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第142回本会議・第2回景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会 合同会議 議事録

日時

2014年2月13日(木)15:00~17:00

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【消費者委員会委員】
河上委員長、石戸谷委員長代理、阿久澤委員、岩田委員、齋藤委員、高橋委員、夏目委員、橋本委員(TV会議出席)、山本委員、唯根委員
【専門調査会委員】
小早川座長、白石座長代理、川出委員、長田委員、増田委員、宮城委員
【説明者】
消費者庁 川口審議官、菅久審議官、黒田課徴金制度検討室長、加納消費者制度課長
【オブザーバー】
国民生活センター 保木口相談情報部相談第一課長
【事務局】
小田事務局長、金児企画官、稲生参事官補佐

議事次第

  1. 開会
  2. 制度導入の必要性
  3. 導入すべき制度の趣旨・目的(被害回復の視点等)について
  4. 検討すべき論点の整理
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので始めさせていただきます。
皆さん、本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会第142回本会議・第2回景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会合同会議」を開催いたします。
本日は所要によりまして、専門調査会の委員の鹿野委員が欠席、本会議委員の高橋委員が若干遅れて御出席ということで連絡をいただいております。また、本会議委員の橋本委員にはテレビ会議で参加いただいております。橋本委員、聞こえますか。

○橋本委員 はい、聞こえます。

○河上委員長 よろしくお願いします。
まず、事務局から資料の確認をお願いします。

○金児企画官 資料の議事次第の紙の下のほうに配付資料一覧がございます。
資料の1枚目が前回の専門調査会において出された主な御意見で資料1。
資料2~資料5までが消費者庁提出資料です。これは前回の専門調査会での配付資料と同じものでございます。
資料6が宮城委員からの提出資料です。
資料は以上ですけれども、不足がございましたら事務局へ申し出ください。
以上です。

○河上委員長 本日は消費者委員会本会議と景品表示法における不当表示に係る課徴金制度に関する専門調査会の合同会議として開催いたします。
2月6日の専門調査会第1回会合時にも申しましたけれども、原則として合同会議という形で開催したいと思っております。本日も含め、今後の合同会議の議事進行につきましては、前回お話しましたように小早川座長にお願いしたいと思いますが、皆様よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○河上委員長 それでは、小早川座長、議事進行をよろしくお願いいたします。

○小早川座長 小早川でございます。よろしくお願いいたします。
議事に入ります前に、1点御連絡申し上げることがございます。今回から国民生活センターにオブザーバーとして出席をいただきます。国民生活センターには被害事例の情報などを提供していただいて、お助けいただければと思っております。
本日は相談情報部の保木口相談第一課長に御出席をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

≪2.制度導入の必要性≫

○小早川座長 それでは、議事に入らせていただきます。まず初めに先ほど資料の確認がありましたが、前回委員から出された御意見につきまして確認をさせていただきます。事務局から説明をお願いします。

○稲生参事官補佐 それでは、資料1に基づきまして前回第1回課徴金専門調査会において出された主な御意見を御説明させていただきます。
まず1といたしまして、制度の趣旨・目的に関する御意見でございます。
各論点は相互に関連する。後から各論点の議論が迷走することのないよう、課徴金制度の趣旨・目的を最初にしっかり議論すべきである。
課徴金制度の主たる趣旨・目的は、不当表示の抑止による消費者被害の発生・拡大の防止であるべきである。しかし、これに加えて、課徴金財源の使途に関し、適格消費者団体や特定適格消費者団体が消費者被害の回復を目的とする訴訟の遂行のために財源を使える枠組みを検討すべきであり、またその他、消費者全体の利益確保のために課徴金財源を生かすということも、ぜひ目的に加えて議論していただきたい。
不当表示の品物を買った事案でセンターが斡旋しても、表示の修正だけで返金はされないことが多いのが現実であり、被害の回復には程遠い。いかに消費者利益に資する制度にするかが重要である。
続きまして、要件に関する御意見です。
平成20年改正法案では不実証広告規制が対象外だったが、事業者が資料提出を拒めば課徴金から逃れられることになる。不実証広告規制は、対象とする方向で検討すべきである。
平成20年改正法案では故意・重過失を要件としているが、消費者庁による摘発の現場で、うっかり表示を間違えた軽過失か重過失かで争いとなった場合、うまく認定できるのか、これでワークするか疑問である。軽過失までならば不当表示の客観的内容自体から何とか認定できる可能性があると思われるが、重過失を要件とすることは、課徴金制度の執行力を低下させる懸念があり、絶対に避けるべきである。
大手の善良な事業者であっても不当表示で重大な問題が生じることがある。善良な事業者であればよいというわけではないので、きちんと整理すべきである。
続きまして3番目、裁量性に関する御意見です。
事業者の予測可能性、課徴金制度の透明性・公平性、執行の迅速性の観点で、完全な裁量性を認めることには慎重に考えるべきである。ただ、一定の一律公平な客観的要件の下で、例えば事業者が非常に小規模、あるいは賦課される課徴金の予測額が非常に僅少である場合等は、あえて課徴金を賦課しないという例外基準を設けることは検討されてよいと考える。
課徴金の加算・減算措置については、ぜひ御検討頂きたい。
4番目といたしまして、その他、進行等に関する御意見です。
産業界の意見をしっかり聞くべきである。悪質な事業者は市場から排除すべきだが、善良な事業者が萎縮してしまう制度となれば、国民にとってもマイナスである。景表法の影響範囲は食品にとどまらない。産業界の納得、できれば賛同を得ることができれば望ましい。
行政手法研究会には含まれていた事業者の委員が今回はいないので、ヒアリング等で意見を聴取していくべきである。
課徴金制度では、金額算定のためにどのような資料を集めているのか、どのように主観的な要件を認定しているのかなど、現場の問題が大きい。他の制度で課徴金制度の運営に携わっている行政機関職員(公取委、金融庁等)の方からのヒアリングを行ってはどうか。
最後に5番目といたしまして、御質問と確認事項を御紹介いたします。
「平成20年改正法案が廃案となった後に法律が公取委から消費者庁に移管されたが、それによって制度の趣旨・目的等に影響はあるか」という御質問に対しまして、消費者庁からの回答ですが、「平成20年改正法案は、公取委時代には独禁法の特別法として競争法であった景表法が、消費者庁に移管されることとなり、消費者法体系の中でそのあり方が全面的に見直されるとの理由により廃案とされた経緯がある。したがって、公取委による法案をなぞるだけではこの調査会の存在意義はないのであって,そのような不連続の部分は当然の前提としていただいて良いと考える。むしろ、平成20年法案をどのように変えていくのかということこそ、この調査会で討議していただきたい」とのことでした。
「本日、論点として提示された問題点以外に、委員の側から新たな論点を提示することは認められるのか」という御質問に対しまして、事務局側から、「ぜひ出していただきたい」というふうに回答いたしました。
以上、御紹介させていただきましたが、委員の皆様、何か漏れ等がありましたらおっしゃっていただければと思います。

○小早川座長 よろしゅうございましょうか。
では、前回の御意見については以上のとおりということで、先へ進めさせていただきます。
まず、これからの議事次第をあらかじめ申し上げます。
第1に、今後の検討の前提として、制度導入の必要性について今日は御議論をいただきたいと思います。
第2に、その上で導入すべき制度の趣旨・目的について御議論をいただきたいと思います。
第3に、この会議におきまして今後検討すべき論点について、それぞれの重要度とか、そこまでで挙げられていない別の論点、新たな論点がないかという観点からの御議論をいただいて、整理をしていきたいと思っています。
このようにしまして今日検討すべき主要論点をお出しいただいて、それを整理しまして、それぞれの論点について来月、議論をしていきたいと思っております。
以上が今日の議論の項目となります。では、まず制度導入の必要性について検討したいと思いますが、差し当たり消費者庁から御説明をお願いいたします。時間はできれば10分程度でお願いしたいと思います。どうぞよろしく。

○消費者庁黒田課徴金制度検討室長 消費者庁の黒田と申します。
お手元の資料3に基づいて、簡単に必要性について説明させていただきたいと思います。
1枚めくっていただきまして、措置の必要性。つまり不当表示規制の実効性を確保するために、新たな措置を講ずる必要があるかということでございます。平成20年の景表法改正については法案が提出されておりますし、これまで前回の経緯で説明しました行政手法研究会においても、ここの3ページにありますように、例えば表示・広告について相談の中身は、件数はそこそこ、そんなにぐっと増えているわけではないのですけれども、比率で見ればどんどん近年増えていく傾向がございますので、景表法上の何らかの措置が必要なのではないかということでありまして、4ページに行っていただければと思いますが、前回の説明と大分重なりますけれども、違反行為者については一度そういう違反をすると、業種にかかわらず、不当な表示によって本来実現できなかったはずの売り上げによる利益、いわゆるやり得を得ることになるのではないかと考えられます。これは本来、消費者に返還されるべきものであり、違反行為者がずっと持っているべきものではないと考えられるのではないかと思います。
ただし、今回の例えばメニューなんかの問題もそうなのですけれども、実際にどの程度被害を被ったのかということを算出するのが非常に困難な場合も多いということも考えられるほか、優良度について差がそんなにない場合は金額が僅少であることも考えられるということであります。ですから本来はそういった利益については民事訴訟で取り戻すべきということもあるのかもしれませんけれども、そういったことだけではなかなか対応ができないのではないかという考えがございます。
また、5ページにもありますけれども、景品表示法上の措置命令というのは基本的には表示を直すような命令になっておりますし、再発の防止を命じるということで、そういうことで同じことをまた繰り返すと刑事罰になってしまうような命令の出し方を大概するのですけれども、先ほど申し上げたようなやり得を吐き出させるというような考え方に基づくものではありません。
ということで、一般的な不当表示の抑止機能としては弱い面もあるのではないかという意見もあり、何らかの新たな措置を講ずべきではないかということを言えるのではないかと考えております。
では、どういった手法が考えられるのかということでございます。まず1つとしてあるのは、6ページにありますけれども、経済的不利益を賦課する制度、課徴金ということが1つ考えられまして、実際には景表法の改正法案でかつて出ております。そのほか2番目、7ページにいきますが、いわゆる直罰規定を設けるということも選択肢としては考え得るということがございます。直接刑罰を科すということでございます。
その次のページにありますけれども、8ページですが、ただ、刑罰について言えばそこまでといいますか、実際に行った行為と刑罰の意味。真ん中あたりにも刑事罰は過去の違反行為の反社会性・反道徳性に着目し、違反行為に対する応報の観点から違反行為者に対して道義的・社会的非難を加えることを本旨とするというのが考え方でございますが、課徴金といいますか、やり得とかそういったことに対してここまでやるのがどうかという議論もあるのではないかと考えられます。
あと、手段として3つ目としては、8ページの下のほうにありますけれども、業務停止命令ということがございます。つまり、不当な表示がされた商品についてそもそも表示をやめさせるというよりも、販売そのものをとめるという手段としても選択肢としては考えられるということでございます。
その辺まとめて9ページに書いてありますけれども、実際に表示についての直罰は不正競争防止法とか、JAS法については原産地の部分について一部存在しております。ただ、いずれにせよこれは利益に、やり得をはく奪するという性質のものではないということでございます。あと、業務停止命令ということで言えば、表示規制という目的を越えて過剰な規制となるおそれも考えられなくはないのではないかと思います。
ということで、やはりこういった表示の事案に関して言えば、直罰や業務停止命令のような措置に対して経済的不利益を賦課する制度に基づき「やり得」をはく奪するほうが、不当表示行為の抑止という観点からは、直接かつ機動的に実現することができるのではないかと考えられるのではないかと考えております。
といったことで、これまでの議論で言えば、消費者庁としては不当表示規制の実効性を確保するための新しい措置が必要だということであれば、まずは課徴金を検討したいという考えでございます。
消費者庁からの説明は以上です。

○小早川座長 ありがとうございました。
それでは、時間的には15時50分ごろまで、30分程度を予定しておりますが、今の御説明を踏まえた上で、この制度の導入の必要性についていろいろ御意見があろうかと思いますので、御意見、御質問がありましたらよろしくお願いします。
宮城委員、お願いします。

○宮城委員 ただいまの御説明の中で、資料3の3ページの相談内容は国民生活センターからですかね。相談内容について表示・広告の問題が増加しているという話でありましたが、4万、5万のオーダーであるということなのですけれども、この統計のとり方が私としては納得いかなくて、これは表示・広告それ自体から発生した被害ということだと思うのですが、実際のところではそんなことではなく、訪問販売などを除けばほとんど全ての消費者被害の発端は広告・表示から始まって、そこから一般消費者が自ら危険な悪質商法に近づいてしまうというところが非常に大きいということでありますので、4万とか5万とか、こういうオーダーではなくて、表示・広告が導入となって悪質商法に導かれてしまうことが多いので、こんな話ではないということをまず指摘したい。
それから、第2に抑止力という点が課徴金制度では重要でありまして、しつこく私が言っているところですけれども、発生拡大してしまう前にあらかじめそれを抑え込んでしまうという目的を達成するためには、それによって得られるであろう不正な利益を上回る課徴金を課しておけば、それをやっても仕方がないということで事前抑止できるということであり、その導入の必要性が大きい。つまり、不当表示をやっておいて、後でごめんなさいをしてしまえば何もペナルティがないということであれば、やったほうが先ほどから出ているやり得。その点はおっしゃるとおりと思っております。
第3に、同じ点ですけれども、いろいろ今まで集団消費者被害の弁護団などで活動してまいりましたが、そのたびに思うことは、被害が起こってからでは非常に遅くて、例えばその業者が金融庁や経産省などから行政処分を受けて倒産するというようなことになった時点では、消費者被害の回復は非常に困難となって、我々は一生懸命やるのですけれども、それでも回収率が1%とか2%とか数パーセントとか、せいぜいよくて10%とか、ごく十数件に1件ぐらい全額に近いものが回収できたことが運よくあったかなと。そんなようなことでありますので、まずは事前に被害が発生する前に抑え込むことが非常に重要であるということを申し上げたい。
それから、時々この課徴金の問題について、これは消費者庁の内部でおっしゃっていたことではないかと伺っておりますが、課徴金制度をわざわざ導入しなくても大体の業者は行儀よく、指摘すれば措置命令を出せば言うことを聞くのであるから、課徴金を課することは必要ではないのだというようなことも聞こえてきたりもするのですけれども、それは全然違っていて、はっきり申し上げると、それは従来の消費者庁における運用に私としては不満があって、それは言うことを聞かないような詐欺的な本当に行儀の悪い業者に対して措置命令などをとっていないから、そちらを調査対象としていないからそういう話なのであって、課徴金が間違いなく必要である事業者というのは非常に世の中に多数存在するということを申し上げたい。その4点であります。

○小早川座長 どうもありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。増田委員、どうぞ。

○増田委員 統計についてですけれども、今、宮城先生からの御指摘のとおり、多分入力の仕方にもかかわっていることだと思いますが、きちんと聞きとりをして、表示について明確にすれば、件数がもう少し多くなるのかなとは思います。2004年のピークに比べて今、全体の相談件数が200万件から今84~85万件に減少している中で、表示の部分については高止まりの状況にあることを考えれば、決して少ない数ではなく、減少は全くしていないという状況です。
恐らく推測ですけれども、最近はインターネット関連の相談が多いものですから、ネット上の表示・広告というのが非常に割合が大きいのかなと思っております。そういう意味から言うと、やはりそういうところからお金を回収するというのは現実的に非常に難しいことを考えれば、抑止力という意味でこういうことをしても無駄だということを、課徴金で担保することが非常に有効だと思っております。

○小早川座長 夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 ただいま宮城委員から御指摘がありました、この数字の出し方というものについて御意見があったわけです。今日はこちらに国センの相談業務の担当課長さんがいらっしゃいますから、そういった御指摘に対してどのようにお考えなのか少し御説明いただいたらどうかと思います。ここには出典が国民生活センターと書いてありますし、消費者年報、消費生活年報にも記載されている数字ですから、公式なデータというのはとても大事といいますか、根拠になる数字だと思いますので、もしそこのところで解釈が違ってしまうと、これからの議論に影響するのかなと少し感じましたので、お願いしたいと思います。

○国民生活センター保木口相談情報部相談第一課長 では、この件について説明させていただきます。
まさに宮城先生がおっしゃってくださったようなのが実感でございます。なぜ実感よりここが数字として少なく出てくるのかということなのですが、先ほど増田委員もおっしゃいましたように、PIO-NETへの入力の仕方にもあると思います。入力の際には、1つの相談に関して「内容別分類」を必ず1つは振ることにはなっているのですが、大体相談の内容を見ますと、そこの主訴といいますか、一番困っていることは契約や解約に関してだったり、契約に至った理由が悪質な販売や勧誘をされてしまったというケースが多いのです。そのため、どうしても「契約・解約」ですとか「販売方法」という分類をを先に振りがちなのです。
「表示」や「広告」という部分が契約に至る最初のきっかけにはなるのですが、主訴としまして「解約したい」とか、「販売方法がおかしいのではないか」というほうが強く出されますので、どうしてもそちらのほうを先に振り、「表示・広告」というところまで振らないケースもままあるというのが実態でございます。

○小早川座長 今の御説明ですが、その前に御発言なさったお三方、いかがでしょうか。宮城委員に私からご質問させていただきたいのですが、悪質商法、いろんな面があるわけですね。最初は広告から始まっているわけでしょうが、どこが一番悪質と評価されて、こういう表に載ってくるかというのが今の御説明だと思うのです。善良な事業者の表示と悪質な事業者の表示とがあって、その場合、表示だけとったときにその評価が違ってくるのかどうか。先ほど、悪質事業者は表示のところからしっかり押さえないとだめだということを言われたように思うのですが、表示だけを見たときに、これは規制をすべきか、あるいは今回のテーマで言えば課徴金の対象にするかという見分けがつくのかどうか。

○宮城委員 御質問の回答になるのかどうかわかりませんが、私が感じていることをそのまま申し上げると、消費者がなぜだまされるのか、あるいは自分の意に沿わない商品、役務を購入させられてしまうのかということについては、2通りというか重なっている部分があるのですが、1つには不正な、正しくない情報を与えられてだまされて自分の意志で購入してしまう。もう一つは勧誘方法において説明が不十分であるとか、あるいはごまかしの虚偽説明が行われているとか、あるいは強引な勧誘をされてしまったり、そういう勧誘方法に問題があるパターンというのがあります。
そして、そういった表示・広告が全くなくて、例えばお年寄りを訪問販売でだましてひどい取引をさせるというようなものについては全く、これは不当な勧誘の目的でありまして、これは景表法とは関係ない問題であります。しかし、その両者はかなりの部分、重なっていて、特に大規模な被害を発生させるような悪質事業者の表示・広告というのは、まず表示・広告をして、そうでないと大規模な被害を起こすのは難しいですから、一つ一つちょこちょこと訪問販売をやるのは難しいですから、それで自分のほうから呼び寄せて、そして、その後でおもむろにだましにかかるというようなパターンがかなりの数に上ると思います。
したがって、そういった悪質事業者が大規模に被害を発生させないというためには、勧誘に対する規制も重要ですが、その前によちよち歩きの子供である消費者がライオンにとぼとぼ近づいていくように引き寄せられるということをまず止めなければいけない。そのためには不当表示の対策が重要であるということを申し上げております。
ただ、表示だけを見て、それだけで見分けがつくかというと、それはそういう場合も表示自体を私ども弁護士が見せられて、表示自体何であんただまされるのみたいなおかしな表示は時々見受けます。しかし、そうではなくて巧妙につくられているものはかなり多いので、それだけ見てわかるかというと、そうではありません。そういった巧妙なものについては表示・広告を見て、さらに業者の内部事情まで立ち入らないとわからないと思います。そんなことでお答えになっているでしょうか。

○小早川座長 では、消費者庁のほうから今の点で何か。

○消費者庁黒田課徴金制度検討室長 先ほど消費者庁の中からという声が聞こえてきたという話をおっしゃったので、簡単に。
基本的に景品表示法という法律の考え方といいますのは、事業者が何か自分たちの製品を売ろうというときには、何らかを強調して広告するというのは当然あるのだろうということでございまして、それが行き過ぎているような場合に、要は著しく優良に誤認させる。つまり中身と食い違ってしまっているという場合に、それはだめだという法律でございます。
確かにだます場合には、表示・広告からだましてくるというのもあるのでしょうけれども、これは常にそうとは限らないかもしれませんが、執行の考え方としては基本的にそういう場合はそもそもそれは悪質な事業者の行為をやめさせる方向の法律を、まず適用を考えることで考えておりまして、例えば標準の部分を直せば、やっていること自体がOKみたいな感じになってしまっては困りますので、どちらかというとそういう悪質業者の悪質な商行為に対して景表法で最初からいくというよりは、まずはそちらの行為自体を取り締まるという考え方で運用しているということを簡単に、御参考までに申し上げたいと思います。

○小早川座長 では、齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 齋藤です。
私は虚偽表示の典型例は模倣品・海賊版だと思っています。先般、消費者庁だったと思うのですけれども、中小企業を除くというのをどこかで見かけ、驚いたのです。なぜかというと、2013年の日本の実績を見ますと、警察は模倣品・海賊版関係で510件摘発し、846人検挙して、押収した偽ブランド品・海賊版は51万点に上ります。また、インターネット・オークション業界も努力していまして、他者の権利を侵害したものをネットから削除しています。2013年に、商標権関係では権利者の要請で5万件、プロバイダ等の事業者の自主削除が23万件。著作権関係は権利者要請で700件強、自主削除が6万件ございます。この摘発や削除の大半は小規模事業者、個人がいるかもしれませんけれども、それが大半です。これを除外してこのルールを考えても、何の効果も望めないのではないかと私は考えております。
来年、消費者基本計画で新たな版が作成される予定です。その主な柱になるのは情報化、インターネット化だと思っていまして、これは外せない。であれば、小規模の者を除外するという発想にはならないのではないかと思っているのです。前回どういう議論があったかわかりません。欠席して済みませんでした。私の考え方を述べさせていただきます。

○小早川座長 では、長田委員、どうぞ。

○長田委員 今回、課徴金のこの制度が必要かどうかというところを考えますと、やり得のまま置かない。なぜやり得のまま置かないかというと、同じような競合する製品やサービスを提供している事業者で法令を遵守して、表示にも気をつけて事業をしている人がいる中で、不当表示をすることによってお客さんを獲得している事業者がいるとう現状に対して、それをつまり真面目な事業者にばかを見させないということも1つの目的になるのではないかと考えています。
宮城委員が最初におっしゃりたかったのは、不当表示というのはもっと本当に世の中にはいっぱい蔓延していて、それによるいろいろな消費者被害が起きていますよという、その数はこれだけにはとどまらないですよねということを強調されたかと思いますけれども、実際そうだと思います。ですので、会社の規模がどうなのかとか、日ごろが善良であったかどうかということよりは、その表示が不当表示であるのかどうかというところで、きちんと適正な競争社会の中で善良な事業者がばかを見ないというのが、1つの今回の法律の課徴金を入れるための大きな意義になるのではないかと考えています。

○小早川座長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 まさしく私もそういうふうに思いまして、まず大手の事業者であっても、例えば通信の速さとかLTEの問題で処分を受けたりということがございましたけれども、実際のところは返金は非常に難しい。結果としては求めることができない状況でした。
それと小さいところですと、小顔矯正のゴッドハンドみたいなところも処分されましたけれども、そこはホームページの広告を直しましたので、御返金いたしませんというような対応でしたので、事業者規模が小さい大きいにかかわらず、たまたま間違えてしまったとか、今回はよく精査しないで間違えてしまいましたという、そういうような状況であったとしても、不当な表示によってたくさんの被害を生み出してしまったということはあり得ることなので、広く対象としていただきたいなと思います。

○小早川座長 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 昨今、全ろうの作曲家の佐村河内氏が実は耳が聞こえていたのではないかと言われております。そうすると、もし聞こえていたとすると、彼とゴースト作曲家、出版社、CD会社、演奏会も開かれているようですから演奏会の関係者、雑誌広告した者、その他、彼の広告とみなされるようなものを取り扱った者に全部課徴金をかける。あるいはテレビで彼を取り上げて視聴率を稼いだ放送局にもかける。こうなるわけでしょうか。

○宮城委員 多分、全くの誤解だと思います。そのような認識を一般の事業者さんが持たれて、広く反対運動を展開されるというのは非常に困ります。それは全くの誤解でありまして、まず不当表示の規制対象は表示・広告元の事業者です。つまり自社製品について真実と異なる優良誤認表示、有利誤認表示を、広告表示を行った事業者が対象となります。したがって、マスコミだとかそれに乗せられたレコード会社であるとか、そういった事業者さんが対象となることはあり得ないと思っております。正直言うとマスコミ責任というのは、私は訴訟も時々やっておりまして、勝てておりませんが、そういうマスコミ報道に問題あるのではないかと感じるときはままあります。ただ、それは景表法の問題ではないと思います。
それから、今の現代のベートーベンのお話については、これから主観的要件立てをどう設定するかということで、それは要件論の話になりますので、後で議論がなされるのではないかと思うのですけれども、少なくともその案件について言えば、全く知らないで報道したりレコードを売ったりされたらしようがない。本人がそう言っていて障害等級2級等級の障害というようなことも言われていた話なので、それは信じるしかないのでしようがないのではないですか。それは課徴金の対象には全然ならないと思います。

○小早川座長 今おっしゃられたとおり、要件論の話だと思います。どういうものを課徴金の対象にするか。その要件論で、故意重過失問題というものがありますけれども、それだけではない。今のようなケースというのは、多分、商品販売者の過失を問題にするまでもなく外れるのだろうと思うのです。そこは要件論の問題で、これから外すべきものは外していくということだろうと思います。
齋藤委員が先ほど言われた、小規模なものは外すというのはいかがなものかということですが、確かに先ほど前回についての説明の中でそういう表現がありましたけれども、これも多分、私の理解では一般的な御意見でしょう。制度設計の中にはそういう観点も入ってくるだろう。けれども、小規模というのがどういうことなのか。被害が大きいとか、あるいは優良誤認させた程度がどうかとか、いろいろあると思うのです。金額だけの問題でもないし、事業者の規模だけの問題でもないだろう。そこは必ずしも絞った意味での小規模ということではないと思いますが、そういう御意見があったという御紹介だと考えております。
ほかにいかがでしょうか。

○唯根委員 ユーザーとして、PIO-NETのデータも拝見して感じるのは、先ほど増田委員からも出ましたように、インターネットでの通信販売の市場が非常に規模が大きくなっておりまして、私も商品を知るためにネットで広告を見て、それで商品が、どんなものかを知るという方法しか私たち消費者はないわけです。
皆さまの記憶にあると思うのですが、おせち料理で広告と現物があまりに違ったという案件も通信販売の場合には広告を信じるしかないわけですから、そういった場合苦情としては、広告よりは「品質」とか「契約・解約」などのほかのキーワードに分類されてしまって、数値としては低いのだと思います。ですからデータはまだ低くてもインターネット市場、通信販売の市場がこれだけ大きくなっているのですから抑止効果としては課徴金制度を入れることで、インターネット関連の表示は随分違ってくるのではないかと思いますので、私は課徴金制度導入に期待したいと思っております。
以上です。

○小早川座長 ほかにいかがでしょうか。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 消費者庁に質問をしたいのですが、先ほど模倣品・海賊版の摘発の件数を申し上げましたけれども、あれを景表法で取り上げていない。ほとんど取り上げられていないと思うのですが、それはなぜなのでしょうか。

○消費者庁菅久審議官 理由はいろいろあるかもしれませんけれども、景品表示法は一般的な不当表示規制の法律でございますので、今、おっしゃった模造品に関してはそれぞれの知的財産権に関する法律など、それぞれよりダイレクトな方法があるということで、そちらのほうで対応しているのだと思います。
また、極端に言えば景品表示法は不当な表示を禁止しているものでございますので、極端に言えばでございますが、模造品だと書けば売ってもいい。それを禁止することはできないということになりますから、そういう意味では模造品を排除するためには、景品表示法はダイレクトな手段ではないということではないかと思っています。

○消費者庁黒田課徴金制度検討室長 例えば要はそもそも売ってはいけないものを売っているということに対して、売ってはいけないものを売っていいかのごとく偽装して売っていたとしても、そこの表示を問うよりは、そもそも売ってはいけないものを売っている行為自体をやめさせないとしようがないではないかということでございまして、例えば脱法ドラッグなんかもそうなのですけれども、そもそも脱法ドラッグを、これは体に害がないみたいに言っていること自体が違うからといって表示に直させるということはせずに、そもそも脱法ドラッグは売ってはいけないということで、そちらの法律を適用させるように例えば厚生労働省に働きかけるとか、消費者庁として対応するのはそういったことでやっているので、今おっしゃったような海賊版みたいなものを表示で取り締まるという発想ではまずはやらないで、むしろもともと海賊版をつくって売るということ自体をやめさせる方向で関係者等に働きかけていくというのが、消費者庁のあり方だということで御理解いただければと思います。

○消費者庁菅久審議官 つまり、表示を変えれば売ってもいいのかという話でありまして、表示を変えても売ってはいけないものを、表示を変えろと命令を出すということは、我々はとても躊躇をしてしまうということなのですけれども。

○小早川座長 ということです。ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。では、制度の導入の必要性についてどう考えるかというふうにお聞きしたわけですが、大体出された御意見は、この説明資料よりもっと実は必要性があるのではないかという御意見を含めて、課徴金によってやり得をなくす、吐き出させることは必要であろうという御意見が一般的かと思いましたが。

○齋藤委員 それであれば少し申したいのですが、本当の悪は市場から退場していただく。そのためには課徴金では恐らく合わなくて、多分、刑事罰ということになるのではないかと私は思うのです。それには大賛成なのですが、課徴金の制度を入れたときにその効果があるかというと、その課徴金の制度設計にもかかわりますけれども、先ほどのCDがどうだとか、あれは別なのだとかいろいろ言い出すと、本当にこの課徴金というのは何を対象にして話しているのかわからなくなるのです。本当の悪を締め出すという意味では私は大賛成だし、課徴金でなく、刑事罰をもっと重たくしてもいいと思っているぐらいなのですけれども、そこを省いて賛成かと言われると、NOとしか言いようがない。どんな制度でもいいとはならないと思っています。

○消費者庁加納消費者制度課長 消費者庁から恐縮ですけれども、今の齋藤委員の御意見、冒頭の宮城委員の御意見と小早川座長とのやりとりをお聞きしておりまして、この課徴金の制度としてそもそもどういう事案を想定しているのかということについては、この議論の中である程度コンセンサスを持ちつつ進めていただいたほうがよいのではないかと思います。
先ほどの宮城先生の御指摘に即して申しますと、今日たまたま宮城先生が提出しておられる資料6というものがありますけれども、その中でシミュレーションというものを後ろのほうでしていただいていまして、宮城先生が問題提起をしていただいた、いわゆる悪質事案で表示を端緒とする場合もあるというのは、3.(1)のCO2ガス排出権取引のような事案を恐らく想定しておられるのではないかと思います。こういった事案も確かに不当表示も認められる可能性がありますので、こういったものを端緒としつつ、不当表示に対する規制をするというのも1つの方向性としてはあると思いますが、景表法は幅広く表示規制、先ほど来、消費者庁から申し上げているように、現行の景表法は措置命令ということで、当該表示の差し止めをするということで適正化を図るというたてつけになっておりまして、業務そのものをいきなり停止するというふうには現行はなっておりません。
対象とする事案も3.(1)で書かれている事案以外の(2)とか(3)のようなカップラーメンの事案とか、ホテルチェーンの事案とか、これを悪質と見るかどうかというのは見方によっていろいろあると思いますけれども、(1)に比べると必ずしもそうではないのではないかという事案も対象とするというのが景表法のたてつけになっておりますので、ただ、そういった事案でも広く薄くやり得が生じているということについて、被害回復も含めて検討すべきではないかというのが私どもからの今日の問題提起でありまして、それに関連して齋藤委員が御指摘の模造品のような事案とか、本当に悪質な事案に対してどう対処すべきかというのは重要な課題でありまして、消費者庁としても検討する必要は十分残っている問題ではありますが、現行の制度で言えば例えば罰則を強化するとか、そういった直接的な方法に委ねる。
先ほどの模造品の事例は、私がお聞きするのはむしろ不正競争防止法とか、そういった直罰がある規律による対処が一般ではないかと個人的には感想を持ちましたけれども、それぞれの法律が想定している役割といいますか、想定している事案と、どの程度の措置を講じていって適正化を図っていくというのはそれぞれ違いますので、そこをある程度念頭に置きつつ、共通認識を得た上で議論を進めていかないと、想定している事案がそれぞれで異なりますと議論が行ったり来たりするのではないかということを心配いたします。

○小早川座長 いかがですか。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 表示を規定している法律、条例、いろいろなガイドラインなどがたくさんあります。それらとこの景表法の関係を、本当に誰が見てもそうだなと思うように、見えるようにしないと議論していることが多分かみ合わないのではないかと思います。
例えば宅建業法などがあります。事業免許や主任者の資格を必要とし、説明義務があり、クーリング・オフもあり、損害賠償請求も当然できるだろう、そこに課徴金がどういう意味を持つのか。電車の吊り広告が過激過ぎた、済みませんと言ってお詫び広告を出す、それと課徴金との関係はどうなるのか。先ほど言われた病院なども、私も国民生活センターでADRの委員を務めていますけれども、病院などの広告の仕方がいかがなものかと感じることもあります。
その辺をひっくるめてどのあたりにポイントというか、焦点を当ててこの課徴金という議論をしているのかということがある程度、今日でなくてもいいですが、見えるようにならないと、先ほどのように佐村河内氏はいけない方だけれども、その他の者は皆いいのだということになると、話が混乱してくる気がしてしかたがない。例えば、音楽ならばそれでいいのか。では部品、材料、原材料ならどうなのだ、というようなことに関係してきますので、整理する必要があると思います。

○小早川座長 どうでしょうね。消費者法上、問題になる悪質な行為に対して、どういうものについてどういう手法が適しているか。こういう取引は社会的に許されないんだ、商品の中身が許されないんだということで排除するやり方。それから、商品そのものではなく、商品の表示がよくなくて選択を誤らせるというものについてはどうするか、それぞれ違うと思うのです。齋藤委員の提起される問題はその辺が整理されればかなり解決できるのではないかと思います。それでは、たとえば先ほど例に挙げられた宮城委員の3.(1)の例がここで適切な例だと考えて、そういう想定でもって議論するかということになると、そこはまたいろいろ御議論があるかもしれませんが、多少パターンを分けて説明していただいたらいいのかなという気もします。

○消費者庁菅久審議官 今、全部を整理して説明というわけにはなかなかいきませんが、景品表示法という法律をごらんいただきますと、基本的には消費者が誤認する表示を禁止し、そのためにどういう措置をとるかというと、表示をやめる、または表示を改めるという措置をとっております。
ですので、これは要は対象となる商品はもちろん法律では特定しておりませんが、基本的には安全衛生上問題があって、市場にあってはいけないようなものでありますとか、それから、先ほどの知的財産権なりその他の法令によって、そもそもその世の中で取引をしてはいけないようなものに対して対応するのではなくて、そうではなく、そのような問題はとりあえずなくて、世の中で通常の市場で取引をしていい商品を対象に、しかし、それを実際よりもよりよく見せて売るという行為を禁止するということで、マーケットがスムーズに動くように、マーケットの中に入ってきてはいけないようなものはそこで排除していただいて、マーケットにあるものがスムーズに動く。そのために消費者に十分な情報を提供して動くようにするというのが景品表示法の対象だと理解しています。過去の事例を見ていただいても、基本的にはそういうことだと思います。
ただ、もちろん個々のケースを見ますと限界的なものがございます。実際上、世の中で取引されているのだけれども、本当はこれはよくないのではないか。そういうぎりぎりのケースはもちろんございますが、多くのものは現在、秋から問題になりましたメニューでありますとか、ガソリンの種類が違うとか、そんな類の、例えば車のメーターを巻き戻したとか、それは商品自体は悪くないのだけれども、表示が悪いから変えてくださいと。そういうものを対象にしていると少なくとも理解して執行しているということでございます。

○小早川座長 抽象的な物の言い方で申しわけありませんけれども、表示の仕方が悪いものについて、それをどう改めてもらうか。そのための方策として今、命令の制度はあるのだけれども、それで十分か。そこに課徴金というものを入れたら今までカバーできていない不当表示の是正に役立つ部分があるのではないかということをまずは確認したいというのが今日の話なのです。それがこういうケースに当てはめられるのはおかしいではないかとか、そういう問題はまた後で議論していただくということで、今日は、必要性の議論、典型的なものについてこういう制度があると役に立つのではないかということについて、皆さんの御意見を伺っているわけです。そういうことでよろしいでしょうか。

○齋藤委員 確認しますが、では模倣品・海賊版ではその業者には課徴金をかけないと伺えるのですけれども、そういう趣旨なのでしょうか。

○消費者庁菅久審議官 課徴金の前に景品表示法違反として調査し、措置命令を出すかどうかということでありまして、措置命令を出せば課徴金がくっついてくるということであります。そういうことでは過去の執行の我々の考え方から言いますと、世の中にそもそも存在してはいけないものに対して表示を改めろという命令を出すということは基本的にやっておりませんので、実際上、そういうものを景品表示法でどんどん取り締まっていくことはないのではないか。むしろ別の先ほどの不正競争防止法なり、その他の法令によって、そもそも販売を取りやめてもらうということをやっていくのではないかと思っています。

○小早川座長 よろしいでしょうか。この課徴金制度をつくったときに適用対象になるかならないかというぎりぎりの解釈論をやっているわけではない。模造品の場合であれば、表示に着目した規制よりももっとほかにやるべきことがあるだろうということで、執行当局としても多分そちらのほうの別の制度を使う、これを使うわけではないだろう、そういう御説明だと思うのです。だから、法律としてどこまで読めるような法律にするのかというのは、これからの話、先ほど申しました要件論を詰めていって決まってくる話だろうと思います。それでよろしいでしょうか。
それでは、そういうような本来あるべきものを考えたときに、なるほどこういう制度が必要なのではないかという限度で、皆様の御賛同をいただけるのかなと思いました。そういうことで次へ進めさせていただきたいと思います。

≪3.導入すべき制度の趣旨・目的(被害回復の視点等)について≫

○小早川座長 そうしました場合に、今の話とダブりますけれども、導入すべき制度の趣旨・目的をどう捉えるかということについて議論をし、検討すべき論点を整理していきたいと思います。ではこの点につきまして消費者庁から御説明をお願いします。時間が回っておりますので、少し早めにということでお願いします。

○消費者庁黒田課徴金制度検討室長 お手元の資料4をごらんいただければと思います。全体の議論ということで趣旨・目的ということを御議論いただきたいわけでございますが、前回も紹介いたしましたけれども、既に研究会においていろいろと議論を進めておりまして、そこでどういう議論が行われてきたかということを紹介させていただくということで、今日の議論の材料にさせていただければと思います。
まず、消費者の財産被害に係る行政手法研究会取りまとめにおいて論点とされた事項ということで、1枚めくっていただきまして、全体、論点とされた事項一覧ということでございます。今日後で検討すべき論点の整理ということもございますので、まとめて簡単に全体像を示して、後の御議論にも資すればと思います。
ここにある一覧表については前回も御説明しましたので、これを横に置きつつ個別にページをめくっていきたいと思いますが、3ページには趣旨目的で、これまで議論されたことについて言えば、そこの太い線で強調してありますように、景品表示法について課徴金という形を入れる趣旨目的について言えば、消費者の自主的かつ合理的な選択の確保のために、それを阻害するおそれのある不当表示を実効的に抑止するための措置として位置づけることができるのではないかという議論がされております。
どういうものを、範囲をどう考えるのか。趣旨・目的を御議論いただく上では全体像もかかわってくると思いますので、後でその全体像を御紹介したいと思いますが、対象となる不当表示の範囲をどう捉えるかという論点があると思われます。不当表示の程度及び範囲並びに被害拡大のおそれが大きい場合とか、前回といいますか、平成20年の改正法案については、幾つかある法律の例えば優良誤認、著しく優良だと誤認させるというようなこととか、この取引の条件がより著しく有利だと誤認させる話について対象とし、ほかにも景表法のいろんな違反事案があるのですけれども、そこに絞っているとか、5ページにありますが、そのような場合にどういった要件があった場合に課徴金の対象となるのかということであります。平成20年の改正法については、不当表示について故意・重過失がある場合のみ、例えば課徴金対象になったといったこともございますが、現行のほかの課徴金制度を見てみますと、そういった要件を設けていない場合もございます。この辺をどう考えるかということがございます。
6ページについて、さらに事案について申し上げれば、規模基準の要否水準ということなのですけれども、相当程度のやり得が残るような事案ということで、その相当程度ははっきりしていない部分がありますが、例えば課徴金額の下限みたいなものを平成20年の改正法のときに入れたりとかしております。現行法でも下限を設けている場合もあれば、特に設けていないという場合もございます。この辺をどう考えるかということでございます。
7ページについては、算定方法についてどう考えるかということでございます。平成20年の改正法では売上額の3%ということでありますが、これをどうするのか。期間とか、あとはいわゆる除籍期間。違反の事案が発覚したのが実際にもう随分昔の話だったといった場合に、どこまで対象に含めて考えるのかといったようなことだと思います。
8ページで見れば、課徴金額に関連して加算措置とか減算措置とか、または免除といった規定を設けるかどうか。例えば自主的に申告した人について減免するとか、そういったようなこととか、何回も何回も繰り返しているような人については加算するとか、そういった御議論があろうかと思います。
9ページについて裁量性ということなのですけれども、当てはめ方、つまり行政処分を行う場合に要は課徴金を命令するかどうかということについて、裁量の余地があるかどうかということでございます。法律を見ると行政処分の場合は非裁量的、画一的な制度が通常一般的だということになっております。
10ページ、あとは事前の手続とかそういったことでございますが、やはり課徴金を課す以上は証拠がないといけないということで、その調査をする権限などをどうするかとかいうことでございます。
11ページについては不服申し立てということでございまして、そもそも違反行為自体の認定について不服がある場合にはどうするとか、金額について不満がある場合とかそういったようなこと。それについての手続をどういうふうに整えていくのかといったことが論点になろうかと思います。
徴収手続ということですが、例えば被害回復という観点からすれば民事との関係で例えば最近、消費者裁判手続特例制度を設けましたけれども、そういったことでやろうとしている前に課徴金でごっそり取ってしまって、消費者に戻すお金がなくなるような事態をどういうふうに考えていくのかという論点があろうかと思います。
最後、被害回復の観点ということで今の観点と重なる部分がありますけれども、あと、納付された賦課金を配分するという考え方もここに書いてありますが、そういった議論もこれまでなされておりまして、今回そういった全体の中でどういう制度に御議論いただくのかというので、1つ論点として挙げさせていただきました。
説明としては以上でございます。

○小早川座長 ありがとうございました。
それでは、今、御説明のありました内容ですが、そのさまざまな論点について具体的に、あれがいい、これがいい、これはよくないということを、今日議論するということでは必ずしもありません。今日は全体として何が論点かということの整理を主眼としております。ただ、検討すべき論点が何かというそのことは後半部分にしまして、まずは、導入すべき課徴金の制度の趣旨・目的をどう考えるか、何を狙った制度として設計をしていくのかというところから御意見を伺いたいと思います。
こういう問題設定は、前回の最初に岩田委員からそこが大事だということも強調されているところでありますが、岩田委員、何か。

○岩田委員 ぜひしっかり議論をいただきたいと思うのですが、前回、途中で退席したのですけれども、今日資料1で出された御意見の御説明が先ほどありましたけれども、私の中でうまく理解ができない点がありまして、それは目的に課徴金を財源として適格消費者団体とか特定適格消費者団体が消費者被害回復を目的とする訴訟の遂行のための財源に充てるような枠組みをつくるべきだということを御発言なさった委員がおありだというのがこれでわかったのですけれども、前回、消費者委員会として今、関係団体からヒアリングをしているのですが、その中で適格消費者団体からのヒアリングということがありまして、確かにこの裁判の仕組みをうまく回すためには、例えば特定適格消費者団体に対するさまざまな公的な支援といいましょうか、情報面の支援とか、財政面の支援が必要であるというのは私自身は非常に強く認識いたしました。それはどこかで判断をしなければいけないと思ったのですが、そのことと、不当表示を理由とする課徴金の財源をそれに充てるというのが、ちょっとそこに距離があるというのか、うまくつながらないように思うのですけれども、どういう理屈でそれを、副次的な目的として入れるという御趣旨かもしれませんが、この法律の体系の中に入れてやろうとなさっているのか、そのあたりの御議論をぜひ聞きたいと思いました。

○小早川座長 特にどなたということはありませんが、今の論点について御意見があれば。宮城委員、どうぞ。

○宮城委員 これは前回、私から申し上げた意見なので若干御説明したいと思いますけれども、理論的に直結はしないであろうということはそのとおりで、従来そのような制度はないだろうということはそうだと思います。課徴金というものについては基本的には国庫の一般会計に入れるものである。そういった基本的性格は理解した上で、しかし、それだけでよいのかということはあります。
結局、課徴金の制度それ自体は先ほどから申し上げているとおり、消費者被害が発生し、かつ、拡大していく。それをあらかじめ発生する、被害が大きくなる前に抑え込んでしまう。そういった事前抑止の制度である。そのための課徴金であるということであります。
ただ、事前抑止だけで全てが抑止できるかというと、全くそういうことではないと思います。例え話で恐縮ですけれども、国外からインフルエンザがどんどん広がってくるというときに、それを幾ら国が躍起になって水際でインフルエンザウイルスの蔓延を防止できるかというと、決してそうではない。かなりの数の罹患者が国内に出てしまうということにはなるでしょう。そうした場合には不当表示のバリアを通り抜けて発生してきてしまった消費者被害については、それを何とか回復させなければいけない。そういった制度が必要であることは論を待たないでしょう。
そして、そのためには消費者庁が本当ならば、理想形を言うならば、適格消費者団体だけには任せずに、消費者庁自体が父権訴訟とかよく言われると思いますけれども、いわゆる違法収益剥奪、消費者庁自体が多くの消費者のために違法収益剥奪という訴訟制度などを使ってそういったことを回復してあげる。そこまでいくのが本当の理想形だと思います。
ただ、当面はそういった制度については議論の途上でありまして、まだ制度の枠組みも見えていない。そういった中で消費者被害の回復のために、やっと法案化できた制度というのが特定適格消費者団体による集団的消費者被害の回復訴訟制度なのです。
ただ、消費者団体の実情を申し上げると、ぶっちゃけた話、現在では回復訴訟制度に第1弾、第2弾の手続がありますが、第2弾の手続でそれを有効・適切に果たして遂行できるだろうか。それだけの物的・人的な底力はあるだろうかというところになると、それは非常に疑問であります。
そうしたところについてはやはり、その点は岩田委員は恐らくそれについては何らかの援助が必要であろうといったことだけれども、それと課徴金は別ではないかという御趣旨ではないかと理解しましたが、理屈の問題では直結はしないのかもしれないけれども、ただ、課徴金が消費者被害の事前抑止のためのものであるということを考えると、発生してしまった被害について回復するためのいわば国という上からの課徴金制度だけでは十分被害防止、回復が図れないことははっきりしているのだから、それについては下からの民間の力でそれを回復することが必要である。それを有効に機能させるために、事前抑止のために徴収した課徴金の財源を利用することは、大きな目的の目から見れば事前抑止のための課徴金、そして、発生してしまった被害についてはそれを回復させるための課徴金財源とするということは、消費者被害の事前抑止及びその回復ということであれば、大きな目的としてはつながっているとすれば、それをそちらの財源に振り向けるということは、大きな目で見れば全く矛盾はないのではないか。そのように考えています。

○小早川座長 いかがでしょうか。石戸谷委員長代理、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 今の点に若干補足をしたいと思います。
前回、今回の諮問の2つの流れというので直接的な経緯で食品偽装、もう一つは景品表示法が消費者庁創設に伴って消費者庁に移管されるときの経緯の御紹介があったと思うのですけれども、国会の議論の中で景品表示法の課徴金については、被害者救済制度の総合的な検討を実施する際にあわせて検討するということで議論がされまして、その結果、消費者庁及び消費者委員会設置法の附則の5項、6項に結実していると考えております。
6項はまさに被害救済するための制度について検討を加えるということで、これは不当利益の剥奪とか、その点が入っておりまして、5項のほうは適格消費者団体による差し止め請求関係業務の遂行に必要な資金の確保その他の適格消費者団体に対する支援のあり方について見直しを行い、必要な措置を講ずるものとするということになっておりまして、この段階ではまだ差し止め業務だけだったのでこういう書き方になっているわけなのですけれども、私は国会の議論において5項と6項というのはいわばセットで考えられたものだと理解しております。
この附則については附帯決議もありまして、同様の特に参議院の附帯決議で29項、31項というものがそれに関連すると思うのですけれども、幅広い検討を行うという中に、確かに直接的にこれが目的だということはないと思うのですが、被害者救済制度の総合的な検討を実施するものの制度の総合的な検討というのは非常に幅広いものであって、したがって、この課徴金を検討する場合に課徴金として課せられたものをどういう具合に使うかというようなものも、当然その議論の中では含まれていると考えられると思っております。ですので、私としては設置法の5項、6項の中に含まれる検討事項として、この問題を考えていくべきではないかと思っています。

○小早川座長 川出委員、どうぞ。

○川出委員 課徴金の趣旨・目的に関してましては、前回、消費者庁から御説明がありましたように、景表法の所管が公正取引委員会から消費者庁に移ったことにより、それが消費者法制の1つとして位置づけられたということですから、仮にその違反について課徴金を創設するとした場合,それは、競争秩序とか市場の公正さの維持ということではなく、消費者の利益の保護のための制度として位置づけられるということが出発点となるのだろうと思います。
その上で、課徴金が消費者の利益を図るための制度だとして、その趣旨・目的をどう考えるかというのがここでの問題なわけですが、その点については、先ほどからご意見が出ていますように、消費者の利益を害するような不当表示行為を抑止することが第1の目的であるということには、恐らく異論のないところだと思います。
問題は、それに加えて、消費者の被害回復ということも課徴金の目的として加えるのかどうかということでして、この点は、先ほど御紹介のあった行政手法研究会でも議論になりました。具体的には、被害者に対して課徴金を分配するという制度を作れないかということが問題とされたのですが、結論としては、そこまでは無理ではないかという意見が多数を占めたように記憶しています。
その理由についても、さきほど御紹介がありましたが、そもそも、課徴金という制度を導入しようとする理由が、不当表示による被害については、損害が算定しづらいとか、算定できるとしても、それが少額であることから,民事訴訟には乗りづらく、事業者側にやり得が残ってしまうことがあるということであったわけです。そうしますと、損害が算定しにくい場合には、課徴金を分配すると言ってもできませんし、また、損害が少額という場合については、まさにそのような場合も含めた救済を図るものとして、集団的消費者被害回復に係る特別な訴訟制度がつくられたわけですから、損害回復は本来的にはそちらの民事訴訟で図るべきものであって、課徴金にそれを期待することは、制度の枠組みとしてふさわしくないということになろうかと思います。以上のような理由でで、私も、損害回復を課徴金の直接の目的に入れることは難しいと考えております。
ただ、他方で、損害回復が重要であることは間違いないわけですから、課徴金が消費者法制の中に位置づけられるということからすれば、それが被害者の損害回復が妨げることになってはならないということはいえるだろうと思います。そこから、先ほど御紹介があったように、課徴金をとることにより、原資がなくなってしまい、消費者側が民事訴訟で損害を回復することができなくなるようなことは避けるべきだということになります。さらに、宮城先生ご提出のペーパーの中にも出てきますが、例えば、被害者に返金したような場合には、その分を課徴金がから差し引くといった形で、損害回復を促す仕組みを設けていくということも考えられるだろうと思います。このように、直接の目的とするのではなく、いわば裏側から、課徴金が消費者法制の中に位置づけられていることを考慮することが考えられるわけです。
その上で、先ほどから出ている話ですが、課徴金を被害者に分配することはしないとした上で、例えば、適格消費者団体を援助するという形で、広い意味での消費者の利益を図るために課徴金を使うということは、制度としてあり得ると思います。ただ、それは、課徴金をどう使うかということですから、課徴金の目的という話とは異なる次元の問題ですので,別途考えたほうがよいと思います。課徴金の趣旨・目的については、先ほど申し上げたように,違反行為の抑止に加えて、損害回復を直接の目的と考えるかということに焦点を当てて議論したほうがよいのではないかという印象を持ちました。

○小早川座長 ほかにいかがでしょうか。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 不当表示の範囲についてコメントをしたいと思います。

○小早川座長 それは次の点ですので、課徴金を入れる趣旨・目的をどこに見定めるかという、まずはそこに絞っていただけますでしょうか。

○齋藤委員 では、後で。

○小早川座長 長田委員、どうぞ。

○長田委員 法律の専門家ではないので、法律の目的にどういうふうに書くのがいいのかわからないところがありますけれども、1つはまず皆さんが多分合意をしていらっしゃる抑止というところ。それでこの景品表示法そのものが消費者庁からの3ページにも書いてありますように、消費者政策と、もともとが独禁法のところにあったということで、競争政策上の役割というのはあると思いますので、それをきちんと書いていただくのがいいのかなと思います。
その上で消費者の被害の回復もしくは被害を回復するための援助にどう使っていくかというところについては、この後、意思を持って制度設計のところで話し合いをしていくというような課題になるのではないかと私は思っています。

○小早川座長 いかがでしょうか。最初に岩田委員が言われた、課徴金を取ることと、消費者の権利を擁護するための、具体的には訴訟ですね、適格消費者団体の訴訟活動にそれを使うということが結びつくかということについてはどうですか。今の御発言もふまえて。

○岩田委員 今の長田さんがおっしゃっていただいたように、とりあえずは不公正な表示をいかに抑止できるかというところにターゲットを絞って議論をして、それとまた次のステージで今、諸先生方が御発言なさったように課徴金の使い方みたいなことの議論の余地があるのかどうか。議論の余地があるとしたらそれをどうするかというのは、その次の段階で議論するという今の長田さん御意見に私は賛同します。

○小早川座長 宮城委員、どうぞ。

○宮城委員 私も同じ結論です。この論点が落ちたら大変だということから、まず冒頭に目的論ということで言わせていただきましたけれども、確かにおっしゃるとおり、何も目的が第一義的には事前抑止であろうということについては私も全く異論がないので、まずは消費者被害を起こさせないことが大事ですから、あとは財源の使途をどうするかということだけ、この調査会の継続期間中にしっかり議論していただければ、それでよろしいことなのかなと思います。

○小早川座長 それでは、大筋現段階の整理としては今、幾つか御発言がありましたように、主目的としては抑止のための課徴金というものを考える。その上で有効な使い方ということで議論をすることになるだろうということかと思います。その際に、何度か出てきましたように、消費者法として位置づけた中でこの制度を考えていくんだということから、使い道のところで、消費者保護のために使うという議論にそれなりの後押しにはなるのかなと思います。そこはしかし、位置づけとしては先ほど申しましたようなことであろうと、そういったあたりでよろしいでしょうか。
河上委員長、どうぞ。

○河上委員長 おおむねそれで私も結構だと思うのですけれども、抑止の問題だけに限る話ではなくて、被害回復の観点というのは一応、加味しないといけないのではないかということであります。
実際に先ほど川出委員からも出ましたが、徴取したお金に関しては被害を受けた損害金との対応で消えるものですから、その被害回復の観点というのもある程度考慮しながら損害抑止ということのためにどういうものが適切か。つまり何のために取るかということについての議論を今、やってきたわけですが、次はそれを取ったお金はどう使うかというのは別問題としてまた議論させていただくということで、まとめていただければありがたいと思います。

○小早川座長 ありがとうございます。
では、齋藤委員。

○齋藤委員 被害回復の観点もあると思います。それであれば、先ほど説明があったような模倣品・海賊版のところに被害回復の観点がどこにもない。例えば刑事罰などはたしかにあります、使ってはならないもの、売ってはならないもの、ということもありますが、被害回復とかやり得の召し上げというのは、余りないのかもしれませんが、そういう観点が漏れるという気がします。
それから、これは額が幾らになるのかわかりませんが、例えば独禁法のカルテルとか談合とかで結構なお金が国に入っているはずです。本件はそこまでならないような気もするのですけれども、消費者教育とかいうようなものもターゲットに入らないのかという思いがあるのですが、いかがでしょうか。以前、中国に行ったときに中国政府からそういう話をされたことがあり、我が国でもあり得るのかとそのとき思ったものですから。

○小早川座長 制度の対象範囲の問題はこれから取り上げますが、最後に言われたのは課徴金の使い道の問題ですか。

○齋藤委員 消費者教育もあり得るのではないか。

○小早川座長 何か特に御意見があれば。消費者庁、どうぞ。

○消費者庁加納消費者制度課長 齋藤委員の御指摘でありますけれども、まず先ほど来御指摘の模造品の事案は、何らかの損害を被っているということであれば、その被害者が通常の民事訴訟において被害回復を図るというのが原則であり、その際の例えば加害者の捕捉の問題でありますとか、証拠等の問題は別途、民事訴訟の中で工夫が図られていくべきものではないかと思います。一般的な理解としてはそういうことになるのではないか。
消費者被害におきましては、消費者がそういった訴訟を追行するのが非常に困難なことが多いものですから、模造品の場合での被害者は、通常は競合事業者となろうかと思いますけれども、消費者被害の場合では訴訟遂行を消費者が単独でするのは困難なことが多いということに鑑みて、今般、裁判手続の特例法を成立させていただきましたけれども、それによってもなお漏れるところがあるのではないかというのが本日の問題意識でございまして、不当表示事案で損害の算定がそもそも困難である。額が数百円とか極めて少額であって、裁判手続特例法によっても賄えるケースが想定されるといったことを踏まえまして、別途のやり得という形で問題提起をさせていただいたということだと思います。
消費者教育の問題につきましては問題提起をいただきましたので、また検討させていただきたいとは思っておりますが、先ほど来の岩田委員や川出委員から御指摘のありましたような使途をどう考えるかというふうになったときに、最終的には政策判断としてこれに使いますということになろうかと思いますけれども、なぜこれなのかといった合理的な説明は求められることになると思いますので、例えば不当表示事案で本来、被害者に広く薄く損害があるのだけれども、それが現実的には回復果たされないということにより課徴金という形で一旦とるといった場合は、本来は被害者に回復すべきところを別途に使いましょうという発想がむしろ素直ではないかと思いますので、そこから余り離れる議論というのは政策判断としての合理性を問われることになるのではないかという気がします。

○齋藤委員 模倣品・海賊版による被害は消費者に生じていると思います。買ったら壊れる、色があせる、いろいろ出てくるわけです。そういうクレームというのは結構たくさん出ているので、権利を持っている者が行使すればいいのではないか、ということだけにはならないと思います。それだけでは済まない。

○小早川座長 使途の問題について消費者庁から言われたのはそのとおりだと思います。これで得られた財源を消費者庁が特定財源として消費者のために自由に使っていいということになれば、それはそれで嬉しいかもしれませんが、多分そうはならない。こういう目的に使うということにそれなりの説明がつくかどうか、これからここでも詰めていくべき問題ではないかと思っています。 

≪4.検討すべき論点の整理≫

○小早川座長 それでは、次へ進みたいと思います。先ほどの御説明をまた踏まえまして、この会議で今後検討すべき論点をどのように整理していくかということで御意見を伺いたいと思います。
今日5時ごろまでの予定ですので、それを前提で御発言をいただきたいと思いますが、先ほど申しましたように既に出されている論点の中で、これは特にこういう観点から重要であるという御指摘があれば伺いますし、それ以外にこういう論点を取り上げるべきではないかということがありましたら、それもよろしくお願いいたします。
どなたからでもどうぞ。では、岩田委員。

○岩田委員 論点を2つ追加していただきたいと思うのですけれども、1つはもう既に今の景品表示法が抱えている問題ではあるのですが、それは禁止する不当な表示の範囲なのですけれども、4条に書かれてありますが、ここに書かれているのは著しく優良であるという表現なのですけれども、それの具体的な判断基準というのがどうなっているのかというのがよくわかりません。今度はその判断基準に基づいて課徴金という経済的な不利益を課すか課さないかということですから、従来以上に何が不当表示に当たるかどうかということの判断基準を明確にすべきではないかと思うのですけれども、その議論を、それは法律レベルのことになるのか、政省令ですとかガイドラインとか別のレベルのことになるのかよくわかりませんが、その定義をもう少ししっかりつくる必要があるのではないか。そこの点が1点です。
もう一つは、実際の執行するプロセスで都道府県の役割というのか、都道府県との関係がどうなってくるかということです。この通常国会に出されると聞いている景品法の改正では、これまでは調査権限がありましたけれども、今後、都道府県が是正命令を出すことになると聞いておりますので、そうなると都道府県が扱った事案と課徴金は多分、国が課すのだと思いますが、その連携というのか関係というのか、それをどうするかというまた新しい論点が出てきているのではないかと思いますので、以上、2点を追加していただきたいと思います。

○小早川座長 第1点のほうは、今までの措置命令の要件の議論と何か質的に違ったものが必要だということでしょうか。

○岩田委員 今までもあったのだと思うのですが、例えばですけれども、ある県から聞いた話だと、県は調査権限がありますので、去年の秋のメニューの不当表示の問題でも、みずから都道府県が動こうと、調査に入ろうと思ったときに、何が優良誤認かということについて判断が難しかったので消費者庁に尋ねたのだけれども、明快な判断が示されなかったということについての戸惑いを言っておりました。ですから現在も問題はあるのですが、今後、それがまた課徴金の対象になるかどうかという判断基準につながるということになれば、もう少し、なかなか難しいとは思うのですけれども、優良誤認を判断するときにどういう要素がそこに関わってくるのかとか、これまで是正命令を出したケースもあるわけですから、そのときに多分、判例のように消費者庁の中で積み重なってきているものがあると思うのですが、それをどういうふうに見える形にしていただくかという、そういう議論をぜひお願いしたいと思います。

○小早川座長 ありがとうございます。
では、その論点をどう位置づけるかについては、検討していただくことにしましょう。
もう一つの、都道府県に事務権限を移譲されることとの関連で、課徴金についてはどうかという点は、これは差し当たり何か御説明いただくことはありますか。

○消費者庁菅久審議官 課徴金の話はこの会合の後の話でございますので、今、何かいえることはないのですけれども、国と都道府県の関係はまだ法案が要は今、検討中、作成中という状態ですので結論を申せませんが、そこのところについて、都道府県が命令ができるということになれば、国の命令と両者の管轄分担といいますか、それはある程度想定しなければいけませんから、それについては法案が出た後には御説明できるようになるかとは思っています。

○小早川座長 課徴金についてどうするかというのは。

○消費者庁黒田課徴金制度検討室長 ですから、論点として十分あると思います。つまり今やろうとしていることは、命令を同じに、両方とも命令権を与える。現行法では調査までやって、命令が必要だと県が判断した場合には、措置の要求を国にして、国がさらにそれで判断が正しいというか、同じ判断であれば命令を下すということになっておりますけれども、今度はダイレクトに命令が下せるといった場合に、単純に同じにすれば都道府県も課徴金を課せるという議論にも当然なりますし、本当にそれでいいのかという議論があると思いますから、論点として御議論いただくというのはあり得るのではないかと思います。

○消費者庁菅久審議官 補足させていただきますと、現在は都道府県は調査プラス指示です。行政指導の指示までの権限がございまして、国は措置命令ですので、要は処分の内容が重なっておりません。重なっておりませんので、特に法律上は分担は定まっていない。ただ、実際上は都道府県内にとどまるような案件は都道府県がやり、越えるものについては国または都道府県が共同してやる。そういうやり方を実際上はやっております。多分、似たような話になるのではないかと思っています。

○小早川座長 では、ほかにいかがでしょうか。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 今、優良誤認は示せば違法である。優利誤認は誤認されれば、可能性が高ければ事業者の故意・過失は問題としない。そこで先ほどのことと関連すると思うのですけれども、商品、部品、材料に関するサプライチェーンの全容把握をするかどうかということになるわけです。これは今日の世界では無理だと思います。2008年頃の事故米穀不正規流通事件のときに農水省が調査しましたけれども、会社解散、他材料との混合、資料の廃棄等の理由で不明点が残りました。
それから、去年からアメリカに上場している会社にドッド・フランク法に基づく紛争鉱物規制が始まりました。目的は非人道的な武装勢力の資金源であるアフリカのコンゴなどの鉱物資源の調達を規制することです。極めて限定された原材料なのですけれども、100%解明は無理で、入手可能な情報を収集し、合理的な原産国調査を行うことが義務づけられている。それでも大変な作業です。これらを念頭に置いて故意・過失は問題にしないなどということを整理していかないと、経済が混乱すると思います。
もう一つ、先ほどの岩田委員の質問と一緒ですけれども、今の表示は用語の定義が不透明で、合法と違法のグレーゾーンが極めて広い。したがって、これを実施する以上は用語の簡潔な定義が必要だろうと思います。表示に関する公正競争規約はあるのですけれども、これは限られた既存の67種類のものです。規約から脱退することは自由なのでアウトサイダーをどうするかという問題も残ります。その基準を誰がどうやって示すか。言葉というのは変化するものです。例えば『万葉集』であれば花といえば梅でした。ところが、平安以降になると花は桜として『古今集』『新古今集』で編纂されています。それを編纂した、要するに花を桜と読ませた紀貫之、藤原定家らには、今なら課徴金をかけるのか。こんなことになってはいけないと私は思いますが、そういう議論がなされているように感じます。そこをどうやってきちんと課徴金をかけるような対象に定義していくか。これはきちんとやらないと混乱していくと思います。

○小早川座長 それは、先ほどの判断基準の明確化ということとあわせて、これから議論していくことになるのだろうと思います。
どうぞ。

○消費者庁菅久審議官 一言だけ申し上げておきますと、まず景品表示法は対消費者向けの表示だけが対象でございますので、対消費者向けに表示・広告、宣伝をしないもの、それ以外のものは基本的に対象でないというのが1つであります。
それから、景品表示法は表示の義務づけというのは全くしておりません。あくまで対象は事業者の方が任意にお客様にアピールするために積極的にやる表示というのが対象でございまして、要は表示するもしないも自由でございますが、積極的に表示する以上は消費者に誤認を与えない表示をしてくださいということであります。ですので義務表示、いわゆる表示の義務づけのルールでございますと、どういうふうに表示をするかという基準をしっかり決めないと、知らないうちに違反してしまうことになるかもしれませんが、景品表示法のいわゆる不当表示のルールの場合でありますと、事業者の方がむしろ自分の商品、自分がまさに知っている商品の内容と異ならないように広告をしていただくというのが基本でございまして、したがいまして森羅万象を対象にしておるところでございますが、Q&Aいろいろ出しておりますけれども、これは特にその中でも問題になるわかりにくいという御質問があるところについては出しておりますが、基本はまさに御自身の承知している商品の内容、それから、これを広告・宣伝したときに事業者の方々のお客様がどう感じるかというのを考えていただいて、そこにそごがないようにということでやっていただければということでございます。ですので、ある意味ではわからないときは、自信がないときは、なるべく自信のある範囲内で書いていただければというのが希望でございます。

○小早川座長 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 私は企業で法務部長をやっておりました。法務責任者をしていました。そういう相談があります。しかし、このグレーゾーンが大きくて課徴金がかかるとなると、やめておけという話になります。というのは、課徴金がかかると株主代表訴訟が起きます。その業務を担当した取締役に、会社に生じた損害を賠償せよという訴訟が一番起こされやすいのです。額がはっきりしていますから。そうするとやめておけということに、おいおいなっていく。それで本当にいいのだろうかというのが私の懸念です。

○小早川座長 今の御懸念は御懸念として頭に置いておくということで。

○齋藤委員 事例を申し上げたいのですが。

○小早川座長 またその項目で議論するときにお願いしようと思います。今日は論点を挙げて整理するということですので。
増田委員、どうぞ。

○増田委員 論点でもう既に挙がっている部分なのですけれども、被害回復の観点からの制度設計をどう考えるかという部分で、先ほど河上先生から御発言いただいたとおり、現場の感触から言えば、一般消費者の方は自分に返してほしいというのがどうしても気持ちとしてぬぐい切れないところがあるかと思います。ただ、現実にはそれは無理なことで、それを課徴金ということで取って、それを広く一般消費者の方に利益として還元するという考え方は、非常に私も賛同するところですけれども、そこに至る経緯のところをきちんと議論して整理していただいて、それを一般消費者の方に理解できるような報告書にしていただきたいと思っております。

○小早川座長 白石座長代理、どうぞ。

○白石座長代理 恐れ入ります。白石でございます。
論点については、ここまで紙とか今日の御発言等で主要なものは出ていると思いますので、私は論点全体についての切り口というか、1つの視角について発言させていただきたいと思います。
先ほどの違反抑止とか被害回復とかそれぞれ重要だと思うのですけれども、このような制度を導入するときには、その制度を導入したことによる副作用が出ないようにしなければならないと感じています。
もう少し具体的に言いますと、この制度を導入したがために当局がむしろ動きにくくなるということがないようにしなければならないだろうと感じています。
私は独禁法を多く研究しておりますけれども、先ほどから話題に出ております平成20年改正案というのは、これは当時、景表法が公取にありましたので独禁法及び景表法の改正案ということになっていたのですけれども、このとき提案された独禁法の部分については翌年に出し直して、平成21年改正ということで新しい課徴金の制度が幾つか導入されております。
従来の考え方にのっとり、非裁量的で故意・過失も要件ではないという課徴金が導入されたのですけれども、その結果どうだったかというと、新しい課徴金については使いにくいように見受けられ、かえって課徴金を導入したせいで規制が停滞している、あるいは課徴金のない類型に落とし込んで、その筋の言葉では「認定落ち」と言うらしいですけれども、課徴金がかかる違反類型ではなくて、ほかの手段で何とか解決するとか、あるいは独禁法で排除措置命令と言っておりますが、それがむしろ打ちにくくなっているということもあるのではないかと、私は傍から観察していてですけれども、そのように感じています。
ですから、今回の景表法の課徴金の議論は、それ自体としては私は必要性もあるのではないかと感じているのですけれども、これを導入したせいで、これまでやっていた措置命令をやりにくくなるということになると本末転倒だと思いますので、その点に注意するべきなのではないか。この点はあらゆる論点に関係してくると思いますけれども、特に故意・過失とか裁量性の論点は重要なのではないかと感じております。故意・過失について疑義があるものでも課徴金を課さなければならないので、だから措置命令も遠慮してしまうとか、あるいは額の計算が難しいので措置命令も遠慮してしまうということがないようにしなければならないのではないかと感じております。ありがとうございます。

○小早川座長 今の点は要件なり手続なりを一つ一つ考えていくに当たっての、その総論的な注意事項になりますね。そういうことで踏まえていきたいと思います。
では、宮城委員。

○宮城委員 事前にペーパーで私はこういうような論点を考えておりますということで、その前提としての視点も含めてペーパーを出しておりますので、基本的には提出をもって陳述ということでよろしいのかなと思っております。
ただ、今、白石座長代理がおっしゃられたような制度が使いにくくなるということは、おっしゃるとおり消費者庁が動きにくくなる、あるいは制度が滞ってしまうということは重要な観点かと思います。課徴金を始めると大変なことになるから摘発が減ってしまうとか、そういったことがあってはならない。そのために見逃してしまうということがあってはならない。それは制度をどうすれば一番効率的にいくのか、機能するのかということは考えないといけないと思います。
ただ、他方において先ほどから出ているような事業者属性を考えて、真面目な事業者については課徴金を課すのはひどいのではないかというようなことは、恐らくこれから出てくる議論ではあろうかと思うのですけれども、それについて冒頭、私の発言が誤解を招いたのかなと反省しているのですが、やはり対象とすべきは事業者属性に関係なく不当表示に該当するのかどうかということで、画一的にやっていけばよろしいことで、ただ、私が言ったのはそうすることによって早いうちに手が、だから使い分けと消費者庁はおっしゃいましたけれども、そういった使い分けではなくて、両方やればいいではないかというのが私の持論でして、詐欺商法には必ずその前提として不当表示が伴っているわけで、大は小を兼ねるという関係にあります。
ただ、それが金商法であるとか特商法であるとか、そういった厳しい手段を持っている法律で手入れをするということまで待っていては手遅れになるということが多い。それでまず第一弾の端緒として景表法で最初はソフトかもしれないけれども、まずそれで入っていって、それが怪しいとなったらさらに厳しい手段をとっていただくというのが合理的ではないのかなということであります。
話が脱線したかもしれませんが、この制度をどのようにつくり込んでいくことが消費者被害の事前抑止に最もよく機能するのかということについて、今後一つ一つの細かい論点について議論していただければ、そのためにはいろいろ高い知見を持っていらっしゃる先生方もおいでになるので、理論的なお話もよく伺った上で、かつ、消費者庁とか課徴金を運用している他の機関、現場で要するにどうすることが合理的なのかということもよく話を聞きながら、どうすれば一番消費者のために被害を事前抑止していけるのか。そういったことを皆さんと議論していければと思っております。

○小早川座長 今の点は最初の御発言ともかかわると思うのですけれども、表示の段階できちんと対応して被害の発生を可及的に食いとめるべきだとおっしゃるのはそのとおりだと思うのですが、見通しとしては、制度論としてこの調査会で議論する部分と、執行の際の心構えというのと、そこはどうですか。

○宮城委員 若干、運用面にかかるのかもわかりません。そうすると発言がフライングかもしれないですけれども、要件論の問題ではありません。

○小早川座長 そこまでやるのかなと思って期待したのですけれども、御発言はわかりました。
ほかにいかがでしょうか。まだ御発言のない消費者委員会の委員の先生方も、もしよろしければ。

○河上委員長 この間、実は別の機会に伺った話なのですが、徳島県で鳴門わかめが売られていて、その鳴門わかめが実は中国産わかめだったらしいのです。その事業者は比較的小さな事業者ですが、その事業者が売っていた鳴門わかめで1億円ほど稼いだそうです。ところが、徳島県が摘発して何とかしてこれを止めようと努力して、営業の停止まで持っていったり罰金までやったのですが、どんなに上限を積み重ねていっても罰金は1,000万にならなかったんだそうです。結局1億円の稼いだお金はどうなったんですかという話になるのですけれども、それはそのままです。こういう事態はどう考えても放置してよいことではないと思うのです。
市場で真っ当に鳴門わかめを売っている人たちから比べると、そういうふうにして不正に獲得されたお金は本来はきちんと真っ当な市場に回るべきお金なのです。しかも結局やり得になってしまうという事態を放置しておいていいはずがない。ですから、それを吐き出させるということと、結果的にそういうことをやっても結局、利益は上がらないんだぞということを知らしめて抑止することが大事だろうと思います。
もちろん誤って鳴門わかめを買ってしまった人は、それはちゃんと差額を返して欲しいのだけれども、その人を探し出して返すなんてことはなかなかできない。摘発して徴収したお金はより広く一般の消費者のために使っていただくというような使い道について、また別途考えるということで私はいいのではないかと思います。
その意味では今回の趣旨・目的というのはこれで結構ですけれども、また議論していく中でもう一遍フィードバックして、その趣旨・目的というものを強化していく、あるいは場合によっては豊かにしていくということもあっていいのではないかという気がいたしますので、そこは余り自分で縛り切らないように議論をしていただければありがたいと思います。

○小早川座長 ありがとうございました。
私も、制度設計の議論をしていく中で、制度の本来の理念なり趣旨・目的なりというのはもう一度、問題になるだろうと思っておりましたので、そのことを御指摘いただいたと感じます。
それでは、よろしゅうございましょうか。新しい論点、注意すべき観点といったことをいろいろ御提示いただいたと思いますので、これを踏まえて今後の議論の進め方を整理していきたいと思います。
本日の御意見、御議論はこの程度にしたいと思います。

≪5.閉会≫

○小早川座長 事務局から何か連絡事項がありましたら。

○金児企画官 本日は熱心な御議論をどうもありがとうございました。
次回の日程については、追って御連絡させていただきます。なお、消費者委員会本会議の委員の皆様は、この後、委員間打ち合わせがございますので、委員室にお集まりください。
以上です。

○宮城委員 済みません、予備日を何日かいただいているのは、まだ確定していないのですか。

○金児企画官 そうですね。ヒアリングをこの後、次回以降に行おうかということを考えておりますので、そこは日程調整をこれからやりますので、また御連絡差し上げます。済みませんけれども、よろしくお願いいたします。

○小早川座長 そこは手際よくお願いいたします。
それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

(以上)

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