第51回 消費者委員会 議事録

日時

2011年4月15日(金)15:00~16:13

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 松本委員長、中村委員長代理、池田委員、佐野委員、
 下谷内委員、田島委員、日和佐委員、山口委員
【説明者】
 地方消費者行政専門調査会 稲継座長
 消費者庁 畑野取引・物価対策課長
 総務省 磯情報通信国際戦略局融合戦略企画官
【事務局】
 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.地方消費者行政専門調査会の報告について
○出席者: 稲継裕昭 地方消費者行政専門調査会座長
3.特定商取引法施行令の改正について
○説明者: 消費者庁 畑野取引・物価対策課長
総務省 磯情報通信国際戦略局融合戦略企画官
4.閉 会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:79KB)
【資料1】地方消費者行政専門調査会報告書
【資料2】山口委員提出資料(PDF形式:395KB)
【資料3】特定商取引に関する法律施行令の改正に係る消費者委員会への諮問について(消費者庁提出資料)(PDF形式:72KB)
【資料4】放送法等に係る特定商取引に関する法律の適用除外のための政令改正について(総務省提出資料)(PDF形式:34KB)
【資料5】JAS法の規定に基づく品質表示基準の改正に係る答申関連(PDF形式:166KB)
【参考資料1】特定商取引に関する法律施行令の一部改正について(諮問)(PDF形式:66KB)
【参考資料2】委員間打合せ概要(PDF形式:13KB)
【追加資料】地方消費者行政の活性化に向けた対応策についての建議(案)(PDF形式:16KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、時間がまいりましたので、始めさせていただきたいと思います。震災以来ということになりますが、本日はお忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
それから、被災地の方には心よりお見舞い申し上げたいと思います。
ただいまから、「消費者委員会(第51回)」の会合を開催いたします。
それでは、委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○松本委員長 1か月ぶりでございますが、議題に入ります前に、この場をかりまして、去る3月11日、ちょうど我々が前回の本委員会を開催した日、その開催の直前に発生いたしました東日本大震災におきまして、犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表すとともに、被災者の皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。
それでは、議題に入ります。

≪2.地方消費者行政専門調査会の報告について≫

○松本委員長 まず初めに、「地方消費者行政専門調査会の報告について」です。地方消費者行政専門調査会につきましては、昨年の4月に第1回の会合を開催して以降、これまでに13回にわたって御審議をいただき、去る4月7日の第13回専門調査会におきまして報告書がとりまとめられました。報告書のとりまとめに至るまでには、これまで2回、昨年の11月と本年の2月に稲継座長にお越しいただきまして、検討状況について御報告いただき、意見交換を行いました。本日は、報告書とりまとめの労をおとりいただいた稲継座長にお越しいただいており、専門調査会の報告書について御報告いただくことにしております。この御報告を受けて我々委員会としても、どのように地方消費者行政の充実・強化のための施策を実現すべきか、本日、意見表明をしたいと考えております。
それでは、稲継座長、どうぞ御報告のほどお願いいたします。

○稲継地方消費者行政専門調査会座長 こんにちは、稲継でございます。
地方消費者行政専門調査会におきましては、今、松本委員長から御説明、御紹介ございましたとおり、先週4月7日の第13回の会合において報告書をとりまとめたところでございます。当初、3月17日にとりまとめる予定でございましたけれども、東日本大震災の影響により4月7日に延期しております。報告書の内容やとりまとめに当たっての議論の主なポイントについては、事務局からまず御説明させていただきます。

○齋藤審議官 それでは、事務局の齋藤でございますが、私から御説明させていただきます。
報告書の内容の概要につきましては、前回、2月25日の委員会で御紹介、御説明しておりますので、その際、ポイントとして御説明した点がその後どうなったか、また、4月7日の専門調査会が最後の専門調査会でしたけれども、その際に追加・修正された主な点はどこかというところに絞って御報告いたします。
まず、2月25日の委員会でポイントとして挙げた点は3つございました。
その第1といたしましては、報告書の4ページの最後のパラグラフ、あるいは12ページの最後のパラグラフ、同じような文章でございますけれども、そこに国からの財政負担の在り方が書いてございます。この部分をちょっと読み上げますけれども、この案では、「地方公共団体の創意工夫に基づく裁量を発揮できるような財政措置を活用する方向で、その具体的な在り方について検討する必要がある」と書いてございます。この記述では、消費者行政に必ずしも財政支援が行き渡らないのではないかという懸念があるということで、確かに消費者行政に使われるような形での財政措置という、限定なり枠をつける必要があるのではないかという御意見がありました。これに対しましては、地方の実情に合った自主的な対応が阻害されるのではないか、あるいは、地方分権の大きな流れとの関係でいかがなものかという御意見もございまして、最終的にはご覧のような原案を維持する形でとりまとめられたところでございます。
第2といたしましては、報告書の34ページでございます。第8章というところがございまして、「今後の地方消費者行政の充実・強化の進め方について」という四角で囲ったところの最後のマルでございます。前回の2月25日の委員会の際に御紹介いたしましたけれども、今後の施策の展開を考えていく上で、これまでの施策の検証・評価が必要であるという問題意識がありました。そういうことを踏まえて、「地方消費者行政活性化基金」や「光をそそぐ交付金」といったこれまで講じられている財政面の支援策、あるいはその他の施策につきまして、どのような効果を発揮したのか、検証を行う必要があるという文章を追加しております。
第3といたしましては、報告書の12ページ、上から6行目の辺りでございます。地方の相談窓口体制の整備につきまして、当初は複数の市町村が広域連携で対応するケースを想定しておりましたけれども、それ以外に、何らかの事情で単独で窓口整備を行おうとする市町村がある場合、県と連携することも一つのケースとして想定いたしまして、これを広域連携の中に位置づけて国としての支援策を検討していくことがよいのではないかという御意見を踏まえまして、そのようなケースが含まれるような記述の追加をしております。「あるいは単独で窓口を設置すると同時に、県の振興局・振興事務所等の出先機関がその専門的知見をいかしてこれを支援する等の場合」という形で追加をしております。
次に、4月7日の最後の専門調査会で追加ないし修正があった主な点を3点、御紹介いたします。
第1に、報告書の30ページでございますけれども、最後の2つの段落でございます。景品表示法の地方における執行強化にかかわる部分でございますが、この点に関しまして公正取引委員会から3月初めに書面が提出されまして、その中で、公正取引委員会の地方事務所等における景品表示法業務の拡大につきまして、積極的な対応策が示されたところでございます。具体的には、地方における違反事案に関して申告受付を積極的に行う。事案の端緒段階での補足調査を積極的に行う。都道府県や事業者等からの相談を地方の事務所で受け付ける。地方における都道府県等との連絡会議に積極的に参加するというものであります。
このような運用面の改善策が示されたことを受けまして、この報告書の30ページの下から2つ目のパラグラフにおきまして、「事件調査や事業者等からの相談対応における連携・協力を一層密接に行うなど、国としての執行体制を強化する」という書きぶりに改めております。
他方、地方事務所におきまして、調査以外の執行権限を担えるようにすることに関しましては、消費者庁と公正取引委員会の2つの組織が執行権限を担った場合、その執行面の運用の統一性を図っていく中で、この2つの組織の関係が、公正取引委員会の独立性という組織の性格に抵触するおそれがあるのではないかという懸念が公正取引委員会から示されたこともありまして、この執行権限を担えるようにする点につきましては、今後の課題として位置づけたところでございます。
第2でございますが、冒頭、委員長からもお言葉がございましたけれども、3月11日に東日本大震災が発生いたしました。この報告書が震災の後に世に出ることを踏まえまして、東日本大震災の被害を受けた各県・各市町村については、「格別の配慮を求める」という一文を追加しております。これは、報告書2ページの最後のパラグラフ、もう1か所は、34ページの囲みの中のマルの3つ目に追加したところでございます。
最後になりますが、第3に、報告書の38ページをご覧いただければと思います。「委員の意見」という形で4人の委員の方から、国から地方に対する財政面の負担につきまして御意見が添付されております。この点につきましては、後ほど座長からも御発言をいただければと思います。
私からの説明は以上でございます。

○稲継地方消費者行政専門調査会座長 私からも少し補足して説明させていただきたいことがございます。今、最後に審議官から説明をいただきました、報告書の38ページに4名の委員の意見が付けられていることについてでございます。
報告書のとりまとめに関しましては、委員の間で意見が分かれているものについても、できる限り合意が得られる形にまとめるように努めたところでございます。相当激しい議論もいたしたわけですけれども、できるだけ一つにまとめようと努力いたしました。ですが、国から地方に対する財政支援の部分に関しましては、4名の方から、「報告書の内容に反対ではないけれども、どうしても述べておきたい意見がある」ということで出てきたものでございます。その扱いについてはあくまで報告書本体とは別扱いということで、このような形で参考資料の前に付けさせていただいている次第でございます。
なお、最後に座長として一言申し上げさせていただきます。消費者委員会におかれましては、本報告書を受けて地方消費者行政の充実・強化のため意見表明されるとのことでございますが、是非消費者委員会として今後も地域の実態を踏まえながら、本専門調査会の報告書の内容が着実に実施されるよう継続的に監視していただき、また、提言等を重ねていただきたいと思います。
以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明を受けまして、どうぞ、御意見のある委員の方は御発言をお願いいたします。
山口委員、どうぞ。

○山口委員 稲継先生、本当に1年間、ありがとうございました。大変御苦労されたと思いますが、ありがとうございました。
実は私も担当の委員として毎回出席させていただきましたけれども、当初考えていた以上に難しいテーマなんだなというのをつくづく痛感いたしました。消費者庁・消費者委員会が発足した当時の附帯決議あるいは附則がこの資料にも添付されておりますが、超党派で地方消費者行政の充実が肝だと、それを国が支援することを前提として、どういう支援の在り方がいいのかを専門調査会で審議するという前提だったものですから、かなり前向きを前提に議論が進んでいくのかと思っていたのですが、むしろ片山座長の最初の問題提起、今は総務大臣になっておられますが、要するにお金がないわけではなく、首長がその気にならない。その首長を地元の選挙民が選んでいるという、その重い事実の中で地方主権をかつ推進しなければならない中で、地方消費者行政をどう全国に平準化して充実させていくのか。これがなかなか難しいテーマなんだなというのをこの13回の議論の中でつくづく痛感いたしまして、なかなかこれは容易なことではないと思いました。
実は資料2として、今、お配りさせていただいておりますが、この種の議論は随分昔からあって、昭和45年に経済企画庁の通達が出ておりまして、何だ、結局、昭和45年当時から同じような議論があって、それがどの程度深まったのかということが改めて問われているなと痛感した次第であります。
この通達は、2枚目の上を見ていただきますと、経済企画庁が昭和45年度より、地方公共団体における苦情処理体制の整備を推進するために、都道府県に対し「消費生活苦情処理体制整備費補助金」というのを交付することにして、それをどういうふうにやるのかということでの通達でございます。
当時からも、消費者保護基本法で「市町村は苦情のあっせん等に努めるべきことおよび国や都道府県は苦情処理のために必要な施策を講ずるよう努めるべき」ということが定められていることから、その実現が、昭和45年ですから1970年、今から40年前から議論されております。項目を見ても、窓口の設置、苦情処理相談の受付、苦情のあっせんがどうあるべきか、相談に対する回答をただ聞くだけではなくちゃんとした回答をしなければいけない。あるいは市町村との協力の在り方とか、国との協力、勿論、都道府県相互間の協力も含めて当時から議論されていたのだなと。今回の最終報告で、それがどの程度深まったかがこれから問われるし、国会の議論の中でも問われる。その意味では、報告書の38ページに4人の委員のこういう考え方もあるんだということが示されたのは、国会の審議には付すのかなというふうに思います。
委員としては、座長を先頭に本当にありがとうございましたと申し上げるしかないのですが、その上で、重いテーマだった、また非常に難しいテーマだったと。なおかつ財政の逼迫がこれから避けられない状況の中で、これからも是非座長には見守っていただきたいし、積極的に御指導もいただきたいと思います。本当にありがとうございました。

○松本委員長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 どうもありがとうございました。この調査会が始まったときは、どうなることやらと心配しました。座長がおっしゃったように本当に激しい議論もありましたし、紛糾した議論も非常に多かった中、ここまでまとめていただいて、途中で座長におなりになった大変なこともありましたが、ありがとうございました。
消費者委員会として8項目の議論をしていただきたいとお示しして、13回の中で議論されたけれども、私は時間が足りなかったのではないかなと思っておりました。もう少し突っ込んだ議論も必要だったのではないかと思っております。私、個人的には、商品テストとか、原因究明のテストとか、法執行、職員の研修など、もう少し議論していただきたかった、これらは課題として見えてきたというふうに思っています。最終的には東日本大震災の件も触れていただきました。これは本当に消費者委員会として心に強くとめて、これからも対応できるところは頑張っていきたいと思います。
座長がおっしゃったように、地域の実態を踏まえながら、この報告書を使いながら、まさに今からスタートという気持ちで、今、山口委員がおっしゃったように、長い間このようなことが議論されてきておりますけれども、消費者委員会ができた最初の地方消費者行政の報告書なので、是非これを基本として、私たちの立場としましては、監視をしたり、更に発言して、よりよい地方ができるように努力していきたいと思っております。ありがとうございました。
以上です。

○松本委員長 下谷内委員、どうぞ。

○下谷内委員 ありがとうございました。短い期間にこれだけのことをまとめられたのは、私はありがたいと思っています。ただ、いろいろな形でまだまだ積み残しの部分がありますが、これは、これからこの報告書をもとに進めていくことではないだろうかと思っています。現場の相談員にとりましても、こういう場で議論されることはめったにございませんでしたので、力強い報告書になったのではないかと思っています。
今後は、この報告書をもとに、消費者庁そして都道府県の皆さん方が十分に活用していただけることと、また、それを私たちが監視しなければいけないのではないかというふうに思っています。本当にありがとうございました。

○松本委員長 中村委員、どうぞ。

○中村委員長代理 今日の報告書の41ページに国会での附帯決議がありまして、ここの二十四番に、「今後三年程度の集中育成・強化期間後の国による支援の在り方」の検討を要求され、先を見通した検討ということで大変難しいところにチャレンジしていただいたと思っております。この附帯決議には4行目に、「工程表も含め消費者委員会で検討する」と書いてあります。今回、この報告書にはまだ工程表は付いていませんけれども、工程表をつくるとなると実施庁の消費者庁ともいろいろキャッチボールをしながら、今後、親委員会でやらなければいけないと思いますし、更に、今般の震災被害で地方消費者行政の一部が物理的に破壊されているところまで出てきている。当初、国会審議では全く想定していないことが起こっている。それから、生活物資の基本的な確保とか、飲食物の安全性、更には、人の不安や善意につけ込んだ悪徳商法も新たに生じてきている。
そういうことを踏まえて、今後、消費者庁でいろいろ検討していただくとともに、私どものところと報告を随時求めて、キャッチボールをしながら工程表づくりに励んでいく必要があるだろうと思っておりまして、消費者委員会、親委員会としての責務を更に痛感しているところでございます。後ほど、意見をとりまとめるときにその辺についてもちょっと触れたいと思っております。
以上です。

○松本委員長 ほかに御意見ございませんでしょうか。
それでは、稲継座長からの御報告に関する審議はこれで終わりといたします。稲継座長におかれましては、御多忙の中、昨年の9月以降、座長としてこの専門調査会をリードしていただき、また、報告書のとりまとめに御尽力をいただきました。誠にありがとうございました。

○稲継地方消費者行政専門調査会座長 どうもありがとうございました。

○松本委員長 それでは、消費者委員会としての意見表明につきまして、案文を用意しておりますので、配付をお願いいたします。

(追加資料配付)

○松本委員長 それでは、ただいま配付いたしました追加資料の「地方消費者行政の活性化に向けた対応策についての建議(案)」につきまして、日和佐委員より御説明をお願いいたします。

○日和佐委員 「地方消費者行政の活性化に向けた対応策についての建議(案)」を提案させていただきたいと思います。
「平成23年4月15日 消費者委員会 消費者委員会は、地方消費者行政専門調査会から、『地方消費者行政専門調査会報告書』の提出を受けた。消費者委員会は、この報告書の内容を踏まえ、以下のとおり、関係各大臣に建議を行う」。
ちょっとここでお断りなのですが、1~3まではいわば前文でありまして、消費者委員会が地方消費者行政強化に関してどのような考え方、問題意識を持っているのか。調査会が設置された経緯、審議の状況等について述べておりますので、すべてを読み上げますのは、この建議の内容は大変長くなっておりますので、省略させていただきたいと思います。実質的な内容の4から読み上げてまいります。

(読み上げ)

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、この建議案につきまして、御意見のある方は御発言をお願いいたします。
佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 1年間かけてつくられたこの報告書に対する建議については、賛同いたします。
ただ、一つ強調したいのは、最後のところに書かれております大震災のところです。数百万人もの被災者が出てしまった東日本大震災については、先ほどもお話がありましたように、暮らしの基盤、そして、地方消費者行政を含むすべての自治体が失われてしまったという地域もあります。今日は消費者庁の方がいらしています。消費者庁は本当に司令塔として他省庁にもっと働きかけていただきたい。自ら率先して、とにかく消費者の安全・安心を取り戻すことに努めていただきたいと思います。まさに消費者問題の基盤である衣食住に関して、司令塔としての役割を果たしていただきたい。
最後に一つ申し上げたいのは、工程表を作成して7月までに報告することと私たちは求めております。今、皆さん各省庁ともお忙しいことと思いますが、7月までにきちんと工程表をつくるということ、工程表を出すことを守っていただきたい。そして、地方消費者行政を更に進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○松本委員長 ほかにございませんでしょうか。
山口委員、どうぞ。

○山口委員 個人的には、先ほどの4人の少数意見にありましたように、特にPIO-NETについての財政措置を具体的にどう講ずるのか。その辺について、もう一歩踏み込んだ消費者委員会としての意見が出せればよかったと思うのですが、専門調査会の最終報告書の内容を踏まえたものとしては、この程度でしょうがないのかなと思います。今後、庁におかれまして、特に財政措置についてどのような措置を講じられるのか。勿論、国会でも議論されることだと思いますので、そういう議論を見守りながら、また、庁の対応を見守りながら、機会があれば消費者委員会としての意見も言うべきであるし、見守っていきたいと思っております。

○松本委員長 ほかにございませんでしょうか。
それでは、この案で皆さん御同意いただいたということでございますので、消費者庁及び消費者委員会設置法第6条に基づき、消費者担当大臣、総務大臣等関係各大臣あてに建議を行いたいと思います。どうもありがとうございました。

≪3.特定商取引法施行令の改正について≫

○松本委員長 次に、「特定商取引法施行令の改正について」でございます。
特定商取引法におきましては、第64条第1項の規定により、政令事項のうち同項に規定する重要なものの制定または改正に当たっては、消費者委員会及び消費経済審議会に諮問することとなっております。これに基づきまして、消費者庁から参考資料1のとおり諮問がございましたので、本日、この諮問について消費者庁及び総務省からヒアリングを行い、審議を行った上で、委員会としての判断を示すこととしたいと思います。
それでは、消費者庁、総務省の順で御説明をお願いいたします。

○消費者庁畑野取引・物価対策課長 消費者庁の取引・物価対策課長でございます。よろしくお願いいたします。
前回3月11日に同じような形で、保険業法の改正に伴いまして、認可特定保険業者の行う特定保険業を特定商取引法から適用除外とする旨の政令改正につきまして、諮問させていただきました。今回は、お隣にいらっしゃいます総務省の方の関係で、昨年秋の臨時国会におきまして「放送法等の一部を改正する法律」が成立いたしまして、これに伴って、放送事業者あるいは電気通信事業者の行う役務事業につきまして、特定商取引法との関係を改めて整理する、これが今回、御審議いただく中身となっております。資料は資料3、資料4、この2つの資料で御説明させていただきたいと思います。
まず、私、消費者庁から資料3に基づきまして、前回の委員会での御説明と一部重複いたしますけれども、諮問の背景について簡単にお話をさせていただき、その後、総務省から、放送法等の一部を改正する法律の概要を含めまして御説明をしていただきたいと思っております。
資料3「特定商取引に関する法律施行令の改正に係る消費者委員会への諮問について」ということでございます。今、委員長から御説明をしていただきましたとおりでございまして、特定商取引に関する法律の規定に基づきまして、政令改正の際には消費者委員会に諮問という手続を取らなければいけません。今回は前回の委員会と同様に、適用除外につきまして、その大宗については政令で列挙をするという構造になっているものでございまして、この改正が必要だということです。(2)にございますように、特定商取引法の3つの取引類型のうち、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売につきましては、平成20年の同法改正の際に、指定商品・指定役務制を撤廃したことの裏腹で、各個別法で実効のある消費者保護のための規制体系が構築されているものにつきましては、一方で、二重規制の排除の観点から特定商取引法の適用除外といったことを措置しております。
資料3の3ページ目をご覧いただきたいと思います。これも前回御説明したことの復習でございますので、簡単にしたいと思います。適用除外ということで、法律において直接的に金融商品取引法、宅地建物取引業法、旅行業法、これは法律のレベルで既に適用除外という形になっております。その他、第8号のイ、ロ、ハ、ニの最後のニでございますけれども、こういった3つの法律と同様に、個別の法律で消費者利益の保護が認められるものにつきましては適用除外とする。それを具体的に政令で定めるという形になっております。
本日の議論とも関係いたしますので、もう一度整理させていただきますと、消費者の利益の保護というのは具体的には何なのかということでございますが、2つのポイントがございます。
1つは「消費者被害に対する是正措置が整備されていること」。そこにございますように、業務改善命令、指示命令といった不当な状態の是正であるとか、あるいは、許可等の取消処分等々の不当な状態の継続をしてはいけない。こういった措置が講じられる法律の建付けになっているかどうか、という話が一つのポイントかと思います。マル2は、そういった是正措置のトリガーとの関係で、消費者保護といった目的がきちんと法律上、明らかにされているかどうか。この2つがポイントになるというのが、適用除外の条件という形になろうかと思います。
もう1枚お開きいただきまして、現在、特定商取引法の適用除外となっている法律、何度か申し上げていますように、金融商品取引法、宅建業法、旅行業法、これは法律で規定されて、そのほかは政令で列挙されている。今日、御議論いただく関係でございますけれども、i ~ v の「ii)通信・放送に関するもの」ということで、既に電気通信事業法、放送事業法等につきましては、先ほど申し上げましたクライテリアに満足するということで、既に適用除外の扱いになっているところでございます。これから総務省の方で御説明いただきますけれども、放送法等の一部改正の法律におきまして、放送法、電気通信事業法、その他の法律の大胆な組みかえが行われた。特定商取引法との関係では、それに伴って法律の条文あるいは文言の整理ということで、実質的に中身が大きく変わることではないわけですけれども、形式的には政令改正の手続を経なければいけないということで、本日、諮問させていただくというものでございます。
では、私からは以上にさせていただきまして、具体的な法律改正の中身、それに伴います特定商取引法の施行令でどうなるかということにつきまして、総務省の方から御説明をお願いいたします。

○総務省磯情報通信国際戦略局融合戦略企画官 総務省情報通信国際戦略局融合戦略企画官の磯と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、お手元の資料4に従いまして御説明させていただきたいと存じます。
まず、1点目の「特定商取引に関する法律施行令の改正」。この関連で、今回の施行令改正のもととなっております今般の放送法等改正法の要点を御説明したいと存じます。
別紙2をご覧いただけますでしょうか。4ページになります。こちらに法律の概要を書いておりますけれども、この法律は先の臨時国会で成立して12月3日に公布されたもので、現在、6月末の施行に向けて準備作業を行っております。
内容につきましては、一言で申し上げますと、通信・放送、これはデジタルネットワーク化が非常に進んでおります。これに対応して、現在、例えば放送のところを見ていただければ法律が4本ございます。通信のところでも法律か2本ある等、細分化された通信・放送の関係法、これを大括り化して規律内容の合理化を図る、こういったことを目的とした法改正でございました。
改正事項1の左側のポンチ絵にありますような、先ほど御説明しましたような法体系、これを右の図のように機能別に整理したということです。改正の中での更にポイントになりますのは、黄色で表示しておりますけれども、4本ある放送関係法、これはネットワークの審議会に伴いまして、最初、無線の放送が出て、ケーブルテレビが始まったことによって有線テレビジョン放送法ができて、また、光ファイバーでも放送ができるということで電気通信役務利用放送法というものができた。ネットワークの進化に伴ってこういった4法律ができてきたのですけれども、これを一つに統合してしまおうということがございます。
また、水色で表示しておりますけれども、電気通信の関係法につきまして、有線放送電話法、いわゆる農村電話というものでございまして、今は急速に廃れているものですけれども、こういったものがまだ残っておりますので、これを電気通信事業法に統合する。そういったことがポイントでございます。また、その際に、2ポツの(1)のマル5にありますように、有料放送の提供条件の説明義務を新たに課すといった利用者保護の強化も改めて図っております。
最初のページにお戻りいただけますでしょうか。このように放送関係の法律の統合・整理によって、この法律の定義規定が変わり、法律自体も廃止されたり、あるいは法律の文言が指し示す対象が変わってくるということで、特定商取引法の施行令の手当をする必要があるということでございます。
続きまして、現行の放送法との関係、あるいは適用除外とすることが適切な理由、2と3の関連で現行法と新法、先ほど申し上げました法律の組みかえにつきまして、適用除外理由の適合性という点を中心に御説明させていただきたいと存じます。
別紙1をご覧いただけますでしょうか。

○消費者庁畑野取引・物価対策課長 3ページですね。

○総務省磯情報通信国際戦略局融合戦略企画官 3ページでございます。失礼しました。左側が先ほど申し上げました改正前でございまして、現在の適用除外規定に規定されている前提の内容でございます。放送法、電波法で規律されている放送局、一番上になりますけれども、これは典型的には地上放送の放送局ということになります。あるいは委託放送事業者の委託放送業務。これは、例えばスカパーで放送している事業者を指しておりますけれども、こういったものについては、現在、有料放送に関する契約可能変更命令等の是正措置を設けてございます。また、電気通信役務利用放送法、これは、例えば光TVで放送を行っているものでございますけれども、そういったものについても同様のものが法定されているということでございます。また、有線テレビジョン放送、これはケーブルテレビでございますが、これも同様の措置が現在、規定されております。
電気通信事業につきましても、業務改善命令、登録の取消といった是正措置が規定されている。こういったことで、現在も適用除外の規定の対象になっているということでございます。
これに対しまして改正後の法律、橙色の方でございますけれども、左側にあります各法律で細分化されていた対象業務を、法律の統合に伴いまして4類型に整理をした。これは主に参入規律の整理が眼目だったわけですけれども、こういう4類型に整理したということでございます。その際に、その全体を示す概念として「放送事業者」という概念を設けております。
また、是正措置につきましても、それぞれ従来の是正措置を残すとともに、先ほど少し御説明いたしましたけれども、有料放送に関する利用者への説明義務、苦情処理義務というものを、これは電気通信の方では既に整備されていますが、今回、放送の関係でも整備をし、有料放送に関するこの関係の是正命令も新たに置くということで是正措置を強化しているということでございます。
一番下の電気通信事業者に対する利用者保護の規律につきましては、利用者保護の観点では特に規律の変更はございません。従来どおり、説明義務ですとか苦情処理義務というものを課して、それに対する是正措置を課すという構造になってございます。
なお、先ほど農村電話と申し上げましたけれども、有線放送電話業務というものに関しましては、関係法が電気通信事業法に統合されて廃止されます。これは、ブロードバンド時代、携帯電話が非常に普及しておりまして、急速に施設数等を減らしておりまして、ほぼ規律する必要がないというところもありますので、形式的な統合ということで御理解いただければと思います。
2ページにお戻りいただきまして、以上、御説明いたしましたとおり、改正後の放送事業者、あるいは改正後の電気通信事業者につきましては、今回、こういう参入関係の規律の整理・統合が眼目であったというところ。その中でも利用者保護については規律を強化しているという点で、不当な勧誘広告が行われた場合等に利用者保護の観点から必要な措置を規定しているということで、特定商取引法の適用除外とすることが適切ではないかと考えている次第でございます。
説明につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、どうぞ、御質問、御意見がございましたら、お出しください。
佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 質問させていただきたいのですが、資料4の最後の5ページの改正概要のところ。

○消費者庁畑野取引・物価対策課長 総務省さんの方でよろしゅうございますか。

○佐野委員 はい。「(6)再放送同意に係る紛争処理に関するあっせん・仲裁制度の整備」の中身はどういうものか、具体的に教えてください。

○総務省磯情報通信国際戦略局融合戦略企画官 それでは、御説明いたします。
現在、ケーブルテレビにつきましては、現行の有線テレビジョン放送法の中で、地上放送の再送信について一定の義務と権利が付されております。御家庭でケーブルテレビに御加入されていれば地上波放送も見られると思いますけれども、基本的にケーブルテレビにつきましては、要は受信障害を解消するという役割がもともとあったというところで、そういった障害地域について義務的に再送信しなければいけない。それについて、仮に地上放送事業者の方が放送をするなと言われるとできなくなりますから、仮にそういった事態があって紛争が起こった場合について、現在、大臣の裁定制度というのがございます。現在、地上デジタル放送の整備を進める中で、紛争が多発している状況にあります。また、単純に同意する、同意しないということではなく、紛争の中身が多様化しているということがあります。私どもの方で、特に電気通信の世界で紛争処理委員会というのを設けまして、そういった事業者間、これは電気通信事業の接続料金とかの紛争処理に当たってもらっていますが、今回、裁定制度だけではなく、新たにあっせん・仲裁制度というのを設けまして、より迅速、かつ当事者間に納得感のある解決方法を目指せる仕組みをつくろうということで設けたものでございます。

○松本委員長 ほかに、御意見、御質問はございませんか。

○山口委員 ちょっとよろしいですか。

○松本委員長 山口委員、どうぞ。

○山口委員 私はこの分野は本当によくわからないので、実際問題、ケーブルテレビの勧誘が自宅に結構しつこくございまして、結局、断り切れずに契約しました。それが自分にとって一体得なのか損なのか、わけわからないんですね。どうも電話も一緒になってセットで契約しているようだから、毎月3万円ぐらい払っていますけれども、しょうがないのかなと思ったりするのですが、これは希望なのですが、要するに私でもわかりにくい、という言い方は変だけれども、恐らくこれ、自宅にいる70代、80代のおじいちゃん、おばあちゃんが、あの細かな内容でどっちが得かどっちがこうだなんて言われても、なかなかわからないだろうなと思うんですね。
特商法だったら一定の説明すべき条項が法令で定められていて、その要件にはまっているかどうかで、消費生活センターなどでも対処しやすいと思いますが、やはり適用除外になっているものですから、本当に細かい条項がたくさん書いてある。何かセットになっているとか、契約に付加がついているとか、問題になった生命保険ではないですが、やたら特約条項も多い。その辺は、わかりやすくなるように指導していただいて、消費者にとって何が得か損か、あるいは料金負担が増えるのか減るのか、その辺もわかりやすくなるように、是非工夫を今後もよろしくお願いしたいと思います。

○総務省磯情報通信国際戦略局融合戦略企画官 御指摘、ありがとうございます。ケーブルテレビにつきましては、私ども、実は地方の総合通信局から指導した例もありまして、今回の法改正におきまして、利用者保護を強化したというのはまさしくその点でございます。電気通信事業の法律では説明義務の中で、こういうことを説明しなさいということをきちっと定めておりました。その部分は、今回の法体系を整理する中で放送法の中になかったわけです。若干規定が古かったということがありましたので、きちっとその点を整備させていただきました。今後は、やはり御意見も踏まえまして、更にそういったことにつきましてしっかり行政を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

○松本委員長 下谷内委員、どうぞ。

○下谷内委員 今回、施行令を改正されまして、割と見やすくなったと思います。でも、やはり御相談というのは商品とサービスの連携が多いものですから、非常に扱いにくいなあというところはあるかと思います。これを円滑に上手に使えるように、また、ガイドラインとか何か解説本が出ると思いますので、そこのところも十分御理解いただいてつくっていただければいいのではないかと思います。よろしくお願いします。

○総務省磯情報通信国際戦略局融合戦略企画官 承知しました。ありがとうございます。

○松本委員長 ほかにございませんでしょうか。
特に異論があるわけでもないし、御説明のとおり、従来と同じ、あるいはそれ以上に消費者保護の内容が強化されているということでございますので、消費者委員会としては、御説明いただいた改正内容で問題はないという結論にしたいと思います。よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○松本委員長 ありがとうございました。それでは、そのような趣旨で答申を行いたいと思います。
本日の議題は以上ですが、3月9日に、委員会の下部組織であります食品表示部会の第8回会合が開催されております。本日は、食品表示部会設置・運営規程第8条第2項の規定に基づき、その審議結果の報告をいただきたいと思います。
それでは、田島部会長からよろしくお願いいたします。

○田島委員 食品表示部会部会長の田島でございます。
3月9日に開催した食品表示部会の審議について、食品表示部会設置・運営規程第8条に基づき、委員長の同意を得て委員会の議決とし、3月23日付で内閣総理大臣へ答申を行いました。
昨年2月から3月に意見募集等を実施し、消費者等の要望の多かった品目を中心に流通実態調査を行った結果、消費者庁より、「黒糖及び黒糖加工品」、「こんぶ巻」について、原料原産地表示の義務対象品目として追加することが適当と判断し、加工食品品質表示基準別表第2に追加することについて、11月4日、消費者庁より消費者委員会へ諮問のあったことにより検討を行ったところでございます。本日は、同条第2項の規定に基づき決定事項を委員会に御報告するものです。
資料5の答申書をご覧ください。今回の部会では、平成22年11月4日付け消食表第384号をもって諮問のあった加工食品品質表示基準の改正について、審議の結果、資料5の別添資料のとおり改正することが適当であるとされました。
私からの報告は以上になります。

○松本委員長 ありがとうございました。
最後に、事務局より今後の予定等について御説明をお願いいたします。

≪4.閉会≫

○山口委員 ちょっとすみません。

○松本委員長 では、山口委員。

○山口委員 消費者庁に消費者委員会として意見を具申するべきではないかと思いまして、是非発言させていただきたいのですが、この間の福島第一原発の被災の関係で、地域の住民の安全性の問題、その関係の食品の安全性の問題等について、経産省や原子力安全保安院、あるいは農水省などがさまざまな形でデータや事実を公表されています。しかしながら、産業育成官庁である農水省や経産省ではなく、生活者のサイドから、あるいは消費者のサイドから、現在住んでいる場所が安全なのかどうなのか、どの程度危険なのか。更には、自分たちが買って食べようとしている食品類がどうなのかということについて、もう少しわかりやすい生活者サイドからの情報提供、あるいは判断基準の提供がなされてしかるべきではないかと思うのです。
もうさんざん言われていますが、何とかシーベルトとか、何とかベクレルという数字だけを言われても、これは消費者にはわからないです。やはり消費者庁としては、もう少し生活者のサイドに立って事実をまとめて出すとか、それから、本当に危険な食品についてはそれが市場に流れないように徹底するように、消費者庁から関係省庁に厳しく要請する。あるいは逆に、安全性が確保されているにもかかわらず風評被害で市場に流れないものについては、安く安全なものを食べられるにもかかわらず買うことができないことについて、それなりの発信をするべきではないかと思います。その辺について、消費者庁が一体何をやっているのかという批判についてはさまざまなところから聞こえてきます。それについて「消費者委員会として何をやっているんだ」という批判も、さまざまなところから痛烈な声が聞こえてくるし、私どもとしても、やはり何らかの形で消費者庁に対してそれは要請すべきだし、消費者庁はもう少し頑張っていただかなければいけないのではないかと思います。
その辺について消費者委員会として、どこまでが安全でどこまでが危険なのかというのはなかなか難しい。それはよくわかっています。しかしながら、妊産婦といわゆる幼児、それから30歳、40歳、50歳で、これから子どもをつくっていかなければいけない世代と、子づくりが終わった世代とで基準が違ってもいいし、その辺はもう少しわかりやすく説明していただいてもよさそうなものだし、庁として産業育成官庁に対する適切な要請を委員会として発信できないものか。あるいは、その辺について審議の場なり調査を是非していただきたいと思うし、したいと思いますので、その点について、今日はそんな準備はないでしょうけれども、委員会として是非やっていきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○松本委員長 委員の方で何か御意見はございますか。
佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 先日、レベル5から7に急遽変わってしまったということも含め、約1か月以上、異常事態が続いているわけです。私も山口委員と同じように、消費者庁が各省庁に何をしろとか言うのではなく、まず、消費者にわかりやすい言葉で、今、一体何が起きているのか、私たちは何をするべきなのか、放射性物質の体内被曝、外部被曝とは何かとか、食品に関して、放射性物質に汚染された食品をどう考えるとか、もう少しわかりやすい言葉で伝えていってほしいと思います。今の消費者庁のホームページを見ましても、各省庁に飛んでいくというリンクはされていますけれども、そのリンクした先が消費者にわかりやすい形で書かれているとは限らないので、是非、消費者庁で消費者に対してわかりやすい言葉で発信していただきたいと思います。
それから、今、山口委員がおっしゃったように、特に妊産婦、子どもたちに対する特別なケア、特別な対策をする必要があると思います。よその省庁では妊産婦の方たちに対するパンフレットをおつくりになって、安全だ、安全だというふうに書かれていますけれども、それでいいのだろうか。きちんと消費者庁としてできる限りのことは発信していただきたいと思います。これは消費者委員会として、打ち合わせなりもう少し検討して、何ができるか、何が言えるかということを検討していきたいというふうに考えます。

○松本委員長 中村委員、どうぞ。

○中村委員長代理 皆さんのおっしゃる気持ち、すごくよくわかって、私もそう思うのですが、昨日辺りから国会の消費者問題特別委員会が審議を始めまして、そこで議員からの質問で、各省庁がどういうことに取り組んでいるかという報告をいろいろされています。私もあれを聞いて、ああ、消費者庁もいろいろなことをやっているんだとか、食品安全委員会も取り組んでいるし、国交省も頑張っていると、そういう報告がいっぱい出てくるけれども、その国会審議を聞いて初めてわかるようなことがやたらに多い。皆さん方も多分、一生懸命各省庁がやっていることがなかなか国民に伝わっていないというところに、大きな不安とか疑問が出てくるのだと思います。
決してみんながこぞってさぼっているわけではないと私は思っていますし、そういうところの報告を一回消費者委員会で是非聞くべきだと思います。国会でかなり出てきたので、同じことではなくてもいいのですけれども、3月25日に第51回の消費者委員会が当初予定されていました。そのときに実は消費者庁を呼んで、震災後の今の取組み状況の報告を受けようという予定をしていたのですが、結局、その51回の委員会が流れてしまったためにまだできていないのです。ですから、早急にヒアリングをする、そういう委員会の場を設ける必要があると思います。そこを提案したいと思います。

○松本委員長 ほかに御意見ございますか。
どうぞ、日和佐委員。

○日和佐委員 私も各省庁がどのようなことをしているのかについて情報を見ていますけれども、それなりに各省庁はきちんとやっていると思います。ですから、今の私たちの暮らしが非常に危ない状況、危険な状況に置かれているということではないと思っているわけですけれども、ただし、各省庁の情報が連携されないでポツン、ポツン、ポツンと出るという状況ですので、その意味合いについてよく理解がされていないのではないかと思うのです。では、どこが情報を統一してわかりやすく消費者に伝える役割を果たすのかということについては、議論をした方がいいのではないかと思っています。

○松本委員長 下谷内委員、どうぞ。

○下谷内委員 今、皆さんがおっしゃられたように、これはやはり議論すべきことであろうと思っています。おっしゃられるように、情報が、私たちが理解しにくい情報、どうやってそれを理解していいかわからないというのがほとんどの情報でありますので、せっかく国会審議とか各省庁がされているものを、消費者にわかりやすく、そして、どことどこがつながっていれば安全なのかとか、何をしたらいいのかという、そういう情報を是非出していただければと思います。
先日も福島の知事さんがおっしゃられておりましたが、はっきりとしたものが出てこないのにということと、「原発は支援の後から」と言われたということで、今回、いろいろ御意見を言われまして、震災と併せて復興計画が入るようでありますが、なかなかそれでも私たちには見えにくいというのはあるかと思います。是非この場にお迎えして、お話をお聞きしたいなというふうに思っています。

○松本委員長 どうぞ、池田委員。

○池田委員 皆さんのおっしゃることは、本当に国民の思っているとおりだろうと思います。しかし、果たして消費者委員会としてヒアリングをするタイミングかどうかということについては、もう少し委員間で意見をきちんとすり合わせるべきではないかと思います。ヒアリングをして、その結果がどのようになるかということをよく考えてやらなければいけません。情報が非常にわかりにくいとか、個別のつながりがよくわからないというのはそのとおりだと思いますけれども、原発というのは今でもまだ対策が進行中なわけですね。進行中であるからなおさら話がよくわからないのだと思います。それぞれの省庁も、進行中の事象に対応している段階ではないかと思うのです。
もし我々がヒアリングするならば、委員会としてこういうことを消費者庁にまず報告を求めるということを我々が決めた上で、ヒアリングをする。もう少しスピーディにという思いもあると思いますけれども、やはり今の緊急事態という状況で何を我々がすべきかということは、委員会の中で整理した上で考えるべきではないかと私は思います。

○松本委員長 どうぞ。

○山口委員 私が言いたいのは1点だけです。要するに産業育成官庁である経産省や農水省ではなく、生活者の視点に立つ消費者庁が、なぜ生活者としての立場から独自のスタンスで情報を提供なさらないのか、あるいは、わかりやすい情報を提供しようとする努力を消費者にわかるように出さないのか、ここに尽きます。消費者庁には是非その点について努力をお願いしたいし、それについて努力なさらないようであれば委員会としてもものを申すべきではないか。勿論、今、直ちにどうこうということではないのかもしれません、消費者委員会としては。ただ、「庁よ、もうちょっとしっかりしてちょうだい」ということに尽きると私は思っております。その点は先ほどの委員の方々と共通のところだと思いますが、その辺をどうするかは今後議論してつめるべきだと思います。

○松本委員長 いろいろ御意見をお出しいただきました。それぞれ皆さん、私も含めて、一国民として、大変不安に思っている、あるいは不満に思っていることはたくさんあります。他方で、消費者委員会の委員として、何かしなければならないという意識を持っておられる方が多いというのも重々理解できるところです。
ただし、消費者庁の役割が何なのか、あるいは消費者委員会の役割が何なのかというところとの関係で我々は行動しなければならないと思いますから、個人としてこうだ、あるいは個々の委員としてこうすべきだというところだけでは、必ずしも行動できない部分があることは御理解いただく必要があると思います。そういったことを踏まえて、原子力災害、地震から波及した放射能汚染問題に対して、消費者委員会としてどういった発言が可能なのかということを委員間でもう少し打ち合わせた上で、ヒアリングを行うなり何らかの次のアクションを考えたいと思います。
それでは、今後の予定について御説明をお願いいたします。

○原事務局長 今後の予定の前に、今の議論についてですけれども、参考資料2で「委員間の打合せの概要」というのを3月22日以降、お付けしていますけれども、5回、委員間打合せを行っておりまして、この間、震災関連の情報提供ですとか意見交換というのも進めております。委員会としても何ができるかというのは、この1か月、考えていたというところです。消費者庁のヒアリングも考えていましたけれども、ちょっと日程がとれませんでした。それから、消費者団体との意見交換というのでしょうか、是非御意見をお聞きしたいというのも考えておりましたけれども、これも消費者庁が実施されるということなので、こちらでは、その御意見をまた参考にさせていただきたいということでこれまで来ております。
それから、昨日が衆議院、本日が参議院ですけれども、消費者問題特別委員会が開かれておりまして、それぞれ3時間ずつぐらいやっております。ここでも、今、委員から出されたような御意見が出ておりますので、それも整理した上で、委員間打合せでどのように取り上げていくかというのを検討させていただけたらと考えております。
今後の予定ですけれども、本日、17時を目途に消費者庁の記者会見室において委員長記者会見を行う予定にしております。それから、18時5分を目途で蓮舫消費者担当大臣を訪問し、最初の議題で扱いました「地方消費者行政の活性化に向けた対応策についての建議」をお渡しする予定にしております。
次回の委員会は、来週金曜日、4月22日15時から行う予定としております。議題といたしましては、集団的消費者被害救済制度専門調査会の中間的な報告についてと、健康食品の表示についての有識者ヒアリングを今の段階では予定しております。追加が出てまいりましたら、改めて御案内したいと思います。
事務局からは以上です。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)