消費者団体ほか関係団体等との意見交換会 議事録(2017年2月28日)

日時

2017年2月28日(火)14:00~16:05

場所

消費者委員会会議室

出席者

【委員】
河上委員長、池本委員長代理、大森委員、蟹瀬委員、鹿野委員、長田委員、中原委員
【公共料金等専門調査会】
古賀委員
【消費者団体ほか関係団体】
弁護士/NPO法人消費者支援ネット・しが
土井 裕明 代表
NPO法人消費者支援ネットワークいしかわ
青海 万里子 理事・事務局長
公益財団法人全国老人クラブ連合会
河野 敦子 参事
一般社団法人神戸市老人クラブ連合会
眞田 尚 事務局長
全大阪消費者団体連絡会
飯田 秀男 事務局長
適格消費者団体特定非営利活動法人消費者支援ネット北海道
道尻 豊 専務理事
【事務局】
黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者団体ほか関係団体等との意見交換について
    弁護士/NPO法人消費者支援ネット・しが
    土井 裕明 代表
    NPO法人消費者支援ネットワークいしかわ
    青海 万里子 理事・事務局長
    公益財団法人全国老人クラブ連合会
    河野 敦子 参事
    一般社団法人神戸市老人クラブ連合会
    眞田 尚 事務局長
    全大阪消費者団体連絡会
    飯田 秀男 事務局長
    適格消費者団体特定非営利活動法人消費者支援ネット北海道
    道尻 豊 専務理事
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 時間になりましたので、始めさせていただきます。皆さん、本日はお忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。ただいまから「消費者団体ほか関係団体等との意見交換会」を開催いたします。

本日は、所用によりまして、阿久澤委員、樋口委員、増田委員が御欠席となっております。

まず初めに、配付資料の確認につきまして、事務局からお願いいたします。

○丸山参事官 配付資料につきまして、お手元の議事次第下部に一覧を記載しております。資料1から6、参考資料1から3となっております。また、御参加いただきました団体の方から、席上のみ配付ということで3部、資料をお配りしております。不足がございましたら事務局までお申し出いただきますよう、よろしくお願いいたします。


≪2.消費者団体ほか関係団体等との意見交換について≫

○河上委員長 それでは、議事に入らせていただきます。

消費者委員会では、委員会の運営改善などの参考とすることを目的といたしまして、消費者団体ほか関係諸団体から御意見・御要望を伺うとともに、委員との意見交換を行う機会を持っております。本日は、弁護士/NPO法人消費者支援ネット・しがから土井裕明代表、NPO法人消費者支援ネットワークいしかわから青海万里子理事・事務局長、公益財団法人全国老人クラブ連合会から河野敦子参事、一般社団法人神戸市老人クラブ連合会から眞田尚事務局長、全大阪消費者団体連絡会から飯田秀男事務局長、適格消費者団体特定非営利活動法人消費者支援ネット北海道から道尻豊専務理事にそれぞれお越しいただいております。皆様方におかれましては、お忙しいところ誠にありがとうございます。

本日の意見交換会ですけれども、テーマとして、「地方消費者行政の現状」「高齢者見守りの取組」「地方の生活インフラ(電力・ガス小売自由化)の現状」といった3つのテーマを上げさせていただいております。御出席いただいております皆様からは、忌憚のない御意見を伺いたいと思います。

では、参加いただいた団体の皆様より御説明、御意見を、大変短くて恐縮ですけれども、おのおの15分程度でお伺いいたしまして、その後、委員との意見交換をさせていただきたいと考えております。

それでは初めに、消費者支援ネット・しがの土井代表より御説明をお願いいたします。15分ほどということで申しわけございませんが、お願いいたします。

○弁護士/NPO法人消費者支援ネット・しが土井代表 消費者ネット・しがの代表をしております土井と申します。よろしくお願いいたします。

資料1、A4の裏表に簡単に報告のメモを準備いたしました。私どもは滋賀県の消費者団体なのですが、滋賀県は琵琶湖を中心とした小さな県でありまして、規模で言うと全国の1%ぐらいに相当するところです。県内に15の市と6つ町がありまして、県内の消費生活センター等に持ち込まれた2015年度の相談案件が1万3,000数百件という規模でございます。

消費者の関係で言いますと、実は滋賀県の消費者運動はもともと琵琶湖の水を守るというところから始まっていまして、もう大分昔の話になりますが、粉石けんを使おうということで始まっています。そういうこともあって、自治体の消費生活相談の窓口がなぜか環境課の中にあったりするということが割とあります。

相談体制ですけれども、地方消費者行政活性化基金等が設けられるよりも前から割と資格のある消費生活相談員の配置が進んでおりまして、今は全ての自治体に資格のある相談員がいるという状態になっています。おかげさまで活性化基金を使いまして、ほかの県では恐らく活性化基金を使ってセンターを作るとか相談員を配置するということだったのだろうと思いますけれども、滋賀県の場合は、それを使って相談員の数を増やすということで割と複数、2名、3名、それ以上の相談員が配置されるということになりました。

あと、今日、もう一つの別のテーマで高齢者の見守りのこともありますが、訪問販売お断りのステッカーを作っている自治体もたくさんあります。今も滋賀弁護士会と自治体が協働で連名のステッカーを作るとか、既にできているところでも、弁護士会と司法書士会と警察と市・自治体の連名のステッカーを作るというようなことをやってきております。

あと、何かと話題になることが多いと思うのですが、滋賀県に野洲市というところがありまして、ここが最近新しい条例を制定いたしました。この条例は、野洲市内で訪問販売を行う事業者は、訪問販売を始める前に野洲市に登録をしなさいと。無登録で訪問販売をしてはいけませんという条例です。多分こういう条例は全国でここしかまだないのだろうと思いますが、いろいろと波紋を起こしておりまして、今のところ訪問販売の事業者さんから面と向かって問題だというようなクレームが来ていることはないようでありまして、どうにかうまいこと進みそうという状態です。私自身もこの条例を作るときには呼ばれて制定の委員をやったのですけれども、こんな規制をやったら憲法違反ではないかとか、いろいろな議論もあった中で、そうならないようにという工夫をして制定するのに私たちも協力させていただきました。

ただ、滋賀県だけではない、東京以外は少ないと思いますけれども、滋賀県の最近の消費者関係の行政処分が全くないという残念なことになっております。それと、消費者安全確保地域協議会も全く整備されていない状態です。

それから、消費者行政として、行政が消費者教育にどのように取り組んでいるかということなのですが、各センターの相談員さんがいろいろなところに出ていって出前講座をやるとか、あるいは自治体とかセンターの主催で市民向けの啓発の講座をやるとか、そういうことはどこでも普通にやっていると思うのですが、そういうのはもちろんやるといいのですけれども、本当に来て欲しい人は来てくれないわけなので、本当に勉強をしていただきたい人に情報を届けるという意味で、本当は職場とかに行ったらいいのでしょうけれども、とりあえず小中学校、高校、大学での消費者教育が必要だと思いますが、これに行政がなかなかかかわっていくことができていないという実情があります。

私たち消費者ネット・しがも、県内の消費者行政の充実のためにいろいろやれることはやろうということで取り組んでおります。ちょうど2016年1月に滋賀県の消費者基本計画が策定されるということがありましたので、我々の団体からも、ポイント3つ、厳正に法執行をやってくださいと、行政処分がもう何年も一件もないというのではだめでしょうということで、それを求めるということを言いました。それから、せっかく消費者安全法で消費者安全確保地域協議会というものが位置づけられましたけれども、全く作られていないということなので、これを早くやりませんかという提言をいたしました。それと、消費者教育も積極的にやってほしいという、この3つを提言いたしました。

特定商取引法の改正のこともありましたので、それに先だって、高齢者を消費者被害から守るための勧誘拒絶制度の特定商取引法への導入を求める意見書も県議会に出しまして、請願の決議をしてもらおうということで、弁護士会と消費者ネット・しがの連名で請願の決議をしていただくように求めました。結果は残念ながら保守政党の反対で潰されてしまいましたが、こういう問題について県の議員さんにレクチャーに回ったということは一定の成果があったかなと思っております。

私たちの団体が過去に県内の全自治体を訪問して、相談員の配置だとか日常相談活動やあっせんで苦労していることとか、そういうことのヒアリングをして調査をしたこともあるのですけれども、大分もうそこから時間もたちましたので、またそろそろ直近の状況を把握するために動こうかなと思っております。

滋賀県の消費者行政の課題ですけれども、これも滋賀県に限ったことではないと思いますが、最近の消費者被害の相談は、クーリング・オフをするとか、そういうちょっと前までの普通の消費者相談ではなくて、もう明らかに詐欺ですね。ほとんど詐欺の事案ばかりで、そういうことはPIO-NETを見ても分かるわけですけれども、なかなか警察が動かないで、行政もちゃんと処分しないということで、大変不満に思っております。

あと、何回も繰り返しますが、消費者安全確保地域協議会も全く整備されていないことと、学校における消費者教育が不十分だということが課題であると思っています。

そこで、当団体としての、どこに要望するのか分かりませんが、我々の希望です。たくさんあるのですが、絞って申し上げますと、1つは、訪問販売お断りステッカーをせっかく自治体がお金を出して作っていると。老人クラブであるとか地域の自治会とか町内会、そういうところの協力もいただいて、頑張って貼っているけれども、それを無視して訪問販売をされることも中にはあるわけで、そういう場合に法的にどういう位置づけになるのか。つまり、県の条例で言うと、勧誘を拒否する旨を表示しているにもかかわらず契約の締結を勧誘するのは条例違反ですということになっているのですが、これは余り言って広まるのも困るのですけれども、県の公式見解は、ステッカーを貼っていても、それは勧誘を拒否する意思表示にならないということを言ったりする人もいて、では何のためにステッカーを貼っているのだ、みたいなことになるわけです。

一方、先ほど申し上げました野洲市の今の新しい条例では、同じように登録事業者、登録事業者というのは、野洲市は訪問販売をやるときは全部登録しなくてはいけませんので、その事業者は、訪問販売に係る契約を締結しない旨の意思を表示した者に対しては、当該契約の締結について勧誘してはならないと。こういう条例はどこにもあると思うのですが、一応その公式解釈、公権的な解釈で、ステッカーを貼っていたら、勧誘拒絶の意思表示をしているというふうになるのだとはっきり言ってくれているわけです。なので、同じような文言でいろいろな条例、県レベルとか市町村レベルの条例があって、でも解釈がはっきりしない。ステッカーを貼っていたらもう勧誘してくれるなという意思表示だというところもあれば、そうとは言い切れないみたいなところもあって、はっきりしない。最終的には、こんなものは特定商取引法なり何なりで立法的に決着していただければいいと思いますので、ぜひ来るべき、多分特定商取引法になると思いますけれども、その改正のときには、ステッカーを貼っていたら勧誘してはいけないとはっきり決めていただければ済むものではないかと思っております。

ただ、これについては、今日も消費者団体ですので生協の関係の方も来ておられると思うのですけれども、生協も結構組織拡大で勧誘をやるのですね。だから、勧誘全てが悪いと言ってしまうのはどうかという難しい議論もありまして、その辺は研究の余地があると思いますけれども、その辺が一つ大きな議論のポイントになるかなと思っています。

最後に、消費者教育なのですけれども、学校で児童生徒、学生に対して消費者教育をやるということは、皆さん、共通認識で必要だと思っているのですけれども、教える立場の教職員のリテラシーが大変低くて、学校の先生がいっぱいだまされて被害者になっている。そんな人に消費者教育できるのかということがあります。総合学習というのが今はあるのですかね。小学校とかで総合学習の授業のときに、EM菌、乳酸菌の泥団子を川に放り込んだりして、それで浄化するみたいなことをやって、うちはこんなに頑張って総合学習に取り組んでいますみたいなことを言うのだけれども、果たしてそれは本当にいいのかという疑問があります。先日も、そういう科学的根拠が薄弱なのだけれども、それに消費者がまんまと乗せられて、ちゃんとした選択ができないことがいっぱいあるという勉強会を我々はやったのですが、学校の先生もその辺はきちんと勉強していただいて、学校の先生自身の消費者リテラシーを高めることも必要なのではないかと思っております。

以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。

引き続きまして、消費者支援ネットワークいしかわから青海理事・事務局長に御説明をお願いいたします。

○NPO法人消費者支援ネットワークいしかわ青海理事・事務局長 よろしくお願いいたします。

資料2になります。

消費者支援ネットワークいしかわは、平成25年に設立をしまして、現在、消費者庁に適格消費者団体の認定の申請をしているところです。もう間もなく縦覧が始まって、4月ぐらいには認定をいただけるかなという見込みです。そうなりますと、日本海側初、16番目の適格消費者団体となります。

うちの運営体制で言いますと、消費者団体の多いのが特色になっております。事務局を1人設立補助金で雇用しているのですが、これは設立補助金ですから、設立されたらもう切れるということで、今年度限りということになります。我が会の持続可能性ということについては、これからかなりの苦労をしなければならないと思っております。

活動内容ですが、石川県内は縦に長く能登半島が親指を突き出したような形になっておりますので、毎年県内4カ所で消費生活相談員あるいは自治体の職員との意見交換会をやっております。これについて、いろいろ情報をいただいておりますので、後ほど報告させていただきたいと思います。こちらの意見交換会は毎回、会員の弁護士、司法書士が1人ずつ参加をして、相談事例とか情報の共有化、あるいは弁護士、司法書士への相談とか、申し入れの検討事案の情報提供などもしている状況で年々参加者も増えていまして、県が相談員研修などをやる場合は、どうしても一方的な座学になるのですが、こういった地域ごとの意見交換会というのは大変貴重な場になっているかなと思っております。

事業者への是正申し入れにつきましては、3件が改善をしていただきました。

振り袖レンタル、結婚相談所、このあたりについては対応が保留になっていまして、適格認定後に差止請求について検討をしていきたいと思っております。

次に、消費者教育の普及啓発です。こちらについては、出前講座を今年度は9講座ほど実施しております。中でも中学校の家庭科の授業に行くための教材を新たに開発して、ここに写真がありますが、中学校2年生の生徒さんが実際にインターネットの通販のトラブル事例についてロールプレイングをしている様子です。

その下の消費者教育推進フォーラムを昨年11月21日に開催しまして、こちらは毎年開催をしています地方消費者フォーラムに文部科学省の消費者教育フェスタを併催した形での取組となって、これは北陸で初めての開催となりました。

(3)の委託事業のところでは、これも毎年、県の農業安全課から委託を受けておりますが、食品表示調査ということで、県内の小売店でまずは100事業所、消費者の目線でチェックをしまして、ここについては景品表示法とか一括表示のところの記載のミスなどを発見して、それをデジカメで撮って県に報告し、更に後半は、それを製造している食品加工事業所に出向いて、帳票ですとか段ボール箱などを見るという取組になっております。石川県の場合は零細な食品加工メーカーが多いですので、和菓子屋さんとか漬け物屋さん、佃煮屋さんのような小さいところの軽微なミスがかなりこれで発見できているかなと思っています。

金沢市の委託事業のところでは、「子どものためのキケン学~ヒヤリ!ハッと!みつけ」という講座を夏休みにやっておりまして、こちらは小学生の4、5、6年生の夏休みの自由研究という形で、どういったときに事故が起きて、どういう危ないことが起きるかというレクチャーを受けた後、自分の身の回り、家とか公園とか学校の危ないところを見つけたり、あるいは自分が小さいとき、あるいはお父さん、お母さんが子供のときにどういう危ない目に遭ったかということを調査して、自由研究にまとめる。その中で、ハードの危険性にプラスして気持ちの問題、ソフトのふざけていたとかというようなところで事故が起こるということを発見して、それを防ぐためにどうしていったらいいかということを学校などに持ち帰ってもらうという内容になっています。

その下の「シニア世代の安全安心インターネット塾」というのは、御自分のスマホとかタブレットを御持参いただいて、疑似サイトをあらかじめセットしてありまして、そこにアクセスをして、例えばいきなり請求書が張りついて取れなくなったりということがあるのですが、それの解除の仕方などを実際に体験するという内容になっております。

3枚目のところに少し具体的な要望・意見を書いてまいりましたが、まずは消費生活相談員・自治体職員との意見交換会から見えてきたことです。やはり自治体における消費者行政の取組の差ということが非常に見えてきております。今、石川県の場合は19市町がありまして、県のセンターと広域事務組合というのも1つあり計21ということになるのですが、全てに相談窓口が設置されておりまして、中でもセンターは、今は8つ、4月からは3センターがセンターに移行するということで、計11センターが動き出すことになっていますので、とりあえず形は整ったという状況にあります。

ですが、後発のところもありまして、例えば地方消費者行政推進交付金が29年度までに新規事業を開始しないともうつきませんよということでいいますと、これに乗り遅れた自治体や後発のところはますます遅れるという実態があるかと思います。どこかで線引きはしなくてはいけないかもしれませんが、後発のところをすくい上げる仕組みも必要ではないかと感じております。

取組のところで言いますと、奥能登のほうは弁護士事務所もなかった地域でして、今はひまわり法律事務所が1つできているという状況です。ですから、こちらについては2市2町が広域事務組合で相談窓口を作っているのですが、大変コミュニケーションがうまくいっているといいますか、広域圏の相談窓口の相談員を中心にして、2市2町が何か相談があった場合は的確に相談をして、問題を共有化するということができている地域です。

それに倣いますと、ほかのところもセンターがあるところ、ないところがありまして、やはり早くから進んでいるところは先進的な取組をされています。ですから、そういった中核的な自治体と周辺自治体との連携といったことが、これから求められてくるのではないかと感じております。

マル3の課題につきましては、雇い止めということが以前から問題にされております。相談員の方からの情報によりますと、今は18自治体が雇い止めをやっているということで、残念ながら石川県にも1自治体で雇い止めの実態がございます。あとは報酬の地域間格差ということもございます。こうして意見交換会などをしておりますと、相談員が専門職として一朝一夕にスキルを身につけてきたのではないということを感じておりますので、雇い止めを何とかしていただきたいなということを要望したいと思っております。

2番目の消費者教育フェスタにつきましては、初めて北陸で文部科学省と併催をいたしましたが、これは大変苦労をいたしました。なかなか県の教育委員会を動かすというのは至難のわざでした。でも、やってみれば門があいたという感じがいたしまして、県の教育委員会のほうから、学校指導課、生涯学習課に委員として参加をいただき、なおかつ市町の教育委員会にもお声がけいただきましたので、石川県内の教育関係者には御参加いただくことができました。

でも、北陸の場合は3県で回り持ちをしておりますので、では次、富山に行って、福井に行ってといったときには、既にこのチャンスはないわけです。ですから、文部科学省と消費者庁が一緒になって消費者教育の推進といったことをぜひ進めていただきたいと感じております。

最後になりましたが、教育機関との連携ということで、先ほど御紹介をした中学校2年生の家庭科の授業の中で、消費者生活という単元でインターネット通販についての授業をすることができました。これは私たちとしても初めての試みで、先生の招きがあって初めて訪問できるという実態もございますし、今回は自治体の働きかけがあったということになります。ですから、こういったところでいっても、消費者庁と文部科学省との連携、そして、学校サイドでこうしたことがもっと進むことがこれから求められてくるのではないかと思っております。

以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。

引き続きまして、全国老人クラブ連合会の河野参事、神戸市老人クラブ連合会の眞田事務局長より御説明をお願いいたします。説明は合わせて15分ということで、済みませんが、よろしくお願いします。

○公益財団法人全国老人クラブ連合会河野参事 全国老人クラブ連合会の河野と申します。

老人クラブの見守りサポーターによる高齢消費者被害防止の取組について、全国と神戸市の立場から御報告をいたします。

私ども老人クラブにつきましては、次のページに御紹介しておりますので、御覧ください。

このキャンペーンは、平成26年から28年度を取り組み期間ということでやっておりまして、一旦終わるのですが、29年度からも継続して実施することで決まっております。

なぜ私どもがこのキャンペーンをやろうと思ったかと申しますと、これまでも老人クラブとしては消費者被害防止の取組はやっていたのですけれども、一向に被害が減少せず社会問題になっている中で、当事者としてこのまま同じような取り組み方をしていては改善しない、見直しが必要だと考えまして、見守りサポーターという取組を提案しました。見守りサポーターのことにつきましては、神戸市老連の報告、併せて取組の柱としています見守りサポーターの心得という小冊子に書いております。この冊子は全国消費生活相談員協会の御協力を得て作成しました。

本事業を推進するために行いましたモデル事業を通じて、全国で約1万3,000人のサポーターを養成しました。事業を終了したところでも、札幌市や神戸市のように継続して取り組んでいるところもございます。

地方消費者行政との連携という点ですけれども、この取組は私どもだけでは全く立ち行かないものでございまして、従来から、消費生活相談センターや警察、行政などの連携のもと、取り組んでまいりました。今回のキャンペーン事業につきましても、研修会の講師や日常的な情報提供ということで御協力をいただいております。

今後の課題としまして、このキャンペーンの趣旨である、受け身から主体的な活動への意識転換ということがございます。長い間、関係者の方々のお話を聞いて、自分たちは被害に遭わないように気をつけようという受け身の活動をずっと取り組んでまいりましたので、これを主体的に変えるというのはまだまだ時間がかかることではないかと思っていますし、また、関係団体の皆様におかれましても、高齢者と一緒に被害を防ぐという意識で連携していただければと思っております。

今から報告される神戸市老連の取組は、行政と連携してやっているということで、本日御報告をお願いしたところです。

全国的には以上です。

○一般社団法人神戸市老人クラブ連合会眞田事務局長 それでは、引き続き、神戸のほうからの御報告をさせていただきます。

資料4を御覧いただければと思います。最初に、KOBEシニアクラブというふうにしていますが、一般的には老人クラブ連合会ということなのですけれども、我々としては、お年寄りにもっと会員を増やす、あるいは親しんでもらうという意味で愛称を募集しましたところ、アルファベットで「KOBE」として、あとは片仮名で「シニアクラブ」ということで、作ったばかりですので、これでできるだけ会員を増やしていこうというツールにもしてございます。

その中で、見守りサポーターの状況ですけれども、見守りサポーターというときに、高齢者の方ですから介護の関係かなと最初は思われたようです。ただ、説明する中で、そういう見守りではなしに、消費者被害に対する見守りだということで認識を深めていくということをやってまいりました。

資料に基づいて順番に御説明させていただきます。まず、経緯ですけれども、先ほど全老連の河野参事が説明されたように、26年度から28年度までということで、神戸市のほうでもそれに同調する形で取り組むことといたしました。やはり準備が必要でしたので、27年度の7月に第1回目をやっております。そして、その年度は3回やりました。28年度は2回やっています。現在、資料の最後の6ページにつけておりますけれども、こういう形のサポーター証を交付しています。実際にはこんな大きさなのですけれども、半分にして持ってもらうということで、後ろにいろいろな情報を入れている、そういうサポーター証を交付することとしていまして、現在、交付者数は712名になります。全クラブ数は475クラブありますが、残念ながらまだ各クラブ2人というまでにはいっていないのが状況でございます。

29年度は、キャンペーンの期間は過ぎるのですけれども、関係省庁、特に神戸市と話をする中で、29年度以降も引き続きやってほしいという御要望もありましたし、我々としてもやる必要があるかなということで、29年度は今のところ3回するということで準備を進めているところでございます。

その次に書いていますように、単位クラブなのですけれども、目標としては各クラブ、475クラブにそれぞれ何とか2名ずつ配置をして、関係のお年寄りの見守りをしていただけるようなことを目標としてやってございます。

実際にどういうことで講座を開いているかについて御説明させていただきます。

見守りサポーターの役割というのを、後ろのパワーポイントのレジュメ、こんな1枚物になってしまったのですけれども、まず皆さんの役割はこういうことですよということで、私どもシニアクラブの事務局のほうで御説明をさせていただきます。書いていることはそんなに難しいことを書いているわけではないのですけれども、特に我々が強調しているのは5ページになります。見守りサポーターの役割として一般的に言われている、日常生活を通じて情報を伝えるということ、困っていることがないかどうかサインを見つけてくださいねという意味での気にかける、そして関係機関とのつなぎ役となるのですよという、この3つは一般的にどこの老人クラブでも言われているし、やっていることですし、全老連さんでもそういう形で御指導いただいています。

我々は、特にサポーターの方ですので、講習で学んだことを自分のところに持って帰って、ちゃんと単位クラブで生かしてくださいねというところを最近は一生懸命強調してやっております。そういうことで、できるだけたくさんの方に参加していただきたいというのが実態でございます。

講座の中身ですけれども、2つ目のところに書いていますように、兵庫県警にも協力していただいておりまして、啓発用のDVDを持ってきていただいて、まずそれを見ていただくことになっています。DVDの中身なのですけれども、これはよしもとといいますか、西川きよしさん御一家が出ていただいている啓発用のDVDで、中身は銀行をかたった詐欺という内容でございます。その中で実際に起こったであろう、あるいは起こるであろう事例を参考にDVDをまず見ていただく。その後で、兵庫県警の犯罪抑止対策室の担当の方に来ていただいて、最近の事例、あるいは御協力いしただきたい内容について御講義をいただきます。

兵庫県だけかどうか分かりませんが、神戸市の中でも特に還付金詐欺とかが増えているという事例を実際にお話しいただいています。御注文もありまして、まず、そういう怪しい電話がかかってきたら、だまされたふりをしてくださいと警察の方は言われるのですけれども、高齢者の方にそんなにうまいこと乗っていって、それをきっかけに犯人を捕まえるというのは、なかなかそこまでのことはできないのですけれども、とりあえずだまされたふりをして警察に連絡してくださいという要望が最後にありました。ちょっと危険なこともあるので、どこまでできるかというのは、その人の技量なのだろうと思いますけれども、そういう御要望も実際にありました。

4つ目に書いています消費生活センター、これは神戸市の消費生活の組織なのですけれども、そこの所長に名指しと言ったらおかしいですが、来ていただいて講話をしていただくのですが、この方、ちょっと書いていますけれども、落研におられたということで、おもしろおかしく話をしてくれるのですね。ですから、高齢者の方も楽しく講話を聞いていただけるということで、それもやはり大事だと思うのです。座学だけではなかなか飽きてしまうので、おもしろおかしくやっていただくことで、来てよかったなと思っていただけます。

そのときに併せて使われているのが、これをお持ちいただいていると思うのですけれども、神戸市で毎年更新しておられる「高齢者を消費者トラブルから守る」ハンドブックがございます。これを一応配るのですけれども、細かい内容は説明されていませんが、こういう事例があるのですよということをできるだけローリングして、新しい情報を入れるように、神戸市の消費生活のほうでは考えてやっていただいていると思います。

その後、2時間半ぐらいの研修なのですけれども、終わりましたら、先ほど言いました認定証ですね。サポーター証を授与しますけれども、これを市老連の理事長、代表者が手渡していただくということで、市老連を挙げての事業なのですよという位置づけを強調させていただいています。

そして、何で女性委員長というのが出てくるかといいますと、もともとこの見守りサポーターの問題は女性が中心になってやろうよということで始めたというきっかけがありまして、女性の方が一生懸命やっていただいています。サポーターになっていただいている方もやはり女性が多いのですけれども、そういう意味で、最後に女性委員長から激励をいただいて、これからも頑張りましょうということで締めていただいている、そんな養成講座をずっとやってきています。

今後の課題に行かせていただきますけれども、2年間で5回やってまいりました。従来のやり方、教材、講師、この内容について、やはりもう少しアップデートなものにするということと、新しい方に来ていただけるのも大事なのですけれども、今まで来ていただいた方に更に新しいスキルを身につけていただくとか、情報を提供するとか、そのあたりを我々としては考えていかなければならないなということで、具体的に幾つかポイントを挙げさせていただいています。

まず、女性中心にということを申し上げたのですけれども、一方で、逆に言いますと、男性の会員の方の理解とか協力が余り得られていなかったというのが過去のいきさつでございます。老人クラブの会長さんは、女性が会長になっているところと男性が会長になっているところとあるのですけれども、男性が会長になっているところの方の参加がなかなか難しい。そんなのいいじゃないかみたいなことを言われる方もおられるのですけれども、一方で、女性の方が男性会員にそんなことないよ、大事なことだからといって連れていくような例もあるのです。まず、女性のパワーでここまで推進してきているという事実が一つあります。ただ一方で、男性会員もおられるので、そこをどうやって理解していただくかというのが我々の課題かなと考えています。

そして、還付金詐欺です。最近はATMを利用した還付金詐欺が増えているというお話もありましたけれども、そういう新しい情報をできるだけサポーターの方に知っていただく。そういうことでなければ、新たな形の犯罪にはなかなか対応できないのが現状だと思います。

我々のほうには、このサポーターさんの活躍によって実際にこんな被害が防げましたよという具体的な報告はまだもらえていません。次に書いていますけれども、基本的には見守りの対象者は同じクラブの会員さんなので、普段から気をつけているのですね。そういう中で、普段のつき合いの中でそういうことは実際にないのですけれども、聞いていますと、やはり被害に遭う方は孤立されている方、会員にもなっていただいていない方が被害に遭っているということで、これは別の問題として、クラブの会員に入っていただくことが結果的には被害を防ぐ、少しでもお役に立てる、そういうことではないかなと思います。

検証の中で皆さんの実態でどうですかというお話をしたときに、うちのほうにもこういう電話がありましたよというサポーターさんになられる方のリアクションが確かにあります。ただ、そんなあほなといってすぐ切ったとかいうことで、実際に被害に遭うことはないようなのですけれども、1回の研修会で60人から70人来られるのですが、何人かはこんな電話がありましたよという実例の報告があるということは、決してそういう事例が少ないことではないのだなというのは改めて感じたところでございます。

我々のKOBEシニアクラブとしての課題は、全てのクラブに配置したいのですが、残念ながらまだ全てのクラブに配置できておりません。率で言いますと97%程度のクラブには配置しているのですが、先ほど申しました理解のない会長さんがいるところとか、あるいは地域的に、神戸市というのは広うございまして、北の遠いから講習に来ていただくのはなかなか難しい面もあったりして、全てのクラブに現在サポーターさんがおられるわけではないということが、我々としての課題でございます。

最後ですが、神戸市さんのほうが一生懸命やっていますので、これからも神戸市さんとの緊密な連携、そしてやはり刑事事件ですので、県警さんとも連携していくことがどうしても必要なのだと思っていますので、今後とも密接な関係をとり続けていきたいというのが我々の取組でございます。

以上でございます。ありがとうございました。

○河上委員長 ありがとうございました。

引き続きまして、全大阪消費者団体連絡会の飯田事務局長より御説明をお願いいたします。

○全大阪消費者団体連絡会飯田事務局長 飯田でございます。

資料5が、私が提出したものです。大きくは、高齢者の見守りの取組の問題と、ガス・電気の自由化の問題について述べたいと思います。

まず、高齢者見守りの取組です。御存じのように、消費者安全確保地域協議会を作るということで、全国各地で取組が始まっているところなのですが、大阪においても、その取組をぜひ進めていただきたいということと、消費者団体としてそこにどういった関与の仕方があるのだろうかということも含めて調査研究をするということで、この半年ぐらいやってきました。その経験に基づいて、少し報告をさせていただこうと思います。

現在、大阪府内の自治体で言いますと、地域協議会ができているのが3つとなっておりまして、まだまだこれからということで、府のほうから伺いますと、今年度中にもう一つぐらいはできそうだという情報を得ております。逆に言いますと、各自治体とも苦労をされているということなのですが、この間の調査で得た情報から整理すると、その理由は2つぐらいになるかなと思っております。

協議会そのものが消費者行政セクションだけではなくて、行政、民間を含む福祉関係者、あるいは警察や病院、金融関係、地域の諸団体という多分野にまたがる組織を構想しています。なので、それを掌握して、消費者行政セクションがいわば事務局的な役割を果たして協議会を運営するというふうに見たときに、どうしても消費者行政セクションのマンパワーが不足している。同じ自治体の中においても、消費者行政セクションに比較をして、福祉行政セクションのほうが圧倒的に人員も充実していますし、取組も進んでいる。そういう中で、そういう人たちに声をかけて一緒にやるということが、なかなか消費者行政セクションから言い出しにくい、あるいは言ったときに業務がこなせないという懸念が生ずる、こんな問題が、変な話、自発的にブレーキをかけるような力にも働いているということかと思います。これが第1の理由です。

そういうことなので、どうしたらできるのだろうかという道筋がなかなか消費者行政セクションから見えてこない。どんなふうに行政内で調整を経たらできるのだろうか、あるいは理解をしてもらえるのだろうかという、この道筋がなかなか見えてこないというのが、非常に大きなハードル、壁になっているのではないかと感じております。これが第2の理由です。

3つほど作られているのですが、そこの現地にも行かせていただいて、いろいろ聞かせていただきました。そこの経験で言うと、地域で組み上がっている福祉部局ですとか防犯の関係の部局が作った地域のネットワークが既に活動をしております。行政の中でもそういう部局と近しい関係にある、同じフロアで仕事をしている、同じ庁舎の中で福祉部局と消費者行政部局が仕事をしているということだとか、あるいは過去、教育委員会にいたとか、警察のOBがいてつながりがあるとか、そういう人脈などを通じて調整の糸口を見つけるということが行われております。

そういうことで言うと、既にある福祉部局だとか、防災部局が作ったネットワークの中に消費者被害の防止のための取組を観点として加えていただくということが、道のりが短いのではないかと感じているところです。

資料のマル3に書きましたが、実際に始まっているところで言いますと、始まったのだけれども、いろいろな事例を共有したり、注意喚起を促すという情報のレベルの間は、Aさんの事例、Bさんの事例ということで済むのですけれども、具体的にこの人を見守らなければいけないとなると、個人情報に触れることになります。その管理はどういう仕方をすればいいのか。安全法上は秘密保持を課すということになっているのですけれども、具体的にどういう運用をしたらいいのかというところが悩み始めているところにもなっていると伺っております。

そういうことですので、今後更に府内の自治体でも結成の取組を進めてほしいと思っているのですけれども、このネットワークづくりは行政の中で福祉部局あるいは福祉関係の民間団体の理解を得ることが非常に重要だろうなと思います。そこが入り口になって議論が始まるわけですが、現場は市町村です、その促進のために大阪府あるいは県レベルの後押しといいますか、大阪府警だとか大阪府の福祉関係、そういうところの後押しがあるような意思疎通を図ることが必要かなと思います。

それから、民間団体との連携も不可欠です。特に地域で福祉関係の取組が先行していますし、介護保険だとか、あるいは認知症の方の見守りですとか、安否確認の取組ですとか、いろいろなことが進んでおりますので、そこに携わっている社会福祉協議会を初めとした民間団体の連携は非常に重要な視点であるし、そこの理解もちゃんと得ることが必要かなと思います。

伺っていく中で、いわゆる地域協議会というふうに名前を冠しているわけではないのだけれども、福祉部局の取組として始まっているけれども、当然消費者被害のことも視野に置いているのですということもあるようです。あるようなのですけれども、大阪府内の自治体でそういう取組がどのようになっているかというのは、まだ私どもの中でも手のひらに乗っていません。それはやはり行政のところで情報は持っておられると思いますので、消費者庁なり消費者委員会なりで一回全国的な調査をしてもいいのではないかと思っています。それで公表できるような情報があれば非常に有益ではないかと思っているところです。

最後に、こういう取組を具体的に府内で進めようということで、3月25日に河上委員長もお越しいただいてシンポジウムをやるというお知らせを御覧ください。

資料の裏面をご覧ください。電気・ガスの自由化の問題なのですが、ここでは時間の制約上、2点に絞りたいと思います。1つ目が、1)のマル1に挙げたところですが、この4月からガスの全面小売自由化が始まります。なので、予想としてはセット料金が大はやりになるのではないかと思います。ですが、そのセット料金なりセットのサービスが一体どういう契約になるのかということが消費者にかえって理解しがたい側面を持っていくようになるのではないか。ここは料金問題と解約ルール等が筆頭に上がりますけれども、そこのところで何が割り引かれていて、解約のときにどういうルールになるのかという、ここのところを必ずしも消費者が理解して、あるいは納得をして契約するとは限らない。ここのところは非常に注目をしておくべきことではないかと思っています。

LPガスのことについては、この後、ホクネットさんが詳しく紹介されますので、そちらのほうに譲りたいと思います。

それから、2)の電力システム改革の問題です。これは1月17日までパブコメが募集をされまして、その結果と政府の考え方が2月6日に公表されております。そのところから拾い上げたものがそこに整理したものですが、約500件に整理をされておりまして、項目ごとに意見の件数を項目の最後の括弧書きの数字で挙げたものです。これで言いますと、真ん中の費用負担のあり方、あるいは賠償への備えの負担のあり方のところに意見が集中しております。約3分の1がこのあたりに集中するということになっていて、非常に関心の高いものになっています。

ですけれども、電力システム改革貫徹のための政策小委員会が2月9日に開かれまして、取りまとめに沿った形で制度を具体化するための作業部会を設置されております。意見募集がされたのですけれども、ほとんど変更なく、中間取りまとめに沿った制度が具体化をされようとしています。しかも、私どもが懸念しているのは、その制度実施に当たって法改正によるというよりも、政省令改正という、いわば経産大臣の決裁一つで実施が可能な制度が創設されたり、あるいは変更されたりするという仕組みになっております。なので、非常に懸念をしております。ほとんどの国民がこの中身をよく理解していないまま、将来にわたるエネルギー政策の非常に根幹的な部分に遅れて制度が作られようとしている中で、もし消費者委員会として何かできることがあるとすれば、きちんともう少し丁寧な議論、あるいは国民に情報を公開した上で国民的な議論を喚起するということを経産省に求める、資源エネルギー庁に求めるということがもし可能であれば、していただきたいと思っているところです。

以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。

それでは、最後になりますけれども、消費者支援ネット北海道の道尻専務理事より御説明をお願いいたします。

○適格消費者団体特定非営利活動法人消費者支援ネット北海道道尻事務理事 資料6に基づきまして御説明させていただきます。

私どもは適格消費者団体ですけれども、2年ほど前からLPガスの問題にほかの団体と一緒に取り組んだということがあります。御承知かもしれませんが、この2月22日に資源エネルギー庁のほうで液石法の施行規則改正、取引適正化ガイドラインが公布、公表されております。そういった意味で、この先、一定の手当てがされたという状況ではあるのですけれども、まだまだ我々から言わせると十分なものとは言えないと思っておりまして、この先の展開を考えていく時期にあるわけですが、ちょうどそのタイミングでこういう機会をいただいて、ありがたいと思っております。

中身に入らせていただきますが、まず実情と書きましたけれども、LPガスは、全国の平均で言いますと約4割の世帯で使用されていると言われておりまして、北海道に限りますと6割ということで、かなり使用している割合が高く、家庭生活にとって重要なのですけれども、苦情も多くありまして、料金が高い、それから料金のシステムがよく分からない、あるいは購入先の変更時にトラブルになる、こういったことであります。

特に北海道において問題となっているのは、まず北海道価格のように、ほかの県や府などからするとそもそも高額であるということです。しかも、それが年々拡大している。北海道だけが高い状態が更に大きくなっているという状況があります。

背景事情としては、いろいろあると思うのですけれども、自由競争で適正な価格が決まるという前提なわけですが、なかなか消費者のほうも自分から選択をして業者を選べるのだということを知らないですとか、あるいは集合住宅などですと、もう決まっている業者があって選べないということがあります。あるいは北海道の特に地方に行きますと、そんなに業者の数がないということ、あるいは業者間で取り合わないような慣行のようなものがあったりするといったことがあります。

事業者側も、こういった消費者からの指摘に対しては一定の対応は取ってきておりまして、業界の自主ルールがここにありますように、「LPガス販売指針」という形でずっと前から作られていまして、改訂もされてきています。その内容はとてもいいことが書いてあるのですが、実際に現状は自主ルールが守られる販売状況にはなっていないというところにあります。

私どもホクネットでは、ちょうど2年前になりますが、2015年2月にLPガス問題に関する電話110番を実施しました。2時間くらいの時間中に22件の電話相談があったということです。

2ページに入りますけれども、賃貸物件でLPガスを使っていらっしゃる方からの相談が多かったということです。16件が価格に関する相談で、しかも高いという趣旨のものが12件ということです。

こういったことを受けまして、この問題に取り組もうということで、2015年4月から、ホクネットのほかに北海道消費者協会、北海道生協連という3団体でLPガス問題を考える会を立ち上げまして、調査とか、行政、業界との懇談などの活動を進めてきました。

その後の取組につきましては、3項のところでまとめたとおりでありまして、今回、机上にLPガスの学習パンフレットを配付させていただいておりますが、こんなものを作ったりしております。

行政に動いてもらいたいと、一番の目的はそこでしたので、そのためには実情を調査し、その実態をぶつける必要があるということから、幾つかの調査を実施しています。4項以下にその調査結果を抜粋しておりますけれども、2015年4月には、この学習パンフレットに記載してありますような調査結果が判明しました。まず、請求書の記載がどうなっているかということなのですけれども、LPガスの料金のシステムとしては、基本料金と使用料に応じた従量料金というのを分けて、それを合わせて請求額にする二部料金制が8割以上あるはずなのですが、実際に請求書にそのことが記載されている業者は20%ほどしかいなかったということであります。

3ページに行きまして、料金の価格差の問題です。これは業者ごとの違いとなりますけれども、基本料金で1,600円から2,300円まで。基本料金と従量料金を区別していない請求では、使用料が1立方メートルで1,836円から3,413円ということで、1,577円の差ということです。この差をどう見るかということなのですけれども、同じく北海道で重要なエネルギーである灯油で言いますと、ここにありますとおり、1リットル当たり3から5円、約3から5%程度の価格差しかないというところですので、LPガス料金においては非常に大きな価格差があるということが言えます。

しかも、先ほども言いましたが、賃貸住宅では賃借人が自分の意思でLPガスを、ここが高いから別の業者から自分だけ買うということはできない。つまり選択の自由がない場合がほとんどなわけです。

それから、書面交付の問題がどうなっているかですけれども、一戸建て持ち家の利用者においては、契約書をもらったかどうかについては、「もらわなかった」「解らない」を合わせて68%ほどです。それから、一戸建て賃貸や集合住宅の持ち家、集合住宅の賃貸、こういった利用者において料金システムの説明や文書をもらったかという問に対しては、「もらわなかった」「解らない」という回答が63%ということです。

これは消費者側からの回答ではありますけれども、利用者が自覚できるような説明はなされていないということは、少なくとも言えるであろうということです。

調査の2つ目は、(2)にあります大学生協のあっせんでアパートやマンションに入っている方の料金の調査です。

エリアとしては北大周辺ということでありまして、料金表を調べたというのがこの調査なのですが、枚数としては98枚です。

マル1のところは業者間の格差です。ほぼ同じエリアに住んでいる方について、業者ごとによってどれぐらいの格差があるかというと、基本料金においては、1,000円から3,500円まで、2,500円差、3.5倍。従量料金においては、ここに書いてありますとおり2.8倍とか2.4倍、量に応じて差がありまして、年額で約5万円の料金差が生じている。

さらに、同一業者の同一地域内における料金差というのもありまして、これはLPガスの問題ではよく指摘されているところなのですが、同じ業者がいろいろな料金表を使っているのです。そのことが実際にここでも裏づけられてくるわけなのですけれども、使用量1立方メートルで全くどこのお客さんに対しても価格差がないという業者はゼロ円なわけですが、価格差があるところで言うと1,402円までの差がある。5立方メートルですと一番大きいところで2,538円の差ということで、これも年額にすると3万円ぐらいの料金差になってくるということが分かりました。

一番直近の調査結果が4ページに書いてあります。これは販売事業者に対するアンケート結果です。料金表を必ず消費者に交付していますかということに対して、「必ず交付している」という回答が86.5%ということで、自主ルール、液石法、こういったものが必ずしも守られていない。

それから、基本料金、従量料金、設備利用料などの内訳を請求書に記載しているか。これは48.9%ということです。これについても自主ルールの浸透がされていないことが裏づけられるということです。

マル3ですけれども、戸建てと集合住宅で料金設定に違いがあるかという問いに対しては、集合住宅のほうが高いという回答もある。一般的に考えると、戸建てよりもコストが安いのではないかと思われるのですけれども、実は集合住宅の場合では、室内の諸設備がLPガス販売業者によって負担されていて、それがガス料金に転嫁されているケースがあるということが影響しているのではないかと推測されます。

あと、無償配管の問題についても、ここにあるような回答です。「よくない」とか「やめるべき」といった回答が多くあったということであります。

今までのような調査の結果、感じられる課題なのですけれども、まず、自由料金制そのものがどうなのだろうかと。これは時代の流れに逆行する話ではあるのですけれども、都市部を念頭に自由料金にして適正な価格に市場が落ちついていくということが必ずしも当てはまらない地域も、特に北海道の田舎のほうなどに行くとやはりあると言わざるを得ないと思いますので、そのことは念頭に置いておかなければならないだろうと思います。

2つ目ですけれども、契約締結時の書面交付とか説明の問題です。液石法14条で契約締結時の書面交付が義務づけられているわけですけれども、説明義務までは法律上は規定されていないというところがありまして、なかなか実際は消費者の方は理解をしていないということがあると思います。

3つ目ですけれども、毎回の請求書における料金計算方法の記載です。基本料金と従量料金、更に諸設備がある場合はその諸設備という二部料金制とか三部料金制、こういったものが採られていても、それが請求書に記載されていないのは問題ということになります。この点については、先ほど少し述べました2月22日の液石法施行規則の改正で義務化の措置がとられております。

マル4ですけれども、賃貸住宅の書面交付とか説明の時期の問題というのが、これはかなり大きな問題だと思っています。賃貸借契約を締結して入居した後にLPガス業者との間で料金についての説明を受け、契約をすることに普通はなるのですけれども、そこで初めて、この物件のガスは高いぞということが分かる流れになるわけです。ところが、賃貸借契約をして入ってしまっていますから、今さらガスが不満で賃貸借契約をやめるということはなかなか難しいわけで、そうすると泣き寝入りせざるを得ない。このような問題にもつながってくるわけです。

マル5です。これも大きな問題のもう一つと認識しています。賃貸型集合住宅等でLPガス販売事業者が建物に付随する設備を設置して、その後、費用をLPガス料金に含めて請求しているケースが明らかにある。業者からのアンケート結果でも上がってきています。LPガスの配管とか機器等であればともかく、それとは直接関係しない給湯とか空調、更には洗浄機つき便座のようなものまでLPガス業者が設置して、それをLPガス料金で消費者から徴収する。そうすると、本来賃料に反映されるべきものがLP料金として賃料のほかに支払わされる。消費者としては、そういうことになってしまうという問題があるわけです。

6ページに行きますが、ここでの要望事項として4点挙げさせていただきました。今回の規則とか取引適正化指針によって、一定程度の対策がされていたとしても、次のようなところについてはまだまださらなる対応が必要ではないかというところです。

1つ目は、やはり自由料金制の問題が特に一定の地域においては働かないおそれが大きいということです。いかなる地域においても適正な料金でLPガスを利用できるように、例えば地域ごとに必要なところではガス料金の上限を設けるなど、行政における何らかの規制介入が必要になってくるのではないかということです。資源エネルギー庁の取引適正化指針では、LPガス料金を透明化、適正化するに向けて公表しなさいという方向性でこの問題を解決していこうと思っていますが、必ずしもそれでどこまでうまくいくかなという疑問は正直残ります。

2つ目は販売事業者の説明義務です。この点についても、法律上、液石法を改正するなどして説明義務を義務づけるべきはないか。ガイドラインでは不十分ではないかというのが私どもの考えです。

7ページに進みますが、3つ目です。賃貸住宅における書面交付・説明の時期ですけれども、先ほど言ったような問題がありますので、賃貸借契約締結前に賃借人となる予定の者に対し、きちんとしたLPガスの説明もなされるようにできないか。法律上そういった対策がとれないかということであります。

これについても資源エネルギー庁の今回の手当てでは、業者名をきちんと伝えて、その業者がもし賃借人予定者からLPガスのことを聞かれた場合はきちんと教えてあげなさいと、ガイドラインでそういう対応が取られているのですけれども、実効性がどこまであるかなというところです。

最後の4つ目ですけれども、先ほど言いました建物の諸設備をLPガス業者が負担して、LPガス料金に含めることの問題です。これについては、LPガスの供給に関係する配管とか機器とかについてはきちんとした説明のもとに容認する余地があるかもしれませんけれども、LPガスと関係のない設備までLPガス業者が負担して、見かけの賃料を安くしておきながらLPガス料金で消費者に負担させるということになりますと、これは不公正な欺瞞的な取引と言えるのではないかと思います。これ自体、禁止することがむしろ相当で、業者の意見もこういった業界の慣行自体何とかしてもらいたいという声が多く上がっています。

特にこの(3)と(4)については、経済産業省のみではなかなか難しい問題を含んでおりまして、ぜひ消費者委員会や消費者庁の主導的な役割を期待したいと思っております。

6項以下は参考として、これまでの行政の動きをまとめたものです。

7項の添付資料ですが、(1)は私どもがやった事業者アンケートの生のデータをつけております。(2)は北海道が消費生活モニターを対象に意識調査を2回やっています。27年12月と28年12月。最近この2月に公表された28年12月の調査結果がここ示されておりまして、やはり今申し上げたような問題点が行政の調査でも示されているという結果になっているところです。

以上でございます。ありがとうございました。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。

なお、今回は消費者委員会の委員だけではなくて、実は公共料金等専門調査会からも委員においでいただいておりますので、もし何かこの際、御発言いただけるようだったらお願いいたします。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 消費者ネット・しがさんにお聞きしたいのですけれども、全国の1%の規模とおっしゃりながらも、すごく市それぞれに独自の先進的な取組をいろいろされているかと思うのです。野洲市以外でも、高島市も住民の自主性で地域の見守りがすごく進んでいることをこの前の地方消費者フォーラムでも発表していただいて、みんな感銘を受けておりました。

湖南市は消費生活相談員が1名なので、消費者教育までできないということで、私が所属しているNPOが学童保育と知的障害のある作業所などに出前講座に行くというような連携をしたり、それぞれに、もともと琵琶湖のことがあって住民の意識が高くて行動的な方が多いのかもしれませんが、非常にそれぞれの市の実情に応じた取組を上手にされているなといつも感心しているのですけれども、特に野洲市の訪問販売業者の登録制というのは画期的で、すごくいいなと思っているところです。

兵庫県も、条例と公式見解の発言が違うので、あのステッカーは何のためにあるのだというようなところが非常に問題で、そもそも登録制にすれば、そういう問題も解決できるのではないかなと思ったりするのですけれども、やはりいろいろ難しい課題とかがあると思うのです。登録制にするための課題とかがあれば、教えていただけたらと思います。

○弁護士/NPO法人消費者支援ネット・しが土井代表 野洲市は大分、消費者行政に携わっている人もユニークですし、市長も割と理解のある人で、やろう、やろうということで市役所の中で盛り上がって、特にそんなに反対もなく、パブリックコメントもそれをやった時点では反対の意見もなく、うまくいったようです。運用は今始まったところなので、これからなので、どうなるか分かりませんけれども、やろうと思ったらやれるのではないかなという感じです。

ただ、訪問販売などをやっている事業者からすると、やはり相当抵抗は、本当はあるのだろうと、心情的にはあると思うのです。ただ、野洲市が一生懸命今アピールしているのは、これは訪問販売をやめさせるための条例ではありませんと。ただ、自信を持っていいものを販売して、自信を持って適正な販売方法を採っていると胸を張って仕事をされる事業者さんであれば、堂々と登録していただいたらいいのではないですかと。実際、いわゆるいろいろな分からないもの、浄水器を売って歩くとか、そういう事業者ばかりではなくて、いろいろな訪問販売が確かにありますので、今どういうことが消費者の中で問題になっているかという情報提供も登録していただければしますということで、三方よしと滋賀県は言いますけれども、消費者もいいし、事業者にとってもいいし、そうすると世間のみんながいいと。そういう形で、必ずしも事業者を敵視するようなものではありませんということを今一生懸命言いながら登録を促しているところです。

あと、野洲だけではなくて、高島もそうなのですけれども、いろいろなところでそれなりに取組をやっているほうなのかなとは思いますが、先ほど飯田さんからもお話がありましたけれども、福祉の組織というかシステムがまず動いていて、そこに消費者の話を乗せていくというか、盛り込んでいくというスタイルが確かにやりやすいかなと思います。例えば滋賀の真ん中の大津市は、同じ建物の中に地域包括支援センターもあり、社会福祉協議会もあり、消費生活センターもあるのです。地域包括のところに、特に高齢者などでいろいろ問題を抱えた人の相談が持ち込まれてくる。そうすると、福祉的なサービスをこんなふうやったらいいねということは地域包括でやるわけですけれども、同時に日常の見守りが必要であれば社会福祉協議会にそれをつないで民生委員さんとかにも見守ってもらうように手配をする。同時にその人が何か消費者の問題を抱えていれば消費生活センターにも連れてくる。同じ建物の4階と5階で1人の人を連れて行ったり来たりしているわけです。どこかの部屋を使って3者でその人を真ん中に置いて会議をやるというようなことは日常的にやっているので、ボリューム的には福祉の関係者のほうが消費者の関係よりもずっとマンパワーは大きいですから、そこに乗っかっていくというのがやりやすいかなと。それはあちこちの自治体でやっていると思います。

○河上委員長 ほかに。

蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 大変詳しい説明をありがとうございました。

私のほうから1つ感想と2つ御質問があるのですが、この「高齢者を消費者トラブルから守る」ハンドブック、じっくり読ませていただいて、大変おもしろかったです。よく分かりました。実際の事例が書かれているよりも、逆にそれがこうやってまとめてあると、こういうケースでだまされるのだなというのがしっかり頭の中に入ってくるハンドブックになっているかと思うので、ぜひこういったハンドブックを全国的に共通で皆さんが共有なさるようなことがあるといいなと思いながら見させていただきました。

この言葉の中に、成年後見人とかいろいろな言葉が出てくるのですけれども、恐らくそういうこともシルバーにとっては分からないことがいっぱい入っているかと思いますので、そういうことに対しても質問していいですよというようなことも書いていらっしゃると、もっといいのかなと一つ思いました。

それから、見守りサポーター証です。これはこんな小さなことなのですけれども、こういう見守りサポーター制度というのがあって、そういう人たちがいるのですよということが全国的に車の若葉マークみたいになるといいなと、ちょっと思っているのです。自動車で若葉マークとかシルバーマークとかがついてきて、あのマークを見ると、これにはシルバーが乗っているなとか、初めて運転する人が乗っているなというのが分かるので、ああいったもので、こういうものを見せられて、私はサポーターですよということが立証されていけば、割と情報として頭の中にクリアに入ってくるので、安心してお願いができるようになるかなと思っているのです。

今のところ、こちらが全国でお作りになったものと神戸でお作りになったのと、色は一緒なのですけれども、認知の仕方が非常に難しい形になっています。ですから、今後、私たちも何かお手伝いをすることがあれば、それが全国区になるようにというお手伝いができるかもしれないですけれども、そういった全国区になるような、見てすぐにこの人たちが私たちを助けてくれる人なのだなということが分かるような形になるといいのではないかと。もしそういうことで何か御希望があれば、少し聞かせていただければいいかなと思います。

最後にもう一つだけ、違う話ですが、LPの話です。北海道でLPが非常に高いということなのですが、実は長野県が非常に高いのですね。長野県のほうに聞きますと、何で高いのですかと聞いたら、北海道と一緒ですと言われてしまうのですね。おっと思うのですが、私もLPガスの使用者としていつも思うのは、どうやったら下げられるのだと。どうやって交渉したらいいのだろうということを、いつもここで悩んでいて、お店の方にお話をしても、上が決めていますのでよく分かりませんと言われてしまいますし、こちらもガスをとめられてしまったらどうしようと。それから、今、LPガスもコンピューターで制御されていて、なくなったら補充に来るというような形があるところがありますので、そうすると補充されていることも気づかないうちに補充されているという状況の中で、請求書だけがやってくる。そういったことが結構ありますので、もし北海道の中で何か解決法とか、このようなことが今後考えられて、私たちがそれに何かお手伝いすることがあるようであれば、そのことも聞かせていただければと思います。

○河上委員長 それでは、質問ごとにお願いします。

○一般社団法人神戸市老人クラブ連合会眞田事務局長 大変希望を抱いていただいているのはありがたいのですけれども、実際に今、我々がサポーター養成講座でやっている皆さんは、本当に普通の高齢者の方なのです。普通の高齢者の方が自分たちの会員さんと話をするときに、これはどちらかというと証明書というよりも、自分たちはこういうつもりで頑張りますよというモチベーションを上げるためのものと理解していただいたほうが正しいと思います。なぜかといいますと、後ろに役割とかをこういうふうに書きましたね。ああやって具体的なことを書かせていただいて、そこには入っていないのですけれども、どちらかというとそちらの位置づけが強い。だから、あなたは見守りサポーターでどこに行っても活躍してくださいねという、正直言いましてそこまでの能力の養成にはなれないのです。それは行政がやるべきことなのだろうと思って、その行政の代表者である方に講師には来ていただいている。だから、老人クラブの皆さんがやれるのは、自分たちでできることをしましょうということでやらせていただいていまして、そういう養成をまずはやっていこうということだと思います。

おっしゃっていたように、全国的にそういうものがあれば、それはそれでいいのでしょうけれども、その場合に警察との連携は必ず要るのだと思います。犯罪被害がなかなかなくならないし、新しい形態が出てくるということについては、本当に日進月歩で戦っていかないといけないことだろうと思いますので、その辺の連携を警察、それから行政で、あとは誰がやるのかということになりますが、我々はできる限りの範囲でやるという三位一体の関係かなと思いますので、その辺までがまずとりあえずの目標かなと思っています。

○公益財団法人全国老人クラブ連合会河野参事 つけ加えていいですか。

○河上委員長 お願いします。

○公益財団法人全国老人クラブ連合会河野参事 今、神戸市老連もおっしゃいましたように、自分たちでできる範囲のことをやっていくということで考えてまして、「認知症サポーター」というのを皆さん御存じでしょうか。あのオレンジリングは、講習を受けて、自分たちは認知症の人たちのことを学びましたよ、何かお手伝いすることがあれば…と示しているものです。見守りサポーターも同様の感じで広げていければ良いなと全国老人クラブ連合会では考えています。

それを後押ししていただいて、老人クラブだけでなくもっと多くの人に広げていければいいのではないかと考えています。助けられるまではいかないけれども、見守るということで資料をあげたりとか、地域の高齢者のところに不審な人物の訪問などがあったら、警察に行ってお話ししたりして、関係機関とのつなぎ役になれれば良いなと考えています。なかなかちょっと後押ししてくださる人が見つからないのが今の状況でございます。

○河上委員長 では、北海道さん、お願いします。

○適格消費者団体特定非営利活動法人消費者支援ネット北海道道尻事務理事 LPガスの関係ですけれども、まず、北海道の価格がなぜ高いかというところで言われていますのは、広大な面積を抱えておりますので、運搬のコストが特に地方だと多くかかるのだということが1つ言われます。もう一つは、北海道の場合、灯油がかなり使われていますので、LPガスを一応契約はしているのだけれども、使用量としては余り使わない家庭が多い。こういうことが料金の高い理由なのだと説明をされています。

高い料金を押し下げる方策なのですけれども、いい方法があったらむしろ教えてもらいたいなと思って来たのですが、1つ、頭の中で思っているところで言いますと、今、御説明したような諸設備の費用とかが、LPガス料金に含まれないようにするということがあります。あるいは、原料価格が下がっても値段が下がらないというおかしな現象が起こっており、灯油やガソリンなどですと、そこが連動して下がるわけですが、なぜかLPガスは下がらない。これは価格調査から明らかに出てきているので、そういったところなどを使いながら、これも先ほど少し触れましたが、適正料金というところに一定の枠をはめるという荒療治も必要なのではないかと思っているところです。

ただ、本筋からいいますと、といいますかどれが本筋かあれですけれども、自由競争で価格が下がっていけば一番望ましいのかもしれません。そういった意味では、地方も含めて競争業者があらわれて、そこがちゃんと適正価格で売ってくれれば、少なくとも持ち家で、自分で業者を決められるような方であれば、そこで契約を変更することによって値段は下げられる。それによって今まで高かった業者も下げざるを得ないという状況はあるのかなと。

ただ、ここにやはり問題がありまして、参入障壁的なものですね。どういうことかといいますと、私もそんなに詳しくは知らないのですが、北海道で生協が今、ガスの販売を進めていこうとしているわけですけれども、LPガスの供給販売をしていくには中継基地のようなところが必要なのだそうです。ところが、その中継基地みたいなところがなかなか、今あるところは使わせてもらえないという問題があって、やりたくてもなかなかスムーズに拡大していけないのだと、こういう問題があると聞いています。この辺は行政でいろいろ対処できるような問題なのではないかと思っているところです。

以上です。

○河上委員長 池本委員、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。

これは滋賀、石川、大阪のそれぞれの御報告に関連して問題意識をお伝えし、ちょっとコメントいただければと思うのですが、安全確保地域協議会の設置がなかなか進んでいないということがありました。1,700を超える基礎自治体の中で、昨年段階で20ほどしか広がっていないという、ほとんど反応が見えていないのが実情で、どうしたらいいかというのは非常に深刻な問題だと思うのです。そこの根本的な問題は、特に市町村の消費者行政の職員が全然増えていないし、あるいは兼務ばかりで消費者行政が位置づけられていないというところ、あるいは何をしたらいいかという役割がきちんと伝わっていないというところにあるのではないかと思うのです。地域協議会というのは福祉との連携を図るところですが、消費者教育の学校教育と連携をする場合も、福祉にしろ、学校教育にしろ、膨大な組織体制のあるところと消費者行政という弱小の部門がそこへかかわっていくということで、全然調整しようがないという感じで手が届いていない。それの端的なあらわれが、地域協議会の設置が不十分であり、あるいは学校教育の中にきちんと手が伸ばせていないということにもあらわれているのではないかと思うのです。

その意味で、例えば滋賀で市町村を訪問していろいろ実情調査をされるときに、職員の配置の問題をどうしたら動いていくのかということについても、ぜひ意見交換をしていただければというところがありますし、あるいは石川県では、相談員、職員との意見交換を昨年というか今年度、実施されている。そういうところでは、職員体制の拡充強化のことは何か話題になっているのかどうかというところについて、お伺いしたい。

そして、大阪は、かなり深く分析をなさっていますが、消費者行政職員の拡充強化のために何をすべきなのか。これは国としてすべきことと、自治体としてすべきことについて、何かあればお伺いしたいと思います。

○河上委員長 それでは、滋賀からお願いします。

○弁護士/NPO法人消費者支援ネット・しが土井代表 消費者安全確保地域協議会は、このままでいくとすごく悲惨なことになりそうな、数で言うとそうなのですけれども、恐らくこういうふうにやったらいいのだよという具体的な成功のイメージが全然持てていないので、何をやっていいか分からないというのが今の段階だと思うのです。どこかでモデル的に、こういうふうにやって、こういう成果が上がりましたよということを具体的に提示していただかないと、さあ、法律ができましたから各自治体でやってくださいと言われているだけだと、今の状態は余り変わらないのではないかなと。

ちなみに、また野洲市なのですけれども、野洲市はこの間、告示を作って、さあ、いよいよやるよという形になってきたのですけれども、それでもそんなにまだ形はできていないわけですね。だから、これは消費者庁あたりがモデル事業というか、法律ができてからのモデル事業というのも変な感じがしますが、自治体のお手本になるようなものをどこかでてこ入れしてやっていただいて、それをみんながまねするというか、そのようにしないと前に進まない感じはします。

現場では、多分、具体的にだからどうするのというイメージが全然持てていないと思います。

○河上委員長 石川はいかがですか。

○NPO法人消費者支援ネットワークいしかわ青海理事・事務局長 石川の場合は、池本委員がおっしゃるように、消費者行政の担当課が弱小である、人員も少ない、予算も少ないということで言うと、発言力がないというのが主な原因かなと思っています。

今、例えば福祉もそうですし、防災に関しても受援者、援助を受ける人は同じ対象なわけですね。ですから、組織的にはほぼかぶるのではないかと思いますので、そうした横の連携が課題であろうかと思います。行政のタコつぼを横につなぐという竹串は、私たち民間がつなげないとなかなかつながらないというのが今の実態です。石川県内でも1つ地域協議会ができたという話をつい最近聞いたところですので、そうした成功事例を広げていくということは、おっしゃるように大切かなと思っております。

○河上委員長 それでは、大阪、お願いします。

○全大阪消費者団体連絡会飯田事務局長 わずか3例なのですけれども、この3つの市は、大阪府内で言うと人口規模の少ない小さい市なのです。5万人から20万人いるかいないかという、いわば行政の組織自体としても小ぢんまりとしている。例えば堺市のように80万人いるとか、大阪市のように260万人いるとか、そういう大きな自治体というよりも、5万人から20万人ぐらいの小ぢんまりとした市でまず始まっているのです。

もう一つ共通しているのは、トップダウンなのです。消費者行政セクションの課長が福祉部局の課長とすぐ連絡をとり合えるかというと、そんなことはなくて、しかも、地理的に離れていれば余計にそういう機会はありません。やはりトップダウンが契機です。例えば和泉市などで言うと同じフロアの同じ部の中に福祉部局と消費者行政部局が存在して、同じフロアで仕事をしているのです。交野市なども、もともとは消費者センターが本庁にあったのを、トップダウンで別のところにある社会福祉部局が集中しているところに持ってきて、つながりができた。ある意味トップダウンで方向づけることによって、現場で仕事がしやすくなるという特徴があるのですね。

大阪府内だけでは多分ないと思うのですが、今、そういう形で協議会の設置に向けた模索がされている中で、そのほとんどが福祉部局との連携を考えているということなので、それは別に大阪の特殊性ではなくて、多分全国共通になるのだろうなと私は考えております。

先ほどの中小の3つの市ですけれども、消費者行政セクションは兼任で、専任者がいないというところで始まっているのです。なので、必ずしも専任者がいないと進まないということではないのです。でも、私たちが苦労しているように、消費者行政セクションの体制はやはりまだまだ貧弱で、そこの自治体での体制拡充というのはなかなか見通せないのが現状です。

加えて、推進交付金がもうすぐ終わってしまう。昨日からまた次の対策の検討会が始まっていますが、やはり自治体の消費者行政を支援する国の施策というのは、今までの延長が必ずしもいいとは言いませんが、何らかの手当てはやはり継続して必要になるというのは明らかではないかと思います。

あと、わずか半年ぐらいの経験なのですけれども、逆の発想といいますか、消費者行政セクションからどうしようというふうに発想するよりも、福祉部局の仕事として消費者被害防止を位置づけるというふうに転換すると、全然違った発想になるのではないかというのも考え始めているところです。行政職員からすると、そんなことはあり得ないみたいなことになるのかもしれませんが、しかし、市民から見れば全然そんなことは関係ないわけで、福祉部局がやっていることの中に消費者被害防止のための取組を私たちがやるのですというふうに言ったとしても、何ら違和感はないわけですね。そこがそういう発想に切りかわることができないだろうかと、ちょっと思い始めています。

○河上委員長 よろしいですか。

池本委員。

○池本委員長代理 ありがとうございます。

最後におっしゃった飯田さんから出た、福祉部門がもっと消費者被害のことに目を向けるというのもまさしく大事な観点だと思うのですが、実は高齢者虐待防止法の中では、消費者被害というのも財産的虐待の一つだというふうに法律の規定の中には入れてあるのです。ただ、それがやはり現場でつながっていない。福祉と消費者がつながっていない、そこの原因がどちらにどうあるのか。福祉のほうからもっと言ってもらえばいいのか、消費者行政から言っていけばいいのかがなかなか見えないところなのですね。

そういう意味で、これは北海道消費者協会の委託事業なので、御存じかどうか分からないですが、昨年夏に私が聞いたところでは、北海道が消費者協会に委託事業として、安全確保地域協議会設置の推進員を配置して市町村に働きかけをするというふうにして、結構動きが出始めていると聞いたのです。その後、何か成果が上がっているのかどうかということを、もし御存じであれば教えていただきたいというのが1つ。実は、北海道に推進員というのがあるよと聞いたので、埼玉県でも委託事業でやってくれと言って秋に導入したということがあるので、先輩の北海道がどうなのかなと、もし情報があれば教えていただきたいというのが1つです。

それから、これは老人クラブ連合会あるいは神戸市の取組についてお伺いしたいのですが、高齢者の見守りサポーターというものが、先ほど神戸市では市のセンターの所長さんの講話が位置づけられているということですが、その後の活動で地元の消費生活センターと継続的なつながりがあるのかどうか。あるいは全国的に50の都道府県・政令市と書いてある、これは政令市を含んで50ということだと思うのですが、都道府県レベルで言うと幾つなのか。と申しますのが、消費者庁が調査している消費者行政の現況調査によると、30の都道府県レベルで何らかのサポーターを配置しているということで、今の老人クラブ連合会で育成している数字が消費者行政で把握できていないのではないかと思うのです。その意味で、消費者行政とのつながり、パイプがどの程度になっているのかということについて、もしお分かりであれば教えていただきたいと思います。

いずれも現実に把握しておられるかどうか分からないところについての質問で申しわけないのですが。

○河上委員長 では、北海道のほうから、分かる範囲で結構ですので。

○適格消費者団体特定非営利活動法人消費者支援ネット北海道道尻事務理事 せっかくの御質問なのですけれども、正直余り把握していないので、ここで御説明できるほどの状況は分からないものですから、また別な機会にさせていただければと思います。

○河上委員長 ありがとうございます。

では、老人クラブ連合会。

○公益財団法人全国老人クラブ連合会河野参事 私ども全国老人クラブ連合会は、47の都道府県と、16の政令指定都市の63の組織で構成されています。その内、50の組織でモデル事業を行いました。

消費者行政とのつながりですが、モデル事業では、神戸市老連がお話しになったとの同じようなカリキュラムで見守りサポーターを養成しております。その際、消費生活相談センターと警察の両方にお越しいただいて、お話を聞いて、サポーターになっています。けれども、1年後継続しているかというと札幌市や神戸市などでは続いているのですけれども続いているところは少ないです。私どもでは、やったという満足感で、次につながっていないのではないかということで、来年度簡単なアンケート調査をしようと思っております。

なぜ続かないかというと、その一つの理由としましては、高齢者自身が聞いているだけで消費者被害防止の取り組みを「やっている」という感覚があるということです。主体的な取組ではないけれども「やっている感」はある。これをどう意識転換していくのかが、先ほど申しましたように問題であるということです。

あと、適切ではないかもしれませんけれども、せっかく見守りサポーター養成で行政や消費生活相談センターや警察とのパイプを持ったにもかかわらず、2年目、3年目というところでのアプローチが関係者の方々からもないという状況では、お互いに意識転換になっていないのではないかと思っております。

○一般社団法人神戸市老人クラブ連合会眞田事務局長 神戸市の実情を少し御理解いただこうと思うのですけれども、たまたま消費生活センターという組織と我々の神戸市老人クラブ連合会、KOBEシニアクラブの事務所が同じ建物に、総合福祉センターという中にありまして、もちろん市の職員とのことですから、普段からいろいろ行き来がありました。26年度から始まりましたこの見守りサポーター、どうしようかという中で、当クラブとしてもどこまでやれるか余り自信はなかったのですが、神戸市の消費セクションがぜひやりたいということで、どちらかというと向こうが積極的にやりたいという意思表示をされてきました。

28年度までの3カ年だったので、一応うちの目標は2カ年で全クラブにサポーター2人という目標を立てて、96%ぐらいまでの達成率だったのですけれども、29年度はどうするかなという話をしかけたころには、市のほうから、ぜひ老人クラブでやってほしいという申し出と言ったら変なのですけれども、そういう期待がありましたので、では29年度は3回やりましょうかということで、28年度より増えたと。

経費的なことはもちろんあって、全老連からの補助金は1年目だけなのですけれども、その後、当然経費は要りますが、会場代とかもろもろの経費とかは基本的には市のほうが持っていただいています。センターというだけで、政令指定都市なのですけれども、1カ所だけなのです。これは消費のいろいろな相談窓口でもあるのですけれども、片方で行政の取組として出前トークというのをやっていまして、要望があればいろいろな地域団体のところに行政の説明をしますよということで、部局に限らず出張して説明会を開くのですけれども、この消費生活センターの所長さん、先ほども申し上げましたように割かしお話が上手なので、ぜひうちにも来てほしいということで具体的に何カ所か呼ばれて、当クラブもそうですし、関係ないところでもそういうお話をされていると聞いています。

ですので、そういう中で市のセクションが積極的であったということと、我々はもともと福祉関係のセクションの補助金とかそういう形でスタートしているので、この事業をやり出してから、消費セクションとのつながりが深くなってきているというのが現実でございます。ですから、大阪さんが言われたように、行政がどういう取組をするか。消費はどちらかというと軽いセクションが多いと思うのですけれども、それがこういう新たな現代的な問題についてどう取り組めるかという意気込みの問題だと思うので、それが福祉セクションを乗り超えて、こういう我々の団体にまでお話が来たというのが現実だと思います。

○河上委員長 ありがとうございました。

ほかの委員の方でもし何かまだ御意見がある方がいらっしゃれば、お願いします。いかがでしょうか。

LPガスの話が北海道さんなどからも出ましたけれども、もし公共料金専門調査会のほうでのお考えというか、今、聞いていて御意見があれば、お願いします。

○公共料金等専門調査会古賀委員 本日は特別に公共料金等専門調査会からも出席をさせていただき、ありがとうございました。大変貴重なお話をお伺いできて、単なる意見交換会ではなくてヒアリングにも準ずるものだと思いました。

私たちは、LPガスの問題はやはり消費者問題として非常に大きな問題だと思っているのですが、エネ庁さんや業界の方の説明資料に比べても、本当にこのブックは非常によくできていて、現状と消費者側の対応策まで含めた問題点も全部入っているので、ぜひこの問題については公共料金等専門調査会のほうでも共有させていただきたいと思っています。

それから、今、液石法(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)などでガイドラインを変えたりしているのですけれども、やはり法的な対応が必要だという御指摘の点と、公共料金等専門調査会というのは御承知のように物価問題に関する関係閣僚会議等の中での限定的な問題しか今のところ取り扱えない立て付けになってはいるのですが、今回、電気・ガスが自由化されて、LPガスと電力会社との合弁というか、併売のようなこともどんどん進んでまいりますので、やはりLPガス自体の料金や契約の適正化とか消費者の選択する権利がきちんと選べていけるかということも含めて総合的に考えていく必要があると思います。LPガス問題もぜひ公共料金等専門の中で一つの位置づけをして、対応していくように建議するか、もしくは消費者関連法全体の中で、例えば書面交付とかいろいろな制度の活用で対応できるかの整理も含めて消費者委員会のほうでも御対応いただきたいと思います。

それから、飯田さんの資料でありましたように、今、消費者団体が電気・ガス、いろいろな問題について取り組んでいるのですけれども、LPガスについても、やはり併売の問題とか、電力・ガスそのものについての料金の明確化なども問題として取り組んでいっていただきたいと思っていることと、それから、貫徹委員会の審議内容については、今のところ消費者委員会系とかいろいろなところで話題にはなっていないのですが、託送料についての問題も、電力託送料金に関する調査会というものができておりますので、またその中での議論ができることになるといいなと考えております。

それから、全然分野が違うのに差し出がましく恐縮なのですが、野洲市の事例についてですが、私は二十数年前、マルチ商法の被害救済問題に取り組んでいたときに、特に滋賀県で公務員の方がマルチ商法をしているということを、公務員の服務規程とかそういったものからいろいろ問題にした経緯があります。4から5日前にも消費者庁のほうから野洲市に悪質名簿を提供されたという報道がありまして、それはもともと野洲市がそうした業者を登録制にして、業者がかなり特定されることで、被害発生がある程度情報化、共有化されていることによって、そういった名簿というか、よくカモリストとかありますけれども、逆に「悪質業者防止リスト」みたいなものを消費者庁のほうでも情報提供等対応して、連携していかれるといいのではないかと思いましたので、ぜひ御検討いただきたいと思いました。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

大体予定していた時間になってしまいましたけれども、最後にこれだけはという方がいらっしゃったら、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

どうもありがとうございます。まだまだ議論したいことがたくさんあるかと思いますけれども、このあたりで今日は締めにしたいと思います。

先ほどから話がありましたけれども、消費者関連行政機関というのはまだまだ立ち上がって7年、小さい子供がやっとひとり歩きをでき始めたという段階でして、消費者法制そのものも全体的枠組みはできたところですけれども、細かいところの肉付けはまだまだできていませんし、執行になるとちょっとおぼつかないところもたくさんあります。消費者庁というのは手足のない機関でもあるために、これからの消費者政策を実効的に動かしていこうと考えたときには、地方自治体が元気になってもらうというのは不可欠なことであります。地方行政も消費者問題に余りお金をかける余裕が今はないということになると、地方もなかなかうまく動かないということになります。それだけに、行政だけではなくて、消費者団体にも一肌脱いでもらって、大きな役割を果たしていただく必要があるのだろうと思います。

消安法で消費者安全確保地域協議会が予定されて、そういうところが核になって、いろいろな活動ができるようにと立て付けはしたものの、この間、そういえば消費者教育推進会議が地方に要求されたなとか、その前にも消費者何とか会議というのがあったなということで、似たような人が毎回ちょっとずつ引っ張られて苦労しているという話もあります。ただ、そうはいってもやはり消安の確保協議会が全国にでき上がるということが、これからの消費者行政にとってはかなり重要な課題になるわけでありまして、特に福祉部門と教育部門、警察といったセクションと消費者関連の団体がうまく連携することが何よりも肝心であります。

今のところは、たまたまの規模の問題であったり、あるいは人の問題であったり、トップの意識であったりで、偶然にして二十数団体が何とかできているということですけれども、これは偶然ではだめなので、きちんと組織立った動きをして、この協議会を育てないといけないということであります。国の支援とか、あるいは経済的な手当てといったことについては、委員会としてもしっかりと後方から支援しようと思います。

もう一つ、今日感じましたのは、老人クラブが大変すばらしいと思いました。高齢者の生活というのは実はトータルに衣食住全部あるわけです。消費者問題という形で高齢者の問題が表に出てくるのは市場とのわずかな接点しかないのです。その意味では、高齢者の生活全体を包み込んでいろいろな問題を扱っておられる老人会が消費者問題に対しても高い意識を持っていただいて、各地域の消費者団体などに働きかけてくださっているということが分かったので、これからはむしろそういうところの方々に一踏ん張りしていただくのがいいのではないかという気がいたしました。

もう一つ、LPガスの問題に関しては、先ほど古賀委員からもお話がありましたけれども、電力料金の自由化のときに消費者委員会としても料金システムの透明化であったり、あるいは選択権の実質的な確保のための様々な手当てについて考えてくださいということを何度か申し上げた記憶があります。今回のLPガス自由化問題についても恐らく同じ問題が潜んでいるということで、公共料金等専門調査会でも御検討いただけるようですけれども、消費者委員会本会議でもこの問題については更に検討をする必要がありそうです。先ほど自由料金制の見直しも必要なのではないかという話になって、これは大きな話になりますが、しかし、いろいろな可能性を検討してみたいと思います。

皆様におかれましては、お忙しい中御出席をいただきまして、大変貴重な御意見をありがとうございました。

本日出されました御意見、御要望につきましては、また今後の委員会運営の参考にぜひさせていただきたいと思います。


≪3.閉会≫

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

(以上)