第63回 消費者委員会 議事録

日時

2011年7月22日(金)15:00~15:52

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 松本委員長、中村委員長代理、池田委員、川戸委員、佐野委員、
 下谷内委員、田島委員、日和佐委員、山口委員
【説明者】
 特定保健用食品の表示許可制度専門調査会 山田座長
【事務局】
 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の報告について
○出席者: 山田和彦 特定保健用食品の表示許可制度専門調査会座長
3.消費者安全専門調査会の報告について
4.閉 会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:7KB)
【資料1】 「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会」報告書(PDF形式:695KB)
【資料2】 消費者安全行政の抜本的強化に向けた対応策についての建議(案)(PDF形式:16KB)
【参考資料1】 消費者安全専門調査会報告書概要(PDF形式:193KB)
【参考資料2】 委員間打合せ概要(PDF形式:10KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、時間がまいりましたので、始めさせていただきたいと思います。
本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会(第63回)」の会合を開催いたします。それでは、委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

≪2.特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の報告について≫

○松本委員長 それでは、議題に入ります。
まず初めに、「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の報告について」です。特定保健用食品の表示許可に関する課題につきましては、消費者庁の「健康食品の表示に関する検討会」において検討され、その中で特に制度的な課題につきましては、昨年8月に検討会で取りまとめられた論点整理において、消費者委員会において更に検討が必要であるとされておりました。
制度的な課題として大きく2点が挙げられ、1つ目といたしまして、特保の表示許可制度に関して、再審査手続を開始するか否かの判断基準の明確化や、許可を一時停止できる仕組みなど、新たな制度設計の在り方が項目として挙げられております。2つ目といたしまして、健康食品の表示の効果的な規制や、適切な情報提供の仕組みが挙げられております。この検討会の論点整理を受けまして、1つ目の特保の表示許可制度に関する課題につきましては、本年1月、消費者委員会において「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会」を設置し、御審議をいただいてきたところでございます。
このたび、専門調査会の報告が取りまとめられたということで、本日は、報告書取りまとめの労をおとりいただいた山田座長にお越しいただいておりますので、専門調査会の報告書について御報告いただきたいと思います。
それでは、山田座長から、御報告のほどお願いいたします。

○山田座長 「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会」の座長を務めました山田でございます。
私から、6月24日に取りまとめました報告書の概略について、御説明いたします。
本調査会では、本年2月の第1回の会合以来、会合を重ねてまいりました。6月24日の第4回の会合におきまして、報告書として取りまとめたところでございます。
それでは、資料1、「『特定保健用食品の表示許可制度専門調査会』報告書」をごらんください。ページを1枚おめくりいただきまして、2ページが検討経緯となっています。こちらは、先ほど委員長から御紹介いただいたとおりになりますので、詳しくは御説明いたしませんけれども、「健康食品の表示に関する検討会」論点整理で示された課題に対しまして、本調査会では、「(1)再審査手続の迅速化を図るためにはどのような取組が必要となるか」、「(2)再審査手続開始後に、消費者への情報提供の観点からどのような対応が可能であるか」、「(3)許可の更新制を新たに導入することについてどのように考えるか」、という観点から検討を行いました。
なお、委員の名簿、審議経過については、報告書の6ページ以降に参考資料として資料をつけております。説明は割愛させていただきます。
検討内容は3ページ以降になります。
まず、3ページの「(1)再審査手続の迅速化を図るための取組」についてでございます。結論としては、4段落目の「このため」以降に3つの点にまとめております。
1点目は、「消費者庁は、許可を付与された事業者が責任をもって新たな科学的知見を収集し、当該知見に係る事業者の意見及び当面取るべき対応策とともに、消費者庁へ報告するように、拘束力のある方策を検討すべきである」という点でございます。
2点目は、「また」以下でございますが、「消費者庁は、消費者委員会及び食品安全委員会と協議し、再審査手続の公平性・客観性を期すため、報告を受けた科学的知見を整理・分析し、手続開始を科学的・中立的に判断する体制の充実を検討すべきである」ということでございます。
「これに加え」以下が3点目でございますけれども、「行政機関の適切な連携の下、新たな科学的知見を収集できる体制の充実を図るべきである」ということでございます。
この3点につきましては、専門調査会の一致した意見として結論づけたものでございます。
次に、「(2)再審査手続開始後の対応の可能性」についてです。
上から6行目になりますけれども、「消費者庁は、消費者委員会及び食品安全委員会と協議し、事業者の正当な利益の保護に留意しつつ、これらの情報を積極的に提供する方策を検討すべきである」という結論を取りまとめました。
次に4ページでございますけれども、「(3)許可の更新制の導入」についてです。
専門調査会としては、更新制を導入することは適当であるという意見で一致しました。一方で、事業者の負担を不当に増加させることのない工夫が必要との議論もございました。この点については、現在、消費者庁で検討が進められている特定保健用食品の許可手続の透明化が図られれば、事業者に過度な負担を負わせることなく更新制の導入が可能となると考えられます。
消費者庁は、これらの許可手続の透明化の取組と併せて、「消費者委員会及び食品安全委員会と協議しつつ、更新制の導入に向けて、適切な有効期間の取り方、申請に要する資料、迅速かつ効率的な審査体制等の検討を開始すべきである」というように結論を取りまとめております。いずれの点につきましても、食品安全委員会との協議も重ねております。
最後に「(4)その他」についてです。
今回、専門調査会の議論の中で各委員から、特定保健用食品制度そのものの在り方についての意見も多く出されましたので、「その他」としてそのような意見をまとめました。結論としては3行目になりますが、「今後、消費者庁は、特定保健用食品を使用する消費者の意識や摂取方法の実態等を調査するなどして、本制度の意義が正しく理解され、適切に利用されているかどうかを把握し改善する取組が必要である」という形で取りまとめております。
以上のような形で取りまとめをしましたが、消費者委員会におかれましては、特定保健用食品制度がより一層国民から信頼される制度となりますよう、本専門調査会の報告書を踏まえて、消費者庁など関係当局の検討が進むよう、引き続き見守っていただきたいと考えております。
私からの報告は以上のとおりでございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御報告につきまして、御意見のある委員の方はどうぞ御発言をお願いいたします。
田島委員、どうぞ。

○田島委員 座長先生におかれましては、取りまとめ、どうもありがとうございました。最初始まるときに、クリアカットな結論を出していただきたいと、私、要望したのですけれども、難しい問題をその要望に応えていただきまして、感謝申し上げます。
幾つかコメントを申し上げたいのですけれども、第1点は、更新制についてです。現在、特保というのは約1,000近くございます。例えばですけれども、4年で更新制をとるとなると、単純に1年あたり250というふうになってしまって、250を一体どこで再審査をするのか。例えば消費者委員会の新開発食品調査部会で審査するとなると、今、新しく承認しなければいけないものの審査だけで手いっぱいですので、とても物理的にできないと判断されます。ということで、そのような体制がどういうふうにとられるのか。今後、消費者庁の方で詰めるのだと思いますけれども、十分に御検討いただきたいと思います。
特に更新制をとるとなると、必要とするデータでございまして、この調査会ではそこのところは議論は余りなかったと思いますけれども、承認をするときに求められるデータと同じデータを事業者に求めるとなると、それこそ準備に1年とか2年かかってしまうわけで、全く現実味に乏しいと思います。更新制を導入するにあたっては、求めるデータの範囲を、明確に消費者庁の方でもってお示しいただきたいというふうに思っております。
2点目ですけれども、特定保健用食品の性質と消費者の受けとめ方に、ギャップがあるというふうに私は常々思っております。やはりこのギャップを埋めないと特保が正しく利用されない。特に錠剤・カプセル型の特保というのは非常に誤解を生む温床になっていると思います。できれば錠剤特保の問題もこの調査会で議論をしていただきたかったのですが、そこまで至らなかったので、今後、消費者委員会の方で議論をしていただきたいと思っておりますけれども、消費者教育も含めて、特保の消費者の受けとめ方というのを、消費者庁の方でも何らかの調査を進めていただきたいと思っております。
以上でございます。

○松本委員長 山田座長から、ただいまの御意見についてお考えがございましたら、どうぞお願いいたします。

○山田座長 今、田島委員から御指摘いただいた点は、専門調査会の中でも意見が出ました。実質的に更新審査を行っていける仕組みにしなければ意味がないのではないかと。その点、最初の許可申請の段階の審査における安全性あるいは有効性といったものについて、ある程度明確な基準がクリアカットに出ていれば、更新審査のときにはその点を中心に審査を行えばいいのではないかということ。年限についても、例えば4年あるいは8年とか、スパンを少し長くしてはどうかということ。新しい知見を逐次消費者庁として集める仕組みをつくっておけば、ある一定の年限がたったときに、更新審査の資料を用意し、また、一方ではそれを審査する側の負担も少なくなるのではないかということなど、制度の作成のためにはいくつかの取組が必要だと思っております。
2点目の、カプセル等について特定保健用食品の在り方ということでございますけれども、これも、つくる側とそれを受け入れる側の受け取り方というのは必ずしも伝わっていないところがあります。その点は(4)の「その他」に、消費者の意識や摂取方法の実態を調査して、それについて、どう改善すべきかということを考えることが必要であろうということを、一文、入れたということはございます。いわゆる消費者教育といいましょうか、食事教育というのでしょうか、そういうことの大切さを、ウェブサイト、パンフレット、普及啓発の講演会等々で推し進めなければ、この問題はずっと続くことになるだろうと考えております。そういう教育を頻繁に行うような形、あるいは広告などを通して、あるべき広告というものが、栄養表示・食品表示とまさに表裏一体になると思いますけれども、そういうことを考えなければならないだろうと、これは私の個人的な意見ですけれども、考えております。
以上でございます。

○松本委員長 日和佐委員、どうぞ。

○日和佐委員 意見です。再審査に関してですけれども、新しく収集される知見について、論文として公表されたものすべてが信頼性が置けるものだとは限らない。中には実験方法やエビデンスがかなり怪しげなものも現実にはありますので、信頼性のある知見なのかどうなのかということの審査を、きちんとやっていただく必要があるのではないかと思っております。
もう一つ、新しく発表された知見のリスクの大きさですが、それが大変大きなリスクを持っているのか、リスクはそうでもないということであるのか。そこは非常に重要な問題であって、リスクが小さい場合にはどうするかということも、やはり今後の検討課題ではないかと思っています。
それから、更新制についてですが、事業者としては大変だろうとは思いますけれども、私は導入した方がいいと思っています。現在、審査がされたものの中で、市場に出ているものが3分の1ぐらいというように聞いていますけれども、一定それは整理されるべきではないかなと思っております。申請はしたけれども、なぜ市場に出さないのかという実態等も調べた上で、整理されていくべきではないかと思っております。
ただし、更新するときに申請したときと全く同じデータを出すことは、非常に厳しいことになると思います。申請時のデータで利用できるデータはあるわけですから、利用できるデータは利用し、新たに調査すべき項目については新たに実験なり何なりをやるというように、すべて全く新しくやるということは非常に負担になると思いますので、必要なデータについての考え方をまとめる必要が、今後、あるのではないかと思っています。

○松本委員長 山田座長、どうぞ。

○山田座長 今の委員の御発言、まさにそのとおりでございます。
まず、論文審査についてですけれども、それが一体どの程度信頼できるものか、現在では、レビュアーがある学術的論文というふうに決めております。その点については、すべての範疇の健康表示について、ケースバイケースではありますが、このような方法で試験を行うことが必要であるなど、最初の許可をする時点での一定の枠を、今後、消費者庁でより明確にしていく必要がある。そうすれば、再審査するときにおいても、新しい事実がわかったとき、同じデータが出るかもしれませんし、少し違ったデータが出ているかもしれませんが、より迅速にそれが処理できるだろうというふうに考えられます。
また、リスクの大きさ小ささというのは、それは恐らく安全性にかかわることが多いと思いますけれども、リスクの考え方は、食品安全委員会あるいは消費者委員会で相互に協議しながら、意見を出したり、あるいは指摘ができるような仕組みをつくり、今以上に、ある事柄が新しくわかればそこでチェックできるということだと思っております。
また、更新制についてですが、以前はその仕組みがあったわけでございますけれども、先ほど委員が言われたように、余りにも審査する側にも、また提出する側にも非常に負担になったということで廃止されたわけでございますけれども、このため、一度許可すると、実際に市販されているのか、あるいは市販されていないのかが見えない状態です。更新制を導入すると、実質的に同一のものはもう許可しない、実際に市販されていないものはリストから外していく、ということにも役立つのではないかと考えております。その点でこの更新制を入れることによって、実際には市販されていないもの、あるいは、しばらく市販する予定がないものなどは減じて、更新制を信頼性ある形で、かつ迅速に行えるようになるのではないか。
そのことについては、消費者庁も、どういう仕組みで行えるかというのは、今後、詳細に検討しなくてはいけないことだと考えておりますし、その点をこの専門調査会でもポイントとして言っているつもりでございます。

○松本委員長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 たった4回の中でこれだけまとめていただき、ありがとうございました。特保の表示許可制度の検討を始めるきっかけというのは、2年前のエコナの問題からスタートしたと思っておりまして、この報告書も、いわゆるエコナ問題の教訓が少し入っているのではないかなというふうに考えています。
更新制度のところですけれども、私は、これがきちんと盛り込まれたことに非常に意義があると思っております。ここには、「事業者の過度な負担なく」とも書かれておりますし、「更新制度の導入に向けて、審査体制等の検討を開始すべきである」と、きちんと消費者庁にこうしてほしいとい明記され、非常に意義があると思っています。
それから、最後の「その他」の実態調査の件ですが、消費者団体、事業者団体、それぞれいろいろ実態調査はされておりますけれども、国としてまだきちんとやったことがないということで、これもきちんと入ったことは非常によかったと思います。
消費者委員会としては、これから意見書になるか、提言になるか分かりませんが、検討を進めていきたいと思います。消費者庁がこれからどういう具体策を考えていくのかということを、私たちとしてはきちんと注視していきたいと思っております。ありがとうございました。

○松本委員長 ほかに、御意見はございませんか。
山口委員、どうぞ。

○山口委員 専門外なので教えていただきたいのですが、この制度当初は有効期間2年だったのが4年に延長され、平成9年には更新制自体が廃止された。簡単で結構なので、そのいきさつ、理由がどういうところにあるのか。それから、更新制を再度導入するのは、DNA鑑定の進歩とか、あるいは、これまでC型肝炎でなかったのがC型肝炎とわかるとか、科学技術の進化の下で当然のことだと私などは思いますが、何年ぐらいにしたらいいとお考えなのか。もし何か知見があれば、教えていただければと思います。

○山田座長 最初のころ、どのような経緯で延長され、廃止されたかというのは、私も詳しく知るところではないので、事務局に補足していただきたいのですけれども、実質的には最初のころは全く同じような審査を再度やっていたということがあります。今よりも申請の数は少なかったと聞いておりますけれども、審査する皆さんで集まって、会合はその当時は5部会に分かれていたのですが、何回も集まることが実質的に不可能になってきたということ。それから、ほとんど変わらない書類をもう一度読むということは余り意味がないのではないかということがあったと思います。
更新審査では、実際に商品として市販されている中身の関与成分の分析を行って、それがきちっとその食品の中に含有されているかどうかという検査が、実質的な審査となっておりました。許可品の数がだんだん増えていくと、実質的にすべての許可された製品を審査することは、25とか50だったら可能でしょうけれども、これが100になり200になると、4年ごとの更新も難しいのではないかということで、廃止されていったというふうに記憶しております。
それが実態で、その間には、特にリスクが大きくなるというような事象が表面立って出てこなかった。以前の厚生労働省でも、あるいは消費者庁でも、そういう実績がないということですが、新たな更新制では、今後はそのような事象もあろうかと思いますので、それをきちんと出してくださいというのが趣旨でございます。
もう一つは、有効期間は何年が適当かということは、これもすぐには私どもも答えが出ないのですけれども、今後、消費者庁で更新審査の際に提出する書類を検討して、どのポイントについての書類を提出すべきかということが明確になればある程度整理することが可能になってくるだろうと思っております。年限としては、事業者の負担と、かつ消費者庁の担当部署、あるいは審査会の負担等、両方を考えながら実効的でかつ負担のないものにしなければ、多分なかなか進んでいかないだろうと思っておりますので、そこは今後、私たちも含めてですけれども、消費者庁で見直し、あるいは取り組んでいただきたいと考えております。

○松本委員長 事務局から何か補足はございますか。

○原事務局長 特に補足はございません。短いですけれども、非常にインパクトのある報告書になっております。これを具体的にどうするかというのは、消費者庁に検討をお願いしている部分もありますけれども、また、これからこちらも意見としては言っていくようなこともあるのではないかと思っております。
更新制については、当初どういう形でやられていたのかというのは、座長がおっしゃられたとおりです。新規に認めるときと同じことを2年後、4年後にやっていて、同じように、同じ成分が含まれているかということを見ていたので、非常に重たい更新制であったというところで、更新制というか、新規と同じことをやっていたということです。

○松本委員長 ほかに、御意見ございませんか。
それでは、山田座長におかれましては、御多忙の中を本専門調査会の座長を務めていただき、報告書の取りまとめに御尽力いただきまして、誠にありがとうございました。
本日の報告を受けまして、消費者委員会として、今後、どのようにこれを取り扱うかにつきましては、また機会を改めて議論をしていきたいと思います。
山田座長におかれましては、お忙しい中を委員会に御出席いただきまして、ありがとうございました。

≪3.消費者安全専門調査会の報告について≫

○松本委員長 続きまして、「消費者安全専門調査会の報告について」です。前回の第62回消費者委員会におきまして、消費者安全専門調査会の報告を宇賀座長よりいただいたところですが、本日は、この報告を受けまして、消費者委員会として意見表明を行いたいと思います。
資料2として、「消費者安全行政の抜本的強化に向けた対応策についての建議(案)」を配付しておりますので、中村委員長代理から御説明をお願いいたします。

○中村委員長代理 今日は、本文の方は置いていないですが、参考資料1として概要版はありますので、随時、御参照いただきたいと思います。
先週の報告を受けて、私たち委員会委員が議論しまして、報告書を受けた建議を出そうということで資料2を案としてまとめたわけです。
それでは、これを読み上げたいと思います。

(「資料2」読み上げ)

○中村委員長代理 以上です。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの建議案につきまして、御意見のおありの方はどうぞ御発言をお願いいたします。
佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 情報の一元化というのは、消費者庁・消費者委員会ができる発足の大きな機会になったわけであります。重大事故の収集・分析、発信、更に活用まで、その在り方について、先週、御報告をいただいたその報告書に沿った建議として、私はこの建議に賛成します。
この内容一つひとつは、事故の未然防止に役立つ形できちんと書かれていて適切だと思います。特に注目したいのは、3ページの(4)、「誤使用・非重大事故に係る収集・分析・活用」のところであります。私は、各関係省庁に特にここに注目していただきたいと思っています。誤使用であっても多発している、あるいは高齢者や子ども特有の事故、それらについてもきちんと収集範囲の拡大、分析・活用の強化を図っていくということをここでは求めています。また、それに関連した法整備をきちんとしましょう、検討してくださいということも書かれていて、私は特にこの部分を是非検討していただきたい、進めていただきたいと思います。事故防止にはここの観点が非常に重要ではないかというふうに考えておりますので、これから期待するところであります。
以上のことも踏まえて、この建議に賛成いたします。

○松本委員長 山口委員、どうぞ。

○山口委員 先週の専門調査会の報告書の簡単なメモがございますが、5ページと9ページが特に重要だと私は思って聞いていました。5ページの、火災が発生した場合の消費者庁への通知等の制度がどういうふうに運用されているかというと、消費者安全法12条1項では「直ちに通知しなければならない」となっている。消費生活用製品安全法では「10日以内に報告しなければならない」とあるのに、現実には下の表にあるように、これは消防庁の通知が遅れているという要因もあるのかもしれませんが、いずれにしても事業者からの通知の方が早い。要するに、消費生活用製品安全法に基づく公表は火災発生から19日余りでなされているにもかかわらず、本来直ちに通知しなければならないはずの消費者安全法に基づく公表は50日かかっている。この辺の制度的な矛盾はこのまま放っておいていいはずはないので、この辺は早急に改善して、制度的な改善も運用の改善も図らなければいけないというふうに強く思うところです。
それから、9ページで、今回の焼き肉の生肉の事故発生に伴う消費者庁の対応については、蓮舫大臣は頑張りましたけれども、いかんせん、遅きに失したという部分が否定し難いと思います。ああいう重大事故が起こった場合には、定例の公表日などに杓子定規にこだわらず迅速に対応するべきだというのは当然のことであると思います。
今回の消費者委員会の建議には、そういう点の改善も含めて盛り込まれておりまして、是非、この建議を出して関係省庁に改善を求めたいと思います。

○松本委員長 下谷内委員、どうぞ。

○下谷内委員 この建議には賛成いたします。今、それぞれの委員がおっしゃられたことは当然、賛成いたしますが、私は特に4ページの(5)、「各事故情報の収集・分析・活用を強化するための体制強化」について、是非、積極的な検討をしていただきたいと思っております。特に消費者庁におかれましては、今、PIO-NET等については一切の予算措置はしないということをおっしゃっていらっしゃいますが、一番最後のところにありますように、「地方消費生活センターの人員・予算の充実につき支援する」ということを、積極的に働きかけをしていただきたいと思っております。この建議案には賛成いたします。

○松本委員長 川戸委員、どうぞ。

○川戸委員 私も建議に賛成いたします。これを出した以上は、是非、消費者庁に対しては収集された内容に敏感になってほしい。ふだんから気をつけておいてほしい。それから、素早い対応をしてほしい。関係各省も、ふだんから緊密に消費者庁と連絡を取って誠実に対応してほしい。それだけをお願いしたいと思います。

○松本委員長 池田委員、どうぞ。

○池田委員 私も賛成します。適切な建議だと思います。

○松本委員長 ほかにございませんでしょうか。
日和佐委員、どうぞ。

○日和佐委員 私も賛成いたします。特に最近の事件では、ユッケの情報が消費者庁から遅れて出されていたということは非常に大きな問題だと思っております。こういうことが早く、注意喚起という形で消費者に発せられることが目的だったわけですけれども、その大きな目的を外してしまったというのは、消費者庁の情報処理、それから公表に関して、非常に大きな問題があるというように思っておりますので、是非そこを強化するように、この建議に勿論賛成ですが、しっかりやっていただきたいと思います。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、特に反対の御意見等はございませんので、この案につきまして皆様の御了解をいただいたということで、消費者庁及び消費者委員会設置法第6条に基づきまして、消費者担当大臣、総務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣等、関係各大臣宛てに建議を行いたいと思います。どうもありがとうございました。

≪4.閉会≫

○松本委員長 本日の議題は以上でございますが、最後に、事務局より、今後の予定等について御説明をお願いいたします。

○原事務局長 今日は少し早く終わっております。8月はまた、いろいろな課題が入ってくるかと思いますので、傍聴の方もどうぞよろしくお願いしたいと思います。
本日ですけれども、先ほど出されました消費者安全専門調査会の報告書に基づく建議について、4時15分から、消費者庁の記者会見室において委員長記者会見を行う予定です。
次回の委員会は、8月に入りまして、第1週になりますけれども、8月5日(金曜日)の15時から行う予定です。
議題につきましては、決まり次第、御連絡をしたいと思います。
事務局からは以上です。

○松本委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)