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第249回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2017年6月20日(火)14:00~16:32

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、池本委員長代理、阿久澤委員、大森委員、蟹瀬委員、鹿野委員、長田委員、中原委員、増田委員
  • 【説明者】
    消費者庁澤井消費者調査課長
    消費者庁佐藤取引対策課長
    消費者庁取引対策課担当者
  • 【事務局】
    黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者白書について
  3. 特定商取引に関する法律施行令の一部改正について
  4. 訪問購入に係る規制の現状について
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会第249回本会議」を開催いたします。

本日は樋口委員が御欠席となります。

それでは、配付資料の確認につきまして、事務局よりお願いいたします。

○丸山参事官 お手元の議事次第の下部のほうに配付資料一覧を記載しております。資料1から資料3、参考資料となっております。

もし不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますよう、よろしくお願いいたします。


≪2.消費者白書について≫

○河上委員長 それでは、最初の議題でございますけれども、「消費者白書について」であります。

消費者基本法では、政府は毎年、消費者政策の実施の状況に関する報告書を国会に提出しなければならないと規定されております。また、消費者安全法では、内閣総理大臣は、消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果を、国会及び消費者委員会に報告するとされております。この消費者基本法に定められた実施状況報告等、消費者安全法に定められた消費者事故等の情報の取りまとめ結果、これをまとめた平成29年版の消費者白書が今般閣議決定されたとのことですので、本日は消費者庁からその概要について御報告を頂きたいと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ御出席を頂きまして、ありがとうございます。

それでは、大部に渡るもので大変かもしれませんけれども、20分程度で全体の御説明をお願いできますでしょうか。

○消費者庁澤井消費者調査課長 消費者庁消費者調査課長の澤井と申します。よろしくお願いいたします。

本日は6月9日に閣議決定し、国会報告をいたしました平成29年版消費者白書について御説明させていただきたいと思います。こちらの概要で説明させていただきます。

1ページ、目次となりますけれども、委員長からも説明がありましたとおり、基本法及び安全法に基づき、第1部の第1章の第1節では、安全法に基づき消費者庁に通知された消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告を行っておりまして、第2部全体として、基本法に基づき消費者政策の実施状況を御報告させていただいております。

それに加えまして、毎年白書では特集を作成しておりますが、今年の特集は「若者の消費」ということをテーマに取り上げております。

以下、概要に沿って説明させていただきたいと思います。

2ページ、こちらは2016年度に消費者庁に通知された消費者事故等ですが、1万186件となります。こちらのほう「財産事案」と「生命身体事故等」に分けられますが、「生命身体事故等」につきましては2,905件、そのうち「重大事故等」が1,286件になっております。残りの7,281件が「財産事案」になります。

3ページ、こちらの生命・身体の事故のうち、死亡あるいは30日以上の治療期間がかかる負傷又は疾病等が起こる事故及びその懸念のあるものを重大事故等としているわけですが、こちらの内訳を見ますと、8割は「火災」というものになっております。もともと自動車とか家電製品といったところからの出火が火災につながっている事例が多いのですが、近年の傾向として、スマートフォンやパソコンなどの電子機器等からの出火という事例もみられるところでございます。

また、この重大事故等を除く生命身体事故等の内訳を見ますと、約5割が「中毒」になります。中毒のほとんどは飲食店等のノロウイルスやカンピロバクターなのですけれども、こうした食中毒については、2016年度に消費者庁から、有毒植物による食中毒、ニラとスイセンを間違える、ギョウジャニンニクとイヌサフランを間違えるといったものについて注意喚起を実施しているところでございます。

4ページ、こちらは財産事案について、消費者安全法に基づく注意喚起を行ったものについての御紹介ですが、2016年度では10件ございました。主なものとして、架空請求が3件ありまして、例えば有名な企業をかたって、消費者に未納の料金があるといったような形で金銭の支払いを請求するといったような事案が出ております。

5ページ、こちらはPIO-NETの2016年の相談件数の推移を見たものでございます。2016年の件数は88.7万件ということで、前年度93.5万件に比べては減少しておりますが、全般的に見て90万件前後でここ近年は推移しているということで、引き続き高水準であると考えております。

6ページ、こちらは相談件数の推移を年代別、しかも人口当たりということで、その推移を見たものになります。特徴としては、例えば20歳代では2007年が1,000人当たりで10.8件だったものが2016年は6.1件へ減少、30歳代についても2007年の11.5件が2016年に7.0件へと、若年層は比較的人口当たりの消費生活相談件数が減少しております。一方で、高齢者、例えば65歳以上は2007年の5.5件から2016年には7.0件に増加するといったことで、高齢者では増加といった形があります。

若年者の減少については後でも御説明しますが、高齢者については、依然として高齢者をターゲットとしたような詐欺的手口のトラブルが増加しているということもありますが、一方で、これまで委員会の皆様にもいろいろ御助言等をいただいた結果、相談を促す啓発活動とか見守り体制の強化といったような側面もあると考えております。

7ページ、こちらは商品・サービス別に見たものでございますが、ここ近年の傾向として、1番左側の青い線になりますけれども、「通信サービス」の件数が突出して多いという特徴があります。26万件ですので、約3分の1を占めております。一方で、通信サービスに関する支払い金額というものは相対的には低く、2.7万円となっております。2番目に件数が多い項目としては「金融・保険サービス」となります。

8ページ、年齢層別に相談内容を見たものでございますが、特徴としては、青い部分になりますけれども「通信サービス」が占める割合がどの年齢層においても多いといった形になります。また、今年は食品関係の相談が増えておりまして、そうした相談は女性のほうが多いといったこともこの図からは読み取れます。

9ページ、高齢者に関する相談件数なのですけれども、こちらも2013年をピークに数字としては減少傾向なのですが、24万件を超えているということで、依然として高水準と考えております。

ただ、内容には変化がみられまして、かつては高齢者の場合、上位の相談件数には金融商品関係のものが非常に多かったわけなのです。こちらは緑に網かけしてあるものです。しかし、最近高齢者においても通信関係、ここでは黄色く塗ってあるところなのですが、そういうものが増えております。

10ページ、販売購入形態別に相談の推移を見たものなのですが、ここでの特徴としては、紫色の「インターネット通販」の割合が拡大しているというものです。これは65歳未満ですと非常に割合的にも顕著ですし、65歳以上でも確実に増えており、一方、高齢者では2013年等に比べ「電話勧誘販売」での相談が減っている形になります。

1番下の棒グラフは、認知症等の高齢者についてなのですが、ここでは他の層と違い「訪問販売」の割合が4割を超えるという特徴がみられております。

11ページ、今年の特集にも通じる話なのですが、消費者問題の傾向として、スマホを使ったトラブル、あるいはSNSをきっかけとしたトラブルが傾向として増えているというものでございます。

13ページ、これは2016年に急増した相談なのですが、「お試し」のつもりが「定期購入」になったということで、初回は非常に安いので、そのお試しだけのつもりで消費者が購入してみると、実は数回、4回や5回の定期購入だった。それを解約しようとしたところ、電話がつながらないといったようなトラブルが増えております。定期購入であることが、下の図にあるように非常に下の方に分かりにくく示されているというケースが結構多くなっております。

14ページ、相談の中で非常に小項目で見た場合、最も多いのが各年代でも「アダルト情報サイト」なのですけれども、こちらは2010、2013、2016年の推移で見てみますと、若年層ではこうした相談が減っているのですが、中高年層では増えているといった全体としての傾向です。恐らく、スマートフォンの普及と関連があるのではないかと考えています。

15ページ、こちらの「アダルト情報サイト」のトラブルを解決しようとして、インターネットなどで検索して「被害解決」とあるところをクリックしていって、消費生活センターかと思い連絡したところが実は探偵業者で、それで高額の請求を受ける等の2次被害が発生しております。こちらはその件数が増えているだけではなく、20歳代、30歳代の相談も目立っているところでございます。

16ページ、高齢者は詐欺的な手口は引き続き注意が必要であるということとともに、最近では「仮想通貨」並びに「レンタルオーナー契約」等のトラブルといったものが増えております。引き続き見守り活動が重要であると考えております。

17ページ、毎年消費者白書では、消費者被害のトラブル額の推計額を出しております。今年については約4.8兆円と推計をしております。こちらは2015年が6.1兆円でしたので、かなり減少しているのですが、それは推計の方法に準拠しているためでございまして、上の表で過去1年間に購入した商品や利用したサービスについて被害を経験したと認識している人の割合を載せておりますが、今年の調査結果では7.7%でした。昨年が10.9%でしたので、2割くらい割合が低くなっていることが推計額に影響しております。

18ページ、第2章ということで、消費者を取り巻く社会経済情勢や消費者意識について説明をしております。最近スマートフォンの保有が進んでいるということでして、特に中高年でも非常にスマートフォンの普及が進んでいるのですが、20歳代や30歳代では9割近くが携帯電話といってもスマートフォンの利用になっているという状況になっております。

19ページ、こうしたITを使った新しいサービスというものが海外では普及しており、日本でも始まっているところがあります。フィンテックについては、まだまだフィンテックを「知らない」という回答が78.3%なのですが、特徴としては、利用者は「モバイル決済」が3.5%、「個人資産管理」が1.4%と非常に少ないのですけれども、使っている人で便利と感じている人が95%に上るということで、皆さん1度使うと便利と感じる。でも、そうでない人は「今後も利用するつもりはない」と感じているということです。

20ページ、シェアリングエコノミーについても似たような傾向にありまして、シェアリングエコノミーについては88.4%が「知らなかった」と回答をしております。シェアリングエコノミーについてどのような不安があるかをアンケート調査で聞いたところ、「安全性」や「お金のやり取り」、あるいは「相手とトラブルになった際の対処」が4割近くと、高くなっております。普及に当たっては、この辺りが課題になると考えております。

21ページ、今回の白書では消費するということで、消費者がどのような意識を持っているかをアンケートで調べてみました。何にお金を掛けていますかという質問に対しては、どの世代でも「食べること」が上位に挙がっていました。若者ですと、それに続くものは「ファッション」でした。

22ページ、一方で今後、お金を掛けたいものについて言うと、「貯金」や「老後の準備」といったような将来の備えに類するものが上位に挙がっておりました。

23ページ、消費者トラブルを避けるための参考情報としてということなのですが、年代を通じて高いのは「テレビ」で、特に高齢者になるほど高いのですけれども、若い世代では「インターネット(SNSを含む。)」を参考にしている割合も、20歳代、30歳代では1番目に挙がっている傾向がありました。

また、熊本地震の状況や、あるいは最近食品ロス等、政府全体でも取り組んでおります。こうした取組についても白書に記載しております。

26ページ、若者消費の特集になります。今回はアベノミクスで景気が拡大という中、必ずしも消費がまだ力強くないのはどうしてか。あと、最近一般的に非常に若者の消費離れといったことが言われるのはどうしたことか。また、最近の成年年齢引下げといった議論にもどう影響するかという観点から、この特集テーマを選んでおります。

消費の全体を見た傾向としては、まず一つ言われるのは、若者の消費について言うと、この下のグラフになるのですが、バブル崩壊の後、非常に低成長でデフレの時代に育ったことが大きく影響しているのではないかと考えております。

平均消費性向を見たものが上のグラフになるのですが、平均でも下がってはいるのですけれども、25歳未満とか、あるいは25歳から29歳といったような年代でも、全体の傾向としては更に下がっているといった結果がみられております。

27ページ、個別品目についてのグラフを示させていただきますが、車離れ、お酒を飲まなくなっている、また、洋服の支出が減っているといった状況が見てとれます。

28ページ、食料費なのですけれども、「食べること」には関心があると言っていても、実は掛けている食費が減っているということが、この結果からは出てきております。

29ページ、一方で、かといって買物が嫌いな訳ではなくて、買物が好きですかと聞いたところ、10歳代後半や20歳代では、7割近くが「買物が好き」と答えるなど、決して消費自体が嫌いな訳ではなく、堅実に消費をしているといった傾向がみられます。

30ページ、若者のITと関連する消費行動について分析しますが、若者の消費行動を見て大きな影響を与えているのがIT化、特にスマートフォンの利用だと考えております。先ほどスマートフォンの保有率が大体9割だというお話をさせていただきましたが、利用時間のほうを見てみますと、こちらはLINEでの調査となりますが、15歳から25歳のスマートフォンの1日当たりの利用時間が3時間以上が73%、5時間以上が2割に及ぶというような、非常に長い時間スマートフォンを利用している若者がいるといった結果になっております。

31ページ、こうしたスマートフォンを様々な用途に利用しておりまして、特に使っていると考えているのは、LINEやインスタグラムといったSNSでございます。消費行動にもSNSがかなり影響しているというのが下のグラフでございまして、SNSで見た情報、例えば友達がアップした情報とか、芸能人、有名人が何かアップしたもの、あるいはお店の情報といったものをきっかけとして消費を行っていると回答する割合が、若い人では高いといった傾向がみられます。

32ページ、それ以外に若い人はいろいろなことをSNS等を通じて発信しております。この発信をするがために、外食や友達と集まったり、旅行に行ったりといったような傾向もみられました。

33ページ、若者の消費者トラブルということでございますが、人口当たりということで見れば、若者の消費生活相談は減少傾向にある。ここ数年、少し上がって下がったみたいなところも見られますが、長期的な目で見れば低下という形になっております。こちらにしてみれば、キャッチセールスといったようなトラブルが減っているといったことがある以外には、減少の傾向として、インターネットなどを使って自分で自己解決しようとしている若者が多いというような傾向があるのではないかと考えています。

34ページ、右側の図が、若者ではどのようなトラブルが多いかということなのですが、こちらは特徴別に色分けをしてみましたが、黄色が情報関連のもの、ピンクが女性に特有のものなのですが、大体健康食品とか、そうしたものになります。あと、ちょっと赤めのものでエステや美容医療関係が女性では多いという形になっています。それ以外に緑色のものなのですが、大学の入学とか社会人になるというときに、親元から離れて新生活を送るタイミングでの契約関係のトラブルといったものがあります。

35ページ、大きく見れば減少傾向の中で、増えている若者トラブルがあります。一つは、SNSをきっかけとするトラブルは増加しております。それ以外に「マルチ取引」に関する相談なのですが、このマルチにはまがいのマルチも入りますけれども、こちらは2007年から2011年までは減少しているのですが、2011年を底に再び上昇しております。最近の特徴としては、SNSを通じたマルチ的な勧誘とか、あるいは海外関係のそうした相談事例というものが増えており、新たなタイプのマルチの相談が目立っております。

36ページ、特に女性なのですけれども、若い人でエステや美容医療に関する相談というものが増えております。こちらについては、厚生労働省や政府広報で、もちろん消費者庁も関わった形での注意喚起等も行っております。

37ページ、若者へのこうしたトラブルに対する消費者教育として、自治体等がどのように行っているかということについて、白書では幾つか事例を紹介させていただいております。

一つは、今の若者のニーズを捉えている取組ということで、こちらは東京都になりますが、若手の芸人あるいは学生芸人にそれぞれ悪質商法に関するコントをやってもらう。それをインターネットで流して、その再生回数を競うといったような取組もあります。

右側は、学生自身あるいは若者自身が消費者教育にアクティブ・ラーニングという形で、供給を受動的に受けるのではなく積極的に参加するといったような事例が増えております。右側のものは兵庫県のものになるのですけれども、学生生協と県とが協力しまして、若者が、まずヤングクリエーターという形で消費者に対する活動を始めている。さらに、今では学生自身が学生団体を立ち上げて様々な活動を展開しております。こちらの写真は「188(いやや!)」についての周知を行っている学生の活動でございます。

これ以外には、白書で、例えば消費者行政と学校現場をつなぐ消費者教育など、その在り方を紹介しています。岡山県でコーディネーターを設置したり、徳島県で高校の教員がセンターに1年間研修に行くといったようなことで連携を図るといった取組を紹介しております。

まとめとしましては、若者は低成長の中で育つ、それから、IT化の中で育つといったところで、非常に環境が変わる中で今までの人とは違った傾向もみられるのですが、そうしたことも捉えて、今回若者を対象とした対策としては、彼らのニーズや興味とか、彼らの主体的な参画といったものを捉えていくことが有効ではないかと思っています。今後も世の中の移り変わりが激しいと思うのですが、若者自身が積極的に参加し、連携した消費者政策ということを展開していければと考えております。

以降は2部になりますけれども、こちらは消費者政策について網羅的に紹介してあるものですので、簡単に紹介させていただきますと、昨年度であれば「洗濯表示」の変更を行ったとか、食品表示については、様々な取組を行っております。また、「倫理的消費」とか消費者志向経営といったような、それぞれ消費者・事業者が主体的に取り組める取組の推進とか、また、10月には消費者裁判手続特例法の施行も始めております。

また、国際社会としてSDGsの推進といったこともありますで、消費者政策についても、これにのっとって進めているものもあるところでございます。

また、地方消費者行政の取組の強化を図るとともに、実は今回調査したところ、「188(いやや!)」の「名前」「番号」「内容」全てを知っていた人は3.3%という結果になりましたので、更なる周知が必要だと考えております。

また、7月には徳島に消費者行政の新未来創造オフィスの開設を予定しております。

第2部第2章では、各府省の施策も網羅的に紹介しております。

最後、非常に駆け足でございましたが、説明を終わらせていただきます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

ただいまの御説明に対して、何か御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 池本でございます。

御説明ありがとうございます。概要版で御紹介いただきましたが、本体のほうも幾つか関心のあるところを拝見しまして、特にこの概要版の表などを活用して、非常に分かりやすい形になっているかと思います。

断片的なところで質問と意見とを述べさせていただきたいと思います。2ページ目に財産事案と生命身体事故等がありますが、生命身体事故等のほうは重大事故等とそれ以外のものの区別がありますが、財産事案はそれの区別がありません。これはいわゆる多数消費者財産被害事態に限った報告なのか、それともその他を含んでいるのかをお伺いしたい点が1点目です。

2点目が、この数字がここ数年1万2,000件台から1万件台とほぼ横ばいなのですが、消費生活センターの相談案件をPIO-NETで集約することとは別に、この消費者事故等の報告が上がってくるのが、集約の体制として各自治体で十分定着しているのかどうか、それがまだ必ずしもどういう場合はここへ送るというのが定着していないのではないか、というようなことを断片的に地方で聞いたりするので、その辺りの実情がどうかということがもし分かれば教えていただきたいという点があります。

3点目は、47ページの地方消費者行政強化の取組で、地方消費者行政の強化作戦の目標とそれに対する進捗状況を紹介していただいているのですが、幾つかの項目は政策目標、左側に対してそれが何%というように対応しているのですが、割合で目標が掲げてあるのに対して、数字だけが出ていて、その達成状況が一読して確認しづらいところがあるので、記載の中で工夫をしていただけるといいのかなという点がありますので、これは感想として申し上げておきたいと思います。

以上です。

○河上委員長 何かありますか。

○消費者庁澤井消費者調査課長 御指摘ありがとうございます。

まず、生命・身体のほうは、分けて集計しております。財産事案について言うと、この多数消費者財産被害事態というところまで分けられいない仕組みになっているため、単に財産事案という形で集約させていただいています。

2番目のPIO-NETとこちらの両方で集約をしているというところについてなのですけれども、いずれにしても消費者庁が把握するということが大変大切であると思っていますが、これのおっしゃったような運用については、消費生活センターと関連するところは当然PIO-NETに入ってくる形ですが、そうではない財産事案は、それこそ警察や経産局といったところからの報告が多いという形になっております。消費生活センターではないところの情報が、うまい集約という意味でこれがベストかどうかは常に今後も御議論があると思うのですが、いろいろなところに網を張るという形には、ある意味でなっています。いずれにしても、しっかりと集約できるように、これからも担当課を通じて努力してまいりたいと思っています。

今回、財産事案が減っているのが何によるのかというところを我々としても注意をしているところなのですが、集約方法が変わった訳ではない。いずれにしろ、幅広く集約できるべく、今後も努力していきたいと思っています。

47ページについては、御指摘の点を担当課に伝えたいと考えております。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

大森委員、お願いします。

○大森委員 とても分かりやすい資料、ありがとうございます。これはホームページなどから出力できる形になっているのでしょうか。グラフなどは講演会などがあるときにパワーポイントなどに落とせるようになっていると有り難いと思って、質問です。

あと、若者が直接消費生活センターに相談せずにネットなどで自己解決するというのも確かにそのとおりだと思うのです。若者の消費自体は減っていますが、スマホなどに掛ける費用も多くて、その中で買物をしたりとか、どんどんSNSとかインターネットの中で情報を取るという形にシフトしていると思うのです。だんだん若い世代が育ってくるわけで、そうなってくると今までのような消費生活相談の在り方が果たしていいのかどうか。もう少しSNSに絡むような相談とか、消費者とのやり取りとか、今後考えていらっしゃるのか、その辺りをお聞きします。

○河上委員長 お願いします。

○消費者庁澤井消費者調査課長 まず白書についてなのですが、現時点でも全てこの概要や本文などはホームページに掲載しております。もちろんそれを写真で撮って使うことは今でもできるのですが、例えばよりこうしたグラフを気軽に使っていただきたいという意味も含めて、個別のグラフ等がそれぞれデータあるいは図が取れるようにといったような加工は今後随時行って、出来次第ホームページに上げていく形にさせていただく予定です。

若者がセンターに相談していない可能性があるのではないかと感じておりまして、こちらはある意味白書をやりながら、皆さん薄々は問題意識としてあったとは思うのですけれども、かなりそうしたものが出てきた形にはなっており、今のところ、相談はネットだけでやるというのはかなり難しいのではないのかと。相談員さんも個々の需要は聞いてみないと分からない。ネットワークは成り済ましなどは簡単に出来てしまうということもあるのですが、内容次第だというものもあります。例えばアダルトサイトの架空請求は無視すればよいといったようなネットで済むような情報もあると思いますので、そういう意味では、どうしたものが若者に届く支援なのかということを当庁として考えていきたい。例えば入り口はネットにして、こういう事案のときには御相談くださいみたいな、そういう経路を作ったりすることも必要ではないかということが、白書から出てきているのではないかと思っております。

○大森委員 ありがとうございました。

○河上委員長 ほかにいかがでしょうか。

蟹瀬委員、お願いします。

○蟹瀬委員 続けて同じような質問なのですが、33ページでは、相談減少傾向でほとんどの方がインターネットを検索して情報を取っているのが10代後半ではないかというような分析になっていますが、48ページに「188(いやや!)」がどのぐらい知られていますかというと、10代で2.0%しかいない。このパーセンテージを見ると、単純にSNSで解決しているだけではなくて、これの周知の足りなさみたいなところが出てきているのではないかと思うのです。ですから、もちろん自分で解決するということもあるけれども、どう相談したらいいのかが分からないという問題が、この33ページと48ページを見ると見えてきているのですけれども、それに対する今後若者への訴求も進めるとも書いてありますが、実際には進んでいくのでしょうけれども、どういう関連づけでお話を今後なさっていくのかお聞きしたいです。

○消費者庁澤井消費者調査課長 確かにどうすればいいのか分からないという若者が多いということもありまして、一つは消費者教育の展開だと思っております。消費者教育は、昔に比べれば今でも大分進んだところではあるのですが、今年新たに消費者庁としても「社会への扉」という高校生向けの教材を作りました。そうしたものを、今年は徳島県の全高校等でモデル的に使ってみて、やがてもっと各地に広げていきたいと考えておりますので、より良い形で若者に伝えていく努力を図っていきたいと思います。

そうした中で、困ったときは「188(いやや!)」といったことも伝えていければいいと思っておりますし、そういう意味では、いろいろな形で、国民生活センターなどでも結構分かりやすいファイルを作ったりなどの努力をされているところだと承知しております。

○河上委員長 蟹瀬委員、お願いします。

○蟹瀬委員 もう一つ、探偵業者が2次トラブルを起こしているという結果が出ているのですけれども、実際にはどういう状態が起こっているのか説明していただいていいですか。2次被害が起こっていますと。それが探偵業者などによって起こっているということは、相談をするときに探偵業者に頼んでしまうということですか。

○消費者庁澤井消費者調査課長 そうなのです。恐らく意識して探偵業者というわけではないと思うのですけれども、何か振り込んでくださいとなって、これをどうしようとインターネットで検索して、ここで解決してくれますよというような情報が出てきて、そこへアクセスして相談するとそれが探偵業者であって、たかだか発信元のIP番号を教えてくれるとか、そうした調査しかしないのですが、そうしたものに対して、高額な解決料を吹っかけてくるといったようなトラブルが出ているということです。

こうしたことに対して全く対応していないわけではなく、例えば場合によってはそうした業者が検索上位に出てきてしまうようなことがあるので、検索上位にまず消費生活センターが出るようにといったようなことをインターネットサイト事業者などにお願いして、工夫をしてもらったりという対応策もやっております。

○蟹瀬委員 今、探偵業者に対する表記規制というものが問題として起こってきていますね。ここで起こっているわけではなく、それを要望するという声が上がってきていると思うのです。探偵業者がどういう会社であるかということが明確に表記されていないとか、そういうことが問題視されているかと思うのですけれども、その辺りのところはまだ分からないということですね。

○消費者庁澤井消費者調査課長 済みません。今回の白書はそこまでは扱っておりません。

○河上委員長 よろしいですか。

ほかにはいかがでしょうか。

鹿野委員、お願いします。

○鹿野委員 先ほど蟹瀬委員がおっしゃったことの繰り返しになるのですが、48ページの消費者ホットライン「188(いやや!)」について、一言要望を申し上げたいと思います。

このアイデア自体はすごくいいと私は思っているのですが、ただ、スタートして2年近くたったにもかかわらず、ここに書いてある数字を見るかぎり、周知が進んでいないということがうかがわれます。チラシ配布等で周知活動を行っているということではありますけれども、年齢層によって、その周知として何が効果的かということにも違いがあるのではないかと思うのです。若い層に対しては、学校教育等できっちりとそこも含めて教えて頂くことが重要です。もちろんクーリング・オフがどういう場合にできますとか、そういうことも大切ですけれども、いざとなったときにどこに相談すればいいのかということも非常に重要な情報ですから、そこら辺の教育も徹底させていただきたいと思います。先ほどのお答えを聞いていると、トラブルに遭った後に相談先を間違うことにより、いわば2次被害に遭うこともあるようですから、その点の周知は重要だと思います。

ただ、それ以上の年齢で、学校はもう既に終わったという層については、学校教育でということにはなかなかならないので、その他の方法で周知を図るということになりましょう。その際、現在ではインターネットが便利なツールとなっているのですが、特に高齢者については、ネットで流しても、そもそもインターネットを利用していないということもあるでしょうから、そのような場合も含め、それぞれの年齢層に応じた周知徹底を図っていただければと思います。これは要望です。

○河上委員長 何かお答えになりますか。

○消費者庁澤井消費者調査課長 「188(いやや!)」については、我々もどういう周知がいいのかというところについては本当に大きな課題だと思っております。今回の白書で「188(いやや!)」について、効果的な周知方法を聞いたところ、テレビのCMと答える方が非常に多かったのですが、費用対効果という面などを考えると、それは簡単ではないこともあります。

いずれにしても、いろいろな場面で周知をやっていきたいと思いますし、消費者トラブルに遭った際の行動というようなことで今回調べてみますと、若年の方は、まず友人などに相談するとか親に相談するような傾向があって、一方、高齢者の方はまず事業者に直接問い合わせる割合が高く、その次に、60歳とか70歳だと4割近くはもし本当に困ったら消費生活センター等公共の窓口に相談するというような形で、ある意味、一定の周知なども図られているのかなと考えております。ですから、より若い人で、自分だけで悩まず、きちんと専門機関に相談するということの重要性をどう伝えていくかが大切かなと。

周知方法はもちろんテレビCMなどを大々的にやれれば一番理想的だと思うのですが、年代に合った効果的な周知方法というものを検討していく必要があると考えております。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

この白書は紙ベースで公刊するような計画はあるのですか。

○消費者庁澤井消費者調査課長 毎年販売しておりまして、今年も7月中旬以降に販売される予定でございます。そこには年表等も付しております。お値段が年々高額になっておりまして、今年はいろいろ盛り込み過ぎたので、厚くなってしまったのです。今、4,000円近くになると言われていて、来年以降いろいろ考えたいなと思っています。

いずれにしても販売されますので、1冊見ていくために、もちろん全部どなたでもアクセスできるようにホームページで見られるようになっているのですが、出力をカラーでということを考えるぐらいであれば御購入いただければと考えておりますので、ぜひ皆さんよろしくお願いいたします。

○河上委員長 この概要版は。

○消費者庁澤井消費者調査課長 概要は販売はしていないのです。でも、こちらもホームページには載せております。

○河上委員長 消費者教育などをするときの教材に使えるような形にしていただけると、大変便利だと思うのです。概要版をとにかく受講者に持たせて、必要なところはホームページからダウンロードして補充教材にしてしまえば、1コマの中でいろいろ議論するのにも役立つのではないかと思います。場合によっては500円ぐらいで手に入るものをたくさん用意していただければ有り難いという個人的な感想です。

○消費者庁澤井消費者調査課長 また業者さんあるいは出版、それこそどういうようにすると消費者により読んでもらえるかというのは、消費者に届く白書によりなってほしいと思っておりますので、そうしたアイデアあるいは具体的な御提案というものが頂けるとすごく有り難いと思っております。

○河上委員長 蟹瀬委員、お願いします。

○蟹瀬委員 最後に一つお願いなのですけれども、大変よく出来ている調査の結果だと思って、分かりやすいです。この前も説明していただいて、余りにおもしろいので分厚いものを持って帰って読んだのですけれども、そのときに、探偵業者という言葉が非常に引っ掛かりまして、こういうことが出てきた社会的背景があるわけですから、もしそういう調査結果で今までになかったけれども、浮上してきた。こういった問題をもう少し深く来年度は調査をかけていただいて、表記の問題で引っ掛かっていくのか、ネットの中で引っ掛かっていくのか、そういう消費者がどうしてそこに行ってしまうのかを分析していただくと解決の方法が出てくるかと思いますので、この調査はすごくよくでき上がっておりますので、ぜひ浮上した点に対しては、来年また一生懸命調整していただければと思います。これはお願いです。

○河上委員長 ほかには何かお気づきの点、ございますか。

私は個人的にシェアリングエコノミーというものをどう考えたらいいのだろうという問題意識があって、あれは消費者問題になるのですか。つまり、シェアリングエコノミーをやっているときというのは、実は普通の人が事業者にもなり消費者にもなるということで、お互いに資源を分かち合うというところがありますね。それとも、こうしたシェアリングエコノミーを画策している事業者がいて、そのもとで消費者がそういう形で事業をやっているというか、利用し合っているというような形になっているのか。これは消費者問題なのかどうかが気になったのです。

○消費者庁澤井消費者調査課長 シェアリングエコノミーはBtoCではなくてCtoCと言われるところがありますので、今までどおり物を購入する立場の消費者にとって、物が届かないとか、違っていたというようなところは、ある意味、変わらず消費者問題であるかと思っておりますが、売るほうも消費者的な人というところは若干議論が必要ではないのかと。事業者的な性格も持って活動をやられる要素もありますので、そういう意味では、多少今までの消費者像とは違う消費者が出てきたのではないかと感じております。

ただ、いずれにしても、ある意味いい取引が行われる市場環境の整備というところでは、シェアリング事業者とか、間に入る事業者にいい環境を作ってもらう。例えば相談をするとか、決済の方法とか、そういったところでより安定的に取引ができるような形を作ってもらわないと、現在でも届かない、届いたというレベルから始まって、様々な相談が出てきていると承知しております。とはいえ、こういう分かち合いや新たなサービスとして期待されているところもあるので、どう捉えていくのかというのは結構大きな問題ではないのかと思っております。今までと消費者の役割も違ってくるのかなと考えております。

○河上委員長 明らかに消費者問題の出方がここでは違う形になります。おそらく今後こういうものが増えるでしょうから、どう考えていったらよいのかが気になりました。

ほかはよろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。消費者白書というのは消費者問題の現状と課題、消費者政策の実施状況等について、体系的に分かりやすく説明するということを目的に作成されるものでありまして、その内容については当委員会としても高い関心を持っております。

数年前に最初に出たときに比べると、本当にきれいになって分かりやすいものになって、読み応えがあるかと思います。今回は「若者の消費」ということを特集のテーマとしたということでして、折しも成年年齢の引下げということが検討されつつある中で、非常に時宜を得たテーマではなかったかと思います。本日も様々な意見や提案が出てまいりましたけれども、それらの意見も参考にしていただいた上で、今後さらに内容の充実を図っていただきたく思います。

また、消費者白書の内容につきましては、各種の媒体、ルートを通じて、積極的に広報をするとともに、一般の方にもより理解していただけるように、少し手にとることが容易な形を工夫していただくなど広報にも力を尽くしていただければ有り難いと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しいところを審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

(消費者庁消費者調査課退席)

(消費者庁取引対策課着席)

≪3.特定商取引に関する法律施行令の一部改正について≫

○河上委員長 次の議題に移らせていただきます。

次の議題は「特定商取引に関する法律施行令の一部改正について」というものです。

この問題につきましては、平成27年の1月に特定商取引に関する法律、昭和51年の法57号ですが、その施行状況を踏まえた購入者等の利益の保護及び特定商取引の適正化を図るための規律の在り方について、内閣総理大臣から当消費者委員会が諮問を受けまして、特定商取引法専門調査会を設置の上、同専門調査会において調査審議を行い、同年12月に措置すべき具体的な事項を提言する報告書を取りまとめて答申としたところです。

それを受けて、平成28年6月に特定商取引に関する法律の改正が行われたところですけれども、本日は同法律改正に伴う政令の改正について、資料2-1のとおり、本年6月19日に内閣総理大臣から当委員会に特定商取引に関する法律施行令の一部改正について諮問がございました。

本日は、本諮問事項について、消費者庁からヒアリングを行い、審議を行った上で、委員会としての判断を示すことにしたいと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。

それでは、施行令の改正概要につきまして、短くて恐縮ですが、7分ほどで説明をお願いいたします。

○消費者庁佐藤取引対策課長 取引対策課長の佐藤でございます。いつもお世話になっております。よろしくお願いいたします。

それでは、7分ということでございますので、お手元に資料2-2というパワーポイントの1枚紙がございますので、そちらを中心に御説明をさせていただきます。

今、委員長から御紹介を頂きましたとおり、当委員会、専門調査会の皆様にも大変な御努力を頂きまして、専門調査会での御議論をいただいた結果を踏まえまして、昨年、特定商取引法については、無事、改正法が成立、それから、公布させていただいたところでございます。

その施行に向けまして、関係政令の準備を進めてまいりました。その結果でございますが、このポンチ絵にありますとおり、大きく3つポイントがございます。

1点目が、悪質事業者への対応への強化ということで、この左上のところに書いてありますけれども、業務禁止命令の対象となる使用人の範囲の確定ということでございます。御案内のとおり、平成28年改正法におきまして、従来の業務停止命令、事業者や法人に対する業務停止命令に加えまして、その取締役等に対する個人に対する業務禁止命令という行政処分が新たに可能になったというところでございます。その業務禁止命令の対象となる取締役等の範囲を政令で定める必要があるわけでございますけれども、これにつきまして、ここにありますように政令で定める使用人といたしまして、営業所等の業務を統括する者、例えばその問題があった営業所長でございますとか、あるいは、業務停止命令の対象となる業務を統括する者ということで、例えば店舗販売と訪問販売、両方やっているような事業所における訪問販売を統括する外販部長とか、こういったものを対象とするということを規定したいと考えております。これが1点目でございます。

2点目といたしまして、立入検査等の対象となる「密接関係者」の拡大ということでございますけれども、特商法におきましては、業務停止命令等の行政処分を行うに先立ちまして、法律に基づいて立入検査等の調査を行う必要があるわけですが、その処分の対象となる事業者に対して立入検査を行うのは当然でありますが、従来から密接な関係があるものとして、政令で定める者「密接関係者」、こういう者に対しても立入検査ができるとされているところでございます。

近年のいろいろな事例なども踏まえまして、今般、新たにこの立入検査等の対象となる「密接関係者」の範囲を拡大いたしまして、ここにありますように、その事業者の親会社、子会社、あるいは兄弟会社、こういったものも立入検査の対象とするという方向で拡大をしたいと考えておるところでございます。

3点目でございますけれども、右側の美容医療の追加というところでございます。特定商取引法の規制対象取引形態の一つとして、特定継続的役務提供というものがあるわけでございますけれども、その具体的な役務については政令で定めるという形になっておりまして、従来からエステティック等が定められているところでございます。

先般の消費者委員会の御答申も踏まえまして、実際の相談件数なども勘案いたしまして、一定の美容医療契約を、この特定継続的役務提供の対象に追加することを法令上明記したいと考えております。

具体的にはというところですけれども、1カ月を超えて継続して行われる美容医療契約のうち、脱毛、にきび、しみ、そばかす、ほくろ等の除去、あるいは肌のしわ、たるみ取り、脂肪の溶解、歯の漂白、こういったものについて、主務省令で定める方法、例えば光の照射とか薬剤の注射などでございますけれども、そういったものを規制の対象として追加したいと考えておるところでございます。

以上が今回の政令案の主なポイントでございます。これらのポイントを踏まえた政令案を御了解いただけるようであれば、速やかに公布をいたしまして、その法律と併せまして、下に書いてありますとおり、今年の12月1日には施行したいと考えております。今回規制を新たに追加したりもするものですから、今後十分に周知していくことが必要かと考えているところでございます。

なお、御参考までに、この政令案につきましては、4月の末から5月の末にかけてパブリックコメントを実施いたしまして、全部で54件の御意見をいただきました。その一つ一つについては御紹介はいたしませんけれども、例えば美容医療契約を規制対象に追加することについては賛否両方の御意見を頂きました。また、具体的な施術の書き方についても、具体的な意見なども頂いたところでございます。その結果を踏まえまして、1点だけ技術的な修正をした上で、私どもとしては基本的には原案を維持した上で公布したいと考えております。

この政令案の新旧の28ページを御覧いただきますと、これは美容医療契約を今回新しく特定継続的役務ということで規制対象に追加することに伴いまして、消費者がクーリング・オフなどをしたときに、そのクーリング・オフの対象となる関連商品の範囲を定めている箇所でございますけれども、ここの2のハというところを御覧いただきますと「マウスピース(歯牙の漂白のために用いられるものに限る。)及び歯牙の漂白剤」と書いてありますが、これはパブリックコメントに出した原案では「マウスピース」だけしか書いていなかったのですけれども、この歯牙の漂白剤という歯のホワイトニングという漂白の施術について、通常使われる商品が、ここの規定ぶりでは、原案では必ずしも読めないのではないかという御意見を頂いたものですから、厚労省などとも相談をいたしました上で、明確化するという観点から、この漂白剤についても明示するという形で原案を修正したいと思っておるところでございます。

以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いします。いかがでしょうか。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 池本です。

御説明ありがとうございました。

まず、直接の諮問事項である政令改正案の三つのポイントで言いますと、法執行を担当する都道府県の担当の方々から聞いても、特に悪質業者で幾つか関連会社を作って、一つの事業の中身を、電話をかける者、勧誘する者、契約関係を管理する者などと分けて、非常に実態把握しにくくしているということを聞いていますので、今回の「密接関係者」の範囲を拡大し、あるいは処分の対象者として役員とか使用者というところへ広げるという今回の改正の意図は、悪質業者への対応に実効性を与えるのではないかと非常に期待しているところです。特に今回の政令改正で、その「密接関係者」の中身をさらに実質を踏まえて広げておられるという点は評価できるところだと思います。

美容医療契約のところで、一つ気がかりなのは、従来、特定継続的役務提供の指定役務は政令レベルでその役務の種類を定め、あとは解釈、ガイドライン等で具体的に表記するということでしたが、今回は主務省令で定める方法ということで、その方法部分も枠づけがあります。これは対象範囲を明確化するという報告書の中でも出ていたところを受けとめられたことで、やむを得ないところかもしれないのですが、施術の方法は日進月歩、また変わってきて、それがトラブルにつながっている場合には速やかに見直しをしていただくということが必要なのではないかと思います。そのあたりは要望としてお願いすることです。

これは諮問事項そのものではないのですが、一緒に配付されている省令事項の中で気がかりなところがあります。それは、省令改正案の11条の2の電磁的方法というところ、例のアポイントメントセールスの来訪要請手段が、従来の電子メール、ショートメールという相手方の機器に送信するというものだけではなく、SNSなどの手段をもう少し広げるべきだという報告書を受けとめていただいたものだと思います。11条の2の理解として、こういう理解でよろしいのかという点。

それから、意見ですが、1号はいわゆるショートメールを指すもの、2号は電子メールそのもの、そして、3号が「受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信を送信する方法」と書いてあるのは、SNSを指すのか、SNSの中でも多数の者に一斉に送るようなものも含まれるのだろうかという辺りを確認したい。

2年前の報告書では、電子広告、ブログやホームページなども内容によっては販売目的を隠して呼び出す誘引手段になっているのではないかということを提起しておいたのですが、それはここでは残念ながら含まれていないようです。それも最近の最高裁平成29年1月24日の判決で言うと、広告表示も内容を基準にすれば勧誘に含まれ得るというような判決も出ているくらいで、誘引手段のところももう少し柔軟に電子広告、ホームページなども含み得るのではないかと思うのですが、そのあたりは被害実態に応じてまた見直すということになるのか、それとも、概念上もう入らないということでは非常に困りますし、そのあたりはどう検討されたのかということを教えていただきたいと思います。

○河上委員長 お願いします。

○消費者庁佐藤取引対策課長 的確な御質問をいただきまして、どうもありがとうございます。

まず、省令の11条の2の1号、2号の解釈については池本委員長代理のおっしゃるとおりでございまして、三つ目について、これは基本的にSNSのメール機能等を指すものでございます。これは相手方が1人なのか複数なのかということでございますけれども、これはここの11条の2の3号の文言にありますように「その受信する者を特定して」というところがポイントでございますので、1人であってもあるいは複数であっても、受信者が特定されているという場合には、この3号に該当し得るということかと思っております。

来訪要請手段として、電子広告についても規制を及ぼすべきではないかということでございます。専門調査会の答申でもそういった趣旨の御指摘をいただいているところでございます。私どももこれを踏まえましていろいろ検討いたしましたが、一つには、電子広告とは何かという定義のところが必ずしも人によって一致していないというか、非常にここも技術が日進月歩のところがあって、様々な形態の確かにネット広告のようなものがあろうかと。したがって、アプリオリに電子広告が今後ともここの訪問販売に言うところの来訪要請手段たり得ないということは当然ないわけでございますけれども、もう少し動向を見極めて、確かにこのネット上の広告というのか、誘引の仕方というのは、ほかのリアルの世界での様々な誘引手段との比較においても訪問規制の来訪要請手段として規制を及ぼすことが適当であろうというところをよく検討して、その技術的な特質を見定めた上で、さらに今後の消費者からの様々な被害相談の状況もよく踏まえた上で、引き続きよく考えていく必要があるところなのかなと考えておるところでございます。

池本委員長代理の御案内のとおり、ここの来訪要請手段というのは、そもそも訪問販売における仮に営業所等で契約、勧誘がされても訪問販売の対象として規制を及ぼすのが適当である特定顧客とはどういう人か、こういう規制に係るメルクマールでございますので、例えば駅に張ってあるポスターを見た人をどう考えるかとか、新聞の折り込み広告を見て来た人とネットのホームページ広告を見た人で扱いをたがえるべきかとか、そういったことを今後の技術的な動向も見据えながら考えていく必要があるのかなと考えておるところでございます。

○河上委員長 よろしいですか。

ほかにはいかがでしょうか。

増田委員、お願いします。

○増田委員 今回美容医療を特定継続的役務提供のほうに入れていただきまして、ありがとうございます。ただ、美容医療に関しては、エステと違って非常に効果が大きいものですから、1カ月の範囲内で、あるいは1回の施術で効果を成し遂げてしまうというケースが多くあると思います。今回は特役での規制ですけれども、今後の状況を踏まえまして、過量販売であるとか、1カ月以内での問題に関しても適宜対応していただきたいということ。それから、技術の進歩が著しいですので、解釈が難しいことに関しましては、その都度消費者庁のほうで明確な解釈をしていただくようなことを御対応いただきたいと思います。

○河上委員長 何かお答えになりますか。

○消費者庁佐藤取引対策課長 今回省令のレベルで具体的な施術の範囲というものを書かせていただいておりますけれども、これは現時点での相談の状況なども踏まえた上で、こう整理をしておるわけでございますが、おっしゃるとおり、こういう世界の技術的な進歩というものはございますので、その動向を踏まえて、また、今後の消費者からの被害相談の状況もよく見た上で、もし解釈を明示する必要があるとか、場合によっては新たな施術法を追加する必要があるというようなことであれば、そこは適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。

1点目の御要望については、1回限りのものを特役という形で網をかぶせるのは難しいと思うのですけれども、厚労省におかれても美容医療に関する広告規制を強化する方向での法改正などもされていらっしゃるようですので、消費者庁全体として、厚労省などとも連携しながらどういうことができるのかを引き続き庁全体としてよく考えてまいりたいと思っております。

○河上委員長 本丸は恐らく医療法の改正になるかと思いますから、消費者庁も厚労省をうんとサポートしてあげて、良い改正を実現していただければと思います。

ほかにはいかがでしょうか。

よろしいですか。

先ほど池本委員長代理から出てきた電子広告、ネット上の来訪要請が果たしてうまく捕捉できるかどうかというあたりですけれども、実質的に考えて、特定の顧客に対して来訪要請の手段として機能しているとみられた場合には、解釈問題としては捕捉できることなのですか。そこはもうネット上のものは一律にだめだということなのですか。

○消費者庁佐藤取引対策課長 ですから、そこはアプリオリにネット上のものが当たらないということでは、もちろん将来も含めてそういうことが当たり得ないということは当然ないわけでございます。ただ、今後技術革新がどう進んでいくかというのはなかなか予測が難しい面がございまして、今、様々な広告的な手法のうち、一部は来訪要請手段に当たる、それ以外は当たらないという仕分けがされているわけでございますね。確かにネットの世界は非常に技術革新が速いですけれども、他方で、実世界のリアルの世界の広告などでも、最近は前を通る人の属性によって表示内容が変わる電子広告のようなものも一部見受けられるようにもなってきています。そうだとすると、そちらのリアルな世界の技術的な動向というものも踏まえて、ある特定の人に不意打ち的にぜひうちにおいでよという形で引っ張ってくる。要するに、今、キャッチセールスが仮に道でお兄さんに捕まって営業所に連れていかれて契約させられても、それは訪問販売だということで契約に訪問販売の規制がかかるわけでございます。そういうように、今、規制になっている、道端でお兄さんに捕まるのと同じような誘引性があるのだということであれば、それは将来的にネット広告もそういうものが出てくる可能性は当然あると思います。あるいは、リアルな世界でのそういった画面が人によって変わるような、将来3Dなどになるかもしれませんけれども、そういうように、人ではないのだけれども、あたかも本当の人が誘うような感じになるような技術なども出てくるかもしれないので、そういうものを総合的に見て、そのうちのどれが新たに来訪要請手段として追加するのが適当かということをバランスよく見ていく必要があるのかなと。

つまり、何が言いたいのかというと、ネット上のものだからなどだけで仕分けるのではなくて、全体的にバランスよく見たときに、仮に営業所等で勧誘されても、それは今で言うところのキャッチセールスと同じような規制を及ぼすべき実質的な必要性があると判断すべきものかどうかということを考える必要があるということかと思っております。

○河上委員長 池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 今、御説明いただいたのは、恐らく来訪要請手段の現行法の中でも、販売目的を記載していないチラシを配布して来訪要請するものは当たるけれども、ポスターを張ってあるのは当たらない。なぜならば、ポスターを張ってあるのは、文字がただ掲示してあるだけで、誘引するという行為がないのではないかと、こういう従来の概念の枠組みの中で線引きがある。ネットの世界でもそういう枠組みがあるという捉え方だろうと思うのです。

申し上げているのは、もちろんリアルの世界での線引きのことも含めた見直しの話ですが、先ほど申し上げた1月の判決は、意思形成への働きかけというのは、言葉で特定の人へ働きかけるだけではない、文字で新聞の折り込みチラシであっても何であっても、その内容によっては意思形成に働きかけるものと評価できるのだと。あれはネットに関する判決ではなくて、新聞折り込み広告に関する判決なのですが、だとすると、現行法のリアルの手段も、あるいはネットの手段も、掲示してあるだけだから誘引にならない、来訪要請にならないではなくて、中身ではないだろうかというような目で、もちろん被害の実態、トラブルの実態によってどの範囲に画するかという本質の問題は残るのですが、概念での線引きは見直す時期に来ているのではないかということを意見として申し上げておきたいと思います。

○河上委員長 先ほどの佐藤課長のお答えも、ネット広告であるからといって、それだけで一律にもう来訪要請の手段としては見ないという線引きはしない、むしろ実質的なところを見ていくというお話と、私は前向きに受けとめました。その意味では、もし必要であれば、また中身も形式的に言葉を変える必要があるかもしれませんが、現行法でも捕捉できないわけではないという感じがいたしました。それは否定されるのですか。

○消費者庁佐藤取引対策課長 現行法でどこまでできるのかというのはケース・バイ・ケースなので、余り一律に申し上げるのは難しいと思います。私の申し上げた趣旨としては、池本委員長代理がおっしゃるように、そもそも概念的な整理としてそれが妥当なのかという議論もあり得るとは思うのですけれども、恐らくかなり根本的な議論にもなってこようかと思います。いずれにしろ、特に特商法の規制というのは消費者被害の実態がどうなっているかというところをよく踏まえる必要があると思いますので、そういう消費者被害の実態が今後どうなるのかということと、あと、その前提として、ネット上あるいはリアルの世界の広告だとか勧誘の手法に関する技術的な動向はどうなのかということをよく見据えた上で議論していかなければいけないのかなと思っております。

○河上委員長 できるだけ速やかに検討を開始していただければ有り難いと思います。

もしほかになければこの辺りでということで、ほかによろしいですか。

それでは、以上といたしますけれども、ここで答申案を配付させていただきます。

(答申案配付)

○河上委員長 では、配付されましたでしょうか。

答申書の案ですけれども「平成29年6月19日付け消取引第182号をもって当委員会に諮問のあった下記事項については、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)の趣旨に鑑み妥当であり、その旨答申する」という内容の答申案でございます。これらをそれぞれ委員会の答申としてよろしゅうございましょうか。

どうもありがとうございました。

それでは、この答申案につきましては、皆様の御了解をいただいたということで(案)を取って答申とさせていただきます。どうもありがとうございました。

消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力をいただきまして、誠にありがとうございました。引き続き、次の議題についても御協力をお願いいたします。

≪4.訪問購入に係る規制の現状について≫

次の議題は「訪問購入に係る規制の現状について」というものです。

訪問購入につきましては、平成24年に特定商取引法が改正され、新たに7番目の取引類型として追加され、平成25年より施行されているところであります。改正時の附則においては、訪問購入に係る物品の占有を確実に回復しまたは保持することができるようにするための制度について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとされております。

また、改正時の衆参の消費者特委における附帯決議では、1番、訪問購入に係る規制の対象とならない物品及び不招請勧誘の禁止の規定の適用除外となる取引の態様を政令で定めるに当たっては、法の施行状況を十分に踏まえ、適宜適切な見直しを行うこと、2番、訪問購入に係る不招請の電話勧誘を禁止することの要否について検討を行い、必要な措置を講ずることとされております。

本日は、これらの検討状況について、消費者庁から御報告をいただいた上で、若干の意見交換を行いたいと思います。引き続きになりますけれども、15分程度で説明をお願いいたします。

○消費者庁佐藤取引対策課長 それでは、お手元の資料3という横のパワーポイントを御覧いただければと思います。

今、委員長から御紹介を頂いたとおりでございますけれども、訪問購入についても、先般の専門調査会で包括的な御議論を頂いたところではございますが、今、委員長から御紹介を頂きましたとおり、24年改正法の附則、それから附帯決議におきまして、幾つかの論点については明示的に検討して、所要の措置を講ずるように求められておるところでございます。これらを踏まえて当庁で検討した結果について、御報告を申し上げたいと思っております。

お手元の資料の4ページを御覧ください。訪問購入の定義でございます。これは法律の58条の4に書いてありまして、その施行令でもって適用除外物品というものが定められております。具体的には自動車でございますとか、家庭用電気機械器具、家具等々が定められているところでございます。

訪問購入の規制の概要ですけれども、5ページを御覧ください。訪問購入も特商法で定められている7つの取引形態と同様の規制が定められているわけですけれども、特に特徴があるものが2点ありまして、1点目が、まず厳格な勧誘規制がしかれているということでございます。この資料の一番上を御覧いただきたいと思いますけれども、勧誘前のところですが、不招請勧誘の制限というところで、原則として、電話勧誘を除いて不招請の勧誘が制限をされているということ、それから、その勧誘の受諾意思の確認義務というものが定められているところでございます。

もう一つの特徴が、クーリング・オフの期間中の売り主である消費者の占有の保持回復のための手当てというものが様々定められているところでございます。具体的には、まず一番左側の縦書きのところを御覧いただければと思いますけれども、クーリング・オフ期間内、これは8日間ですが、この期間内は消費者は物品の引き渡しの拒絶をすることができる。契約しても物品を引き渡さなくてもいいという権利が定められている。

右のほうのクーリング・オフのオレンジの矢印が書いてある上から2番目を御覧いただきますと、第58条の9ということで、物品の引き渡し拒絶に関する告知義務ということで、訪問購入業者は売主である消費者に対して、クーリング・オフ期間内は物品を引き渡さなくてもいいのですよということを告知しないといけないという規制があります。

それから、下から2番目の○を御覧いただきますと、消費者から物品を買い取った訪問購入業者が第三者に対してそれを転売したような場合に、引渡し等に関する事項を、もともとの売主に対して通知しないといけないという規制があります。それとセットで、右側の「転売先(第三者)」というほうに伸びている矢印を御覧いただきますと、この訪問購入業者が消費者から買い取った物品を転売する際には、これはクーリング・オフされるかもしれませんということを、この転売先の第三者に対して通知しなければいけない。こういう規制が定められております。

これらの規制を踏まえて、一番下の●のところですけれども、これらの規制と相まって、消費者がクーリング・オフをした場合、善意無過失の者を除いて、第三者に対しても対抗が可能である、つまり、所有権を返せと主張することができるということになっております。こういう訪問購入業者が転売先の第三者に対して一定の通知をしなければいけないという義務を課すことで、この人が善意無過失だという状況を排除することによって、結果的に仮に第三者に転売された後であっても、もともとの消費者がクーリング・オフによって所有権を回復できるような手当てを講じてあると理解できると思います。

次ですが、そういう規制が今、どうなっているかということですけれども、訪問購入の現状ですが、まず、7ページを御覧ください。これはPIO-NETの相談件数の推移でございます。このブルーの棒が訪問購入の相談件数でございまして、25年度から施行されていますけれども、件数自体は若干増加する傾向にあるということでございます。ただ、その中には問合せ等のものも相当含まれていると思われるところでございます。

8ページを御覧ください。相談の内容から、当時者の属性を見てみると、これはどの取引形態も共通なのですけれども、高齢者が非常に多くて、70歳代以上の方が相談の約半分近くを占めている。それから、家にいらっしゃる方が対応されるということだと思うのですけれども、性別で見ると、女性が約8割という構成になっております。

商品を見ると、9ページですけれども、具体的な商品が分かる中では、アクセサリーあるいは被服品、こういうものが多くなっているという状況でございます。

次に、10ページを御覧ください。業界の状況について、私どものほうでリサイクル・リユース関係団体、それから、宝石・宝飾品関係団体に対してヒアリングを行いました。そのポイントをまとめたものでございます。まず、訪問買取りの状況でございますけれども、訪問買取りで扱うのは家電や家具などの大型のものが多く、貴金属の訪問買取りは要請があっても消費者に店舗への持参をお願いし、基本的には訪問買取りを行っていない、もちろん個別の事情によって行うケースはあるけれどもということでありました。その背景として、宝石・貴金属の鑑定というのは、その技術だとか器具というものが必要なので、店頭以外で行うのはなかなか難しいという事情があるようでございます。

規制導入による流通への影響でございますけれども、これは実は物品によって結構違っているようでございまして、まず、家電等につきましては、通常、買い取った後、ちゃんと動くかとか、きれいにクリーニングするとか、あるいは値段をつけるとか、そういうことをするのに、通常8日以上かかる。逆に言うと、8日以内に誰かに転売するということは余りないというか基本的にない。それから、実際に消費者からそういうものについてクーリング・オフされた事例は聞いたことがないということで、皆さん、こういうものは要らないから売るということで、やっぱり返してというのは余りない、聞いたことがないと。だから、別に規制による影響というものはほとんどないですと。

他方、貴金属・アクセサリーはかなり状況が違っていて、貴金属というのは、そもそも単価が高い上に結構値段が変動するのです。したがって、そういう価格変動のリスクを、特に零細な事業者の方は負えないので、ビジネスの慣行として買い取ったら即転売するというのが普通だと。だけれども、一部の加盟店というのが、訪問買取りも以前は行っていたのだけれども、この特商法の規制が導入されたことを一つのきっかけとして、訪問買取りを行わなくなったということでありました。

24年改正法への意見ということですけれども、そこにありますように、貴金属の訪問買取りは、8日間のクーリング・オフによる相場変動等のリスクを負う状況にあるので、普通の事業者が訪問買取り市場から退出してしまって、かえって悪質事業者がはびこる規制になっているのではないか。それから、24年改正法の周知・啓発が十分とは言えないのではないかと、こういうような指摘があったところでございます。

次に11ページですけれども、この規制の執行状況でございます。これまでここにありますように、訪問購入業者に対する処分は、国、都道府県を合わせて7社ございます。うち、業務停止命令を出したのが2社、指示を出したのが5社でございます。1社は両方とも出しています。具体的な認定した法違反事実は何だったかというと、氏名等不明示、これが7社中7社、不招請勧誘が7社中6社ということでございます。

この不招請勧誘の典型的な手口は後でちょっと出てきますけれども、要らない衣類はありませんかと勧誘をして、ぜひ来てくださいと言って衣類を出したところ、これではなくて貴金属はありませんかと言ったということで、あらかじめ貴金属の「勧誘の要請」がなかったのにやったということで、不招請勧誘が認定されるケースでございます。ここにありますように、これまで処分された全ての事業者が貴金属を取り扱っている状況でございます。

次、12ページですけれども、これは刑事犯の状況でございます。ここにありますように、訪問購入事犯の検挙件数は26年以降毎年10件前後ということで、被害総額も2,000万未満ということで、このオレンジの棒が訪問販売、ブルーの棒が訪問購入ですけれども、訪問販売に比べると非常に小さいという状況でございます。これは警察庁の資料でございます。

次に、検討すべき論点でございます。14ページを御覧ください。先ほど委員長から御紹介をいただきましたけれども、改正法の附則、それから附帯決議によって、大きく3つの論点について検討する必要がございます。1つ目が、物品の占有を確実に回復しまたは保持することができるようにするための制度ということでございます。2つ目が、勧誘規制の在り方、3つ目として、適用除外物品の在り方ということでございます。

15ページが、物品の占有を確実に回復しまたは保持することができるようにするための制度ということですが、先ほど御紹介をいただきましたとおり、附則の4条にその旨が定められております。この関係で特に問題になるのが、下に参考で書きましたけれども、民法の192条というものがございまして、ここにありますように「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する」ということで、訪問購入によって物を売った消費者の権利と、この民法192条による善意無過失の取得者の権利の調整をどう図るかというのが、恐らく立法当初想定された論点であろうと思われます。

二つ目、三つ目の論点については次の16ページにありますけれども、附帯決議で触れられているというものであります。

以下、具体的に論点ごとに検討いたしました結果を御紹介申し上げます。

18ページを御覧ください。まず1つ目の論点であります物品の占有を確実に回復しまたは保持することができるようにするための制度でございますけれども、私どもは、これらの検討を行うに当たりましては、平成27年、ちゃんとしたデータが手に入る直近の時点ですけれども、その時点でのPIO-NETに寄せられた「訪問購入」に関する相談は全部で8,611件あるのですが、これを一つ一つ読みまして、分析をいたしました。

まず、この占有の関係については、8,611件中、占有が回復されなかったと相談者の方がおっしゃっているのは171件でございまして、全体の2%でございます。この171件のうち、占有が回復されなかったことに事業者側に原因があると考えられるものが77件でございまして、これが右下の大きな円グラフの赤枠で囲った部分でございます。

具体的な事由としては、一番多いのが、事業者が第三者に転売処分したと言っている。要するに、クーリング・オフしたときに誰かに売っちゃったからないと言っている。これが43件、25%です。事業者がなくしたと言っている。これが15件、9%。事業者から返却されたのだけれども、壊れていたというのが4件です。事業者から返却されたのだけれども、自分のものではない、違う人のものだと言っているというのが15件でございます。これらはいずれも消費者からのクーリング・オフに対して、事業者側の原因によって占有が回復されなかったと思われるものです。

これら以外に、左側の緑の部分なのですけれども、消費者は売却した記憶がないのだけれども、事業者が帰った後に物品がなくなっていたという御相談が実は結構ありまして、ただ、これは一個一個を見ると、分かる範囲では86歳とか、結構高齢の方の御相談が多い。あるいは、その御親族から、何か事情が分からないのだけれども親がそう言っているというような御相談が多くて、もし本当にそうであれば、これは特商法以前に刑法の窃盗罪の問題になると思うのですけれども、こういう御相談も一定程度ありますが、そこは原因が確定できないので、この赤枠の中にはとりあえずは入れていないということであります。

次に、問題になっているものが何なのかということなのですけれども、それは19ページでございまして、占有の回復が問題になるのは、主に貴金属でございます。まず、この左側の円グラフですけれども、先ほどの77件ですね。前のページの円グラフの赤枠の中の77件のうち50件、65%が貴金属でございます。

それから、右側のほうにありますとおり、これまで行政処分をした事業者は、全て貴金属を取り扱っております。先ほども申し上げましたとおり、事業者からのヒアリングなどをしてみますと金属以外の物品、つまり、携行が容易な家電などですけれども、そういうものはそもそも余りこのクーリング・オフ期間内に転売することは基本はないということでございまして、このクーリング・オフに係る占有の喪失が問題になるのは、主に貴金属と考えてよかろうと思います。

こういう状況を踏まえて、どのような対策を講ずるべきかというのが20ページ以降でございますけれども、現在の状況といたしましては、27年度の訪問購入に関する相談8,611件のうち、クーリング・オフした消費者が占有を回復できなかった理由として確認できるものといたしましては、買取りの相手方である消費者に通知のない第三者への転売、あるいは買取り事業者による紛失、これはいずれも現行特商法の違反の可能性が高いわけでございますけれども、こういったものが理由でございます。逆に、この転得者による即時取得によって、民法192条によって占有を回復できなかったという事例はこの8,611件中1件もなかったということでございます。

それから、先ほども申し上げたとおり、現行の規制によって既に多くの買取り事業者が貴金属の訪問購入は行っていないということがうかがわれるような状況でございます。これらの状況を考えますと、今、問題になっています消費者被害をさらにきちんと防止していくためには、現行の規制の周知徹底と、現行の規制を遵守しない悪質な事業者に対して、一層積極的に法執行していくということが効果的なのではないかと考えておるところでございます。

具体的な対応として、私どもが今、考えておりますのは、21ページにありますとおり、消費者によるクーリング・オフに対して、正当な理由なく物品を返還しない事業者に対して、その通達を改正いたしまして、処分基準を明確化したいと考えております。下にありますとおり、特商法の58条の12の指示の対象行為として、訪問購入に係る売買契約の解除、つまり、クーリング・オフによって生ずる債務の履行を拒否し、または不当に遅延させることが挙げられておるわけです。ただ、ここに規定されておりますのは、要するに、クーリング・オフによって消費者に物を返さなければいけないという、そういう債務の履行の拒否または不当な遅延と書いてありまして、単に「不履行」とか「履行遅滞」とは書いていないわけであります。

したがって、個々の事例の執行の過程において、これは履行を拒否し、あるいは不当に遅延させていると言えるかどうかという認定をしなければいけないという問題があるわけであります。この点については、下の矢印のところですけれども、法執行に当たっては、消費者によるクーリング・オフに対して、紛失したなどと言って買い取った物品を返却しない事例が複数認められる。こういった事業者については、特段の理由がない限り、この債務の履行の拒否あるいは不当な遅延を行っていると取り扱う旨を通達で明確化したいと考えております。その上で、こういった現行の規制を遵守しない悪質事業者に対して、一層積極的に法執行を行っていきたいと思っております。

あわせて、現行の規制について、消費者及び事業者に周知を徹底して、あるいはここにありますように引渡しの拒絶に関する告知でありますとか相手方に対する通知、こういったものについて、より周知を徹底していきたいと考えております。

以上が1点目の論点でございます。

続いて、2点目の論点であります勧誘規制の在り方でございます。22ページ以降ですけれども、これについても、8,611件を分析いたしました。その結果ですが、下の円グラフにあるとおりでございまして、この8,611件のうち、事業者から消費者に電話をかけたのですけれども、消費者のところにそもそも訪問に至っていないというのが全体の47%、4,086件ある状況でございます。

事業者が実際に消費者を訪問したものというのが、この円グラフの黄色で囲った部分でございまして、きっかけ別に見てみますと、まず、事業者から電話をかけて訪問したというのが全体の25%、2,149件ございます。それから、消費者から事業者に電話をして事業者がやってきたというのが4%、383件、何の前ぶれもなく突然やってきたというのが5%、437件と、こういう状況になっておるところであります。

その内容についてさらに分析をしてみますと、まず23ページでございますけれども、結局事業者が消費者を訪問した3,220件、この22ページの円グラフの黄色で囲った部分ですが、これについて分類してみますと、契約に至ったものは2,322件、全体の73%です。これをさらにきっかけ別に見てみますと、下の棒グラフを御覧いただきますと、まず、事業者の側から電話をかけて訪問したケースについては、契約に至ったものの割合が71%ということになっています。他方で、消費者から事業者に電話をして、事業者が訪問したもの、これの契約に至ったものの割合は73%ということで、ほとんど同じという状況でございます。御参考までに、事業者が訪問したきっかけが不明というものが89%で非常に高くなっていますけれども、これは特に高齢の消費者の方の御親族の方が親の件について相談してきた場合が多いので、きっかけはよく分からないけれども、契約したという相談が多いので、こういう数字になっているのだと思われます。

事業者からの電話によって訪問に至ったもの、この2,149件について、代表的な相談事例を見てみますと、24ページでございますけれども、まず1つ目のパターンが、訪問時に電話と違う種類の物品について勧誘されたというのが1,541件と非常に多くなっています。これは典型的でございまして、マル1にありますように、電話では不用品があれば買取りたいと言われたのに、実際には貴金属の買取りについて勧誘され、強引に買い取られた。マル2ですけれども、電話では親切そうな女性が要らない衣類を買取りに伺いますと言っていたのに、実際には男が尋ねてきて貴金属を出すように言われて怖かったというような、要らない衣類があれば買取りますよと言って、ではと実際に来てもらうと貴金属を出せと言われたというのが非常に多いパターンであります。

2番目のパターン、訪問時に電話と違う物品について勧誘はしていない、あるいはその内容が不明だというものでございます。これは556件あります。これは具体的にどういうものかというと、例えばマル1ですけれども、電話でアクセサリーを買い取ると言われたので、では、来てくださいと言って不要な指輪を用意していたところ、売るつもりのなかったネックレスまで強引に買い取られてしまった。マル2ですけれども、電話で貴金属を買い取ると言われて来訪してもらったら、相場よりもかなり安い値段で買い取られてしまったというような相談。マル3ですけれども、買取りの際に個人情報を書かされたので不安だという御相談。これは実は古物営業法上こういうことをしなければいけないという義務が課されていますので、違法だとは言えないと思うのですけれども、こういう御相談がある。

3番目として、電話で消費者が訪問を断ったのに事業者がやってきたケースで、これはさすがに少ないのですけれども、52件あったというケースであります。

こういう現状を踏まえて、勧誘規制の在り方はどうすべきかということですけれども、25ページですが、今、申し上げた24ページの事例については、現行法の厳格な執行により対応できるケースが多いのではないかと思われます。例えば(1)(3)というのは、これは明らかに現行の不招請勧誘規制の違反でございます。(1)というのは、要するに、要らない衣類があれば買い取ると言ったのに実際には貴金属を出せと言われたと、こういうパターンですね。(3)は断っているのにやってきたということで、これは現行の不招請勧誘の違反ですと。

(2)ですけれども、これらについても、現行の迷惑勧誘等の規制あるいはクーリング・オフによって救済が可能であるものが多いと思われます。(2)のマル1は威迫、困惑あるいは迷惑勧誘、こういうものに当たると思われますし、マル2も買い取られたこと自体には文句はないのだけれども、値段が不満だということでありますので、こういうものはクーリング・オフによって対応することも可能であろうかと思います。

25ページに戻っていただいて、マル2の「また」というところですけれども、事業者が電話をかけて相手方から訪問のアポイントを取得したからといって、現行法上禁止されている不招請勧誘に当たらないとは言えないという運用になっています。これは下の※印の通達の抜粋なのですけれども、これを御覧いただきますと、例えば相手方が購入業者に、つまり、消費者が購入業者に単に査定のみを依頼した場合というのは「勧誘の要請」があったとは言えない。つまり、査定してくださいと言われたので出かけていって、査定した上でこれを買取りたいのですと言ったら、それはもう不招請勧誘だと、こういう扱いになっているということです。一般的な事項に関する紹介や資料の郵送の依頼があったことをもって「勧誘の要請」があったとすることはできない。さらに、購入業者から電話をかけて、訪問して勧誘を行ってよいか否かを積極的に尋ねて相手方から「勧誘の要請」をとりつけるような場合も同様、つまり「勧誘の要請」があったとすることはできないという扱いになっておりまして、現行の規制でも厳しく制限されているということでございます。

それから、こういった実態を踏まえると、下の矢印のところに書いてありますけれども、訪問購入の適正化を図っていくためには、事業者に対して現行法の遵守を求めるとともに、消費者にもクーリング・オフ制度の存在、あるいはクーリング・オフが可能な期間内には物品の引渡しの拒絶ができる旨等の周知・啓発を行うということが重要であり、効果的なのではないかと考えております。

最後に、適用除外物品についての検討でございますが、26ページ以降を御覧ください。この27年度の相談のうち、適用除外物品の物品別に分類したのが26ページの表でございます。御覧いただきますとおり、自動車が448件、その次に多い家電が53件ということで、自動車が非常に多いという状況になっております。

27ページがそれの経年変化を見たものですけれども、足元では一番多い自動車なのですが、経年変化を見ると、25年以降減少傾向にあるというような状況でございます。

さらに、その内容を見たのが28ページでございまして、具体的な自動車の訪問購入に関する相談448件、これを分析しますと、その約8割、360件は買取り価格や解約等に関する相談ということになっております。

その典型的な事例が、下の相談事例というところに書いてありますけれども、要するに、車を売却するために見積もりサイトに登録して、最初にやってきた業者と契約をしたのだけれども、あとで別の業者が来て、もっと高い査定額をオファーされたので、そちらと契約したいと思って解約したいと言ったのだけれども、できないと言われた。2番目のほうは、同じくネットで査定を申し込んで一旦は契約をしたのだけれども、その後、家族で話し合って、やっぱりやめたということで解約してくれと言ったのだけれども、断られたというような相談の内容でございます。貴金属に関する状況、すなわち、事業者がいきなり来訪して、売るつもりがなかった物品を強引に買い取って持っていくというようなものとは状況が違うのかなと考えておるところでございます。こういう状況を踏まえますと、適用除外物品を見直すべきような特段の状況は見当たらないのではないかと考えているところです。

以上を踏まえまして、結論ですけれども、30ページでございます。このような現状を踏まえますと、訪問購入に係る消費者被害の現状を踏まえると、現行の規制の周知、それから、一層の運用の強化によってその被害の防止を図るということが重要なのではないかと思います。

具体的にはということですけれども、まず1点目として、改めて現行規制の周知・啓発、これを消費者・事業者両方に対して行っていくということかと思っております。28年改正法について、今後12月の施行に向けて周知していく必要がございますので、これと併せて、ぜひ積極的にやっていきたいと思っております。

先ほども申し上げましたとおり、例えばクーリング・オフに伴う物品の返還債務の履行について、この通達の改正などによって、訪問購入に係る規制の円滑な運用というものを一層図っていきたい。その上で、その下にありますけれども、特に消費者の正当な占有回復が妨げられているような悪質事案、こういうものに対しては、一層積極的な法執行を行っていきたいと思っております。

積極的な法執行という意味では、私どもとしては今後都道府県の役割というものは非常に大きいと考えておりまして、その下のポツに書いてありますけれども、訪問購入というのは比較的狭い範囲で行われているケースが多いわけでございまして、それに対して、都道府県による単独の処分実績というものは、これまでのところ、なお2件にとどまるという状況です。したがって、都道府県レベルで今後一層積極的な執行をしていただくために、そのサポートをぜひやっていきたいと思っております。

具体例としてはそこに書いてありますけれども、私どもで運用しています特商法執行ネットというものがございまして、これは消費者庁と地方経産局と都道府県の法執行部門を結ぶ調査情報ネットワークシステムなのですが、具体的な内容がどうなっているのは営業秘密なので余り言えないのですが、いずれにしろ、これをより情報を充実して使いやすくするために、今年実質的に新規予算的に6,700万ほどお金を頂いて、更新をしているところでございます。こういうことで、このネットワークのシステムをパワーアップいたしまして、都道府県の執行当局による法執行をより強力にサポートしていきたいと思っております。

2点目として、地方ブロック会議、これは従来からやっておりますけれども、より情報交換等を密にして、充実させていきたいと思っております。

3点目として、都道府県のレベルで警察と一層連携していただくことは非常に重要なのではないかと思っています。御案内のとおり、実は訪問買取り業者というのは、実質上、古物営業法上の古物商とほぼ重なるという状況でございます。古物商については、古物営業法に基づいて、営業所ごとに都道府県の公安委員会の許可を得る必要がございまして、その監督に服して、場合によっては処分を受けることもあるということでございます。

また、警察御当局におかれては、この古物商向けの講習会なども非常に熱心にやられているやに聞いておりますので、例えば、そういう講習会の場で、古物営業法のみならず特商法についても啓発していただくとか、そういう形で特に都道府県レベルで都道府県の警察、都道府県の県当局、これとの間で地域の実情に合わせて創意工夫をして連携を深めていただくことが非常に効果的なのではないかと考えております。

こういった取組を進めながら、今後の相談状況もよく注視いたしました上で、この訪問購入に関する規制の見直しについては、必要に応じて20年改正法の見直しと併せて行っていきたいと考えておるところでございます。

説明が大変長くなって恐縮ですけれども、以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御報告の内容について質問、御意見のある方は発言をお願いします。

大森委員、お願いします。

○大森委員 18ページの右側の円グラフなのですけれども、ここで消費者は売却した記憶はないが事業者が帰った後物品がなくなっていたというグリーンの44件なのですが、これは書面交付義務違反とかそういうことではなくて、書面にはちゃんと書かれているけれども、その書いていないものがなくなっているという主張なのでしょうか。

○消費者庁佐藤取引対策課長 これは我々もPIO-NETの情報だけなので全部の情報がそろっているわけではないのですけれども、いろいろあります。つまり、そもそもそういう書類がないと言っているケースもありますし、先ほど申し上げたように、御高齢の方、あるいは御高齢の方の親族からの御相談というものがあって、要するに、母がそう言っていると。何かいきなり知らない人が来て買い取ってもらったのだけれども、売っていないものもなくなっていると言っているとかですね。それから、書類があるのだけれども、それが食い違っているというような相談の内容もあって、そこはいろいろです。ただ、一般的に、全体としてそうなのですけれども、相談例を見ると80歳を超えているような方からの御相談が相当あるという状況です。

○大森委員 そこで、実際問題被害に遭っていらっしゃる方は御高齢の判断力が非常に低下した方が多い現状を見て、啓発と言われてもなかなか難しいのではないかと思うのです。押売だけではなくて押買いも規制対象になったよ、クーリング・オフというものがあって、8日間買われたものは渡さなくていいよと言われても、そういう生活体験のないことを理解して判断するというのは、すごく難しいと思うのです。

法律というのはちゃんと組立てがあって、これをきっちり執行すれば守られるように作っていただいているとは思うのですけれども、高齢化がどんどん進んで、外国の方も入ってくる。知的障害のある方も社会に復帰していただかないといけないという状況を考えたときに、余り難しいルールにせずに、可能であれば、これは全部貴金属が原因なのだから、貴金属の訪問買取りはできないと、そういう分かりやすい形に今後考えていただけたら有り難いと思います。

○消費者庁佐藤取引対策課長 全面的に禁止にしてしまうことがいいのかどうかというのは、様々な観点から考える必要があると思います。というのは、例えば非常に御高齢で、足腰が十分立てない方が貴金属を売却したいというときに来てもらって買い取ってもらうという正当な行為も当然あり得ると思います。

それから、先ほど申し上げたように、実態上、貴金属の訪問買取りを行う事業者の方は、我々が聞いている限りでは、もうやめたという方も一定程度いらっしゃる状況で、結局特商法の規制を知らないで訪問買取りをやっている事業者もいると思いますけれども、知っていても無視してやっている者もいるかもしれませんし、そもそも知るつもりもなくやっている者もいると思います。そういう人たちに対して余り法律で禁止をしても、つまり、これ以上厳しくしても、そもそも余り法律を知るつもりがないとか、法律なんか守らないという人がもしいるとすれば、そういう人たちに対する抑止効果がどの程度あるのかなということがあると思うのです。私としては、そこはきちんと証拠に基づくということが当然の前提ではありますけれども、そういう現行の規制を守っていない悪質な事業者に対してはきっちりと法執行していくことが非常に大事なのではないかと。そういう意味でも、この訪問買取りというのは非常にローカルなビジネスとしてやられる例が多いですし、先ほど申し上げたように、古物商として規制されるべき業態でもあるので、特に今後都道府県のレベルでの執行力をいかに上げていくか。それで、そういう悪質な事業者をいかに効果的に排除していくかということが非常に大事なのではないかと思います。

○河上委員長 よろしいですか。

○大森委員 取締りはしっかりしていただけるので、大変有り難いと思います。ただ、法律は法律家しか使えないのではなくて、一般消費者が使えるような分かりやすい法律になるといいなという願いなのです。

○河上委員長 ありがとうございました。

ほかにはいかがでしょうか。

鹿野委員、お願いします。

○鹿野委員 訪問購入に関する現状と、今後に向けて処分基準の明確化を初めとして執行を強化していくという御説明を頂き、ありがとうございました。

より具体的に今後に向けての要望ということなのですけれども、適用除外に関して一言申し上げたいと思います。26ページ以下のところを見ていると、適用除外物品の中でも、特にトラブルが多かったものが自動車であるということが分かり、その内訳が28ページのところに記載されているところです。そのうち、一番下のところに相談事例というものが書かれていまして、例えば事例1を見ると、問題がなさそうにも一見見えます。けれども、ここには例えば、無料で査定をしますと記載されていたので、見積りサイトに登録して見積りをしてもらうための来訪を要請したのだけれども、その場で、今だったら幾らで買取りますから売りませんかと勧誘されて、結局売却の意思表示をしてしまったというものなども含まれているのかもしれません。仮にそういう事例があるとすると、結局、消費者が不招請勧誘を受け、熟慮をするいとまがないまま意思表示をしてしまうというような問題はもしかしたらあるのかもしれないと思いました。

訪問販売の場合は、恐らく多くの人は、仮に自動車の訪問販売に来られて、どうですかと言われても、すぐに買う行動には出ないのではなかろうかとは思いますので、適用除外とされていることにもうなずけるところがあるのですけれども、逆に自分が持っている自動車を売るという場面では、事情が異なり、じっくり検討するだけの時間的な余裕がないまま買い取られてしまうということがあるのかもしれません。この事例がそうかどうかも分かりませんし、事例の多くがそういう類いのものかどうかというのはこれだけでは分かりません。ただ、もしそういう事例がかなりあるとすれば、それに対する何らかの法的対応についても検討の余地が出てくるかと思うのです。

最初に今後に向けての要望と言いましたけれども、特に自動車については、トラブルの件数も突出して多いというところでもありますし、引き続きトラブルの内容を検討し、それを踏まえて何らかの法的な対応の必要性がないのかということについての御検討をお願いしたいと思います。

○河上委員長 何かございますか。

○消費者庁佐藤取引対策課長 ありがとうございます。貴重な御意見を頂きました。

私どもも今後よく消費者からの相談状況というものも継続的にウオッチして、更なる対応が必要なのかどうか、立法面でというのは検討していきたいと思います。

他方で、もう鹿野委員はよく御存じなので釈迦に説法ですけれども、自動車というのは、ほかの動産とは違って、単に占有を移転すれば所有権も移転するというものではなくて、登録証明書などがあって、一定の手続を経ないと正式に所有権が移転しないというものもありますし、ここの相談事例でもありますように、私も余りよく知らないのですけれども、結構最近はネットで登録をするといろいろな業者がオファーをしてくれるというような、むしろ以前よりも多数者からのオファーを見比べて検討することが消費者としてやりやすくなっているような面もあろうかと思います。

もう一つ、これは御参考ですけれども、平成26年に一般社団法人の日本自動車購入協会というものが作られまして、その発表などによると、自動車買取りについて、顧客への不当な勧誘を防止して一般消費者による自主的かつ合理的な選択、それから、一般消費者が安心かつ安全に契約できる環境を提供することで自動車取引の公正化を図る。こういう目的のために、例えば相談窓口の設置だとかガイドラインの策定、広告に関するガイドラインの策定と、こういうような取組をやりつつあるということで、自動車の買取り業界としても一定の自主的な取組もやっているようでございますので、こういった状況を総合的によく踏まえて、今後の見直しに併せて御指摘の点も踏まえて十分検討していきたいと思います。

○河上委員長 長田委員、お願いします。

○長田委員 この訪問購入の件を議論していたことをずっと思い出して、まず一つは、今の自動車の件なのですけれども、あのときもかなり議論もしましたし、我々は適用除外にするべきではないと考えていたと思います。その中で、業界の反対も強かったと記憶しています。でも、結果的に件数がこれだけ出ていて、業界の取組はありますとおっしゃいましたけれども、法改正されてからまだ1年しかたっていないというものではないので、取組が効果的に出ていない部分もあるのではないかと思います。もう少し一件一件の御相談の内容を精査していただいて、本当にこの今整理していらっしゃる買取り価格、解約等に関する相談というものが、別に適用除外を外さなくても特段の問題はないのだと言い切れるのかどうかというところを再度検討していただきたいし、先ほど事例に出された売却を希望する人がいろいろなところで査定してもらいます、そういうことが楽になっていますという話と買取りでのトラブルというのはまたちょっと違う話ではないかと私は思いますので、御検討いただきたいなと思いました。

もう一つは、法執行を強めていきます、でも、ローカルな狭い範囲でのことなので、都道府県やそういうところに頑張ってもらいたいという、大まかにはそういうお話だと思うのです。この件に関しては、悪徳事業者に退場してもらって、いなくなってもらわなければいけないのだと思うのですけれども、そのために法執行をどんどんやっていっていただかなければいけない。消費者庁として今まで一体何をされて、でも、地方で余り数が出ていなかったのはどういう理由によるのかということをきちんと整理していただいて、今後消費者庁として何をすべきかというところを警察で古物商の皆さんに言っていただくとかそういうことではなく、法執行をがんがんやっていくためには、一体何を具体的に消費者庁としてやろうとしているのかを教えていただければいいなと思います。

○消費者庁佐藤取引対策課長 ありがとうございます。

法執行に関しましては、先ほどちょっと御説明申し上げましたけれども、資料の11ページにこれまでの実績が書いてありまして、これまで7社の処分をしているわけですけれども、うち5社は国がやった。下から2番目にあります案件については、国と広島県が共同でやったということであります。先ほど申し上げたとおり、この間、県が単独でやられたのは埼玉県と東京都が1件ずつという状況でございます。

我々として、これで十分かと言われると、より高みを目指していかなければいけないということは当然でございますけれども、埼玉と東京でやっていただいているわけですが、ぜひ、それ以外の都道府県においても今後一層頑張っていただきたい。それが、先ほど申し上げたとおり、訪問購入という取引形態においては非常に有効なのではないかと思っています。

では、そのために消費者庁として何をするのかということですけれども、それは最後の30ページで御説明申し上げましたが、例えば新しく予算を手当ていたしまして、国と地方の執行当局を結ぶネットワークのシステムをよりパワーアップするとか、あるいは、地方ブロックごとに国と都道府県が参加して行っております会議、これをより充実させていく。あるいは、霞が関では私どもも警察庁といろいろな相談もし始めてはいるところですけれども、結局連携というのは地方の実情に応じてやっていただかないとなかなか効果も出ないので、今後各都道府県と各都道府県の公安委員会、県警、こういうところで実情に合った連携の工夫をぜひしていただきたい。そのために必要なバックアップというものを私どもとしてもやっていきたい。こういうことで、実際に被害を防止するためには何が効果的かと考えると、こういうような取組を行っていくことがいいのではないかと考えておる次第でございます。

○河上委員長 池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 池本でございます。

時間もないので手短に申し上げたいのですが、今、幾つか出てきた意見、それから、私も全体像から見て3年後見直しの現時点で法制度のここはこう改正すべきだということまでは断定できませんが、もうしばらく注視をする必要があるのかなと思います。

最も象徴的なのは、7ページの訪問購入の相談の動向が、改正後増えているのです。例えばこれまでの業務提供誘引販売もそうですし、特定継続的役務提供もそうですし、規制をすればある程度減っていく、あるいは大幅に減っていくという従来の流れからすると、その反応が見えていないどころか増えているということが最も気がかりです。もちろんアナウンス効果で一時的に上がるということはあっても、法改正から施行、施行からさらに3年となっていて、ずっと上がっているというのは、それだけではないのだろうという気がします。

その意味で、先ほどのやり取りの中で、法執行をきちんとやる、特に地域性のあるものに都道府県でやるということはもっともなのですが、執行の担当者から多少話を聞いたりすると、これは高齢者の被害なので、聞き取りが十分できなくて立件できないという、そちらの問題がかなり大きいのではないかという気もしています。

その意味では、30ページに出ている中の古物商の資格を持っている者がやっているとすると、古物商の分野からの適正化のことと特商法上の違反項目のチェックの両方から見て、言葉の言った言わない以外のところでもきちんと問題を出していくという、そういうことを含めた都道府県の警察と消費者行政の連携というような、何かポイントを絞って全国的な動きを呼びかけていくということをやっていただく必要があるのではないか。

同じことは、自動車について相談が減っていないというところも、今すぐ適用除外から外してどうするということに進むのか、あるいは業界の自主的な対応をどうするかというところも、今の古物商の資格の観点からの指導と問題点の分析というところをさらに1、2年重点的にやってみていただく必要があるのかなという気がしています。感想として申し上げます。

○河上委員長 増田委員、蟹瀬委員、続いてお願いします。

○増田委員 警察との連携に関して、古物商だけでなく先ほど出ていた探偵業に関しても公安の関係になると思いますけれども、例えば問題ある事業者として名前が出てきたところに関して、警察がどういう動きをしているのか、あるいは何もしていないのかということなど、連携の中で、確認していただく必要があるかと思います。

消費生活センターから警察にこういう事業者がこういうことをしていますという通知をすることはたまにありますが、その結果はフィードバックされることはないですし、非常に不自然な届出をしているというケースもありますけれども、その結果もどうなっているのか分からないということも過去にありました。消費者庁として、そういうことがあればきちんと確認していただき、そしてフィードバックする、あるいは警察から何がしかのアクションを起こすようプッシュをしていただくということは重要なことではないかと思います。

○河上委員長 蟹瀬委員、お願いします。

○蟹瀬委員 25ページなのですが、※印の後に書かれているところを読みますと、こういうときは「勧誘の要請」があったとは言えないということが3個書かれておりますが、行政の指導として事業者に指導するときに、こういうときは「勧誘の要請」があったとみなしていいですという逆の文章ですね。事業者は自分たちで解釈を勝手にやっていくわけですけれども、訪問購入してもいい条件はこういう条件ですよという条件は今後出てくる可能性はあるのでしょうか。

ちょっとややこしい言い方をしていますけれども、否定をするのは非常に簡単なのです。これは要請とは言えないと。では、事業者は訪問をするに当たって何と何を押さえればきちんと訪問していいということになるのですかということに対する指導がないような気がするのです。赤信号止まれみたいなその世界があるととてもわかりやすく、それを読んだ消費者側もここまでちゃんと事業者が言ってこない限りは断っていいのだということが明確になってくるのではないかと私は思ったのです。

もう一つなのですが、ここの中にもちろん消費者の身を守るためのクーリング・オフだとか、そういった情報の周知・啓蒙は大事だと思うのですが、そのほかにもしあるとしたならば、私たちは言ったことをすぐ忘れてしまうのです。例えば取引をやっている間にはメモを取りなさい、相手が取ったメモではなくて自分で取りなさいとか、あるいは、これは法律に違反するかもしれないけれども、一応記録として、例えば取材をしたときに録音をするというやり方がありますね。今はそれこそスマホでも録音ができる状態になっていますけれども、例えばやり取りを録音しておく。何かあったときに、家族がそれを聞いたら、母が脅かされて必要以上のものを出してしまったということが見える。ところが、お年寄りの場合は言ったことも右から左で忘れてしまうような状況の中の自衛策として、これは法律的にどうという問題ではないのですが、地方に任せていろいろやるときに自衛対策みたいなものをもっと具体的に提示ができ、提案できるということがあればいいかなと。

それから、車の件なのですが、買取りの車がいろいろ今、出てきていますけれども、アメリカなどですとCtoCでもって車が売れていきますね。ナンバープレートを変えればそれで終わってしまう。そういう国があります。ですから、そういうことから言えば、査定は個人がやるという時代がそろそろ来るかも、また別の問題がありますから、なかなか来ないとは思いますけれどもね。その査定の問題にしても査定してくださいと言ったことがすぐに要請にはならないのですよときちんと書いてあるので、相見積りをとるところのホームページなどにはきちんと書いてあるとか、そういうことがあると消費者を守るという形になるかなと思っています。

○消費者庁佐藤取引対策課長 どうもありがとうございます。

いろいろ御指摘を頂いたので、忘れないうちに順次お答えしますが、今、蟹瀬委員がおっしゃったところは非常に大事なところでございます。消費者を保護するためにどういう規制を課すべきかという点は非常に重要な点だと思っています。そういう意味では、ほかの取引形態と比べても、冒頭申し上げたとおり、特に勧誘規制だとかクーリング・オフの期間中の占有の関係でございますとか、こういうところをみると、訪問購入というのはほかの取引形態と比べても非常に厳しい規制が現時点でも既にあります。他方で、先ほど申し上げましたけれども、特に貴金属についてはそういう規制、あるいはクーリング・オフという民事上の消費者の側の権利を踏まえると、なかなか訪問購入という形ではもはや買い取れないと判断している事業者の人も一方でいて、それにもかかわらず引き続きやっていて、どうも現行規制すらやっていないのではないかという事業者もいる。こういう現状があるわけです。

そういうときに、現時点で取るべき対応として何をするべきなのかということを我々も考えたわけですけれども、さらに規制を強化するということも一つのオプションとしてはあるかもしれませんが、現時点でそれがより厳格に執行していくということと比較した場合にどうなのかということは考える必要があるかと。そういう意味で、より執行をきっちりとやっていくということが、当面、非常に喫緊の課題なのではないかと我々は考えているということでございます。

不招請について、だめなケースだけではなくていいケースもちゃんと言ったほうが分かりやすいのではないかということで、これもおっしゃるとおりだと思うのですけれども、結局それは現行規制の内容をきちんと分かりやすい形で事業者と消費者の方々に周知をするということだと思うのです。今、御紹介申し上げましたけれども、通達とか、あるいはこの規制を導入したときにも分かりやすいブローシャーのようなものを作って、えらく大量に配布したりもしているのですけれども、確かにまだまだ世間一般的には知られていない状況だと思いますので、こういう場合はアウト、こういう場合はセーフということが分かりやすいように、我々ももう少し分かりやすいパンフレットなども作って、より分かりやすい啓発をしていく努力をやっていきたいと思います。

増田委員からいただいた警察との連携についてきめ細かくというお話、これは訪問購入に限らないのですけれども、余り詳しいことは申し上げられないのですが、我々は警察当局とは事案ごとに必要に応じていろいろな形で連携して、法律上許される範囲で情報も共有しながら協力してやっているところです。

ただ、行政手続と刑事手続との間には結構壁がありまして、法律上守らなければいけない制約というものも実はありますので、当然、その前提で、ただ、消費者保護という目的のためには、行政当局と捜査当局の連携が非常に重要だと思いますので、御趣旨を踏まえて、より一生懸命やっていきたいと思います。

それから、池本委員長代理から件数が減っていない、増えていることについて注視する必要があるということで、まさにおっしゃるとおりだと思いますので、私どもとしても引き続きこの訪問購入の現状についてはよく注視していきたいと思います。ただ、御参考までに申し上げると、私どもの過去の規制導入後の相談件数の推移を調べてみると、例えば特役にエステや学習塾などを追加したときは、規制導入の前年に比べて、その後3年ぐらいはむしろ件数が多い状況が続いていたりもするのです。池本委員長代理もおっしゃったように、規制を導入することのアナウンス効果的な面もあるのだと思うのですけれども、いずれにしろ、その中身がどうなっているか、それを端緒として個々の疑わしい事案を調査したときにちゃんと違反行為を摘発してきちんと処分するということが大事だと思いますので、そこについては従来以上に一生懸命やっていきたいと思います。

○河上委員長 かなり時間をオーバーしてしまいましたけれども、状況はよく分かりました。物品の占有回復の制度については、改正時に想定されていた第三者から物品を取得した転得者が出現するのではないかという事例は今のところは余り発生していないということでありました。

訪問購入に関しては、主に貴金属が問題となっているということでありますけれども、これについては、先ほど委員の間からも御意見がありましたが、もし仮にそうだとすれば、事業者としても高い技術や器具が必要だから、店頭以外では正確な価値を判断することが難しいということを言っているという説明がありましたので、場合によっては、貴金属に関しては、これは訪問購入ということ自体はないというようにする手もなくはないかと思うのですが、それはまた将来のことかも知れません。

それから、現行の規制を周知徹底して悪質事業者に対する執行を積極的にやるということによって、予想される問題点は大体クリアできるのではないかというようなことでありますし、クーリング・オフをしたにもかかわらず、消費者に物品が戻らないという被害を減らすということは、場合によっては執行の強化だけでも今のところは対応できそうだという感じもいたしました。

勧誘の規制に関してですけれども、現行法の不招請勧誘規制で対応できるということですので、そうなりますと、ひとまずは、現行法の厳格な執行の充実、これを強化することを積極的に取り組んでいただきたいと思います。これは地方の法執行にかかっているのだということをおっしゃっていましたけれども、地方に任せっきりにするというのもなかなか難しいですから、地方の法執行を逆に支援するということも考えていただければ有り難いと思います。

消費者庁におかれましては、引き続き相談件数の推移、あるいは傾向等を注視しながら、今後見直しも行うということでございましたので、ぜひ積極的に取り組んでただいて、特にネットワークの強化ということについても頑張ってやっていくということでしたので、期待しているところでございます。

消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。


≪5.閉会≫

○河上委員長 本日の議題は以上でございます。最後に事務局から今後の予定について説明をお願いいたします。

○丸山参事官 次回の本会議につきましては、日程が決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせさせていただきます。

なお、この後委員間打ち合わせを行いますので、委員の皆様におかれましては、委員室にお集まりください。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

それでは、40分ぐらいをめどに委員会室にお集まりいただけたらと思います。

(以上)

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