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第217回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2016年4月5日(火)13:00~15:36

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、池本委員長代理、阿久澤委員、大森委員、蟹瀬委員、鹿野委員、長田委員、増田委員
  • 【説明者】
    静岡大学教育学部 色川教授
    消費者庁 金子消費者教育・地方協力課長
    文部科学省生涯学習政策局 高橋男女共同参画学習課長
    文部科学省初等中等教育局 梶山主任視学官
    消費者庁 加納消費者制度課長
    消費者庁 表示対策課 笠原課徴金審査官(前・消費者制度課企画官)
  • 【事務局】
    黒木事務局長、小野審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 若年層を中心とした消費者教育について
  3. 「名簿販売事業者における個人情報の提供等に関する実態調査」の報告について
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、始めさせていただきます。

皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第217回本会議」を開催いたします。

本日は、中原委員と樋口委員が所用により御欠席となっております。

それでは、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

○丸山参事官 お手元の議事次第の下部のほうに配付資料一覧を記載しております。

資料1-1につきましては、色川教授説明資料。

資料1-2につきましては、消費者庁提出資料。

資料1-3につきましては、文部科学省提出資料。

資料2につきましては、名簿販売事業者における個人情報の提供等に関する実態調査報告の関連資料となっております。

それから、参考資料1、2となっております。

もし不足がございましたら、事務局のほうまでお申し出いただきますよう、よろしくお願いいたします。


≪2.若年層を中心とした消費者教育について≫

○河上委員長 最初の議題ですが「若年層を中心とした消費者教育について」であります。

まずは、静岡大学から色川卓男教授をお招きして、お話を伺いたいと思います。色川教授は消費者教育の実態研究や消費者教育の理論的研究などに取り組まれておられる方でございます。最初に色川先生から最近の我が国の消費者教育の現状と課題、若年層への消費者教育の現状と課題等についてお話を伺った上で、意見交換を行いたいと思います。

色川先生におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、大変恐縮ですけれども、20分程度で御説明をお願いいたします。

○静岡大学教育学部色川教授 静岡大学の色川です。よろしくお願いいたします。

私に与えられたテーマは、今、委員長がお話しになったとおり、我が国の消費者教育の現状と課題の全体の話と、若年層の消費者教育についてということで、2つ与えられております。

現状と課題については、最近都道府県庁の消費者行政部局が行っている消費者教育関係の施策についての調査をしていましたので、そちらを中心にお話しさせていただきます。若年者に対する消費者教育に関しては、今日は高校生に対してどういうことが行われているのかという話をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

まず、消費者教育なのですが、国による消費者教育の歴史から見ますと、1960年代ぐらいからあって、当時の国民生活審議会とか消費者保護基本法ができたころから端々にお話はよく出てきたのですが、実際はなかなか施策としてしっかりできてきたわけではないと認識しています。ここに「脇役」と書きましたけれども、どうしても法制度の整備や規制とか指導とか、そちらが中心になってしまって、なかなか教育に目が行かなかったのではないかと認識しています。最近2009年に消費者庁ができて、2012年に消費者教育推進法が通り、以前よりははるかに消費者教育がやりやすい状況が来ていると認識しています。

それでは、現状のお話をさせていただきます。都道府県庁の消費者行政部局が行っている消費者教育の実態です。2014年は我々自分たちで調査をしましたけれども、それ以前の年に関しては、消費者庁から現況調査をお借りしまして、そちらのデータを分析したということです。それには具体的に事業名などが挙がっていましたので、その事業名を改めてこちらで精査して組み直してデータを作っています。ですから、そのまま出したデータとはちょっと違うかもしれませんが、その点は御了承ください。

まず、マル1都道府県庁による事業数ですが、これはいわゆる消費者教育に関する事業数です。広報事業とか講座事業あるいは資料とか教材です。そういうものが事業として挙がっているのを見ました。2008年がちょうど消費者庁ができる前の年と2013年を比較しますと、明らかにどの人口規模の都道府県でも増えていると言えると思います。これは全てとは言いませんけれども、全体として見ると増加傾向にあるだろうと思っています。

ただし、一番右側の最小値、最大値を見ますとかなりばらつきがあって、同じ人口規模のグループでも、取り組み方にはかなり差が出てきていると理解しています。

次の2ページ目を御覧ください。

都道府県庁におけるいわゆる対象別の講座の実施率を確認してみたのですが、ここには6つほどタイプを分けました。リーダー養成からいわゆる最近「見守り」と言われているサポーター関係の養成だと思われるものとか、相談員の資格取得のための講座とか、市民講師という形で講師を養成するもの、あとは学校向けです。これは出前講座が多いと思うのですが、学校に行って何か事業に取り組むということだと思います。それと教員の研修です。実施率というのはその年にやったかやらないかという数え方ですので、実際の回数が多いとか少ないとかというのはその点は含まれていません。

これで見ますと、最近問題になっている「見守り」のサポーター養成講座とか、学校向けとか、教員研修が増えている傾向があるのだろうと思います。ただ、一番右側を見ていただくとわかるのですが、5年間で3つ以上実施、5年間のうちにどこかの年にどれか1つをやっているということでカウントしますと必ずしも100にはならなくて、かなりばらつきが出ていまして、人口規模が大きいところほどやっているわけではないということが言えます。

ただ、これは都道府県庁特有の抱えている課題だと思うのですが、基礎自治体である市町村が自分で一生懸命やっているところだと、それほど講座を多くやらなくていい可能性もあると思います。ですから、そのばらつきは、そういう影響が多分出ているのだろうと理解しています。

3ページ目、次のマル3ですが、これはそういう事業を行うための予算の問題です。当初予算で持ってきました。できれば最終予算がいいのですが、最終予算はデータがなくて、残念ながら当初で持ってきています。これで見ますと、自主財源と言われている部分が3割程度で、基金が7割ということですので、基金がかなり大きい意味を持っているといえます。今は交付金と思いますが、それがあってこその消費者教育の推進だろうとこのデータでは思えると思います。

そして、4番目「都道府県庁の抱える課題」として、ここには3つほど挙げましたけれども、時間的な問題があるので2つにしますが、職員数と財源の厳しさが1つあるだろうと思います。人口300万人未満の都道府県ですと、職員数は減ってはいないのですけれども、停滞しているのです。変わらない数です。ですから、職員数が増えない中で、消費者教育推進法が通ったりして仕事が増えているという形ですので、職員の方の負担は増えているのではないかと想像がつきます。ですから、そういう意味では職員をサポートする周り、周りというのは、つまりこの地域のいろいろな関係者です。事業者も含めて消費者団体の皆さんもそうだと思いますが、そういう方々がうまく関わっていかないとなかなか推進は難しいのかなと思っています。

お金の問題は先ほど申したとおりですので、基金頼りだということだと思います。

消費者教育推進地域協議会と消費者教育推進計画、こちらについての策定状況ですが、最近の消費者庁のデータを見ますとこういうデータが出ていまして、全てではないですが、多分ほとんどやるようになるのではないかと想像はつくわけです。

ただ、抱えている問題があって、中身が問われるだろうと思うのです。協議会は法令上では私が書いたようなことではないのですが、実際は地元の人、地域の人が集まってきて、そこで消費者教育的なことをやっているけれども、お互いに知らなくて、こういう場を作って話をすることでお互いに情報共有すること、そして、先ほど申したとおり、職員の数が増えていない状況の中で、お互いに支え合う関係を作っていく、いわゆる消費者教育のその地域の中核的な担い手として活動できるような状況が恐らく求められているのだろうと思うのですが、果たしてそういう仕掛けが作られているのかどうかということが問われるだろうと思います。まだ作った段階ですので、今後の動きはわからないところがあるところが多いと思いますが、その辺の推進に向けて協議会がうまく核になるのかどうかということが問われるのだろうと思っています。

推進計画ですけれども、こちらも私もまだ全てを見ているわけではないのですが、いろいろと中身についてばらつきがあって、具体的な施策が書かれているのかどうかがわからないときがありますし、目標が必ずしも明確ではないものが見受けられるということです。目標というのは、例えば出前講座を何回やればいいとか、50回を60回にするとか、そういう書き方もあるのですが、それはあくまでも行動目標でありまして、到達目標というのはそうではなくて、それによってどういうことが身に付いたのかとかを問う必要があると思うのですが、その辺については挙げているところもあれば挙げていないところもあるということで、ばらつきがあるなと思っています。

次のページで、今度は若年者の消費者教育について、お話ししたいと思います。

今度選挙権年齢が下がったことによって話題になっているわけですけれども、これまで20歳が成人年齢でいわゆる選挙権の年齢だったわけですが、その年齢に達するときに必要な教育があるからやろうといって何か特別な対策をとったかというと、私には記憶がないのです。大学で何か特別な授業が設けられているわけではありません。何で18歳になって急に教育が話題になるのかがよくわからないというのが正直なところです。ただし、先ほど言ったとおり、消費者教育の歴史は古いのですが、なかなか推進がうまくいっていなかったことはあるので、こういうものをきっかけに消費者教育に取り組む機会になるのだったら、これは非常にありがたいことだと思っています。

20歳から18歳に下りたときの違いで、若年者向けの消費者教育で考えるべきことは、今度は高校までの消費者教育が特に問われることになるわけです。高校までの内容について、実際に見ていきたいと思います。本日ちょうど文科省が資料でたくさん教科書などを出してきていただいて、非常にありがたかったのですが、現行の学習指導要領や検定済みの教科書を見る限りにおいては、もしそこに書かれている内容がしっかり習得できているのならば、特にプラスアルファは必要ないのではないかと思うぐらいの内容です。最近の教科書というのは非常によくできていまして、文字も少なくてイラストも多くて、わかりやすく誰でも読めるような中身になっているのです。ですから、むしろ書かれている内容がどこまで身に付いているのかどうかという問題が問われるのだろうと思っています。

実際、高校の現状について、これは全国調査がないので、各地域のデータしかないのですけれども、これは東京都の例を持ってきました。マル1高校の教員による実施状況です。東京都は消費者教育について定義をきちんとした上で、それについて回答を求めていますので、消費者教育については回答者が同じイメージで答えていると思います。この中で消費者教育を実施しているのは、家庭科が多い。実際に、教科書のページ数も公民よりはとても多くて、家庭科がメインになっているのだろうと思います。

家庭科がメインだとすると、b.にはその授業時間数のデータがありまして、それを見ると2時間が一番多くて、4時間以下でも5割以上ということです。これは、家庭科が主に2年間分やらなければいけないのと1年間分のものと2つあって、どちらかを高校が選べるのです。1年間分のほうを「家庭基礎」と呼んでいますが、その家庭基礎のほうが実際、そこのデータを見るとわかるとおり全国では77%ということで、3年間のうち1年間しか家庭科の時間がない場合が圧倒的に多いと言うことになります。そういうことで、恐らく時間数が短いことによって消費者教育の時間数も減ってしまっているだろうと思います。

5ページ目ですが、これは私が以前、2011年にある市で調査したものですけれども、これは高校の家庭科の教員の皆さんに伺ったのです。余りこういうことを聞きたくなかったのですけれども、得意か不得意かをお聞きしました。あくまで本人の主観ですけれども、不得意と挙げたのが、消費生活が一番多くて58%なのです。家庭科の先生というのは、食物や被服や子供が好きでなっている場合が多くて、なかなか消費が好きで家庭科の先生になっていないため、どちらかというと苦手な分野なのだと思います。ですから、時間数がもともと少ない家庭基礎が多いため、1年間しかなくて、それで食物、被服、保育等全部をやらなければいけない、その中に消費もあると。さらに、自分が余り得意でないとなると、なかなか時間数をとって頑張ろうかなという気になれないのかなと思います。

では、そういう苦手な先生が恐らく多いのだろうと思う中で、教材とか副教材などの提供がどの程度行われているかといいますと、次のマル3なのですが、これも現況調査のデータを見て確認したのですけれども、教材はいっぱい作られているのですが、例えば解説書や指導書がついたような教材というのは1割ぐらいしかなくて、まだまだ少ないのです。ですので、先生方がぱっと使って利用できるかというと、内容によりますけれども、使えないときもあるのではないかと思います。

次の6ページ目、具体的な方策の提案です。一番大事なことは授業がしっかり行われることでありまして、学習指導要領あるいは検定済みの教科書の内容がしっかり行われることが最も重要だと思っています。時間数の確保については、もちろん制度的な問題もあるのですけれども、それを置いておいて考えたときに、まず教員自身が自信を持って教えられるようになるというのですか、そういう仕組み作りが必要だろうと思っています。

1つは、悉皆(しっかい)の教員研修が必要だろうと思います。悉皆というのは全員出るということです。強制的に出るようなときにやると。最近は、選択の形での教員研修が増えています。先ほど言ったとおり、消費者行政部局がいろいろな形で今、教育委員会と連携としてあちらこちらでやっているわけですが、大体それは行くか行かないかを選べるのです。そうすると、余り興味がなかったり、苦手な先生が行くとは限らないわけです。むしろ得意な先生とか興味がある先生が行ったりするわけです。ですから、できればある程度全員集まらなければいけない強制的なところで消費者教育について理解していただくということが大事かなと思っています。例えば教員免許更新講習なども選択だったらもちろん立てることはできるのですが、必修の領域に立てていただく等、そういう枠組みでできれば意味があるかなと思っています。

家庭科が特にそうなのですが、免許外の先生が結構いらっしゃって、免許外で教える場合があったりします。それはもちろん教育委員会が認めているわけですけれども、そのときの研修に必ず消費者教育の部分を入れていただきたいというのがあります。

さらに、現場の先生だけではなくて、これから先生になる学生たちを抱える教員養成課程の問題もあります。私も教員養成課程に関わっていますけれども、そこでの科目の充実という問題があるだろうと思います。免許をとるために必修で必要なのは家庭経営学で、括弧をして、例えば(家庭経済を含む)という形で科目を1つだけ立てなければいけないのです。しかし、そうすると、必修の1つだけで消費者教育的な勉強をして、免許をとっていくという可能性もあるのです。そうではなくて、もう少し科目数が必要ではないか。もともと食とか子供が好きでなろうと思っている方々に対して、もうちょっと手厚く消費者教育の部分の科目をつけたらどうかということです。

うちの大学では生活経営学というものが免許必修で用意されていて、更に別に消費者教育論という科目も立てているのですが、これは専攻の必修として立てています。ですから、うちの学生に関していうと、免許を取るため、卒業するためには両方とらなければいけないのです。例えばそういう形でもいいので、カリキュラムの組めるような形が作られればいいなと思っています。

飛ばしまして、マル3イメージマップについてですが、大変幅広くて面白いものだと思っていますが、学習指導要領との連動の問題がありますけれども、もう1つ、これだけ時間数が短い中で先生方が教えるとすると、優先的な事項が必要だろうと。どういう部分を優先して教えなければいけないのかということをしっかり考える必要があって、それを示すガイドラインも必要だと思っています。

最後に「おわりに」のところですが、一番申し上げたいのは4番目の「箱物行政」のところなのです。イベントがいろいろ行われたり教材も作られたりはするのですけれども、その後のことまでカバーがない。つまり、アフターケアに問題があるのだと思うのです。どうやって配付するのか、そして、それがどうやって利用されるのか、その辺の中身については、なかなか取組状況として明確なものが出てこないことが多いのです。やはり、作るだけではなくて、使ってもらうことも同じようにとても大事だと思いますので、その辺はお金の問題もあるのかもしれませんが、そういう部分も「先駆的事業」として認めていただけると、地方公共団体は事後についても一生懸命やってくれるのではないかと思っています。

最後に「消費者教育コーディネーター」という形で消費者教育を推進するための人を用意するということが話に出ていますが、それだけではなくて、コーディネーターという方は一種のコンサルタントみたいな役目も必要だろうと思っています。つまり、行政職員も少ない中で頑張っているので、そこにうまくサポートしていけるような、企画力も含めて全体のバランスを見てなどということも含めて取り組める状況があるといいなと思っています。

以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明の内容について御質問、御意見のある方は発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

増田委員、どうぞ。

○増田委員 いろいろ御示唆をいただきまして、ありがとうございます。

先生の中で家庭科と社会科という2つのところで取り組んでいらっしゃると思うのですけれども、私が経験したところによりますと、社会科系と家庭科系で区別していて、例えば同じインターネット取引に関してもそれぞれ取り組み方が違うように感じているのですが、その辺の区別をどうしているのか、私はしないほうがいいのではないかと思っているのですが、そこをお考えいただきたいのと、外部サポートが大変重要であると御指摘いただいているのですけれども、具体的にはどういうサポートをすることがいいのかというお考えをお聞かせいただきたい。

もう1点、コーディネーターの活用ということで、実際にはコーディネーター的な仕事をされている方というのは現場ではいらっしゃるのですけれども、ただ、それは何のお墨付きもない状況の中では、実際にはコーディネーターとしてなかなか機能できない。実際には動いていて、かつ資質もあるけれども、行政、自治体がコーディネーターと認めていただかないとなかなか動きにくいのではないかと思うのですが、その辺のところをどうお考えか、3点お伺いしたいと思います。

○静岡大学教育学部色川教授 御質問ありがとうございました。

家庭科と公民の教え方の違いなのですが、もちろんあるとは思っていますが、実際いろいろ私も現場の授業などを伺っている限りにおいてはそんなに極端に変わっていなくて、その先生が教えたい中身は教えられていて、違いは余り感じてはいないのです。ただ、公民の先生、社会科の先生のほうが余りこの分野に対しての関心がないのかと感じています。家庭科の先生は、例えば中学までだと4領域と言うのですけれども、A、B、C、Dと分かれているうちのD領域がいわば「身近な消費生活と環境」という形で枠がはっきり作られているので、やらなければいけないという意識が強い感じがちょっとあるのです。ですから、今、おっしゃったとおり、内容的な問題で教科間に何か違いがあるかというと、この分野に関しては余りないかなという認識を私は思っています。ですから、むしろやっていただけたらそれはありがたいという感じです。

話を飛ばしてしまったのですが、外部講師についてですが、これは実はメリットもデメリットもあります。うちの大学でも外部講師に入っていただいたりすることがあるのですけれども、外部講師は当然学生から見ると、今まで会ったことがない新鮮な方なので印象はよくて、すごく効果はあるように思うのですが、しかし、そのところまで作るまでの段階が、手間が掛かるのです。現場の先生が外部講師に教えていただきたいと思っていることをうまく伝えるかという、コミュニケーションの問題があったりするということです。外部講師の先生はこれを教えたいという気持ちが強くあるわけです。でも、生徒のほうのニーズもあって、生徒は聞きたい中身があったりする。それがかみ合えばいいのですけれども、必ずしもかみ合うとは限らないのです。

ですから、ここで私が言いたかったのは、外部講師は非常に有効なのですけれども、外部講師に入るときの心得というのですか、そういうものが何か資料として作られないのかと。あと、現場の先生が外部講師を利用するときの心得というか、考え方というものを示した資料をできれば用意できるといいなと思っています。そして、ここに「消費者教育コーディネーター」も書きましたけれども、そういうところの現場の先生の負担を少しでも減らす形でコーディネーターが協力できるといいなと思っています。

3つ目ですが、コーディネーターそのものなのですが、現場でコーディネーターが何人か出てきているのですね。タイプ的に大きく言うと3つあって、1つは相談員の方がコーディネーターになっていく場合と、もう1つは、再就職の場合だと思いますが、学校の先生だったOB、OGの方がコーディネーターになる場合です。あと、その2つの要件を満たさないけれども、置きたいので置いたという場合と3つあるのです。今、出てきたのは、コーディネーターの役目を果たしているのだけれども、コーディネーターではないみたいな話ですが、要は、動いていただく形がなかなかはっきり明確に見えないと、行政も予算化できないという問題があるのだろうと思っています。

現実に、もう随分前にある自治体でコーディネーターを設けたことがあったのですが、1年でやめてしまったのです。要は、どう使っていいかわからないということで、うまくいかなかったのです。ですから、その辺はコーディネーターだけではなくて、よくわかっている人たちが集まって、では、どう活用すべきなのかという道筋をまず作った上で、コーディネーターを作っていって実績を上げれば、恐らく予算化されていくのではないかという楽観的な考え方を持っております。

○河上委員長 ありがとうございました。

ほかにはいかがでしょうか。

蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 大変詳しいお話をありがとうございました。

若年層の消費者教育についてお尋ねしたいのですが、高校生の家庭科基礎の本を何冊か私も買わせていただいて読ませていただいたのですが、今、こういう立場にいますと中身は3分でわかるのですが、初めて見る子たちは結構わからないだろうなということがあって、一番大事な高校生になって、3年間世の中に出ていくための勉強として何か副読本的なものがあるといいのではないかと思っているときに、ちょうど金融庁の方が電子マネーのお話をなさるヒアリングがありまして、そのときに見せていただいた金融庁のお金のことについてのガイドブックというのがイラストつきでものすごくよくできているのです。

その配付の仕方が大学にぽん、高校にぽんという感じで、実は配付をなさっていて、学生の手元まで本当に行っているのかどうかがよくわからなったのですが、ああいう既に作られた素晴らしいガイドブックみたいなものがあって、そういうものが副教本としてあれば先生も教えやすいし、子供たちも卒業してそれが棚の中にあって、大人になってちょっと見てみるということもできるかなとふと思いながら見せていただいた、非常にすてきなガイドブックがありました。ですので、そういったことのつながりで学校の先生たちの教育も含めて、今後できないかなということをお聞きしたいのです。

○静岡大学教育学部色川教授 ありがとうございます。

蟹瀬委員のおっしゃるとおりだと思っていて、私も届かないという問題が一番問題だと思っています。現場の先生に大体アンケートをとると、なかなか推進できない原因の1つとして多く挙がるのは、適当な教材がないというのです。でも、それは間違っていまして、今、おっしゃったとおり、教材はあるのです。私もいっぱい見ていますし、いい教材があるのです。ただ、それが届かない。届けないと言ったら失礼かもしれませんが、届けるためのいろいろな工夫をまだまだ足りないのではないかと思っています。

ですから、是非、ここにも書きましたけれども、例えば全国であちらこちらの自治体がいろいろないい教材を作っていますので、そういうものを国が買い取って、ばっと全部に人数分配付するという形も大事かなと思っています。私の関わっている自治体でも教材を作ったら必ず全員配付だし、全員配付でそれが届いたかどうかも確認しろという話までするぐらいで、そういうことまで気を付けないと、多分現場の先生のところには届かないだろうと思います。ですから、その辺はとても大事だと思っています。ありがとうございました。

○河上委員長 大森委員、どうぞ。

○大森委員 教材も少ないけれども、解説書付きが少ないというお話なのですが、消費者教育は割合法改正が多くて、それを反映するために絶えずメンテをしないといけない、長期間使えないというのがその原因の1つではないかと思うのです。学校の先生で真剣に取り組んでいらっしゃる方は、消費生活センターに随時足を運ばれてリーフレットなどを活用されていますけれども、学校現場の先生方もお忙しくてなかなかそこまでは行けていないし、逆に新しい改正の部分などをより伝える必要があって、その辺が非常に難しい部分になっているのではないかと思うのです。消費生活センターの職員の方も、割と一定時期に次々と異動があるので、十分な申し送りがされていないというのも1つあるのではないかと思うのです。その辺をお聞きしたいのです。

私が体験したことは、学校の先生が副読本を作られていて全市に配付したのに、調べてみると全く使われていないという現状があったので、紙ベースで配付するだけでは効果がない、出前講座と一緒に配付しないといけないということで、私が所属しているNPOは、そこの内容を伝える参加型の出前講座をしてほしいということで、出前講座をやったのです。

そのとき、その副読本を見ると、かなり間違いになってしまっている部分が多かったということもあるのです。契約の基本の部分などは余り変わらないということで、また更にそこから受託を受けて中学生向けの契約の参加型のプログラム、グッズ、シナリオ、全部付いたものを作りまして、NPOとして提供教材でいろいろなところに配付してもいいし、その市も使いたいので納品してほしいということで、学校の先生もお知らせして納品して、出前講座の関係は続いているので、今もそのプログラムは実施しまして、学校の先生にやりたければこのグッズは市のほうで用意していて、幾らでも使えますからと言っても、そのようなものがあるのですかと、引継ぎがなされていないということがあって、法律がどんどん変わってそれに対応することと、行政職員の引継ぎが十分になされていないという辺りが問題ではないかと思っているのですけれども、その辺の御意見をお聞かせください。

○静岡大学教育学部色川教授 法律が変わるのはいいことだと思いますが、そのレベルまでいっていない場合も多くて、先ほど出てきた契約の基本的なこととか、そういうことでさえなかなかちゃんと教わっていない可能性があります。先ほど言った消費生活センターも実は行ったことがない先生がたくさんいて、どのようなことをやるのかもよくわかっていないという場合が多いのです。

ですから、確かに作るほうから見ると、法律が変わるからどんどん変えなければいけないなどと思うのですけれども、実際に現場の先生はまだそういうレベルではなくて、もっと本当に余り変わらないところで教えることが可能なのかと思っています。

もう1つありましたか。

○大森委員 大体言っていただいたと思うのですけれども、そうしたら、新しいアイデアとしましては、イメージマップの中からこれは是非教えないといけないというものをチョイスして、その部分だけを指導者の解説つきの教材を作っていくということは非常に効果はあるでしょうか。

○静岡大学教育学部色川教授 現状だと、イメージマップが学習指導要領と連動していないので、学校現場で使うというのはなかなか難しいかと思います。けれども、今度、学習指導要領が改訂されますので、それに合わせた形でイメージマップを改定すれば可能だと思います。今のイメージマップだと、先ほど申し上げたとおり、いっぱい書いてあるのです。どれをやればいいのか、先生の好みでやってもいいのですけれども、そうするとみんな教わったことがばらばらになってしまって、基本的に今の若年層に対しての消費者教育としてこういうことは最低やっておいてほしいということがもしあれば、ミニマムのところをまずきちんと押さえていただくようなガイドライン等があれば理想的かなと思っています。

以上です。

○河上委員長 池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。

消費者教育を自治体の中で推進していく消費者行政の職員が全然増えていないということは本当に深刻な問題で、予算は交付金があるけれども、人が全然増えていないというところは共感するところです。問題は、その限られた職員が何をどこまでやればいいのかということ自体が、まだ十分周知されていない、共有されていないというところだろうと思うのです。これは先生の御指摘にもあったところです。

具体的方策の提案の6ページのところでも、例えば教員研修の中でコマを確保し、講師を手配し、あるいは教材を届けるということ。ただ、これは例えば都道府県の中でも教育委員会とか学校教育の分野の職員に動いてもらうことなのか、消費者行政の職員がどこまでやり、どういう役割分担になるのかということが十分整理されていない。たまたま少し熱心な職員はいろいろ動いているけれども、ほかはどこまでやっていいかわからないというところがあろうかと思うのです。この辺りの連携なりあるいは方向性なりというところについて、お考えをお伺いできれば幸いです。

○静岡大学教育学部色川教授 ありがとうございます。

大変今、問題になっているところだと思いますし、重大なところだと思います。消費者行政部局が一生懸命やろうと思っても、教育委員会が余り消極的だったりすると、なかなか動かないのです。今、池本委員がおっしゃったとおり、結局、学校現場で何かやろうとするときは、教育委員会にお伺いを立てなければできないのです。そうすると、企画とか何かを含めて教育委員会に投げて、協力を仰いでやってもらうしかないのです。実際に私も幾つか自治体に直接伺った感じですと、こういうやり方をしているのです。基本的な企画やお金の問題や講師の準備は全部こちらがします、ですから、先生に周知とか、そういうことは教育委員会でお願いできませんかという言い方で、できるだけ教育委員会の負担を減らす形で行政部局の人が取り組むと、協力してくださったりするそうです。本当は一緒に対等にやったほうがいいのかもしれませんが、教育委員会も忙しいので、こちらのほうでかなり踏み込んでやると少しは動くということは伺っています。ですから、そういうやり方で取り組むしか、今のところはないかなと考えています。

以上です。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

いろいろと御指摘いただいた点に関連する問題もまだございますので、続いて消費者庁、文部科学省からヒアリングを行いたいと思います。

消費者庁では、消費者教育の推進に関する法律及び設置した消費者教育推進会議等を活用して、消費者教育の総合的かつ一体的な推進に取り組んでおられるということでございます。

また、文部科学省では、地域における消費者教育が連携・協働により一層推進されることとなるよう消費者教育アドバイザーの派遣や社会教育の仕組み、取組を活用した実証的な調査研究の実施など、消費者教育の推進に取り組んでおられます。本日は、現在の消費者教育に対する取組や検討状況、今後の展望などについて、それぞれお話を伺った上で、引き続き意見交換を行いたいと思います。

消費者庁、文部科学省におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。大変恐縮ですけれども、消費者庁、文部科学省の順で、それぞれ20分程度ずつで説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 消費者庁消費者教育・地方協力課長の金子でございます。本日は御説明の機会をいただきまして、ありがとうございます。

私どもからは、特に若年層における取組を中心に、お手元の資料1-2に基づきまして御説明をしたいと思います。

まず、1ページ目で、最初に御説明をしたいのが、現在の消費者教育推進会議の検討状況についてということでございます。

これまで、法律に基づいてこの推進会議が設置されまして、1期目の検討事項としては、そちらにございますような基本方針であるとかといったものを取りまとめ、1期目の最後にこれまでの検討内容をまとめて平成27年3月に取りまとめという形で公表しており、現在2期目の審議を行っているところというのが現状ということでございます。

その次のページに、昨年3月に1期目の検討の成果として取りまとめたものの中から、特に若年層の取組に関わるようなところだけ幾つか御紹介をしようと思っているところです。2ページ目にございますのは、消費者教育の実践に向けた提案ということで「消費者教育の担い手向けナビゲーション」というものを整理しました。さまざまな担い手、教育の関係者であるとか相談員の方、消費者団体、事業者・事業者団体の方、そういった方々がどのようなことを教えるのかという事例を整理したということで、それに当たっては、学習指導要領との関係も明示しながら事例集を作ったということでございます。

3ページ目、特に消費生活センターの消費者教育の拠点としての機能ということを高めていかなければいけないということで、これについても事例を整理したということなのですけれども、学校での消費者教育の取組であるとか、あるいは教育委員会との連携の事例というものを幅広く整理をしまして、こういったものを参考にしながら各自治体で取り組んでいただけるようにという趣旨で整理したものということでございます。

4ページ目、現在第2期における消費者教育推進会議の検討事項ということでございます。

「(1)基本方針の見直しに向けた論点の整理」ということで、現行の基本方針は平成25年度から29年度までの5か年間のものということでございますので、2期目の改定に向けた検討を現在行っているところということで、ひとまずいろいろな方々からのヒアリングを通じて、現状進捗がどこまでいっているのかということを整理しているということでございます。

「(2)社会情勢の変化に対応した課題」というもの、これが今後の展望といいますか、我々が現在、喫緊に取り組まなければいけない課題と思っているものということになろうかと思います。この中で、最初の3つが特に若年層に関わるものということだと思いますが、順次、状況を御説明したいと思います。

最初に「学校における消費者教育の充実方策について」ということで書いてございますけれども、これは現在行われている学習指導要領の改訂に向けた議論を契機にしつつ、推進会議としてどういったことが重要であるかを提案いただくという趣旨で整理しているものでございます。これは先週3月の終わりに推進会議で御議論いただきましたけれども、大体議論としてはまとまっておりますので、整理ができたところで公表しようと思っておりますが、柱としては3つぐらいございまして、時間の確保ということで、現状家庭科であるとか社会科、公民科といったところで中心に教えられているのですけれども、そういった教科にとらわれず、関連するところを幅広く捉えて連携をしながら時間を確保していくべきではないかというのが1つ目の柱です。

2つ目の柱が、教員に向けての研修ということで、教職課程における研修であるとか、あるいは教員になられてからの研修において、そういった消費者教育について学ぶような機会というものを増やしていくべきではないかというポイントです。

3つ目の柱が、外部人材の活用ということなのですけれども、これについても外部の方々というのは、必ずしもそういう若い世代の人たちに教えることにたけているわけではないので、そういった方々にわかりやすく教えていただくための研修の機会というものも必要だろうし、あるいは教育委員会と消費者行政の部局との連携というものを深めていかないと実際の学校のニーズに合った取組というものもできないではないか、そういったことを提案しようとしているところでございます。

2つ目の「若年者への消費者教育(成年年齢引下げに向けた環境整備)の充実」ということでございますが、これは特に選挙権が18歳に引き下げられたということに合わせて民法における成年年齢の引下げをすべきかどうかという議論が論点となりつつあるわけなのですけれども、それをにらんだ形で、仮に未成年であることを理由に契約を取り消すことが18歳、19歳の方々にできなくなるということになると、それをにらんだ形で高校生のうちに契約に関する概略というものは理解していただかなければいけないだろうということを考えて、現在、高校生の方が使っていただくことを想定した教材を作成しようとしているところです。

これは当初、できるだけページ数を絞った形で自習もできるような形でということで議論を進めておったのですけれども、推進会議の委員の方々からの御指摘もございまして、自習用ということももちろんあっていいのだけれども、学校で副読本として使ってもらえるようなことを想定するのであれば、指導法であるとかといったことも併せて整理しておいたほうが使い勝手がいいのではないのという御指摘をいただきましたので、そういった指導法も含めて今年度いっぱいをかけて整理していこうと思っているところです。

3つ目の「消費者市民社会の形成への参画の重要性の理解促進」についてということなのですけれども、これについてもまだまだ理解を含めていく、啓発を深めていくべき分野だろうということで、そういう啓発用のリーフレットを今、整理しようとしているところです。これも年度内か、この第2期の任期のうちには一応の整理をしようというスケジュール感で思っておりますけれども、こういった啓発のターゲットになるのが特に大学生の方も含めて、そういう若い方々に対しての訴求もできるようなリーフレットを作っていこうと思っておるところです。

消費者教育の推進のためにどういったことをやるかということを、5ページ目以降整理してございますけれども、最初に書いてございますのが、これは基本計画でどういうことが整理されているかということでございまして、特に学校の教育ということに関しては、学習指導要領の改訂に向けた検討であるとか、高等学校段階までにそういったある程度の能力を育むための取組をしていかなければいけないとか、あるいは地域における取組としては、これは強化作戦の項目にもなっておりますけれども、各自治体の推進計画の策定や協議会の設置を促していく、消費生活センターの拠点化を進めていくといったことに取り組んでいこうということになってございます。

こういった計画や協議会の設置状況についての現状ということで、6ページ目に資料を整理してございますが、これは書いてございますように、計画については30都道府県9政令市で策定されている、協議会の設置についても42都道府県12政令市ということで設置が進んでおって、これを我々としても強化作戦の一項目でございますので、重点的に進めていこうと思っているところです。

推進のためのツールといいますか、推進方策として幾つか御説明をと思っておるわけなのですが、7ページ目は先月の御説明の機会にもお話をしました交付金に関わる部分ということでございます。交付金の中で、先駆的プログラムの一項目としてこの消費者教育というものを取り上げているところでございまして、この中で消費生活センターの拠点化とかコーディネーターの人材育成、あるいは若年層に対する消費者教育であるとか子供の事故防止のための取組といったことを自治体の提案に基づいて展開していただけるように、そういうツールを用意しているということでございます。

もう1つ、取組の例として8ページ目に御紹介しておりますのが、これは先月も同じ話をしたかと思うのですけれども、各地方ブロックで担い手の方々に連携を深めるためのグループ・フォーラムというものをやっておりますということです。

これは一部の地域においては文部科学省の「消費者教育フェスタ」と連携した形で行っておりますし、ほかのブロックにおいても消費者教育というものが1つのテーマになっているところが多くございまして、そういった担い手の方々、外部講師になり得るような方であるとか教育関係者の方にも御参加いただく中で、どう連携を進めていくかという議論をしていただいているということでございます。

ほかの事例として、ポータルサイトについても御紹介しているところでございますけれども、特に実際に指導される担い手の方でどういった教材があるかという情報を求める声が多いということで、我々のほうでほかの機関の方が作られたものも含めて情報を収集し、一覧できるようなポータルサイトを運営しているということでございます。これは先ほど御紹介した「消費者教育の担い手向けナビゲーション」の項目であるとかイメージマップに即して、この分野の教材という形で絞り込みができるようになっておりまして、それで担い手の方に教材の検索を容易にするようにということで進めているものでございます。

11ページ目以降は、我々自身もそういった若年層向けの教材であるとか、教材を作る方に使っていただけるようなイラスト集のようなものを整理しているといったことを事例として御紹介しているものです。

その他のところで幾つか、これは教育というか啓発の事例ということになろうかと思いますけれども、御紹介しているのが、1つは「子ども安全メール」ということで、特にこれは学校に上がられる前の小さなお子さんを想定したものなのですけれども、そういった方々の死因の上位に不慮の事故というものがあるということで、親御さん向けにそういった事故情報とか、事故を防止するための注意の喚起を促すためのメルマガとか、そういったものを運営しているということでございます。

16ページに「消費者月間」、来月5月がそれに当たるわけなのですが、今年度のテーマとしては「みんなの強みを活かせ~安全・安心な社会に一億総活躍~」と、一億総活躍というものをテーマに掲げている関係上、幅広い主体の方々を取り上げようとしておりまして、そういった中で若年層の方の取組といったものも我々の開催するシンポジウムで取り上げていければということで、現在準備を進めておるということでございます。

最後に、これは参考程度ということなのですけれども、自治体のマスコットキャラクターと連携いたしまして、小さなお子さんなどにも親しみを持って学んでいただけるような取組も進めているということでございます。

私どもの説明は以上でございます。

○文部科学省初等中等教育局梶山主任視学官 私は文部科学省の初等中等教育局におきまして、主任視学官をしております梶山と申します。よろしくお願い申し上げます。

それでは、私のほうからまず「文部科学省における消費者教育の取組」の学校教育に係る部分について御説明させていただきたいと思います。

資料1-3を御覧ください。

ページをめくっていただきまして「小・中・高等学校における実施状況」というもののその次のページを御覧いただければと思っております。

先ほど来、高等学校等における消費者教育についてのお話がいろいろあったわけでございますが、高等学校等における教育につきましては、学習指導要領に基づき指導を行っているところでございます。その学習指導要領の内容がどういう内容かというものに関しまして、今一度御覧いただければということで、この3ページ以降、まず御紹介させていただければと思います。

こちらは、小学校では平成20年に改訂され、平成23年度から実施されているところでございますが、社会科、家庭科、特別の教科道徳というもの、ここを中心に行われている状況がございます。これ以降も同様でございますが、下線の部分というものが今回の学習指導要領の改訂において充実を図った部分でございます。

例えば社会科におきましては、地域の社会生活を営む上で大切な法や決まりついて、小学校の段階で教えていくということ、一番下を御覧いただければと思いますが、家庭科ですと、自分の生活と身近な環境との関わりに気付き、物の使い方などを工夫できるということ、こちらを充実したわけでございますが、物や金銭の大切さに気付き、計画的な使い方を考えることでありましたり、身近な物の選び方、買い方を考え適切に購入できるというようなこと、こういうことは従来から学習指導要領に盛り込まれ、それぞれの学校で行われているところでございます。

4ページ目を御覧いただければと思います。

中学校でございますが、社会科の公民的分野におきましては「消費者の自立の支援」というキーワードを含めた消費者行政というものが重要であろうということを学習指導要領に盛り込ませていただくとともに、技術・家庭科におきましても、一番上のポツでございますが、自分や家族の消費生活に関心を持ち、消費者の基本的な権利と責任について理解するという消費者基本法でありましたり、さまざまなものを反映した内容というものの充実が図られているところでございます。

そのほか、技術・家庭科におきましては、販売方法の特徴であったり、選択、販売、購入というような、小学校のところをよりステップアップさせるような形、スパイラルと私どもは申し上げているのですが、同じような内容を段階を踏んでより高度にしていくということを意識した学習指導要領というものができているわけでございます。

5ページ目、高等学校でございます。

高等学校におきましては、公民科と家庭科において行われているところでございますが、公民科におきましては、法や規範の意義や役割、消費者に関する問題、金融制度や資金の流れ、金融環境の変化、これは後ほど教科書を御覧いただければおわかりいただけると思います。

家庭科につきましては、消費生活の現状と課題や消費者の権利と責任、消費生活と生涯を見通した経済の計画、契約、消費者信用及びそれらをめぐる問題、また、消費者問題や消費者の自立と支援、持続可能な社会を目指したライフスタイルの確立、こういう内容につきまして、学習指導要領の中で記述し、これに基づき教科書ができ、その教科書を主たる教材として各学校において指導が行われる、このような状況になっているわけでございます。

具体的な教科書の例ということで、先ほど小学校・中学校、特に高等学校など、先生方は御覧いただいた方も多いと伺っておりますが、6ページの家庭科というところを御覧いただければと思います。これは5、6年生の家庭科でございますが「買う前に考えよう」というところで、本当に必要かというところから始まりまして、消費というものに関して、自分でじっくり考えていこうと、こういうことを学校において教科書において指導していく、このようなところが教科書で見られるところでございます。

また、7ページ目を御覧いただければと思います。

「買い物のしかたを考えよう」というところで、真ん中に線のところがあると思いますので、こちらを御覧いただければと思いますが「買い物の手順」ということで、計画を立て、品物を選んで、買って、支払って、使って、振り返るということでありましたり、例えば左下のところにエコマークとかJASマークとかJISマークとか、そういうさまざまなマークというものが商品の表示にあるというところも紹介されているところでございます。

また、8ページ目を御覧いただければと思います。

中学校を御覧いただければと思いますが、中学校につきましては、先ほど申し上げたところでございますが、社会科(公民的分野)において「きまりの意義」ということで、社会生活が円滑に進むために決まりというものが非常に重要なのだというところ、こういうところを指導するとともに、9ページを御覧いただければと思いますが「わたしたちの消費生活」というところで、例えばこちらに関しましては、右上のところを御覧いただければと思いますが「お金の使いみちを考えよう」というところで、20年後30歳代半ばになったあなたはこれだけの収入があるということを前提にいろいろなことを考えてみましょうという、ライフスタイルを見越した、今後の将来を見越したお金の使い道ということに関して指導しているというところがございます。

また、10ページで、同じくこれは社会科でございますけれども「消費者の権利」というところで、左側にありますように、インターネット通販であったり、無料商法であったり、マルチ商法、こういうようなこと、これは高校になれば更に詳しくなりますが、そういう課題があるということをこういうところで扱っているところでございます。

右上のところも御覧いただければと思いますが「消費生活と契約」というところがあろうかと思います。これは先ほど来、契約というものの重要性につきまして、先生方からもお話があったところでございますが、自分たちが契約に関わっているというところに関して、身近な例というものを引いて、このような記述が行われているところでございます。

11ページを御覧いただければと思いますが、このように先生方がお話をしていくだけではなくて、これからの学習において、実践的なものを行うというのが非常に重要でございます。その一例というところで消費者教育においても入っているところでございますが、右下の「ロールプレイングに挑戦しよう~悪質商法のだましの手口~」という実践的なものに積極的に取り組むというところをこの教科書では挙げているところでございます。

次のページを御覧いただければと思いますが「消費者の8つの権利と5つの責任」といったようなところも紹介するとともに、13ページを御覧いただければと思いますが、事例を通して消費者の権利と責任を具体的に考えるといった点、先ほどよりもより充実した形で自分がTシャツを作る際にこういう課題が出てきたのだけれども、どういうところで消費者として考えていくべきかということを考えさせるような内容、こういうところもあるところでございます。

14ページに関しましては「消費者を支えるしくみ」ということで、機関や法律、クーリング・オフといった制度があるというところ、それから、自立した消費者になるというところが重要なのではないかというところがございます。

15ページを御覧いただければと思いますが、これは実は今まで御説明していたのは平成27年度の供給本で、平成28年度にその時々の状況を見据えまして、中間段階的なアップデートが教科書はされることになっております。教科書採択が4年のサイクルで変わっていくことになっておりまして、こちらで見られるものをピックアップさせていただいたところでございますが「こんなとき、あなたならどうする?-トラブルへの対応-」という内容、こういうところも含まれているところでございます。

16ページ以降を御覧いただければと思います。

これが、高校における話でございます。高校におきましては、先ほどお話がありましたように、公民科と言われるところと家庭科と呼ばれるところ、そちらの2つを中心に特にやっているわけでございますが、公民科の現代社会におきましては「市民生活と法」というところがございますとともに、17ページを御覧いただければと思いますが「日常生活のなかの契約」といったところで、この内容について中学校より詳しく高校レベルで教えていくというところがあるわけでございます。

18ページをまた御覧いただければと思いますが、こちらが「自立した消費者への道」というところで「消費者」という文言も特に出てくるわけでございますが、左上の「消費者主権」というところを御覧いただければと思いますが、こういう言葉をしっかり教えた上で、18ページの右側にありますように、具体的な「現代の消費者問題」という言葉の中で、インターネット通販から無料商法まで、そういう類型というものを取り上げていくというところが、公民科で行われているところでございます。

19ページでございますが、こちらに関しましては、家庭科で行われているところでございます。先ほどお話のありました家庭基礎ということで、2単位で70単位時間で行われている科目でございますが、こちらにつきましては「現代の消費社会」というところで大きな単元があるわけでございまして、こちらにつきまして、多重債務とか、そういうところまでを含めて考えていくというところがあるわけでございます。

20ページを御覧いただければと思いますが、例えば「利息について考えよう」というものが右のところにあります。そのようなところで、生徒たちが今後につながるというところ、そういう情報についても取り上げるというところがあるわけでございます。

次のページを御覧いただければと思いますけれども、「消費者をめぐる問題」の中でも一番下のところに「若者がねらわれやすい悪質商法」ということで、さまざまな類型ということ、こういうところがやるところでございまして、先ほども申し上げたところでございますが、小・中・高というところでスパイラル、ある程度繰り返してそのレベルに応じてやっていくという指導が行われているところでございます。

先ほど社会科と家庭科の違いは何かというお話もございました。基本的に家庭科というものに関しては、個人または各家庭がどのようにやっていくことが重要なのかというところを学んでいくというところと、社会科に関しては社会システム、社会の制度がどうなっているかを中心に学んでいく。そこがクロスカリキュラムと私どもは申し上げておりますが、両方やることによって、全体として消費者教育というものに関して質や能力を向上させていくことが重要なのではないかと考えております。

また、先ほど消費者庁の資料にもありましたし、先生方のお話にもあったところでございますが、イメージマップで書いてある内容につきましても、先生方に御覧いただいたように、もちろん1対1でこう対応というわけではないのでございますが、その内容につきましては、この内容にほぼ含まれているのではないかと。こちらは書いておりませんが、情報モラルにつきましては、例えば情報科であったり、さまざまなところでやっている部分がございますので、そういうところを含めて学校教育において対応をされているということになっていると私どもは考えておるところでございます。22ページ、学習指導要領のことに関してはそうでございますが、先生方におっしゃっていただいたように、さまざまなところにおいて魅力的な、また、先進的なプログラムというものを紹介していくというのも非常に重要なところでございます。私どもとしても「実社会との接点を重視した課題解決型学習プログラムに係る実践研究」というところで、私どもはモデルプログラムと申しておりますが、ある学校を支援いたしまして、そこで魅力的なプログラムをやっていただく、それをまとめてほかのところに広げていくようことができないかというところをやっておるところでございまして、類型IIのウのところを御覧いただきますと「経済的主体となること」というところに金融の働き、消費生活、職業選択などもありますが、こういうところに関してそれぞれのモデル校的なところの実践研究というもの、こちらを支援していくというところをやっているところでございます。23ページにつきましては、先ほど来、お話をいただいているところでございますが、学習指導要領というものが今、改訂の検討をしているというところ、こちらを御紹介しているところでございます。こちらにつきましては、平成26年の11月に中教審でその諮問を行ったところでございまして、その諮問の審議事項の柱として「趣旨」の右側を御覧いただければと思うのですが、これからの教育においては「何を教えるか」という知識の質・量の改善に加えまして「どのように学ぶか」というところという、学びの質や深まりを重視する、こういうことを考えていくのが非常に重要なのではないかと。また、学びの成果として「どのような力が身に付いたか」という視点が重要なのではないかと。このような点から検討を行っているところでございます。

また、具体的な内容につきまして「審議事項の柱」というもの、こちらは私どもが諮問を行ったところでございますが、2.のところ「国家及び社会の責任ある形成者を育むための高等学校教育の在り方」というものを特に検討しているところでございまして「主体的に社会参画するための力を育てる新たな科目等」こういうことについて中教審のほうで御検討いただきたいと、こういうところをやっているところでございます。

具体的には、25ページを御覧いただければと思いますが、高等学校の公民科におきましては、新しい科目というところで「公共」というものが考えられているわけでございますが、その際に、この2番目のところにあるわけでございますが「消費などの経済的主体等として求められる力」というものに関して、各学校段階を通じて体系的に育んでいくということの重要性が高まっているということで、高校段階において、そのようなところを行っていくということが挙げられます。

26ページを御覧いただければと思いますが、マル3公民科における共通必履修科目として、全ての子供たちが学ぶ教科として、家庭科や情報科をはじめとする関係教科・科目とも連携しながら、主体的な社会参画に必要な力というものを人間としての在り方、生き方の考察と関わらせながら実践的に育む科目の設置を検討する、こういうところを言っているところでございます。

もう1つ、先ほど来、申し上げている社会科に加えて、非常に大きな消費者教育の中核であります家庭科のところでございますが、家庭科につきましては、この線を引いているところでございますが、小・中・高等学校を通じて育成すべき資質・能力を三本の柱に沿って明確化し、各学校段階を通じて家庭や社会とのつながりを重視するとともに、少子高齢社会や資源や環境に配慮したライフスタイルの確立や持続可能な社会づくりのための力や、他者と共生し自立して生活する力、生涯を見通して生活を設計し創造していく力の育成、こういうところで子供たちが何をできるようになるかというところを中心に検討しているところでございます。

27ページについては、家庭科の在り方ということで、検討の段階の途中でございます。「改善の視点(案)」は先ほども御紹介したところとかぶるところはございますが、赤のところの右から2つ目のところで「持続可能な社会を構築する力」ということ、こういう力を子供たちに育むのではないかというところ、それから、下の右上の「生活者の視点を踏まえた消費者教育の充実」というところ、公民科における新科目の在り方と連携していくのだというところです。

28ページが「公共」というものに関しての現在の検討の途中段階のところでございますが、この公民科における「公共」におきましては、この花びらのような、これが全体の構成図なのですが「国家・社会の形成者として、必要な知識を基盤として選択・判断の基準を形成し、それを使って主体的な選択・判断を行い、他者と協働しながらさまざまな課題を解決していくために必要な力」こういうものを育んでいこうというところで、さまざまな主体として必要な力を考えているわけでございますが、右上の「経済的主体となること」というところを御覧いただければと思いますが、生産者や労働者と並んで消費者というところも重要でございます。こういうところにつきまして、先ほど来、お話があるように、学習活動の例として、討論だったり、外部の専門家の講演であったり、新聞を題材にした学習、体験活動、こういうものを関係する専門家や機関のお力も借りてやっていく、こういう新しい科目を作る方向で今、検討しているところでございます。

先ほど来、副教材のお話もいただいているところでございます。副教材に関しましては、御参考になる例といたしましては、先ほど20歳の選挙権が18歳に下がったところでございますが、それにつきましては、総務省と私ども文部科学省で連携させていただきまして、全ての高校生に行き渡る子供たち向けの副教材を作成させていただくとともに、生徒用だけではなくて先生向けの指導者用の資料というものも学校の学級担任、公民科の先生の分を全部配らせていただきました。ただ、予算の規模が非常に大きくなりまして、総務省のほうで予算を組んでいただいて、基本的にそれぞれの省庁で組んでいただいたところでございますが、3億円近くのお金というものを、これは1、2、3年ということなので3億円になりましたが、1学年であれば1億円程度のお金というもの、そういうものをやっていただいた、こういうことも含めて、先ほど来、お話しいただいているように関係機関との連携でありましたり、実質的な子供たちに考えさせる学習というものを進めるということを、私どもとしても進めてまいりたいと思っているところでございます。

学校教育は以上でございます。

○文部科学省生涯学習政策局高橋男女共同参画学習課長 文部科学省生涯学習局男女共同参画学習課長の高橋でございます。

今、当省の初等中等教育局視学官の梶山から小・中・高等学校での取組について御説明させていただきました。私ども生涯学習政策局では学校と地域ですとかさまざまな団体とが連携して行うような消費者教育、または、大学や地域の方々が関わるような消費者教育といった辺りをカバーしてやっております。

29ページに、最近の取組ということで整理させていただいております。1つは、消費者教育推進委員会を私どもは運営してございまして、30ページ、右側の構成を御覧ください。平成27年度には学校の先生、団体の方、消費者教育推進会議の会長もされている西村先生というようなメンバーで、学校と地域、さまざまな消費生活相談員の皆様という関係での消費者教育の進め方を御指導いただいているところでございます。

具体的にはどういう形で進めているかといいますと、31ページを御覧いただきたいと思います。

私どもとしましては、学校でどういう形で消費者教育をやっていくのかという中身の部分と申しましょうか、どういう工夫をしていったらいいのだろうかということを、先生方と一緒に考えていくことが必要なのではないかという考え方に立ちまして、これは昨年度大分大学や教育委員会にも御協力をいただきまして、関係の先生方に集まっていただいて、「消費者教育フェスタ」を開催させていただきました。

ここでは企業の方に来ていただいて、デモンストレーション授業をやっていただく。パネルディスカッションで考えを深める。また、事例報告の中では具体的な宮崎大学の附属小学校の学校の中での指導の例もあるのですが、そのほかに例えば横浜市では教材開発について、公民館におきまして、地域課題の解決ということと消費者教育を結び付けた取組ということを発表していただきまして、学校の中だけにとどまらない広がりのある消費者教育というものの工夫を広げていきたいということでございます。

大分ではこのような形で行いましたが、そのほか、岐阜では消費者庁と共催という形で、「消費者教育実践フォーラム」を開催しました。これは32ページを御覧ください。これも岐阜県教育委員会に御協力いただきました。岐阜県は非常に消費者教育に熱心でございますが、その岐阜県内の先生方も100人ぐらい御参加いただきまして、具体的にどのような工夫があり得るのか、また、どのような指導上の悩みといいますか、どのようなことで困っているのかということを議論し合って、どう解決していくのかということを分散会という形でさせていただきました。

事例報告では小学校・中学校・高校までの具体的な指導の事例報告をいただきまして、さらに、その分散会という形で、ここでは学校の先生方と地域の方、また、弁護士会や生活センターの皆さんがそれぞれの班に分かれまして、具体的に学校で指導していく上での外部人材の活用や外部との連携のやり方について議論を深めたところでございます。

このような問題意識を私どもは持っておりまして、それを受けた形で33ページから、これは最終的には冊子の形にして活用していきたいと考えているものでございますが「いつでも どこでも だれでも できる!」という形で、これは指導者の方、主に学校の先生、社会教育主事、消費生活相談員の方が具体的な消費者教育を指導していく上でのヒントとなるような小冊子を昨年度編集いたしました。

基本的な考え方としましては、35ページを御覧いただきますと「消費者市民社会」という考え方に立ってどう考えるのか、生活の中での契約や安全、メディアという形で整理したものでございます。

内容のポイントとしましては、例えば37ページは見開きになっておりまして、左側のページは中学校3年生の社会科の授業の例ですけれども、これは消費者教育の中核的な教科で既にこういう授業がありますということでございます。ワークシートの例なども付けて、具体の指導に生かせるようにしております。

右側に参りますと、数学におきまして、リボルビング払いの利息を計算してみるというものです。これも消費者の視点を取り入れた授業内容になっています。

最後は、地域の活動として親子で金銭感覚を身に付ける、地域課題の解決ということで展開しているものでございます。

その次の38ページ、安全のところも同じような構成になっておりまして、技術・家庭科の技術分野では、取扱説明書の重要性について理解し、安全マニュアルの作成に展開した授業、最後はNPOとの連携ということで、どの項目についてもそういう形で編集させていただきまして、例えば40ページの「消費者市民社会」につきましては、左側、家庭科におきましてはESDを題材にしており、外国語、英語の授業でフェアトレードを取り上げているということ、地域課題の解決における消費者教育ということで七尾市の事例になっています。

その次の41ページ、42ページ、ここは学校の先生方が地域のさまざまな地域資源を活用して、外部の方のお力を借りて消費者教育をやりたいというときに、具体的にどうやったらいいのか非常にわからない、誰に連絡していいのかわからないという御指摘が多々ありますので、ここでは41ページは岐阜、42ページは岡山、それぞれに具体的にどういう形で外部の方々と学校とで連携をして、その消費者教育を進めているかという、苦労話も含めてまとめております。

あとは用語解説など、最終的には44ページで先ほどの色川先生の話にも出てきました消費者教育のイメージマップと学習指導要領を照らし合わせて御覧いただけるようにしております。このようなものを昨年度作成しましたので、私どもとしましては学習指導要領の内容、教科書はかなり充実しているということで、実際にそれをどう先生方に学校で教えていただくのか、このような形で地域の方との連携も必要でしょう、生涯学習的手法も必要でしょうということで、今年度はまた消費者庁とも協力をしながら進めていきたいと考えているところでございます。

以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明の内容について御意見、御質問のある方は発言をお願いしたいと思います。色川先生も適宜、御遠慮なく議論に参加してください。

長田委員、どうぞ。

○長田委員 まず1つ目は、消費者庁に御質問です。先ほどのお話の中にも教材が手元に行っていないという話のところで、ポータルサイトが消費者庁のところにできた時点でそういう意識はすごくあって、ポータルサイトの活用は少しずつよくなってきていると思いますが、ポータルサイトのナビゲーションがどのくらい利用されているのかというところを教えていただきたいと思います。

それから、文部科学省の梶山さんのお話の、23ページの初等中等教育の諮問を受けて中教審で議論されているということなのですが、消費者教育についてはかつてから何度もマトリックスしてみたり、マップを作ったりいろいろな研究がずっと進んできていて、しかし、実質的な消費者教育がなかなか進んでいない1つの原因に、消費者教育がいろいろ行われていても、最終的な評価というものをどう見ていけばいいのかはすごく大きな課題として、これも国生審の時代から何度も指摘をされてきているところだと思います。ここで今、審議途中だと思いますけれども、何か方策について具体的な御意見が出ているのかどうかを教えていただければと思います。

○河上委員長 消費者庁からお願いします。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 まず、我々のポータルサイトに対するお尋ねということでございましたけれども、申し訳ございません。アクセス数のデータについては今、手元にありませんけれども、ただ、できるだけ我々としても周知するようにということで、先ほどのグループ・フォーラムとか、そういったイベントをしたときも含めて、関係する方々への周知というものは引き続き行っていきたいと思っております。

○河上委員長 アクセス数は簡単に調べることができるのですか。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 調べることは可能だと思います。

今、聞きましたところ、3月末までの昨年度1年間で大体890万件ぐらいのアクセスということでございます。

○河上委員長 890万ですか。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 はい。詳細はまた必要でございましたら、データを調べてお届けしたいと思います。

○河上委員長 よろしくお願いします。

それでは、文科省、お願いします。

○文部科学省初等中等教育局梶山主任視学官 資料の24ページを御覧いただければと思います。

先ほど、文部科学省においてどういう力を育むかというところを中教審のほうでお考えいただきたいと諮問していると申し上げたところでございますが、学力に関しまして3つ要素があるのではないかというのを今、整理しております。

1番目が何を知っているのか、何ができるかという、どちらかというと知識的なもの、2番目のところが委員御指摘のところだと思うのですけれども、知っていること・できることをどう使うかというところ、3番目がそういうことを知った上で、それを社会参画であったり、現実の社会をどう変えていこうかというような学びに向かう力とか態度、意欲というところなのですが、この3つをきちんと見ていかなくてはいけないのではないかという方向が今、検討されております。

小学校・中学校においてはある程度こういうところが重要だというところが小・中学校の先生は思われているところがあるのですが、高校はどうしてもこれを知っているというところが非常に先生方の意識として強いので、こういうi、ii、iiiというものの文脈で、それぞれどういう資質や能力を育むかというものを整理した上で、それに基づいて評価していただく。その評価というのは多分学校における通常皆さんが想定しているようなテストだけではなくて、例えばレポートを書かせたり、先ほどのロールプレイをやったときにどういう言い方をしているかとか、どういう積極的な態度をとろうとしているかとか、そういうところから見て判断していくというところが重要なのではないか、これは消費者教育だけとは限りませんが、現実の社会の課題に関してやっていくときに、特にそうではないかという話が議論されているところでございます。

○河上委員長 大森委員、どうぞ。

○大森委員 消費者庁と文科省に1つずつ質問があります。

まず、消費者庁の16ページのところに「消費者月間」のことについて書かれています。今年の統一テーマが書かれているのですが「みんなの強みを活かせ~安全・安心な社会に一億総活躍~」と書いて、下に「老若男女問わず社会に関わる」とか、素晴らしいことが並んでいるのですけれども、私の偏見かもしれませんが「消費者月間」の統一テーマで、全国で何か所か開催されるのですが、その情報がなかなかぎりぎりまで出てこなくて、割合に形式的になっているのではないかという気がします。今回若者に消費者教育ということもありますので、この若者が参加するような企画などがあるのかどうか、いつ、どこでどういう内容で予定されているのか、わかる範囲で教えていただきたいのです。

文科省のほうですけれども、32ページに地方消費者グループ・フォーラム、消費者庁の企画と連携して消費者教育フェスタを開催していることが載っているのですが、開催時間が13時から16時45分となっています。消費者庁の消費者フォーラム自体がこれぐらいの時間で行われていると思うのですけれども、どういう時間配分と内容の振り分けがなされているのか教えていただきたいことと、この消費者庁の行っている地方消費者グループ・フォーラムでも学校への消費者教育をやるときに、教育委員会がハードルとなって推進がうまくいっていないという意見がたくさん出るのですが、お答えいただく文科省関係の方がいつもいらっしゃらないので、何か議論が空回りしているような感じがあるので、できるだけ地方消費者フォーラムのほうにも出ていただけるといいなと日頃から考えているのですけども、その辺は無理なのかどうか、この2点をお聞かせください。

○河上委員長 では、これも消費者庁からお願いします。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 まず、お尋ねのありました月間についての取組ということでございますけれども、確かに周知等が十分でないという点、御指摘のとおりかと思います。現在、地方公共団体と関連する形でどういった事業をされるのかというものは集計中でございまして、できるだけ早くにそういったものを我々のホームページでも掲載できるようにとは思っております。我々の月間の関連のシンポジウムについても、一部内容が固まっていないところがあるので、まだ掲載しておらぬのですけれども、5月下旬に都内で行う予定でございまして、その中でも若者の取組というものを紹介できるような時間を設けるつもりでおるところでございます。

以上でございます。

○河上委員長 文科省、お願いします。

○文部科学省生涯学習政策局高橋男女共同参画学習課長 32ページのフォーラムでございますが、この資料の説明が不十分で申し訳ございません。これは文部科学省と消費者庁の共催で実施しております。ただ、その次にございますが「地方消費者グループ・フォーラム(中部ブロック)」実行委員会の3者共催という形になっております。岐阜県が主な実行部隊ということで、私どもの消費者教育推進委員会のメンバーでもある水川委員にも加わっていただき、今回は学校教育でどのような消費者教育を行っていくのか、それから、外部の方にどう学校の中で消費者教育をやっていただこうかという観点から進めさせていただきました。そういったことから、教育委員会を通じて県内の先生方に声を掛けていただいたということです。

全体の時間配分という御指摘でございましたが、事例報告と分散会での議論という全体の流れから言うと、事例報告的な、どちらかというと講義を聞く時間が大体1時間半程度、後半の分散会、小グループに分かれて討論をしていくというのが、これまた1時間半程度ということでございます。

この岐阜のフォーラムで出た意見としましては、岐阜が、もともと消費者教育に熱心だという土壌があった上での話ということで御理解いただきたいのですが、外部の方に消費者教育を助けていただきたいと学校の先生が思っても、誰に連絡していいかわからない、どのような地域の資源があるのかわからないという意見が非常に多くて、その辺は分散会で名刺交換をしたり、連絡先がわかったので、これから先、相談ができますねという話が非常に多かったと思います。

私どもとしては消費者庁とこれまで以上に協力していくという流れの中で、こういった形で、もちろん我々だけではなくて地元ということになると教育委員会の方の御協力というのがかなり必要になってくるかと思うのですが、そういった面も含めて今後とも協力してやっていくということが可能だと思います。

○大森委員 すみません。質問の答えをいただけていないものがあるのですけれども、地方消費者フォーラムに文科省の方が出ていただけないかどうか。

○文部科学省生涯学習政策局高橋男女共同参画学習課長 もちろんこれは地方消費者グループ・フォーラムを我々と消費者庁で共催したパターンですので、そういった相談がうまくまとまれば幾らでも出ていくことは可能だと思います。そういう中で、それぞれ先生方とか、地方のそれぞれの事情があると思うので、なかなか通り一遍というわけにはいかないと思うのですけれども、我々は先ほどの小冊子も昨年のうちに作りましたので、そういうものを活用しながら先生方と一緒に勉強していくということは十分に可能だと思います。

○河上委員長 では、鹿野委員、お願いします。

○鹿野委員 消費者庁と文科省に1つずつ質問をさせていただきたいと思います。

まず、消費者庁に対する質問ですが、お配りいただいた資料の4ページの(2)のマル1で「学校における消費者教育の充実方策について」という項目に関して、更にこれについては3つの柱があるという御説明を先ほどいただきました。その第1の柱として、家庭科、公民に限らず、より幅広い消費者教育をやっていくという趣旨の御説明があったかと思います。そこで、それについて具体的にはどういうイメージを持っていらっしゃるのかということについて、更に少し御説明を加えていただければと思います。

その後、文科省から御説明をいただいていた中に、特に最後のほうの消費者教育のヒント、事例集の御説明の中に、例えば数学科においてリボルビングの計算をしたりとか、あるいは外国語の教育の中で、消費者関連の問題を取り上げたりという例が出てきたのですが、そういうことも考えていらっしゃるのか、あるいは別のことを考えていらっしゃるのかということも含めてお聞きしたいと思います。

ついでに申し上げますと、ヒント・事例のところで、今、言及しましたリボルビングなどの例は面白いと私は個人的には思ったのですが、ただ、これを実際に数学科等で取り上げていただけるのかということが心配です。アイデアとしてはすごく面白いのですが、どうやってこういうことの実現を確保していくのかということも更なる課題としてあるように思われますけれども、その点についても何かお考えがありましたら、御説明をいただければと思います。これが消費者庁に対する質問です。

文科省に対してですけれども、まだ検討中なのかもしれませんが「公共」という科目の新設についての御説明がありました。それについて、質問をさせていただきたいと思います。

資料の26ページのところで、公民科における共通必履修科目として「公共(仮称)」という科目の設置を検討することが求められるということで、より具体的な内容について、資料の28ページに記載があり、これについての御説明をいただきました。まだ検討中ということなので、はっきりお答えできない部分もあるのかもしれませんけれども、現段階の検討の内容ということで確認させていただきたいと思います。これは、公民という科目の中に「公共」があって、これが必修部分だということですので、その必修以外にも公民というのは残るということで理解してよろしいでしょうか。その上で、その必修ではない公民とこの「公共」との役割分担といいましょうか、特に消費者教育に関わる部分についてどのような役割分担が考えられているのかを伺いたいと思います。基本的には、必修だから最も重要なところが「公共」のところに来るのかなとも思われるのですが、他方、28ページの資料を見ますと、学習活動の例として学習のやり方についても新たなアプローチというものも強調されていますので、必修の部分とそうではない部分の区分けというものをどういうイメージで捉えていらっしゃるのかということについて教えていただければと思います。

以上です。

○河上委員長 消費者庁、お願いします。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 お答えいたします。

まず、お答えする前に先ほどお尋ねのありましたポータルサイトのアクセス数について、手元にデータが参りましたので、お答えをしたいと思います。平成27年度の1年間で897万8,877件のアクセスということでございました。

次に、いただいた御質問に対してということでございますけれども、あらゆる機会を捉まえてというのはどういう趣旨かということでございますが、まさに委員のおっしゃったような数学でリボルビングの計算をするとか、フェアトレードのことを外国語で学ぶときに合わせてそういったことについて学ぶという、そういったことを我々としても想定しておったということでございます。

それ以外にも、例えば総合的学習の時間を活用するとか、あるいは関連する金融経済教育であるとか、食育とか、環境教育なども我々の消費者教育に密接に関わる部分になろうかと思いますけれども、そういったところとの連携もしながら、要は、できるだけ多くの時間を確保して、その中でより実践的な内容を学んでいただけるようにしたいというのが、今、我々の提案の中に盛り込もうとしていますということで御説明したかった趣旨ということでございます。

○文部科学省生涯学習政策局高橋男女共同参画学習課長 事例集の説明が不十分で申し訳ございませんでした。ここで挙げている事例というのは、我々が考えたアイデアベースのものではございませんで、既にこういう指導が行われていますという事例でございます。先生方は学習指導要領に基づき授業をされていますので、「視点」という言葉を使っておりますけれども、ここは消費者教育の視点を持ち得る部分がほかの科目でもあるのだなというアイデアをヒントとして御提供すると、もう少し違った見方での広がりも出てくるのではないでしょうかということで整理されておりますので、決して単にアイデアベースということではございませんで、こういう実践例は既にあるという前提のものであるということで御理解をいただけたらと思います。

○鹿野委員 ありがとうございます。

実践例ということであっても、やはりそれは自覚ないしやる気がある担当者がおられて、それで初めて実現できるということには変わりがないと思いますから、そういう意味で、それをどう広めていくかということは今後の課題として残っているのではないかと考えております。

○文部科学省生涯学習政策局高橋男女共同参画学習課長 その点は、先生方と先ほどのフォーラムのような形で議論する機会を各地でより広く、熱心なところだけでなく設けていきたいと考えております。

○文部科学省初等中等教育局梶山主任視学官 仮称でございますが「公共」とそれ以外の科目の関係でございます。「公共」に関しましては、先ほどもおっしゃっていただきましたけれども、共通必履修科目というところで、高等学校段階の生徒が基本的に身に付けていただきたい資質や能力というものを育んでもらう、全ての生徒たちに育んでもらいたい内容を実施する科目としてこの「公共」というものを考えております。

それにプラスアルファとして、自分の進路に生かしていきたいとか、もしくは自分が興味・関心があるという方々を対象とした選択科目というものを基本的に置けることになっておりますので、その選択科目の内容として、現在は、実は科目名はまだそのままになるかどうかわかりませんけれども、倫理というものと政治経済、その2つの科目がございます。そこも引き続き、この共通必履修の科目にプラスアルファし、その中の政治経済のところで消費経済的なところについては扱っていくのではないかと思っております。

○鹿野委員 ありがとうございました。

○河上委員長 池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。

文科省に1つ質問と、2問目は消費者庁、文科省両方にということになります。

まず学校教育、小・中・高校については、先ほど御紹介いただいたように何を教えるかということで、教科書や副読本について、非常に内容豊かに準備されていること、どう教えるかということについても、事例集あるいはフォーラムのようなところで発表したりという機会で、これも豊かになってきているなという印象を受けました。

学校教育の場合は誰が教えるか、家庭科、社会科で主体もある意味、決まっていますから、その人たちが全国でそれぞれが豊かに動いてもらうためにどう広げていくかということが課題ではないかという意識でいます。従来もいろいろなシンポジウムなどに行くと、どこ学校の何々先生は非常に熱心で、消費生活センターも巻き込んでいろいろやっているなど聞くのですが、それがそれぞれの学校の先生が新しい課題、新しい情報なので、それを受け止めてやっていくための教員研修でしょうか、そういう場合、こういう消費者教育の問題をきちんと位置付けて参加してもらうという、そこについての工夫というものはどのようなことをなさっているのか、あるいはどういうことを計画されているのかという点が第1点です。

2点目は、これは文科省と消費者庁、両方ですが、まさに社会に出る1歩前というか、半分出ていく大学、専門学校、この部分は何を教えるかということも指導要領があるわけではありませんし、どう教えるかも、たまたま熱心な大学の先生が個別の自分の子まで教えているとかという本当の断片的な情報だけで、それぞれの大学の中で、だからといって通年の教科の中に位置付けるというわけにもなかなかいかないですし、どういうところへ位置付けてどういうタイミングを持って、しかも誰が教えるのかという辺りを含めた何らかの実践例なり、それを広げていく工夫がまだまだ不十分なのではないかと思っているわけです。その意味で、文科省なりあるいは地域の教育委員会なりが大学、専門学校に対してどういう働きかけができるのか、あるいはしているのかということ、それは、消費者庁にもお伺いしたいのは、消費生活センターあるいは消費者行政から大学、専門学校に対してそこの働きかけというものが、何かこういう例があるとか、こうやって広げることを検討しているとか、何かそこのヒントになるものがあれば教えていただきたいと思います。

○河上委員長 では、1問目から文科省にお願いしましょうか。

○文部科学省初等中等教育局梶山主任視学官 先ほど来、申し上げているところでございますが、小・中・高等学校の学習につきましては、学習指導要領に基づき行われている、また、それに基づいて作成された教科書というものを使って行われているところでございます。

こちらにつきましては、高等学校などを例に見ますと、今年まさに3月末に卒業した方が実は新しい学習指導要領の1期生なのです。そのような学習指導要領の改訂に当たりましては、その学習指導要領の変わった内容につきまして、各学校であったり、都道府県においてもそれを研究したりすることがよく行われるところでございます。今回、先ほど御紹介いたしましたように、消費者教育に関して充実が図られた部分、結構ございますので、そのようなことを含めて消費者教育に関する研修、その意識の向上というものが一定程度働いてきているのではないかと思っているところでございます。

あわせて、先ほど来、申し上げているようなさまざまな立場の方から学校側に対しまして、こういうことがあるよとか、こういうことが重要だということに関しまして、ある意味、お教えいただくことも非常に重要だと思っておりますので、そのようなところを先ほどの先生の資質の向上を図ってまいりたいと思っております。

以上でございます。

○文部科学省生涯学習政策局高橋男女共同参画学習課長 御指摘いただきました大学や専門学校、地域の問題でございますが、昨年度は先ほどの小冊子の編集ですとか「消費者市民社会」の考え方をどう展開していくかということで、どちらかというと小・中・高を中心にさせていただいたところもございますが、本来我々のほうでも大学や社会教育におけるという部分での取組を推進しておりまして、大学等でのどのような形で行われているのかという事例を調べて皆様にお知らせするということもやっております。大学や専門学校と御相談して、そういう方面での強化ということを今年度や来年度に取り組んでいくということも十分考えられるところではございます。

一般的に申しますと、大学ですと、多くの場合は大学の生協ですとか、いわゆる学生部のようなところが中心になって消費者教育を展開している例が多くございます。また、特に最近は大学で初年次教育と申しまして、昔でいうと入学者に対する説明、オリエンテーションのところを今、初年次教育ということで、そこを非常に厚く各大学で取り組むようになっているのですが、そういう中に生協の方もしくは外部の消費生活センターの方に来ていただいて、消費者教育を展開していくという事例は見られるようでございます。

18歳で社会に出まして、大学、専門学校に入ると、例えば初めてひとり暮らしをするなどという大事な時期ですので、そういう観点から、我々もどういう充実策が考えられるのか、少し勉強してみたいと考えます。

以上です。

○河上委員長 今の点は、消費者庁はいかがですか。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 基本的に同じ答えになってしまうかと思うのですけれども、大学の新入生のオリエンテーションとか、あるいは大学生協との連携等でワークショップを開かれる例とか、そういったものは我々としても承知をしているところで、そういったところで消費生活センターなり、そこで勤務する相談員とかが、きちんと必要な役割を果たしていけるように我々としても取り組んでいくということでございます。

○河上委員長 色川先生、先ほどの調査の結果だと、消費生活に関しては先生方、苦手意識が強いというお話がございました。今、文科省や消費者庁が取り組んでいるいろいろなプロジェクトがあるわけですけれども、何か御感想なり、ここは問題があるのではないかということがありましたらお願いします。

○静岡大学教育学部色川教授 偉そうに言うのもあれなのですが、取組自体は本当に今までに比べたらずっとやられているし、これがずっと続くといいなというのがまずあります。5年、10年続かないと、恐らく成果にならないだろうと考えています。毎年いろいろな試行錯誤をしながら続けていただくことに、意味があるだろうと思っています。その結果として、例えば生徒がどのぐらい身に付いたのか、あるいは学生でもそうですが、その辺の評価ができるような調査でもいいのですが、そういうことが必要ではないかと考えます。先ほど話を飛ばしましたけれども、2001年に内閣府がした以来、学校における消費者教育の実態調査は全国的にはされていないので、一度きちんとする必要があるのではないかと思います。そのデータをもとに今、やっている取組がどういう成果をもたらすのか、また、それを10年後でもいいですけれども、結果として見るといいのではないかと思っています。

以上です。

○河上委員長 静岡大学ではもう講義の中、学部でしたか、必修科目で入れているというのがありましたけれども、一般の学生に対する関係では、例えば入学時のオリエンテーションのところなどで情報提供があるとか、そういうことはあるわけですか。

○静岡大学教育学部色川教授 まず、大学生に向けての教育の話は、実は幾つかパターンを考えなければいけなくて、教員養成向け、例えば家庭科の免許を取る学生向けの授業というものがまずあって、その学生たちは先ほど言った必修科目としてあるわけです。では、例えば社会科の免許を取るときに消費者教育的な授業があるかというと、少なくとも、なくとも免許は取れるのです。だから、全くないかどうかはわかりませんけれども、とりあえず私は関わっていないです。

それと、一般学生向けというものがあるのです。つまり、例えば理学部とか、人文学部とか、ほかの学部の学生が消費者教育は別に専門として勉強するということはないのだけれども、とる可能性のある科目がある。今だと共通科目と言いますけれども、その部分でどのぐらいやられているかということだと思うのですが、今のお話にあった、例えば新入生セミナーとかオリエンテーションなどはどのくらいやっているかというと、うちは残念ながらやってはいないのですが、やっているところは確かに幾つかあるのですけれども、ただ、それはそのコマだけでやっているだけというものです。無意味ではないのですが、多分センターのことを知ることぐらいはあるのかもしれません。本来は小・中・高で身に付いていればセンターのことは知っているはずです。

本当に必要なのは、体系立った15回、今はプラス1回ですので、16回分の授業の中で設けることだと思っています。うちは、一昨年度、消費について考えようという授業を後期の授業として立てました。それは文科省さんからお金をいただいて教材を作り、そして授業を実施しました。そのときには事後評価も含めて検討して、今年はやっていないのですけれども、再来年度はやろうと思っていますが、内容を含めて検討し直して、もう1回挑戦しようかと思っています。恐らくそういう授業が一般学生にも必要なのではないかと考えています。

○河上委員長 学生の評判はどうでしたか。

○静岡大学教育学部色川教授 よかったです。外部の方はもちろんたくさん入っていただいているのですが、外部の方が入ってくるときになるといろいろ波がありました。大学生の評価自体はいろいろ難しいと思いました。

○河上委員長 ほかに何か。

増田委員、どうぞ。

○増田委員 最後に文科省に聞きたいのですけれども、学校の先生にアプローチする際に、個別の学校にアプローチしないと、消費者団体とか事業者団体というのはサポートができない状況に今、あります。そういう中で、教育委員会にアプローチすることで、その下にあるたくさんの学校にアプローチができるような仕組みが現在、確立されていないのではないかというのを、外から見るとそう思うことと、それをスムーズに行うには、文科省からのお力とお金が必要なのではないかと思うのですが、その辺については、どうお考えでしょうか。

○文部科学省生涯学習政策局高橋男女共同参画学習課長 消費者教育は先ほど来、申し上げていますように、学習指導要領上でこれをやらなければいけないという形で既に位置付けられている部分と、それにプラスアルファして地域課題の解決ですとか、子供たちの将来の進路選択ですとか、そういう観点から発展的に行っていく部分といろいろ工夫の余地が大きい部分だと思うのですが、そういうものというのは実際問題としては学校としての判断としてどういう授業内容をやるのか、どういう指導計画でやるのかということについては、かなり校長先生に大きく判断する幅が認められておりますので、なかなか教育委員会の特定の部局に言ったからといって、それで教育委員会から全県的に広がっていくということではないのだと思います。

また、同時に先ほどの岐阜県の例になってしまいますけれども、例えば飛騨のほうの学校と岐阜市の学校では事情が違いますし、高校になると就職が多い高校もあれば、進学が多い高校もあるということで、かなりバリエーションがあるというのは事実でございますので、そこは教育委員会から声を掛けてというのはなかなか難しい点があるというのは御理解いただきたいのですが、ただ、岐阜市などの場合には、教育委員会の中にしっかりと消費者教育をやっていこうという人たちが代々引き継いでいらっしゃって、そういう人たちがいろいろなところに声を掛けてということが行われていますので、なかなか教育委員会を通じて全ての学校にということが難しいながらも実際に指導する先生方により近いところにアプローチしていくというのが、私はむしろ近道ではないのかと思いますので、その点はちょっと御協力いただきたいと思います。

○河上委員長 蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 文科省の方にお聞きしたいのですが、先ほど総務省と一緒にやったことがありますという成人年齢が18歳になったということで、それで3億の予算がついたと。非常に大きくていいことだと私は思うのですが、こういうように新しいテーマが出てくるとどこかの省庁と一緒にやって、教育の場合はその効果を出していくということができるとすれば、今後の見通しなのですが、例えば私たちが生きていくうちで、よき消費者になるために環境省がやっていることだとか金融庁がやっていること、厚労省がやっていること、そういういろいろやっていることの中に、消費者に関係することがたくさんあります。それで、先ほど言われた副教本みたいなものをたくさん作っていらっしゃるのですが、この横軸に刺しながら予算を大きくして、より効果の大きいことをやっていくということが、今の段階で文科省のほうで考えられているのか、あるいはもし何か実際に今、やっていらっしゃることがあれば、それを教えていただきたいということと、なければ、今後どういう形で省庁が横串になって消費者のためのより効果のあるものをお作りになるのかというのをちょっとお聞かせいただけたらと思います。

○文部科学省初等中等教育局梶山主任視学官 先ほど選挙権年齢の引下げに伴う副教材について御紹介いたしましたが、あちらに関しましては、本当に子供たちに直接影響が及ぶ、高校の段階で選挙権を得ることができるということで、いわば喫緊の課題として総務省のほうで措置していただいたところがございます。

そのようなものも含めまして、文部科学省としましては、各教科をどうしていくかというところの大きなところを考えるとともに、それをどうしていくかというところを考えますが、そこに各省庁の抱えているさまざまな知恵をいただいて、そこの実践例というものをいただいて、学校現場がうまく回っていくというのは非常にいいことだと思っております。私どもとして、そういうことをされる際には、お金の面での協力はできないのですが、例えばお知恵を、こうやったほうがよりその事例であれば進むのではないかというようなことも御助言させていただく場合も非常に多くございます。そういうところに関してお声掛けいただきつつ、全体として進めていくことが非常に重要なのではないかと思っているところでございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

まだまだ議論したいことはたくさんあるのですけれども、予定していた時間が、大体終わってしまいました。いわゆる消費者力といいますか、消費者としての社会生活を送っていく上での力というものは、これは人間として生きていく上での必須の力なのだろうと思います。その意味では、学校で学ぶべき内容の中では相対的に重要な課題であると認識しております。その割に、与えられている時間は非常に短い。先ほど来、伺っているとせいぜい2時間ということであったり、それも100%受けていないということが言われているので、時間をしっかり確保するように配慮していただくということが大事なのだろうと思います。

若者の消費者問題に対する取組では、彼らにも主体的にそこに参加できるような仕掛けを作ってあげる必要がありそうです。前に老人会の方が、元気な老人が、少し弱い老人のために頑張ると意欲が湧くのだという話をされていましたけれども、若者が主体的に消費者問題に関われるような学習の場というものを用意してやるということも個人的には大事なのではないかと思います。

もう1つ、最近、若者が加害者になるようなタイプの消費者問題というものもたくさんございまして、被害者になるだけではなくて、加害者にならないためにどうすればいいかということも十分考えていく必要があります。先ほど、蟹瀬委員からもありましたけれども、消費生活はあらゆる面に関わっているものですから、例えば環境省の問題だけではなくて、ほかのものとも随分関わってきます。法務省でも法教育というものをやっていますけれども、いろいろな分野と関わりがある。とはいえ、若者の教育の面は文科省が中心になってやられるほうがいいのではないかと思うのです。ですから、その辺も是非これから頑張ってやっていただければありがたいと思います。

本日、色川先生からは消費者教育の現状と課題など、また、消費者庁、文科省からは消費者教育に対する取組や今後の展望について今、やっておられること、非常に充実した内容ですけれども、御説明いただきますとともに、質疑においてさまざまな御示唆をいただくことができました。

当委員会では、本日御説明いただいた内容や審議の内容について、今後報告書を取りまとめる際に、是非参考にさせていただきたいと思います。

色川教授、消費者庁、文部科学省におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いたただきまして、誠にありがとうございました。

(色川教授、消費者庁、文部科学省退席)
(消費者庁着席)

≪3.「名簿販売業者における個人情報の提供等に関する実態調査」の報告について≫

○河上委員長 続きましての議題は「『名簿販売業者における個人情報の提供等に関する実態調査』の報告について」であります。

平成26年の6月に閣議決定された「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」においては、名簿販売事業者が販売した個人情報に起因する問題が継続して検討すべき課題とされるとともに、大手通信教育事業者からの個人情報の漏えい事案において、漏えいした個人情報が名簿販売事業者を通じて転売され、ほかの事業者の事業活動に利用されていたことが問題視されました。

このような問題が指摘される一方で、名簿販売事業者による個人情報の流通、利用実態は不明であったために、消費者庁では名簿販売事業者の事業活動について、その概要を把握するために同事業者からヒアリングを行い、個人情報の取扱いに関する実態を聴取し、去る3月25日に調査報告書を公表されました。本日はその調査結果の概要につきまして御報告をいただけるということであります。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、大変恐縮ですけれども、10分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁加納消費者制度課長 消費者庁でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

この委託調査でありますけれども、先ほど委員長からお話があったとおり、個人情報の大量漏えい事案がありまして、その際のいわゆる名簿販売事業者の問題というところに問題意識がありまして、実態調査の1つの手掛かりとして消費者庁において実施したものでございます。今般取りまとめをしましたので、その内容について御紹介をさせていただきたいと思います。

担当のほうから、詳細について御説明させていただきます。

○消費者庁表示対策課笠原課徴金審査官 では、報告書のポイントについて御説明させていただきます。

時間も限られておりますので、お手元の報告書の11ページの下の図にありますフローチャートを御覧いただけますでしょうか。

今回、名簿販売事業者8社に御協力をいただきましてヒアリングをした結果、全体の流通経路等について概括的にまとめた図ということになっております。

左側から御説明をいたします。個人情報としてどのようなものが扱われているのかということで、一番上は各冊子類、同窓会名簿であるとか各種の会員・団体名簿、そういったようなものが冊子として流通している。

それから、電子データの形として幾つかのパターンがございます。まず、通販等の購入者リスト、イベント等に参加した際の参加者リストであるとか。「電子データマル3」とありますが、公開情報としまして、電話帳のデータであるとかインターネットに掲載されているデータ、こういったものもまとまって流通しているものもございます。

住民基本台帳データ、こちらは平成18年に住民基本台帳法が改正され、台帳が原則非開示となりましたが、それ以前につきましては閲覧可能であったことから、それを閲覧で書き写すなどして、それが現在の名簿事業者のデータベースの1つの基礎になっているという実態がうかがえております。

あと、コンパイルデータとありますが、これは上記のような情報をデータベース化したものから一定の属性に応じて切り出したデータというもので、こちらもこの形で流通をしているということでございます。

次は入手経路でございますけれども、先ほどの住民基本台帳データのような形で、名簿事業者が自ら生成するもののほか、同業者間でも融通をされ、また、個人のほうから持ち込まれるということもございます。冊子類、同窓会名簿等は個人から持ち込まれることが多いということです。また、個人の中の一部としまして、通販事業者なりが廃業に伴って持っていた顧客リストなどを換金目的で持ち込むということも見られました。また、上にありますとおり、古書店などが受け取ったものの中に冊子類等があれば、それを持ち込むということもございます。

提供の側に移りますけれども、提供の際は、真ん中の囲みにありますけれども、データベースのような形になっているものについては「統合(名寄せ)」などと呼んでおりますが、一定のデータベースを自分たちで編さん、編集をした上で、それを顧客のニーズに応じて一定の属性に応じた形でコンパイルデータを切り出してこれを販売するというようなことは、今回ヒアリングをした8社全てで行っているということでございます。

また、半数程度の事業者は、そのほかに、一番上にございます名簿の閲覧サービスを提供しております。場合によっては、有償でコピーサービスなども提供するということでございます。

あと、最近は、一番下にございますが、付加的なサービスということでダイレクトメール、そういったものの発送の代行をしているということもございます。

データの提供先としましては、全ての名簿販売事業者が原則販促目的の事業者にしか販売をしないということになっております。具体的な販売先としましては、その下の矢印のところがございますが、各種のカテゴリーに分かれているということでございます。例外的に個人にも販売をするということがございまして、その際には免許証なりで身元の確認などを行っているということでございます。

幾つか特徴的なところを補足いたしますと、取り扱っている名簿の冊子数ですけれども、最多の事業者で大体1万5,000から1万8,000冊程度保有をしているということです。データベース化されたデータという点では、これは重複がございますけれども、延べ6,000万件から1億強程度というのが保有しているものとして多い、最多で3億件程度保有をしているということでございました。なお、年々名簿等のデータは市場には出回らなくなっておりまして、既存のリストについても経年によりその鮮度が低下をしているという状況がございます。

買取りの単価につきましては、冊子に関しては、幅はございますが、7,000円から3万円程度という形で取引をされておりました。販促により直結するようなタイプのデータは高値で取引をされる傾向があるということです。

データ形式のものにつきましては、1件当たり0.1円から10円程度というものが多くございました。中には1件当たり50円程度で買い取られているものもございました。

それから、取得時の手続としまして、従来から買取りをしているような取引のある事業者につきましては、特段の手続、入手経路の確認等は行っていないということでした。新規の場合には、一定の確認はしているところもございます。

提供に移ります。提供の場合の単価ですけれども、提供の単価は、1件当たり10円から15円程度が相場となっておりました。今回の調査から確認できたものでは、2円から30円という幅が最小、最大になっておりました。

提供時の手続としましては、新規の顧客からの引き合いに関しては、目的外利用の禁止であるとか転売の禁止、こういったものを契約書の形で担保するというところも一部ございましたけれども、多くの場合は、固定的な顧客も含めて、個別の販売において特段の手続なりはとっていないというのが実態でございました。

消費者等からの苦情、クレームの対応ですけれども、直接名簿事業者に来る場合と、販売した先の事業者を経由してくる場合がございます。後者につきましては、多くの名簿販売事業者が販売先に対して、消費者等のクレームは一義的にはそちらで対応してくださいという対応を、コスト面の問題があるということですので、そのような対応をとっている関係でこのような2ルートに分かれております。年間の相場としましては、大体数十件程度の問い合わせ、苦情があるということでございました。

また、本人から第三者提供の停止の求めなりがあった場合の対応ですけれども、法令上、オプトアウトによる第三者提供をしている場合には、停止の求めがあった場合は、その第三者提供を停止するということが法律上求められておりますけれども、今回実態として把握できたところでは、第三者提供を停止するだけではなくて、保有している自らのデータベースの中からの削除、それから、販売先に対してもこのデータはもう使わないでくださいという形で削除の要請を行っているということが見られました。

続きまして、一般事業者のお話ですが、同じく33ページのチャートを御覧いただければと思います。

一般事業者につきましては、今回幾つかの業態のほうで11社御協力をいただきました。うち名簿販売事業者から名簿を定期的に購入していると回答していただいたのは、実は1社だけということになっておりまして、残りにつきましては、以前購入をしていたというところが1社ございました。

こちらの表につきましては、名簿販売事業者からの購入に限らず、個人情報の入手経路全体についてまとめたものでございます。

左側を御覧いただきますと、上の矢印が書いてある4つの部分につきましては、消費者等本人から直接個人情報を取得するというパターンでございます。

下の3つが間接的に取得をするものでございます。グループ会社の間で共同して利用したり、もしくは相互に提供し合うというものもございます。また、既存の顧客からの紹介という形もありますし、その中の一部として名簿販売事業者からの名簿の入手があるということでございます。

なお、今回名簿を購入していると回答した事業者につきましては、住民基本台帳データについて購入をしているということでございました。

以上が実態の整理でございますけれども、最後にこの実態を踏まえて幾つか分析をしておりますので、それを御紹介させていただきます。

57ページを御覧いただけますでしょうか。

まず、法令遵守状況ということで、名簿販売事業者につきましては、どの事業者も今回個人情報保護法の法令遵守を心掛けているという回答でしたけれども、一部個々に見ていきますと、まだ対応としては不十分な面もあるのかなという印象を受けております。

幾つか申しますと、まずプライバシーポリシー等をウェブサイト上で全ての名簿販売事業者は記載をしておりますが、一部、利用目的の中に第三者提供を掲げていなかったり、もしくは、オプトアウトによる第三者提供を行っているわけですが、法令上求められている記載事項がそこに具備されていないところも数社見られました。

また、本人からの苦情等につきましての対応は、一義的に販売先の事業者で対応してもらうというところにつきまして、法の31条で苦情に対しての誠実対応の義務がございますところ、対応は当然最終的にはしているということでありますけれども、積極的に対応しているかどうかという点については、若干31条との関係で検討も必要かなと思っております。

古書店や廃業した事業者から各種の名簿リスト、顧客リストなどが持ち込まれることにつきまして、これはそれぞれ持ち込むこと自体が第三者提供ということに法律上当たり得るものでございます。その場合には、提供する元が第三者提供に係る各種の個人情報保護法上のルール、これに則していないという可能性がもしあれば、持ち込むこと自体に法令上の疑義が発生すると同時に、それを知った上で名簿販売事業者が買い取れば、これは名簿販売事業者側も17条に規定される適正取得義務との関係で問題が出てくる可能性があるということでございます。

また、改正個人情報保護法において、いわゆる第三者提供におけるトレーサビリティの規定が導入されておりますけれども、先ほども御説明したとおり、名簿販売事業者の取得のタイミング、提供のタイミングそれぞれで入手経路等の確認は全てに行っているというわけではございませんので、この辺は施行に合わせて更なる対応が必要なのかなと考えております。

また、少し市場環境的なところとしまして、2つ目の論点、4.2のところですが、名簿販売事業者の売上げや顧客数が年々減少してございます。1つの要因としましては、個人情報保護法や住民基本台帳法の改正による法規制で個人情報の提供、流通に一定の規制が及んだという点、それから、プライバシーの意識の高まりによって、なかなか新しい名簿の入手もしくは既存の名簿の鮮度の維持が困難になってきて、結果として需要も減少しているという点があるのかなと思っております。

もう1つの要因としまして、インターネット技術等の普及に伴って、企業のマーケティングの戦略における個人情報の取得、利用の形態が変容してきているということも指摘できると思います。ダイレクトメールや訪問営業のために名簿販売事業者のほうから個人情報を入手するという需要サイドのニーズも低下をしつつあり、結果として名簿販売ビジネスの市場の規模というものが縮小傾向にあるのではないかと推察をしております。

最後に、幾つか今後の課題としまして挙げておりますのが4.3のところでございますが、一般事業者は今回11社中1社しか名簿を購入していないということですが、名簿販売事業者に聞きますと、いまだに数多くの事業者に対してさまざまな名簿を提供している実態がございますので、今後一般事業者側の名簿の入手の実態については、更なる精緻な把握が必要かと思っております。

また、ここで「アンダーグラウンド」と書いておりますけれども、今回、名簿販売事業者にヒアリングをしても、同業者間でもなかなか実態を把握できないような事業者が数多くいるという指摘がございます。副業的にこういったビジネスもできるという指摘もございますので、一部非合法な形で流通し、結果的に消費者被害に直結するような使われ方をしている可能性もございます。こういった部分についての正確な実態把握というものが、今後更に必要ではないかと考えております。

また、最後にデータブローカーというタイプの事業者について、日本ではなかなかこういったタイプの事業者というのは存在をしていないところではありますが、一部、それに類似するようなサービスを提供し始めている部分も今回のヒアリングでうかがえましたので、この点の動向につきましても引き続き注視する必要があろうかと思います。

最後に、消費者庁としましては、個人情報保護法、今年の1月1日に法律は個人情報保護委員会に移管されましたけれども、引き続き個人情報にまつわる消費者被害の防止といった観点から個人情報保護委員会等の関係機関とも連携・協力をしながら、必要な対応を図っていきたいと考えております。

また、本報告書につきましては、既に個人情報保護委員会に内容の説明、判明しました個人情報保護法上の問題点の指摘、こういったものも行っているところでございます。

駆け足ですが、私からは以上になります。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの説明内容について、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

長田委員、どうぞ。

○長田委員 説明ありがとうございました。

最後のほうにお話しいただいた61ページの「アンダーグラウンドの名簿販売事業者」ですが、もともと個人情報保護法の改正のときも一番問題視していたのは「カモリスト」とかアダルトグッズ購入者名簿とか、全く本人が予測していないような形で名簿が作成されてそれが流通している状況を何とかしなければいけないということでした。それは課題のまま残っていて、今回もこれが課題として指摘をされています。次の個人情報保護法改正で、そういう名簿を切り出して、このオプトアウトでの第三者提供などは禁止をしていただきたいものだと思っているところですが、そういう法改正の要件を作っていくためにも、消費者庁としては、ここは課題として認識しながら、調査や検討をずっと続けていっていただきたいなと思いますし、それがなければ個人情報保護委員会のほうでの膨大な事務量の中で、なかなかそこをすぐには調査などは難しいのではないかと勝手に推測しております。消費者庁の役割が大きいなと思っていますので、是非よろしくお願いします。

○河上委員長 何かお答えになりますか。

○消費者庁加納消費者制度課長 特にありません。

○河上委員長 今のは御希望ということですね。

ほかにはいかがでしょうか。

池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。ありがとうございます。

いわゆる名簿業者というもののイメージをする上での非常に手掛かりになるヒアリング結果だと思うのですが、実は長田委員から御指摘があったように、この表に表れている名簿事業者の活動を更に適正化する方向性をどうするかということの議論が1つと、そうでないところがどのぐらいの例えば事業者数の規模であるのか、あるいは取扱量が表に出ているところとそうでないところでどう違うのかという事業規模のイメージというのですか、それが皆目わからないので、そういうものを何か今回のヒアリングの過程で多少なりとも手掛かりとして入手されたところがあるのかどうか。

それから、なかなか情報が出にくくなって市場規模が小さくなっているということですが、これもこの表に表れている事業者の中でいうと、例えば何割減ぐらいだという見方になるのか、そうでない事業者のところがどうなのか。もちろん、これは明確な手掛かりがあるわけではないと思うのですが、今後この名簿事業者の活動について、どういう線引きをして、どういうルールを作るかを考えるときの外延というのですか、そこをイメージする上で何か手掛かりになるような情報があったかどうかについてお伺いしたいと思います。

○消費者庁表示対策課笠原課徴金審査官 まず、今回聞いた8社の関係で事業規模につきましては、4ページの表を見ていただきますと、年商ということで、数百万程度から1億円程度となっております。個別に見ますと、経年で売上げが下がっているところにつきましては、粗々の数字として、例えば今までであれば1億程度あったものが数千万円程度まで下がっているという形で、数割の減少をしているようなところも見られました。

いわゆるアンダーグラウンドのようなところがどのくらいの広がりがあるのかというところですけれども、ここについては正直、名簿販売事業者に聞いても彼らも把握をし切れていないというのが実態でございます。もともと名簿販売業をどう定義するかにもよりますし、副業のような形でやっているところも多いという指摘もありましたし、資格があるわけでもありませんし、何か手元に持っているデータをいろいろな形、インターネット技術なども使いつつ売ることは可能ですので、そういった意味ではどのくらい広がっているのかということにつきまして、その業界に身を置いている中でも、彼らはアウトサイダーなどと言っておりますけれども、その部分については把握できないというのが実態でございます。

○河上委員長 最近の報道では、警察が摘発した人たちのアジトに3つぐらい名簿が出てきたということが出ていましたけれども、警察との間では、何か情報の共有というものはあるのですか。

○消費者庁表示対策課笠原課徴金審査官 現状、特段、警察等とで、こういった調査の対応も含めて何かしているというところはございません。今後、個別の消費者被害なりが発生した段階では、場合によってはそういう刑事面という側面も出てくるかもしれませんので、その際には1つの連携というものはお互いに情報共有などはあり得るのかなと思っておりますが、今の段階で警察等の関係で確たるやりとりというものはございません。

○河上委員長 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

前に消費者委員会でビッグデータの利活用に関する意見表明をしたときに、名簿屋のことについても触れたことがございました。けれども、あのときもなかなか実態がよくわからないということで歯切れの悪い文章になりました。しかも、どの範囲で名簿屋と確定したらいいのかというので「いわゆる名簿屋」と鍵括弧を付けた記憶がございます。今般消費者庁におかれて取りまとめられた報告書ですが、恐らく初めての公的機関による名簿販売事業者の実態に関する調査ではないかと思われます。その意味でも、大変意義深いものであろうと考えます。消費者庁におかれましては、個人情報にまつわる消費者被害の防止や消費者利益の増進、確保の観点から、引き続き個人情報保護委員会等と協力・連携しつつ、必要な政策的な対応を図っていただきたいと思います。当委員会におきましても、消費者の個人情報の保護をはじめとして、消費者問題に及ぶ個人情報に係る事項については、引き続き関心を持って注視してまいりたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

(消費者庁退席)

≪4.その他≫

○河上委員長 それでは、最後になります。議題のその他の中で、新開発食品調査部会からの報告がございます。阿久澤部会長から御報告をお願いいたします。

○阿久澤委員 それでは、特定保健用食品の表示許可に係る答申について、私から御報告いたします。

平成28年3月22日に開催いたしました第32回新開発食品調査部会の議決について、新開発食品調査部会設置運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て、委員会の議決とし、平成28年3月23日付けで内閣総理大臣へ答申を行いました。

参考資料1を御覧ください。

内閣総理大臣より諮問を受けて、第32回新開発食品調査部会において、安全性及び効果について審議を行いました。その結果、記載の6品目を特定保健用食品として認めることといたしました。

私からの報告は以上になります。

○河上委員長 ありがとうございました。

これは答申を行ったというものであります。


≪5.閉会≫

○河上委員長 本日の議題は以上になります。最後に事務局から、今後の予定について説明をお願いいたします。

○丸山参事官 次回の本会議の日程や議題につきましては、決まり次第、委員会のホームページ等を通じてお知らせさせていただきます。なお、この後委員間打合せを行いますので、委員の皆様におかれましては、委員室にお集まりください。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)

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