度変更を考えられますし、オリンピックやSDGs、持続可能な開発目標への対応ということを国を挙げて取り組んでいこうとするときに、オリンピックで増えるであろう訪日外国人への対応を強化してもらいたい。そういうように国として考えることはあるわけで、そういった対応をやってもらうときに、それは地方自治事務なのでお任せですともなかなか言いにくいところがあるのかなと、そういう問題意識を、今後ともそういう課題は出てくるのですよということを整理したということであります。

その上で、どういうように国と地方の役割分担を考えていくかをまとめたわけでありますが、横長の表に戻っていただきますと、地方公共団体の取組として書いてございますのが、要は、現行の交付金でやれることは当然やっていくのですよと。委員長よりお話がありましたように、今年度新規事業として立ち上げたものまでについては現行の交付金で措置できることになっていて、最大で11年間手当てができますので、そうしますと、最長平成39年度まで活用できるので、それを活用した体制整備というのは引き続きやらなければいけないし、その後の財源確保ということですね。自前の財源の確保というのもこれまでも自治体で取り組んでいただいているわけなのですが、なお一層の努力というのも、先ほどの図でお示ししたような、交付税でお渡ししたもの44%しか実際に計上されていないということを踏まえると、一層の取組をお願いする必要があるのだろうと。

その上で、先ほど本文を引用する形でお話ししたような新たな課題についての対応はやっていただかなければいけないし、そういったものについての国による支援も今後考えていかなければいけないのだろうという基本的な考え方をまとめたということであります。

それを踏まえた対応の方向性も整理をしているわけでございますが、既存の交付金を活用した体制整備とその後の自主財源の確保に努めていただくとともに、例えば成年年齢引下げへの対応といった今後取り組まなければいけない課題というものを国として提示して、それに基づいて、例えば地方自治体の側にどういったプロジェクトをやろうと思っているのかという提案を募り、それに応じて、我々が採択したものについては、新たな形の予算、仮に新型の交付金と呼ばせていただくとすると、そういったものをお渡しできるように考えていくということなのかなということであります。

ですから、財政的な措置としては、要は現在なかなか思うように活用されていない、地方交付税でお渡ししているものの更なる活用に加えて、既存の交付金と今後要求していくであろう新型の交付金、その3つをうまく組み合わせる形で、消費者行政のための予算を、地方における予算を更に拡充するように取り組んでいく必要があるのだろうと、そういう整理をしたというわけであります。

それ以外にも、例えば現状の整理の中で、消費生活相談員さんの処遇の改善ということが引き続き課題になっているということであります。それについては改正消費者安全法の中で相談員を法的に位置付けた趣旨を更に周知していくことであるとか、あるいは、高齢者の見守り協議会の設置について、それが典型例になると思いますけれども、消費者行政は幅広い分野に関わりがありますので、そういった他部局であるとか、外部の方々との連携を更に強化していかなければならないこと。それと、地方における法執行の件数がなかなか伸びていないところもありますので、そういった機能の充実・強化といったことにも取り組んでいかなければいけないという整理をしたということであります。

ですから、今後新型交付金という形で申し上げたのですけれども、これまでのように渡したものについて、何にでも自治体で使っていただくというのは、なかなか今後は難しいとは思うわけなのですけれども、別の形で、そういうプロジェクトのテーマを我々が提示をして、それに見合ったものを自治体の側から提案して採択するという形で、新たな交付金というか、財政措置を仕組んでいけないだろうかと。

そのときに、そういう姿で現状やっているものの中で、既存の交付金の枠組みの中でも、例えば先駆的プログラムということをやっているわけなのですが、先駆的プログラムというのは1年ごとに提案を頂いて、それを採択するかの可否をやっているので、なかなか長期的なビジョンが立てにくくて継続的展開が困難であるという問題意識も、自治体の方々からの声も聞いております。そういった使い勝手の面の改善、例えば単年度ごとに進捗であるとか、そういったことは確認させていただくというのが前提にはなると思いますけれども、問題なければ、例えば複数年、3年間ぐらいをめどに継続して使っていただけるような仕組みにするとか、そういう使い勝手の改善をした上で、プロジェクト提案型の新たな枠組みを考えていこうと。そういうことを考えているということでございます。

私からの説明は以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの説明の内容について、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 御説明ありがとうございました。

推進交付金がこれから先どうなるのだろうという不安の声が、非常に各地でも聞かれている中で、現在の条件の中でそれなりに工夫をして今後の方向性をお出しいただいたのかなという感想が一方にあるのですが、他方では、消費者庁創設以来もう一歩何とかならないかという思いで見てきたところがやはり動いていなくて、歯がゆい思いがしております。後者の関係で少し質問と意見を取り混ぜて申し上げたいと思います。

もともと消費者庁ができる当時、先ほど紹介された報告書の4ページのグラフにも示されている地方交付税措置の基準財政需要額を倍増するという、その措置プラス、当時は活性化交付金を投入するという2つを組み合わせることによって本当に呼び水となって各地で大きく展開していくであろうと大いなる期待を持って当時見ていたのですが、実は地方自治体の職員から声を聞くと、基準財政需要額の数字が、数字の上で増えたといっても単なる目安であって、何の縛りにもならない、むしろ自治体で消費者行政に自分たちで回してくるという力は残念ながらほとんどないですよという話を複数のところで聞いてがっかりしたのですが、その後蓋を開けてみたら、本当に指摘どおり余りそれが使われていない。最近でも44%しか自主財源としていかされていないということが示されました。

正に、地方自治体そのものが政策判断として、消費者行政が重要である、そこへ人と予算を注ごうというようにすれば、この基準財政需要額の目安を活用しながら回していくということになればと思うのですが、それができていない。恐らく、それをやる人は、消費者行政の担当職員がその行政の役割の重要性を自治体の中で訴えて消費者行政に金を回してくれということを上に上げていき、それから地域の消費者団体などがそれに呼応して声を上げていくということが必要なのだろうと思うのですが、残念ながら職員の体制はむしろその後じりじり減っている。これは法執行だけではなくて一般職のほうの消費者行政の職員も減っているし、消費者団体からの声といっても、なかなか消費者団体を強くしていく施策も見えてこないというようなものが幾つも重なってしまっている。その辺りが動いていないのではないかという感じがするのです。

この話をすると、そうはいっても、自治体の職員数を増やせと国から指示するわけにもいかずという言葉を必ず聞くのですが、別に何人にせよと命ずるのではなくても、例えば職員に対する研修を国、国センやあるいは都道府県でもっと抜本的に増やして、消費者行政の役割を強化していくことだとか、何か地方交付税措置がいかされていく、44%を6割、8割と増やしていくための施策こそ重要ではないかと思うのですが、そういう辺りはどのような議論がなされてきているのかをお伺いしたいです。

それに併せて、細かい数字がもしお分かりになればということですが、首長による意思表明があれば推進交付金の活用期限が延びるということがありましたが、これは自治体数でいえばどのぐらいが声を上げたということでカウントになっているのか。

それから、今日追加で出ている強化作戦のところで、安全確保地域協議会の設置が今年の1月時点で21市町しかない、そこまでは聞いているのですが、その後6月末など、最近の数字でどのくらい増えているのかという数字がもし分かれば教えていただきたいということです。

3番目に、これは数字で出るのかどうか分かりませんが、先ほど発言の中で申し上げたような自治体の職員、国や都道府県による職員研修の実施数が、この平成21年以降どのぐらい増えているのだろうかということが、もしお分かりになれば教えていただきたいと思います。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 まず、首長さんの宣言の数については、手元に数字がないものですから、後日御回答させていただければと思います。

職員の研修の実施数というのは、これは国民生活センターが実施したものだけでなく、自治体がやったものも含めてということですね。ということであれば、恐らく現況調査で整理をされていると思うので、それも後日お渡しができると思います。

高齢者の見守り協議会の設置状況については、7月の時点で40ぐらいということで聞いております。適宜ある程度の間隔で今後も調べていこうと思っています。

自治体における予算であるとか職員数が増えていかないことに対して、抜本的に強化させていくための方策というか、そういったものが議論されているのかどうか。そういう御質問を最初にいただいています。それについてでありますけれども、我々の側で、池本委員長代理からもお話がありましたけれども、国の側が自治体の職員数を増やしてくれとか、なかなか言いにくい面は確かにあって、それはそのとおりなのですけれども、恐らく自治体の中で予算であるとか人を要求していく上でも、これまでやっていなかったような新たな取組を行うという理屈がないと要求はしにくい面はあるのだろうと思います。その意味では、国が課題を提示しますと言っているものが、最近の制度変更によってここ数年特に強化をしてもらいたいものであるとか、あるいは自治体任せにしておくとなかなか進まないとか、新たな課題であって現状そんなに進んでいないとか、そういう地方自治体における体制が不十分なものを中心に我々のほうで課題を提示することを想定していますので、それを根拠に、まず我々の側の交付金を要求していただくということだと思いますけれども、あわせて、そういう新たなことに取り組むのだということで、自治体の中においても新たな要求をする理屈が提示できていくのかなと。そういったものを通じて増やしていく。間接的にはなるのですけれども、自治体の事務であるのでそういう方法になるのかなとは思っているところであります。

○河上委員長 いかがですか。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 ありがとうございます。

幾つかの基礎的な数字は後日でも教えていただければと思うのですが、私は今回のこの検討会報告書の結論として、国から複数の取り組むべき新たな政策課題を提示して自治体がそれに呼応して動いてもらうということそのものは、もう大いに賛成しているところです。それをやっていただく中で、国からの新しい交付金も最大限活用してもらう必要があるし、それを取り組む職員にも頑張ってもらうということが必要だと思うのです。

従来と決定的に違うのが、消費生活センターを作り相談員を配置し、しかも、相談員の配置も交付金から出すことができました。そして、それを広報していくという、それだけであれば職員はそんなに増やさなくてもできた。だから、そこはある程度目標に近いところまで動いてきていると思うのですが、これからの課題は、どちらかというと職員が本気になってやらないと動かない課題ばかりなのです。だとすると、国から提示して予算も付けるといっても、予算よりは人が動かなければ動かせない。しかも、動くといっても、自分しかいないしということになっていくと、なかなか財源もセットで提示しても動きが出てこないのではないか。それが、この安全確保地域協議会がなかなか広がっていかないというところに象徴的に現れているのではないか。

だとすると、国、国センやあるいは都道府県レベルでの職員に向けて、今こそ自治体の中で消費者行政職員が一番中核になって本気で動かなければいけないのだという、少しハイになるぐらいの研修を全国的に本気でやっていって、その人たちが声を上げ、今の人数ではとてもではない、やっていられない、倍にしてくれと彼らが言うぐらいの、そういう職員研修体制のことを、ここにある交付金措置とつながる提言とは別に、職員を強化していく措置を是非採っていただけないかと考えているところです。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 直ちにそういう新たな体制強化ができるのかというのはあるのですけれども、今後考えていきたいとは思います。

特に、人にやろうと思ってもらわないと動かないというのは、確かに我々もそういう問題意識を持っていて、先ほどの新たな交付金の中で、用途がプロジェクト提案型になりますということだけを申し上げたのですけれども、要は、提案型になるということなので、例えば、そういう新たなことに取り組むという提案をされない自治体が仮にあったとすると、それはもう新型交付金は全く手当ての仕様がないということになるので、競争性と言うと言い方に語弊があるのかもしれないのですけれども、そういうインセンティブ付けをするような仕組みというのは、新たな予算措置を考えていく上で、それも併せて考えていかなければいけないとは思っているところです。

○河上委員長 大森委員、次いで、鹿野委員、お願いします。

○大森委員 2点意見があります。まず、この交付金が当初の計画どおり機能できず、自主財源が伸びなかったので見直さないといけないということで、新型の交付金に変えるということなので、これはここでまたうまくいかないと、すごく消費者行政自身が停滞するので、ここをしっかり計画的に進めてほしいという強い希望があるのです。

先駆的プログラムも無くなるということで、私の所属するNPOも先駆的プログラムで特別支援学校で啓発に使えるようなグッズを作りまして、当初は軽度の知的障害のある方で、社会に出られる方を想定して、契約やネットのプログラムをやったわけですけれども、実際にやってみるとすごくニーズがあって、もっと重度の方からも依頼があるというように、すごい成果につながっているのです。

普通の財源ではもうやることが決まっていて、新たなことにというのはなかなか予算が回らないので、国の課題に関することに対してはそういう予算が必要で、提案型の交付金に変えていくというのもそういう活用の仕方を狙っていらっしゃるのかなと思うのですけれども、消費者行政の担当者自身はいろいろ替わっていて、そこのパイオニア的というか、ずっと生え抜きのような方はいらっしゃらないわけですね。そこで、そういう新たな必要性とか、こういう計画をというのは、かなりしんどいのではないかと思うのです。やはりコーディネーター的な方がいないと、なかなかそういう提案を作るわけにはいかないと思うのです。

もう一つ、私が気になっているのが、適格消費者団体が何団体になりましたとか、消費者教育推進計画が幾ら立ちましたとか、数字を追っていらっしゃるのですけれども、それをどう機能させていくのかというところが弱いのではないか。見えてこない気がするのです。適格消費者団体もみんなとても大変で、経済的にもしんどくて、でも、一生懸命頑張っているわけですね。そこには専門の弁護士さんとか、相談員さんとか、消費者教育をやっているNPOだとか、すごい人材がボランティアで集まっているのですね。そういう人と行政がコラボすると、そういう提案などがすごくいきやすいと思うので、もうちょっと活用の仕方に対する提案や指導というところを考えていただけたらと思います。

○河上委員長 これは御意見ということでよろしいですか。

○大森委員 はい。

○河上委員長 鹿野委員、お願いします。

○鹿野委員 鹿野です。

御説明ありがとうございました。私から、池本委員長代理が先ほどおっしゃったことと関連するかもしれませんけれども、一つお聞きしたいことがあります。この4ページの実績を見る限りは、残念ながら、今までの渡したお金を自由に使ってもらうという形での仕組みを続けることは難しいということで、いわば、競争原理を採用して、提案型といいましょうか、政府から提案して、それに積極的に取り組むところについて、それを採択し、支援するということだとか、さらに新しい展開をしようと計画し、申請したところに支援するような形を採ることについては、よい面があると私も評価するのです。

しかし一方で、恐らく現在地方の消費者行政にはすごく格差があると思うのです。現在においてやる気がある人がある程度いるところについては、この新たな取組でどんどんチャレンジしていこうという方向につながるのではないかと思うのですが、他方、現在においてそれだけの力が備わっていないところについては、こういうチャレンジをするというところにはなかなかつながりにくくて、結局取り残されてしまうことにならないのかが、私としては心配でございます。

そういう意味で、一方でやる気があるところを支援していく仕組みとともに、底上げというのでしょうか、全体を下から支える仕組みがどうしても必要なのではないかという気がしているところでありますが、いかがでしょうか。

○河上委員長 何かございますか。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 これは、恐らく新型の交付金の仕組みを考えるときに、そういう視点も持っておかなければいけないという御意見かと思います。それについては、確かに従来の既存の先駆的プログラムというのは、本当にトップランナーのところしかなかなか手当てできていないところがあったわけなのですけれども、例えばそういうトップランナーの人を見て、自分たちもそういうものをやってみたいのだという横展開につながるようなものですね。そういったものまで幅広く見ることができたらなという問題意識は我々としても持っていて、おっしゃるとおり、格差が広がっていくというのは我々としても望ましいことだとは思っていないので、それは実際に今後この制度を具体化する上で少し考えてみたいとは思っています。

○河上委員長 他にはいかがでしょうか。

増田委員、お願いします。

○増田委員 ありがとうございます。

私も今の鹿野委員と同じ意見なのですけれども、やっと今の段階で消費生活相談窓口をセンターにしたとか、やっと広域にしようとしているとか、今の段階でそういう状況になっているところはあろうかと思いますし、実際に7月1日からセンターになったところもございます。そういうように追随するところが今後使いやすい状況になるように、そこのところをどう手当てするのか。この新しいプロジェクト提案型の中で、具体的にどういう提案を課題としてお示しいただくのか、ちょっとよく分からないのですけれども、そういう中に、今スタートラインに立とうとしている準備段階にあるようなところについてカバーできるようなことを、お示しいただけるのかどうか、その辺りを教えていただくことはできますか。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 立ち上げたばかりのところの措置としては、恐らく立ち上げたばかりということになると、従来型の交付金の活用期限がまだしばらく残っているということなので、そういう形のサポートはまずできると思います。その上で、この活用期限のうち、自前の財源を自治体内で確保したり、あるいは新型の交付金の提案をできるような力をつけていただくということになるのだと思うのですけれども、例えば、新型の交付金を自分で提案してみようと思うときの材料としては、従来の先駆においても横展開に活用していただけるようにということで、活用した成果について報告書をまとめていただいて、それを公表することを条件にしていましたけれども、同じような事例集に当たるものは考えていくのかなと。だから、そういうものを見て、まずはあそこがやっているこの取組、自分のところでも有効だと思うのでやってみたいのだがと、そういう提案ができるようにしていくということだなと思っています。

○河上委員長 他にはいかがでしょうか。

長田委員、お願いします。

○長田委員 地方交付税がなかなか十分消費者行政に使われない原因の大きなところは、前からの課題だと思うのですけれども、消費者行政の成果をどう予算当局に見せていくのか。すごく消費者庁自身も苦労されているところだと思うのですけれども、消費者庁が国の予算を獲得するときのノウハウを、もうちょっと地方自治体の担当者と共有していく仕組みとか、本当に国生審時代から、それはずっと課題だと思うのです。なので、交付金のことはもちろん、今、本当に必要としているところはいっぱいあると思いますので、それはそれであれなのですけれども、予算獲得のためのノウハウの共有化を是非図っていただきたいと思います。

○河上委員長 これも御要望ということでよろしいですか。

○長田委員 はい。

○河上委員長 他にはいかがでしょうか。

蟹瀬委員、お願いします。

○蟹瀬委員 基本的なことをお聞きしたいのですが、うまくいかなかった理由は分析していらっしゃるのですね。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 うまくいかなかった理由が、例えばどうして交付税で措置しているものがこちらに回ってこないのかということは、自治体に聞いたりとかということはしているわけなのですけれども、そのときによく言われるのは、典型的なのは社会保障関係などだと思うのですが、義務的にどうしても支出しなければいけないものがあって、そこにまず取られた上で、そこからどう配分するかということになるから、そうすると、本当に自由になる財源は限られるのですという説明をされるわけであるのです。

確かにそういう面はあるのだろうと思うのですけれども、それは消費者行政のプライオリティーが高いか低いか。そういうことなのだろうと思っていて、実際にプライオリティーの高い自治体においてはしかるべく財源確保がされているわけなのです。ですから、そういうプライオリティーを上げていただく上でも新しい取組を提案していくとか、そういうことになるのでしょう。要は、我々がお金を渡すことによってそれが置き換えられるといいますか、現状そういうようになってしまっているので、そういう現状を何とか打破したい。だから、用途が限定されることで、少なくとも我々の新しい交付金でできない部分については自前で予算を確保せざるを得なくなるはずなので、そういう形で、要は交付税でお渡ししている枠の部分をできるだけこちらに戻していただくような、そういったことを考えていきたいなということであります。

○蟹瀬委員 すみません。ちょっとよく分からなかったのですが、消費者行政に対する意識が非常に弱いがゆえに、なかなかここへきちんとした使い方ができていないということをおっしゃったのだと思うのです。プライオリティーで最初に来なければいけない交付金であるのにもかかわらず、一番下に来て配賦されていないケースがあるということだと思うのです。それを基本的に打破して、消費者行政に対してのプライオリティーが1位になるためには、新しい取組を提案していただくという漠然とした言い方では、きっと具体的な案が出てこないと思うのですが、いかがでしょうか。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 ただ、冒頭にも申し上げたのですけれども、既存の取組の現状の維持でいくのですということになると、なかなかそういう予算を確保していく上で説得力もないので、新たな取組をやっていくのですと、そういうアイデアを我々としても提示していく。要は、現状地方における取組が十分に行われていないようなもので、国としてもここは是非やってほしいのだと思っているところ、そういったものを提示していくつもりなので、それを材料にそういう新規の要求につなげていただく。

もう一つは、確かに直接の答えにはなっていなかったのですけれども、今のように何でも使えるというお金でお渡しするとそれに頼ってしまうところがどうしても出てくるので、少しは自前でやってくださいという分野を作ることで、その部分はもう国が面倒を見てくれなくなったので自前で確保せざるを得ないのですと中で説明しやすくなるのだろうと。そういうちょっと遠回りな方法にはなると思うのですけれども、あわせて、そういう財源を増やしていく理屈も提示していくのかなということです。

○蟹瀬委員 ありがとうございます。非常に具体的にお答えいただければいただくほどよく分かりますので、それを具体的に言っていただくのがいいかと思うのです。ここの進捗状況などを見ても、適格消費者団体の数が12から14しか増えていないという結果を見ても、増えている数ではないですね。そういう意味で、そういうものをちゃんと増やしなさいとか、きちんとした指導というか、そういうことをされれば何をすればいいのかが明確になるし、適格消費者団体が今のままでいいのかどうかということもあると思いますので、それを更に強くするのはこうしたらという指導などもあるかなと思います。是非具体的に御提案をいただけると、もう少しきちんとしたお金の使い方ができるかなと思いますので、よろしくお願いします。

○河上委員長 他にはいかがでしょうか。

樋口委員、お願いします。

○樋口委員 委員の皆様からいろいろ御意見が出ていますが、私は人材の育成や、人材をいかに活用していくのかが非常に重要な点だと思います。委員の皆様からも具体的に研修を強化するとか、適格消費者団体をどう活用していくのかというお話がありましたが、この報告書は今の時点のものなので、言えることに制約があるのかと思いますけれども、消費者行政を、従来型の物差しで予算を測るとか何カ所作ったというようなことでやるのではなくて、少し発想を変えて、地方については、量的なことももちろん重要ですが、担い手である人材をしっかり育てていく。その人たちは、実は消費者問題だけをやる人材ではないわけなのですね。地域のためにいろいろ活躍する人材ですから、そこのところで制度的な踏み込みができないだろうかと。

やや荒唐無稽なことを申し上げれば、例えばシニアの方々は非常に今、やる気がある方が多いと思います。確かに、制度的には、現在の消費者関係の制度の中でも相談業務をやるとか、サポーター的な仕事をするということもあるのですけれども、もう少し踏み込んで、高齢社会に向かうに当たって、シニアの人たちに活躍していただくことも大切と思います。あるいは環境関係ですと、若い人たちは、他の政策に関連していろいろな場が与えられていますが、そういったものとの相乗りでも構いませんが、少してこ入れをするとか、あるいは行政で今までやってきたことの一部を、適格消費者団体もそうですが、民間の専門的な経験をお持ちの方にやっていただくことが可能になるような制度的な裏付けの工夫ということに、思い切って踏み込んでいただけるといいのではないかと思います。

これから具体策は考えていかれると思うのですが、若干の心配は、被害の救済だけでなく、倫理的消費とか、新しい消費者の育成というようなことをやった場合には、各省庁がいろいろやってきていることもあるわけですから、そこを越えて旗振り役として予算をうまく使っていかないとと思っています。例えばSDGsということになると非常に広いので、消費者庁でもSDGsの予算を付けましたというだけでは不十分と思います。部分的なことをやっても、それだけではなかなか物が動かないので、例えばSDGsに思い切って踏み込むのであれば、その旗振り役として自治体あるいは国の各部局でおやりになることをうまくコントロールしていくとか、何か役割を考えながら、しかも、官民の壁を越えられるような制度的な工夫をしながら、是非取り組んでいただけたらと思っています。地方の消費者行政の充実は、これから正念場ではないかと思います。今までは立ち上がりの時期ということだったと思うのです。

私の経験だと、地方の消費者行政の方々は非常に意欲が高いと思います。それから、シニア層もやる気のある方々は非常に多いので、うまく道筋をつけてあげれば、そこがいきてくるのではないかと思っていますので、是非よろしくお願いいたします。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

他にはいかがでしょうか。

最近大学も研究費の問題について、同じように特別なプロジェクトを作って、他とは違ったことをやらないと金は出さないというようなことになって、日々の研究費がどんどん削られているのです。本当は、大学の活動は日々の地道な活動なのです。それは消費者問題も同じはずでして、消費者の利益のために活動している人は、そんなに特別なことをするわけではなくて、やらないといけないことがたくさんあるということなので、そういうところの人たちにそれなりの手を差し伸べていく発想も必要なのではないかと、私は常々思っていたのです。

その意味では、先ほど樋口委員がおっしゃっていたように、相乗りでも構わないと思うのです。消費者の問題は生活全体ですから、いろいろな分野でもう既に動いているところに相乗りしながら、消費者目線で何ができるかということでプラスアルファをしていけるような活動にも、ある程度目を掛けていってやらないといけない。

それから、自治事務だからといって地方に任せるという考え方よりも、これはもう国の仕事だと割り切らないといけないものがたくさんあって、広域連携もそうですけれども、前からPIO-NETの入力作業などは、あれは情報としては国が大変重宝してそれを使っていろいろな政策を考えているとすれば、PIO-NETに入力していくような作業に対しては、それなりにきちんと対価を払うというようなことも考えるべきです。それも含めて、国のためにやってくれているものは多いので、地方に任せるというよりも、消費者行政のための予算としてこれは基礎的に必要なお金ですというものを増やしていかないと、いつもいつも新しいプロジェクトと言われても、我々もそれで報告書を書かされてあっぷあっぷして、なかなかお金をもらえないというつらい思いをしているのですが、それは地方の人にとっても同じだろうなと思うのですけれどもね。

時間が来てしまいましたけれども、報告書にもありますとおり、地方消費者行政におきましては、地方の財源確保による地方消費者行政体制の維持・充実、そして、消費生活相談員の処遇の改善、担い手の確保、高齢化といったものに対する社会的情勢の変化に対する対応といったように、課題は多い。地方によっても少しずつ温度差があるのだろうと思いますけれども、たくさん課題があるこうした地方公共団体の取組に対する国の支援は、まだまだこれから一層必要になっていく。これは間違いないだろうと思います。

こうした中で、地方消費者行政の推進交付金が今年度で一つの区切りを迎えるということで、特に地方消費者行政の充実・強化に向けた国の支援のあり方、どのように行うべきかは喫緊の課題でありますから、その意味でも今回の検討委員会の報告書が一里塚になることは間違いない。よくやってくださったということで、御礼申し上げます。

消費者庁におかれましては、この検討会の成果も踏まえて、今後の地方消費者行政の取組が決して後退することがないように、切れ目のない支援が実現するよう、更に考えていただくことを期待しております。

また、自治体の中で消費者行政の優先順位を上げてもらうためにはどう取り組めばいいかというようなことを、かなり理念的な部分もあるのですけれども、首長さんや政策決定の場に消費者問題の重要性をしっかりアピールしていただいて、消費者庁としてもどうすれば優先順位が上がっていくかということについての検討も深めていただきたいと思います。

当委員会としては、今後の消費者庁の具体的な取組の内容をしっかり見ていった上で、委員会自身の課題でもございますので、今後も必要に応じてヒアリングをしながら一緒に考えていきたいと思います。またよろしく御協力をお願いいたします。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 ありがとうございました。

(消費者庁退席)

≪3.その他≫

○河上委員長 次に、議題「その他」として、まず新開発食品の調査部会から報告事項がございます。今日は阿久澤先生がいらっしゃいませんので、長田部会長代理から御報告をお願いいたします。

○長田委員 それでは、特定保健用食品の表示許可に関わる答申について、私から御報告をいたします。

平成28年12月22日に開催した第37回新開発食品調査部会及び平成29年1月10日に開催した第38回新開発調査部会の議決について、新開発食品調査部会設置・運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て、委員会の議決とし、6月28日付及び7月10日付で内閣総理大臣へ答申を行いました。

まず、参考資料1の答申書を御覧ください。内閣総理大臣により諮問を受けて、第38回新開発食品調査部会において安全性及び効果について審議を行った結果、特定保健用食品として認めることといたしました。

次に、参考資料2の答申書を御覧ください。こちらも内閣総理大臣により諮問を受けて、第37回新開発食品調査部会において安全性及び効果について審議を行った結果、特定保健用食品として認めることといたしました。

私からの報告は以上になります。

○河上委員長 ありがとうございました。

これは御報告を承るというものでございます。

続きまして、6月24日に実施しました「消費者問題シンポジウム in 盛岡」につきまして、実施報告を事務局からお願いいたします。

○黒木事務局長 参考資料3を御覧ください。

平成29年6月24日土曜日に「消費者問題シンポジウム in 盛岡」を、岩手県消費者団体連絡協議会と当委員会の共催で開催をいたしましたので、その旨、御報告をさせていただきます。

当日は岩手県、盛岡市を初め、近隣の市の消費者行政担当者や相談員の方、消費者団体、事業者、一般消費者など、50名の参加を頂きました。

シンポジウムのテーマは「健康食品の適切な利用法と広告の見方」ということでございまして、冒頭に共催団体の岩手県消費者団体連絡協議会の高橋会長から御挨拶を頂き、続いて、河上委員長に基調講演を頂きました。その後、パネルディスカッションを行ったところでございます。パネルディスカッションにつきましては「健康食品の適切な利用法と広告の見方」をテーマに、コーディネーターを長田委員にお務めいただきまして、パネリストとして消費者庁の表示対策課食品表示対策室の三上室長、岩手県保健福祉部健康国保課の互野主任主査、いわて生活協同組合の藤原常務理事、最初に御挨拶を頂き高橋会長、コメンテーターとして大森委員にも御参加を頂きまして、討論を行ったところでございます。

その中では、商品選択をされる前に信頼できる情報源として消費者庁や栄養研のホームページを御参考にしていただきたいということ。あるいは、基本はバランスのとれた食生活というものが重要である、手軽な食品が増えてきているけれども、この機会に普段の食事を振り返っていただきたいという御意見。

国の健康食品に係る制度や仕組みにはいろいろまだ課題があるけれども、消費者側でも勉強していかなければならない課題もあるのではないかという御意見。

表示の制度については、まだ事業者側に寄っている印象を受けるけれども、消費者も表示を読み理解するよう学習を怠ってはいけないというような意見が交わされました。

最後に、委員長より、食にまつわる問題は昔からあり、これからも消費者問題の中では中心的な役割を果たしていくだろうということで、表示が見づらいので読まないというような御意見もあるけれども、書いてあるということ自体が大事なことであり、余り肩肘を張らずに、食べ物について、自分たちの感性を磨くことが重要である。食の問題を少し長いスパンで一緒に勉強していきたいという総括コメントをいただいたところでございます。

なお、当日の配付資料、開催レポートは委員会のホームページに掲載しておりますので、併せて御報告をいたします。

以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。

このコーディネーターとコメンテーターでお世話になりました長田委員、大森委員から、一言ずつでも何かありましたら、お願いします。

○長田委員 なかなか難しいテーマではあったのですけれども、皆さん、率直に意見交換ができたのではないかと思いました。

以上です。

○河上委員長 大森委員、お願いします。

○大森委員 食に関しては、皆さん、すごくこだわりとかマニアックな方などがいらして、いろいろな議論が白熱したところ、長田委員が上手にまとめられたと感心しておりました。

この特保関係が出たときは、消費者庁は、いわゆる健康食品から消費者を安全性で守りたいという趣旨があったとお聞きしていますけれども、皆さんの御意見を聞いた私の感想では、こだわる人は特保も嫌、こだわらない人はいわゆる健康食品も特保も何でもオーケーというように、余りそのもくろみは機能していないなという印象を受けました。

以上です。

○河上委員長 食品の問題は本当に難しくて、私も本当に素人同然です。最後に、私は牛乳は賞味期限が切れてからが勝負だと言ったら、それは怒られました。会場の人が後から来て、先生、それは危ないですと言われました。ただ、実際に、私たちは特保だ何だと、余りそれを信用する必要はないし、もっと自分の食の五感のようなものを磨く必要があるように思うのです。以前は大体食べる前に嗅ぎましたよ。臭って、そして、口の中に含んでみて変だなと思ったら吐き捨てる。今の子たちは変だなと思ってごくんと飲んでおなかを壊すのですが、それは本来の人間の食のあり方としておかしいのではないかという感じがしていたわけです。子供たちに対して、もちろん家庭での食育が非常に大事なことなのだけれども、その食育をするべきお母さんが余り食に対する基礎知識を持っていない。これは大変なことですから、みんなで少しずつ新しい食について勉強しないといけませんねということを申し上げたのですが、結局私自身もよく分からなくて、今後とも更に勉強したいと思います。

以上は盛岡の話でございます。次回は新潟で消費者教育をめぐってシンポジウムを開催することを計画しているところでございます。

最後に、消費者委員会に寄せられました意見の概要について、事務局から御報告をお願いします。

○丸山参事官 お手元に右肩に参考資料4という形で付されている資料があるかと思います。そちらを御覧になっていただければと思います。

4月1日から6月30日までに当委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等の一覧となっております。この間、委員会に寄せられました意見書・要望書等は計21件ございました。

まず、1ページ目のところ、左上のところですけれども、取引・契約関係ということでは、7件ということになっております。

4ページ目のところでございますけれども、左上のところ、食品表示関係でございますが、5件となっております。

7ページ目でございますけれども、こちらの左上のところですが、今日議題になりました地方消費者行政関係5件ということになっております。

最後、9ページ目でございますけれども、料金・物価関係ということで1件、それから、その下、その他ということで3件となっております。

御報告は以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それぞれ要望書や意見書については、皆さんのお手元にその都度配付しておりますので、読んでいただいていると思います。何かこの機会にこれだけはという御発言がありましたら、お願いいたします。

特によろしゅうございますか。

いただいた意見書等については、大切に検討させていただき、また今後の委員会活動に大いにいかしていきたいと思います。

今後とも、全委員で情報を共有するとともに、定期的に委員間で意見交換を行う機会を作っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


≪4.閉会≫

○河上委員長 本日の議題は以上になります。

最後に事務局から今後の予定について説明をお願いいたします。

○丸山参事官 次回の本会議につきましては、日程が決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせさせていただきます。

なお、この後委員間打合せを行いますので、委員の皆様方は、委員室までお集まりください。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

3時55分ぐらいをめどに委員会室で打合せを開催したいと思います。

(以上)