第188回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2015年3月24日(火)16:30~17:47

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、石戸谷委員長代理、岩田委員、齋藤委員、高橋委員、橋本委員、山本委員、唯根委員
  • 【説明者】
    経済産業省
    苗村 商務流通保安グループ商取引監督課長
    消費者庁
    植田 消費者教育・地方協力課長
  • 【事務局】
    黒木事務局長、井内審議官、大貫参事官、金児企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者委員会ワーキング・グループ設置・運営規程の改正について
  3. クレジットカード取引に関する消費者問題について(建議のフォローアップ)
    経済産業省
    苗村 商務流通保安グループ商取引監督課長
    消費者庁
    植田 消費者教育・地方協力課長
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので始めさせていただきます。皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会第188回本会議」を開催いたします。

また、本日は所用によりまして夏目委員が御欠席、阿久澤委員が若干遅れて出席の予定となっております。

それでは、配付資料の確認につきまして事務局からお願いいたします。

○大貫参事官 議事次第の下に配付資料とありますが、資料1、資料2、資料3-1、3-2-1、3-2-2、その後に別添1、別添2、別添3とございまして、資料3-3、このほかに参考資料、以上でございます。不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますようお願いします。

○河上委員長 それでは、議題に入ります前に、新開発食品調査部会から報告があります。

唯根部会長代理から説明をお願いいたします。

○唯根委員 ありがとうございます。

それでは、「特定保健用食品の表示許可に係る答申について」、私のほうから御報告いたします。

平成27年3月16日に開催した第24回新開発食品調査部会の議決について、新開発食品調査部会設置・運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て委員会の議決とし、3月18日付で内閣総理大臣へ答申を行いました。

資料1の答申書を御覧ください。こちらの品目ですけれども、列挙してございますが、これらについては、内閣総理大臣より諮問を受けて、第24回新開発食品調査部会において安全性及び効果について審議を行い、審議の結果、特定保健用食品として認めることといたしました。内容については、御覧いただければと思います。

私からの報告は以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。


≪2.消費者委員会ワーキング・グループ設置・運営規程の改正について≫

○河上委員長 それでは、議題に入らせていただきます。最初の議題は、「消費者委員会ワーキング・グループ設置・運営規程の改正について」であります。

事務局から説明をお願いいたします。

○金児企画官 資料2を御覧ください。

現在、消費者委員会ワーキング・グループ設置・運営規程に基づきまして、食品ワーキング・グループが設置され、運営されていますけれども、今般の改正案は、もう一つ新たにワーキング・グループを設置するというものです。

改正部分ですけれども、資料の4ページを御覧いただければと思います。新しいワーキング・グループの名称・目的・構成員の案を追加してございます。

ワーキング・グループの名称は消費者行政における新たな官民連携の在り方ワーキング・グループ、目的は消費者行政における官民連携の在り方等について検討すること、構成員は河上委員長、岩田委員、山本委員、唯根委員、座長は山本委員、座長代理は岩田委員という案でございます。

この官民連携の在り方というテーマですけれども、以前、本年1月20日の消費者委員会本会議において、「消費者委員会における当面の主要課題」を確認し、公表しておりますけれども、その中では中長期的視野からの消費者行政の在り方という検討項目で、その当時は出ておりましたけれども、その後、検討を行い、今般、ここにあるとおりの名称・目的としてはどうかと考えております。

委員の皆さんの問題意識としては、消費者行政において民間の力を活用した取組が進むようになってきていますけれども、その際、官民の連携あるいは行政が果たす役割はどうあるべきかということかと存じます。例えば、民間団体への支援といったことも一つの検討を行う点になろうかと思います。官民連携は、消費者行政のさまざまな分野で行われていたり、あるいは行われる可能性がありますので、このワーキング・グループではそういったさまざまな分野の有識者からヒアリングを行いながら、検討を進めていくことを想定しています。

事務局といたしましては、本日、この規程の改正を決定いただければ、第1回目のワーキング・グループを早急に開催すべく、準備させていただきたいと考えております。

説明は以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

今、事務局から説明がありましたとおり、ワーキング・グループの設置・運営規程を改正するということでございますけれども、この点について御意見がありましたら、お願いいたします。では、石戸谷代理、お願いします。

○石戸谷委員長代理 ワーキング・グループの設置については賛成ですが、名称・目的のところで、消費者行政における新たな官民連携という非常に幅広いテーマになっていて、焦点がどの辺になるのかというのがいま一つイメージがわかないという問題があるのではないか。当初、委員間打合せのほうで出ていた名称としては、保障行政という言葉も出ていたかと思います。保障行政というのは、私も中身がよくわかりませんで、いろいろ文献を見てみたら、これは非常に重要な問題だなと。本来、国がやるべきことを民間がかわってやるといった場合に、国の関与の在り方とか責務の有無・内容といった、これは非常に今日的な問題だなと。

保障行政と言う場合は、そういうふうに何をやるのかという意味内容がぱっとわかるのですけれども、官民連携というと非常に幅広くて、いろいろな問題が入ってくるというので、その辺の比重の置き方というのはどういうぐあいになっているのでしょうか。

○河上委員長 事務局のほうから何か説明いただけることはございますか。

○金児企画官 具体的にどういったことをやっていくかということについては、またこのワーキング・グループの中で検討していただければと思いますけれども、事務局として考えたことは、1つは保障行政という言葉がまだ一般にはなじみがないということで、それをここで示すのは、一般の方に理解していただくのはなかなか難しいのではないかと考えたところです。ただ、おっしゃられたとおり、こういった官民の役割分担といいますか、官が何をしていくかというところに重点を置いて検討されるだろうということは想定しているところでございます。

○河上委員長 山本委員、何かございますか。

○山本委員 確かに官民連携と申しますと、かなり広い、何でも入ってきそうな感じがするのですけれども、大きなイメージとして言うと2つぐらいあるのかなと。

1つは、官民連携と言うときに、緩やかなものでれば、それが認められるし、どんどんそれを進めればいいでしょうという話で終わると思うのですけれども、例えば具体的に消費者団体等の団体に対して支援等を国あるいは自治体が行うといった場合に、緩やかな連携というよりは、もう少し強い連携を行おうとする場合に、一体どこまでのことであればできるのかといったあたりをもう少し詰めておくと、今後、官民連携の可能性が広がるのではないかということと。

それから、もう一つは、例えば情報化社会と申しますか、ここで個人情報の問題とか、いろいろ取り上げていますけれども、そういった情報を分析する。事故情報とか、そういったもろもろの消費者保護にかかわる情報を分析するといったときに、もっと民間の力を生かせないか。それは、技術的に例えば情報技術を使って、そういったことを行うということもあるでしょうし、それから、今までは消費者団体という枠で考えていたかもしれませんが、もう少し新たなネットワークのつくり方のようなものがないだろうかといったことを考えるというのが2つ目。

今のところは、そういうイメージで考えておるわけですが、これは本当に大きなテーマですので、議論の進みぐあいによっては、もっと新たなことが出てくるかもしれませんけれども、現時点ではとりあえずそのように考えております。

○河上委員長 どうもありがとうございます。

ほかにはいかがでしょうか。

今、このワーキング・グループ名は官民連携の在り方のワーキング・グループとしておりますけれども、設置後、メンバーで議論を始める際に、その目的をできるだけ具体的に明らかにする必要がありますが、この目的の消費者行政における官民連携の在り方というのはちょっと漠然とし過ぎているかもしれません。

消費者政策における官民連携の在り方と行政の責任等というような形で、行政が一体どういう形で支援あるいはネットワークの形成に取り組んでいくかというところに力点があるということで、そういう在り方と行政の責任等について検討するという形で目的のところを具体的に書き改め、特に会議の冒頭で趣旨について議論の方向づけといいますか、射程を明らかにすることをやっていくということでよろしゅうございますか。

それでは、微調整ですけれども、目的のところを改めていただくということで、設置・運営規程というものを確定させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(経済産業省・消費者庁着席)

≪3.クレジットカード取引に関する消費者問題について(建議のフォローアップ)≫

○河上委員長 次の議題でありますけれども、「クレジットカード取引に関する消費者問題について」であります。

経済産業省及び消費者庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

消費者委員会では、昨年8月にクレジットカード取引に関する消費者問題についての建議を取りまとめて、経済産業大臣及び内閣府特命担当大臣(消費者)に対し、これを発出いたしました。本建議では、加盟店の管理の徹底に係る制度整備、翌月一括払いの取引における抗弁の接続等の制度整備、クレジットカード取引に関する消費者教育及び情報提供等の充実について対応を求めておりまして、本日は、これらについて、現在の実施状況を御報告いただきたいと思います。

最初に、経済産業省から御説明をお願いしたいと思います。説明時間については、恐縮ですが、15分程度でお願いできればと思います。よろしくお願いします。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 経済産業省の商取引監督課長の苗村でございます。本日は、御説明の機会をいただき、ありがとうございます。それでは、いただきました質問につきまして、本日は資料3-2-2というパワーポイントを作成してお持ちしておりますので、こちらに沿って御説明させていただきたいと思っております。

まず最初にお断りをさせていただきたいのですけれども、現在、私どもでは、割賦販売法の制度見直しに向けまして、産業構造審議会の割賦販売小委員会のほうで議論をまだ継続しております。本日、できるだけ最新の検討状況を御説明させていただきたいと思っておりますけれども、最終的な結論につきましては、審議会の検討を踏まえた上で決定することになりますので、その点だけ御了解いただければと思います。

それでは、早速、資料をおめくりいただきまして、1.割賦販売小委員会の状況についてマル1というスライドを御覧いただければと思います。

いただいている御質問は、制度見直しについての検討の主な内容と、今後のスケジュールということでございますけれども、私ども、昨年9月から小委員会を開催しておりまして、昨年12月までに行った7回の小委員会の検討状況を取りまとめて、「中間的な論点整理」として公表させていただいております。現在は、これを踏まえて、さらに検討を続けているところでございまして、ここに書いてございますように、議論を十分尽くした上で、可能な限り速やかに結論を得ることとしたいと思っております。中間論点整理ですけれども、あくまで議論途中ですので、まだ両論併記になっているものが非常に多くございます。

全体的な構成としましては、その下に書いてございますように、第1章でクレジット取引を巡る概況、環境変化について触れた上で、第2章の1ポツで、本日、御質問いただいております、また建議いただいております事項について検討を行っております。1.1.加盟店の調査、1.2.マンスリークリア取引について、1.3.イシュアーによる相談苦情対応等についてということで、こうしたものを中心的な議題にして議論を進めているところでございます。

資料をおめくりいただきましてマル2のほうになりますけれども、まだ検討途中ですので、本来、制度的にパブリックコメントの対象となるわけではございませんけれども、大きな制度改正を検討しているということで、12月末の時点でこの中間論点整理をまとめた後にパブリックコメントを行っております。その結果、143名の方から391件の御意見をいただいております。

その要旨について、2.で御説明させていただきます。

まず、加盟店の調査でございますけれども、こちらにつきましては、措置不要であるという意見、それからイにありますように、措置の中身についての意見などが出ております。

措置不要のほうの意見で申しますと、立法事実がない。特に、国内のほうは加盟店管理をかなり厳しくやっているので、問題は主として海外経由の取引ではないかという意見。それから、事業者への過度な負担となるという意見があります。

措置の中身につきましては、クレジットの加盟店との関係で言いますと、初期審査、いわゆる契約する前の調査、それから途上審査ということで、取引状況等に不審な取引、例えば非常に高額な取引がないかとか、そうしたものをチェックするということの両方があるわけですけれども、こうしたものについて、マル1にありますように、具体的な調査方法を法定すべきという意見。他方、マル2にありますように、その組み合わせについては、一定の水準を確保した前提でということでありますけれども、合理的な裁量によるべきという意見が出ております。

それから、ウにありますのは、決済代行業者の外延が整理されていない、この段階で制度的な措置を検討するのは拙速ということで、例えば契約の形態だけ見ますと、いわゆる決済代行業者以外にも、百貨店が店子と契約されているような契約形態、そうしたものも契約形態上、かなり似通っているものですから、どこまで対象にするのかをまず議論すべきではないかという意見でございます。

1.2.マンスリークリア取引につきましては、これは抗弁を接続すべきという意見と、すべきでないという意見が両方出ております。

アの接続すべきという意見につきましては、分割払いと差異がないのではないかという御意見。それから、制度的措置とすることで、チャージバックルール活用の契機になるという御意見がございました。

イの抗弁を接続すべきでないという御意見につきましては、マンスリークリアは一般的には金利手数料なしでやっている状況ですので、こうしたものに制度的な措置を加えることによって、かえってコスト増になって多数の消費者の利益を害する。あと、立法事実がないと書いてありますのは、マンスリークリアには誘因性がない、カード会社の対応で基本的には解決しているのではないかという御意見でございます。

1.3.イシュアーによる相談・苦情対応等につきましては、法令で一定の対応義務を措置すべきという意見と、イシュアーの自主的な取組に委ねるべきということで、相談・苦情が多種多様な中で一定の措置を求めると、かえって画一的になるのではないかという御意見もございます。

いずれにしましても、こうした意見を踏まえまして、現在、第2ラウンドの検討を進めているところでございます。

続きまして、2.イシュアーへの義務付けについてというスライドで御説明したいと思います。こちらにつきましては、イシュアーに不適正取引防止義務や苦情の適切処理義務を課すことについて、どう考えるかという御質問をいただいております。

まず、御質問はクレジットカード取引についてですけれども、対比として左側に個別信用購入あっせんを並べております。この違いについて御説明させていただきたいと思いますけれども、左側の個別信用購入あっせんの場合ですと、クレジット会社と販売業者が直接の取引関係にあるということと。もう一つ、さらに大きな違いが、個々の消費者の取引については、クレジット会社がまさに個別信用購入あっせんですので個別に与信するというプロセスとなっているということでございます。そうしたことで、不適正取引防止というものが図りやすい状態になっているし、また事業者自身が加盟店、販売業者を選んでいるという意味で、その責任を負うというベースも強いのではないかと思います。

右側のカードのほうにまいりますと、基本的には国際ブランド等を介した、イシュアーとアクワイアラーが別々の、いわゆるオフアスの取引が一般化する中で、イシュアーにとってみますと、例えばVISAのブランドカードですと、VISAの加盟店であればどこでも使えるわけですので、あらかじめここの加盟店でしか使えないということをイシュアーのほうでコントロールするのは不可能でございます。また、包括的な与信を行っていますので、利用限度額の範囲内であれば、個々に与信を行わないという性質からすると、イシュアーに不適正取引防止義務を課すというのはなかなか難しいのではないかと思っております。

それから、他方、苦情処理につきましては、今後の実態把握とか措置の要否等を小委員会で議論した上で結論を出すとしております。

続きまして、3.海外アクワイアラーが関与する取引についてということで、先ほども海外経由の取引のトラブルが多いという声があると申し上げましたけれども、私どもとしましても、これは国内だけで閉じた話ではなくて、制度措置をする上では、海外経由の取引について、どういうふうに網をかけられるかというのは非常に重要な論点だと思っております。

マル1のスライドに基づいて御説明しますと、現在、どこに義務をかけるかということにつきましては、A案、B案、2つの考え方があると思っておりまして、左側のA案につきましては、義務の対象として加盟店と直接の取引関係がある。例えば、立替金の交付を行うという機能に着目して、加盟店に近い人に義務をかけようという案でございます。

A案の一番左で申しますと、これはPSP、いわゆる決済代行業者だと思っていただければいいと思いますけれども、それが関与していませんので、これについてはアクワイアラーが義務主体になる。真ん中の場合で言いますと、PSPがアクワイアラーの下にぶら下がって加盟店と取引を行っていますので、この場合はPSPに義務がかかってくる。そうした上で、A案のようにPSPもアクワイアラーも登録を受けていないようなものについては禁止するという考え方でございます。

もう一つのB案は、カード取引の特性としまして、PSPと加盟店が契約したところで、カードが使えるようにはならない。必ず国際ブランドからライセンスを受けたアクワイアラーとの契約を結ばないと使えないということを考えまして、大もとのアクワイアラーのほうに一義的な義務を課すという考え方でございます。

ただ、この場合、アクワイアラーで全ての末端の加盟店まで管理するということが実態に合わないものですから、PSPで登録を受けた人がその下の加盟店管理をきっちりやる場合には、アクワイアラーの義務を一部代替的に履行することを認めるという案でございまして、現在で言いますと、どちらかというとB案のほうが規制をすり抜けて法律の見えない世界に行く人が少ないというメリットがあるのではないかということで、小委員会の議論ではB案のほうが意見としては優勢でありますけれども、法律上の実効性とかから検討を進めているところでございます。

続きまして、マル2の御説明をさせていただきますけれども、マル2からマル5まではいろいろな海外取引のパターンを図式化したものです。

マル2は、A案、B案共通ですけれども、間に決済代行業者がいないパターンで、国内の加盟店が海外のアクワイアラーと契約を結ぶという場合でございます。我々は、割販法の網がかかる部分をできるだけ広げたいと思っておりまして、国内の加盟店と加盟店契約を結ぶというところは規制の網がかけられるのではないかという方向で今、検討しております。

法令上の位置づけとしましては、この場合、アクワイアラーに登録を求めて国内拠点を設置させる。それで加盟店調査等を義務づけることになりまして、こうした義務がちゃんと果たされていない場合には、アクワイアラーへの指導・処分を行うということで是正します。

あと、カードの場合は国際ブランドというものがあります。国際ブランドのルール上も、ビジネスを行う地域での法律については、これを遵守するということがルールになっておりますので、法律に違反するという状況であれば、国際ブランド経由でも是正を求める。そうしたことに対する協力が得られるのではないかということで、国際ブランドとも今、お話をさせていただいているところでございます。

続きまして、マル3の場合ですけれども、こちらにつきましてはアクワイアラーの下に決済代行業者がぶら下がっている場合です。すみません、御説明がちょっと遅れましたけれども、青い線が国境だと思っていただければと思います。決済代行業者が国内にいる場合、海外にいる場合、両方ございます。

マル3につきましてはA案の考え方の場合、PSPに登録義務がかかることとなり、マル2の場合と同様に、国内拠点を設置させることをルール上、義務づけることになります。そうした上で加盟店調査等を義務づけて、問題があればPSPへの指導・処分を行うということになります。A案の場合、国際ブランドと直接契約関係があるのはアクワイアラーですので、PSPがその義務をきっちり果たしていないということになりますと、このアクワイアラー経由で国際ブランドからの指導をできるように、連携をしていくことになろうかと思います。

続きまして、マル4が同じパターンのB案の考え方に立った場合の御説明でございます。これにつきましては、アクワイアラー自身に、先ほどのA案とは違いまして、登録を受ける義務がかかってくる。その他の措置についても同じということでございますけれども、登録したPSPを使う場合には、国内拠点の設置とか加盟店調査の義務につきましては、例えばPSPが履行することを認めるという制度設計にするということになります。

こうしたことによって、アクワイアラーにとってみれば、自ら拠点を設置するとか、各国にある末端の加盟店まで加盟店管理を行うということが非常に難しい場合も多いと思いますので、海外のアクワイアラーにとっては、登録を受けたちゃんとしたPSPを使うというインセンティブが働くのではないかということで、制度案を検討しているところでございます。

政府による取組としましては、アクワイアラーに一義的な義務がございますし、登録PSPについても直接の指導・行政処分が及ぶということになります。

ブランド経由の取組といたしましても、同様にアクワイアラー経由で是正を求めることができるのではないかと思っております。

最後に、マル5でございますけれども、これは加盟店も海外にある場合でございます。イメージしていただくと、例えばまともなビジネスの場合で言いますと、全世界を相手に通販をしているような事業者の場合。問題があるほうで言うと、某国の模倣品サイトみたいな場合で、いずれも加盟店も含めて外にある場合になります。

こうなってきますと、加盟店契約自体も外-外の契約になります。それから、加盟店、特に全世界相手に取引をしている場合を念頭に置いていただければと思いますけれども、たまたま日本から注文が入った途端に、その上流にあるPSPとかアクワイアラーがもし登録をとっていなければ割販法違反の形になるということで、さすがにここまで割販法でやるというのはなかなか厳しいのではないかと現在では考えているところでございます。

こうなってきますと、本来問題がある加盟店自身をどう取り締まれるかということになってくるのではないか、特に、特商法とか、消費者との関係に関する法律について言えば、こういう場合であっても規制が及ぶと考えられるのではないかと思っておりまして、本来、悪質な加盟店自身を取り締まるということで対応すべきではないかと考えております。

ただ、単に取り締まるだけではなくて、政府による取組のところに書いてございますけれども、この場合、通販業者である場合がほとんどであると思いますので、例えば表示規制の中に登録する決済代行業者の登録番号みたいなものを書いていただくような特商法の制度改正をして、他方でそういう制度になっていることを消費者の方に知っていただくことで、注意深い消費者の方がきちんと気づけるようなことができないかということも合わせて考えたいと思っております。

加盟店が何らかの法律に違法だということになりますと、これはまた国際ブランドの指導の対象になりますので、そうした加盟店を放置しないようにアクワイアラーないしはアクワイアラー経由でPSPに国際ブランドからの指導が及ぶということになりますので、どういうふうに加盟店が違法な取引を行っているのかということを立証させることが大切ではないかと思っております。

カード取引自体を取り締まる割販法でも、できるだけのことをやりたいと思いますけれども、やはり悪質な加盟店自身をきっちり取り締まることも大切だと思いますので、それをうまく歩調を合わせて対応していくことが、こういう場合には特に必要ではないかと思っております。

続きまして、4.チャージバックルールでございますけれども、消費者に対するチャージバックルールの周知についてということでございます。

これにつきまして、チャージバックルールはここに書かせていただいたように、国際ブランドが定めるイシュアー・アクワイアラー間の精算のルールでございます。こちらにつきましては、法律上も契約上も消費者の権利自体がないこととなります。

あと、より私どもが大切だと思っていますのは、イシュアーがチャージバックが成立しないことを理由として適切な消費者対応を行わないことは、国際ブランドのルールにも反しますし、そこはチャージバックが成立しないということ自体が免罪符にならないと思っておりますので、事業者さんが独自の判断でやられるのはともかくとしまして、行政としてチャージバックルールの周知を行うということについては、やや課題があるのかなと思っております。もちろん、カード取引の仕組み自体を理解していただくということは大切だと思いますけれども、チャージバックがあるからということで御説明するのは、少し問題点があるかなと思っております。

最後、5.カード発行会社の取組状況把握ということにつきましては、日本クレジット協会と連携して対応していく必要があるということで、建議事項でもいただきましたけれども、私どもとしてその要請を行いました。それらを踏まえまして、日本クレジット協会と消費者に対する情報提供の充実に向けて調整をしているところでございます。

本日、パンフレットを1つお配りしておりますけれども、日本クレジット協会が今年2月につくった新しいパンフレットでございます。これまで、例えばリボ払いというのはこういう方式です。少しこういう課題もありますよということでやっていたのですけれども、6ページ、7ページの2ページを使って、リボ払いを漫画の形で示しております。これは、男の人がうっかり使っていたら、すごく元金が増えていて、ひどい目に遭いましたということが書いてあります。こうしたものを、新社会人とか大学生にわかりやすい形で提供していくということをやっていこうと思っています。

さらに、3つ目のポツに書いてありますけれども、今回、いただいた建議も踏まえまして、リボルビング方式に係るパンフレットみたいなものを新しくつくるとか、そうしたことで事業者のほうもしっかりと情報提供しようということで大分やってきておりますので、こうしたことで引き続き連携しながら対応していきたいと思っております。

いずれにしましても、クレジットカード取引の課題について、我々、しっかり受けとめた上で、今、法改正も含めた検討をしておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。

引き続いて、消費者庁から御説明をお願いいたします。説明時間については、10分程度ということでお願いします。

○消費者庁植田消費者教育・地方協力課長 消費者教育・地方協力課長、植田です。よろしくお願いいたします。

お手元の資料3-3に従いまして御説明いたします。

1枚目は、大臣から委員長への御回答ということですが、1枚おめくりいただいた「クレジットカード取引に関する消費者問題についての建議」に対する消費者庁の実施状況について御覧ください。

四角内は、建議でいただいた事項ですけれども、クレジットカードの利用に関する知識について消費者教育及び消費者への情報提供を一層積極的に推進すること。その際、消費者が被害の拡大防止や回復を図る際に有用と思われる知識について、わかりやすく周知することについてということです。

まず、クレジットカードの利用に関する知識の消費者教育及び消費者への情報提供につきましては、2つ書いていますけれども、1つは、前回の委員会でも御報告申し上げましたけれども、消費者庁が開設しております消費者教育ポータルサイトにおきまして、クレジットカード取引等に関する教材や、インターネット取引を含めたクレジットカード取引を行う上での基本となる生活の管理、健全な家計運営や契約に関するトラブルについての教材などを幅広く提供しているということです。

2つ目が、消費者庁、それから独立行政法人国民生活センター、地方公共団体、消費生活センターなどが作成しております啓発資料等も活用して、さまざまな場で的確な情報提供を行っているということです。

消費者教育ポータルサイトの掲載内容については、これからも充実を図ってまいりたいと考えておりますし、また、消費者教育推進会議からも、利便性の向上に向けた改善を行うようにということを課題としていただいておりますので、ポータルサイトに掲載された教材等を活用して各種啓発資料を活用した消費者への情報提供を積極的に推進してまいりたいと考えております。

また、消費者教育の推進につきましては、そもそもの金融リテラシーの問題ということも重要でありますので、クレジットの仕組みや取引の仕組みといったことについても、教育の中で取り組んでいく必要があると考えております。

消費者教育推進会議において、消費者教育の総合的、体系的かつ効果的な推進方策について幅広く議論を行っていただいているところですけれども、特に、金融経済教育につきましては、消費者教育の重要な要素であることから、その内容を消費者教育の内容に盛り込んでいくとともに、消費者教育推進会議での議論も踏まえ、金融経済教育と連携した消費者教育を推進してまいります。

確認したい事項としてで、3点いただいておりますけれども、第1点目が「金融経済教育と連携した消費者教育」の具体的な内容ということでございます。

こちらは、消費者教育推進会議でももちろん検討しておりますけれども、関係省庁、具体的には金融庁、消費者庁、文科省でございますけれども、それと有識者、金融関係団体などを構成員とします金融経済教育推進会議がございますけれども、こちらで最低限身につける金融リテラシーということで、金融リテラシーマップを作成しております。各ステージ、年代別にどういったリテラシーを身につけていくかという中で、クレジットの考え方、契約の考え方についても検討を行っているということでございます。

例えば、無計画・無謀なカードローンやクレジットカードの利用を行わないことの習慣化といった生活管理の問題もございますし、また悪質商法、悪質なトラブルに遭わないような被害の防止といった観点の検討も行っておるところです。こうした取組と消費者教育推進会議での議論を連携させているということです。

それから、2点目、消費者教育ポータルサイトについて、利用者における活用状況ですけれども、ポータルサイト自体は月間で100万件近いアクセスがあります。現在、「クレジットカード」で検索いたしますと55件、「クレジット」で検索しますと115件の教材などの登録があり、この各資料にも数百のアクセスがあります。ただし、実際使われている現場では、その資料を直接使われるというよりは、それを参考にして授業を組み立てたり、講座を組み立てたりされている例が多いと思われますので、残念ながら、実際にどのようにその資料が使われておるかまで把握できておりません。

それについては、消費者教育推進会議でも課題として指摘されておりまして、各資料の使われ方とか、どういったことが行われているか、その効果の検証のようなことも含めてやるようにという指摘をいただいております。そういったことに今後、取り組んでまいりたいと考えております。

それから、消費者に対するチャージバックルールの周知でございますけれども、チャージバックルールは、経産省からありましたように、業者の間のルールですので、それ自体を説明するということを特に行った例があるとは承知していないのですけれども、例えば商品の不着によるキャンセルとか、不正なサイトを利用してしまった場合には、支払い義務が免除されたり、お金が返ってくる場合もありますので、そういった場合もカード会社に相談するとか、消費生活センターに相談するということで、泣き寝入りしないできちんと対応しましょうということを、各自治体、消費生活センターから啓発資料のような形で消費者にお知らせしているということが行われていると承知しております。

以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 御説明ありがとうございました。

年末の中間的な論点整理がありまして、その後、第8回割販小委員会でしたか、議論のたたき台というのが出されまして、それの中にA案、B案というのが出てくるわけですけれども、先ほど詳しく御説明いただきまして仕組みとしてよく理解できました。確かにこれはよく詰めないといかぬ問題で、そこはまさに今、議論していただいていることなので、そこはちょっと控えまして、別な角度から。

イシュアーのほうからちょっとお尋ねしたいのですが、イシュアーに対する業務適正化義務については、現行の割販法でも30条5の2で規定がありまして、それを受けて省令60条というのがあるのですが、そこでは確かにイシュアー加盟店の場合と、逐条解説の用語の使い方だと、アクワイアラー加盟店の場合に切り分けられていて、イシュアー加盟店の場合、厳格な調査義務が書かれておりますが、アクワイアラー加盟店の場合も、発生件数が多い場合に調査義務というのが省令60条3号のロにありまして、その必要がある場合に、苦情処理と再発防止策を行うというのが同じ60条4号にあります。現行法でも、その意味では調査義務と苦情処理の義務というのはあるのではないかと思います。

建議のほうでも、それを前提に組み立てをしているわけですけれども、中間的な論点整理のほうを見ますと、第2章の課題及び今後の検討に向けた論点整理の1.1.に加盟店の調査というのがあるわけです。そこで出てくるものをずっと見ていくと、実効性ある加盟店調査のために、イシュアーからアクワイアラーに相談苦情情報を提供することについても検討することが必要であるということで、これ自体はそのとおりだと思うのですが、イシュアーのほうとしては、現行法でも苦情相談情報を提供するということだけではなくて、一定の調査義務というものがあって、それを踏まえて再発防止策などについても規定があると思います。

理解としては、その義務をイシュアーだけじゃなくて、アクワイアラーなりPSPと共同で行うようなイメージで組み立てていると思いますが、この中間的な論点整理で言われている相談苦情情報を提供するというのは、別にそれだけだという意味ではないのではないかと思います。そこをちょっと御説明いただければと思います。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 もちろん、ここも今、議論継続している話で、イシュアーとアクワイアラーの考え方の整理をどうするかということであるわけですけれども、イシュアーについて、お客さんとの関係というのは、カードを発行して、お客さんから一番顔が見えているということだと思います。

けれども、悪質な加盟店とかをきっちり排除するとか、トラブルがあったときに加盟店の責任を問うというのは、本来であれば、誰がきっちりやればうまく解決するかということになりますと、現行の割販法というのは、もともとイシュアーとアクワイアラーが分かれていないときの取引をベースに組み立てられて、その後、いろいろ発展してきて、もちろんイシュアーとアクワイアラーを分離していることを前提にした要素も入ってきて、この調査の義務についてもアクワイアラー、加盟店の場合についても一定の義務を課すような形になっています。

この考え方でアクワイアラーとイシュアーの役割をきっちり分けた上で、どう組み合わせていくとうまくいくのかというのは、今後の議論になると思っていまして、考え方の整理を行うべきものは若干あるのかもしれないというのが問題点です。

ただ、苦情について、基本的にはイシュアーに入るということがありますので、イシュアーに入った苦情がアクワイアラーサイドにちゃんと伝わらなければ、これはアクワイアラーのほうで加盟店管理をやるといっても、これはある意味絵に描いた餅になってしまうので、そうしたものをどういうふうに構築していくかということですね。イシュアー、アクワイアラーが一緒であることを前提につくってきた法制度、いろいろな仕組みを、今回、取引行動が大きく変わっている中で、もう一度どういうふうな役割分担にすれば、うまく解決するのかということで議論しているところですので、そういう意味ではある程度の考え方のリシャッフルみたいなものはあり得るわけと思っております。

では、イシュアーが顧客に対する対応を全くやらなくていい世界になるのかというと、それは必ずしもそういうわけではないということで、これも具体的にどういう形にするかというのは、申しわけないですけれども、今後の議論ということになっております。

○河上委員長 いかがですか。橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 今のと関連するのですけれども、イシュアーによる相談苦情対応というところで、今、まさに考えている最中だという御説明ですけれども、イシュアー側で例えばそういう義務を課すとか、そこまでは考えていないということなのでしょうか。具体的にアクワイアラーに、先ほどの説明ですと、情報提供はしますみたいな話をしていたのですけれども、加盟店と消費者とのトラブルのところをアクワイアラーが積極的にやるようにイシュアーから言うとか、そういうことは考えていないということでよろしいでしょうか。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 すみません、これは審議会でもさまざまな御意見を持たれている委員の方がいらっしゃいますので、今後の議論としか言いようがないわけです。イシュアーがどのぐらいの責任を負うのかということについては、今、橋本委員がおっしゃったイシュアーに義務づけをするということについても、議論の対象になっているということだと思います。

ただ、先ほどの資料の比較の表で言いますと、イシュアーがどこでカードを使えるかを選べるわけではないわけです。世界のどこかわからない他のアクワイアラーが加盟店にしたところでも使えて、イシュアーとアクワイアラーにも直接契約関係がないですし、さらにイシュアーとその下にぶら下がっている加盟店の間には全く契約関係がない中で、法的な義務を課すということについては、かなり慎重であるべきではないかと個人的には思っています。

ただ、議論は続いておりますし、では、何もしないかということではなくて、カード会社のほうも実態的には、お客さんが直接交渉するというのが契約・約款上は基本になっているわけですけれども、海外にいてうまくいかない場合とか、お客さんがまずやってみてうまくいかないような場合には支援をするということは、実態としてはやっているわけですね。だから、そうしたものを踏まえた上で、さらにそういう制度的なものが要るのかどうかというのは、今後の議論を見ていくことになってくると思います。

○河上委員長 よろしいですか。

○橋本委員 今後の議論ということですが、イシュアーに対して、消費者というのはそこを信用してやっているというところなので、その辺、もうちょっと深掘りして考えていただければなと思っております。

別な件でよろしいですか。

○河上委員長 どうぞ。

○橋本委員 例えば日本国政府とか国際ブランドの関係ということで、ブランド経由の取組というのが書かれているのですけれども、この場合、国際ブランドと日本の法律でどこまでできるのか。ここを見ていても、是正を求めるとか、非常に強制力が低い書きぶりだし、実際そうだと思うのですけれども、どこまで国際ブランドの会社に日本の行政が立ち入れるのかというところを、これは教えていただきたい部分です。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 我々は、今、複数の国際ブランドといろいろお話をしていますけれども、そういう意味では継続しているのですが、今の感じで申し上げますと、これははっきり言えることは、国際ブランドのルールの中に、ビジネスを行う地域の法律には完全に準拠しなさい。

それは、むしろ国際ブランド自身のルールよりも優先するということになっていますので、日本でビジネスをしている加盟店とかPSPとかアクワイアラーが、日本の法律に違反しているということになれば、これはほぼ間違いなく国際ブランドも指導することになります。むしろ、その期限を定めて、是正しない場合には、彼らにもペナルティーを課すことになるので、その実効性は必ずしも低くないと思います。むしろ、カードについては、国際ブランドというプレーヤーがいることによって、ほかの場合と比べても実効的な解決が及ぶのではないかと思っています。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

○橋本委員 すみません、チャージバックルールについてですが、チャージバックルールというのはそれぞれの企業で独自に設けているものでありますし、それを一律化しなさいとか、消費者の側でそれを行使しなさいというのはかなり無理があるというのは、説明を聞いてわかっているのですけれども、チャージバックルールの中で、こういうラインだけは最低限定めると事業者のほうに言うというのは無理なのでしょうか。これも教えていただきたい。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 チャージバックのルールについて申しますと、国際ブランドがそれぞれのブランドルールの中で、全世界共通で定めているものです。だから、そういう意味で申しますと、各国の法律でこういうものは最低限やりなさいという規制を課すということが、どのぐらい適当であるのかということと。独自に日本だけ上乗せするというのは、仕組み上もなかなか難しい。と申しますか、それはちょっと過剰な干渉になるのではないかと思っております。

いずれにしましても、チャージバックルールでチャージバックが認められる場合は、当然、カード会社も払うと思いますけれども、認められない場合は一切、顧客対応しないのだということ自体を、別に我々は認めるつもりはありません。あくまでお客さんに理由があるかどうかということだと思いますし、チャージバック以外の方法でいろいろな解決をしている場合もあります。直接加盟店と連絡をとって、取引をキャンセルさせるとか。あと、少額の場合で、わざわざチャージバックのルールに乗せると、かえってコストがかかってしまう場合は、カード会社のほうでお客さんにある程度理由があると思いますときは、カード会社のほうがかぶって、お客様には請求しないということもやっています。

まさに、個々の事案に応じたいろいろな対応が図れていると思うので、チャージバックにこういうものを入れてくださいということをお願いするというのは、制度的にも全世界共通ですので難しいと思いますし、チャージバックについて余り何かというよりは、お客さん対応をちゃんとやるということが大切なのかなと思います。

あと、我々としては、今回、加盟店管理ということで、アクワイアリングサイドに対して、きちんとしたルールづけを行いたいと思っておりまして、むしろそちらのほうでしっかりした対応がとられるように持っていくほうがいいのかなと思っております。

○橋本委員 ありがとうございました。

○河上委員長 よろしいでしょうか。

石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 まさに現在審議中ということで、細部については答えられる状況じゃないと思いますので、前提的なことで質問です。

B案に立つ場合に、登録制を採用するか、任意的な登録制にするとなっていて、選択肢がこれしかないので、任意で登録制をという話になると思いますが、これは任意でやる理由といいますか、その辺を御説明いただきたいというのが1つと。

それと、登録代行会社が介在する場合の特例、これもB案ですけれども、国内拠点の設置等の一定の登録要件の緩和を認めるということで、緩和と言ってもいろいろあるかと思いますけれども、およそどの程度というか、どういうイメージの緩和であるかという、その2つについて。緩和と言っても非常に幅広いと思うので、その2点について、ちょっとお尋ねしたいと思います。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 まず最初の御質問ですけれども、B案については、まずアクワイアラーに一義的な義務をかけるという前提です。そうした前提の上ですが、今のビジネスの実態を見ていますと、間に決済代行業者が増えてきているというのも、アクワイアラーが末端まで管理することが難しい加盟店も出てきているということですので、しっかりした者が間に立つ場合には、PSPが加盟店調査等の義務を行い、その分に限ってアクワイアラーの義務を免除するということなので、無登録のPSPを禁じるというB案の考え方の整理で言えば、そういうことを必ずしもする必要はないのかなと。

その場合には、アクワイアラー自身が責任を負うということになっていますので、そこは考え方として、登録したPSPを使う場合に限って、その義務が緩和されるという制度設計でいいのではないかと思います。

それで、免除される義務についてもまだ議論中でして、実はこの金曜日にさらに小委員会で議論いただこうと思っていますけれども、加盟店調査自身の議論と、あと、対象となるのは、今おっしゃった国内拠点を設置する義務。基本的に国際ブランド上も、観点は違うのですけれども、国境を超えてアクワイアリングをするというのは禁止されています。もちろん例外もありますし、観点自身もビジネスのテリトリーの調整みたいな話ですので、消費者保護ということでは全くないわけですけれども、そういうものがあります。

海外のアクワイアラーがどんどん日本に対してアクワイアリングをやっているということではないわけですけれども、一部例外もあるし、実際に海外につないでいる例もある中で、こういう制度にすることによって、アクワイアラーが海外から国内の加盟店と契約を結ぼうとするときは、真ん中にちゃんと登録したPSPを使う方向にかなり強いインセンティブが働くのではないかと思っています。その関係もありまして、例えば国内の拠点の設置の義務ぐらいまでは免除してもいいのではないかという議論を今、行っているところです。

○河上委員長 この決済代行業者というのは、基本的にはある国でいろいろな活動をしているときには、そこに拠点らしきものは大体設けているものなのですか。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 もちろん、いろいろな場合がありますけれども、加盟店契約を結ぶということで、国内に拠点がある場合が多いと思っております。実際に私どもも幾つかの海外につないでおられる決済代行業者の方、ヒアリングをしておりまして、現にそういう人たちもいるということでございます。

○河上委員長 それは、アクワイアラーの場合はもっと頻度が小さくなるのですか。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 もちろん、例外はいろいろあると思いますけれども、海外のアクワイアラーが直接日本の国内の加盟店と契約しているという場合は、相当少ないのではないかと思っております。

○河上委員長 そうすると、漏れが少ない形で抑えるとすれば、アクワイアラーのレベルで抑えておいて、補充的にPSPで足りないところを代用するという仕掛けのほうが、漏れは少ないということになりますか。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 おっしゃるとおりだと思っておりまして、カードの場合は必ずアクワイアラーにつながないと、決済代行業者がアクワイアラーを飛び越してカード決済できないものですから、必ず国際ブランドにつないでアクワイアラーが間にいるので、そこに一義的な義務をかけるというのが一番漏れが少ないと思っていまして、左側にあるA案の一番右の矢印のように無登録のPSPが出てきたときに、アクワイアラーに義務がかかっていないと、我々、割販法から見えない世界に行ってしまう。

もちろん、無登録営業で、それに刑罰をかけてという制度的な仕組みはできますけれども、実態的にそれをあぶり出して対処するというのは、相当難しい面が出てくるのではないかと思っています。

○河上委員長 もう一点、イシュアーと加盟店の関係ですけれども、そこは間に幾つか別のものが入ってきてしまって、直接の契約関係がないし、実際にコントロールするといってもなかなか期待できないのではないかということが話題になっていたようですけれども、実態としてどうなのですか。イシュアーと加盟店には、全く接点がないのですか。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 これは、基本的にはないですね。お客さんがどこでカードを使うか。使ってトラブルになって初めて、そういう悪質な加盟店がいるというのがわかる。それも、取引の請求がどういうルートで来たかというのをさかのぼって、それでどのアクワイアラーの契約なのか、その下にどういう人がぶら下がっているかというのは、アクワイアラーのほうに調べてもらってわかるというのが実態だと思います。

○河上委員長 実際に加盟店でトラブったお客さんが、一番近いのはカード会社ですから、イシュアーに向かって、こういうことがあったということを情報提供するということが重なると、イシュアーとしては、ああ、あの加盟店は危ないという情報を一番早くつかまえることにはならないですか。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 情報としてはそうだと思いますので、それをちゃんとアクワイアラーの側にどういう形で伝達をしていくのかということが大切なのかなと思っていまして、イシュアー自身が加盟店を排除することはできない。契約関係もないですし、そもそもそういう権限もないので、ぶら下げているアクワイアラーのほうにそういうトラブルがある、対処してくれということを伝えるということはできても、直接加盟店契約を切るということは、今回、制度的なルールをつくろうとしている加盟店サイドできっちり対応することにしないと、最後のところの強制力がないわけです。

○河上委員長 いや、さっき橋本委員が、イシュアーに何かの義務づけというのは考えられないかということを聞かれていたので、場合によっては、イシュアーを全く外に出してしまうのではなくて、何らかの義務づけをするというのは考えられるのかなと、思ったものですから。考えてみると、本当は自分が国際ブランドを使っていなければやらなければいけないことを、単に国際ブランドとかアクワイアラーが間に入っただけで、その責任がなくなってしまうというのはおかしな話ではあるので、どうなのかなという感じがしてなりません。

もう一つ、チャージバックリーズンというのは、それぞれの国際ブランドによって違うというか、会社によって違うのだという話でしたけれども、それを権利として、顧客にこういうことがあればチャージバックが期待できますよということを説明するのは難しいようだという話でした。しかし、例えばこの国際ブランドを使ったカードの取引の仕組みというものを消費者に対して情報提供するというか、伝える、教示するという過程で、ここでトラブったときに、業者内ではこういうチャージバックリーズンにあたるときは、言ってみれば赤伝処理が行われていますという形で情報を提供するのは、これはありのような気がするのですが、その辺はいかがですか。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 すみません、まず最初のほうの、間に国際ブランドとかアクワイアラーが入ったらイシュアーの責任がという話ですけれども、こちらについて言いますと、カード取引自体はそういう仕組みで、むしろそういうものだというのをきっちり理解していただく。これは2番目のお話にも関係して、それは非常に大切な話だと思います。

それで、イシュアーに何らかの義務をかけるときに、イシュアーに対して帰責性、責任がどのぐらいあるかということとのバランスで考慮しなければいけないと思っていまして、個品割賦のような場合で言いますと、それは自分が加盟店契約をして、自分で選んでいるわけですから、それは加盟店が悪さをしたらそれなりの責任をちゃんと負わせたいというのは言いやすいわけですけれども、どこの加盟店が増えるかという話は全くコントロールできない、かつその排除についても何ら契約関係がない、民-民の世界ですから上下関係の権限もない中で、イシュアーにどのぐらいの責任を負わせるべきかという議論が、これについては必要なのかなと思います。

2番目のものについて言いますと、おっしゃったとおり、とにかくクレジットカードの取引というのをきっちりわかっていただくというのは非常に大切なことです。それで、チャージバックというものがありますというのを含めて説明するかというのは、チャージバックがあるから大丈夫ですよということになってしまわないかという迷いが、私はありますので、すみません、その辺はやりますとなかなか言えないのですけれども、カードの仕組み自体を理解してもらって、その中でどういうことまで説明することが必要かについては、引き続き業界とも検討していきたいと思っています。

幾つかお話ししましたように、私もそうですけれども、消費者から見るとカード会社しか見えない。だけれども、そういう仕組みじゃなくて、カード会社が選んでいるわけじゃない全世界の加盟店があって、そこであなたはカードを使っているのですよと。ただ、本当に国際ブランドのカードが使える店が全部安全だと思わないで、特に海外の事業者と取引するときは、ちゃんと理解した上で使いましょうねということをきっちりわかってもらう必要があると思います。そうした中で、カードの仕組みについて、きっちり具体的にされていくことは大切だと思います。

○河上委員長 別に反論するつもりはないのですけれども、こういう国際ブランドを使って、いろいろなお店から物が買えるとしたときに、そのことによって、もちろん消費者も便利になるわけですけれども、カード会社も売り上げが上がるという関係にあって、ある種の報償責任というのは考えられるのではないかということです。

もう一つ、チャージバックルールですけれども、チャージバックルールがあるにもかかわらず、事業者によって、それで対応している場合と対応していない場合があって、消費者の間で不公平感があるということをよく聞くのです。そういうことがないように、全体の仕組みはこうなっていて、こういうトラブルは、チャージバックリーズンに該当する場合には、こういう形で赤伝処理をして皆さんのところにお金が戻ってきて、カード会社も損しないような仕組みになっていますと、そういう形で情報提供をするのはどうでしょう。カードの仕組みの中ではかなり大事な情報なので、ぜひ考えてもらえるとありがたいと思った次第です。

私のほうでいろいろ質問してしまいましたが、ほかによろしいですか。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 質問が1つあります。発端は消費者が加盟店と取引をするところから起こってくるわけですね。その中にけしからぬ加盟店があるということです。その点について教育していこうということが考えられているでしょうか。先ほど漫画がありましたけれども、この中はクレジットカードの仕組みばかりで、最初の取引段階の注意事項が入っていないような気がしたのですが。

○経済産業省苗村商務流通保安グループ商取引監督課長 若干入っているかと思うのは、8ページ、9ページのあたりです。特に9ページのあたりだと思います。値段が安いから飛びついたら偽物だったという例があって、そういう意味ではカードを使える店は安全ですということではなくて、ちゃんと見きわめることが必要だということについては含まれていると思っています。

○河上委員長 よろしいでしょうか。

大体予定した時間になってまいりました。経済産業省におかれましては、私どもの建議を受ける形で、産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会を立ち上げて審議を開始していただいたということで、先ずもって、この点についてお礼を申し上げたいと思います。

加盟店の管理の徹底に係る制度整備について、特に翌月払い、マンスリークリア取引における抗弁の接続等の整備でありますけれども、これについては、小委員会において、消費者被害の発生防止のための方策について、引き続き審議が進められるということですので、消費者委員会での建議の趣旨がその中でできるだけ実現されることを期待したいと思います。

次に、クレジットカード取引に関する消費者教育、情報提供の充実についてでありますが、今日も拝見しました日本クレジット協会から出ているパンフレットについて、非常にわかりやすい形で消費者に情報提供ができる内容になっているのではないかと思います。こうした情報提供もさらに推し進めていただければありがたいと思います。

また、消費者庁においても、消費者教育用にいろいろな教材等があることはわかりました。しかし、ぴったりくる教材というのが、消費者庁のサイトを私も見るのですが、なかなかうまく見つからなくて、お勧めというのが何かあれば、そういうものを強調するとか、工夫していただいて、うまくクレッジトについても教材が使われるように御配慮いただければありがたいと思います。一層工夫していただければと思います。

経済産業省及び消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

本日予定しております議題は以上になります。


≪4.閉会≫

○河上委員長 最後に事務局から、今後の予定について説明をお願いいたします。

○大貫参事官 次回の本会議の日程、議題については、決まり次第、委員会ホームページ等を通じてお知らせいたします。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

(以上)