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第225回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2016年6月14日(火)14:00~16:15

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、池本委員長代理、阿久澤委員、大森委員、蟹瀬委員、鹿野委員、長田委員、中原委員、樋口委員、増田委員
  • 【説明者】
    経済産業省坂本商取引監督課長
    神奈川県社会福祉協議会小野課長
    神奈川県社会福祉協議会担当者
    足立区社会福祉協議会青木常務理事
    足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長
  • 【事務局】
    黒木事務局長、小野審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 産業構造審議会割賦販売小委員会の報告書追補版の説明について
  3. 身元保証等高齢者サポート事業について
  4. その他
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので、始めさせていただきます。

皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第225回本会議」を開催いたします。

それでは、配付資料の確認をお願いいたします。

○丸山参事官 お手元の議事次第の下部のほうに配付資料一覧を記載しております。

資料1-1から資料1-2が、産業構造審議会の割賦販売小委員会の報告書の関係の資料です。

資料2-1から資料2-7が、身元保証等高齢者サポート事業の関係の資料となっております。

それから、参考資料1、参考資料2となっております。

もし不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますようよろしくお願いいたします。


≪2.産業構造審議会割賦販売小委員会の報告書追補版の説明について≫

○河上委員長 それでは、最初の議題は「産業構造審議会割賦販売小委員会の報告書追補版の説明について」であります。

当委員会は、平成26年の8月に加盟店の管理の徹底に係る整備制度、マンスリークリアの取引における抗弁の接続等の整備制度などを内容とする「クレジットカード取引に関する消費者問題についての建議」を発出したところであります。これを受けて、経済産業省の産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会では、昨年7月に加盟店契約会社の登録制や、加盟店管理の義務付けなどを内容とする報告書を公表されました。こちらについては、公表後当委員会においてヒアリングを行ったところであります。その後、割賦販売小委員会では、クレジットカード取引のセキュリティに関するリスクの増大や特定商取引法改正法案の国会提出などの状況変化を踏まえて、改めて法制上の措置について検討され、本年6月に報告書の追補版を公表されました。本日は経済産業省に同報告書の内容について御説明をいただいた後、若干の意見交換を行いたいと思います。

経済産業省におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、大変恐縮ですけれども、20分程度で御説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○経済産業省坂本商取引監督課長 経済産業省商務流通保安グループ商取引監督課長の坂本でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、お手元の資料1-1を御覧ください。

1ページ目、クレジット取引構造変化と悪質加盟店対策の必要性というところでございます。先ほど委員長から御紹介がありましたように、平成26年8月にこちらの消費者委員会から建議をいただきまして、こういった問題意識で議論を進め、昨年の夏に報告書をまとめた内容を改めて御紹介をいたします。

まず、従来割賦販売法が想定をしていた取引構造が左側の図でございまして、これが近年は右側のような取引構造に、より複雑化・多層化しているということでございます。具体的には、カード発行と加盟店契約をする主体の機能が分かれてきたということで、中には加盟店契約を専業とする事業者も出現してきた中で、割賦販売法は、右側に赤い太枠で囲ってあるカードを発行する会社に対しては登録制がしかれていますが、右側の点線で囲ってある部分については現行の割販法上は特に登録制等の規定がないということでございます。さらに、IT系の新興企業がこういう加盟店契約会社と加盟店の間をつなぐような決済代行分野に参入し、ネット取引を中心に加盟店の裾野を拡大してきたという中で、こうした決済代行業者の中には、加盟店管理が不十分な事業者も現れ、かつ、ボーダーレス化が進む中で、悪質加盟店が比較的審査の甘い海外の加盟店契約会社に流れるといった傾向も、昨年の報告書の中で指摘をされているところでございます。こうした状況を踏まえまして、昨年の報告書の中では、新たにこの点線の部分の加盟店契約会社増えの登録制の導入に加え、加盟店管理の義務付けといったような提言をいただいていたところでございます。

その後、先ほど委員長からもありましたように、昨年の報告書をまとめて以降の一つの状況変化といたしまして、2ページ目を御覧いただきますと、安全・安心のもう一つの課題であります不正使用といった問題が大きく取り上げられるようになってまいりました。

1つは、セキュリティ対策が不十分な加盟店を狙った不正アクセスによってカード情報が漏えいする件数が近年非常に増えてきているということでございますし、それによって不正使用の被害額といったようなものも、昨年1年間でカード会社が負担をしている分だけで120億ということで、3年間で約1.8倍に増えてきているということでございます。この120億につきましては、カード会社が負担をしているとはいえ、換金性の高い商品の購入を通じて国際的な犯罪組織に流れているといったことも指摘をされていて、非常にそういった点でも問題が大きいということでございます。

もう1枚おめくりいただきますと、実際カード情報の漏えいがどこで起こっているかということでございますが、最近、大規模漏えい事故は全て加盟店からの漏えいということになっているのが特徴でございます。非常に裾野が広いということもございまして、加盟店の中には自らが保有しているカード情報が漏えいをしたらどういった結果になるかといったことについて当事者意識が希薄なところも少なくないのではないかということも指摘をされております。ここには、典型的な事例としてECサイト事業者から大規模な漏えいが起こったケースというものを最近の例として並べてございます。

4ページを御覧いただきますと、最近セキュリティに関するリスクが増えてきているところといたしまして、これまで多かったECサイトからの漏えいに加えまして、対面取引のPOSシステムを導入しているようなカード決済のお店にマルウェアと言われるウイルスを仕掛けられて、そこからカード番号を初めとした個人情報が抜かれていく件数が世界的にも非常に増えております。日本国内だけで見ましても、感染件数が昨年1年間で前年比の約7倍ということで急増しているといった状況にございますし、ウイルス感染の結果、実際の漏えい事故というのも、今年に入って1月にアメリカを拠点とするハイアットのホテルチェーンの漏えい事故の中で初めて日本国内の拠点からの漏えいも確認をされたということで、これまで多かった非対面の世界の漏えいに加えまして、対面でのPOSシステムを狙った不正アタックというリスクが非常に高まっている状況でございます。

5ページ目、こういった対面取引における不正使用対策ということでは、国際的にはこのIC対応というのが標準的な対策ということになっておりまして、少なくとも現時点ではカード偽造の防止、あるいは偽造カードによる不正使用の防止のためには唯一無二の対策であると言われております。日本の場合、このIC対応という意味で、カードのほうは今、約7割までIC化が進んできておりまして、それに対してカードを読み取る側の決済端末、カードリーダーのほうはいまだ17%程度がIC対応をしているにとどまっているということです。左下にグラフがございますが、国際的に比較をいたしましても、欧州がほぼ100%という中にあって、これまで日本とアメリカが大幅に遅れていたIC対応の後進国であったという現状にございましたところ、アメリカで数千万件という大規模な漏えい事故が2013年の秋にスーパーマーケットで起こりまして、それがきっかけでアメリカのIC対応が急速に進んでおります。これは2013年の数字で比べておりますけれども、直近では日本の17%を超えており、今後約2年間をかけて92%まで到達する見込みということです。アメリカにおけるIC対応の動きが非常に急速に進んでいる中で、今、実は世界全体の不正使用の約半分がアメリカで発生をしているという状況で、比率的にはまだ日本の被害額というものは小さいのですけれども、このアメリカのIC対応が進むと、いよいよ残されたIC未対応国である日本に不正使用のリスクが流入してくるのではないか、セキュリティホール化の懸念といったことが非常に心配されているということでございます。

実際には今、右側にございますように、一部百貨店あるいはモバイル端末、タブレットやスマホにカードリーダーをつなげるような形で簡易なIC対応の端末ということも出てきておりまして、今、我が国で一番IC対応が遅れているのは比較的中堅から大規模の小売店におけるPOSシステムを導入しているところの対応が非常に大きな課題になっているということでございます。

こういった状況の中で6ページ目を御覧いただきますと、当面の政策の目標といたしまして2020年というオリンピックイヤーに向けて非常にインバウンドの需要も高まっていく、訪日外国人も増えていく中で、このカード決済についてのセキュリティ環境を国際水準まで引き上げていくということが喫緊の課題になっているということで、昨年の3月に民間の関係事業者と行政もオブザーバーとして参加をいたしまして、クレジット取引セキュリティ対策協議会というものを立ち上げまして、1年間かけて議論をして「実行計画」をこの2月にまとめて発表しております。

その「実行計画」の中に掲げられたのがこちらの3本柱でありまして、まずカード情報をとらせない、漏えい防止というのが1本目の柱でございます。2.と3.が不正使用対策ということで、まず対面につきましては、偽造カードを作らせない、使わせないということで、カードと端末、両側でのIC対応ということを2020年までに100%実現しようということで目標を掲げております。非対面、ECサイトにつきましては3.で、ネット上でなりすましをさせないということで、パスワードによる本人認証等を含めまして、多面的・重層的な不正使用対策を導入していく。カード番号と有効期限だけでお買い物ができるような状態をなくしていくということを目標に掲げております。

7ページを御覧ください。この2月にまとめた「実行計画」というものを受けまして、さっき冒頭委員長から御紹介をいただいた平成26年8月の建議を受けて、一旦昨年の7月に悪質加盟店の排除というところを中心に報告書をまとめておりましたが、その後のセキュリティリスクの高まり、そして「実行計画」が具体的なものができたということで、いかに実施を徹底していくか、2020年に向けて目標を着実に達成していくかという観点で、法律上の措置の必要性について改めて御審議をいただくために、この4月に割賦販売小委員会を再開いたしまして、6月に報告書追補版という形で公表させていただいております。

8ページのところで、セキュリティに関する御提言をまとめております。黄色の1.ですけれども、全ての関係事業者に対して、リスクに応じたセキュリティ措置を義務付けるという御提言をいただいております。セキュリティ対策は2つの要素がございまして、1つは先ほど「実行計画」にもありましたように情報管理を徹底するということで、こちらの義務付けの対象は加盟店及びカード情報を保有する決済代行業者のようなところも含め全てのカード情報の保有事業者ということになります。なお、現行の割販法上、カード会社については既に情報管理の義務付けがされておりますので、今回新たな措置を提言いただいているのはカード会社以外のカード情報を保有する事業者ということでございまして、個人情報保護法の特別法的な位置付けという議論のまとめになっております。

もう一つが不正使用対策ということで、こちらはお客様と直接接する加盟店が義務付けの対象になるということでございます。割賦販売小委員会の中でもこのセキュリティというのは技術の進歩が早いということと、攻撃する側のやり口も日々進化、高度化、巧妙化するということで、特定の技術的手段を1つ決めてもすぐに陳腐化してしまうということもありますし、新しい技術をどんどん取り入れていったほうが効率的な対応ができるということもありますので、全ての事業者に義務を課した上で、具体的な義務履行の手段については技術進歩に応じて多様な手段を許容するということで「性能規定」の考え方を採用してはどうかという御提言をいただいております。なお、資料にはございませんが、義務履行の担保措置といたしましては、報告書の中に記載がございますけれども、勧告、公表、改善命令、そして、最終的には罰則ということで、段階的に必要な措置を講じていけるような形での報告書となっております。

2.のところが、加盟店への直接の義務付けというところをしっかりモニタリングしていただくという意味で、加盟店と契約を行っているカード会社に対して、元々悪質加盟店排除という観点で加盟店調査の義務付けということを昨年の報告書の中で御提言をいただいておりましたが、それに加えまして、セキュリティ対策が十分講じられているかどうかという点についてもカード会社が入り口のところできちんと確認をする。それに加えて、加盟店契約を締結した後もモニタリングを行っていき、何らかの問題が生じた場合には是正指導あるいは契約の見直しといった必要な措置を講じていただくという提言をいただいております。

3つ目でございますが、法律上の自主規制機関として、今、日本クレジット協会が認定割賦販売協会ということで位置付けられておりますけれども、その認定割賦販売協会の業務といたしまして、今、自主規制規則の策定といったようなことが法律上列挙されておりますが、加えまして、このセキュリティ対策の推進というものを法定の業務として明確に位置付けを行い、これまでも「実行計画」の事務局をしてきたという実績もございますので、継続的にこのセキュリティ対策の推進を行っていただくという意味で、法定業務としてセキュリティ対策というものをしっかり明確にして「実行計画」の実施の軸になっていただくということと、先ほどの「性能規定」のもとで標準的な対策についての指針を具体的なものを策定いただくという新たな役割を担っていただくという御提言をいただいています。

これがセキュリティに関する御提言でございまして、8ページ目の青の枠の2つ目の丸にございますが、割賦販売小委員会の中でもこのセキュリティ対策をしっかり講じていくためにはパスワードを登録、入力をいただく、暗証番号をしっかり覚えて店頭で入れていただくという意味で消費者の御理解と御協力が欠かせないということがございます。しっかりとリスクコミュニケーションを図っていくということ、そして、先ほどのガイドラインを作っていくようなプロセスの中でも、「マルチステークホルダープロセス」の一環として消費者とのコミュニケーションを重要視していくということも書かれておりますし、あるいはIC対応をしているお店といったものを「見える化」していくといった取組も重要であるということを報告書に入れていただいております。

以上、セキュリティのところでございまして、9ページでございます。こちらは先月国会で成立をいたしました特定商取引法の改正を受けまして、関連する事項について割賦販売法においても必要な措置を行うということで御議論をいただいたものでございます。

3つの事項に関して御審議をいただきました。1つ目の適用対象の見直しということで、特商法の今回の改正におきましては、社債等の金銭債権、株式等の社員権について新たに対象権利として指定をされるということでございますけれども、これに関しては、今のところ割賦販売法で規律をしているクレジット契約に関する消費者被害という実例は確認されていないということで、割賦販売法上の指定権利の拡大といったことは現時点ではしないということでまとめていただいております。他方で、今回特商法のほうで役務の解釈は非常に幅広くされているということを踏まえまして、割賦販売法においても適切な対応をしていくべきということで御提言をいただいております。

2つ目は、電話勧誘販売における過量販売ということで、特商法においては、訪問販売における過量販売に加えまして消費者からの申込みの撤回等について新たに導入をするという改正を受けまして、割販法でもこういった過量販売が行われた場合の個別クレジット契約に関して、特商法の改正と平仄(ひょうそく)を合わせる形で申込みの撤回等ができるような規定を追加的に措置すべきという御提言をいただいております。

3つ目につきましても、訪問販売等において不実告知があったような場合において、消費者からの取消権が行使できる期間を特商法で半年から1年に伸長されたということを踏まえまして、個別クレジット契約に関しても同様に、今6か月である規定を1年に伸長する方向で御提言をいただいておりますので、その方向で進めていきたいと思っております。

3つ目が、10ページでございます。FinTechによるイノベーション促進ということで、こちらでは特にカード利用時の加盟店における書面交付義務というところについて御審議をいただきました。青のところの2つ目にございますけれども、スマホやタブレットを使って簡易な形でカード決済が技術的に可能になっている中で、いわゆるFinTechと言われるような企業から、カード決済サービスの展開においてこの書面交付義務というものがネックになっているという御指摘もありまして、3つ目にございますように、昨今のインターネットの普及あるいはスマホの普及といったようなIT環境の変化を踏まえまして、当然に消費者保護の観点に留意をしながら、下の1.2.にございますように、情報提供される情報項目を見直した上で、現行割賦販売法におけるような書面交付を原則として電磁的方法は例外といった考え方について、改めて例えば情報提供義務への転換といったようなことも含めて検討してはどうかという御提言をいただいております。

その際、2つ目にございますように、当然ながらインターネット環境にない電磁的方法で受け取れないような高齢者等の消費者への情報提供については欠けることのないように、そういった消費者への情報提供は確保されるような配慮は必要であると。例えば書面交付を求められれば書面交付をしなければならないといったようなセーフティネット的な規定は併せて検討すべきであるといった形で御提言をいただいておりますので、これを踏まえまして、今後具体的に検討を進めてまいりたいと思っております。

最後に付けさせていただいております11ページでございますが、こちらは昨年の7月の報告書と、追加的にまとめていただきました今年6月の報告書と両方の御提言を合わせまして、法律改正事項という形で整理をしたものでございます。個別の内容については既に御紹介をしておりますので省略をいたしますが、全体として、我々としては悪質加盟店という観点からもセキュリティという観点からも、早急に法案提出をして、できる限り早い施行に向かっていきたいと思っておりますので、引き続き御指導いただければと思っております。よろしくお願いします。

○河上委員長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明の内容について御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。

増田委員、どうぞ。

○増田委員 御説明ありがとうございました。

幾つか質問とお願いをしたいと思います。まず、特商法の対応をしていただいているということが挙げられておりますけれども、今回消費者契約法の改正もございまして、過量販売における取消権というものも第4条に入りますので、それに対しての対応をどうされるのかということをお伺いしたいと思います。割販法35条の3の7の承諾の禁止のところにおいては特商法と消費者契約法と列挙されていますので、そこのところに入れていただきたいと思いますが、そこら辺のところの記載が今回見当たらないものですから、どうお考えなのかということを教えてください。

書面交付に関してなのですけれども、簡素化するということについては、現状の流れから言えば了解するところではあるのですが、イシュアーとの会員約款をもって加盟店の書面交付を簡素化するということについてよくよく検討していただかないといけないということと、会員約款を代わりにするのであれば、イシュアーから約款の重要性であるとかそれに代わるものですということを消費者に十分に周知していただきたいということがあります。

細かいところですが、現金の支払とカードによる支払とがどう違うのかということを「改めて問う余地がある」という記載が一部あったものですからそこを心配しております。同時に払うのと後払いするということでは全く違うわけで、悪質加盟店はそこを利用しているのであろうと思いますので、そういう意見もあったということをご了解いただきたいと思います。

最後に、ウェブ上の電磁的な方法をベースにすると、書面交付の転換のところですけれども、それに関しては高齢者のことを配慮していただくという記載がありますので、そのようにしていただくのであろうと思いますが、求めれば書面交付されること、求めることができるということを知らされないため、求めないということがあります。求められないという現状もあることを御理解いただきたいと思います。

以上です。

○河上委員長 では、お願いします。

○経済産業省坂本商取引監督課長 ありがとうございます。

1点目の御質問について私の理解が十分かどうか怪しいのですけれども、今回先ほどの9ページの2.にありますように、電話勧誘販売における過量販売については特商法に合わせるという措置は御提言をいただいていますのと、消費者契約法に関してはクレジット契約に関しても適用になると思っておりますので、そこは消費者契約法の改正をもってクレジット契約に関する規律というものも消費者契約法の中で拡充されてきていると理解しています。

今回、割販法で措置が必要かどうかという検討をいたしましたのは、特商法では販売契約の部分だけを措置されていて、実態としては販売契約と対になってクレジット契約を組まれるという場合に、そこに齟齬(そご)がありますと、販売契約のほうは取り消せるのだけれどもクレジット契約のほうは残ってしまうといったような矛盾というか、消費者からすると、こちらを取り消したのにお金が戻せないといったことにならないようにという意味で、個別クレジットのところで平仄(ひょうそく)をそろえた措置の導入というものを御提言いただいております。

○増田委員 特商法上の禁止行為に該当するようなことをやった場合、それを知っていたときには承諾をしてはいけないという部分について、消費者契約法の過量販売行為があったということをわかっていた場合も承諾をしないということを入れていただけるのかどうかということです。

○経済産業省坂本商取引監督課長 消費者契約法についてはクレジット契約も対象になっておりますので、割賦販売法でそこを手当しなくても、消費者契約法の改正をもって、クレジット契約に関して過量であるということになれば同様に措置をされるという理解でおります。

○河上委員長 その問題については両論あり得るところなので、解釈をはっきりさせる必要があるかと思います。特商法と消契法と並んで、クレジットを利用される場合の対応はパラレルに議論しておいたほうがいいと思いますので、その点については更に検討したいと思いますし、経産省のほうでも検討いただければありがたいと思います。

次は2点目のほうで、書面交付の簡素化に関しての御質問です。

○経済産業省坂本商取引監督課長 御指摘いただいた点はおっしゃるとおりだと思いますので、そういった点をきちんと留意しながら今後具体的な検討を進めてまいりたいと思っています。あくまでも電磁的なやり方をベースにするということではございませんので、相手の情報提供を受ける側の状況に応じて情報提供をしていくということで、例えばネットで申し込んだような場合に、それも含めて書面交付を原則とする必要があるかといったような観点で、情報提供が確実にされるという立法趣旨は前提に置きながら具体的な設計を考えていきたいと思っています。

○河上委員長 今の増田委員からのお話では、イシュアーとの会員約款でもって情報提供の在り方について規律ができるということになった場合の危険性というか、そういうことについても御指摘があったのですけれども。

○経済産業省坂本商取引監督課長 今回特に御提言をいただいておりますのは、カード利用をした際の加盟店の書面交付というところでございまして、イシュアーがカード発行をする際に重複している項目をどう整理するかといったようなことは検討事項であると思っておりますが、カード利用時の書面交付義務とカード発行時の書面交付義務、それぞれ立法趣旨がありますので、その立法趣旨は崩さないような形で現状のIT環境を踏まえたときにどういったことが考えられるかということで、元々書面交付義務を入れた趣旨というのはそのまま尊重しながら考えていきたいと思います。

○河上委員長 増田委員、先ほどの3番目の現金払とカード払いの違いというのは、あれはどういう趣旨ですか。

○増田委員 今日は報告書のほうの説明ではなかったものですからわかりにくかったと思いますが、25ページの一番上のほうに「加盟店については、ある商品について消費者が現金で購入する場合には書面交付義務を負わないのに対し、クレジットカードを用いて購入したときのみ、上記のイシュアーによる書面交付とは別に書面交付義務を負う実質的な理由を、改めて問う余地があるのではないか」という記載があるものですから、理由はあるであろうと思っていますので心配しているところです。

○経済産業省坂本商取引監督課長 おっしゃるように、元々立法趣旨は後払い、割賦で長期にわたるということでの特別な義務付けですので、そういった元々の立法趣旨を踏まえながら、かつ、そういう環境の変化というところも併せて考えたときに、立法趣旨に照らして今の規定が合理的かどうかという観点で検討すべきと受け止めておりますので、カード決済だから必要な規制をしているというところはおっしゃるとおりでございます。

○河上委員長 最後の高齢者のウェブの点は、既にお答えがあったということでよろしいですか。

ほかにはいかがでしょうか。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 IC対応化が日本とアメリカがとても遅れているというお話だったのですけれども、カードがばっとちまたに出始めた頃は、この磁気ストライプとICとエンボスプリンターまであって、どうしてこんなに幾つも付いているのと尋ねたところ、すごく田舎の小さなお店でまだ対応できていないところではエンボスプリンターでちゃんとやる場合もあるから、こういうようにいろいろ用意しているのですという話を聞いたことがあるのです。あれから30年ぐらいたつと思うのです。今、外観はみんなIC対応になっているにも関わらず、お店側の設備がないということで磁気ストライプも入っているわけですね。どうして日本とアメリカがこういうようにIC対応化が遅れたのかという理由と、オリンピックまでにやるということなのですけれども、どういう方策でやる予定でしょうか。そこを教えていただきたいです。

もう一点だけ、書面交付なのですけれども、確認したいのですが、後からリボの場合は、どのような場合でも後からリボにするとマンスリークリアであろうが何であろうが、その時点で書面交付をいただけるということでよろしいのでしょうか。後からリボになっているのがややこしいので、そのときに書面交付をどのような場合ももらえるという形になるといいなと思ったのです。

○経済産業省坂本商取引監督課長 ありがとうございます。

1点目につきましては、カードのIC化は今、7割ぐらいまで来ていまして、カードは5年程度で更新を迎えますので、今、各カード会社は順次置き換えを行っているところですので、2020年100%に向けて進めているということでございます。

一方で、磁気ストライプがなくならないという点につきましては、御指摘のとおり、端末の側のIC対応がなかなか進んでいないというのが今の日本の最大の課題だと思っていまして、これまでなぜ進んでこなかったのかという点につきましては、特に中堅から大手の小売の店舗においてはPOSシステムというかなりカスタマイズされた立派なシステムの中に決済の機能も一体的に組み込んでいるようなところも多く、そうしますとIC対応するためにはそれなりのシステム改修の投資負担がかかるということで、これまでなかなか進んでこなかったというのが実情でございます。

他方で、そうこうしているうちに海外はどんどんアメリカも含めて進んできたということで、まさにどういった形で進めていくのかという点に関しましては、今回「実行計画」で明確な目標を掲げております。今回エッセンスだけ御紹介しましたけれども、実は30ページぐらいにわたる「実行計画」ができておりまして、その中では技術的・実務的に、こういうやり方をすればそれなりにコストを抑えてIC対応できますと。また、先ほどPOSシステムの中に内蔵されている決済機能を外出しすれば、合わせて情報漏えい対策も一遍にできますということをかなり具体的に御紹介しています。今、私どもも業界と連携をしながら、各加盟店あるいは流通系の加盟店団体に、それぞれ「実行計画」と今回の割賦販売小委員会の報告書について御説明に回っておりまして、やっていきたいのだけれども具体的にどうしたらいいのかわからないといったようなところについてはベンダーさんを御紹介したり、より技術的な知見のある方におつなぎをする形でやり方を具体的に検討するサポートも合わせてしております。

他方で、今回の割賦販売小委員会の報告書で、ある意味、ここまで踏み込んだ措置を御提言いただいておりますのは、全国で少なくとも三百数十万ぐらいあると言われています加盟店全体について、このセキュリティ対策というものをそれなりに負担もかかる中で徹底していくためには、法的な措置も欠かせないということを割販小委の中で御議論をいただきまして、これまでカード会社への規制が中心であった割販法で直接義務付けというところまでやっていければというのは、まさに2020年に向けて確実にIC対応を進めていくために必要な措置であるということだろうと思っております。

最後の後リボに関しましては、実は今回丁度25ページのところになりますけれども、割販法の規定上は、この書面交付義務というのはあくまでもリボ払いあるいは割賦での決済といったときに義務がかかるということでマンスリークリアは対象になっておりませんということと、どの時点で判断をするかということに関しましては、文言上、規定上も販売契約を締結する時点でそういう割賦販売に当たるような場合ということでございますので、販売契約締結時点ではマンスリークリアでお買い物をされて、その後、リボ払いに変換されるといった場合には書面交付義務はかからないといった現行法の解釈になろうということで報告書には記載をされております。

○河上委員長 どうですか。今ので大丈夫ですか。

○大森委員 大丈夫ではないです。

マンスリークリアをやったときにないのはわかるのですけれども、それを後からリボ払いにしたときは、書面交付の義務付けをお願いしたいと思います。

○経済産業省坂本商取引監督課長 そういう意味では、これは加盟店の話をしておりますけれども、カード会社のほうはリボ払いになれば利用明細のような形での書面交付義務がかかってきますので、ただ、後からリボに転換されてそれ自体加盟店は知らない立場にあるので、後から遡って加盟店に義務をかけられないということです。説明を飛ばしてしまいましたが、消費者への書面交付義務については、カード利用時にはカード会社からの書面交付と加盟店からの書面交付両方ありますので、加盟店については販売時点ですし、カード会社についてはリボになればリボになった以降ということになると思います。

○河上委員長 カード会社から書面を交付されるということが担保されていれば、一応は大丈夫ということですかね。

○大森委員 わかりました。なるべくリボになったというのがわかりやすい書面で来ていただけるといいかなと。いろいろな書面が送られてきて、みんな忙しいのでなかなか細かく目を通さないことが多いので、後からリボになりましたよとぱっと見た瞬間にわかるような書面であるといいなと思います。

最初のほうの質問なのですけれども、何年度までにIC対応にするために補助金を出すとか、ペナルティーがあるとか、そういう規制はまだないのですか。

○経済産業省坂本商取引監督課長 補助金については今、中小企業に関しては軽減税率対応ということで、軽減税率に対応するレジを導入する際にカードリーダーも併せて補助の対象にするといった支援措置と、これも中小企業向けではございますが、商店街支援の一環としてカードリーダー、決済端末を導入するときの補助というものはございますので、そういうところの積極的な活用を図ってまいりたいと思っております。

ペナルティーに関しましては、まさにこの提言に基づいて義務付けを法律上行っていくのが前提になりますので、そこは早急に法案を成立させて、ただ、一定の準備期間が必要だと思いますので、施行するということを行った上で、必要な担保措置を講じていくということになろうと思います。

○大森委員 ありがとうございます。

○河上委員長 「実行計画」があるというお話でしたけれども、もしよろしければ、提出いただけますか。

○経済産業省坂本商取引監督課長 セキュリティ協議会の「実行計画」はもう公表もされていますので、後ほどお送りをいたします。

○河上委員長 よろしくお願いします。

では、長田委員、どうぞ。

○長田委員 ありがとうございます。

クレジットカードのセキュリティ強化というのはとてもいいことだと思っています。報告書を読ませていただいて心配になったのは、300万あるという加盟店の皆さんへの配慮についてコストと安全性とか、加盟店に過剰な対応を強いないなどということがあちらこちらに書かれていることで、ただ、この機会に一斉にセキュリティ対策をやる以上、持っている情報量がたとえ少なくても漏えいしてもいいというものではないので、きちんとどういうリスクがあって具体的にこういう対策をとればそれが回避できるのだということをきちんと示すことが大切だと思います。つまり、より厳しく対策を行う事業者はもちろんそれでいいと思うのですが、自分で考えることは難しいという加盟店の皆様にも具体的対応を示すことで、ある一定以上のセキュリティ対策をとってもらいたいと思います。そのためにも、今回の対策が加盟店の皆さんも我々消費者もこういうことに変わるのだということが理解できるように、いろいろなルールが決まるところでは、マルチステークホルダーとおっしゃっていましたけれども、極力多くの方の目に触れるような形で意見聴取ができるような機会を作っていっていただきたいと思いますし、そのことが結局はIC対応のカードの使い勝手の悪さみたいなものがたとえあっても、とても大事なのだということを一人一人が認識することにもなると思いますので、極力丁寧な作り方をしていっていただきたいと思います。

以上です。

○河上委員長 今のはお願いということですけれども。

○経済産業省坂本商取引監督課長 消費者の御理解、御協力をいただくための周知活動、コミュニケーションというのはこれまで以上にもっともっとやっていかないといけないと思っておりますので、御指導をいただきながらしっかりやっていきたいと思います。ありがとうございます。

○河上委員長 池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。

私は割賦販売小委員会の委員でもありますので、そのときの感想からして、クレジット業界からも流通業界からも、今回の義務付けについては少なからず抵抗感があったところを事務局がかなりリーダーシップを持って提示していただいたという点では評価できると思います。問題は、これを早期に実行していただくことに尽きるのであろうと思うのですが、例えば資料1-1の2ページ目で、これは質問にも当たりますが、2015年が120億の不正使用額が把握されているということです。先ほど、カード会社が負担している不正使用額という御説明がありましたが、先般、ある報道では、カード会社によってはかなりその不正使用を事前にキャッチする、事前というか情報が上がってきた時点でチェックして疑わしいものをはねつけるというチェックシステムを社内で作っていて、それでかなり防いでいるという報道がありました。そういうものを含めると、この数字はもっとはね上がっていくのか、それは含めているのか、もしおわかりであればお聞きしたいという点が一点です。

それから、今後法改正をして一定の準備期間のうちに施行するということですが、具体的にいつの国会で出し、交付からどのぐらいで施行になるのかという点をお伺いしたいです。特に、昨年7月の報告書が出されて、秋あるいはこの春の通常国会では法案が出されていないので、その部分がかなりずれ込んでいます。そちらの対策も早急にやっていただくこともありますし、こちらの不正使用対策もこのように数字がはね上がっているのだとすれば早急にやっていく必要があると思いますので、その意味で、現時点で予定されている時期がどうなのか、それをできるだけ早く実現していくためにどういうスケジュール感でお考えなのかということをお伺いしたいと思います。

○経済産業省坂本商取引監督課長 ありがとうございます。

まず1点目、120億に関しましては、おっしゃっていただいたようにカード会社各社、不正検知の仕組みで一生懸命事前の防止に努めているところでございますが、ここの数字に上がってきているのは、防ぎ切れずに実際の被害となってお客様から基本的にはクレームを受けてカード会社が負担をした部分という数字に限ったものでございます。事前に防げていればまだいいのですけれども、この120億の外には数字として把握はできておりませんが、カード会社も気付かず、消費者も気付かずで、そのまま真正な支払と一緒に紛れ込んでいる部分というのはこの外側にそれなりにあるのかなと思っていますので、おっしゃるように120億に尽きるものではないと思っています。もう一つ、この数字は国内発行カードに関する不正使用ということなので、逆にインバウンド、海外発行カードが国内で不正使用された分というのは含まれておりませんので、それも確定的な数字はないのですけれども、数十億ぐらいはあるであろうと見込んでおります。

2つ目につきましては、御指摘のとおり昨年の7月の報告書の御提言を受けた法案化もまだできておりません。私たちとしてはセキュリティリスクもそうですし、2020年に向けて安全・安心な利用環境ということを考えますと、特にPOS加盟店がIC対応をしていくためには、システム設計から始まり、端末を導入して、店頭のオペレーションをやりながら、かつ最終的に国際ブランドの認証テストを受けてようやく使えるようになるという一連のプロセスがありますので一概にはなかなか申し上げられませんが、2、3年は準備にかかると一般的には言われております。そういった準備期間を考えまして、目標期限2020年というのは大きな目標で、これを越すわけにはいきませんので、そう考えますと、私どもとしては早急な法案の成立が必要ということで、国会の日程次第ということではございますが、早ければ今年の臨時国会にかけていきたいと思っております。最終的には国会の日程あるいはほかの法案との関係ということで確定的なことは申し上げられませんが、担当といたしましては、早急に出していき早急に施行したいと思っております。

○河上委員長 蟹瀬委員、どうぞ。すみませんが、手短にお願いします。

○蟹瀬委員 ありがとうございました。

FinTechについてお聞きしたいのですが、私の理解が間違っているのかもしれないのですが、クレジットカード会社は登録制でずっと行われていて、それが細分化されていって、どんどん細分化されていく傾向に、小売業が発達した形と同じなのですけれども、最初は細分化が始まるのですが、そういった場合に、加盟店契約会社は登録制にすると。ただし、FinTechのほうは任意登録制にする。その理由をお聞かせいただきたいのと「モバイル端末を提供するFinTech企業から、カード決済サービスの展開のネックとなっている」という1行があるのですが、多分これが理由なのだろうと思うのですけれども、これからモバイル端末を使っての決済というのはいや応なしに増えていくと思うのです。そういったときに、これが任意登録制でいいという場合、登録制から外れた会社かいっぱい出てくるわけですけれども、その会社への安全性というか、セキュリティ対策というものはどうなっているのかお聞かせいただけますか。

○経済産業省坂本商取引監督課長 ありがとうございます。

今の点、1ページ目を御覧いただきますと、昨年の割賦販売小委員会の中でFinTechの参入の多い決済代行分野をどう規律していくかというのは相当議論のあったところでございます。まず決済代行業については非常に多種多様であるということもございます中で、まず、私たちの最大の目標としては、悪質な加盟店を排除し、今回の追補版ではセキュリティ対策を十分講じていただくと。それをしっかり担保していくための加盟店調査義務ということで考えたときに、まず全ての加盟店について必ずこの加盟店契約会社というのは存在をしておりまして、ここの加盟店契約会社については一律の登録義務をかけた上で、契約をした先の加盟店については、全て加盟店調査義務をかけるというのが大前提です。

特にネット取引を中心にFinTechの多い決済代行会社が間に入ってくるということでございますけれども、任意ということですが、登録を受けた場合には元々かかっている加盟店契約会社の加盟店調査義務を代行できる形にするという制度設計を考えておりますので、逆に言うと、仮に登録を受けない決済代行業者をカード会社が使う場合には任せられないので、間に決済代行業者が入っているとはいえ、この加盟店契約をしているカード会社が加盟店調査をする義務を負い続ける形になりますので、全ての加盟店について必ず法律上加盟店調査義務、管理義務と考えてもいいと思いますが、調査をして必要な措置を講じて、最悪の場合には契約を切るというところをしっかり法律上義務付けられた主体が必ず存在する形になります。そこは加盟店契約会社が決済代行会社を使いながら、最後は最終的に責任を負う形をとるのか、あるいは登録決済代行会社を使って法律との関係でも加盟店調査をそちらの決済代行業者に委ねるのかというところは選択できるようになります。いずれにしても、どちらかには必ず何か加盟店管理に不十分なところがあれば、行政として監督措置を講じていくということで漏れはないと思っています。

○河上委員長 よろしいですか。

いろいろと伺いたいことはまだあるのですけれども、大体時間ですのでこの辺りにしたいと思います。

割賦販売小委員会では、昨年7月に悪質加盟店排除に向けた割賦販売法の見直しについて報告書を取りまとめておられまして、当委員会として、特に加盟店管理の徹底に係る制度整備に関して、アクワイアラー等に悪質加盟店を適切に排除する体制の構築を求めることとする点につきましては、報告書は建議に沿った内容として考えていただいたということで高く評価させていただいております。このたびは冒頭でお話しいたしましたように、同小委員会においてセキュリティ対策の強化等について改めて審議を行って報告書をまとめられて、これを受けて、経産省では先にお話ししていた悪質加盟店排除等とも合わせて割賦販売法の改正を目指しているというお話でございました。

当委員会としては、状況の変化に応じて機動的に御検討いただいているということで、その頑張りを高く評価しておりますし、大変感謝いたしております。今回の報告書並びに追補版は、それぞれ消費者保護の観点からいたしますと極めて重要な内容を含んでおりまして、消契法、特商法の改正と並んで制度改正のために必須のものであろうと考えております。それだけに、経済産業省におかれましては割賦販売法の改正に向けて一層の御尽力をいただきたいと思っております。

この時期、さまざまな重要法案が国会に出てくるということは承知しておりますけれども、事は急を要する問題であるという認識を持っておりまして、仮に2020年までに状況を整えるとすれば、逆算すればほとんど時間はないということであります。このままでは、国際的にも早晩日本の市場が不正な業者のターゲットになって食い物にされてしまうおそれがあるわけでございまして、それだけに改正法案に関しましては可能な限り速やかに作業をいただいて、早期の国会提出成立を強く期待しているところでございます。是非、頑張っていただければと思います。

経済産業省におかれましては、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

○経済産業省坂本商取引監督課長 ありがとうございました。

(経済産業省坂本商取引監督課長退席)

(神奈川県社会福祉協議会、足立区社会福祉協議会着席)

≪3.身元保証等高齢者サポート事業について≫

○河上委員長 次の議題は「身元保証等高齢者サポート事業について」であります。

本件については、公益財団法人日本ライフ協会による預託金流用問題に端を発して、当委員会としても強い関心を持っているところであります。委員会本会議において、これまでにNPO法人シニアライフ情報センター、東京都消費生活総合センター及び品川区社会福祉協議会からヒアリングを行いました。こうした事業で提供されるサービスの一部については、多くの社会福祉協議会において高齢者の日常生活をサポートする事業として似たようなサービスが提供されておりますが、福祉施設に入所する際などに求められる身元保証や葬儀・埋葬などの死後事務については、既存の制度では対応することがかなり困難な課題となっております。そこで、本日は昨年度にこうした身元保証と死後事務を含む「保証機能」の在り方に関する課題検討会を行い、中間報告を取りまとめられた神奈川県社会福祉協議会と、実際に身元保証、死後事務を含む独自の高齢者サポート事業を行っている足立区社会福祉協議会をお招きしてお話を伺い、意見交換を行いたいと思います。

神奈川県社会福祉協議会並びに足立区社会福祉協議会におかれましては、お忙しいところ誠にありがとうございます。

大変恐縮ですけれども、神奈川県社協、足立区社協の順番で、それぞれ15分程度でまず御説明をお願いして、足りないところはまた意見交換のところで補足していただくということでお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○神奈川県社会福祉協議会小野課長 神奈川県社会福祉協議会権利擁護推進部でございます。私は担当課長でございます小野と申します。よろしくお願いします。

○神奈川県社会福祉協議会担当者 同じく神奈川県社会福祉協議会で権利擁護の担当をしております。よろしくお願いいたします。

○神奈川県社会福祉協議会小野課長 私ども神奈川県社会福祉協議会の権利擁護推進部では、平成26年度まで一般県民の方を対象にした高齢者と障害者の権利擁護相談を実施しておりました。その中で、身元保証人の問題や死後事務について課題があったことから、昨年度「保証機能」の在り方に関する中間報告というものを取りまとめました。お手元に本日お配りをさせていただいておりますけれども、そのため、本日このような場で報告をさせていただく機会をいただくことになりました。本日は、社会福祉協議会が行う高齢者の支援事業や、私どもあるいは県内の市町村社協に寄せられている相談事例、社会福祉協議会が取り組むに当たっての課題などを中心に御報告をさせていただきます。前半を簡単に私のほうから、後半を担当者のほうから御紹介させていただきます。

お手元には「保証問題・死後事務をめぐる現状と課題について」というレジュメと私どもの中間まとめの報告書、パンフレットなどをお配りしておりますので御参照ください。

まず、社会福祉協議会が行う高齢者の支援事業でございます。社会福祉協議会は全国都道府県、市区町村に設置される地域福祉の推進ということを目的とした社会福祉法人の機関でございます。その取組内容は法に基づいたもの、あるいは国庫補助を受けて実施する事業など、全国一律の取組がありますほか、介護保険事業に取り組んでいる社会福祉協議会もありますし、自治体から独自の事業の委託を受けるというようなことも行っているような、その都道府県、市町村の地域性によってさまざまな活動を行っております。

私ども神奈川県社会福祉協議会でもボランティアセンターや生活福祉資金あるいは成年後見推進センターなどの事業を行っております。そのうちの一つであります日常生活自立支援事業でございますけれども、こちらは判断能力が不十分な方の生活を支える制度として開始をされた全国一律の仕組みでございます。福祉サービスの利用を援助したり、日常的な金銭管理を行ったり、あるいは書類の預かりサービスといったことを通して、認知症高齢者や知的障害者、あるいは精神障害者など判断能力が十分でない方の福祉分野におけるサービスの利用契約の補完を行うということで、御利用者の日常生活における権利擁護を図るということを目的とした事業を行っております。この日常生活自立支援事業は、成年後見制度よりも使いやすい日常的な支援を行う事業として、介護保険が開始される半年ほど前にスタートした事業でございます。あまねく全国で行われるようにということで、都道府県社協の事業として社会福祉法に位置付けられております。

この事業の利用者ですけれども、高齢者の方がおおむね5割、知的・精神障害者の方がそれぞれ2割程度となっております。また、経済的な状況で見ますと、御利用者のうち5割程度が生活保護の受給世帯となっています。それ以外もおおむね年金などが主な収入の非課税の方が多くを占める状況でありまして、全体的に低所得の方が多いということがあります。そして、こういった事業を使われる方の中には特徴として、御親族と疎遠になっているか中には絶縁状態になっている方も少なくありません。このサービスでは書類の預かりなども行っておりますけれども、判断能力がなくなった後、契約が続けられなくなった後に書類をお返しする先がなかったりする場合も数多く見られます。それから、契約締結能力がなくなった後には成年後見制度につなげることになっておりますけれども、申立権者がいないためにスムーズにつながらないという事例も増えてきております。

私ども県社協がこの事業を実施しておりますけれども、具体的な事業については市町村社協に委託でお願いをしております。この市町村社会福祉協議会では、この事業やそれ以外の地域福祉活動を通して、日常的に住民の方からさまざまな相談を受けている状況があります。

次に、県内の社協に寄せられている相談の事例ということで御紹介をさせていただきます。まず県社協でございますけれども、平成26年度まで実施していた権利擁護相談センターの事業の中での相談事例とその類型についてご報告をさせていただきます。身元保証人や死後事務の案件がどのぐらいの割合があるのかというところが気になるところでありますけれども、量的に処理をしていない関係で何%とは申し上げられないのですが、常時一定程度の相談をいただいている状況でありました。その相談内容が特定されない範囲で御紹介をさせていただきます。

まず、身元保証に関してですが、身元保証は契約への不安や、身元保証人がいなく契約ができない事態に直面して御相談をいただくというものがございます。これは直接御本人からいただくものと相談支援機関からいただくものがございます。これを類型に分けますと、不動産契約に当たって、あるいは施設入所に当たって、そして、就労の際にということで、大体カテゴリーが分けられます。

不動産契約については、アパートの賃貸契約のときの保証人がいないということで共通しております。これは障害の方も高齢の方も共通であります。そして、親族との関係や背景などを見ますと、お子さんがいらっしゃらない、身寄りは親の兄弟しかいないけれども、頼める関係ではない、認知症の父では保証人になれないと言われたといったような、御親族がいらっしゃらないか、もしくはいても保証人になることが難しいといった状況があるようです。

そして、施設入所でございますけれども、施設入所については、施設入所を拒まれたり、生活保護が外れるのであれば契約はできないと言われたといった相談がございます。中には、判断能力が十分にあるにも関わらず後見人を付けなければ入所契約をしないといった条件付けのように成年後見制度が使われているような状況も見られます。保証人のない高齢者の入所の拒否というのは、正当な理由なく拒んではならないと言われておりますけれども、保証人を要件とする慣行のようなものが引き続き状況としてあるようです。

次に、就労の場面でございますけれども、こちらは障害のある方の地域での自立の際に課題になってまいります。就労に結び付きそうだけれども、身元保証人を付けられず企業側に拒否されたとか、障害者が一般就労の際の保証人がいないという相談があったけれども、どこか紹介できるようなところはないかというような関係機関からの問合せがございます。

それから、類型の2つ目ですが、保証会社に関する問合せというものがございます。これは問題になっております日本ライフ協会を含めまして、身元保証をする団体のようなところを紹介してほしいとか、あるいはこういった会社は信頼できるのかといったような問合せです。また、こういった団体への不安というものをおっしゃる方もいらっしゃいます。

それから、契約をする入所先から問合せをいただくということもあります。保証人がいない利用者がいるけれどもどうしたらいいかという御相談が私どものほうに入ります。何のために付けるかというよりも、付けなければいけないという前提で聞いてこられるような事業者の方もいらっしゃいまして、身元保証人をどう捉えているのかというところでは疑問があるような相談もあります。

下のほうには、死後事務についてまとめております。こちらは御本人からの相談が多いです。誰がお墓に入れてくれるのか心配、専門職に任意後見に関連して相談をしたそうなのですけれども、契約に取りかかる際には親族などの立会人が必要なので、身寄りがいない場合は契約できないと言われたとおっしゃるようなケースもありました。

死後の対応のことでは行政関係、あるいは地域包括支援センターなどから相談をいただいております。高齢者の御夫婦が亡くなった後に、親族が知的障害のあるお子さんだけというところで、その支払や火葬のお金、団地の解約など対応ができないということで御相談をいただくことがあります。

以上のような相談を私どもの相談センターでお受けしていた関係で、昨年度は県内の市町村社協にこういった相談があるかどうかということで調査をさせていただいております。

これ以降、担当者のほうから御説明をさせていただきます。

○神奈川県社会福祉協議会担当者 それでは、(2)の県内の市町村社協における相談の実態などについて御説明をさせていただければと思います。

今、少しお話のありました課題検討会というものを本会のほうで昨年度行っておりまして「保証機能」の在り方に関する課題検討会ということで、検討結果についてまとめました中間報告書内のアンケート調査より御報告をさせていただければと思います。このアンケート調査は神奈川県内にあります政令市を除く30市町村の社会福祉協議会に対し、身元保証と死後事務に関するアンケートを実施したものとなっております。今回、その調査結果の一部を御紹介させていただきます。

まず1つ目、身元保証に関する項目となります。マル1「身元保証に関する相談を受けたことがある」市町村社協18か所(60%)となっております。日頃社会福祉協議会には生活困窮であったり、さまざまな相談が入ってきているのですけれども、その中でも日常生活自立支援事業の利用者は特に頼れる親族や資力がない方が多く、施設入所や入院の際の身元保証人などの確保に苦慮している様子がうかがわれます。また、社会福祉協議会が金銭管理などサービスで関わっているということもありまして、逆に施設や病院のほうから保証人になってほしいと依頼されるという社会福祉協議会もありました。実際に受けています相談内容としましては、身元保証人が見つからない、身元保証人の紹介、入院時の付添いといった相談がございます。これらの相談に対しまして、社協のほうでは民間の保証会社の実態などの情報を把握していないということから保証会社の紹介などは積極的には行っておりませんで、任意後見契約の説明であったり、日常生活自立支援事業の説明など、既存の制度の説明の対応をしているというところがございます。

次に、マル2「身元保証人がいなくても施設入所や入院ができた相談者等がいる」市町村社協18か所になります。先ほども市町村社協18か所で相談を受けているということだったのですけれども、こちらは18の社協で複数の保証に関する相談を受けているということがありますが、それらの社協の全てが保証人がいなくても入所できた人がいると答えたことになります。保証人を立てられなくても入所できたケースというのは、施設利用料や入院費の支払は、日常生活支援事業や後見制度である程度補うことができるというのと、行政など支援者がいることで身元保証人を立てずに済んだケースがあるということがあります。ただ、入所はできたものの身元保証人がいないということで、緊急時の対応であったり、医療同意、日用品の届けなどといった課題が残されています。

次にマル3になります。入所や入院ができた相談者がいるという一方で、「身元保証人を立てられず施設入所や入院ができなかった相談者等がいる」と答えた市町村社協が12か所ございます。現在の介護保険法の運営基準などで、応諾義務との関係で保証人を立てられなくても契約を拒否してはならないということになっておりますが、実際には入所の条件として保証人を求められているというところがあります。

次に、死後事務に関する項目になります。マル1「死後事務に関する相談を受けたことがある」社協15か所になります。親族がいない方などの火葬埋葬につきましては、現在行政のほうで対応しているところですけれども、その数は年々増えておりまして、行政のほうでも対応に苦慮しているというお話をよく聞きます。また、相談機関や民生委員や地域住民の方からも行政に対して終活相談なども増えているというお話も聞いております。

相談内容としましては、葬儀・埋葬、遺品整理、各種契約の解除、遺産相続といった相談がございます。葬儀・埋葬だけの相談をされるというよりも、葬儀・埋葬と遺産相続など複数の課題を抱えている相談者が多いといった印象がございます。こうした相談に対しては、身元保証とは異なりまして、死後事務委任契約などの手段がありますので、弁護士や司法書士などの専門職の相談というものを案内して対応している社会福祉協議会のほうが多いということがわかりました。

次に、課題及び必要とする「保証機能」でございます。こちらはアンケート調査から一部抜粋したものを載せさせていただいています。

1つ目、「判断能力はあるが身寄りがなく身元保証が課題になっているケースが増えている。」

2つ目、「身元保証人が不在の場合、生活困窮などの課題を抱えていることが多く、経済的に余裕がないため、専門職の死後事務委任などができない。」

3つ目、「低所得や少ない年金受給者で生活保護ではないケースが宙に浮いてしまう。安価で信頼できるサービスを、行政を含め、公共性・公平性の高い団体が提供してほしい。NPOなどによる身元保証などの取組があるようだが信頼性に欠けるのではないかと思う。」

4つ目、「横須賀市のエンディングプラン・サポートのような取り組みが広まると良い」ということで、以上となります。

最後に今、お話ししました横須賀市のエンディングプラン・サポート事業というものなのですけれども、こちらは資料としましては、資料2-4にパンフレットの写しを付けさせていただいております。こちらは横須賀市のほうで平成27年の7月からスタートした事業になりまして、事前に協力葬儀会社と生前契約をして葬儀代などを預けておくというものになっております。詳しい事業内容につきましては、パンフレットを後ほど御覧いただければと思います。

こちらの資料に戻っていただきまして、3の「保証機能」の構築の必要性になります。少子高齢化、地縁・血縁の希薄化などが進む中「保証機能」の必要性が高まっていることが予測されます。アンケート調査にもございましたように、とりわけ判断能力があるにも関わらず、身寄りがなく、また資力がない人が利用できる制度やサービスというものが限られている現状があります。こうした制度のはざまとなっている方々を対象としました「保証機能」の構築が求められていると考えております。

次に4「保証機能」を構築する上での課題です。こちらの課題ですが、私どもは市町村域で今後「保証機能」というものを展開していくことを前提とした課題として挙げさせていただいております。

マル1が事務局体制の整備です。事務局には権利擁護や成年後見制度に関する知識、そのほか遺言や相続など一定のスキルが求められます。また、事業展開に当たっては関係機関のネットワーク形成に必要なスキルも必要とされることから、運営体制を確保するための人員体制、財源などの調整が必要となってきます。

実施する組織や事務局の体制を考慮の上、支援の範囲、特に突発的な支援や夜間対応などの設定の必要が出てくるものと思われます。

次にマル2専門機関・専門職との協働体制の整備です。遺言、相続など法律相談の実施、職員などへのスーパーバイズなど専門機能が必要となります。特に、弁護士などの法律家を中心とした専門機関や専門職の関与が必要となってくるものと思われます。

次にマル3契約に関する審査会の設置です。「保証機能」を先行し実施している社協さんなどがおられますが、そうしたところで契約をする際に審査会ではなく組織内での決裁で対応している機関というものも幾つかお伺いいたしました。契約の可否や契約内容に関する助言を行う審査会を設置することが望ましいと私どものほうでは考えております。なお、審査会の委員構成としましては、法律、医療、福祉などの各分野の専門家を選任しまして、法律と福祉支援の両面からの意見をもらうような審査会の構成が望ましいのではないかと考えております。

次にマル4管理機能と監査体制の整備です。日常的な金銭管理や預託金などを管理する場合は、それぞれの組織で信用性の高い管理機能と監査体制が求められています。審査会の運営方法にもよりますが、審査会では契約当初までしか見ることができないというところと、その中で財務報告をすることで監査体制を高めることというのも可能ではあるのですけれども、それだけでは不十分と言えるのではないかと考えておりまして、そのために、契約後の実施方法や金銭の預かりに関する新たなチェック機能が必要なのではないかと考えております。

次にマル5運営・事業財源の確保です。「保証機能」を先行し実施している社協さんでは、自主財源や利用料収入、死後事務執行料、寄附・寄贈による運営をしているところが多くいらっしゃいました。また、人員体制もほとんどの機関がほかの事業との兼務という状況となっておりまして、そのため、事業財源の確保に向けては指定寄附による基金の設立なども考えられるのではないかと思っております。

また、現状、火葬埋葬を対応せざるを得ない状況にある行政と連携をすることから、財源の確保については行政への働きかけというものも必要になってくるものと思われます。

最後にマル6金銭的な損害の補填などです。身元保証に関するサービスでは、契約者の債務不履行時における金銭的な損害を補填することも想定されることから、新たな仕組みが必要でありますが、その仕組みを一自治体で構築することは困難な状態と言えます。保証問題は全国的な課題というところもありますので、全国的なレベルのそういった保険の仕組み作りというところの検討も必要なのではないかと考えております。これらの課題につきましては、今年度の検討会で更に議論をしていく予定となっております。

説明のほうは以上となります。

○河上委員長 それでは、足立区、お願いします。

○足立区社会福祉協議会青木常務理事 私は足立区社会福祉協議会常務理事の青木でございます。

それから、権利擁護センターあだちのアルマルカウィ課長でございます。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 アルマルカウィです。よろしくどうぞお願いいたします。

○足立区社会福祉協議会青木常務理事 私からは概括的に簡単にお話をします。これまでの当委員会でのヒアリングの中でもあるいは出ている点かもしれませんので、重複があると思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。

まず1点目は、この私どもが行っているあんしん事業については、相当な需要があるだろうということを現場でも感じておりますし、特に単身高齢世帯が足立区においてもどんどん増えておりますので、そういった意味では今後も対象者の増加が予想される領域だろうということでございますが、今の足立区の体制ではなかなかマンパワーあるいは財源、こういった点では今後の増加に対応することは極めて厳しいだろうという状況があります。そういった意味では、サービスの供給制度についての制度的な手当といいますか、そういったものが今後必要になってくるのではないかというところが一点です。

今日は1部しか持ってきていないのですが、足立区の福祉部で作った老い支度読本というものがありまして、要は、今回の私どものあんしん生活支援事業というのは、この足立区が老い支度と言っているような50代から60代、70代、80代、それぞれ人生でどういう準備をしなければいけないかということについて、区民向けのパンフレットでございますけれども、この中のごく一部が事業実施しているところでございまして、そういった意味では本制度のターゲット、事業領域というのでしょうか。それが日常生活も含めてかなり広がりを持っている。現に、NPOなどいろいろな民間の事業者さんは、それらの幾つかをパックにしたりして販売されているわけですけれども、そのセットの仕方が必ずしも1つではないということで、そういった意味では制度設計に当たっては、こういった非常に広い領域に裾野が広がっているということも考えなければいけないのではないかということが2点目でございます。

私どもの現場はまだ対象者としては四十数名、非常に契約者は少ないわけですけれども、日々御本人たちの状況が変化をしてまいりますので、そういった部分も把握をしていかなければいけないという点ではかなり丁寧な対応を行っているということで、人手、手間暇がかかる。そういった状況を考えますと、これはこのまま市場で民間などが供給主体となる場合には、相当経営的にいただくお金の部分も当然高くなるでしょうし、事業としてかなり難しい部分があるのではないかということも感じているところでございます。

最後は、社会福祉協議会の中でもこの事業に取りかかっているのはまだそれほど多くはないわけでございますけれども、比較的利用されている方は社協に対して一定の信頼を置いていただいているという点については、昨年足立区は60周年を迎えまして、ここに社会福祉協議会が発展した経緯がビジュアルに載っておりますので、これも今日は1部ですけれども参考に、これら2つの資料については、もし御希望があれば後ほど必要な部数を送らせていただければと思いますが、事業主体をどう捉えるべきなのかという点では、財源の問題があるにしても、社会福祉協議会が一定の役割を果たせるのではないかという感じがいたします。

具体的な制度の実情については、担当課長から御説明をさせていただきます。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 それでは、この高齢者あんしん生活支援事業のパンフレットを今日はお手元に御用意させていただきましたので、こちらを御案内させていただきながら御説明をさせていただきたく思います。

そもそも、私たちは足立区社会福祉協議会の権利擁護センターあだちというところでこの事業を展開しているわけでございますけれども、この権利擁護センターあだちは平成12年の4月1日に開設されておりまして、神奈川県社協さんのほうでも御説明がございましたが、4月1日からは日常生活自立支援事業、そして、成年後見制度の利用支援事業という形でスタートしておりました。そういった事業や制度を活用しても、なかなか身元保証であるとか連帯保証、死後の遺体の引取り、葬儀・埋葬、遺留金品の処理、家財や自宅の処理等の対応ができないという問題がもちろんございました。

そこで、権利擁護センターあだちでは、平成15年度、外部の委員、区の行政職員を交えまして、高齢者の中で特に身寄りのないひとり暮らしの高齢者が安心して自分の終末期の人生設計ができるように生活支援機能についての検討を行いました。そこで検討されましたことを踏まえまして、老後から死後に至るまでの包括的なニーズに対応できる仕組みを目指し、社協の新たな独自事業という形で平成16年度からこの高齢者あんしん生活支援事業を開始いたしております。一言で言って、この事業は区内のひとり暮らし高齢者とお元気なうちに足立区社協が契約をして、将来の入院、入所の「保証機能」、それから、日常生活の支援、こういったことを行っていく。また、判断能力が低下、死後の準備など、将来直面する問題についても備えていくといったものでございます。

まず、このお手元のパンフレットのページをお開きいただきたいと思います。

まず、こちらの対象者でございます。左上のところに利用できる方という形でまとめてございます。区内在住の65歳以上のひとり暮らしで、原則支援可能な御親族がいらっしゃらない。また、資産要件としまして3,000万円以下と切っております。そして、負債のない方であったり、不動産収入がないという形で対象を絞っております。

提供するサービスでございますけれども、右のページを御覧くださいませ。大きく分けまして次の4つとなってございます。

1つ目の基本サービスとしまして、月に1回の電話での連絡、安否確認、そして、半年に1回の訪問での御様子伺いということで見守りを行っております。これは年会費を2,400円頂戴しているわけなのですが、この2,400円の中でこういった支援をさせていただいていると。これは契約されたどの方も必須サービスとさせていただいております。

2つ目にあんしんサービスでございます。あんしんサービスとしまして、将来予想されます入院、入所に備えて預託金を後ろ盾としまして、病院や福祉施設の求める保証人に準じた支援を行っております。入院を例にしまして、具体的な支援内容を挙げてみます。ここにも少し列挙されてございますけれども、1つには、まず入院時のお医者様への医療の情報提供、それから、お医者様からの医療説明の同席、そして、入院契約の支援、入院時の保証金の預け入れ、もちろん入院中の医療費の支払、入院生活に必要な物品の用意や補充です。そして、退院時に向けた調整、カンファレンスの参加であるとか、そして、退院時の医療費の精算、最後に死亡時の御遺体のお引取りであったり、入院生活品として持ち込みましたものなどの持ち帰り、こういったものをさせていただいております。

なお、医療同意でございますけれども、これは当然私どもはできませんので、あらかじめ御本人様より治療に関する意思を書面で表示いただきまして、必要に応じまして担当のお医者様に書面でお示しするという対応をとらせていただいております。そして、この「保証機能」を果たす際の料金なのですが、料金は左側にもちょっと載ってございますけれども、1回1,000円となっております。また、この「保証機能」を果たすために先ほど出ました預託金としまして、表がございますが、52万円を契約後に私どもに預け入れていただいております。

52万円の内訳と根拠をお示ししたいと思います。入院後、判断能力の低下によりまして、払戻しができなかった場合、速やかに私どもは成年後見制度に移行してまいります。そこで、申立てから後見人が選任されるまでの期間を3か月と想定いたしまして、もちろんこの間、保証人に準じた機能を果たすために支払が滞らないようにしなくてはなりませんものですから、現金をそこでお預かりしてそこで支払っていくということになります。お預かりしました預託金は社協の預託金のみをお預かりします口座を御用意しておりまして、そこに入金しております。通帳及び払戻しにつきましては、私ども権利擁護センターあだちの職員がするのではなくて、総務課のほうで保管しております通帳、総務課の職員が払戻しを行うと。もちろん、その払戻しに際しましては局長決裁をとっております。また、残る場合もあるわけでございますけれども、残ったお金につきましては契約終了時に御本人様にお返しいたします。この預託金の52万円には、高額医療の戻りであるとか食費はどうしても払いませんといけませんものですから、入院費を1か月11万円と見積もりまして、3か月で33万円、プラス、万が一お亡くなりになるといった場合がございますので御遺体の引取り、要は葬祭、生活保護の葬祭扶助の基準額は19万ということで19万をプラスしまして、合計52万円となってございます。

また右のほうに戻りますが、生活支援サービス、これが3つ目でございます。これはまさしく日常生活自立支援事業のサービスと同じでございまして、生活費の払戻し、支払支援、郵便物の確認であるとか、もろもろ手続の支援といったものを行って、料金は左側を御覧ください。1時間1,000円です。これは日常生活自立支援事業、足立社協におきましても同じ料金でサービス提供しております。

4つ目でございます。書類等預かりサービス、これにつきましても書類をお預かりして貸金庫で保管させていただくわけですが、こちらも左側で料金は1か月1,000円ということで、先ほど来申し上げていますように、料金設定につきましては、御利用者様の判断能力が低下していることが明らかになった時点で私どもは日常生活自立支援事業や成年後見制度等へ移行していくことを想定しておりますので、日常生活自立支援事業に移行しても御本人様の混乱が生じないようにするためにそちらの事業の料金設定に合わせているということでございます。

また、更に開いていただきますと、中ほどのところに相談からサービス開始までの流れが載ってございます。相談からサービス開始に至るまでもちろん私どものほうで、面談というところがございますけれども、面談は1回や2回では済まなくて、相当何回も御本人様にお会いしながら、まずは医療情報をお伺いしたり、資産、収支状況、さまざまなことをお伺いさせていただいております。

次に死後事務の備えとしまして、契約前にこの中ほどあります公正証書遺言、この作成をお願いしてございます。遺体のお引取りであるとか葬祭の執行というのは基本的には御親族様が御対応されると思いますけれども、こういった御相談を寄せられる方はそういった対応をしていただける親族がいらっしゃらないという事情がございますので、契約時にこの公正証書遺言によって御対応しております。弁護士や司法書士の先生を遺言執行者としまして遺言作成をして、その遺言の中に遺産の処分に加えまして、葬儀・埋葬、残存家財等の処分につきまして付言事項として書き加えていただいておる、このような形をとっております。遺言作成時には、残った財産をどうするか、葬儀をどうとり行うか、また、埋葬先も既に取り決めておいていただくことになります。ですから、そこも決まっていませんと遺言作成ができないというところで、そこにお時間を要する方もいらっしゃいます。要は、お墓が決まっていませんとこちらに乗せられないものですから、場合によっては、お墓がない方はお墓探しのところから私たちが一緒に御支援するというケースも多々ございます。

私どもは、遺言執行者は専門職を置いているわけでございますけれども、最後の最後まで保証人として果たすというところでありまして、保証人に準じた最後のお仕事として、亡くなったお知らせが病院から入りますと、親族への連絡であるとか当然執行者への連絡、葬祭業者も決まっている方が多々いらっしゃいまして、そうしますと私どものほうから葬祭業者にすぐに連絡を入れるであるとか、残債務の医療費であるとか、葬祭費用等の支払なども執行者に御依頼をいただければ代わって支払をしてくる。それから、御遺体の病院からのお引取りということも待ったなしで行われるわけですが、場合によっては、そういった場合に立ち会うとか、あとは御自宅から病院に運ばれてすぐに亡くなってしまわれた方、特に御自宅で介護保険でいろいろなサービスを御利用の場合によく福祉用具で別途レンタルしているであるとか、その中で早急に返す必要がある。そのようなレンタルの返却の立会いとか引上げに立ち会うなど、そのようなことも執行者に協力して死後事務支援という形でやってございます。残りは当然専門職の執行者の先生のほうで御対応いただくということでございます。こういった形で遺言を書きまして契約し、大体遺言作成時に同日に契約を結びまして、1週間以内に預託金52万円をお支払いいただきましてサービス開始という流れでございます。

2、3点付け加えさせていただきますけれども、このパンフレットには載ってございませんが、この事業の適正な運営を図るために、今、神奈川県社協さんのほうでも出ましたけれども、審査会を設置しております。審査会につきましては足立区の管理職の中から組織されまして、原則年1回開催しております。必要に応じて随時招集するということでございますけれども、1年間の報告をさせていただきまして適正に事業運営されているかどうか審査を受けてございます。

契約件数はただいま46件ございますけれども、実は平成17年度から始めておりまして、総件数は63件ございました。63件のうち今は46件というところで、この間、当然ですけれども、お亡くなりになった方は10件、日常生活自立支援事業におつなぎしましたのが2件、成年後見へのおつなぎが3件、そして、ほかに区外への転居等で2件ということで17件を引きますと46件ということでございます。

相談経路なのですが、いろいろなところで出前講座という形でこの事業を御周知させていただいて、そういった講座を聞かれてお申し込みされる方も結構いらっしゃるのですが、一番多いのは地域包括支援センター、足立区は25か所ございまして、包括のほうからの御案内が一番多くございます。それから、ケアマネジャーにも周知させていただいておりますので、ケアマネジャーが御紹介といったことが一番多いという統計が出てございます。

事業の収支でございますけれども、昨年を例にとりますと、年会費と利用料収入とこの金額が出ておりましたが、大体36万円収入がございます。私どもの主な支出はもちろん人件費でございます。今、9名の職員で、先ほども神奈川県社協さんがおっしゃいましたこの業務に専任している職員は一人もおりませんで、当然日常生活自立支援事業、成年後見制度の利用支援事業、そして、このあんしん事業と3事業兼務でやっていまして、そのような形で何とか対応していると。この人件費につきましては、足立区社協の場合におきましては100%区の補助ということでございます。一番かかっていますのが通信運搬費ということでございますけれども、昨年度は47万かかっているのですが、そういったところからもおわかりのように、収支状況は全然バランスがとれてございません。

以上簡単ではございますが、事業の説明と中身の御説明をさせていただきました。ありがとうございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明の内容について、質問、意見のある方は発言をお願いいたします。

鹿野委員、どうぞ。

○鹿野委員 御説明ありがとうございました。

足立区に1つ2つお聞きしたいことがございます。先ほどのお話で、途中で判断能力が低下して成年後見に移行するということがあるということ、従来のケースでも成年後見制度につないだものが3件あるということの御説明がありました。そこで、具体的に成年後見に移行するという場合に誰がどういう形でその判断をされるのか、もちろん家庭裁判所が最終的には判断するわけなのですが、家庭裁判所への後見開始審判を請求するという段階での判断と、具体的に誰がそれを請求することになるのかについて教えていただきたいと思います。この仕組みを利用できる人の条件の中に、支援可能な親族がいないということがあります。一般的に家庭裁判所へのそういう請求というのは本人の請求という場合ももちろんあり得るのですが、多くの場合親族が請求していると思うのですけれども、親族がいないという場合だとその請求が困難という状況もあるのではないかと思います。そこで、具体的にどうやっていらっしゃるのかということについてお聞きしたいと思います。

もう一つは、成年後見に移行することはあるということでしたが、任意後見に関して何か特別な仕組みを用意していらっしゃるということはないのかということ、足立区についてはどうなのかということを確認させてください。

以上です。

○河上委員長 では、お願いします。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 まずは誰が判断するのか。これは当然お医者様のほうに受診していただきまして、医師の判断といったところで私たちは移行させていただいております。大概、入院をきっかけに入院が長引きますと判断能力の低下、認知症などが進行してしまったところで、入院中に先生の御判断をいただくという形で今までのケースは速やかにできてございます。

○鹿野委員 きっかけは、入院等をされて、医師から判断能力が一定程度低下しているという診断がなされて、それで家庭裁判所への請求があるということですが、具体的に誰が請求されるのですか。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 身寄りのないということで契約させていただいていますので区長申立て、本人が申立てができれば本人申立てということがございます。私どもが申立て支援をしておりますが、後見類型ということになりますと、当然区長申立てのほうに、区に相談させていただく。そういった意味でも、この高齢者あんしん生活支援事業、検討会を区の職員さんにも入っていただきまして立ち上げているので、この事業の理解は足立区行政は非常によくしてくださっておりまして、区長申立ての案件として上げていけばスムーズに流れていく仕組みがございます。

そして、任意後見制度等の御案内等なのでございますけれども、もちろん任意後見制度の説明やら御案内ということもさせていただくのですが、皆さん料金が高いということで、どうしてもそちらにはなかなか流れていかない現状がございます。

○河上委員長 お医者さんが判断力がなくなりましたねという話をした場合は、全て法定後見に移行させる方針なのですか。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 中には日常生活自立支援事業、この間2件移行しているケースもございまして、どういった支援が必要かによりまして、日常生活自立支援事業なのかそれとも成年後見なのかといったところで見極めていく。それから、もちろん判断能力、補助・保佐類型に値すれば日常生活自立支援事業でも対応可能でございますので、後見となれば成年後見制度しかございませんので、そこら辺はお医者様の診断によるといったところである程度御判断させていただいております。

○河上委員長 社協自身が後見人になるとか、保佐人になるということはあるのですか。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 ございません。

○河上委員長 池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本と申します。

それぞれ非常に深刻な問題に的確な対応をしておられるなということでお話を伺いました。それぞれにお伺いしたいところです。

神奈川県でこの検討会を行われて、中間報告で更に今後具体的に詰めていかれるというところで特に関心があるのは、この頃いろいろなNPOだとか、そういうところでもこの死後事務も含めていろいろ受けますということがインターネットなどでも出てきています。一方で、私も法律相談で遺族、親族の方から確かに疎遠だったのだけれども、NPOなどで財産も関連団体へ全部遺贈する、しかも、死後事務やそれまでの事務も非常に高額のもので、本人が果たして理解していたのだろうかという疑問を呈する相談を受けたようなこともあります。ほかの弁護士も同じようなことを言っていて、特に今回のこの事業あるいは検討の中で大事な審査会で審査をするというまさに御本人が契約内容を最初に契約したときはともかく、継続的に言えば、いずれ自らチェックができなくなることが避けられない問題ですから審査会という制度が不可欠だろうと思うのですが、これはどういう頻度でどの程度の中身を報告してやっておられるのかという点が一点です。

もう一つは、日常生活自立支援事業は判断力が低下したというところで一つ対象者となっているかと思うのですが、高齢者は自らの財産管理や死後の措置のことに対する不安感という意味では、いわゆる判断力が低下して判断がつかないということに至らなくても、不安感の点で言えば変わりない、非常に強い不安を持っておられると思うのです。その意味で、成年後見の申立てやあるいは保佐・補助という段階まで至らなくても、高齢者にとっては非常に強いニーズがあるところではないかと思うのです。その意味で、現在の日常生活自立支援事業の対象者としての判断力の程度というものはどのような組合せで取り扱っておられるのか、あるいは今後それはどういう方向で考えていく必要があるとお考えなのかという点、御意見も含めてお伺いできればというところです。

足立区さんについては、このあんしん生活支援事業は国の日常生活自立支援事業の別枠ということですが、先ほど移行することがあるとおっしゃったのですが、移行する場合も、日常生活自立支援事業でカバーできていないものもあんしんサービスにはあると思うのですが、その辺りのすみ分け、あるいは移行したときにも例えばその後の死後事務処理についての契約関係だとか、その辺りとの整理というものをどうなさっているのかという辺りも少しお伺いできればと思います。

○河上委員長 それでは、最初の審査会からお願いできますか。

○神奈川県社会福祉協議会小野課長 まず審査会のほうで、私どもはこのあんしん生活支援事業は行っていないので、こちらの審査会というものは実施していないのですけれども、日常生活自立支援事業のほうの審査会というものを持っておりまして、第三者の方に関わっていただいて、御本人の契約締結能力を判定するということをさせていただいております。全国的には、これは都道府県社協に設置するとなっておりまして、おおむねほかの都道府県の状況を聞きますと、月に1回程度開催されているようです。その案件については都道府県によって差はあるようですけれども、数件から数十件審査をする場合もあるというお話を丁度昨日聞いたばかりでございます。私ども神奈川は特殊な形態を持っておりまして、市町村社協に審査会を委託するということも行っております。第三者の複数の方によって構成していただいているのですけれども、これも市町村によって差がありまして、3か月に1回ぐらい開催するところから、2か月に1回程度開催するところからまちまちでございます。

○河上委員長 足立区のほうは、審査会はどのような感じですか。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 このあんしん事業につきましては原則年1回ということでございます。その中で、毎回報告及び審査を受けておりますのは、契約の締結、終了、それから日常生活自立支援事業であるとか成年後見制度へ移行したケース、福祉施設等に入所した場合であるとか死亡時、預託金をもし使った場合、その経緯はこうで今、預託金は減っておりますとか、そういった形での報告ということで、年に1回なのでございますけれども、必要があれば随時開催するという要綱になっておりますが、今までどうだったかといいますと、今まで年1回というところでございます。

○河上委員長 それでタイムリーに対応できていますか。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 タイムリーにはできておりません。

○池本委員長代理 ありがとうございます。

タイムリーではないにしても制度として大きな動きがあったことは報告し審査を受けるという担保があるということは大事だと思うのですが、神奈川県の場合には実施主体はいずれでもよろしいのですが、自立支援のほうでは契約締結当時の意思の点だけなのか、それとも、途中段階でも何か動きがあったときの審査というものも制度的にあるのかどうか。

○神奈川県社会福祉協議会小野課長 おっしゃっていただいたように、契約締結能力を判断するという以外に、御本人の生活状況を報告して判断能力が今、どういう状態になっているかということをモニタリングするような仕組みになっております。ですから、モニタリングの時点で判断能力が低下していて、この日常生活自立支援事業の契約を続けることができないとなった場合は、速やかに成年後見につなげていくということには注意を払うようにしております。

○河上委員長 もう一点のほうですけれども、判断力の低下というところまでいかなくても、こうした事業というものに対する要請というものは高齢者の不安感からかなり強いと思いますけれども、今後の展望としては活動の内容はどう広がっていくのでしょうか。持ち場はきちんと守っていくというほうがいいのか、その辺りの御判断はいかがですか。

神奈川県のほうからお願いします。

○神奈川県社会福祉協議会小野課長 この事業は判断能力が十分でない認知症高齢者、知的障害者、精神障害者としておりますけれども、障害手帳がなければいけないとか、認知症の診断がなければいけないという仕組みではなくて、そこはある程度柔軟に御本人の状態を見た上で実際の運営もされていると思うのですけれども、いずれにしましても今、事業利用者が急激に増えておりまして、対応するキャパがなかなか体制的に増えないというこちら側の事情がありますものですから、本当に健康でお元気な方が不安を持っていらしてこの事業を使いたいのだとおっしゃったときにどう対応できるのかというのはなかなか微妙なところかなと思っております。ですが、本当に客観的に、審査会に当然諮りますけれども、諮ってこの方に必要性があると判断されれば、対応している社協も多いと思っております。

○河上委員長 足立区さんはいかがですか。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 この事業につきましては判断能力がある方ということでございますので、話のつじつまが合わなくなってこられたり、記憶違いなのか、これは物忘れではないかということが、月に1回お電話でお話しし、半年に1回モニタリングという形で相当時間をかけて今までの契約内容をもう一回見直して変化はございませんかと。医療サービスに関する指示書につきましても医療同意の指示書をとらせていただくわけですが、そこも必ず半年に1回訪問させていただいて全部1つずつ聞き取りをさせていただいて、お気持ちにお変わりございませんかといった形でやっていく中で、少しでも記憶違いであったり、何か話が合わないとなったときには、そこをきっかけに日常生活自立支援事業のほうにつなげていくとか、または、いきなり事業ではなくて、この方はきちんと認知症の診断を受けておられるのかな、専門医に診ていただいたことがあるのかなといったところにまず現場ではお医者様につなぐところから始め、必要であれば日常生活自立支援事業、成年後見につなげていくということでございます。

○池本委員長代理 今の点で確認ですが、足立区のあんしん生活支援事業はパンフレットの中でも利用できる方は契約内容をしっかりと理解できるひとり暮らしの方だから、ここでは判断能力の低下などという要件はそもそもない。そして、一定の判断能力の低下がうかがえる場合は自立支援事業に移行し、本当に法的な意味でも喪失の場合は成年後見に行くというところで、その自立支援事業の判断能力の低下というのは、先ほど神奈川県さんからの御説明によると、ある程度柔軟に幅を持って受け止めてはおられると。ただ、制度の枠組みとしては全く判断能力に問題のない方は枠には入らないけれどもというところですか。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 はい。

○神奈川県社会福祉協議会小野課長 はい。

○河上委員長 この利用できる方というところの中身をどう考えていくのか。今後この利用できる方という対象は少しずつ拡張していく方向を狙っていらっしゃるのですか。

○足立区社会福祉協議会青木常務理事 私は直接現場のお話は十分に理解しておりませんけれども、神奈川県の社協さんがおっしゃったように、まず我々のキャパが今どうなっているかというと、これはアルマル課長からも普段聞いているのは、とにかく人手が足りなくてこれ以上対応できないということですので、不安であるとか、そういうレベルのものにまだ対応できる状況では恐らくないのだろうとは思います。ただ、絶対数がどんどん増えていくことは間違いないので、そして、権利擁護という観点からすると、必ずしも判断能力だけにこだわるということでは十分な対応ができないでしょうから、なるべくそこは柔軟に対応したいという部分はあるかと思います。

○河上委員長 3点目ですが、足立区さんに、自立支援事業とのすみ分けといいますか対応としては、死後事務などが入ってくるというときにどうされるのかということですけれどもいかがですか。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 ありがとうございます。

事業や制度に移行した際は、この基本サービス、あんしんサービス、生活支援サービス、書類預かりは終わりますけれども、遺言は残りますので、死後事務、葬儀・埋葬等々は専門職の先生に引き継ぐという形になります。

○河上委員長 遺言執行者というのは、その専門の先生がなられるということですか。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 そうです。今のところ弁護士の方、もしくは司法書士の方に御対応いただいております。

○河上委員長 遺言執行者になっていただくと。

では、鹿野委員、どうぞ。

○鹿野委員 もう一度別の点について質問させてください。

今、利用できる方ということについて話題に上りましたけれども、足立区につきましては、利用できる方の条件として資産等の要件があります。これについては恐らく先ほど御説明があったように、事業自体としては採算が合っていないということ、あくまでも区からの補助があることによって成り立っているというところがあるので、こういう一定の条件を付けてそれを満たす人だけが対象になるとしていらっしゃるのだろうと想像するのですが、この点、神奈川県ではどういう対応がなされているのか、もし情報があったら教えていただきたいと思います。また、支援可能な親族がいないけれども支援を必要としているという方で、この資産要件等には直接合致しないという方がいらっしゃると思いますし、そういう方については、必要があれば、ほかの民間の事業者等のところに行ってくださいということになるのかとも思うのですけれども、そういうときの民間の事業者との連携などは何か図っていらっしゃるのか、その点についても教えてください。

○神奈川県社会福祉協議会小野課長 神奈川では、身元保証の生活支援事業については行っている市町村社協がまだなくて、実施をしていないのです。

○鹿野委員 身元保証ではないサービスは。

○神奈川県社会福祉協議会小野課長 報告書の方向ということでしょうか。

○鹿野委員 社協で身元保証ということに限らず何らかのサービスをなさっていることはないですか。

○神奈川県社会福祉協議会小野課長 身元保証以外のサービスですか。

○鹿野委員 はい。そのときに、いろいろな形でサービスによる条件設定というものがあるかどうか。

○神奈川県社会福祉協議会小野課長 日常生活自立支援事業については特に資産要件はございません。生活の資金を貸し付けする生活福祉資金事業については項目によって上限が設定されているものがあります。

○河上委員長 では、足立区、お願いします。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 3,000万以上もっともっとお持ちで、ですけれども、身寄りがいらっしゃらないという方の相談もこれまで受けてまいりまして、連携でございますが、どちらかの団体を紹介するということは一度もございませんでした。大体私たちの御案内させていただく内容は専門職、弁護士さんとの契約、いつも弁護士会さんのほうを御案内するという形にとどまっております。

○鹿野委員 今、長田委員から教えていただいたのですけれども、横須賀市のパンフレットがあって、ここでもエンディングプラン・サポート事業というところで「一定の月収・預貯金以下で」というところが表紙を開けて2ページ目に書いてあるのですが、こういう形で資産収入条件を限定しなければ成り立っていかないということが現状だと認識してよろしいでしょうか。

○神奈川県社会福祉協議会担当者 身元保証に関するサービスというのはまだ神奈川県内で行ってはいないのですけれども、先ほど御紹介させていただいた横須賀市さん、行政のほうで直接行っているもののエンディングプラン・サポート事業の対象者に関しましては、こちらのパンフレットに書かれている範囲でしかお答えができないのですが、低所得の方にでも対応できるようなサービスということで横須賀市さんのほうは作られたようで、こちらに書かれている対象者は原則としてひとり暮らしで身寄りがなくということで、月収16万以下で貯金が100万以下程度の方ということで限られているということになっています。こちらに書かれていることしか把握はしていないのです。すみません。

○鹿野委員 ありがとうございました。

○河上委員長 ほかにいかがでしょうか。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 足立区の方にお聞きしたいのですけれども、Q&Aのところに「体調が悪く来週入院です。保証人がいませんがすぐに利用できますか」という質問がありますね。それで「元気なうちにご相談ください」ということなのですが、この場合はどこかにリファーしていただけるのでしょうか。お金のある方はそれなりにいろいろあると思うのですけれども、お金のない方も困ると思うし、こういう身寄りがなくてすぐ入院という場合の相談を受けた場合どうなっていくのか。お金もない、身寄りもないという人が、上のほうの人はまたそれなりにあると思うのですけれども。

○足立区社会福祉協議会アルマルカウィ課長 もちろん、これは当然この一言で相談を打ち切っているわけではございませんで、地域包括支援センターのほうにおつなぎしまして、包括職員との連携という形になってまいります。

○河上委員長 いろいろ聞きたいことはあるのですけれども、予定している時間を大分超えてしまいまして申し訳ございません。今日はこの辺りということにしたいと思います。

本日は神奈川県社会福祉協議会、また、足立区社会福祉協議会から御説明を頂戴いたしました。福祉施設への入所時に求められる身元保証あるいは死後事務への対応については多くのニーズはあるということのようです。既存の日常生活自立支援事業あるいは成年後見制度といったようなものだけでは必ずしも賄い切れないさまざまなニーズがあって、それに対応する機能を持った新しい仕組み作りというものが求められているということはよくわかりました。こうした機能を担うということは、場合によっては預託金を預かって365日24時間体制で対応するということも必要になるということで、大変大きな責任を伴うことになります。これから需要は増大していくだろうということは明らかでありますけれども、そういう需要が増えていった場合にその全てを社会福祉協議会が担うことは難しいことかと思います。マンパワーの点、財政の問題といったようなことで社協だけで対応してもらうということはとてもできないわけであります。その意味でも、こうした身元保証あるいは死後事務のニーズへの対応について、何らかの制度的な検討をしておくことが必要であろうと考えているところであります。

本件につきましては、引き続き関係者からのヒアリングを行った上で、消費者委員会としてどういう方向が望ましいのか、今回さまざまな情報をいただきましたので、これも参考にして委員会として検討を行っていきたいと思っております。

社会福祉協議会、神奈川県、足立区、いずれも先進的な方向で非常に努力されているということで敬意を表したいと思いますけれども、かなり無理をされているという印象もありました。ですから、少しでもそうした協議会での活動が無理のない形で展開できるようにということを祈っているところであります。

本日はお忙しいところ、審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

(神奈川県社会福祉協議会、足立区社会福祉協議会退席)

≪4.その他≫

○河上委員長 それでは、最後に議題「その他」といたしまして、新開発食品調査部会からの報告がございます。

阿久澤部会長から御報告をお願いいたします。

○阿久澤委員 それでは、特定保健用食品の表示許可に係る答申について、私から報告をいたします。

平成28年4月22日に開催した第33回新開発食品調査部会の議決について、新開発食品調査部会設置・運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て委員会の議決とし、6月2日付けで内閣総理大臣へ答申を行いました。

参考資料1の答申書を御覧ください。本品目につきましては、内閣府総理大臣より諮問を受けて、第33回新開発食品調査部会において安全性及び効果について審議を行いました結果、指摘事項を確認の上、了承することが部会長に一任され、申請者からの回答書を確認いたしまして、指摘した許可表示の内容に従った回答であったことから、特定保健用食品として認めることといたしました。

私からの報告は以上となります。

○河上委員長 ありがとうございました。


≪5.閉会≫

○河上委員長 それでは、本日の議題は以上になります。

最後に事務局から今後の予定についての説明をお願いします。

○丸山参事官 次回の本会議の日程、議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページ等を通じてお知らせさせていただきます。

なお、この後委員間打合せを行いますので、委員の皆様におかれましては委員室のほうにお集まりください。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)

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