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第230回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2016年8月2日(火)13:30~15:21

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、池本委員長代理、阿久澤委員、蟹瀬委員、鹿野委員、長田委員、中原委員、樋口委員、増田委員
  • 【説明者】
    消費者庁加納消費者制度課長
    東京大学大学院情報学環馬場教授
  • 【事務局】
    黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者団体訴訟制度の実効的な運用に資する支援の在り方に関する検討会の報告書について
  3. オンラインゲームに関する消費者問題について
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第230回本会議」を開催いたします。

本日は大森委員が御欠席となります。

それでは、配付資料の確認につきまして、事務局からお願いいたします。

○丸山参事官 お手元の議事次第の下部のほうに配付資料一覧を記載しております。

資料1-1、1-2につきましては、消費者団体訴訟制度運用支援検討会に関する資料です。

資料2が、スマートフォンゲームに関する資料となっております。

もし過不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますようよろしくお願いいたします。


≪2.消費者団体訴訟制度の実効的な運用に資する支援の在り方に関する検討会の報告書について≫

○河上委員長 最初の議題は「消費者団体訴訟制度の実効的な運用に資する支援の在り方に関する検討会の報告書について」であります。

消費者団体訴訟制度では、消費者被害を予防・救済するための公益性の高い制度ということになりますが、その担い手である適格消費者団体、特定適格消費者団体の運営は、ボランティアに依存している面があるという現状があります。そこで、より制度を実効的に機能させる必要があるという観点から、団体の活動への支援の在り方を検討するため、消費者庁において、「消費者団体訴訟制度の実効的な運用に資する支援の在り方に関する検討会」が開催され、本年6月にその報告書が取りまとめられました。

本日は、消費者庁にお越しいただき、報告書の内容について御説明の後、意見交換を行いたいと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

それでは、大変恐縮ですが、15分程度で説明をお願いいたします。

○消費者庁加納消費者制度課長 消費者庁の消費者制度課の加納と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

先ほど委員長から御紹介がありましたように、消費者団体訴訟制度の運用に関して、適格消費者団体に対する支援の在り方を検討するということでありまして、検討会を開催し、取りまとめをいたしました。その取りまとめの本体は資料1-2のほうであります。資料1-1はその概要でありますので、主としてこちらに基づいて概要を御説明したいと思います。

背景のところですが、これは既に御案内のとおりでありまして、適格消費者団体の差止請求制度と被害回復の制度がありますが、被害回復の制度ももうすぐ始まるという状況であります。

問題点は、先ほど委員長からも御指摘がありましたけれども、現状で適格消費者団体の運営がかなりボランティアに依存しているということと、他方で、活動の公益性に鑑みまして、一定の支援が必要ではないかと思われるところであります。附則でも似たような指摘がありまして、そういう問題意識から、検討会を開催してきたということであります。

中身は大きく分けて三つの内容になっておりますが、1が情報面の支援ということであります。

中身は(1)PIO-NETの情報の活用ということを書いてございます。

現行の制度でもPIO-NET情報は、被害の拡散状況を把握するためのツールとして適格消費者団体が活用しているところでありますけれども、1点目のところですが、現行では書面によって申請して、回答を得るという運用でやっておりますが、これを電磁的方法、メールでできるようにすると。これは内閣府令の改正などに対応していきたいと考えております。

2点目は、情報提供を申請できる場合でありますけれども、差止請求をした後に、事業者が改善をするということが想定されるのですが、実は、例えば和解が成立した後など、そういった後でも違法な不当条項が引き続き使用されている可能性もありますが、そういった場合に情報提供の申請ができるのかというのが必ずしも明確ではない。制度の趣旨からしますと、例えば判決が出て確定をした後とか、強制執行を申し立てたりする必要があるわけですが、その場合の強制執行をする際の資料として、こういった情報も活用できると考えられますが、現行の規定では必ずしもそこが明確でないということでありますので、その点も明確化するということが適当ではないかというように取りまとめられております。

3点目、4点目でありますけれども、まず、3点目は提供される情報の範囲としまして、現行では事業者名と相談の概要ということになっております。この概要といいますのは、相談者から相談員が相談を受け付けて、どういう相談であったのかということを書いているわけでありますけれども、さらに、その処理の結果がどうなったのかということにつきまして、とりわけ被害救済制度との関係で、救済が図られているのかいないのかといったところについても団体としては関心があるということで、そういったところに情報の提供を拡大するといった要望があります。

また、PIO-NET端末の配備につきましては、現行では地方公共団体や関係省庁に配備されているものでありますけれども、これを適格消費者団体にも配備して、適格消費者団体がリアルタイムで苦情相談の情報を見て差止請求をするのかどうか、その要否の判断に活用する。いわば、端緒情報の一つとして活用するということであります。

他方で、これらの点につきましては、処理結果を適格消費者団体にそのまま開示するということについては、相談者と相談員との信頼関係に基づいて処理結果などが記載されていることもあるわけでありますけれども、そういった情報についても適格消費者団体に出すということについては、慎重な御意見もあるところであります。また、PIO-NET端末の配備につきましても、その情報をリアルタイムで適格消費者団体が見るということでありますけれども、それで差止請求が活性化するという側面はあろうかと思うわけでありますが、これにつきましては、情報を入力した相談員でありますとか、地方公共団体との関係がありまして、まだ慎重な御意見も根強くあるところであります。3番、4番につきましては、そういった相談員さんでありますとか、地方公共団体の御理解の状況も踏まえた上で、引き続き検討するのが適当であるとされたところであります。

(2)その他の点でありますけれども、まず、できることとして、マル1急増指標と書いております。これは国民生活センターでデータをとっているものでありますが、特定の事業者などについて、最近相談件数が非常に伸びてきているというようなデータがあるわけですけれども、これを適格消費者団体に提供して、差止請求などに活用するということを検討してはどうかといったことでありますとか、マル2でありますけれども、地方公共団体との連携、覚書の締結などということでありますが、幾つかの適格消費者団体は、地元の地方公共団体と連携を図るということで、PIO-NET情報を超えた個別の相談事例でありますとか、あるいは資料として添付されている契約書の写しなどを地方公共団体から適格消費者団体に対して提供するといった運用がされております。これは地方公共団体と適格消費者団体との間での一定の信頼関係のもとにそういう取扱いをされていると理解しているわけでありますけれども、そういった事例を広く周知することによって、適格消費者団体と地方公共団体の取組を促していきたいと考えておりますが、そういった点についても取りまとめをされております。

マル3でありますけれども、いわゆる悪質業者に関する情報収集ということで、これはとりわけ被害回復制度の仮差押えとの関係が出てくるわけでありますが、逃げ足の速い事業者に関する情報というものが被害回復の場合でも非常に重要になってくるわけでありますが、これは関係機関等の調整を踏まえた上で引き続き検討するとされております。

2の財政面の支援であります。

ここは適格消費者団体から非常に要望は強いところでありますけれども、他方で適格消費者団体が一定の経理的基礎を持っていることを前提に認定しているということのバランスでありますとか、いわゆる行政丸抱えの団体になるということがよいのかどうかといった問題点もあろうかと思います。現行でやっていることの一つとしては、地方消費者行政推進交付金の中の、いわゆる先駆的プログラムの活用でありまして、これによって適格消費者団体の設立がかなり促進しているといった側面があります。

現在、幾つか適格消費者団体が認定されておりますけれども、最近認定された団体は、この先駆的プログラムを活用して地方公共団体から支援を受けることによって財政的な基盤を固めて、認定を受けるに至ったという例が増えてきております。そういった取組の事例を周知することで、今後、適格消費者団体を目指す団体や、それを支援する地方公共団体に対しても取組を促していきたいと考えております。

(2)寄附増進の方策であります。

適格消費者団体がその活動を広く一般にアピールして寄附を募ることによって財政基盤を高めていくというのが望ましいというのは、言うまでもないと思います。その観点から、できるだけ行政としてのサポートもしていきたいということでありまして、マル1の制度の周知・広報、これはもとよりのことでありますけれども、マル2の税制や、いわゆるクラウド・ファンディングの活用。このクラウド・ファンディングの活用も寄附をする寄附者の具体的な特定をどこまでしなくてはいけないのかというのが適格消費者団体の制度との関係では論点となり得るところでありますけれども、そういったクラウド・ファンディングの実情を踏まえて整理をいたしまして、一定の範囲では活用できるだろうということを盛り込んでおりますが、その上で、クラウド・ファンディングについても活用することが望ましいという書き方をしております。

また、民間基金でありますが、これは消費者団体の中でこういう動きがあるわけでありまして、民間の基金を作って、差止請求や被害回復の制度などに活用できるという枠組みを検討しておられるということでありますので、消費者庁としてもそういった動きを積極的に周知するなど、基金の創設に向けた後押しをしていきたいと考えておりまして、そういった内容を取りまとめでも盛り込んでおります。

最後に、3の仮差押えの点であります。

これは新しくスタートする被害回復制度の中で、この新しい二段階訴訟に対応した特殊な仮差押え制度というものを設けております。ただ、この仮差押えをする場合には、適格消費者団体が裁判所に対して申立てをするわけでありますけれども、事業者に対して損害を与えるかもしれない、その損害の担保として一定の担保を立てなくてはいけないというような制度的な立て付けになっておりますが、この担保を用意する上で、一時的に現金がたくさん必要になってくるといった可能性が出てまいります。この担保については、何らかの支援ができないかということで検討してまいりまして、とりわけ、このいわゆる悪質事案に対してこの被害回復の制度が有効に機能するということを可能にするという観点から、第三者が担保できる措置を設けるということで、これを制度的な観点から引き続き検討していくと。この第三者としてどういうところを想定するのかというところによりますけれども、例えば国民生活センターというようなところを想定するのであれば、国民生活センターの役割に関して、新たな手当を講ずることが必要になってまいります。これは制度的な対応が必要になってまいります。

また、財政当局とも引き続き御相談をしながら調整を進めていきたいと考えておるところであります。

その他のところでありますけれども、(1)から幾つか書いておりますが、提出すべき書類の簡素化でありますとか、認定の有効期間の伸長でありますとか、こういったところについて検討していきたいと考えております。

また、会計の面でありますけれども、適格消費者団体、また、特定適格消費者団体は会計書類を作らなくてはいけないということでありますが、この会計書類が現状必ずしも統一化されていないというところがありますので、できるだけ透明性を確保して適格消費者団体の情報公開を促進するという観点から、この会計についても一定の考え方、基準の取りまとめをしていきたいと考えております。

雑駁(ざっぱく)になりますが、以上がこの検討会の状況であります。この取りまとめを受けまして、先ほど申し上げたような制度的な手当でありますとか、財政当局との御相談などの調整をした上で、必要な手当をしていきたいと考えております。

説明は以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明の内容について、質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。

いかがでしょうか。

長田委員、どうぞ。

○長田委員 まず、PIO-NETを団体に配備するというケースを考えた場合、今は課題として挙げられていたのは自治体や相談者や相談員の関係でしたけれども、配備をするとなると団体側の事務所のセキュリティーとか、そういういろいろな課題があると思うのですが、そうなった場合にそこのところを財政的な支援で条件を確保するというような、そういうお考えの在り方はないですか。現在、ただでも大変な団体なのでと思いますが、そこはいかがでしょうか。

○消費者庁加納消費者制度課長 そういったときに支援していくのというのも、発想としてはあろうかと思います。セキュリティーとしてどのようなものを求めるのかというのはいろいろと議論がありまして、適格消費者団体は実は今でも守秘義務を負っていまして、かつ、相談者などの消費者の個人情報については適切に取り扱わなければいけないというようなルールが既にあります。それに基づいてガイドラインが定められていて、例えば情報の取扱者を限定するとか、その情報については、その使用についての足跡を残して、後で行政が見てチェックすることができるようにするなどといった手当は、実は既に講じております。

それに加えて、セキュリティーとしてどこまで必要かということになるわけでありまして、要するに、情報をむやみやたらに漏らさないとか、そういったところが重要になってくるのかなと思いますけれども、ある意味、やりようのところもあって、それほど施設的に多大な施設が要るのかというと、必ずしもそうではないのかなとは思っております。

配備のために要する費用が生じるというのは、確かに生じるところだと思いますので、その部分についてできる範囲で支援をしてあげることは、考えられるのではないかと思っております。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

鹿野委員、どうぞ。

○鹿野委員 消費者団体訴訟制度の実効的な運用のための大きな課題として、情報面と財政面と、それから、仮差押えの担保措置を講ずるという点などにつき御検討いただき、とても有意義な検討であると思っているところです。

さて、先ほど長田委員から御指摘のあったPIO-NETについて、私からも伺いたいところがあります。従来からPIO-NETの情報は、適宜問題状況を把握するための手段として、今後の立法あるいは大きな意味での政策などの検討のために活用されるということがあったと思いますが、もしこのような形で、消費者団体訴訟制度においてもPIO-NET情報を活用していくということになるとすれば、このPIO-NET情報が、従来と異なる機能も含め一層重要性を増していくということになろうかと思います。

そうなると、先ほどはセキュリティーの問題などもご指摘がありましたが、さらに、データベースそれ自体において、検索のキーワードをどうするのかとかまで含め、このPIO-NET情報をどのように充実整備していくのかということも一層大切となるのではないかと思います。そこで、これは消費者庁にお願いするということなのかどうかわかりませんが、そのような点について何かお考えなどはあるのかをお聞かせいただけないでしょうか。

○消費者庁加納消費者制度課長 実はそのとおりだと思っていまして、要するに、PIO-NETは情報源として宝の山なのですけれども、玉石混交みたいなところもあって、非常に使える情報と使えない情報がある中で、どうやってきらりと光る情報にアクセスしてそれを差止めにつなげていくのかという問題意識は持たないといけないのではないかと思います。ただ、私どもがどこまでできるのかということはあるのですけれども、その問題意識のもとでの検討は要るだろうということです。

更に言うと、このPIO-NET端末は、元々は苦情相談の傾向などを把握するというデータ集積のためにできたということが発足の経緯のようでありますので、データの集め方でありますとか、キーワードの設定の仕方、そういう問題意識が割と色濃いのではないかと見受けられるのですけれども、さらに、その違法事実にいかにアクセスを容易にするのかという問題意識も持たないといけないのではないか。そうすると、例えばやはりキーワードの在り方なども、どちらかというと不当条項とか、何かそういうキーワード検索みたいなものができるようなものがあればアクセスが容易になるかもしれませんし、そこは引き続きの検討課題ではないかと思います。直ちにどうするのかとなると、これは国センなどといったところとの調整が必要になってくると思いますので、私はこの時点でにわかにこうですと申し上げることは難しいのですが、御指摘はそのとおりであろうと思います。

○河上委員長 池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。

まず、この報告書の中でも適格消費者団体の活動が社会的な公益性があると、例えば行政による業務停止や改善指示といった行政処分と、ある意味では共通する被害の再発防止、未然防止という意味で公益性があるということを正面に掲げていただいているということは非常に評価できると思います。

その上で、財政支援のことについて、二つ質問をさせていただきます。

一つは、財政支援が消費者行政推進交付金の中で、各自治体でそれを活用するということが位置付けられております。報告書の中でも、17ページ辺りに、適格消費者団体の設立に向けた活動の支援と特定適格消費者団体の認定に向けた活動の支援ということで、両方が可能であるということが明記されております。

ただ、特定適格は、今正に準備をしているというところですが、この1、2年認定を受けた適格消費者団体に聞くと、設立するところまでは様々な行事やあるいは設備について支援をしていただいたと。ところが、設立した途端にもう出せない、あとは自前でやってくださいということで、何かはしごを外されたような感があるというような発言を聞いたことがあります。確かに個別の適格消費者団体の日常的な人件費や業務そのものに国からお金を出すとなると、業務の中身にも関わりはしないか、それは望ましくないという微妙な問題が出るのは、そこは慎重であるということは理解できるのですが、例えば数年前と最近で違うのが、事務所の独立性や管理の独立性ということをいろいろ言われている、そういう設備面とか、業務の中身に関わらないところでは維持の面でも支援できる余地があるのではないかと思います。その辺りが報告書の中に文字としては見当たらないのですが、どういう議論があったのか教えていただきたいです。

それから、今のお話の延長になるかもしれませんが、民間基金の存在が望ましいと。そこに向けて消費者庁が民間基金の運営に関与するのかどうか「引き続き検討」という記述になっております。適格消費者団体の制度ができた当初に民間の支援基金が設立されたときには、当時消費者庁からもお声掛けがあって民間からある程度財源が集まりましたが、数年のうちに、その後の続きの財源の確保ができなくて、結局それは解散したという先例があります。その意味で、民間基金を継続的に確保して適格消費者団体あるいは特定適格消費者団体の活動基盤を維持するという意味では、国が関わっていく必要性というものは十分にあるのではないか。しかも、個別の団体の活動の中身に口を挟むという問題も、その基金の形で間接的に関与するのであればその懸念も払拭されると思うのですが、この「引き続き検討」というものは、どういう方向性なり、どういう課題について今後どうしていこうということなのか。「引き続き検討」というのは棚上げの場合にも使われる言葉でもありますし、ここの今後の議論の方向性について教えていただければと思います。

以上、2点です。

○消費者庁加納消費者制度課長 まず、財政支援で交付金の使途ですね。これは設立支援ということで、いわゆる恒常的な部分についてはその対象にはならないという立て付けになっておりまして、これは例の地方消費者行政のときにも似たような議論がありましたけれども、財政規律との関係というものが大きいところであります。適格消費者団体についてそこを変えられるかということになると、これは財政当局との調整が必要であろうと思います。それ以上の状況は、特にこの点について何かあるというわけではありません。

民間基金の関係でありますけれども、先ほど池本委員がおっしゃったかつての基金というものがついえてしまったということは非常に残念ではあるのですけれども、他方で、民間基金のような企業の受け皿というものがあるというのは、この制度にとっては好ましいことであろうと思います。適格消費者団体が直接事業者から寄附を受けるということについては果たしてどうなのかという観点があるわけでありまして、そういった事業者も含めた寄附の受け皿として民間基金があるということが望ましいことは言うまでもないことです。今般、そういった基金を設立しようという動きがまた出てきましたので、それは非常に歓迎すべきことであり、その動向は私どもとしても支援といいますか、民間基金の動向を見守りながらということになるのですけれども、できる限りの支援をしていきたいと思います。ただ、その支援の在り方として、例えば公的資金をそこに投入するのかという話になるのかというと、そこはまた別の話でありまして、そこは先ほどの財政規律という問題が同様に出てくるだろうと思います。

ですから、当面はそういった民間基金の設立の動きを見守りながら、その基金が育成、発展するようなサポートを間接的に、制度の周知でありますとか、運営がどのようにされているのかといったことについて私どもが相談に応じるなどといったコミットの仕方とか、それは工夫の余地があろうかと思いますので、そういったところはやっていきたいと思っております。

○池本委員長代理 ありがとうございます。

今、消費者行政推進交付金からの支援も、あるいは今後の民間基金に対する支援ということも、継続的なものとして出していくには国の財政規律の問題があると御説明をいただきました。もっとも環境分野では地球環境基金というものですか。これは桁も1桁、2桁違って、しかも毎年様々な団体の様々な活動に対して支援をしているという実績があります。その意味では、この適格消費者団体の活動の公益性ということを踏まえれば、その推進交付金のような立ち上げのため、一度のためだけではない、継続的なことを含めた国の財政規律の位置付けの中で検討する余地もあるのではないかと思うのですが、そこまでの議論はこれまではなかったのか、あるいは今後そういうことも含めた検討課題という位置付けがあるのかどうか、いかがでしょうか。

○消費者庁加納消費者制度課長 あってもいいと思います。そういう基金が現にあるわけですが、ただ、それは結局、要するに公的資金を適格消費者団体に投入するということに関する国民的なコンセンサスないし同意が得られるのであればということになるのではないかと思います。

○河上委員長 蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 同じ財政面での質問なのですが、ここの報告書の中に、寄附増進のための施策としては、適格消費者団体の活動の周知を図ってくださいというように書いてありますが、まずこれが大事だと思います。次に知られた後に、今、ふるさと納税というものがみんなに知られている非常にいい施策になっていますが、私もあるところにふるさと納税していますが、選択肢の中に、新しくできた学校に私の納税金の何%を出してくださいということが選択できるようになっています。もしこの公益性が非常に高いのであれば、もちろん皆さんに周知をしていくということが大事ですが、地方納税であればあるほど、私はこの地方のここの適格消費者団体の活動費に充ててほしいのだという選択肢があれば、結構そういうところでいいですよといって、税金ですから割と持続性が出てくると考えたりもするのです。

ふるさと納税が出てきたときは、これをやれば肉がもらえる、魚がもらえるなど、割と皆さん、そういうところから最初は気を引いてくださったのですが、今ではその地域のために何ができるのかということを考えた選択肢も出てきていたりしますので、今後、例えばそういうように、持続性のある税金を個人が選んで納税することによって活用していただくというやり方があるのではないかと思っているのですが、その辺の検討はいかがでしょうか。

○消費者庁加納消費者制度課長 ふるさと納税についてまで検討したことはないのですけれども、そういった、使途を納税者がある程度特定できるような仕組みというもの、更に言うと、適格消費者団体に限らず消費者行政に充ててくださいなどというものはあってもいいのではないかと個人的には思います。

税制との関係では、実は認定NPO法人制度というものがございまして、幾つかの適格消費者団体が既にNPO法人になっております。これはかつての税制改正でかなり認定要件が緩和されておりまして、昔はパブリックサポートテストと呼んでおったのですが、一定の寄附があって初めて公益性を認定するという、寄附が先か公益性が先かという議論がありまして、寄附の要件をかなり緩めて、仮認定という制度もありまして、かなり認定が得られるようになってきているということもありまして、寄附を受け入れる一応制度的な準備はあると思います。ただ、それが十分活用されているのかというとそうではないというところだと思いますので、そこは基本的には周知や、先ほど国民的合意と申し上げましたけれども、結局適格消費者団体というものが一体どういう存在で、それが消費者、事業者も含めて、この適格消費者団体の活動というものはそれなりにメリットがあるのだというような御理解というか、そういうコンセンサスを得ていく工夫が必要であろうと。これは結構地道な活動が必要なわけで、第一義的には私どもがそういった周知をしなくてはいけないのですけれども、適格消費者団体自身もそういった意識付けをして、事業者との対話をするなどといったことも必要になってくると思いますし、そういう取組の延長線で今、委員がおっしゃったようなお話も出てくるのかなという気がいたします。

○河上委員長 樋口委員、どうぞ。

○樋口委員 私は、全体のスケジュールはどういうことをお考えになっているのか伺いたいのです。情報面の支援では、例えば内閣府令の改正という項目が上がっていますし、また、財政面の支援のところでは「引き続き検討」と例えば基金のところに書いてありますが、こういった報告書に載っている項目の主なもので結構なのですが、今後行政の側としてはどういう段取り、どういう流れで検討を具体化されるのか、その辺についてもし決まっていることがあれば教えていただければと思います。

○消費者庁加納消費者制度課長 まず、内閣府令の改正など、こういうことはさっさとやるというつもりでおります。一定のパブリックコメント、その他の手続が必要なのですが、それをさっさとやるということです。

他方で、PIO-NET端末など、こういったところはもうちょっと環境整備が図られないといけないのかなと思います。地方公共団体でありますとか相談員さんの懸念というものが根強くありますので、そういうところを払拭できるような環境整備が図られてからという気がいたしますので、現時点で具体的なスケジュールが定まっているわけではありません。地方公共団体や相談員さんの御理解を得るといった手順を踏む必要があるかなとは思っております。

先駆的プログラムや寄附増進の方策等につきましては、これは既にある制度を活用しましょうということなので、これはもうすぐにでもできるということで、すぐにでもやろうと思っております。

仮差押え関係は、制度的な対応が必要になる、法改正が必要になってまいります。また、財政当局との調整が必要になってまいりますので、財政当局と御相談をする中で目星が立ってくれば、必要に応じて措置を講じた上で、法改正をした上でやっていきたいと考えております。

○河上委員長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 処理結果及びPIO-NETに関しては御配慮いただいて、引き続き御検討をしていただくということで、それはありがたいと思っております。

処理結果に関しては、相談員と相談者の信頼関係に基づいた聴き取りの様々な状況があっての処理結果ですので、個別の事情がすごく大きく関与します。それを知りたいことの理由を明らかにしていただくということがとても重要だと思うので、そのことを踏まえて今後検討をしていただきたいと思います。

PIO-NETに関しましては、今、適格消費者団体が各地域で設立されていますし、その地域のその自治体との連携を強化して詳細な情報提供ができる仕組みが既にあるということからすれば、その地域に発生している問題について知りたいということであれば、そういう方法を第一前提として使うということがあるのではないかと思います。まずはPIO-NETという考え方ではないのではないかと思っております。これも引き続き御検討いただくというところで、お願いしたいと思います。

○消費者庁加納消費者制度課長 相談員さんからそういった御意見が寄せられるわけであります。他方で、とりわけこの被害回復制度の関係では実際に被害がどうなっているのかというところに関心があるという適格消費者団体の意見にも一理あると私は思っておりまして、まず、相談情報というものは一体何のためにあるのかということについて、それは個別の相談について処理するということは重要でありますが、それを超えて消費者被害の防止を図るという全体的な公益的な側面もあって、それに活用していくという発想の転換が必要であります。

これは相談の在り方、更に国センの在り方にも絡む大きな話でありまして、慎重な議論が必要だということはわかりますけれども、意識を変えていかないといつまでたっても進まないというのも事実でありますので、これはよく検討していただく必要があると思います。この相談情報は、相談員のためであるとか、あるいは地方公共団体のためであるという発想も一部にはあるわけでありますけれども、そういうことを言っていると、消費者全体の被害の防止というものは進まないということにならざるを得ませんので、そこはよく御議論いただく必要があると思います。

○河上委員長 よろしいですか。

ほかにはいかがでしょうか。

長田委員、どうぞ。

○長田委員 民間基金のところですけれども、民間基金を設立しようとしている者からすれば非常に大きな仕事を立ち上げるということになり、団体としてもとても大変な思いをこれからしていくのだと思いますが、まず、国としての周知・広報の支援というものはしていただけるのだと思いますが、そこをかなり具体的に是非やっていただいて、何となく紙で配りましたなど、そういうことではなくて、もうちょっと実質的な支援につながるような後方支援を是非検討していただきたいと思います。

○消費者庁加納消費者制度課長 そこは御指摘を踏まえてやりたいと思います。基金については一度ついえたわけですから、ついえた原因は何かということをよく考えて、私どもも積極的にコミットした上で、せっかく基金を作る動きがあるわけですから、それをできるだけ伸ばしていくという方向で支援をしていきたいと思っております。

○河上委員長 ほかによろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。

PIO-NETの端末を引くときの費用というものは、これは各団体から持ち出しになるわけですか。

○消費者庁加納消費者制度課長 これまでの議論では、そういう議論はしておりました。そこら辺についてどこまで支援ができるのかというところは、今日の長田委員のお話であったと思いますので、そこは検討していきたいと思います。

○河上委員長 そうですか。いろいろな団体から聞くと、引いたときのランニングコストが相当大きくて、むしろそれであったら、県との間で協定を結んで必要なときに必要な情報をいただくというほうがかえって安く上がっているので、自分たちはあえていただかないのだという話をした団体が圧倒的に多かったように思います。

○消費者庁加納消費者制度課長 例えば池本委員の団体はそういう御意見ですね。適格消費者団体の中でも幾つかの御意見があります。PIO-NET端末の導入自体に慎重ないし反対の団体もあります。そうではなくて、池本先生の団体もそうですけれども、地方公共団体と既にある程度の関係ができているというのであれば、そのできている関係を活用すれば、自分たちの活動としては十分であって、それ以上PIO-NET端末を得てやるべき活動として何があるのかということがあります。これは団体のそれぞれの活動、地域密着的にやるのか、それともナショナルセンターのように日本全国などそういうところの視野をにらんで、あるいは被害回復制度もにらんでやっていくのかといったところで、各団体のニーズの違いもありますから、各団体のニーズに応じて選択できるというのが在り方としてはよいのではないかと考えております。

○河上委員長 池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 埼玉消費者被害をなくす会の引用をしていただいてありがたいと思うのですが、PIO-NETの導入、今後そうなった場合どうするのかということで議論したのは、導入した場合のランニングコストをそれぞれの団体で持つというのは余りにも負担が大き過ぎる。そうだとすると、次善の策として地元でつながって、そこでその都度お願いして出してもらうということで進めるのが現実的ではないかという議論はしてきたのですが、導入あるいは維持のランニングコストを、これは業務の質に関する人件費の支援ではないわけですから、そういうところについての継続的な支援もセットで検討していただければそれに越したことはないだろうと思うのです。その辺りは、是非将来像を見た検討をお願いしたいと思います。

○消費者庁加納消費者制度課長 団体ごとのニーズがいろいろあるということだと思います。PIO-NET端末を置いているというと、その情報をきちんと活用したのかという話も出てくるわけです。ですから、ある意味、それに見合った活動をする基盤がある程度ある団体でないと、このPIO-NETの情報を使いこなすのは難しいのではないかと思われるわけです。

現在、適格消費者団体の中でも実はスタンスがいろいろあると申し上げましたけれども、幾つかの団体は、費用は自己負担であってもPIO-NET端末を置いてほしい、その上で、自分たちは被害回復制度をにらんで積極的にこの情報を活用していきたいと言っている団体もあるわけであります。それについては、環境が整いさえすればやろうと思ったらできるわけでありますから、その環境を整えることをした上で、それに対する配慮というものを積極的に検討していくべきであると思いますし、池本委員の団体のようにそうでもないという団体もあるわけでありますから、その団体はその団体で、その団体の必要に応じた活用というものがあればいいだろうと。PIO-NETがそれぞれの団体に必ず必要かどうかというと、そこは議論の余地があるだろうと思います。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

この消費者団体訴訟制度というものは、従来は行政の役割とされてきた事業者の不当行為の是正という作業の一端を、それを担うにふさわしいとして国が認定した適格消費者団体、あるいは特定適格消費者団体に実質的に担わせる制度ともいえます。これらの団体の果たす役割の公益性、あるいは重要性に鑑みますと、行政において団体の活動を充実させて拡大させる環境を整えるための適切な支援を行うことは、これは不可欠であります。このことは、昨年8月に当委員会の消費者行政における新たな官民連携の在り方ワーキング・グループが取りまとめた報告書の中でも指摘させていただいたところであります。

本年10月からは、特定適格消費者団体による被害回復制度も始まります。消費者庁におかれては、本検討会の成果をもとに消費者団体訴訟制度の実効的な機能に資する支援、これを積極的に実施していただくとともに、更に検討が必要なものについてはその具体化に向けて早急に検討を行っていただいて、今後は制度がより実効性のあるものとなっていくことを心から期待しているところでございます。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ審議に御協力をいただきまして、ありがとうございました。

○消費者庁加納消費者制度課長 どうもありがとうございました。

(消費者庁加納消費者制度課長退席)
(東京大学大学院情報学環馬場教授着席)

≪3.オンラインゲームに関する消費者問題について≫

○河上委員長 次の議題は「オンラインゲームに関する消費者問題について」ということであります。

オンラインゲームにつきましては、これまで株式会社三菱総合研究所、独立行政法人国民生活センターに委員会にお越しいただいて、三菱総合研究所からは消費者のスマホゲームに対する支払額等の利用実態について、また、国民生活センターからはオンラインゲームに関する消費生活相談の内容等についてヒアリングをさせていただいております。

本日は、東京大学の馬場章教授にお越しいただいております。馬場教授は、デジタルコンテンツなどを専門に研究されておられまして、ゲーム全般にも知見をお持ちの方であります。馬場教授からは、スマホゲームの特徴やスマホゲームに起因する高額課金等の消費者問題などについて御説明をお願いしたいと考えております。

馬場先生におかれましては、お忙しいところお越しいただきまして、ありがとうございます。

それでは、大変恐縮ですけれども、20分程度で御説明をお願いいたします。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 御紹介をいただきました、東京大学の馬場でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

御紹介にありましたように、10年少しの期間ぐらいゲームについて研究をしてまいりまして、技術的な研究であるとか、あるいはビジネスモデルの研究であるとか、多方面から研究をしてまいりました。多少なりとも私がこれまで培ってきた知見が皆様のお役に立てればと思いまして、本日は御報告をさせていただきます。

実は、日本のゲーム文化の特徴というものは様々なプラットフォーム、様々なゲーム機が存在して、様々な分野のジャンルが存在するという特徴があります。一言で言えば多様性なのですけれども、そのために、学会の中でもそうなのですが、特に一般におかれましては、用語が非常に混乱をしています。私は今回問題を絞ってお話ししたいと思いますので、その用語の混乱をお配りしました資料の1番目に書いておきました。特に御説明しませんけれども、もしこれはどういう意味なのだということがございましたら、質疑応答のときにでも御質問いただければと思います。ひょっとしたら皆様の聞き慣れない言葉を使う可能性がございます。

2ページから5ページまでは、先ほど御紹介がございましたように、これまで貴委員会におかれましてヒアリングで発表され、報告をされてきた三菱総研さんと国民生活センターさんの御報告の内容を、恐らくここが問題になるであろうというところだけ私の立場で書き出してきたものです。後ほどの質疑応答のときに参照することもあるかもしれないと思いまして、付けておきました。

今日の私のお話は、資料の6ページからになります。

まず、今一番問題になっている、ゲームを巡る消費者問題は何か。そこに問題を限定した上で、そこから解決していく必要があるだろうということで「ヒト」と「モノ」と「サービス」ですね。この議論の対象を明確にする必要があると考えました。

「ヒト」に関しては、プレイヤーと書きました。これはユーザーという言い方もしますけれども、特に問題となるのは未成年者です。ただし、小中学生、それから高校生、更には大学生、大学生は成年と未成年と両方含まれるわけですけれども、かなりプレイの実態が違います。ですから、これは未成年といっても一概に論じられないところはあるのですが、未成年者の中でも特に小中学生、あるいは高校生において問題は大きいだろうと考えております。

それから、対象とする「モノ」ですけれども、略してスマホゲーム、スマートフォンゲームを対象に考える。そこがまず最初に大事であろうと思っております。スマホゲームはどういうゲームかといいますと、業界団体であるCESAのリリースに定義がございます。「スマートフォンからインターネットを介して提供されるゲーム」ということです。皆様お持ちのスマートフォンにインターネットからダウンロードをしてきて、スマートフォンでプレイをするゲームという意味です。

それから、「サービス」です。これが問題を発生させているわけですけれども、スマートフォンゲームはほとんどがフリーミアムというビジネスモデルをとっております。フリーミアムというのは原則無料、一部課金というシステムです。試供品を提供して、よければ継続購入は有料という、そういう商法がよくございますけれども、それに似たところがございます。ダウンロードをしてきて一定範囲で遊ぶ、その限りでは無料なのですが、ゲームで強くなる、あるいはゲームを早く進める、ゲームの時間を延長させるために課金、お金を払うことになります。特に、ゲームの場合はフリーミアムのビジネスモデルを「Free to Play」という言い方をしております。

このように対象を限定した上で、それでは、日本のゲーム文化の特徴はどこにあるのかといいますと、まず、「ヒト」に関しては、欧米に比較してプレイヤーの年齢層が低いということがございます。最近の統計ですけれども、アメリカ合衆国、これは実はカナダも含めてですから北米と言ってよろしいのですが、アメリカ合衆国、北米のプレイヤーの平均年齢は30代半ばになっています。統計によって若干違うのですが、34歳から37歳の間です。

ヨーロッパの代表としてフランスを挙げました。フランスでは、ゲームプレイヤーの平均年齢は41歳です。80歳を超えて毎日プレイをするというのも決して珍しくありません。

それに比べて、日本は27歳です。これも徐々に年齢が上がってきております。というのは、スマートフォンゲーム、その前にソーシャルゲームというものがあったのですけれども、ソーシャルゲームやスマートフォンゲームが登場してきて、サラリーマンなどあるいはサラリーウーマンの方々が電車の中で気軽にゲームができるようになったと。その分プレイヤーの平均年齢が上がってきております。ただし、分布を見るとやはり10代のプレイヤー、ここの層が非常に大きいということは明らかでして、その部分に注目する必要があるだろうと思います。

それから、「サービス」ですけれども、ゲームデザインという言い方をしますが、ゲームの設計ですが、この分野では世界最先端の技術を持っております。元々日本は世界第2のゲーム大国と言われていまして、プレイヤー人口あるいは開発されるゲーム数、ゲーム機も世界的なものを誇っているわけですけれども、その結果、プレイヤーにエンターテインメントを与える技術が優れている一方で、いわゆる「はまる技術」といいますか、ゲーム会社の立場から言わせると「はめる技術」ということになるかもしれませんけれども、これにも非常にたけていると言うことができます。ただ、言葉が汚いので、もう少しきれいな言葉で言いますと、そこに書いてある「プレイ・モチベーション維持の理論と方法」、これを非常に研究しているという特徴があります。

次に、ビジネスモデルのフリーミアムなのですが、実は、スマホのゲームが登場することによって、フリーミアムが二重の意味で登場することになりました。

一つは、ゲーム機のフリーミアムです。これまではあのゲームをしたい、だからこのゲーム機を買うなどということがあったのですけれども、既に持っているスマートフォンにダウンロードすることによってゲームができるので、ゲーム機代が要らなくなるということがあります。ただ、本当に要らなくなるのかというとそうではなくて、ゲームのほうがバージョンアップするにつれて、スマートフォンのOSのバージョンアップが必要になったりしますので、その際には無料でOSをバージョンアップしたり、場合によってはスマートフォン、スマホを買い替える必要も出てくるのですけれども、これまでゲーム機を新たに買う必要があったものが、既に持っているスマートフォンでゲームができるようになった。その意味で、第1のフリーミアムと言えると思います。

もう一つのフリーミアムが、これが本来のフリーミアムでして、先ほど御説明しましたように、ゲームプレイは基本無料、一部課金というシステムです。以前もコマーシャルでもこのゲームは無料ですということを大きくうたっていて、小さく一部課金されますと、そういうことがあって、それが問題だということで「課金」という言葉がだんだんコマーシャルの中でも大きくなってきたという経緯がございますけれども、しかし、パケット通信料は有料という、それは変わりません。

その二つ目のゲームのフリーミアムの仕組みがどうなっているのかといいますと、右側のピラミッドのようになっております。大体一つのゲームのプレイヤー、平均して75%程度はずっと無料でプレイしているユーザーたちです。25%、残りのプレイヤーが有料プレイヤー、お金を払う課金のプレイヤーということになります。

何のためにお金を払うのかというと、アイテムといってゲームの中で使う道具なのですけれども、それから、ゲームに登場するキャラクターを買う。それから、ガチャといいまして、カード合わせのようなものなのですけれども、カードを引いて合うとアイテムが当たるというくじ引きのような仕組みがあります。それから、プレイ時間を延長したいということです。

無料のプレイヤーが圧倒的に多くて、25%のプレイヤーがお金を払っているわけですけれども、その課金額です。これは、これまでの三菱総研さんや国民生活センターさんの数字が大きく違っています。それはなぜかといいますと、三菱総研さんのほうはスマホゲームを対象にしている。それに対して、国民生活センターさんのほうはオンラインゲーム、PCゲームですね。PCを主体にしたゲームを対象にしています。これは元々金額が違うのです。

そこで、もう一つのデータを今日はお示ししたいと思っています。

2015年を対象にしたアメリカの調査会社の調査結果です。それによりますと、年齢に関係なく、平均して日本の課金額は月当たり約3,000円で、世界最高となっています。下のほうに国際比較が出ておりますけれども、韓国の課金額は日本の約半分、1,500円です。北米は、更に約半分の800円です。中国は、更にその半分以下の300円という報告が出ております。

これは年齢別に丁寧に集計をとったものではありませんので、その辺りは三菱総研さんのデータを御参照いただくといいと思うのですけれども、平均3,000円といいましても、30歳、40歳の成人の3,000円と、小学生の3,000円とでは、それの持つ意味というのは大きく違うと思うのです。ですから、30歳、40歳の方がお支払いになる3,000円が問題なのではなくて、子供たち、小学生、中学生が支払う3,000円、これを問題にしなければいけないのだろうと思います。3,000円がなぜ問題かというのは、また後ほど触れさせていただきます。

1枚めくっていただきまして、スマホゲームの特徴とあります。

これは、気軽にプレイできるということが最大の特徴であるわけですけれども、三つ目の丸ポツを御覧ください。日本で主流となっているゲーム専用機、パッケージゲーム、家電量販店でパッケージで売っている、最近はダウンロードで売っているゲームですけれども、これと先ほどの3,000円という金額を比較すると、3,000円がいかに高いのかということがわかります。

文字化けしておりますけれども、今年の7月18日から24日までの約1週間の売上ベスト30のゲームのタイトルの平均価格、これは税別価格ですけれども、これを計算してみました。そうすると、1本当たり5,309円という金額が出ます。それで何か月遊べるのかというと、プレイ期間3か月程度と書きましたが、実は永久に遊べるものもあります。ゲームは嗜好性が高いので、好きなゲームは繰り返しあるいは長時間プレイするでしょうし、そうでないものは飽きてしまって、数日でやめてしまうということもあるかもしれないのですが、ここは一般にパッケージゲームのプレイ期間は3か月と言われていますので、仮に3か月という数字を入れておきました。そうすると、1か月程度幾らになるか。3,000円を切るわけです。1本で買うと5,309円なので高いかなと思うわけですけれども、1か月ごとにならしていくと3,000円を切ります。スマホのゲームのほうが高額になります。しかも、スマホのゲームというのは、これはゲームのサービスが終わるまでずっと半永久的にできるものです。ですから、毎月3,000円支払うと考えていただいてお間違いありません。次の丸ポツで「ゲームシステムは日々チューニングされ、バージョンアップされる」ということで、パッケージゲームのように1回売って終わりではなくて、サービスが開始されると日々ゲームが少しずつ変わっていく、継続していく、続いていくという、そういう特徴がございます。

もう一つ、スマホゲームの特徴として、年齢別のレーティングが行われていないということがあります。パッケージゲームの場合には、年齢別のレーティングが行われていて、このゲームは全年齢でプレイできます、あるいはこのゲームは18歳以上でなければプレイできませんというものが、パッケージにマーキングされています。これは業界の審査団体がありまして、そこで審査したものが販売されているわけですけれども、スマホのゲームの場合には、そういう仕組みがございません。普通は、具体的に名称を挙げますとグーグルプレイストアなど、そういうところからダウンロードしてプレイするわけですけれども、グーグルプレイのレーティングは北米基準になっています。ERSBという業界審査団体がありますけれども、そこの基準です。ですから、最近話題になりましたポケモンゴーというものがありますが、あれはグーグルからダウンロードすると、年齢別のレーティングが付いています。ただし、それはアメリカの基準です。3歳以上と書いてあるのですが、日本には3歳以上というレーティングの区分はありません。

ほかにも問題はあるのですけれども、しかも、日本は国際組織IARC、これはデジタル配信をするゲーム、スマホゲームですけれども、そのレーティングの国際組織なのですが、これに入っていないという問題があります。これは私は個人的に非常に重大な問題であろうと思っております。そのことはなかなか専門家でも御存じないようで、北米、ヨーロッパ、それからオセアニア等のいわゆるゲームプレイの先進国、ゲーム文化の先進国のレーティング組織というものは、ほとんど国際組織IARCに入っているのですが、日本は入っていないという問題がございます。

そういう問題を解決するにはどういう視点が必要かということが、10枚目でございます。

問題の中心は、特に未成年者による高額課金への対応が一番重要であろうと、解決すべき最初の問題であろうと思います。そのために、法規制を行うよりもゲーム業界の自主規制を促していくべきであろうと思います。また、省庁横断的な対応が必要、さらに、産官民の連携が必要ということです。情報公開の徹底、これについては後ほど触れます。

さらに、これはよくある論調ですけれども、子供たちをスマホゲームから遠ざけるのではなくて、スマホゲームを使いこなすような、そういうITリテラシー、あるいはゲームリテラシーを養っていく必要があると。これは、主要な問題としては文部科学省の課題になるのかもしれませんけれども、ゲームの分野で賢い消費者に子供たちを育てていく、そういう仕組みというか、工夫が必要であろうと思います。

次に、問題解決の御提案と書いておきました。

いろいろあるので全てに触れることはできないのですけれども、御家庭や消費者におかれましては、学校と家庭においてゲームのリテラシー教育というものが必要であろうと思います。これは先進国では全て行われています。アメリカでもそうですし、メディアリテラシーの教育が盛んなカナダでもヨーロッパでもそうですけれども、ゲームとどのように付き合うのかという教育を早期から行っています。日本では行われていません。

あとは、ルールを作ってそれを決める。そのルールを守ることによって子供たちの成長を促していくということです。

重要なのが、業界団体とゲーム会社のほうです。業界団体は三つほどロゴを左下に出しておきましたけれども、この三つの団体が連携していくということが重要かと思います。最近になって連携が進んできて、統一のガイドライン、統一ではないのですけれども、別々に出されているのですが、よく見ると表現がそっくりなガイドラインというものが発表されています。

それから、苦情受付の窓口なども、つい最近JOGAという日本オンラインゲーム協会が、先月の29日に開設されました。そこでどういう問題が寄せられて、どのように解決したのかというような情報公開を徹底していく必要があるだろうと思います。これまでも、そういう苦情が寄せられても業界団体の対応が遅いというユーザーの不満がありました。その辺りの対応の迅速さを促していくということも必要かと思います。

それから、ゲーム会社、これは業界団体と連携してということになりますけれども、真ん中にCEROというものがありますが、これが日本のパッケージゲームのレーティング団体です。Computer Entertainment Rating Organizationです。家庭用のゲームはここでレーティングをするのですが、スマホのゲームはレーティングするところがございません。

それから、ゲーム会社は、これはコンプライアンスの問題から始まって、業界団体が取り組むべき課題とほぼ一致しておりますけれども、やはりゲーム会社においても苦情の受付窓口と対応の迅速さを確保するということが必要かと思います。

それと、各社で社内ルールを作っていると言われているのですけれども、社内ルールが公開されていません。それも情報公開が必要だと思います。業界団体のほうで大きなガイドライン、業界のガイドラインを作って、ゲーム会社がそれに準拠して個別の企業の方針を発表するということはよくあるのですけれども、個別の企業の発表内容がばらばらです。そのばらばらなところで、どのゲーム会社がどれくらいの人気があるのかないのかというのが大体わかってくるのですけれども、人気のあるゲーム会社というのはやはり対応がしっかりしているところがあるのですが、業界団体として、その辺りは単に情報公開するというだけではなくて足並みをそろえていく、消費者目線に立った足並みをそろえていくということが必要かと思います。

その一例を出しておきました。自主規制の課題、最後の12枚目になります。

これは日本オンラインゲーム協会が、ガチャと呼ばれる先ほどのくじ引き、カード合わせの有料課金に対して出したガイドラインなのですけれども、2016年4月1日、今年の4月1日に改訂施行されたとあります。ただし、これはよく見るとJOGAが出したのではなくて、JOGAの検討チームの名前で発表されています。決してJOGAの名前で発表されていないのです。

それから、(1)を初めとして全部「である」調で書かれているのですけれども、(2)のところは「有料ガチャについては、以下のいずれかを遵守するものとします」と、ここだけ「ですます」調で書かれています。これはなぜかというと、やっつけ仕事でやったからです。それぞれa、b、c、d、それから、a、b、cとありますけれども、これに対してユーザーは非常に不満を持っています。要は、どれか一つを遵守するという形になっているわけです。1個守ればいいという決め方になっているわけですけれども、それはおかしいのではないかとユーザーのほうから声が上がっています。

それに対する対応も当然今後必要になってくると思うのですが、私が申し上げたいのは、やっつけ仕事ではなくて、その業界団体としての責任を持ってしっかりと内容を検討した上で、先ほど申し上げましたけれども、消費者目線というか、消費者の立場からこの中身を検討していただきたいということです。

以上、簡単な御説明になりましたけれども、スマートフォンゲームに限定しまして、特にその未成年者に対する高額課金の問題に限定してお話をさせていただきました。

どうぞよろしくお願いいたします。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明の内容について御質問、御意見のある方は、御発言をお願いいたします。

いかがでしょうか。

鹿野委員、どうぞ。

○鹿野委員 鹿野と申します。貴重なお話をありがとうございました。

この資料の9ページのところについて質問をさせてください。

9ページの一番下のところで、日本ではスマホゲームについてIARCというレーティングの国際組織に加入していない、これが大きな問題だという御指摘がありました。そこで、私自身この領域に余り詳しくないので教えていただきたいのですが、この国際組織が具体的にどういう活動をやっているのかということと、日本でこれだけスマホゲームが普及しているにもかかわらず、その日本がここに未加入だという点につき何か特別な理由があるのでしたらその理由を教えてください。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 IARCというものは、各国主要ゲーム国のレーティング団体の国際組織ですけれども、それだけではなくて、グーグルとかアップルとか、そういうところも店舗という資格で参加しています。大体欧米が中心になっているということはあるのですけれども、この組織に加入するとどういうことが行われるのかというと、レーティングの分類の調整が行われます。例えば、ヨーロッパではPEGIという団体があります。アメリカではERSBという団体があります。それぞれ全く同じ区分でレーティングしているわけではありません。それをデジタル配信する際に調整をします。デジタル配信は世界的に行われますので、その調整をします。それは必ずしも強制ではないのですけれども、そういう調整機能を一つ持っているということがあります。

それから、店舗が入っていることによって、店舗といってもサイト上で、実店舗ではありませんけれども、そこからダウンロードする際に必ずレーティングマークが表示されます。これが何歳以上に該当するのかということです。日本はそれがないために、例えば12歳以上というように欧米ではこのIARCによって統一されているゲームでも、3歳のお子さんでもダウンロードすることが可能です。プレイすることが可能です。課金することも可能なのです。言葉はよくないのかもしれないのですけれども、「スマホの無法地帯」と呼んでいるのですが、日本は無法地帯になっています。

どうして日本ではこのデジタル配信のレーティングが行われていないのかといいますと、先ほど御紹介したCEROというレーティング組織はあるのですが、これはCESA、家庭用ゲームソフトの業界団体と密接な関係にありまして、したがって、家庭用ゲームソフト、要はテレビゲームですね。ゲーム専用機にパッケージで、今はダウンロードもありますけれども、そういう形でプレイするゲームソフトの業界団体です。そこが作ったレーティング組織ですので、ゲーム機が異なるわけです。

実は携帯電話ゲーム、スマホの1世代前になりますけれども、ガラケーでもゲームができました。今はスマートフォンのゲームもできます。そういうゲーム団体も一度作られたのです。今はCESAと合同、一緒になっています。ですから、本来ならばCEROでもスマートフォンゲームのレーティングをすべきと私は考えています。つまり、業界団体が一緒になったわけですから、それと関連しているレーティング団体も両方の分野を取り上げるべきと思っています。

ところが、なかなか取り上げにくいのはなぜかといいますと、同じ紙に書いてありますが、「ゲームシステムは日々チューニングされ、バージョンアップされる」ということで、配信されたときとだんだん姿が変わっていく。ですから、年齢別のレーティングに適さないという考え方が業界のほうにあります。

これは、スマートフォンゲームだけではなくてオンラインゲームに関しても言えることです。PCのオンラインゲームも、CEROのレーティングに準拠して年齢別レーティングをやっているタイトルもありますけれども、やっていないタイトルもあります。韓国などではもう法律で決まっていますので、全部やらなければいけないのです。ゲームセンターのゲームもレーティングを受けなければいけません。だけれども、日本は、ゲームセンターのゲームはレーティングの対象ではないです。レーティング組織はCEROしかありませんので、家庭用のゲームソフトのレーティングしか行われていない。

最初に言いましたように、日本は多様性、様々なゲーム機があって、様々なジャンルのゲームが存在するにもかかわらず、実はレーティングというのは世界の常識なのですけれども、日本でレーティングされているゲームの分野というのはその一部でしかないという、そういう問題があります。その辺りを業界として是非調整をしていただきたいということが、私個人の考えです。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

長田委員、どうぞ。

○長田委員 今の件なのですけれども、情報としては、CEROは来年を目指してこの連盟の入会を検討していると聞いておりまして、それは一歩進んでいくだろうと思っているのですけれども、ただ、日本の業界全体としてレーティングを嫌っているところはまだ現状としてあるのかなとは思っています。

日本のいわゆるガラケー、フィーチャーフォン時代のフィルタリングとの関係で、今でもEMAという組織がフィルタリングをしていますけれども、そこでの認定とOS上でのレーティングというところの、なかなかその移行がうまくできていないということだと思うのですけれども、この連盟へ加盟すれば、日本の独特なネット上の文化みたいなものもあると思うのですが、それは解決すると考えていいのでしょうか。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 解決のための一つの有力な方法であるとは思います。つまり、言葉はよくなかったですけれども、無法地帯に一定のルールを、レーティングという一つだけですけれども、持ち込むという、これはすごく大事なことなのです。それはITリテラシーあるいはゲームのリテラシーの、実は一番中心になります。

カナダで行われているゲームリテラシーの教育というのは、日本で言うところの義務教育の課程で小学校の3年生から5年生、3年間ゲームについて勉強するのですけれども、その中心は何かというと、レーティングです。どういうレーティングが存在して、どういう年齢がプレイできるのかということです。そのパンフレットに何と書いてあるのかというと、「It’s your choice」と書いてあります。「これは君の選択なのだよ」ということなのです。つまり、そういう形で主体的に自分がプレイするゲームを選んでいくという、その基準として、ガイドラインですけれども、レーティングを活用するということです。

レーティングは年齢別だけではなくて、実はいろいろなレーティングがあって、例えばこのゲームは暴力的な表現が含まれていますとか性的な表現が含まれていますなどという、そういうコンテンツマークというものも別にあります。それもレーティングといえばレーティングなのですけれども、一番大切なのは、世界で共通しているのは年齢別のレーティングです。子供たちの精神的な発達段階に応じてということです。

それを業界の方々がどのように考えているのかというのは、非常に申し上げにくいところではあるのですけれども、業界団体、それから、ゲーム会社の表向きの姿勢としては、レーティングは重要であるという立場をとられています。レーティングのない業界もありますけれども、レーティングがある家庭用据置型ゲーム機、ゲームソフトの分野ではそのように言われています。

ところが、実際の開発者の方々はレーティングを非常に嫌います。レーティングが1つ違うだけで実はマーケットが大きく違ってくるわけです。それは会社の立場からすると、青少年の健全育成という立場からそのレーティングが重要であるということになるわけですけれども、それが12歳以上に分類されるのか、15歳以上に分類されるのか、あるいは18歳以上に分類されるのかで、マーケットが全然違ってきます。例えば人を斬りつけたときに、どういうように血が出るのか。血が出ないと全年齢対象になります。どばっと出ると18禁など、それは表現する立場にある開発者の方々にとってはちょっと邪魔臭いという意識があります。

ただし、私が思うには、レーティングというのは開発者あるいはゲーム会社、ゲーム業界の方々と消費者、ユーザー、プレイヤーとを結び付ける、対話するための重要な制度ではないかと思うのです。ですから、企業の方々は、これは15歳以上のゲームとして提供しますと。それを消費者、ユーザーやプレイヤーの方々は、一つのガイドラインとして受け止めて購入する際の参考にしていく。だから、対話の窓口と言えばいいのですか、そう捉えていますので、レーティングはどんなにゲーム業界の方が嫌おうと、あるいはユーザーがそれを無視しようと、必要なものと思っています。

かつてはレーティングの認知度も非常に低くて、ほとんどの方、ユーザーもレーティングがあるということがわからなかったのです。しかも、日本はかつてパッケージに小さくマークが付いていました。今、ヨーロッパのゲームを見ると、パッケージにしっかりと判別しやすく大きく付いているわけです。それも日本の開発者の方々は嫌がります。せっかくパッケージをきれいにデザインしたのに、そのような大きなマークを付けられたらせっかくのデザインが台無しになるとおっしゃるのですけれども、そうではないと思います。わかりやすく見やすい、そういうマークを付けて、消費者、ユーザーの方々の購入のガイドラインにする必要があるだろうと思っています。

○河上委員長 蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 大変勉強になります。

レーティングと聞くと、私はアメリカのテレビだとか、映画だとか、必ずレーティングがあり、ヨーロッパから入ってくるおもちゃには必ずこんなに大きく何歳以上とか何歳以下などと書かれていて、当たり前のように見ていますが、現実にこうやって見るとき、親がテレビでやっていた、レーティングでこれはあなたは見られないわと言って消せた時代と、今のように一人遊びをするスマホのような世界でやるときに、実際に外国でレーティングというものはどういう抑止力を持っているのか。例えば15歳以下はダウンロードできませんと言われても、遊んでいるのは1人なので、その辺の実態はどうなっているのか教えていただけますか。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 ちょっとお話がずれますけれども、例えばパッケージの店頭で販売されているゲームの場合は、私の印象ですと、子供が1人で買いに行くということはほとんど欧米ではありません。親御さんと一緒に買いに行きます。それは、一定程度金額が張りますので、自分でなかなか1本買うことができない。日本の金額で言いますと、5,000円から8,000円ぐらいします。ですから、親御さんが付いていくわけです。親御さんにレーティングの知識があれば、当然そのレーティングは参考にします。

同時に、お店の側、販売する側も場合によっては身分証明を求めることがあります。この子は怪しいな、この親子は怪しいなという場合には、身分証明書の提示を求めることがあります。特に法律でレーティングが定められている国、お近くですと韓国とか台湾がそうなのですけれども、そういう国々では身分証明を求められることが多いです。変な話ですけれども、私などが行ってもアジア人なので若く見えるわけです。だから、アメリカでゲームを買おうとすると、18禁のものを買うときにはパスポートを見せろと言われます。ただ、研究のためには必要なので、そういうものも購入しないといけないのです。

問題は、スマホのゲームの場合1人でダウンロードできる。それは確かに、親御さんが見ていないところでお子さん、ユーザーが自由にダウンロードできます。場合によっては、年齢認証のシステムがあって、それをクリアしないとダウンロードできないという場合もあります。特にグーグルの場合には、12歳以下、13歳未満ですと、自分でアカウントを作れないのです。ですから、親御さんの承認のもとに親御さんがアカウントを作ってあげて、それでダウンロードすることになります。ただ、アカウントを作ってしまうと、その後自由なので自由にダウンロードできるのですが、先ほど言いましたように、欧米ではメディアリテラシーの一環としてゲームリテラシーの教育がかなり進んでいますので、自分たちがプレイするゲームを選択するときに、自分自身の判断でレーティングをガイドラインとして活用するという考え方が定着しています。ですから、先ほどカナダの例を申し上げましたけれども、「It’s your choice」なわけです。君がこのレーティングのマークを見て選びなさいと、選ぶだけの能力を身に付けなさいということです。

私が知っている限りでは、確かにレーティングを破ってダウンロードしている例がないわけではありませんけれども、ほとんどの場合はそのレーティングを参考にして、欧米の子供たちは自分たちでダウンロードしている。それは家庭あるいは学校での教育が徹底しているということが言えると思いますし、先ほどおっしゃったように、レーティングはゲームだけではありませんので、いろいろなメディアで行われていますので、彼らにとっては当然なのです。ですから、その一環として、ゲームの場合もレーティングをガイドラインとして活用するという、そういうスキルといいますか、知識が発達していると思います。

○河上委員長 池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。

レーティングのシステムというものについて非常に関心を持っているのですが、今、いろいろ御説明いただいた中で、特にゲームの中身、子供には刺激的過ぎる、暴力的であるとか、そういう中身の問題と、特に最近のトラブルの中には、課金のシステムが非常に便利というのか、プリペイドやクレジットで本当に無限に使えるという、それが未成年者にとっては抑制力が乏しいためにどんどん上乗せしていくという、こういう世界のところでこのレーティングのシステムがどう機能するのかということでお伺いしたいのです。そのゲームなりの中身についての基準という観点、あるいはそういう金額なり、あるいは日本だとガチャの射幸性のあるようなものがありますが、そういうものもこのレーティングの基準の中に織り込まれているのかどうか、諸外国の例、あるいは日本の例で、その辺りはいかがなのでしょうか。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 現在のところ、レーティングは年齢別のレーティングが中心になっていて、課金制度の違い、課金方法の違い等を基準にレーティングはされていないのですが、そのゲームに関する情報として、どういう方法で課金されるのかということが、必ずしもではないのですが書かれていることがほとんどです。

クレジットカードに関しては、今、未成年でも15歳以上ならばクレジットカードを作れたりしますが、これも欧米と日本の違いかもしれませんが、欧米はクレジットカードが発達しているということもあって結構子供自身が持っていることがあります。ただし、それは親御さんが自由に使えというのではなくて、金額の上限を決めていたりなど、そういう方法で課金額をセーブしているということがあります。

困るのは、プリペイドカードなのです。プリペイドカードは子供たちが自由にお小遣いをためて、少し高めのカードが買える。日本でもコンビニエンスストアで気軽に買えるということがあります。その辺りは、これは少し問題が大きくなってしまうかもしれないのですけれども、やはりフリーミアムのビジネスモデルというものを変えていく必要があるのではないか。25%の有料ユーザーから月々平均して3,000円取っていく、パッケージゲームよりも高額の金額を取っていく、そうではなくて、薄く広くといいますか、そういう形に持っていく必要があるのではないか。ですから、フリーミアムではなくて、最初の段階でダウンロードしてプレイを始める段階で少額あるいは定額の料金を払っていただいて、あとは長くプレイできるという仕組みですね。

アイテム課金などの一つのアイテムの金額は非常に小さいので、支払うとき、購入するときは、100円単位ですので、罪悪感は余りないのです。気が付いたら、ちりも積もれば山となっているというケースが多いと思うのです。ですから、その辺りのアイテムの金額をあらかじめ情報として明示しておくということも必要かと思います。別にそれによってゲームがつまらなくなることはありませんので、逆にこのゲームを続けるためにはどれぐらいの金額がかかるのかという一つの判断の基準になろうかと思います。

よく業界では100円玉を積み上げる、そういうビジネスだと言われるのですけれども、そのようなことはない。1,000円札で数えているという、実態はそうだろうと思っています。

○河上委員長 ほかにいかがでしょうか。

中原委員、どうぞ。

○中原委員 大変貴重なお話をありがとうございました。

1ページの用語のところで、四つ目のポツのところですけれども、ゲームで遊ぶことにはエンターテインメント以上の効用があるとされており、また、10ページの一番下のところで、スマホゲームというのは社会に定着しており、排除することは不可能で、むしろゲームリテラシーを涵養(かんよう)するという意味があるというお話がございました。この点に関して、特に子供がスマホゲームをすることの積極的な効用、意味、あるいは影響につきまして、根本的な話で恐縮なのですけれども、もしお考えがありましたらお聞かせいただければと存じます。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 まず最初の用語のところで、エンターテインメント以上のといいますか、以外の効用があるということは、例えば医療、リハビリ的な効果であるとか、学習、教育的な使用法であるとか、エンターテインメントとして単に楽しむだけではなく、楽しむということが核になっているのですけれども、それに付随して様々な有益な活用の仕方があると考えておりますし、私の研究室ではその部分の解明が主要な課題になっております。ですから、単にエンターテインメントイコール遊ぶということではなくて、日本で定着しているのかどうかはわかりませんけれども、プレイ、あるいはプレイするという言い方をして、遊ぶという言い方を極力使わないようにしております。

申し訳ありません。二つ目の御質問は。

○中原委員 今のお話と関連しているのですが、10ページの一番下のところで、子供がゲームばかりやっているということに対しては、眉をひそめる大人も多いのではないかと思うのですけれども、定着しているから排除は難しいという消極的な面だけではなくて、むしろ積極的にゲームリテラシーを涵養(かんよう)するといった意味があるとすれば、具体的にどういうところかを教えていただければと思います。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 ここはゲームリテラシーの前に「ITリテラシー」というように意識的に書かせていただいたのですけれども、スマホも含めてあらゆるゲーム機というのは、現在コンピューターなわけです。それが小型化したり、あるいは特化する形でゲーム機として使われている、あるいはスマホのように通信機器であったものがゲーム機としても使われるという、大げさに言ってしまうと、社会の生活を豊かにしていくための道具として例えばスマホの場合は登場しているので、そのスマホを子供たちから遠ざけるとか、あるいは社会からなくそうという考え方は、時代に逆行するだろうと思うのです。むしろ、それを社会に定着しているという現状から出発して、それを使いこなすためのリテラシーを身に付けていく。

このリテラシーの内容については、地域あるいはIT機器の普及の度合いなどによって内容は異なってくると思うのですけれども、例えば日本と韓国を比べますと、日本では一番最初にPCに接するのは大体6歳ぐらいだと言われています。小学校1年生です。韓国では3歳ぐらいと言われています。最初に接するアプリケーションが違うのです。韓国の場合にはゲームです。ゲームから接します。ゲームがモチベーションとなって、韓国の子供たちは、小学校6年生ぐらいにはほとんどの子供がブラインドタッチが可能になります。日本では情報教育は小学校でも進んでいますけれども、小学校6年生でブラインドタッチはとても無理ですね。実際に使われているのは、ゲームのようなエンターテインメント性のあるソフト、アプリではなくて、ビジネスユースのソフトが使われています。それはそれで文章を書いたり、あるいは絵を描いたりと、そういう目的のために使えるソフトではあるのですけれども、子供たちのモチベーションを考えた場合に、ゲームから始めると違うのです。

ただ、初めのところだけゲームがモチベーションとして機能するわけですけれども、実は内容もゲームの仕組みを使って教材を作っていくと、一般の教材よりもより有効な結果、教育効果を出すということがわかっておりまして、やや専門的な言い方になりますけれども、ゲーミフィケーションという言い方をします。あるいはシリアスゲームという言い方をします。エンターテインメントだけではなくて教育、学習、あるいはリハビリ、スマートフォンのゲームもリハビリに有効という見解で、実験がアメリカでは行われています。スマホ歩きになってしまうとよくないのですけれども、一定の時間、外をお散歩できるわけです。ゲームをすることによって有酸素活動が可能になります。これは特定の精神疾患の患者さんには有効な、これまで認知行動療法として使用されてきた方法と共通する部分があって、それがゲームであることによって、患者さんのモチベーションが上がるということがあります。同じようなことは日本でも全国で研究されていまして、医療、リハビリ、学習、教育においては、ゲームの活用というのは単にリテラシーを上げるというだけではなくて、もっともっと具体的に広げていっていい課題ではないかと思っています。

ただ、学校の先生がおっしゃるとまた逆の御意見もあるようで、よく新聞に投書が載っていますけれども、先生の中にも両方の考え方があるようです。ただ、ゲームは、今は諸外国においてエンターテインメントだけと考えている、そういう国は海外ではほとんどないです。それはいろいろな目的に使える。使うための研究であるとか、あるいは実際の実践、それで結果を出しているという事例が、今、蓄積されているところです。

○河上委員長 よろしいですか。

長田委員、どうぞ。

○長田委員 先ほどもお伺いした、国際レーティング連盟に加盟しても、この課金のところは、それでのレーティングはないだろうと。あそこのクエスチョネアの中に、アプリを通じてデジタルコンテンツを購入する場合のような項目がありますね。日本独自のレーティングをそれで入れるということは可能と考えていいのでしょうか。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 可能だと思います。可能だと思いますし、それは是非やらなければいけないことですね。

○長田委員 その場合、ここへの加盟を考えているCEROでそういうことというのは、なかなか提案が可能なのかどうなのかちょっとよくわからないのですが、もうちょっと全体に日本として本当にOS上のレーティングをきちんと利用していって、先生から先ほど御提案があったようなリテラシー教育も同時にかなり広範囲にやるということでこの問題を解決していくとすると、日本でのレーティングの中身についてはかなり大きな検討が必要で、それを反映させていく頑張りも必要だと思うのですが、何かそういうお考えがおありですか。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 IARCに加盟する前に、日本のレーティング制度をもっと充実させるというか、それは必要なことだと思います。同時に加盟してもいいのですけれども、今、CEROだけが加盟しても、CEROとCESAは仲がいいですが、JOGAなどほかの団体はどうなるのだというところが見えていません。ですから、業界団体が歩調を合わせるということが大事であろうと思っています。それは、開発者のレベルまで含めて、これは倫理的な問題になるのかもしれませんけれども、開発者としての自覚を持っていただくということが必要で、それをできるだけ多くの人たちにプレイしてもらうためには、使いやすい形で提供する。つまり、十分な情報を消費者の方に提供する。それが消費者にとっては一番使いやすい形になるわけです。そういう考え方に立っていただいて、その考え方を業界団体として共有していただくということが必要であろうと思います。

血の出方でマーケットが変わるからではなくて、変わっていいのです。変わっていいのですけれども、変えることにどういう意味があるのかというところを開発者の方には理解していただきたいですし、消費者の方々、特に保護者の方々には、レーティングマークの意味を理解していただきたい。子供たち、ユーザーにとっては、やはり「It’s your choice」です。その主体性を養うためのリテラシー教育ということになろうかと思います。

CEROの権限がもっと大きくなればいいなというのが私個人的な考え方で、幾つかある業界団体、これはもうプラットフォームが違ったり、ジャンルが違ったりしますので、なかなか一つにはなりにくいとは思います。でも、CEROを大きくしてCEROがあらゆる分野のレーティングを扱えるようにすれば、それぞれの業界団体から上がってきたソフトのレーティングは可能だと思うのです。それでも、数年前まではCEROは実はレーティング組織としては世界の最先端と言われていたのです。ところが、このIARCに入っていないということで、今はかなり遅れてしまっているという現状があります。もう一度日本をそういうゲーム文化というと一般的ですけれども、そういう分野で本当に豊かな国にしていくためには、CEROを大きくしていくというのは一つのポイントだと思います。

○河上委員長 いろいろ伺いたいことはたくさんあるのですが、では、最後にしましょう。

○池本委員長代理 時間を超過して申し訳ありません。

今の最後の御説明の点ですが、現在あるCEROのレーティングに関する検討組織というのは、例えば外部の有識者や消費者団体とか、外部の人も含めた検討組織なのか、それとも業界の中の関係者だけなのか、その辺りの構成をもし御存じであれば。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 基本的には業界の内部だけで検討されています。ですから、ユーザーとかあるいは開発者の方々の声というのは、直接の反映はないです。ただ、CESAで行っている様々な調査があります。毎年、もう20年目になるのですが、「CESAゲーム白書」というものを発表していまして、それでユーザーの意識も調べています。その結果がCESAを通してCEROの検討にも反映されるということになっています。

ついでですので申し上げますと、レーティングの情報公開というものも必要だろうと思います。今、CEROから発表されている年齢別の基準というものは非常に曖昧、抽象的です。血の出方が一番わかりやすかったので事例として申し上げましたけれども、実は、そこが開発者の方々にとっての不信感にもなっているのです。一応ゲーム会社からは、これを例えば15歳以上に分類してもらいたいということで、ゲームの中身を添えてCEROに申請することになっています。だけれども、これが本当に15歳以上に当てはまるのかどうかというのは、その基準が曖昧であるために恐る恐るではないですが、そう言うと言い過ぎかもしれませんけれども、自信を持ってゲーム会社が申請する形にはなっていないです。

審査の過程も、審査方法は一通りホームページ等で公表されていますけれども、その審査過程がずさんであるということもよく指摘されることでして、要は、ゲーム会社が提出した場面だけを見て判断しているのです。全体を審査員の方が見ているわけではありません。審査員の方はゲームの経験に関係なく、ボランティアで選ばれています。そうではなくて、海外などでは専門の審査をする方々、プロの方がいらっしゃったりします。そういう制度であるというところまでは公表されているのですけれども、では、具体的にどう審査されているのかはわかりません。わからないのですが、例えば海外の北米のERSBであるとか、あるいはヨーロッパのPEGI、ドイツですとUSKという組織があるのですが、それは全部ホームページでタイトルごとにどういう審査を経たのか検索をすることができます。毎月毎月、今月はこのタイトルをこういうように審査して、こういうようにレーティングしましたというのは、全部データベースで公開されているのです。日本にはそういう情報公開がありませんので、今後進めるべき課題ではないかと思っています。

○河上委員長 よろしゅうございますか。

どうもありがとうございました。私などは時代に逆行しているほうだとは思いますけれども、レーティングの話を聞けば聞くほど、この課金システムを伴っているスマホゲームというのは、お酒やたばこの類いに近いという感じがしました。プラスになるものもあるのかもしれませんけれども、問題が大き過ぎて、その部分が自主規制だけで本当にやっていけるのかという疑問がどうも生じてしようがないというところがございます。

どうぞ。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 今、御指摘のあった点はおっしゃるとおりで、懸念事項だと思います。よくゲーム依存症あるいはオンラインゲーム依存症ということが言われます。日本ですと、例えば久里浜のほうに国立病院でオンラインゲーム依存症のリハビリテーションを行うための病院があったりします。諸外国、韓国や中国は、国営のそういう組織があったりします。例えばアルコールやたばこもそうですけれども、大麻、麻薬等、これも薬物依存と言われるわけです。それに対して、ゲームに対する依存は行為依存と言われます。借金依存とかそういうものと同じなのです。

ただ、重要なのは、ゲームのジャンルによってその程度はかなり違うということで、PCを主体としたオンラインゲームの場合には、海外からの報道で1週間寝ないでプレイして亡くなってしまったとか、そういう極端な事例も報道されています。ただ、私たちの調査によると、スマホのゲームに関してはほとんど依存性はない。毎日プレイしたりということはあるのですけれども、総合したプレイ時間で言うと決してほかのゲームと比べて長くはないですし、課金額が極端に高いということはないのです。具体的な数字を申し上げますと、スマホの場合、依存あるいは依存症と判断される事例は、私たちの調査ですと0.2%になります。0%ではありません。ただ、それ以上にスマホ依存です。スマホそのものに対する依存のほうが大きくて、そこに乗っている一つのコンテンツがゲームという位置付けで、0.2%の方に関しては依存症的な傾向が見られるということは言えると思いますけれども、ゲームのスタイルによって違うだろうと思います。

よくオンラインゲームは、日本でも「ネトゲ廃人」と言いまして、「ネットゲーム廃人」という言葉がはやって、「親子でネトゲです」というネット上の書き込みがあったりしましたけれども、スマホに関しては、少なくとも現状においては私たちの見解では心配はないだろうと。むしろ、これからのリテラシーにかけていくべきではないかと思っています。

○河上委員長 最近『依存症ビジネス』という本を読んだりしたものですからとても気になっていて、スマホを彼女や彼のように大事になでるという人々が結構いるのだという話を聞いたりしています。いずれにしても、本日は馬場先生にお越しいただいて、スマホゲームの特徴等について非常に詳細な御説明をいただいて、大変勉強になりました。

当委員会として、スマホゲームに関する消費者問題には、やはり無視できないものがございますので、引き続き調査を続けてまいりたいと考えております。また機会を見て、お力添えをいただければありがたいと思います。

馬場先生におかれましては、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

○東京大学大学院情報学環馬場教授 ありがとうございました。

(東京大学大学院情報学環馬場教授退席)


≪4.閉会≫

○河上委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局から今後の予定について説明をお願いいたします。

○丸山参事官 次回の本会議の日程や議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページ等を通じてお知らせさせていただきます。

なお、この後委員間打合せがございますので、委員の皆様におかれましては、委員会室にお集まりください。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)

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