第184回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2015年2月17日(火)17:00~18:15

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
河上委員長、石戸谷委員長代理、阿久澤委員、岩田委員、齋藤委員、高橋委員、夏目委員、橋本委員、山本委員
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者基本計画の検証・評価・監視について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので、始めさせていただきます。本日は、皆様お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会第184回本会議」を開催いたします。

また、本日は所用によりまして唯根委員が御欠席となっております。

それでは、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

○大貫参事官 議事次第の下にございます配付資料、資料1「次期消費者基本計画の素案等に対する意見(案)」。あと、参考資料といたしまして「委員間打合せ概要」。

以上でございます。不足のものがございましたら、事務局までお申し出いただきますようお願いいたします。


≪2.消費者基本計画の検証・評価・監視について≫

○河上委員長 本日の議題は、「消費者基本計画の検証・評価・監視について」であります。

消費者基本法においては、消費者政策会議が行う消費者基本計画の検証・評価・監視について、それらの結果の取りまとめを行おうとする際には、消費者委員会の意見を聞かなければならないとされております。このため消費者委員会においては、次期消費者基本計画について消費者庁から随時、検討状況についてヒアリングを重ねてきたところであります。

また、本年1月27日及び2月3日の委員会本会議において、「地方消費者行政の体制整備の推進等」、さらに「高齢者向け住まい」、そして「エステ・美容医療サービスに関する消費者問題」、この3つのテーマについて、実施状況や今後の取組等について関係省庁からヒアリングを行うとともに、次期計画の素案について、2月10日に消費者団体ほか関係団体等との意見交換会を行ったところであります。

本日は、これまでの関係省庁ヒアリングや消費者団体ほか関係団体等との意見交換会の結果等を踏まえ、次期消費者基本計画の素案等に対する当委員会としての意見の取りまとめを行いたいと思います。

資料として意見(案)というものを配付しておりますので、まず最初に事務局より、これの説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○黒木事務局長 それでは、資料1に基づきまして御説明させていただきます。

まず、1枚目、最初の部分、前文のところでございますけれども、今、委員長からも御指摘いただきました本意見の位置づけ、それから、これまでの経緯等をまとめて書いてございます。その上で、今回、1月、2月に3つのテーマについて関係省庁からヒアリングを行った点、あるいは消費者団体ほか関係団体等との意見交換会を行った結果、及びこれまで当委員会が行った各種意見表明の内容等を踏まえ、次期計画の策定において、特に留意すべき事項や具体的に検討すべき課題について意見を述べるものということでまとめさせていただいております。

具体的な内容に入らせていただきます。記以降でございますけれども、4つのパーツに分かれておりまして、1つ目が計画全般について、2つ目が1月、2月にヒアリングを行いました3つのテーマに関して、3つ目が今の2つ目以外の個別の施策について、最後に4つ目として今後の課題ということでまとめさせていただいております。

まず、1つ目の計画全般に関する事項として6点挙げてございます。

1つ目の丸ですけれども、消費者行政の総合調整事務について、先の閣議決定において御指摘がありましたとおり、関連法案が国会で成立すれば、内閣府から消費者庁に移管されることになるということでございますので、関連法案が成立した後には、消費者庁が消費者行政の司令塔役・エンジン役を強力に発揮するための、総合調整機能を有するという点を明記すべきであるということを指摘しております。

2点目といたしまして、基本計画素案の第1章の「1 消費者政策の更なる充実に向けて」という部分について、消費者行政はこれまで消費者庁、消費者委員会、国民生活センターが連携して取り組んできたということを示すような表現の工夫をされたいということを指摘してございます。

3つ目、第3章の「1 消費者政策の推進により目指すべき姿」で、今、ペンディングで記載されている事項がございますけれども、詐欺的投資勧誘や不招請勧誘に伴う消費者被害が発生していることを考えますと、「勧誘を受けるかどうか」を選択できることは極めて重要なので、この旨、明記されたいということでございます。

4点目といたしまして、同じく第3章の「2 消費者政策を推進するうえで考慮すべき視点」の「(1)府省庁等横断的な施策の一体的推進と行政・消費者・事業者の連携」についてという部分がございますけれども、この部分について、消費者や事業者の意見を、消費者政策に適切に反映していくことも重要であるということから、三者が連携して取り組むことを示すよう、表現ぶりを見直されたいということでございます。

それから、5つ目に、次期計画では、第4章で各項目について関連する施策が記載されておりますけれども、第2章で記載されている課題と第4章で記載されている施策の対応がわかりにくい点がございますので、その点が明確になるような工夫をされたいということを指摘してございます。

それから、6つ目でございますけれども、工程表のなかに、既存の取組を延長しているだけで、今後5年間で取り組むべき大きな課題に挑戦するという意欲を感じられないものが見受けられる、あるいは、KPIについても、効果を把握していく上では不十分なものが多いのではないかという点を踏まえまして、特に次の2点について再度検討を行い、必要なものについて修正・追加等を行われたいということを指摘してございます。

2点でございますけれども、1つ目は工程表でございまして、年限を区切らずに5年間取り組むとされているものについては、可能な限り改正のスケジュール等を明確化できるようにという点でございます。

2つ目はKPIでございますけれども、これについては3ページに4点書いている基準を念頭に見直しをされたいということで、1つ目が、法令及びガイドライン等の見直しや改訂の実施状況。2つ目が、消費者や事業者等への、法令及びガイドライン等の周知状況。3つ目が、消費者関連法令の執行等、行政処分の実施状況。4つ目が、関連する取組全体の効果としての消費者被害の発生状況としてございます。

次に、2つ目のパーツでございます。この間、ヒアリングをしていただきました3つのテーマに関する指摘でございます。

1つ目が、地方消費者行政の体制整備の推進等でございます。これにつきましては、消費者庁に対してということでございますが、2点指摘しております。

今回、地方消費者行政活性化基金が単年度の交付金に変更されましたが、消費者行政の計画的・安定的な取組が可能となるような財政支援の実施に向けて引き続き最大限の努力をされたいとしております。

2点目でございますけれども、地方公共団体の消費者行政担当部署が司令塔的役割を十分果たすことができるよう、各地における取組状況や好事例を広く共有する旨を明記されたいとしてございます。

2つ目のヒアリングをさせていただいたテーマ、高齢者向けの住まいについてでございます。高齢者の生活の場が多様化するなかで、契約面や安全面など、高齢者が安心して生活できるようにするための制度整備が必要であるといたしまして、厚生労働省及び国土交通省に対して、未届施設も含む契約上の問題に関する実態把握等のトラブル防止のための、事業者に対する処分、指導等。

それから、同じく未届施設も含む事故情報の収集、及び事故の防止のためのガイドラインの策定や事業者に対する指導・監督等。

それから、サービス付高齢者向け住宅に関する実態把握と消費者被害への対応等について明記されたいとしてございます。

最後の3つ目のテーマでございます。エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についてでございますが、これまでの取組とその効果について検証・評価が適切に行われていないことがヒアリングの結果明らかになったとしておりまして、これを踏まえて、厚生労働省に対しては、「医療機関ホームページガイドライン」、「医療広告ガイドライン」あるいは「自由診療におけるインフォームドコンセントの取扱い等についての指針」、これらの策定後の検証・評価を適切な方法及び規模により行う時期、それから、それを踏まえて法規制を含めた措置を講じる時期を明記されたいとしております。

それから、消費者庁に対しましては、美容医療サービスを特定商取引法上の特定継続的役務として取り扱うべきかについて検討を加えることを明記されたいとしてございます。

3つ目のパーツでございます。今、2つ目のパーツで述べた3つのテーマ以外の個別施策に関する事項について、素案では第4章及び第5章に関連する部分でございます。この3つ目のパーツに書いてあります表題は、それぞれ素案の該当部分に対応しているということでお読みいただければと思います。

1つ目に、消費者の安全の確保に関する部分でございますけれども、事故情報の収集を徹底し、また情報を積極的に活用すること。それから、いわゆる「すきま事案」について必要な措置を講じることを消費者庁に求めてございます。

それから、厚労省に対してでございますが、「まつ毛エクステンションの施術に係る安全の確保」について、対策を実施された効果について検証・評価を行い、さらに踏み込んだ検討を行うということについて明記されたいとしてございます。

それから、特に消費者事故等の情報収集及び発生・拡大防止のところで、教育・保育施設等に関する部分でございますが、これに関する当委員会の昨年11月の建議を踏まえて、事故情報を適切に収集及び活用するとともに、事故の原因を検証する仕組みを構築することを明記されたいということを関係省庁向けに書き込んでございます。

それから、食品の安全性の確保についてでございますが、消費者庁に対して、「機能性表示食品」に関する当委員会の昨年12月の答申を踏まえて、制度運用に当たっては、食品安全委員会の知見を活用することが有効な場合には積極的に連携を図ること、あるいは事故情報の報告が必ず行われる制度を構築することを明記されたいとしております。

次に、表示の充実と信頼の確保の関係でございますけれども、まず、景品表示法の普及・啓発については、事業者団体による自主基準の策定等について、積極的に支援していくことを明記されたいとしてございます。

それから、食品表示による適正な情報提供及び関連法令の厳正な運用についてでございますけれども、新たな食品表示制度につきましては、「機能性表示食品」について、新たな制度の脆弱性を克服するために、法的基盤について実施後すみやかに補強・整備することを、先ほど申し上げました昨年の答申で指摘しております。この趣旨を担保する内容とされたいとしております。それから、機能性に十分な科学的根拠がないことが届出後に判明した場合には、早急に適切かつ厳格な行政処分や罰則が科されるよう執行体制を構築することを明記されたいとしております。

それから、いわゆる健康食品の表示・広告の適正化という点につきましては、特定保健用食品も含め、表示・広告の適正化に取り組むことを明記されたいとしております。

次に、適正な取引の実現の関係でございますけれども、まず、電気通信サービスに係る消費者保護の推進に関しましては、「取消しルール」の導入について検討を進めること、また、試用サービス、SIMロック解除の推進等、改善状況を注視・検証していくこととされている項目について、継続的に検証を行い、必要に応じて対応を取る旨を明記されたいとしてございます。

クレジットカードの利用環境の整備についてでございますけれども、これは昨年8月の当委員会の建議を踏まえて、加盟店の管理の徹底に係る制度整備や、マンスリークリアの取引における抗弁の接続等の制度整備に向けた措置を講ずることを明記されたいとしております。

商品先物取引法の迅速かつ適切な執行の部分につきましては、当委員会の4月の意見、あるいは1月27日の本会議での議論を踏まえて、消費者被害を防止するための取組を徹底すること、また、委託者の保護に欠ける事態が生じた場合には、直ちに制度を見直すことを明記されたいとしております。

次に、インターネット上の消費者トラブルへの対応の部分でございますけれども、インターネット上の取引に伴う消費者問題というものは、国際的な視野に立って見なければならず、また突発的な事案に早期対応が求められるため、迅速に関係法令の改正等、制度的対応も含めた対策を講ずることを明記されたいとしてございます。

4つ目の消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成についてでございますけれども、まず、越境取引・インターネット取引などの模倣品被害を防止するための取締りを強化することを明記されたい。また、加えて、消費者に対する啓発を行うことも明記されたいとしてございます。

それから、消費者団体等との連携及び支援等の部分でございますけれども、消費者庁及び消費者委員会設置法の附則第五項の趣旨を踏まえ、具体的な検討項目や育成・支援策を実施するスケジュール等について明記されたいとしております。

それから、公益通報者保護制度の推進に当たっては、工程表に記載されている「制度の見直しを含む必要な措置の実施」について、早急に実施することを明記されたいという点、それから、企業内部の労働者が公益的役割を担っていく必要があることから、そのようなことを「消費者教育」の一環として、法の周知・啓発を図っていくことができないか検討されたいとしてございます。

続きまして7ページ目でございますけれども、消費者政策の透明性の確保と消費者の意見の反映という点でございますが、これは消費者政策に消費者の意見を適切に反映させることが特に重要であるということなので、4)という位置にありますけれども、最初の1)に持ってきてはいかがかということを指摘してございます。

それから、各省庁に設置されている消費者問題に関連する審議会について、消費者を代表する委員の人数あるいは割合等について検証することを明記されたいとしてございます。

5)環境の保全に配慮した消費行動と事業活動の推進という点でございますけれども、これについてはESDやエシカル消費等の教育・普及啓発として、エネルギー教育やフェアトレードの普及啓発に努めることを明記されたいとしております。

5つ目の消費者の被害救済、利益保護の枠組みの整備につきましては、まず平成25年8月になりますけれども、当委員会の「詐欺的投資勧誘に関する消費者問題についての建議」を踏まえて、違法行為による財産の隠匿・散逸を防止するための制度の導入について、これまでの検討の成果について検証・評価し、今後の取組について明らかにされたいとしております。

それから、パーソナルデータの利活用に関する制度改正につきましては、昨年7月の当委員会の意見あるいは9月の意見、両意見を踏まえて、消費者の個人情報等が保護され、安心が確保されるための方策を継続して検討し実行していくことを明記されたいとしてございます。

最後に、4つ目のパーツの今後の課題でございますけれども、計画の検証・評価・監視についてでございます。次期計画では、計画本体が閣議決定の対象とされ、工程表は1年に1回は見直しを行い、消費者政策会議で決定されるとなってございますけれども、工程表に限らず、計画本体についても不断の見直しを行うことが必要であり、工程表が修正される場合には、必要に応じて、計画本体も修正していくべきであるとしてございます。

当委員会としては、計画本体の見直しも含めて、今後も意見表明を行っていくこととすることを最後に付け加えてございます。以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、御意見のある方は発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 幾つかありますけれども、まとめてでいいですか。

○河上委員長 切れのいいところでお願いします。

○石戸谷委員長代理 この意見(案)については、事前に委員の間で意見を取り交わして、私のほうも意見を出したのですが、締め切り後においても直前まで資料をいろいろひっくり返しながらあれこれ考えておりました。ということで、意見については御了解いただきたいと思います。

幾つかありますが、まず1つは、「計画全般に関する事項」の冒頭のところがいいかと思いますけれども、今後、パブリックコメントを受けて消費者基本計画を策定するに当たっては、消費者団体から寄せられた意見を十分検討して反映するプロセスを確保していただきたいというのを入れたらどうかと。2月10日の意見交換会でも出ていましたけれども、今回の素案については、意見を述べる機会がパブコメの3週間しかなかったという指摘がありました。これは、重要な点だと私は考えております。

今回の基本計画の立案については、素案が示されたのが本年2月3日の本会議でありまして、委員間打合せでは、既に2009年の現行の基本計画の策定プロセスと比較して意見を出せる機会が少ないと指摘してきたわけですけれども、確認しますと、2009年の現行の基本計画については、次のようなプロセスになっている。

まず、2009年の第4回本会議、10月26日に消費者庁が新たな消費者基本計画についての考え方を説明して、構成・作業手順などの考え方が説明されて議論を行っております。

11月19日から何を基本計画に盛り込むべきかということでパブリックコメントを実施いたしまして、第10回の12月14日の本会議において、消費者庁がそのパブリックコメントに寄せられた意見を集約・整理して、総論・各論、項目ごとに整理して資料提出しています。改めて見てみましたら68ページほどでした。具体的な内容ごとにまとめ、それを受けて総論部分のスケルトンの案を出して、全体を通じての考え方、各論の組み立てなどを提示して、それについて議論を行ったというプロセスを経て、第13回、1月29日に素案の総論・各論が提示されまして、それについて議論が行われた。

その後、2月3日から素案についてパブリックコメントが実施されたという流れになっております。

そこから先、本会議で素案についての意見がいろいろ出て、改定、再改定として仕上がっていくわけですが、とりあえずパブリックコメントまでのプロセスを見ると、そういう具合になっております。それと比較いたしますと、今回、意見を述べる機会が限られていたという批判は当たっていると思います  素案の22ページを見ますと、「消費者政策の取組や成果について透明性を確保するとともに、政策の検討において消費者の意見を十分考慮する必要がある」という記載があります。これそのものはそのとおりだと考えますが、そうだとすると、基本計画の立案においても、この書いてある中身が実行されるべきであると思いますので、先ほどのような提案としたいと思います。

それと、「計画全般に関する事項」の意見(案)の最初の丸の総合調整機能のところでありますけれども、これ自体は大変重要なことでありまして、私もこれを書き込むべきだということは委員間打合せの段階でも意見を述べて、素案の9ページにこのことが盛り込まれました。盛り込まれましたけれども、ここの丸で書かれているのは、どこかにこれとは別の形で入れろということなのか、ここのところがよくわからなかったので、これは確認です。

あと、書きぶりでちょっと気になったのは、総合調整機能というのは、司令塔機能を発揮させるものというよりは、司令塔機能というのは今でもあるわけなので、それよりもうちょっと高次の機能ではないかと考えているので、この書き方がこれでいいのか、若干違和感があるなという、これは指摘です。

それと、2つ目の丸は「消費者政策の更なる充実に向けて」というところで、これそのものはそのとおりだと思います。消費者庁、消費者委員会創設から5年という観点で見ますと、消費者委員会、国民生活センターを含めて消費者行政がどういう具合に進められたかということと、各省庁において消費者行政についての取組がどういうふうに変わった、あるいは進展したのかという観点から、この5年間というのをまとめるということが要るのではないかということであります。

当委員会の昨年5月27日の消費者基本計画の改定素案等に対する意見においても、これまでの取組の総括的検証・評価、各施策の達成状況やその効果を明らかにする、残された課題について今後の取組方針を明確化し、確実な実施を促すということを指摘しているわけでありますので、こういう観点を加えるべきではないかということです。

それと、現行の施策と素案の工程表の関係について対照関係を確認いたしましたが、構成が大幅に変わっておりますので、大変検証しにくい。現行施策と素案の工程表全体の対応関係をまとめるということ自体、簡単なことではないなと。何が実施済みで落ちていて、何がそのままで、何が新たに加わったのかということの整理自体が大変であるということでありまして、これはまさに消費者委員会の昨年5月27日の意見で示したことではないかと考えております。

意見として付け加えれば、5年間の成果と課題と見た場合、消費者庁関連3法の附則という観点から見ると、実施しているのもあるし、そうでないものもあると。例えば設置法附則5項の適格消費者団体の支援の在り方の見直しと必要な措置を講ずるという点は未完でありますし、6項の不当収益のはく奪、被害救済制度の検討と必要な措置を講ずるという点も同様である。大きい問題としては、附則3項の消費者関連法の消費者庁の関与の在り方の見直しということもあるということなので、成果だけでなくて課題もあるということをわかるように書いたほうがいいのではないかということです。

それと、3つ目の丸はペンディングになっている「勧誘を受けるかどうか」ということですけれども、これは大変重要なところで、オプトインかオプトアウトかは別にして、広い意味での不招請勧誘の禁止問題というのは重要なところであるので、記載の文脈の中では必須のことであるということであります。

それと、4つ目の丸でありまして、ここは、行政・消費者・事業者、三者連携して取り組むことを本文に盛り込むというところですけれども、私はそれは要らないのではないか。むしろ削っていただきたいと考えております。この部分は、素案の9ページですが、「消費者政策を推進する上で考慮すべき視点」というところでありまして、その前段で書かれていることは、府省庁等横断的な施策の一体的推進ということでありまして、大変重要なところです。それに総合調整を行ってということが加えられておりまして、先ほど指摘があった、内閣府から総合調整事務が消費者庁にという大変重要なところが書き込まれている部分です。

そのようなものと並列的に、行政・消費者・消費者団体と、事業者・事業者団体との連携云々を並べるという素案本文自体に若干違和感があるのですが、それに加えて、さらに「消費者や事業者の意見を、消費者政策に適切に反映して」云々ということを書き込んでいくと、消費者基本計画にそもそも国が行うべき基本的施策をきちんと書き込んでいくということが非常にぼやけてしまって、まして、消費者委員会のほうで事業者あるいは事業者団体の意見を消費者政策に適切に反映させるということを述べるのはどうなのかと思いますので、これは削除していただきたいと思います。

実際、その部分が漠然として何を言わんとするかというところが具体的でないのですが、具体的な部分というのは、後ろのほうの素案の24ページに、「消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成」の「(2)消費者団体、事業者・事業者団体等による自主的な取組の支援・促進」というところで、具体的なものが書き込まれているので、それでいいのではないかと考えております。

それから、5つ目の丸でありまして、ここは高齢者の問題が例に挙がっておりまして、わかりにくいということが指摘されているのですが、わかりにくいのはそのとおりだと思います。ただ、それは高齢者の問題に限らず、ほかの点について全般に言えるので、例えば美容医療の場合は、ホームページガイドラインは表示に出てくるし、インフォームドコンセントは適正な取引というところに分類されますし、健康食品とか機能性表示の問題は、表示の問題、安全の問題、適正な取引の問題と3つに分断されて、全体としてどの分野について、どう取り組むのかというのが大変わかりにくくなっているということがあると思います。

総務省の勧告を意識したために、こうなっているのではないかと推察されます。確かに総務省の勧告というのは、政府全体としての具体的な政策目標を設定して、当該目標に向けて展開しようとする個々の施策の体系化・構造化を図る。これを次期消費者基本計画の改定に反映するとなっているので、これを実施するために体系化の必要性ということで、素案のような権利とか事項ごとの分類という構成になっているのではないかと推察されます。

しかし、もともと消費者施策というのは、そこに消費者問題が起こっているので対応する必要があるということで行われるわけなので、現行基本計画が重点施策という形で打ち出しているのも、そういう意味合いからして自然な成り行きであると思います。したがいまして、素案の分類は素案の分類として、重要性が高くて複数の項目に分かれるような問題に対しては、高齢の問題に限らず、分野別の分類というのを付加するということが必要だと考えます。

ちょっと切りのいいところで、ここまで。

○河上委員長 どうもありがとうございました。いろいろと御指摘がありましたけれども、ほかの委員の方々、いかがでしょうか。

○石戸谷委員長代理 なければ。

○河上委員長 お願いします。

○石戸谷委員長代理 済みませんが、さらに。

今、述べてきた次の丸、工程表のところですけれども、工程表で帯が1本長く延びているということが多くあるということですけれども、これは5年という長期の計画が適当なのかということと関係すると思います。当委員会の昨年5月27日付の意見でも、計画期間の短期化とか消費者白書における被害の発生状況についての分析等を踏まえて、一定期間経過後の大幅な計画の見直しについても検討されるべきと指摘していたところでありまして、5年というのが工程的になかなか乗りにくいということであれば、むしろ期間を短期化して、射程距離が届くものにすることも検討しないといけないのではないかと思います。

以上、工程表ですが、次、KPIの部分については、先ほど意見があったところで、それはそれでいいと思いますが、政府全体としての目標という関係でいえば、せっかく消費者白書で消費者被害の状況と推計というものを行っておりまして、問題の所在を分析しているので、それに対応した施策というのを体系的に行うべきではないかということであります。平成26年版消費者白書によりますと、2013年の消費者被害の推計値が対GDP比1.2%で、額にして約6兆円としておりますが、これを例えばイギリス並みの0.2%、1兆円にするという大きい目標を掲げて、そのためには何が欠けているのか、どういう政策や法整備が必要なのかといった検討が長期的になされるべきではないかということであります。

その他の部分については、個別施策に関するものですので、これは後でまた申し上げたいと思います。

○河上委員長 個別施策の前のところまで、今、お話をいただきましたけれども、いかがでしょうか。

今日御欠席ですけれども、唯根委員からも文書をいただいておりまして、例えば先ほどの話の中で言うと、事業者との一体的な連携推進という部分は、ないほうがいいのではないかという御意見でありました。

前に事業者団体の方とここで意見交換したときは、これからは消費者・事業者・行政が一体となって政策に取り組んでいくということが必要じゃないかという御意見が強くあって、そこでの意見としては、確かにこういうものを反映してほしいということはありましたけれども、いかがでしょうか。消費者委員会からの意見として出すときに、それをあえて書き込むことがふさわしいのかという御意見かと思いますけれども。高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 私は、この新しい書き込み部分については削除すべきと考えております。それの2つ前の丸、2ページ目に、消費者庁、消費者委員会、国民生活センターが連携して取り組む。これは以前から言われていることですけれども、今回、消費者基本計画に「連携」という言葉が使われていて、言葉は美しいのですけれども、よって立つところが違うものがそんな簡単には連携できない。消費者庁とか国センとか消費者委員会というのは、目的が明らかでございますけれども、事業者の場合には微妙に違うところがあるわけですね。私たちも消費者委員会として、事業者団体の意見というのは、本会議以外の場でもかなりの時間を割いて聞いているところでもありますので、そういう形で反映していくべきだと思います。

また、行政を担当する担当課からのヒアリングや折衝もずっとやってきているのですけれども、誤解を恐れずに言えば、消費者庁も含めて、その後ろに事業者とか政治家の存在があるがために、議論がなかなかうまくいかなかったこともあると私は認識しておりますので、わざわざここに書き込む必要はないというか、むしろ弊害のほうが多いので、新たな書き込みは削除、と思います。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。基本計画の素案の24ページには、具体的に「事業者との連携」という言葉が書いてありますので、あえて前のところでもう一遍出してくる必要はないのではないかということを考えていきますと、これは落とすということでよろしいですか。岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 おっしゃいますように、この修正案のように、ここに書くかどうかというのは議論をしていいと思いますし、私も必ずしもここに書く必要はないのかなと思いますけれども、今、何人かの委員の御発言を聞くと、私はちょっと違う考え方を持っています。もちろん、消費者行政というのは消費者の利益を保護する。消費者被害を防止する。そのための行政ですけれども、そのプロセスにおいて、消費者団体からの意見を聞くというのは当然ですけれども、事業者団体も巻き込んでいくということもあるべきである。

連携ができるかどうかというのは、よくわかりませんけれども、連携については後ろの24ページの下から6行目ぐらいにも、消費者団体、事業者団体、NPO等の意見交換や連携・共同による活動とありますので、そこも削除するという趣旨であれば、ちょっとそれは残念な感じがいたします。具体的に何が今、どんな形で連携できるかというのはよくわかりませんけれども、連携の可能性というのはあると思うのですね。

○河上委員長 今、問題にしているのは、むしろ24ページは残して、一番前のところで出してくる部分は書かないことにしておこうかという話です。

○岩田委員 ですから、それについては私も理解できます。先ほど石戸谷先生がおっしゃいましたように、消費者庁の総合調整機能のことを書いているところに並べてというのは、少し違うかなという感じはいたしますけれども、事業者団体からの意見を消費者団体と並べて聞くことについての否定的な御意見とか、連携ということについての可能性がないのではないかという趣旨の御意見を言われた委員がおられましたので、それについて、私は同意できないということです。

○河上委員長 私もむしろ岩田委員の意見に賛成でして、これからはいろいろな意味で事業者の方の知恵もお力もかりないといけないということは考えていたところです。高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 私は、連携がいけないとか事業者団体との交流をしないということではなくて、今までも交流はして、折衝して、いい結果を導いたものもあれば、なかなか難しかったものもあるわけなので、そういう活動は続けていくべきです。後ろのほうを削除せよとか、そういうことでは全くございませんで、前にわざわざ入れるとバランスを欠いてくるので、やめたほうがいい。委員長と同じ意見でございます。

○河上委員長 では、これは前段部分については削除ということで処理させていただきたいと思います。

もう一つ、総合調整機能に関して、石戸谷委員、これはどういう書きぶりにしたらいいのですか。もっと広い意味で積極的な意味合いのある表現のほうがいいということでしょうか。

○石戸谷委員長代理 私のほうは、もともと入っていなかったものに入れていただいているので、素案の9ページですか。今あるわけじゃないので、「なお」となっているのだと思うのですけれども、むしろこれとは別に書くという意味合いがよくわからなかったので、これはむしろ聞きたいぐらいです。

○河上委員長 内閣府のスリム化の後、調整機能が消費者庁に移るという新しいこともあるので、この際、さらに総合調整機能をしっかり果たしてほしいという願いを込めた文章だろうと思いますけれども、それ自体は悪くはないですね。

○石戸谷委員長代理 これは、もともと入れるべきだと言って入れていただいている話なので、素案の9ページで悪くないのではないか。さらに強力にという意味合いであれば、それはそれで。総合調整機能を発揮して、さらに消費者施策の推進を図るべきということじゃないかと思います。今の司令塔機能を強力にするというのではなしに、新たな機能が加わるので、さらに強力になるという意味合いで書いているのではないかと思います。

○河上委員長 わかりました。そういう意味でということで、残しておいてよろしいですか。

あと、構成が随分変化していて読みにくいというのは、これはいろいろなところで言われたことです。現行施策との対照関係がわかりにくいというのは、今度の素案を読んでみて、よくわかります。ただ、体系化・構造化を目指したときの括り方と、それに基づいた問題ごとの今まで考えてきた重点施策は、うまく整理がとれていないということがあります。この素案の分類とは別個に分野別の問題を付加するのは、今からやるのはかなり大変な作業ですけれども、何かひもづけができるといいなと思うのです。

少なくとも対照関係がはっきりするような関係図みたいなものがあるといいですね。でないと、従来からの施策がどこまでできていて、それを今後、どういうふうにやっていかないといけないかという続き具合がよくわからない。これは、先ほどおっしゃった、これまでの総括というのがうまくできていないということとも関係するのだろうと思うのですけれども、一般論としてはその部分を書き込んでおいたほうがよろしいですか。

全体としての5年間の総括をきちんとやって、そしてこれまでの現行の計画での実施状況の足りないところが、今度の5年間の計画の中でどういうふうに扱われているか。それがある程度どこかに書き込まれるといいなということです。その部分について書き込めないかということですが、いかがでしょうか。もうかなりのところまで来ていますので、大きな書きかえはなかなかできないと思いますが。

齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 大きなテーマは、例えば高齢者問題とかネット環境をどうするとか、あちこちに出てくるわけですね。今までもその括りで表示されていた部分が多いと思います。したがって、一から書き直すのは大変ですけれども、そういう大きなテーマがあることもわかっているので、この工程表をその断片、例えば高齢者という切り口で見たら何番目と何番目というように自動的に出てくるようにすれば、みんなが理解しやすいのではないかと思います。

○河上委員長 夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 検証した上で足りない部分を補っていくという意味で、最初に石戸谷委員がおっしゃったとおり、新しい計画を立てるときに、消費者・国民から聞く機会がごくごく限られていたというところに原因があると思うのですね。ですから、消費者にとって、この新しい消費者基本計画が見えないわけですね。

それは、課題ごとに整理されていないということがあって、どの省庁が何をするかという観点でつくられているわけですから、消費者が知りたいのはそこではなくて、例えば高齢者を取り巻く問題だったらどんなことがあって、では、どういう施策を進めていくのかということが見える基本計画でなくてはならない。望むのはそういうことだと思うのですけれども、そういう視点が全くないという御指摘だったと思います。したがいまして、今、この段階で組みかえはできかねるというところは多いかと思いますけれども、工夫しないと、この消費者基本計画が国民・消費者にとって密接にかかわるものであるだけに、実効性が担保されていくかということを見ていくのに、役に立たないものになってしまうのではないかという懸念は持っています。

したがいまして、石戸谷委員が最初におっしゃいましたけれども、消費者や国民から意見を聞くプロセスが決定的に欠けていたというところがございますけれども、私は一番最後の検証・評価のところに、単に消費者庁が中心になって省庁が検証・評価するだけではなくて、もちろん消費者委員会もかかわっていくわけですけれども、そのときに消費者または消費者団体というサイドの検証・評価のプロセスも加えていただくことが必要ではないかと思った次第です。以上です。

○河上委員長 石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 構成の関係は、今から組み直すというのもなかなか大変だと思うので、今のは今ので進めていただいて、後ろに今の重点施策みたいなものを別につけるというのが一番わかりやすいのではないかと思います。イメージとしては、そういう具合にやったらどうだろうか。美容医療なら美容医療、健康食品なら健康食品、高齢者は高齢者という一括りというか。

○河上委員長 我々の意見の2ページ目の丸の4つ目、高齢者のことが特に書いてある部分ですけれども、その部分に例えばその他の重点施策と各項目というのがありますが、重点施策と関連させてという形で説明を工夫されたいというところがあります。あるいは、説明の仕方は任せるか、ここに括弧を入れて、最後のところに重点施策ごとに整理したものを掲げるなどという書き方をして、意見としてまとめておくということでよろしいですか。

検証評価に関して、消費者の意見も今後は入れていくべきだというのは、最後の今後の課題のところになりますけれども、その部分にもしうまく入るようでしたら入れていくということができるといいと思いますけれども、これは後回しにしましょう。

では、その次の項目に移っていいですか。まだ言い足りなかった方、いらっしゃいますか。高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 今のところと関連するのですけれども、私は消費者意見の反映ということに関して、記述の追加を提案します。1ページ目に「当委員会としては、本意見の計画への反映状況や」云々と書いてあるのですけれども、ここを「本意見並びにパブリックコメント等の計画への反映状況」とするのがよいのではないかと感じますが、いかがでしょうか。

○河上委員長 記の上の本文のところの一番下の文章ですね。「当委員会としては、本委員会及びパブリックコメントの計画への反映状況」を付け加える。これはいいですか。橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 今の高橋委員の言うことは、私はいいと思うのですけれども、先ほど石戸谷委員が、立案のところから、今回の場合、意見を反映させる場がなかったというお話があったので、そういった立案のところからきちんと参画できるようにするということは、最後のほうに述べたほうがいいのではないかと思います。

○河上委員長 では、先ほどの夏目委員の意見とあわせて、橋本委員の意見は、今後の課題というところに集約させていくということで考えていきたいと思います。

今度は、具体的な項目についてのところですけれども、このあたりについてはいかがでしょうか。ヒアリングをやったもの、あるいは消費者委員会からいろいろ意見を出したものについて、ちゃんと対応した形でやってくださいという書き方をしている部分が多いのですけれども、何かここでありましたら発言をお願いします。石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 では、時間も押しておりますので、大物に絞って。

個別施策に関する事項で、まず消費者の安全の確保のところですが、製造物責任法について意見を出したのですが、製造物責任法については、議論がなかったというので入っていないのですけれども、製造物責任法については、裁判例の収集や公表となっているのですけれども、昨年、成立・公布から20年、ことしは施行から20年ということになっておりまして、かなりな判例・裁判例等の集積もあって、昨年は消費者法学会のメーンテーマになっておりますし、ほかにPL法改正の提言もいろいろ出ているということがありますので、裁判例の収集とか公表を5年間やるというのは、ちょっと物足りないのではないか。

どうする、こうするというのが書けないということであれば、せめてそれを分析して、必要があれば見直しを検討するぐらいの程度は盛り込めないでしょうかというのが1点。

○河上委員長 これは大きいですから、ちょっと議論させてください。唯根委員からも、これは入れてくださいという御意見はいただいておりますけれども、PL法に関して、どういうふうにするかというあたりはいかがでしょうか。

○岩田委員 今のは素案だと何ページに当たりますか。

○石戸谷委員長代理 工程表だと7ページの1、(2)のマル6です。

○夏目委員 素案の13ページ。

○河上委員長 素案の13ページの真ん中からちょっと下に最後に2行だけ書いてありまして、「製造物責任法に関する裁判例等の情報を分かりやすく取りまとめ、公表する」にとどまっているのですが。夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 これまで収集・公表はされてきたわけです。ですから、さらにこれから5年間を見据えたときには、一歩進むという表現があってもよいのではないかと思います。今、石戸谷委員は、法改正は踏み込まなくてもとおっしゃいました。そこまで踏み込むと、とても大きな話になりますけれども、その前段階として、収集したものを分析して、その先に法改正、あるのかないのかというところを見据えた取組をしていくという記載は希望いたします。

○河上委員長 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 私は、製造物責任法が施行されて久しく、社会も変わってきていると思っています。先ほど法改正と言われましたけれども、法改正と言った途端に、みんな考えることが多分かなり違ってくると思うので、いきなりそれを出すのは今の段階では時期尚早だと思います。したがって、書くのは、分析まではして、課題を抽出し、それからの議論に待つということぐらいまでだと思います。

○河上委員長 岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 私も同じ意見で、確かに5年間、裁判事例の収集・公表では何を考えているのかという感じがいたしますので、分析をして課題を整理して、必要な対策について検討するとか、必要な対策を講じるとか。法律改正というと、具体的に私たちの間で何か共通認識があればいいと思うのですけれども、まだ一度も議論したことがありませんので、法律改正という具体的な話ではなくて、必要であれば対策について新たな検討をするというニュアンスであればいいかと思います。

○河上委員長 橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 これについては、今まで消費者委員会で審議していなかったということで、ほかの委員の方と意見は同じになるのですけれども、私もほかの委員の方と同じように、もちろん審議をしていない中で法改正までは何とも言えませんけれども、分析、それから課題がどこにあるのかということをこの5年の中で見て、工程表は毎年見直されるということですので、その中で何か次の段階に行かなければいけないとなれば、そのときに工程表を変えればいいことなので、今の段階では分析等を行って、問題点をあぶり出すという書きぶりでいいと思います。以上でございます。

○河上委員長 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 私も同感でございます。ただ、表現をどうするかという問題があると思うのです。例えば「収集・公表」の後に「分析・検討」と続ける案もあると思いますけれども、私は製造物責任法に関する裁判例に基づく検討としておくことで、当然、「収集・公表・分析」が入ってくるかなと思うわけで、具体的な書きぶりについて、皆さんと検討したいと思います。

○河上委員長 そうしましたら、13ページの2行しか書いていないところですけれども、もう少し書き込んでいただくということで、「裁判例を分析し、その課題を抽出・整理して、必要な対策を検討する」という書きぶりで、課題としてここに入れるという方向でよろしゅうございましょうか。それでは、「裁判例等を分析し、課題を抽出・整理し、必要な対策を検討する」というような文章でここを整理して入れることにしたいと思います。

その次、行きましょうか。

○石戸谷委員長代理 ほかに意見を出したものとして、探偵業法の運用の適正化というのがあるのですけれども、これも議論がないというので入っていないのですが、これは現行の施策と素案に出ているものとの対照作業をやる中で、ほぼ同じだなというので、その盛り込まれた経緯とか、その後の推移を見ていたら、適格消費者団体の差止訴訟があったり、国センのADRでトラブルになっていたり、警視庁のホームページで被害救済をうたう探偵業者に要注意とか、いろいろ出ている状態なので、これも取り上げるべきではないかということであれしたのですけれどもね。

議論がないので盛り込めないということであれば、それを別途、建議・提言でやるということでもよいかと思うので、ここで入れる、入れないで余り議論してもしようがないかなということで、それは結構です。

○河上委員長 岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 確かに全く議論していないので、今、ここでまとめるというのは難しいかなと思うのですけれども、全体を通じて、5カ年の計画自体を1回決めたら、あと修正がなくて、工程表だけの改定ということに対して、私たちはそうじゃないのではないか。必要に応じて本体の計画も見直しをするようにという意見を出していますから、もしこの問題が取り上げるにふさわしいということであれば、計画自体をまた追加・修正していくということでよろしいかと思います。

○河上委員長 では、これはもうしばらく様子を見て、少しずつ調査をやりながら、また考えてみることにしましょうか。国センからも一定のものはもう出ていますので、問題があることは認識しているのですけれども、特にここで文章化することはやめてよろしいですか。

○石戸谷委員長代理 結構です。

○河上委員長 ほかにいかがでしょう。

○石戸谷委員長代理 あと、パーソナルデータの利活用に関する制度改正については盛り込まれているわけですが、文章的に抽象的で、何をやっても該当するように読めるので、少なくとも名簿屋に関しては、当方もかなり力を入れて意見を出したところでありまして、特に名簿屋については実態を把握して必要な措置をとるぐらい、意見として出していいのではないかと思うのですけれども、どうでしょうか。

○河上委員長 名簿屋問題に関して、具体的には、どの箇所になりますか。

○石戸谷委員長代理 7ページの5、2)。

○河上委員長 我々の意見を「踏まえ」ということにはしているのですけれども、もっとはっきり書いたほうがいいということですか。

○石戸谷委員長代理 そうです。これだと何を言っているのか、いま一つよくわからない。名簿屋の件に関しては、果たして今回の法改正でちゃんと手当てされるのかということがあって、むしろ実態を調査してという動きではないかと思います。そうだとすると、実態調査した上で必要な措置をとると。あれだけ膨大な情報流出の問題があって、それに対応した策がとられないというのは、ちょっと納得がいかないのではないかと思いますので、その点についてはもうちょっと文章を具体化したらどうか。

○河上委員長 ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。これは、一旦意見で述べている部分だから、それを見てもらえばわかることではあるのですけれども、特出しして、例えば、ここの安心が確保される方策を継続して検討し実行していくこと、そこに「特に名簿屋問題についての実態を調査の上、対策を検討すること」という文章を差し込むということぐらいが考えられますけれども、いかがでしょうか。

○岩田委員 工程表についての意見になりますか。

○石戸谷委員長代理 いや、委員会から出す意見の書き方について。

○岩田委員 それはそうなのですけれども、委員会としてどこの部分に。

○河上委員長 素案ではどこでパーソナルデータは扱っているのでしたか。

○岩田委員 素案では28ページの上のほうですね。

○黒木事務局長 工程表では76ページ。

○岩田委員 書き込むとすると77ページですか。

○石戸谷委員長代理 そうですね。改正案を提出するという。

○河上委員長 工程表の77ページのあたりに、「特に名簿屋問題については実態を調査の上、対策を検討する」ということを書き込んでくださいということでよろしいですか。

○山本委員 この委員会が出した意見を引用して、これを踏まえと言っているので、これで基本的にはわかるのではないかと思います。具体的にさらに言うとすれば、今まさに法律案が出ている新たな制度が構築され、それが適正に執行されることということだと思いますが、そちらのほうは工程表の76ページに書かれているということですね。「法律の審議状況・施行に関する状況を踏まえた各施策の実施」とあるので。名簿屋のほうが書かれていないので、名簿屋をもう少しはっきり書いたらどうだろうかということですね。

○河上委員長 では、工程表の76ページに書き込んでいただくことを想定しつつ、「特に名簿屋についての実態を調査の上、対策を検討すること」という表現を意見に挿入することにさせていただきます。

ほかにはいかがでしょうか。

○石戸谷委員長代理 商品先物の関係については、先ほど意見で紹介があったとおりでありまして、私自身は、法律の授権を超えた違法な省令だと思っているのですが、消費者委員会で書くというのはこういう形になるのかなと。他方、機能性表示の答申については、法的脆弱性を手当てするとなっているので、そのバランス的に、あれよりはかなり逸脱というか、はっきりしている問題であるように思われるので、書きぶりがもうちょっとうまい表現がないかなと思います。

○河上委員長 6ページのマル4の書きぶりですね。

○石戸谷委員長代理 そうです。6ページのマル4の「委託者の保護に欠ける事態が生じた場合は、直ちに制度を見直す」ということで、あれはあれでという感じになっているので、そこが機能性表示の答申とのバランス的にどうかというか。

○河上委員長 制度的脆弱性についての検討ということが必要ということを書き込むわけですか。

○石戸谷委員長代理 いや、そういう意味じゃなくて、機能性表示のほうは脆弱性ありと指摘しているわけですね。だけれども、こっちはその指摘が何もなくて、保護に欠ける事態が生じたらということなのでバランスがどうかという。

○河上委員長 この省令がおかしいぞということがもうちょっとわかるような表現がほしいところですね。山本委員、どうぞ。

○山本委員 違法とまでは書けないと思いますので、例えば現在の文案で言うと、「また」の次に、例えば「この省令については法的な疑義がある」とまで言うと言い過ぎかもしれませんけれども、どの程度の表現をするかは考えたほうがよろしいかと思いますけれども、ここにそのニュアンスを一言入れたらいかがかなと。「疑義」というのはやめたほうがいいと思いますけれども、表現を工夫して、一言ここに足すということでいかがでしょう。

○石戸谷委員長代理 結構だと思います。

○河上委員長 では、「委託者の保護に欠ける事態が生じた場合には、直ちに制度を見直すことを明記されたい」ということで、「また」の後には、「この省令について懸念があることを踏まえ」でいいですか。「また、この省令の有効性についての懸念があることを踏まえ、委託者の保護に欠ける事態」としましょうか。それとも、「有効性」と言うと問題でしょうか。

○山本委員 有効性とまで言うと、ちょっときついので、「法的な懸念がある」ぐらい。

○河上委員長 「この省令について法的懸念があることを踏まえ」。

○山本委員 先ほど委員長が言われたぐらいでいかがでしょう。

○河上委員長 「この省令について法的懸念があることを踏まえ、委託者の保護に欠ける事態が生じた場合は」とつなげる。こんなところで石戸谷委員、よろしいですか。

○石戸谷委員長代理 結構です。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょう。大分時間がたってしまいました。どうぞ。

○岩田委員 テクニカルなことなのですが、今日まとめてしまうのですか。

○河上委員長 できれば、そのつもりです。

○岩田委員 そうすると、4ページの3のところからですけれども、冒頭、御説明いただいたときに事務局長も口頭で言われていましたけれども、番号が飛んでいるので、何だろうと多分感じると思うのですけれども、これが素案の番号に対応しているという趣旨のことを脚注か何かで書いておいたほうが、読み手には親切だと思います。

○河上委員長 では、脚注に入れることにしましょう。

ほかによろしいでしょうか。

それでは、いろいろ御意見いただきまして、どうもありがとうございました。本日、皆様から出された意見を踏まえまして修正を加えることにいたします。修正の最終的な表現の仕方については、恐縮ですが、私に御一任いただけますでしょうか。それでは、私のほうで原案を修正した上で、消費者庁長官及び関係省庁宛てに提出したいと思います。

本日の議題は以上でございます。お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。


≪3.閉会≫

○河上委員長 最後に、事務局から今後の予定等について御説明をお願いいたします。

○大貫参事官 次回の本会議の日程、議題については、決まり次第、委員会ホームページ等を通じてお知らせいたします。

また、この後、19時を目途に消費者庁記者会見室において、報道機関の皆様を対象とする委員長記者会見を行いますので、お知らせいたします。

この後、委員間打合せを開催いたしますので、委員の皆様におかれましては委員室のほうに御移動いただくようお願いいたします。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)