第35回 食品表示部会 議事録

日時

2014年11月26日(水)9:58~14:10

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
阿久澤部会長、夏目部会長代理、安達委員、池戸委員、池原委員、石川委員、板倉委員、宇理須委員、鬼武委員、春日委員、栗山委員、河野委員、迫委員、立石委員、宮地委員
【説明者】
消費者庁 岡田審議官、竹田食品表示企画課長、越野課長補佐、船田課長補佐、岩城課長補佐、塩澤食品表示調査官
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 「乳等表示基準府令」の一部改正に係る審議について(消食表第166号諮問書)
  3. 食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第265号諮問書:機能性表示食品に係る規定及び別表について)
  4. 食品表示基準(消食表第229号諮問書)に係る審議経過報告書について
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○大貫参事官 それでは、定刻より少し早いですが、御出席予定の皆様がそろっておられますので、開始させていただきます。本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会食品表示部会」第35回会合を開催します。

本日、澁谷委員は所用により御欠席、栗山委員が少しおくれて御出席ということでございます。過半数に達しており、定足数を満たしております。

議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

今、お配りしております資料ですが、配付資料一覧のとおりでございます。

なお、河野委員、鬼武委員、立石委員が御提出の意見書は、追加配付資料1~3になっております。委員提出の資料についても、議論に御活用いただくよう、お願いいたします。

不足の資料がありましたら、事務局にお申し付けください。

本日も多くの傍聴の方にお越しいただいておりますので、御発言の際は、マイクに近づいて御発言いただきますよう、お願いいたします。

それでは、阿久澤部会長に議事進行をお願いいたします。

≪2.「乳等表示基準府令」の一部改正に係る審議について(消食表第166号諮問書)≫

○阿久澤部会長 皆さん、おはようございます。よろしくお願いいたします。

本日は、消費者庁から、岡田審議官、竹田食品表示企画課長に御出席いただいております。

なお、本日の会議は公開で行います。議事録についても、後日、公開することとします。

それでは、本日の議題に入ります。

本日は議題が3件あります。まず前回部会から継続審議となっている、乳等表示基準府令の一部改正について、次に新たに内閣総理大臣より諮問された、機能性表示食品に係る食品表示基準案について、最後は前回答申案を議決いただく際に、作成をお約束した第31回から第34回部会での食品表示基準案に係る審議経過報告書案についてです。

本日は3時間の会議予定で、機能性表示食品の審議に時間をとりたいため、乳等府令の改正で長くて30分、機能性表示食品で2時間、最後の審議経過報告書で30分を予定しています。御協力のほど、よろしくお願いいたします。

それでは、乳等表示基準府令の一部改正についての議論に入りたいと思います。第34回部会で、消費者庁から説明を受け、議論いただいた案件です。前回までの議論では、輸送や家庭などの保存時に菌が増加することにならないかといった、安全性に関する質問が出されています。この安全性に関する考え方などについて、消費者庁から再度御説明をいただくことになりますが、よろしくお願いいたします。

○岩城課長補佐 食品表示企画課の岩城です。よろしくお願いします。

私から乳等表示基準府令の一部改正についてということで、御説明させていただきます。

資料につきましては、資料1-1から資料1-4になります。

本日は最初の部会から時間が経っておりますので、まず最初にナチュラルチーズの規格基準の設定に関する経緯について御説明させていただきまして、その後、先ほど御指摘がありました、輸送や家庭での保存時の安全性に関する考え方について、御説明させていただきたいと思います。

まず経緯についてですけれども、資料につきましては、資料1-3の「乳等表示基準府令の一部改正について」になります。

資料のページでいいますと、3ページ目になります。経緯でございますけれども、リステリア・モノサイトゲネスにつきましては、平成19年7月にコーデックスにおいて、食品中のリステリア・モノサイトゲネスの管理における食品衛生の一般原則の適用に関するガイドラインが採択されまして、その中で、リステリアの基準値が設定されております。

これを受けまして、厚生労働省におきましては、コーデックスの規格基準が設定されたこと、また、日EU規制改革対話におきまして、日本の規制をコーデックス基準に従ったものにするとの要望を受けたこと等がございまして、平成23年2月に開催いたしました、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会におきまして、我が国のリステリアにかかわる規制についての検討が行われました。

食品安全委員会の食品健康影響評価結果を踏まえまして、リステリアの規格基準につきまして、厚生労働省から薬事・食品衛生審議会会長宛てに諮問されまして、先日行われました薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会で基準案の了承が得られております。

規格につきましては、資料の黄色の枠の中に示してありますように、ナチュラルチーズ(ソフト及びセミハードのものに限る)の成分規格といたしまして、リステリアが1グラム当たり100個以下とされております。ただ、除外規定がありまして、ただしというところですけれども、容器包装に入れた後、加熱殺菌したもの、または飲食に供する際に加熱するものにあっては、この限りでないとされております。

4ページ目に移りますけれども、これを踏まえまして、消費者庁といたしましては、厚生労働省が新たに設定いたしました規格基準のもとで、今後、ナチュラルチーズの製品の製造・販売が行われることになるため、この規格基準を手当するための表示といたしまして、今回、新たにナチュラルチーズの表示基準を作成するものであります。

表示基準といたしましては、中段の青枠の中にありますように、ナチュラルチーズ(ソフト及びセミハードのものに限る)であって、容器包装に入れた後、加熱殺菌したもの、または飲食に供する際に加熱を要するものにあっては、加熱殺菌した旨、または加熱を要する旨を今回の表示基準案の見直し案ということで、御提案させていただいております。

具体的な表示内容といたしましては、資料にはございませんけれども、容器包装に入れられた後、加熱殺菌したものにつきましては、加熱した旨といたしまして、種類別の表記であります、ナチュラルチーズの記載の後に併記する形で、加熱殺菌または加熱殺菌済みと記載していただくことを予定しております。

また、飲食に供する際に加熱を要する旨につきましては、種類別のナチュラルチーズの記載の後に併記する形で、加熱用、ピザ用、トースト用、またはグラタン用などの記載をしていただくことを予定しております。

これらの表示方法につきましては、通知及びQ&Aで示していきたいと考えております。

経緯につきましては、以上になります。

続きまして、前回御指摘いただきました、輸送や家庭などでの保存時に菌が増殖することにならないかといった、安全性に関する質問についてですけれども、これにつきましては、資料1-4の裏面の「(3)保存基準」で、関連する記載がありますが、輸送や家庭での保存時のリステリア菌の増殖による発症リスクにつきましては、保存温度及び賞味期限等の保存可能期間の設定が重要となります。

保存温度につきましては、コーデックスのガイドラインにおきまして、食品の製造・輸送等に当たり、6℃を超えない温度管理が重要であるとしております。しかし、リステリアの増殖を抑える方法につきましては、必ずしも温度管理だけではなく、pH、水分活性を下げることや、食品添加物、保存料等の使用等、食品の特性に合わせたさまざまな方法によっても、リステリアの増殖を抑える管理ができるものとされております。したがいまして、pH、水分活性、食品添加物の使用等で、保存温度が6℃と同等にリステリアの増殖を抑えるよう、科学的な根拠に基づいて温度設定をされていれば、必ずしも6℃以下で流通させる必要はないとされております。

また、リステリアの規格基準の100個以下の基準の適用につきましては、販売時とされておりますけれども、リステリアにつきましては、低温でも増殖する菌ですので、販売後の家庭での保存も考慮し、賞味期間内等の保存可能な期間内においても、リステリアが100個以下となるよう、科学的な根拠に基づき、保存温度でありますとか、賞味期限の設定をすることとされております。

これら保存温度及び賞味期限の設定につきましては、厚生労働省において、食品事業者に対しまして、再度、通知で周知することとしております。

また、輸送や家庭等での製品が適切に冷蔵保存されるよう設定されました、保存温度及び賞味期限につきましては、適切に表示されるよう、厚生労働省の通知の中で、こちらについても、再度、周知することとされております。

さらに製造環境対策としての一般衛生管理の管理運営基準の徹底の指導でありますとか、感受性集団、妊婦ですとか、高齢者等に焦点を絞ったリスク管理に対しましては、リステリアに関する注意喚起等について、厚生労働省で、現在もパンフレットを作成したり、また、母子健康手帳への注意喚起等の記載を現在も行っておりまして、今後も行っていくこととしております。

これら全ての対策を総合的に実施することで、厚生労働省が作成いたしました、ナチュラルチーズのリステリアの規格基準で、ナチュラルチーズのリステリアの発症リスクは、低いレベルに抑えることが可能であるということや、喫食時のリステリアの菌数が1万個以下であれば、健常者集団であれば、極めて低いレベルにあるということが言われていることと、また、平成21年度に実施されました、国内の汚染実態調査におきましても、菌数はほとんどが10個未満ということで、我が国の汚染も総じて低かったとの報告もありまして、これらの結果を総合的に判断して、規格基準が設定されておりますので、今般、厚生労働省より設定された規格基準におきましては、リステリアの発症リスクに変化が生じるものではないと考えております。

また、消費者庁といたしましては、食品事業者には、保存温度及び保存可能な期間の設定については、科学的な根拠に基づき設定すること、また、前回、石川委員からも御指摘がありましたけれども、設定した保存温度及び保存可能期間につきましては、適切に表示が行われるよう、Q&Aや通知等で示していきたいと考えております。

以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、委員の皆さんから御意見をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

立石委員、どうぞ。

○立石委員 今、御説明いただいたのですけれども、10月21日に薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会が開かれて、その議事録も見させてもらって、この中で幾つか非常に興味深い指摘があるのです。それを紹介させていただきながら、質問したいと思います。

まず人のリステリアの感染症は、宿主側の要因で症状の重篤度にかなり差が出るというリスクがありますし、妊婦が感染すると、流産や胎児・乳幼児の重篤なリステリア感染症を引き起こすことがあると言われているという説明がされています。

それから、コーデックス基準については、リステリアが増殖するようなレディートゥーイート食品については、不検出ということで、ゼロでないといけないとされている。要はリステリア菌が増殖するようなレディートゥーイート食品は、不検出、ゼロが基本ですと言われているのです。増殖が起きないようなレディートゥーイート食品については、100ということで、基準値が設定されている。ここが問題なのです。増殖が起きないようなレディートゥーイート食品は、100という基準値が設定されているということです。この100の基準値の設定について、今回改定しようとしているわけです。

それから、特に65歳以上の高齢者の割合は、発症している方の77.6%ということで、弱者がこういう問題について非常に敏感だということです。

私が一番思ったのは、渡邉委員が言っていることで、この人は食品安全委員会の座長なのです。座長が言われていることは、リステリアというのは、潜伏期間が結構長いらしいです。1カ月か、2カ月経ってから出てくるケースがあるということで、食材が何であるかというのは、なかなか把握しにくいということです。ですので、そこを食品安全委員会でいろいろ評価するときに、日本のデータは非常に乏しく、なかなか評価は難しいとなりましたと言われているのです。

それから、最後のところで言われているのは、免疫機能が低下している感受性集団に関しては、この集団に焦点を絞ったリスク管理の検討及び効果の検証が、リステリア感染症低減効果に効果的であると記載されています。こういうデータをちゃんと集めて、もう一回評価しないと、感受性に関してはわかりませんというのが、正直なところ、それが食品安全委員会の評価結果ですと書かれているのです。

食品安全委員会でも、いわゆる免疫が低下している感受性集団に対して、非常に危惧を呈している中で、今回、流通上の問題、いわゆる6度以下、もっと言えば、2、3度が望ましい中で、そのことを通知だけでやるというのは、事業者側に完全にリスクを預けてしまうわけです。要はきちっと陰性でないものを、今までは水際できちっと止めていた。これまでは、ゼロでないとだめですというものを、100個まで容認しますということにして、そのことについて担保がとれない中で、食品安全委員会の渡邉座長がこういった危惧を呈している中で、なぜここまで強引に推し進めようとするのか、私はわからないのです。

この分科会には、河野委員も出ておられるようなので、その辺のことを聞かせていただきたいのですけれども、そういった懸念が呈されながらも、この議事録を見る限りは、どうも押し切っている感じなのです。要は通知書などできちっとやりますから、大丈夫です、先生方、心配しないでくださいというのが、このときの分科会の議事録の中身です。そういう面で、渡邉委員が言っておられる懸念に対して、どのように考えられているのか。通知だけで本当にいいのか。私は事業者として、できませんと言っているのです。6度以下の保存というのは、難しいです。ほかの対策を含めて明確に示された中で、温度以外のこういった環境条件をつくっていただかないと、難しいですということが明確にならない限り、今、言ったリスクを止めるのは難しいと思います。いかがでしょうか。

○阿久澤部会長 消費者庁、お願いします。

○岩城課長補佐 先ほど御指摘があった件につきましては、薬事・食品衛生審議会で、そういったことを踏まえて検討されておりまして、安全性に問題はないということで、規格基準ができておりますので、問題ないと考えております。

また、個別にそういうところを指摘していけば、いろいろなリスクはあると思うんですけれども、それらにつきましては、先ほど説明したような、いろいろな対策をとっていけば、リスクは抑えられるということで、この基準については問題ないということで、基準が設定されたと考えております。

○立石委員 今の発言は答えになっていません。免疫機能が低下している感受性集団について、明らかに食品安全委員会として不安を持っておられるわけです。それを押し切るだけの材料はあるのですか。コーデックス基準では、レディートゥーイート食品について、増殖が増える可能性があるものはゼロであることが望ましい、これが国際基準です。増殖が増えることが見込まれる今の流通実態の中で、ゼロであることが望ましいというコーデックス基準を、100個というのは、増殖しないという前提のもとで100個までいいですと言っている。このことを強引に推し進めることについては、国際基準から言ってもおかしいのではないかと、私は言っているわけです。

具体的にどのような対策があるのかということも、いわゆる製品の中のpH、そういった指導まで含めて、ここを厳格に守らない限りはだめですということまで言えば、これは理解できますけれども、事業者の自主的な管理ということでは、そこは全然担保されないわけです。ということは、1カ月、2カ月後に発症するリスクを容認してしまうわけです。これは原因がわかりませんと言っているわけです。この議事録をよく読んでいただきたいと思います。こういった議論の中で、なぜそこまでやるのかがわからないと言っているのです。

○阿久澤部会長 消費者庁、いかがですか。

○越野課長補佐 食品安全委員会の議論を覆す、また、そのようなデータは持ち合わせていないので、お答えすることはできないんですけれども、市場に流通する食品というのは、食品衛生法に基づく規格基準とか、もしくは輸入検疫制度、そういうもので守られているということでございます。その中で、リステリア菌というのは、確かに増殖するということでございますけれども、例えば温度とか、pHとか、水分活性により、コントロールできることも事実でございます。ですから、そのようなことを踏まえて、厚生労働省でしっかり管理をしていくんだということをもって、了とされているんだと考えております。ですから、立石委員の御懸念、事業者にとっては難しいという御懸念もあるかもしれませんけれども、そういう対策をしっかりとることが、行政として大切なのではないかと認識しております。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 法律の読み方がわからないので、教えていただきたいんですけれども、資料1-2のハの部分のところの読み方です。ソフトとかセミハードの場合には、特に容器包装に入れた後に加熱していないものが、これ以外にあるということで、3種類あると読んでよろしいんでしょうか。つまり加熱しなければいけないものと、容器包装に入れた後に加熱したものと、加熱はしないけれども、100以下になっているものという3種類があって、3種類のうちの1種類は何も表示がないと読んでよろしいんでしょうか。それがよくわかりませんでした。

○阿久澤部会長 お願いいたします。

○岩城課長補佐 今、おっしゃったとおりでございまして、規格基準が当てられるもの、そのまま食べるものについては、100個以下という基準が当てられます。それにつきましては、表示はされないことになります。

○阿久澤部会長 そのほかにございますか。

○板倉委員 幾つかあります。

先ほど加熱しなければいけないものについては、加熱用とか、ピザ用という表現をするとおっしゃったんですけれども、消費者の方は、おいしいから加熱して食べるという認識でチーズをとられている方が結構いらっしゃるようで、身近で聞いても、インターネットなどで検索していても、知らずにそのまま火を通さないで食べたみたいな苦情があったり、それに対してのQ&Aがサイトなどで説明されたりということがあります。ですから、加熱用ということだけで、消費者の方がきちっと加熱するかどうかということについては、少し考えていただいたほうがいいのではないかと思いました。

もう一点、水牛のチーズは、乳等府令のチーズには入らないと聞いておりますが、それについては、どういう扱いになるのかを教えていただければありがたいです。

○阿久澤部会長 お願いします。

○岩城課長補佐 水牛の乳につきましては、乳等省令の範囲に入っておりませんので、水牛の乳でつくったチーズは、対象外となります。ただ、現在、乳等省令の対象にはなっておりませんけれども、輸入品につきましては、過去の違反事例を勘案しまして、一部命令検査の対象になっておりまして、リステリアの検査は実施されているということでございます。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○板倉委員 そうだとすると、100以下という基準で流通するということですか。ゼロなのか、100なのかというのがよくわからないので、教えていただけるとありがたいです。

○阿久澤部会長 お願いします。

○岩城課長補佐 今回は対象になりませんので、規格基準は該当しないことになります。

○板倉委員 そうすると、検出されたらアウトということですか。

○岩城課長補佐 規格基準がありませんので、基準がないということで、検出されたら、直ちにアウトということにはならないと思います。

○板倉委員 具体的にはどうなるということですか。それだけ教えていただけるとありがたいです。

○岩城課長補佐 扱いといたしましては、容器包装に入れられた加熱したチーズとか、あとは、飲食の際に加熱を要するもののチーズと同じ扱いになるということでございます。

○板倉委員 チーズではないけれども、同じ扱いなんですね。

○阿久澤部会長 同じ扱いにするということです。

どうぞ。

○河野委員 私は、今、立石委員もおっしゃいましたけれども、資料1-4にあります、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会において、食品中のリステリア・モノサイトゲネスの取り扱いについての審議の場におりました。

資料1-4にまとめられています、評価、対応方針、さらには成分規格、保存基準、その他の措置も含めまして、部会においての審議、親部会である食品衛生分科会においても、この内容は審議の末、了承されましたので、私はこの内容で十分対処できると思っております。

問題はハザードをどう評価して、それを管理措置によって、どれだけそこから想定できるリスクを小さくしていくかということが、この国の食品安全の一番重要な部分だと思っております。リスクを限りなくゼロにするというのが理想的ですけれども、私自身も自覚しておりますし、ここにいる皆さんもわかっていらっしゃると思いますが、ゼロリスクというのは、そもそもあり得ません。当然のことながら、それを生産者、製造者、さらには流通事業者、最終的な受け取り手である私たち消費者それぞれが、リスクの大きさをしっかりと勘案して、できることを努力する。そして、食品が持つ安全性に関する危害を最小限にすることが重要なんだと思っております。

さまざまな懸念点はございます。私も審議の際、資料1-4の2ページ目の「(4)その他の措置」のところが、本当にしっかりとできていくのか。特に消費者、感受性集団に対して、どれだけリステリア・モノサイトゲネス、リステリア症という情報を伝えられるかということで、厚労省さんにはしっかりやってほしいということをお願いしたんですけれども、厚労省さんのみならず、全ての管理措置を担当してくださっている省庁さん、出先機関等がしっかり協力して、情報提供をしていただきたいと思っています。

私自身は、この評価に関しましては、了解しております。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○立石委員 先ほど言ったように、今まで入ってこなかったものを緩和するということですから、そのリスクも含めて言えば、きちっとした管理ができる前提のもとでと言うなら、わかるのです。今回の緩和は、消費者にとって不利益なことです。河野委員はそういうふうに言われていますけれども、消費者にとって、こういうことは不利益になるわけです。簡単に言えば、いわゆる弱者、感受性の高い集団にとってリスクが高まることを、容認してしまうのです。それについての具体的な方策というのは、示されていない。掲げたものは、具体性に欠ける通知文で、いわゆるpH値だとか、そういった形で指導をすると言っても、どういった指導がなされるか、通知がされるかという、具体的なものは何も示されていないのです。その中で、こういうことを簡単に認めてしまうというのは、消費者の利益を損なうことです。

発症している方のうち、高齢者の方の割合が77%です。歳を取っていくと、冷蔵庫について、そこまで目が回らない、気が回らない中で、かなりの期間、冷蔵庫に置いていたということであれば、当然のごとく、増殖していくわけです。そういったリスクを考えたときに、今までゼロであったことをなぜ緩和するのか。

コーデックス基準も、増殖が起きないものは100という基準が設定されているけれども、増殖が起きる可能性があるものはゼロだと言っているわけです。国際基準からいっても、それはおかしいわけです。それをあえて消費者目線から言って、今、河野委員は、はっきりと大丈夫ですと言い切る、そこの根拠がよくわかりません。

当然ゼロリスクなんかありません。どんなものでもリスクはあります。だけれども、今まで守ってきたものを緩和するということについては、こだわっていかないといけないと思います。なぜかというと、これは外圧によって決まっているからではないかと思っているから、言っているわけです。外圧というのは、海外から来ている乳製品が水際でもってリステリア菌が検出されて、ゼロ、陰性でなければならないのに、陽性になった途端に全部はねられることについて、当然のこどく、抗議が来ているかもしれません。これは仮定です。そういった理由で、もしこのことを緩和するのだったら、我が国の食品安全に対して、姿勢がかなり緩いのではないかと思います。そこはもう一回考えていただきたいと思います。

○阿久澤部会長 迫委員、どうぞ。

○迫委員 今回の基準の見直しについてですけれども、一番は製造から流通、消費、その中で、特に消費の部分での懸念というのが、今、立石委員も言われたところだろうと思っております。流通段階までは、いろんな調査の結果を見ても、かなりいい管理がされているのではないか。そうすると、家庭に入ってからどのようにそれを管理し、消費していくのか、そこの部分をきちっと教育するような体制、それが先ほどの分科会の資料、資料1-4の中のその他のところに記載されていることです。特に弱者に対する配慮ということも、きちっと記載されているわけであります。そういうところでは、消費者庁としてだけではなく、厚労省、食品安全委員会、農水省等々とも連携した上で、的確につくり上げていっていただくことが、総合的な対策の重要性が求められるのではないか。

もう一点、今回の議論は、表示をどうするかというのが、この委員会のマターでございます。先ほどの安全性をどうするのか、そういうものは、既にほかの委員会できちっと議論がされた上で、諮問という形できているものです。それはここの委員会で言うべきことではなくて、それぞれの分科会等々で、食品安全委員会であったり、乳肉水産食品部会等々での議論の中で、本来されるべきことであります。そこでの議論、ほかの委員会が議論した成果を認めないということであれば、組織は成り立たない、全ての組織的な議論は成り立たないということになるだろうと思われます。機能分担を図った上で、それぞれが出してきた結論を尊重しつつ、この委員会では、表示をどういうふうにしていくのかということを、議論していく場だと思っております。

以上です。

○阿久澤部会長 立石委員、どうぞ。

○立石委員 迫委員の言うことはもっともな話なのですけれども、私がここで問題提起したいのは、これは消費者委員会に上げていただきたいということなのです。消費者委員会というのは、消費者の利益にかなうものかどうかということを、委員会として、きちっと建議をすべきだと思います。食品安全委員会に対して、リスクについて、もう一度やったほうがいいのではないかとか、そういう建議をして、この問題について取り上げるべきです。

私はこの件について、表示の問題だとは思っていません。流通上の問題が全部クリアされるというのは、とんでもない話です。去年、宅配業者がずさんな管理で、大問題になったことを覚えていませんか。あれは冷凍品を何分間も外気にさらしていたわけです。そういったことで、大問題になりました。流通上の問題というのは、我々は流通事業者ですから、必ずしも完璧にできるとは思っていません。ということは、増殖する可能性があるということを言っているのです。そこを全部担保されたなんて、誰が言えるのですか。私は、実際、事業者として、自信を持てないと言っているわけです。事業者の立場で言っているわけです。

この前のパブリックコメントの中でも、事業者の方から出ていましたが、そういった実態を踏まえた中でいくと、増殖する可能性があるということを見た中で、このことは非常にリスクが高い、消費者の利益にかなわないということを、部会長に消費者委員会に上げてもらって、議論していただきたいのです。この問題をこのまま通していいのですかということを、よく考えていただいて、そういう面で、ここで問題提起をしています。表示のことだから、これ以上は言いませんけれども、問題としては大きいと思います。

○阿久澤部会長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 これは前回からの説明で、同じようにリスク管理措置として、まず薬食審で答申が出され、それを受けて、今の資料1-4でいきますと「(4)その他の措置」のところが、いわゆる消費者庁及び消費者委員会の食品表示部会で検討するべき事項だろうと思っています。

先ほど事務局の方からるる説明があったのですけれども、食品表示部会の所掌業務としては、最終的に規格基準なり、温度管理については、同じリスク管理機関である厚生労働省と連携してやるということで、例えばですが、先ほど説明されていました期限表示について、きちんと科学的な根拠を持って期限の設定をやるのであれば、そのガイドラインが必要です。以前、期限表示については、公開の場で期限表示に関する意見交換会をやったと思いますから、それらの点を再徹底されたほうがいいと思います。

あと、消費者庁に1つお尋ねしたいのは、先ほどの特定の感受性集団のリスクについて、注意喚起をするということが、ここに書かれてありますが、この委員会の中では、こういう表示が必要なのかどうかについて、議論すべきではないかと思いまして、そこの点について、お尋ねしたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 消費者庁、どうぞ。

○岩城課長補佐 注意喚起といいますか、表示につきましては、今回、リステリアの規格基準の対象外になります、容器包装に入れられて加熱されたものでありますとか、飲食の際に加熱を要するものにつきましては、この表示がどういうものかということを、消費者に対して理解していただけるように、通知、Q&A、ホームページ等で掲載して、周知していきたいと考えております。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○板倉委員 消費者の方に教育をしてわかってもらうということではなくて、表示を見たときに、そのままで、やらなければいけないことがわかるような表示を考えるべきではないかと思っております。

例えば言葉にしても、加熱用ではなくて、必ず加熱してお召し上がりくださいとか、加熱しないと危険なものは消費期限にするとか、保存温度にしても、実際のところ、消費者の方は、温度までは詳しく見ないというのが、教えているときに感じることではありますけれども、例えば6℃とか、2~4℃とか、保存温度をきちんと徹底していただくとか、そういうことも含めて、表示の面でより安全性を高めるようなやり方を考えていくべきではないかと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○栗山委員 まさに教育してというのは、教育される割合とか、それを受け取る割合というのは、著しく少ないと思います。せっかくここで議論するのであれば、どう表示すれば、ハイリスクの方々にも安全に食べていただけるかという観点から、御検討いただきたいと思います。板倉委員のおっしゃったことに、全く賛同です。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○立石委員 表示といっても、加熱用であるものは、それでいいかもしれませんけれども、レディートゥーイートというのは、そのまま食べる食品なのです。そのまま食べるものについては、加熱用と書かなくてもいいわけだから、加熱用と書かれていなくて、食べられるというのは、増殖しないという前提があって、初めて成り立つわけです。

ところが、一般消費者の守るべきすべは、冷蔵庫に入れるしかないわけです。冷蔵庫の温度というのは、5度とはいっても、御存じのとおり、開けたり閉めたり、これはわかりません。そうすると、10度であるとか、場合によっては、そういったこともあるでしょう。そういったことを想定したときに、表示で守れるのかということです。これは必ず5度以下、2~3度が望ましいです、できればチルドですといったことがあっても、そういった温度帯の冷蔵庫なんか誰も持っていないわけだから、そのことは本当に表示で守れるのですかということを言いたいのです。

○阿久澤部会長 それは板倉委員に対する質問ということですか。そうではないですか。

○立石委員 一般論としてです。

○阿久澤部会長 わかりました。

石川委員、どうぞ。

○石川委員 立石さんがおっしゃっているように、規格基準を含めて、食品の内容の規制に関して、いろいろ評価すべきところはあると思います。問題点はあるとして、それはそれで、消費者委員会として建議という形で、また議論を設けるとか、検討するきっかけとして、きょうの話は必要だと思います。ただ、皆さんがおっしゃっているように、表示に関する部会ということであれば、内容規制について、それなりに評価した上で、評価というのは、マイナスの部分も含めてですけれども、その上で表示をどうすべきかについて、フォーカスして議論したらいいんだろうと思います。

きょうの資料1-4の「(4)その他の措置」の最後の注意喚起の方法について、表示基準の場合、ユッケの警告表示みたいな形で、義務表示の中でも警告表示というパターンでお知らせするという方法を、もうちょっと検討してはどうかと思います。注意喚起で、先ほど消費者庁がおっしゃっていたように、ホームページでの掲載というのは、ユッケの生食については、危険ですということは、10年以上前からホームページにずっと載っていました。それは消費者も見ていないし、事業者も見ていない。だから、ホームページ掲載は、消費者側からすると、見にいけばわかりますけれども、ほとんど見にいかないので、その公表の方法というのは、伝わらないということで、食品関係の行政の方も非常に悩んでいるところなので、伝わらないんです。やはり一番伝わるのは容器包装、あるいはポップという形です。だから、その辺りで工夫をすべきだろうと思っていまして、ただ、具体的にこうすべきだという提案は、今、持っていません。だから、そちらの方向に向けて議論すべきだろうと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

○迫委員 先ほど説明の中で、加熱を要する旨の具体的な示し方として、ピザ用であるとか、グラタン用であるというように、調理を伴う形の表現で検討されているということを伺ったのですが、明確に加熱を要するという言葉を入れることのほうが、よりわかりやすいのではないかと思っております。余り加工してしまわないで、厳密にそのとおりに書いてもらうことが、消費者には一番伝わりやすいと思いましたので、改正案そのものに対してというよりも、それをどう展開していくかというところでは、そういうふうに思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

今のような御指摘に対して、よろしいでしょうか。何かコメントはございますか。

○岩城課長補佐 表示につきましては、先ほどの御意見を参考に、また検討させていただきたいと思います。

○阿久澤部会長 お願いいたします。

○板倉委員 追加というか、先ほどの発言に足して御説明させていただきたいんですけれども、サイトなどで見ますと、まずチーズというのは、非常に日持ちがよくて、昔はプロセスチーズが中心でしたから、いざというとき用に、常温で持って行くということがありましたし、今だと、ナチュラルチーズについては、発酵食品であるので、温度として、低い温度というよりは、せいぜい野菜室で保存するということが、宣伝されているんです。そういうことを考えますと、きちっとした温度のこととか、消費期限にするのか、賞味期限にするのかということも含めてですけれども、それぞれ企業の方が責任を負えるような形で考えていただくということを、ぜひお願いしたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

それでは、よろしいでしょうか。

ただいま多くの御意見をいただきまして、弱者に対する保障ができていないのではないかという懸念を初めとして、それに対しましては、消費者庁から諸対策により、そのリスクは低減される、また対応方針を立ててやっていくという御回答だったかと思います。また、今後、消費者へのリスク低減にかかわるところの注意喚起、その工夫をさらにする必要があるだろうという御意見、そして、それらについては、これを機に消費者委員会に報告してほしいという旨の意見も多くあったように思います。

今回ここでいただいた意見につきましては、消費者委員会委員長に報告させていただきたいと思います。

そんな中、表示については、今回の諮問案について、了承いただけるように感じているんですけれども、いかがでしょうか。了承ということで、よろしいでしょうか。

○立石委員 私は反対です。反対を表明しておきます。

○阿久澤部会長 反対を表明する方がいらっしゃいます。

○立石委員 消費者委員会に上げていただいて、議論していただきたいという旨でお願いしたいのです。これは食品表示部会の範疇ではなく、プロセスについて、本当に消費者の利益にかなっているかどうか。今、言ったように、リスクを見たときに、感受性の高い方々にとって、このことがプラスかどうか、マイナスかどうかということを、よく消費者委員会で議論していただいた上で、結論を出していただきたいと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○板倉委員 了承という内容がよくわからないんです。結局Q&Aがどうなるのかということについても、私たちは具体的に発言しましたけれども、それについて、採用されるかどうかも、今の場ではわからないわけです。それで、了承でいいですかと言われても、イエスもノーも答えられないところがあると思います。

○阿久澤部会長 これについては、消費者庁としては、この意見をくんで、消費者に不利にならないように、鋭意努力していくという御回答だったと思います。

どうぞ。

○栗山委員 そういう御回答を伺いましたが、分科会から回ってきた懸念、表示の部分できちんとそれを担保していくという、そういうものが、今、そうなるかということがわかれば、賛成しますけれども、どういう形になるのかがわからない段階では、要するに白紙委任みたいな感じです。消費者庁がやると言っているので、それを信頼して手を挙げてくださいみたいなことというのは、ちょっと早いような気がするんです。その中身がどうなのか、どう表示されるか、幾つかの案が出ましたが、それがどうなるかによっては、大きく反対するものではないのですが、そこが担保されてから手を挙げたいと思います。

○阿久澤部会長 ということは、今回の諮問案に対して、現段階では、不適当だろうということですか。

○栗山委員 そこまでは申し上げませんがということです。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○迫委員 今回の諮問は、資料1-2の赤いライン、改正案のここの文言について了承するか否かという問題です。これが了承された段階で、次の段階として、いろいろな通知であるとか、ガイドラインがつくられる。そのときに、先ほどの意見を尊重していただくというつくりになろうかと思いますので、私はここに記載してあるように「加熱殺菌した旨又は加熱を要する旨」と明確に書いていくことについては、賛成するところでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

現段階で適当ではないとされるということであれば、これをどのように修正したらいいかということが、必要になってくるかと思いますが、栗山委員、その辺はいかがでしょうか。

○栗山委員 これがどういう形で反映されるというところまでは、議論しないということですね。ここに書いてあるものだけですね。

○阿久澤部会長 危惧される御意見、御指摘は、今、かなりあったわけですので、そのことについては、消費者庁も受け止めていただいていると思いますので、その辺はガイドラインあるいは通知等の中にも盛り込んでいかれる、考えるということになろうかと思います。

○栗山委員 それを言い続けることは、多分適切ではないと思いますので、消費者庁というよりは、上の委員会で実現できる形を担保していただけるということを前提にしたいんですが、前提条件をつけてはいけないんですね。

○阿久澤部会長 それが担保できるかどうかは、私ではお答えできません。

今、ここで御議論があった内容を踏まえて、諮問の赤字のところを御納得いただけるか、いただけないかということになると思います。

どうぞ。

○石川委員 話を整理させてもらいたいんですけれども、加熱殺菌をしたものとか、加熱殺菌を要するものについて、表示をすること自体は、別に異論はないんだろうと思います。それ以外に、警告表示とか、注意喚起とか、プラスαの表示も情報提供の形で出すべきだという追加の意見も、ある程度了承されるのではないかと思います。

もう一つは、全く加熱をしない場合、何も表示がないというところのリスクを、どうやってカバーするのかについては、今のところ、何も提案がないということです。その点について、立石さんが疑問を呈されている、そういうことでいいんですか。

○阿久澤部会長 そうです。

○立石委員 そうです。そのとおりです。

○石川委員 そうであれば、その辺りの表示義務が課されていない部分について、表示としてのリスク管理をどうすべきかについては、まだ議論できていないんだろうと思うので、そこは課題だと思います。三のハの部分については、よしとして、それだけでは十分でないという意見を食品表示部会としては出すべきなのではないでしょうか。

○阿久澤部会長 そうしますと、この部会としては、ある意味、諮問の字面に対しては、これでいいが、できる範囲で、消費者の不利にならないような注意喚起等を精査し、商品に表示する旨を意見としてつけるという内容になるということで、よろしいでしょうか。

どうぞ。

○夏目部会長代理 今、部会長がおっしゃいましたけれども、規格基準に対する諮問については、一部反対という御意見もございましたが、大多数の方は、原案が適当であるとした上で、なおかつ、それぞれ、今、御提示いただいたような意見があるので、それをつけるという形で、まとめるということでしょうか。もう一度、確認でございます。

○阿久澤部会長 そういう形でよいかということです。

どうぞ。

○立石委員 石川委員も言われたとおり、レディートゥーイートということで、加熱しないことについて、今まで陰性であったものが、陽性、リステリア菌は100個までOK、今、そういう条件整理に変わったわけです。増殖をしないという前提です。ところが、増殖するということが明らかにわかる中で、そういったリスクが増える中で、どんな表示をすればいいんですかということなのです。今までゼロだったもの、陰性だったものを、100個までいいということです。

御存じのとおり、菌は温度管理を誤れば増えていくわけですから、リスクが高まったときに、そのことを消費者にどのように知らせていくのかということです。通知でもって、流通上の管理をしますと言ったけれども、実際に購入する際に見るのは表示だけなのです。表示でもって、どのように危ないですということを言うのか。1カ月、2カ月してみないと、リステリア菌というのは、わかりません。発症というのは、そんなものです。何が原因かわからない中で、調子が悪くなったら、これはリステリア菌ですということを、食品安全委員会の座長が言われているわけです。1カ月も2カ月も経ってみないとわからない、原因もわからない、そういうリスクがあるかもしれませんということも覚悟の上で食べてくださいとか、そんなことまで書くのかです。そういうことまでして、このことをするのか。だからこそ、消費者委員会で議論してもらいたいと思っています。

○阿久澤部会長 そうすると、これを認めた上で、さらにリスクゼロに近づける表示について、検討するということで、ある意味、約束が必要になるわけです。

○立石委員 私が一番知りたいのは、条件、通知文はどのようなものなのかということです。行政指導がどの程度なのかということがわからないのです。判断材料がないのです。今、言っているように、リスクを軽減できるという担保が見えない中で、やりますというお言葉だけ、掛け声だけの話であれば、信頼性がないわけです。それでこのことを認めてしまったら、後で取り返しのつかないことになってしまうかもしれないということです。

○阿久澤部会長 そういう意味では、立石委員の反対というのは、わかりやすいです。

認めて、担保できるような方策をとる必要があるんだろうけれども、確証がここでは得られないわけですので、今回これは賛成できない。そのような御意見を持っている方は、賛成できない。整備できるまで賛成しないということで、よろしいのではないかと思います。

どうぞ。

○宮地委員 消費者庁が挙げていらっしゃいました答申案については、資料1-4「(3)保存基準」を示している中で、明確にこれが担保できるわけでして「保存可能期間内は」という書き方をしているわけですから、基準をどういうふうに生産者あるいは製造者がつくるのかということで、ここは担保しようとしていると思っています。ですから、消費者庁の提案されたものについては、何も問題ないと思っています。

ただ「(4)その他の措置」の一番最後に書いてあります「注意喚起を行うこととする」ということについて、具体的な提案がないので、そのことについて、それぞれの皆さんが意見を申しているという話なので、それをどうするかということだけをお聞きすれば、答申案については、そのまま出してもいいのではないかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

消費者庁としては、いかがでしょうか。こちらから出されている注意喚起等を含めて、御意見等、どの程度組み入れていただけるのかということを、お聞きしたいと思います。

○岩城課長補佐 私どもといたしましては、チーズに対して、今回、新たに表示が加わることによって、その表示がどういう意味を成しているのかということと、また、その商品はどういう規格基準があって、どういうリスクがあるのかということを、Q&Aとか、通知で周知していきたいと考えております。

○阿久澤部会長 それと、注意喚起にかかわる表示等についても、指導していくという方針をとっていただけるのかどうかです。

○竹田食品表示企画課長 この場で示されたいろんな御懸念、御意見等につきましては、私どもで引き取りまして、よく検討させていただいて、何らかの形にしたいと考えております。

○阿久澤部会長 課長からそういう御回答があったわけですが、その辺をくんで、諮問案はこれでよろしいということで、よろしいですか。

どうぞ。

○宇理須委員 つまり現時点においては、まだ注意喚起の具体的な内容は決まっていないと理解していいわけですね。

○竹田食品表示企画課長 おっしゃるとおりでございます。

○宇理須委員 そうすると、基準案というのは、注意喚起がここに入らないと、承認できないことなのか、現時点では承認して、消費者庁のものが後から出てきて、この基準に入らないにしても、それをまた検討する機会はあるんですか。

○竹田食品表示企画課長 基本的にはいただいた御意見を踏まえて、私どもで内容を精査いたしまして、結論を得たいと思っていますので、そこのところは、お任せいただければと思っております。

○阿久澤部会長 栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 お任せというのは、そちらでお決めになったことを提示して議論する場はなくて、お任せすることを信用していくという意味ですか。

○竹田食品表示企画課長 具体的な制度の運用にかかわる部分でございますので、私どものマターとして、きちんと対応したいということでございます。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○栗山委員 私はいつまで経っても、そういうことに慣れなくて申しわけないのですが、委員会としてのマターと責任省庁としてのマターの区別が、今回のようなときには、特につきにくくて、ここで出た意見を食品表示企画課さんで検討して、それは食品表示企画課さんの責任でやってくださるということは、ここの意見が反映されると考えてよろしいんでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 繰り返しになりますけれども、いろんな御意見を表明されたところでございますので、そういったものを踏まえて、受け止めて、私どもで検討して、結論を得たいということでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

どうぞ。

○迫委員 いろいろな意見が出されていることにつきましては、今まで行われた委員会の中でも当然出されているような内容の繰り返しもあろうかと思っております。そういう意味で、今日出された意見をまず精査をしていただくということは、非常に重要なことだと思っております。その上で、消費者の方々に適切に情報が伝わるような仕組みというものを、省庁としてきちっとつくっていただく。そこは責任を持っていただくということで、お願いをしたいと思っております。

内閣府令の基準のところでございますけれども、ここが確定しない限り、当然先の作業には進めないということになろうかと思いますので、私はここの内容で確認・承認した上で、次の作業に早く取り組んでいただきたいと思います。消費者の方々に適切に食品を摂取していただくためには、非常に重要なことだろうと思っております。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

どうぞ。

○板倉委員 今までもそうだったんですけれども、発言をしても、取捨選択されて、結局、捨てられてしまうということは、たびたび経験してきております。例えばガイドラインをこれからつくるということは、次の議論にもかかわってくるかもしれませんけれども、それがわからないのにここで承認してくれと言われても、それを承認していいかどうか、自分の責任がどこまでなのかということが、実際のところわからないということになります。

○阿久澤部会長 それでは、本件については、よろしいですね。

諮問案を了承するということで、よろしいでしょうか。

○立石委員 了承してしまうんですか。

レディートゥーイート食品について、今、言ったリスクに対しての担保が全く見えない中で、これは消費者にとって不利益だと思います。そのことを消費者委員会食品表示部会はOKですと言うということですが、そのことは、消費者委員会で1度諮っていただきたいと思います。このことについても、本当にこのままでいいのですかということを、ぜひ考えていただきたいと思います。何度も繰り返して、申しわけありません。

○阿久澤部会長 その旨を委員長に伝えておきます。

それでは、了承したということで、よろしいですね。

了承した旨、また、今、いろいろと御意見を伺いましたことを、委員長に報告いたします。委員長には諮問案のとおりとすることが適当ということを報告して、その議決に同意をいただくことといたします。

事務局から委員長の同意が得られた後に、発出する答申書案を配付していただければと思います。

○立石委員 部会長、今のお話だと、消費者委員会で議論もしないということですか。委員長の了解を得てということになると、これからも含めて、ここでやる意味はないと思います。

○阿久澤部会長 ここでの議論は、きちんと伝えます。

○立石委員 消費者委員会の意見を聞くというのは、法律で決められた中身です。消費者委員会の意見を聞く中で、今回の問題もあるわけだし、消費者委員会というのは、もっと幅広い視点から、消費者の目線に立って、今回のこういった基準の見直しが適切かどうかという判断をすべき委員会だと思いますから、そこはもう一度やっていただきたいと思います。その上で、消費者委員会に、これは問題がありません、弱者に対しても影響はありませんと言っていただいたら、それはいいです。消費者委員会でそういう結論を出されるなら、異存はありませんけれども、私は非常に問題があると思っています。

○阿久澤部会長 前回もそうですけれども、諮問は数行のことで、内容がわからないと言われております。今回の件についても、まさにそういうことだと思いますので、ここでの御議論の様子は、委員長にきちんと報告しておきます。

それでは、お願いいたします。

(事務局答申案配付)

○阿久澤部会長 それでは、次の議題に進みます。

○板倉委員 質問ですが、発酵乳の話も、もうこれで通ったということですか。通っているということですか。

○阿久澤部会長 そうですね。それは前回していますので。

○板倉委員 それに加えて、お願いしたいのですけれども、低温発酵で殺菌されているヨーグルトとかも出てくるわけですね。それで、「殺菌」というときに、乳酸菌がいないということが本当にわかるかどうか。要するに、今、消費者の方、非常に生菌にこだわる方が多くおなかに届くとか、届かないとか、そこら辺が議論になっているところに、「殺菌」という言葉でどういうイメージをお持ちになるかについては、実際に乳酸菌がいないのだということがどの程度わかるのかと懸念を持っておりまして、それについては御検討いただけるとありがたいと思いますので、追加の意見としてここで述べさせていただきます。

○阿久澤部会長 意見として承ります。

≪3.食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第265号諮問書:機能性表示食品に係る規定及び別表について)≫

○阿久澤部会長 それでは、次の議事に進みます。

「機能性表示食品に係る食品表示基準案について」ということです。平成26年10月31日に内閣総理大臣より諮問を受けた「機能性表示食品に係る食品表示基準案」の議論に入ります。

本件は、新たに制度を設けるものであり、当部会とは別の場で審議されている特定保健用食品との関係についても確認する必要があることから、消費者委員会本会議で答申の検討を行うことになりました。よって、本件については、当部会では議決を行わず、本会議に対して部会の意見を報告するという形をとります。

消費者委員会内での議論状況としましては、11月4日の本会議で、制度全般に関し議論がされました。その結果、制度設計についてはおおむね理解できるとの結論に至ったことから、委員長より、本件に係る食品表示基準案について当部会で審議し、諮問されている基準案が適当であるか否かを確認するよう、指示を受けました。当部会の議論を踏まえ、再度、本会議で答申について議論する予定となっております。

本日は、消費者庁から、制度全般についてと基準案の内容について説明を受けた後、主に基準案が適当であるか否かについての御意見を伺います。制度に関する御質問・御意見がある場合は、あわせて御発言ください。

本日出された意見については、本会議に報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。

では、消費者庁から御説明をお願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 消費者庁食品表示企画課の塩澤でございます。

今、お話にございましたけれども、本日は、今回、資料2としてございます機能性表示食品の食品表示基準(案)について主に御議論賜りたく思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、まず、今回の制度の概要からお話を差し上げたく思います。資料の順序が逆転して恐縮でございますけれども、私から、まず参考資料2-1から御説明をさせていただきます。こちらは「食品の新たな機能性表示制度の概要」というタイトルの資料でございますけれども、まず、この制度はどういう背景で検討することになったのかという前段の部分から御説明をさせていただきます。お手元の資料11ページをお開きいただけますでしょうか。

こちらの資料は、「規制改革実施計画及び日本再興戦略」についてでございます。既に御存じの方が多くいらっしゃると思いますけれども、今回の制度につきましては、平成25年6月14日に閣議決定されました規制改革実施計画並びに日本再興戦略で示されたものでございます。

事項名はそちらに挙げているとおりでございまして、いわゆる健康食品を初めとする保健機能を有する成分を含む加工食品及び農林水産物、いわゆる生鮮品も含めた機能性表示の容認ということでございます。

次に、規制改革の内容というところがございますけれども、重要な部分に下線を引いてございます。特に重要な点が中段からでございますけれども、今回、この機能性について、国ではなく、企業等がみずからその科学的根拠を評価した上で、その旨及び機能を表示できるアメリカのダイエタリーサプリメントの表示制度を参考にすること。また、企業等の責任において科学的根拠のもとに機能性を表示できること。それから、先ほども簡単に触れましたけれども、今回は生鮮品も含めて食品全般が対象になるということが閣議決定として示されてございます。こちらの制度の検討時期は、昨年度から開始ということで、今年度中、つまり今度の3月末日までに制度をつくらなくてはならないことも示されてございます。

なお、こちらの検討に当たっては、消費者庁、厚生労働省、それから、農林水産省、この3省庁で検討せよということもあわせて示されてございます。

以上とほぼ同様の内容が日本再興戦略でも示されてございます。

続きまして、12ページをお開きいただけますでしょうか。今回の検討、この制度については、成長戦略の中でも非常に重要な位置づけとされておりまして、昨年の6月5日にも安倍総理みずからが今回の制度をやりますということを発言されている、その抜粋でございます。

続きまして、13ページ目をごらんいただけますでしょうか。こちらの資料は「現行の食品の機能性表示制度」でございます。私たちの口に入るものとしては、医薬品、食品がございますけれども、今回対象となるのは食品でございます。現行、機能性表示ができるのは、この赤丸で囲ってございます栄養機能食品、そして特定保健用食品、この2つのカテゴリーのみでございます。ですので、これ以外の食品については、機能性をうたうことが認められておりません。今、お手元の資料の真ん中に青い囲みになってございますが、この食品あたりが新たな機能性表示制度の範囲ということで、今後、企業等の責任で機能性表示が可能になるかもしれないというイメージでございます。

それから、14ページ目をごらんいただけますでしょうか。こちらが検討の背景を簡単に1枚にまとめたものでございます。現状の機能性表示制度は1枚前のスライドでお示ししたとおりでございますが、こういった現状に対して、課題がかねてから指摘されてございました。

具体的に申し上げますと、まず1つ目、栄養機能食品でございますが、こちらは対象成分が栄養成分に限定されているといった御指摘でございます。

また、特定保健用食品、いわゆるトクホにつきましては、食品ごとに有効性、それから、安全性に係るヒト試験が必須となっておりますので、許可手続に時間、それから、費用がかかるといった御指摘、そして中小企業の方々にとっては、特にハードルが高くて、なかなか参加できないという御指摘がございました。

このようなことに対して、規制改革会議で今回の件について議論がなされました。その背景でございますけれども、「病気や介護を予防し、健康を維持して長生きしたい」という国民のニーズがあるという点。また、世界に先駆けて「健康長寿社会」を実現していくべきではないかといった観点から、先ほどお示ししたような新たな制度を検討するようにと命じられたものでございます。

その下の図でございますが、今まで機能性表示ができなかった一般食品につきましても、今後、一定の要件を満たせば機能性表示ができるというイメージでございます。

次に、15ページ目をごらんいただけますでしょうか。今、お示ししたように、3省庁に対して新たな制度を検討せよということが閣議決定で示されたわけでございますが、今回の制度は非常に多角的な観点から、細部にわたり検討を要するものでございました。したがいまして、1つ1つ、その問題点を解決していくために、私ども消費者庁において、昨年の12月からことしの7月の半ばにかけまして、全8回にわたり専門の検討会を行ってまいりました。こちらは報告書という形で取りまとめがなされておりまして、それが示されたのが今年の7月30日でございます。

次に、16ページ目でございますけれども、今回の検討に当たりまして、基本的な考え方を図にしてございます。まず、何といっても安全性の確保が必要であろうという点。また、機能性表示を行うに当たって、どのような科学的根拠を設定すべきかという点。また、適正な表示をいかにつくっていき、消費者への情報提供を適切に行っていくかという点。この3つを含めまして、真ん中に示してございます消費者の誤認を招かない、自主的かつ合理的な商品選択に資する表示制度をつくっていこうといった観点のもと、議論をしていただいたものでございます。

それでは、こちらの資料の初めのほうに戻っていただきまして、2ページ目をごらんいただけますでしょうか。こちらが検討会の報告書に取りまとめられました今回の制度の概要でございますけれども、どういう科学的根拠を用意していただいて、どういうプロセスでこの表示ができるようになるかという図でございます。ただ、1つ1つについては、次の3ページ目から述べさせていただいておりますので、3ページ目をお開きいただけますでしょうか。

初めに、安全性の確保についてでございます。こちらは、主な項目として4つほど挙げてございます。

1つ目でございますけれども、「対象となる食品及び成分の考え方並びに摂取量の在り方」というものでございます。今回の食品につきましては、まず、食経験というものを企業等の方々に御評価いただくというものでございます。例えば、アメリカの制度におきましても、まずは食経験を評価しましょうというのが掲げられてございます。こういったことも踏まえまして、私どもとしても、まず食経験というもので安全性について御評価いただくことを考えた次第でございます。

なお、この食経験については、例えば、何年あれば食経験として十分ですとか、あるいは何ケース、何人の人に食べられていれば十分だという科学的な線引きが国際的にも見出せていない状況でございます。したがいまして、私どもとしては、海外の例なども参考に、どういった因子が食経験情報として有用かというものを示させていただいて、そのファクターなどを企業等の方々に記載していただくといったことを想定してございます。

このように食経験というものを評価していただきますけれども、食経験評価のみでは安全性について必ずしも十分とは言えないとお考えになった場合は、次のステップに入っていただくというものです。それが2ポツ目にお示ししているものでございますけれども、その場合は、安全性試験に関する情報を御評価いただくといったものでございます。こちらについては、みずから動物試験などを行っていただくというものでは必ずしもございません。国内外に広く出回っておりますような科学的文献などをまず御評価いただいて、それでもどうしても足りない場合には、トクホの方法論などを参考に、必要な試験を行っていただくというものでございます。

なお、この評価をしていただくに当たっては、どのような条件で、いつ、誰がその文献を集めて、その結果どうだったかといったプロセスもあわせて記録していただき、後に述べます届出並びに開示の対象にしたいと考えてございます。

それから、3ポツ目でありますけれども、これは食経験だけで評価できる場合、それだけでできない場合、共通のルールでございますけれども、機能性関与成分、それから、医薬品との相互作用について、先ほど申し上げたような方法論に従い御評価いただくというものでございます。

また、1つの商品に機能性関与成分を複数あわせ持っているような食品につきましては、その相互作用も同様に御評価いただきたいと考えてございます。

続きまして、「(2)生産・製造及び品質の管理」についてでございます。やはりこういった管理方法というものは極めて重要になってまいりますので、例えば、HACCPですとか、サプリメントの場合、GMPとか、こういったものに従って品質管理などをしているかどうか、こちらの情報をまずは挙げていただくことを考えております。

なお、こういった枠組みに沿って管理していないという場合には、関連する項目について多数記載していただき、それを届出・開示の対象にしたいと考えてございます。

また、2ポツ目でありますけれども、企業等は、まず製品規格というものを設定していただいて、市場に流れる商品がその規格に本当に合致しているかどうか、こちらの確認を食品衛生法に定める登録検査機関等、こういう第三者的な機関によって実施していただくことも考えております。

また、健康被害発生時においては、因果関係の検証が大事になってまいりますので、必要なサンプルもしっかりストックしていただくことを考えております。

また、「(3)健康被害等の情報収集」でございますけれども、まず、どういう取り組みを企業で行うかについてもしっかり整備していただいた上で、届出・開示の対象にすることを考えております。

それから、「(4)危険な商品の流通防止措置等」については、表示がされている、されていないに関係ない話ではございますけれども、当然、問題がある商品が流れたときには、それを防止する措置をとってまいるというものであります。

続きまして、4ページ目をごらんいただけますでしょうか。こちらは、「食品の機能性表示を行うに当たって必要な科学的根拠の考え方」でございます。今回、科学的根拠の実証に当たっては、(1)(2)にお示ししている2つの方法のいずれかを自由にお選びいただくといったことを考えております。

まず(1)でありますが、最終製品を用いた臨床試験、これはヒト介入試験のことでございます。こちらについては、原則として特定保健用食品の試験方法に準じていただきたいと思っております。ただ、現行のトクホにない考え方として、次に、2ポツ挙げてございます。

1つ目でありますけれども、その研究計画については、事前登録というものを行っていただくことを必須にしたいと考えております。

また、その結果については、国際的にコンセンサスが得られた指針、例えば、ヒト介入試験のうち、RCTと呼ばれるものの国際指針としてCONSORT声明というものが示されておりますけれども、こういったものに準拠した形式で、しかも査読つき論文という形で報告されていることを必須にしたいと考えている次第です。

なお、そこに※印として注をおつけてしておりますけれども、これらについては、かなり昔から行われてきた取り組みでは必ずしもございませんので、一定の経過措置期間を設ける必要があるだろうと考えております。ただ、施行後ずっと、これらを任意の規定にするということは考えてございません。可及的速やかに必須条件として位置づけていきたいと考えております。

それから、(2)が「最終製品又は機能性関与成分に関する研究レビュー」というものでございまして、今回の規制改革の背景として、中小企業の方々がなかなか参入できないということを踏まえまして設けました規定でございます。

具体を申し上げますと、査読つき論文等、広く入手可能な文献をシステマティック・レビューという方法論のもと実施していただいて、Totality of Evidence、総合的な観点から、表示したい機能性が肯定的と言えるかどうかを御判断いただくというものでございまして、いつ、誰が文献などを検索して、その結果、どうだったかというプロセスや結果をすべからく報告していただくというものがこのシステマティック・レビューでございます。

こちらをやっていただいた結果、査読つきの論文が1本もなかったという場合ですとか、その機能について査読つきの論文がこれを支持しないような場合、こちらについては、機能性表示を行うには科学的根拠が足りないということで、機能性表示は不可と考えてございます。どういう文献をこのシステマティック・レビューの対象としてよいかというのが次の2ポツでございます。サプリメント形状の加工食品につきましては、臨床試験で肯定的結果であること。また、その他の加工食品、それから、生鮮食品においては、臨床試験だけでなく、観察研究もよしとするという規定でございます。

続きまして、5ページ目をごらんください。こちらが「誤認のない食品の機能性表示の在り方」という説明資料でございますけれども、大きく3つほど挙げております。

「適切な機能性表示の範囲」でございますけれども、まず、対象食品としては、先ほども述べましたが、食品全般でございます。ただし、アルコールを含むものですとか、あるいはナトリウム、糖分等を過剰摂取させる食品は除くということで、これは現行のトクホや栄養機能食品の考え方を踏まえたものでございます。

次に、対象成分でありますけれども、作用機序というものが考察されていることと、直接的ないしは間接的に定量できる成分であることが条件でございます。

ただし、今回、この成分については、下に2ポツ挙げておりますけれども、厚労省が策定しております食事摂取基準に摂取基準が策定されている栄養成分につきましては、今後さらに慎重な検討が必要と考えております。

また、機能性関与成分が明確ではないもの、つまり、どういったものが効いているかわからないといったものが、いわゆる健康食品の中には少なからずあると思いますけれども、こういったものの取り扱いについても、制度の運用状況を踏まえ検討することと報告書に示されてございます。

次に、対象者でありますけれども、生活習慣病等の疾病に罹患する前の人、また境界域の人ということでありまして、疾病の人、それから、未成年者、妊産婦、授乳婦、こういった人たちに訴求することはよろしくないということでございます。

また、マル4、どんな表示ができるかという話でございますけれども、これは、特定部位も含めた健康の維持増進に関する表現でございます。括弧にありますけれども、トクホでは一部認められていますが、疾病名を含むような表示については、今回は対象外とすると整理してございます。

続きまして、「容器包装への表示」でありますけれども、具体は後ほど基準(案)で説明をさせていただきます。

(3)につきましては、「容器包装への表示以外の情報開示」とありますけれども、製品情報につきましては、後に触れますけれども、消費者庁、それから、事業者のホームページで情報公開ということを考えております。ただし、容器包装はどうしてもスペースの制限がございますので、そこに書き切れない情報については、そういったウエブなどを通じて開示するといった考えでございます。

続きまして、6ページ目、「国の関与の在り方」でございます。今回の制度は、販売前の届出制というものを導入したいと考えてございます。これは、いろいろな根拠情報も含めた製品情報につきまして、販売後ではなく、販売前に届出をしていただくといったものであります。

そして、受理した際は、こちらの情報について、一部機密性にかかわる情報についてはマスキングということもありますけれども、原則として、それ以外はすべからく販売前に公開ということを考えております。

「(2)新制度の規定・適切な運用」でございますが、食品表示基準に規定ということでございます。

なお、食品表示法に基づく収去等、販売後の監視、こちらも徹底してまいりまして、新制度の適切な運用を図ってまいります。

それから、名称でございますけれども、こちらは既存の制度との混同を避けるという観点から、特定保健用食品の「保健」並びに栄養機能食品の「栄養」、こういった文言は使うべきではないというのが報告書に示されました。この名称については、いろいろな意見がございますけれども、今回、我々としては、機能性表示食品が一番よいのではないかということで、基準(案)にも盛り込ませていただいております。

「(4)消費者教育等」でございますけれども、こちらは、今後、トクホ、栄養機能食品、新制度、この3本柱ということになってまいりますので、適切な読み取りなどが行えるような消費者教育は当然行ってまいるというものでございます。

それから、「その他」にお示ししておりますけれども、この新制度の施行に当たっては、関連指針を整備することも必要としております。こちらは、先ほど述べましたように、まずは食品表示基準に規定してまいりますけれども、これは狭い意味で食品表示に関する表示規定を書くところでございますので、例えば、エビデンスの収集ですとか、基準に書きにくい内容などもございます。こういったもののために、例えば、通知ですとか、それから、ガイドラインなども設けてまいりたいというものでございます。

それから、今回の制度は、ある意味、世界初の試みなども少なからずございますので、まずは施行後2年を目途に施行状況を検討していきまして、必要なレビューを行って、もし何らかやらなくてはいけない措置があれば、それを講じていくというものでございます。

以上が制度の概要の話でございます。

続きまして、資料2-1をごらんいただけますでしょうか。こちらは、今回お示ししている基準(案)の概要の資料でございます。こちらは、次に述べます資料2の内容をサマライズした内容でございまして、基準案はこのような構成になっているというものでございます。次の資料2-2で詳しく解説させていただきますが、4ページ目をごらんいただけますでしょうか。4ページ目の下半分に緑の枠で囲ったところがございます。

先ほどと一部重複しますけれども、食品表示基準はあくまでも表示の基準でございますので、新制度に関する全てのものをこの食品表示基準に書き込むのはやや困難な状況でございます。したがいまして、検討会報告書に示された事項については、まずは基準、それから、通知、そしてガイドラインなどで漏れなく規定していきたいと考えておりまして、通知にはどういったことを規定するのか、あるいはガイドラインにはどういったことを規定すると考えているのかということを、非常に簡単ではございますけれども、この緑の枠の中に記載させていただいたております。

それでは、資料2-2、こちらが本日、一番中心の資料になろうかと思いますが、こちらの説明をさせていただきます。この資料は、タイトルが「食品表示基準(案)新旧対照表」となってございます。旧に当たる部分が右列でございまして、そこにお示ししているとおり、こちらは平成26年10月31日に答申としていただいた内容でございます。こちらと対比の形で、今回の制度はどういう点が違うのかを左側にお示ししてございます。ですので、左側を中心にごらんいただければと思います。

まず、第二条から御説明いたします。第二条は定義でございますけれども、十と書いてあるところに今回の機能性表示食品の定義が書かれてございます。

まず最初に、どういった対象者なのかということが書かれてございます。

それから、2行目に、機能性関与成分によってこういった機能が期待でき、その旨を表示する食品というふうに続いております。ここも重要な点でございまして、今回、この機能性関与成分というものが明らかであるものを対象にしていると先ほど申し上げましたけれども、それがここから読み取れます。つまり、機能性関与成分というものがちゃんと関与して、それでこういった効果があるということが機能性表示食品の表示事項になりますので、この成分がわかっているという条件が2行目に書かれているものでございます。

それから、健康の維持増進に資する特定の保健の目的とありますけれども、トクホでは一部認められている疾病リスク低減表示は除くということが書かれてございます。

このようなことが期待できる旨を科学的根拠に基づいて、次も重要な点でございますが、容器包装に表示をする食品でございます。こちらは、生鮮品であろうと、加工食品であろうと、容器包装というものに表示をしていただくのが条件でございます。したがいまして、容器包装に入っていない状態で、別の媒体のみで表示をしているものは、機能性表示食品にはなり得ないということでございます。

こういう食品でありますけれども、4行目の括弧でございますが、特別用途食品、それから、栄養機能食品、こういったものとかけ持ちで機能性表示食品となることはできませんというのが、この括弧の前半部分でございます。

それから、後段でございますが、先ほど触れたとおり、アルコールを含んでいるものですとか、あとは、国民の栄養摂取の状況から見て、その過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして、健康増進法施行規則に定める栄養素の過剰な摂取につながる食品を除くといった条件も付してございます。

ここで挙げられている栄養素というのは、例えば、糖類、脂質、ナトリウム、飽和脂肪酸、コレステロール、こういったものが厚生労働大臣によって示されているものでございまして、こういったものの過剰な摂取につながるような食品でありますと、せっかく機能性があるとしても、その効果がマスキングされてしまう可能性や、よからぬ効果が出てくる可能性もなくはございませんので、そういう食品については対象外とするという注意書きでございます。

こういった食品でございますけれども、この表示の内容ですとか、事業者名、連絡先等の基本情報ですとか、あと、科学的根拠に関する情報、それから、生産、製造、品質管理の情報、また、健康被害の情報収集体制、その他必要な事項などを販売日の60日前までに消費者庁長官に届け出て受理されて初めて機能性表示食品になるというものでございます。

なお、この届出というところに関して若干補足をさせていただきますと、これは消費者庁に届け出た瞬間に、あと60日たてばいいというものではございませんでして、我々として、届け出ていただいた資料について、形式的な確認を行います。この形式的な確認をした上で特段問題ないとなった場合に、届出番号、いわゆる受理番号的なものを付与させていただきます。この番号が付与されたときをもって初めて、60日たってから売っていいですよと解釈していただければと存じます。

続きまして、次の第三条の御説明をさせていただきます。こちらからは一般用加工食品の話でございます。ページをおめくりいただきまして、第2項から御説明いたします。今回、機能性表示食品の場合、こういった事項について記載しなければならないというものが列記されてございます。まずは機能性表示食品というものをそのまま表示していいただきます。

それから、次でございますが、科学的根拠を有する機能性関与成分。ここで一回、意味を切っていただきたいのですけれども、まず成分について明らかにしていただいた上で、その成分、または成分を含有する食品が有する機能性を書いていただくというものでございます。

なお、成分または食品が有する機能性というふうに2段になって書いてございますけれども、こちらは今回、システマティック・レビューという形で機能性を実証していただくのも可としており、最終製品ベースでも成分ベースでもよしとしているわけですが、それを受けた形として、成分又は食品が有する機能性とさせていただいているものでございます。

その下が栄養成分の量及び熱量、いわゆる栄養成分表示に関する事項でございますけれども、こちらは通常の栄養表示と若干ルールが異なっている点がございます。それが右列の3行目に示しているところでございますけれども、表示するときの食品単位について、一日当たりの摂取目安量当たりの量で表示してくださいとしております。

一方、通常の栄養成分表示の場合は、表示単位は自由でございまして、例えば、100グラム当たり、100ミリリットル当たり、一包装当たり、それは任意でお選びいただけるものでございます。ただ、今回は、検討会での議論を踏まえまして、食品単位はどれでもいいというのではなく、一日当たりの摂取目安量当たりで書くべきではないかといった御議論の結果を反映したものでございます。

こういったこともございますので、先ほど説明を飛ばしたのですけれども、その上に、本来、横断的なルールとしての栄養表示の欄がありますが、ここからいったん除いて、ここに別の形で登場させているという規定の仕方をしてございます。

それから、2のところに示しておりますけれども、こちらはどういうことを意味しているかといいますと、いわゆる5成分以外の栄養成分について記載する場合も、やはり一日当たりの摂取目安量単位で書いてくださいという規定でございます。

それから、3番のところにもいろいろ書かれておりますけれども、一般用加工食品の栄養成分の場合は、栄養成分の量及び熱量について、合理的な推定値というものは不可ですよという規定でございます。

続きまして、3ページ目でございますけれども、機能性関与成分の量についても同様に一日当たりの摂取目安量当たりで書いていただくというものですが、栄養成分表示のすぐ下に続けて書いてくださいという規定でございます。

それから、一日当たりの摂取目安量、届出番号、そして食品関連事業者の連絡先として電話番号を書いていただくという規定や国による評価を受けたものではないということに関して、そこにお示ししているような定型文を書いてくださいという規定がございます。また、摂取の方法、摂取上の注意、いわゆるバランス文言や、調理、保存の方法に関し、特に注意を必要とするものにあっては、当該注意事項を書いていただくという規定が書かれております。また、疾病の診断、治療等を目的としたものではない旨という定型文、こういった人たちを対象に開発された食品ではないという定型文、疾病の人は医師、医薬品を服用している人は医師、薬剤師に相談してくださいという定型文、何か体調に異変を感じた場合は、摂取を中止して医師に相談してくださいという定型文についても、すべからく容器包装上に書いていただくという規定でございます。

それから、このページの下に第3項がございます。通常の一般用加工食品では、こういうものについて一定の条件を満たす場合、省略してもいいですよという規定でございますけれども、例えば、原材料名や添加物などについて、今回の制度の食品は省略規定から外しております。言いかえますと、今回の食品の場合、こういった項目についても必ず書いていただきたいという規定でございます。トクホでもこれらは必須とされていることを踏まえた規定でございます。

続きまして、6ページ目をごらんいただけますでしょうか。第八条の二というところがございます。ここはややわかりにくいので補足をさせていただきますけれども、通常の一般用加工食品の栄養成分表示の場合、例えば、宅配牛乳のようなリターナブル瓶などで定期的に届けられるといったものは、チラシですとか、ビラみたいなものがセットで届けられると思いますが、そういうものの場合は、容器包装ではなく、そういったビラみたいなものに栄養成分表示が書かれていてもよしとしますという規定でございますけれども、今回の食品については、そういう規定を設けない。つまり、必ず容器包装上に栄養成分表示を書いてくださいという規定でございます。

それから、第九条、表示禁止事項でございます。七をごらんいただきたいのですけれども、次に掲げる用語はいけませんというものです。

1つ目が、疾病の治療効果、予防効果を標榜するもの。

それから、ロは、ややわかりくいのですけれども、今回の食品は、いわゆる栄養強調表示のルールにのっとって、その条件に従って、何とかたっぷりとか、何とか控え目と書いていただくのはよしとしましょうというものです。ただ、それ以外について、何らか強調するのはいけませんというものであります。

また、消費者庁長官に届け出た機能性関与成分以外の成分、これは栄養成分であろうとなかろうと、こういったものを強調するものもいけませんという規定でございます。また、今回は、トクホとは全く違うスキームでございますので、さもトクホであるかのような表示ぶりはいけませんというのがハの規定でございます。

また、今回は、対象成分として、いわゆる栄養成分は対象外としております。ですので、例えば、栄養機能食品の定型文ですとか、あるいは栄養機能食品にはない栄養成分について新たに作文して機能性表示を行ったりですとか、とにかく栄養成分について機能をうたうことはいけませんというのが、ニの規定でございます。

続きまして、7ページ目でございます。こちらから、一般用生鮮食品のお話でございます。一般用生鮮食品で機能性表示食品たるためには、こういった表示事項について、容器包装に書いてくださいというのが列記してあります。ほとんど先ほどお示しした一般用加工食品のルールと似ております。ほぼ一緒です。ただ、若干違う点がございますので、そこを中心に御説明いたします。

まず、7ページ目の栄養成分の量及び熱量というところの3番でございます。ちょっと読み取りにくいのですけれども、端的に申し上げますと、今回の一般用生鮮食品につきましては、例えば、通常の5成分ですとか、特に栄養強調表示をしない成分については、加工食品の場合と違って、合理的推定値も可としましょうといった規定でございます。

8ページ目あたりはほとんど一緒でございます。9ページ目にかけてもほぼ一緒です。ただ、1点違うのが、加工食品のときには、こういった人たちを対象に開発されたものではないという定型文があったと思いますが、これが生鮮品の場合は落ちております。これは検討会での御議論を踏まえたものでございまして、検討会においては、そういう文言については、加工食品には必要かもしれないが生鮮品には不要であろうという意見でございましたので、それを踏まえ、生鮮品では落としているものでございます。ただ、もちろん、その生鮮品特有の注意事項がある場合には、当然それは記載していただくものでございます。

それから、9ページ目の二十一条でございます。こちらは、機能性表示食品から一たん離れて、通常の一般用生鮮食品の表示の話と御理解ください。ここも端的に申し上げますと、一般用生鮮食品に栄養強調表示を行いたい場合、例えば、ビタミンCたっぷりとか、何とか控え目のような栄養強調表示を行いたい場合、当然、その成分については、合理的な推定値ではなく、従来のルールにのっとってお書きくださいというものでございますけれども、栄養強調表示をしない栄養成分等につきましては、合理的な推定値でもよしとしましょうという措置でございます。

なぜこういうものを設けたかといいますと、先ほど生鮮品の栄養成分表示のお話でも、特段栄養強調表示をしない限りは、合理的な推定値も認めましょうということを申し上げました。こういう強調表示、大きく分けると、機能の表示、それから、栄養成分の多い、少ないを強調する表示があろうかと思いますけれども、強調表示の中でも最もグレードが高いと位置づけられる機能性表示におきましても、強調しない限りは合理的な推定値でもよしとするということを踏まえて、その一個下になります栄養強調表示でも同様のルールを設けるべきではないかという考えのもと、今回つけ加えた規定でございます。

それから、10ページ目、表示の方式でございます。今回の商品については次のとおり表示してくださいというものでありまして、機能性表示食品である旨は容器包装の主要面に表示していただきたいというものです。一義的には表面になろうかと思いますけれども、主要面にお書きいただくという規定でございます。

それから、ロの規定でございますけれども、この成分の名称ですとか、あるいは機能性の表示、国の評価を受けたものではないのような定型文については、必ず容器包装の同一面にセットで書いてくださいという規定でございます。

それから、ページをめくっていただいて11ページ目、二十三条は、先ほど加工食品のところでお示ししたものと全く同じ内容でございます。

また、その下に附則の別表第二十と書かせていただいているところは、一般用加工食品の場合の表示の方式でございますが、先ほど生鮮品のところで述べたのと全く同じ内容でございます。加工食品の場合は、このように別表第二十という形で後段に表の形式で登場してまいりますので、生鮮品の場合と見た目は異なっておりますが、全く同じ内容の規定でございます。

以上が基準(案)の内容でございます。

最後でございますが、資料2-3の説明をさせていただきます。今回の制度の検討に当たりましては、先ほども御説明ありましたけれども、まず、我々で検討会を行い、それを踏まえて、最初に基準(案)というものをつくり、それをパブコメにかけたということを、消費者庁において、行ってまいりました。そしてパブコメでの御意見を踏まえたものを基準(案)として、先般、消費者委員会に諮問させていただいたわけでございまして、こちらについて、本日、御審議いただきたいと考えております。

ただ、検討会で取りまとめられた考えをもとに基準(案)をつくってパブコメにかけたということ自体についても、消費者庁のもとで行った次第ですが、こちらについては既に広く知られているところでございますので、パブコメを経て、我々が主にどういう点を修正して、それを消費者委員会に諮問させていただいた基準(案)としたかといったことについても、やはり説明が必要かと思いまして、今回、資料2-3として御用意させていただきました。

それでは、2ページ目をごらんいただけますでしょうか。こちらはパブコメの内容という形でございますけれども、具体的には、8月28日から9月26日、約1カ月間にわたって行ったものでございます。有効回答としては1,024件、御意見を頂戴したというものであります。

それでは、3ページ目をごらんください。こちらから、「パブコメ案からの主な変更点」として幾つか挙げさせていただいております。本来、パブコメの一覧を御提示するのが望ましいというのは了解しておりますけれども、ただ、今回、非常に件数が多いことに加えて、特に技術的なコメントなども多数あったということもございますし、あと、複数の項目にまたがっている御意見ですとか、基準とガイドラインの両方にまたがってくるといったものも少なくないといった状況でございましたので、皆様方にお示しできる形にまで整えるにはちょっと時間が必要という状況でございました。

ただ、こちらの資料でも述べさせていただきますけれども、私どもとしては、消費者の方々からの御意見というものをかなり踏まえております。また、少数の意見でございましても、消費者の方々からの貴重な御意見については、今回基準に反映させていただいているということをここで強調させていただきたいと考えております。

それでは、3ページ目の説明でございます。対象食品、定義についてでございますが、御意見として、栄養機能食品の位置づけがあいまいではないかといった御指摘がございました。我々も最初から、今回の製品と、それから、栄養機能食品などをダブルで表示するのはよろしくないという規定を本文中に設けていたのですけれども、ややわかりにくいといった観点からの御指摘がございました。したがいまして、意味は全く変わらないのですけれども、定義のところに栄養機能食品という名称をまず挿入したという点が修正のその1でございます。

また、今まで特定保健用食品というのは書かせていただいていたのですけれども、これは制度的にも、本来、特定保健用食品を包含するものとして、特別用途食品として規定すべきであったものを、今回、技術的な観点ということで、本来的な特別用途食品という形に修正させていただいたものでございまして、趣旨が変わるものではございません。

続いて、4ページ目でございます。こちらは必要的表示事項の1つでございますけれども、科学的根拠を有する成分、それから、食品の機能性を先ほど申し上げましたが、当初、食品が有する機能性ということしか書いていなかった状況でございました。これについて、国民からの御意見として、今回はレビューには成分ベースと最終製品ベースの両方があるので、それが読めるような条文にすべきではないかといった御指摘がございましたので、両方読めるように修文したというものでございます。

続きまして、5ページ目でございます。こちらは栄養成分表示の話でございますけれども、御意見としては、ビタミン、ミネラル等についても同一の食品単位で表示することがわかるようにすべきというものがございました。当初、いわゆる5成分については一日当たりの摂取目安量という規定になっていたのですけれども、ビタミン、ミネラルのようなその他の栄養成分については、必ずしも一日摂取目安量当たりというのが読めない、読みにくいような規定になっておりました。そこを統一の食品単位で書いてくださいというのが一目でわかるように修文したというものでございます。

それから、6ページでございます。こちらも先ほど申し上げました生鮮品の栄養成分表示の話でございますけれども、主な意見として、できれば生鮮品についての栄養成分表示は義務化しないことが望ましいが、どうしても表示すべきということであれば、合理的な推定値を認めてほしいというものがございました。

こういった意見を踏まえまして必要な修正を行うとともに、先ほども申し上げたとおり、機能性表示とは関係ない話でございますけれども、一般生鮮食品の容器包装上に栄養強調表示を行う場合も同様の規定を設けさせていただいたというのが※印の内容でございます。

それから、7ページ目でございます。「パブコメ案からの変更点マル5」でございますが、最初に、私どもとしては、連絡先の情報として、電話番号、または電話番号の記載があるウエブサイト、どちらかを表示してくださいという規定でございました。これに対して、主なパブコメ意見、これは消費者からの意見が中心でございましたけれども、これは「または」ではなく、電話番号の記載を必須とすべきだといった御指摘がございました。ウエブサイトなどは任意の規定とすべきであろうということで、これを踏まえて、今回、電話番号を必須とする規定にさせていただいたものでございます。

続きまして、8ページ目でございます。今度は、国の評価を受けたものではないという定型文に関してでありますけれども、当初は、パブコメ案というところに書かせていただいたとおり、「一定の科学的根拠に基づき、」という文言がございました。ただし、これも含めて、全般にわたっての御指摘でございましたけれども、そもそも今回は必要な表示事項が多過ぎる、できるだけコンパクトにしてほしいといった御指摘がございました。その理由として、文字が羅列されていると、かえって消費者の方々に必要な情報が届きにくくなってしまうのではないかといったことがございました。そういったことも踏まえまして、我々で可能な限り、趣旨は変えずに文言を削るということを考えた結果、今、下線を引いております「一定の科学的根拠に基づき、」というところを削除した案を今回の基準に盛り込んだ次第でございます。

それから、次の9ページ目でございますが、医師に相談しましょうですとか、医師、薬剤師に相談しましょうという表示について、最初は一文一文分けての表示事項として規定しておりましたけれども、述部の部分が同様でございます。できるだけコンパクトにしてほしいという御意見がございましたので、意味が全く変わらない範囲内でやや短くしたというもので、2文を1文にしたという修正でございます。

それから、次の10ページ目でございます。この10ページ目については、先ほども触れました省略規定でございますけれども、我々として、当初、この省略規定というものについて、特段の規定は設けておりませんでした。しかしながら、消費者からの、1名からのみの御意見でございましたけれども、そもそも機能性を標榜する食品については、こういった免除規定は設けるべきでないといった御意見、これは非常に参考とすべきと考えまして、こういう事項については省略できないという、先ほど申し上げたとおりの規定に直させていただいたものでございます。

それから、11ページ目でございますけれども、表示禁止事項でございます。こちらは、機能性関与成分以外の成分についても強調してはいけませんよという規定でありますが、この成分が、栄養成分も、それから、それ以外の成分も、両方対象となるというのがわかりやすくするという修正でございます。

以上、すみません、説明が非常に長くなってしまいましたけれども、制度案や基準(案)などについて御説明させていただきました。ありがとうございました。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問ございましたら、お願いいたします。

どうぞ。

○鬼武委員 誰も手が挙がらないので、このまま時間が過ぎるのももったいないので、少し意見を述べさせていただきます。配付資料のほうにも、私のところで発言したい内容、全体的な意見を含めて、まず申し上げたいと思います。

最初に、従前から何度も説明がありましたように、まずは国の政策として来ているということが本日の会議において何度も何度も説明されて、それで事務局の方はかなり御苦労はされているというのは十分理解しておりますし、そうした面で報告書を完成したことに関しては、非常に敬意を表したいと思っております。

その上で意見を申し上げたいのですけれども、まず、制度全体については、今回、日本国内だけでなく、先ほどチャレンジと事務局の方が申されていたように、国際的なルールからしても、かなり大きな、世界に例を見ないようなことで、従前はトクホ方式ということで世界的にも認められていて、海外ではダイエタリーサプリメントになり、ヨーロッパなどにはヘルスクレームということで別の方式があったのですけれども、今回はそれを融合したような形で、日本は新たな政策を出してきています。ですから、その点については、最終的に、2年後に見直しレビューもあるということも書かれておりますが、機能的表示食品については、国際的な場でもぜひ、日本の行政機関としては消費者庁になるのでしょうか、積極的に働きかけて、日本の制度がいかに理解されるかということが、逆に言えば、総理大臣から来ている指令からしても一番重要な指摘ではないかと理解している次第でございます。

そういう面からすると、最初に全体的な意見なのですけれども、食品の新たな機能性表示制度にかかわる表示基準(案)は、本来は、消費者庁の検討会ということでやっているのですけれども、その検討会と並行して、表示基準の中で、最終的に11月の段階で出てくる前からですけれども、骨格の中で議論されるべきであったのではないかと私は1つ目に強く思っております。

それから、2つ目には、先ほども申し上げたように、機能性表示食品ということを国際的にも展開するに当たっては、コーデックスの栄養・特殊用途食品規格部会なり、もしくは食品表示部会というところで、従前からヘルスクレームについては、長い長い間、議論されてきております。そういう中で、もう既にコンセンサスを得られているものを含めて、日本政府として新たな挑戦であるから、その点については、国際的にも認められていることについて、ぜひ御検討いただきたいと思っております。まず、全体的な概要について、この2点について発言させていただきました。

以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 今、御発言があったうち、今回の機能性表示食品の定義ですとか、規格について、国際的な場で認めてもらう必要があるのではないかといった御指摘がございました。こちらについては、特段その必要性はないのではないかと考えております。

その理由といたしましては、今回、私どもが考えました制度については、もう既にコーデックスのガイドラインに示されております、専門用語で申しわけないのですけれども、アザー・ファンクション・クレームというものとおおむね合致します。また、エビデンスの考え方につきましても、例えば、トータリティ・オブ・エビデンスですとか、システマティック・レビューという単語がございますが、こちらについても、例えば、コーデックスのガイドラインに附属文書としてヘルスクレームの科学的実証に係るリコメンデーションという文書がございますけれども、こちらの内容に整合するものでございます。

したがいまして、今回の制度の考え方は、国際的にオーソライズされている考え方に矛盾するものではございませんので、特段、国際的な場で新たに問題提起などをすることや、認めてもらうといったことは必要ないのではないか、そういうことをせずに新制度を施行することは十分に可能と考えております。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 中身的にはそういうことでございますけれども、委員御指摘のように、日本のこの制度が認知されることによって、我々が言うことではないのですけれども、海外のマーケットできちんと商品を供給できるようなことも念頭に置いて、これは事業者の方にも頑張っていただかなければいけないということだと思っています。

○阿久澤部会長 今の関連で。どうぞ。

○鬼武委員 まさにそのとおりだと思うのです。私も日本の制度自体が、従前のトクホの制度と今回の機能性表示制度と、国際的には、今、事務局がおっしゃったように、矛盾しないような中身で制度設計を検討されたことは理解しています。ただ、生鮮食品もそういう中でつくったというのは、国際的なシェアを見て、これから海外に出て行くような商品もあるからということであれば、日本の制度が、今回の新制度にしても、結構複雑だと私は理解しています。ヨーロッパ、アメリカと違っています。そういう点からすると、国際機関の場で、新しい食品表示の規則として、こういう機能性表示をするという制度ができたということは、やはりきちんと知らせるべきであって、まだ説明にはないのですけれども、WTO通報も多分なされるのでしょうから、そういう中で、日本の制度自体を理解していただくことが重要だと思っております。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

では、河野委員、どうぞ。

○河野委員 私も、机上配付されています追加配付資料のところで、今回の検討につきまして意見を出させていただきました。主にですが、審議の進め方について、それから、ここのところ食品表示部会で食品表示基準(案)の審議をしたときに、私自身も非常に残念だと思っていた点等について簡単にまとめましたので、意見を申させていただきたいと思います。

まず、先ほど、最終的には消費者委員会、親部会のほうでこのことに関して決定されるということでした。(1)のパラグラフの下のほうに書いたものなのですけれども、今回、食品表示部会では、機能性表示食品に関する審議は初めてです。パブコメを受けた変更点のみの議論とはせずに、ぜひ表示基準の中における機能性表示食品の規定全般について議題としていただきたいというお願いです。変更案のみで議論が収束しないように審議を進めていただきたいというのが1点目のお願いです。

それから、2点目は、今も申し上げましたが、今回もパブリックコメントが1,000件以上来ているということです。残念なのは、それについての具体的な内容が提示されていないということです。私が知りたかったのは、今回のパブリックコメントにおいて、名称として採用した機能性表示食品について、どのような意見が来ていたのか。それから、この制度がスタートして一番心配に思っておりましたモニタリングなど、監視・執行体制について、どのような御意見が来ているのかと、やはり審議を進める上で大事な情報であると考えていました、なかなか十分な人手等を確保できなくて、整理が時間的に追いついていかないという状況も十分私も理解はしているのですが、パブリックコメントにこういう趣旨の意見があったという1行で済ませず、時間はかかるかもしれませんけれども、パブリックコメントを受け付けた順に通し番号等で全部の意見をまとめた参考資料を出していただければと思っております。

それから、その他、規定の中に書かれていなくて、今後の検討に対して、ぜひお願いしたいことということで3点申したいと思います。

今後、機能性や安全性の要件についてはガイドラインで示されると御説明いただきました。実は私は、消費者庁に置かれました検討会の委員をさせていただいておりまして、今回、参考資料としてまとめ案がつけられていますけれども、その中身は専門家の方がしっかりと入ってくださって、安全性とは何か、機能性とは何か、そして、それを担保するものは何かということで、かなり専門的な知見のもとに報告書はまとめられていると思っています。

ただ、機能性表示食品の規定のところだけを読むと、そういったものは全て抜け落ちていて、今後、安全性、有効性に関する評価手順等はガイドラインでお示しくださるということですが、そこのところをぜひしっかりと報告書案に書かれていた形で担保していただきたいと思っております。

特に、先ほどの消費者庁からの御説明で、「新制度に向けての基本的な考え方」、参考資料2-1の一番後ろのページについていますが、3つ書かれていて、安全性の確保、それから、機能性表示を行うに当たって必要な科学的根拠の設定、そして適正な表示による消費者への情報提供、この3つのところをぜひともガイドライン等で、迷わないように、間違わないようにやっていただきたい。特に一番上に書いてあります、口に入れるものです。安全性の確保に関しましては、日本の食品の安全性評価機関であります食品安全委員会と協議して、ぜひ適切なガイドラインの策定をしていただきたいと思います。

あと、違反が明らかになった場合は、食品表示法の第6条で指導対象になると御説明いただきましたけれども、名前の公表等、違反があった場合、消費者がさらなる被害を受けないように、しっかりとガイドライン等で示していただければと思っています。

それから、今回の制度というのは、準備期間が非常に短く、恐らく次年度には制度がスタートしてしまうと思っています。新しい制度開始時に恐らく届出等が殺到して、内容が十分に確認できないまま、多くの機能性表示食品として市場に出回ってしまうのではないかと、今、危惧を持っております。ぜひ制度開始に合わせて、管理のシステム、それから、人員等の受付体制を充実させていただくことと、地方自治体と連携して監視・執行体制をどのように充実させていくのか、それをしっかりと検討していただきたいと思います。

それから、まとめ案のところで、なかなか具体的な方策が見えてこなかった、被害情報をどのように収集するか、ホットライン体制等もぜひ検討していただければと思っています。

それから、申し上げたいことの最後は、ここが私にとって一番重要なのですけれども、消費者はなるべく健康で長生きをしたいと思っています。一人一人がそのためにどんなことができるだろうかと思っている中、この新しい制度がスタートすることになります。多くの消費者が、今ある栄養機能食品、それから、特定保健用食品について、まだ十分な理解ができていないまま利用しているところもあるのですけれども、機能性表示食品という、なおのこと健康や栄養にアピールする名称を持った食品、その新しい制度が加わることになりますので、ぜひこの制度が消費者にとって本当に役に立つ制度になるように、それぞれ、特徴、意味、しっかりと理解し、それから、しっかり利用できるようになるように、3つある制度の違い等も明確にしながら、消費者が商品を選択できるように、消費者教育に力を注いでいただきたいと思っています。

一番重要なのは、バランスのよい食生活、それから、適度な運動、適度な休息、ここのところがおろそかにならないよう、新制度の目的や特徴をしっかりとガイドライン等で補強していただければと思っています。個別には、変更点についての意見はありますけれども、まず全体概要についてお願いを申し上げました。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

最初に意見として承った審議の進め方についてですけれども、この審議の冒頭にも私から発言させていただきましたように、消費者庁から、この制度全般について、基準(案)、制度も含めて御説明いただくということで、また消費者庁からも、パブコメ案の修正箇所については、参考までにという御説明があったかと思いますので、御心配されているパブコメ案だけの矮小化されたような審議ということなく、広く皆さんに御意見を伺えたらと思って進めていきますので、よろしくお願いいたします。

それと、今後の検討への御提案として3点ほど伺いましたが、御質問とも受け取れるパブリックコメントの内訳をもっと開示していただけないのかという内容の御発言がありましたが、これに対して、消費者庁からお願いしたいと思います。

○越野課長補佐 河野委員から貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。

パブコメにつきましては、阿久澤部会長、夏目部会長代理を初め、ちゃんと提示をして丁寧に議論するようにと再三御指示をいただいているところでございます。これも当方としても当然のことと思っております。先ほど塩澤が説明したとおり、膨大で、私も中身を確認したのですけれども、今の段階は回答の部分の文章が十分こなれていなくて、このままで出したら逆に混乱するということでございましたので、本日はお出ししておりません。けれども、出さないということではございません。行政手続法に基づきますと、基準を出したときと同時期に公表するようにと、そのような決まりになっておりますけれども、今、一生懸命努力して、少しでも早くさせていただきますので、おわびと、作業状況の報告ということで御理解いただければと思っております。大変申しわけありませんでした。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

そのほか、ございますか。どうぞ、池戸委員。

○池戸委員 この新しい表示制度なのですけれども、総理が言っているように、国民がみずからの健康をみずから守る、そのための情報提供という点での制度だと思います。今までのトクホと違って、中小企業も参画できるようにという趣旨なので、届出制度にしたかと思いますけれども、届出というのは、先ほど塩澤さんが形式的な確認と言われていましたが、実効ある制度になるためには、そこは適切な客観性を持った評価で対応すべきだと思います。非常にタイトなスケジュールなので、さっき河野委員も言われたように、消費者の方も、トクホとの違いは何かとか、どういうふうに見たらいいか、そういうところの普及啓発も必要ですが、特に準備をする企業のほうも関心が高い制度となっています。これは今年度中が施行になるという感じでよろしいのでしょうか。あとは、ガイドラインとか、通知マターのものがかなり多いので、早目に出していただかないと、多分、準備とかもなかなか進まないと思いますので、その辺のスケジュールを、今の時点で具体的にわかる範囲で教えていただければと思います。

○阿久澤部会長 お願いします。

○竹田食品表示企画課長 閣議決定では今年度中に措置をしなさいということでございますので、基本的には基準(案)が官報に掲載されることをもって措置ということになると思います。施行は当然、その後ということになると思います。

それから、ガイドラインとか通知ですけれども、これはただいま消費者委員会で意見聴取ということで御審議いただいてございますので、それを追いかける形で案をまとめて、なるべく早くお出ししたいと。今、御指摘ありましたように、事業者の方の準備もありますので、そういったことになるべくこたえられるように、これから作業を急いでまいりたいと考えております。

○阿久澤部会長 一緒に挙がりましたが、では、迫委員から。

○迫委員 すみません、ありがとうございます。重なりを避けて3点ほど発言させていただきたいと思っております。

1点目は、栄養施策との連携というところでございます。日本人の長寿を支える健康な食事の検討会報告書が出され、食事を通じて健康増進を進めていく、その基本的なパターンがつくられている中で、機能性表示食品との関連性をどういうふうに政策上、考えていくのか、その辺の調整、連携等々について、されているのかどうかというところ。

2点目は、機能性表示食品という制度そのものが、いわゆる健康食品という、余りよくわからないジャンルのものについて、ある意味では科学的根拠を明確にし、それを届出制度という中で担保していく。そういう意味で、トクホほどではないけれども、比較的安心できる、そういうものを目指しているのだろうということで、ある意味、安心な制度かなと思っております。

一般的な健康食品と区別を図っていく中では、この後の対応といいましょうか、消費者への広報活動も重要なのですけれども、それと同時に、監視・指導体制を具体的にどうとっていくのか。きちっと監視・指導の体制がとられていく、同時に健康情報が収集されるということは書かれているのですが、どのように提供されていくのかということと、一番のポイントは、因果関係の立証をどこがするのか。この辺のところが、従前のいわゆる健康食品の危害情報について、生命に関する危害が発生しているものについては厚労省がやっていらっしゃいますけれども、一般的な安全情報に関して、いろいろなところに集約されてきているにもかかわらず、そこを立証することができないので、情報提供がなかなかできないとなってくると、この立証をどうするのかというあたり、その辺がもし決まっていれば、議論されていれば、教えていただきたいと思っております。

以上です。

○阿久澤部会長 以上、3点ございましたが。

○塩澤食品表示調査官 今、幾つか御質問、御指摘ございましたが、まず1つ目が、今回の制度を我が国の栄養政策の中でどう位置づけていくのか、連携を図っていくのかといったお話だったかと思います。おっしゃることは非常に重要なことと私どもも考えておりまして、そういう意味もあって、今回、先ほども申しましたが、ある意味、世界初の制度という内容も盛り込まれているものでございますので、混乱を避けるという意味においても、対象成分として、厚労省が定めている食事摂取基準に載っているもの、例えば、摂取量とか、そういうのも含めて、厚労省として見解を示しているものでございますから、そういったものと相いれないものが出回らないようにという意味も込めまして、差し当たり、栄養成分については対象外にするといったことを規定としても盛り込んでおります。ですので、まず最初の段階としては、具体的にはそのような観点から、栄養政策との連携を考えております。

やや脱線するかもしれないのですけれども、表示の読み取りとか、そういったものも非常に重要な要素になってこようかと思います。河野委員からも御指摘ありました、いろいろ混乱するのではないかといったこと、確かにそれはあるかもしれないと我々も考えておりますので、そういう意味で、私どもとしては、短期的、それから、中期的な観点での消費者教育を今後展開してまいります。中途半端にやっても、それは本来的ではございませんので、まず基礎資料などをしっかり得た上で、きちんとPDCAサイクルにのっとって回していくことが重要という観点から、今回、今年度事業として、栄養表示義務化及び食品の新たな機能性表示制度創設に伴う消費者教育のあり方に関する検討事業というものを立ち上げまして、今年度末までにその取りまとめをして、例えば、その中の成果物の1つとしては、事業者の方々並びに消費者の方々によりわかりやすいような普及啓発ツールといいますか、そういったものも成果物として得る予定でございます。まず、そこからやっていって、最初に述べましたとおり、短期的とか、中期的な消費者教育を回していきたいということを考えてございます。もうこれは動き始めているものでございます。このような観点から、栄養政策との連携ですとか、消費者の方々が変に惑わされないような手だてを我々としても強力に推進してまいりたいと考えている次第です。

○竹田食品表示企画課長 それから、2点目、監視・指導体制でございますけれども、これは当然、食品表示法に基づく取り締まりの対象になってまいります。実は、食品表示法の執行体制、今、関係省庁と調整中でございますけれども、消費者庁、厚労省、厚労省の行政を担うのは保健所になりますけれども、農水省、そういった関係省庁との共同での執行ということになります。

あと、法律に基づかないものといたしましては、来年度の予算で検討してございますけれども、市中から、この制度に乗った商品をランダムで買ってまいりまして、例えば、関与成分が表示どおり入っているかとか、あるいは表示内容が適切かといったことをチェックしまして、違反があれば、それをもとに指導していくということで、そのような措置も考えてございます。

それから、被害情報の収集でございますけれども、厚労省の科研費で今年度に報告がまとまると聞いてございますけれども、被害情報の収集のあり方について専門的に御検討がなされていると。具体的には、誰が電話をとったときにでも、例えば、どのメーカーの製品ですか、どの商品ですか、服用してどんな体の異常が起きましたか、やめたらもとに戻りましたか、再び飲み始めたら、また同じ症状が出ましたかといったようなアルゴリズムを決めまして、きちんと確度の高い情報を集めていくという体制をとりたいと思っております。

○阿久澤部会長 もう一点ございましたね。立証をどう確保するかという。

○竹田食品表示企画課長 そこのところは、今、申し上げました情報に基づいて、専門家の方に御見解をお聞きするということが必要になると思いますので、なかなか大変な作業かとは思いますけれども、そういったところにも目配りをしていきたいと思っております。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、石川委員、どうぞ。

○石川委員 今回の機能性表示食品制度、表示基準で策定していくという流れなのですけれども、もともと表示基準府令のほうであった保健機能食品以外の機能の表示禁止というルールが、今回、食品表示法に基づく食品表示基準で、資料2-2の6ページの第九条の、従来は八条に禁止条項があって、それが今回、九条ということで、その中に機能性表示食品も含めて、この禁止を例外とすると、そういうルールの変更だということになるわけですけれども、ということは、これも規制緩和なのですね。これまで保健機能食品以外は表示を禁止していたのだけれども、その保健機能食品の中に機能性表示食品を盛り込むことによって、その分、例外が広がるわけですけれども、規制を緩和する必要性とか、実際、その必要性がどれだけあるのかということについては、実は抽象的な説明しか聞いていなくて、わかっていないのです。だから、どのような機能成分を持っている食品が、本来はトクホをとれないのだけれども、実は機能性があるのだよ、科学的根拠があるのだよ、だけれども、このルールによって表示できないのだよという、そういう具体例がないので、さもあるかのような話でずっと来ているのですけれども、ちょっとわからないと。ルールを変えるのであれば、その必要性を具体的に示すような資料があればわかりやすいのですけれども、どうなのでしょうか。規制改革会議のとき、葉酸プロジェクトとかいう資料があったと思うのですけれども、葉酸自体は栄養表示基準の中のビタミンのところに入っています。だから、これ以外の成分で何かあるのですかというのはずっと疑問があったので、その点、何かありましたら教えてください。

○竹田食品表示企画課長 考え方は2つあると思います。先ほども申し上げましたけれども、トクホをとるには時間と費用がかかる。そのためにそれがかなわない事業者の方がいる。そのときにこの制度を使えるというのが当然あると思います。それは、例えば、トクホと同じ関与成分を使った商品も当然あり得るのだと思います。

もう一つは、守備範囲を事実上広げまして、農林水産物も対象にするということでございますので、これは検討会の中で農水省から御提示ありましたけれども、温州みかんと、それから、お茶について、かなり研究が進んでいるものがございますので、そういったものがこの制度の対象候補になると思います。それから、その他の農産物についても、進捗の違いはあると思いますけれども、ほかの野菜などの種類についても御検討を進めているということがありますので、今の時点でこれとこれということはなかなか申し上げられませんけれども、そういった現場からのニーズはあると我々は思っております。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○石川委員 今のお話で、農産物が対象に入っているという御説明があったのですけれども、そもそも保健機能食品のスタートというのは、食品の第3の機能とかいって、一般食品に栄養機能と嗜好機能のほかに、身体の調整・維持機能という形で、第3の機能があるというところからスタートしているという話だと思うのです。そうすると、一般の食品自体に機能があるのですね。全ての食品に機能があるのであって、食品の中に機能のあるものとないものがあるという区分けではないと思うのです。その点からすると、機能性食品などという表示をするということは、よっぽど特別な機能を持っているという形で、質的に違いがあるものでないと、そう名乗れないのではないかと最近思っていまして、通常の食品にある機能を今さら表示するのであれば、栄養機能をもっと広く薄くしていけばいいのだと思うのです。わざわざ特別に届出させるまでもなくて、機能を表示していけばいいと思うのです。一般食品の機能ですから。それ以外の機能ということになると、さて、どの程度の違いがあるのかということについて、よくわからない。温州みかんて普通にありますね。だから、農産物の機能性を表示するということについては、栄養機能食品を拡大すればいいだけのようにも思いますので、トクホと栄養機能食品以外の第3の類型をわざわざつくる必要性が、今の課長の説明では見えてこないのです。そのあたり、もうちょっとわかる例があればいいなと思うのですけれども、どうでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 全ての食品に機能性があるかどうかというのはお答えできませんけれども、ただ、トクホをとったもの、それから、栄養機能食品であるもの、それ以外のものであっても、機能性を持つ食品というのはあると。それについて、先ほど申し上げましたけれども、トクホのような時間的な、費用的な負担なく、機能性を表示できたら、消費者の合理的な商品選択に資すると。つまり、表示をするためには、当然エビデンスが必要になりますから、一定のエビデンスをそろえていただいた上で、そういう表示をすることを今回、制度として御提案をしているということでございます。

したがいまして、考え方でございますけれども、第3のジャンルをつくることによりまして、より機能性を表示できる食品が広がる可能性がある。それは消費者にとっても、選択する上で、例えば、今、言われているような、いわゆるイメージ広告を展開されているようなものを買うのではなく、エビデンスがあるのであれば、具体的に機能性をうたって、それを商品選択の際に参考にしていただくことが望ましいということで、今回の制度を御提案しているということでございます。

○石川委員 その流れで、もうちょっと制度の内容を理解したいので聞きたいのですけれども、機能性があるかもしれないという前提で話をしていった場合に、機能性を高めるという手法をとって、それでサプリメントの形とかが発達してきたと思うのです。そうすると、濃縮とか、その濃縮の過程で問題が起こるということで、安全性を担保する制度は必要なところと。GMP制度などというのは非常に推奨されているわけですけれども、今回、あえて入れないという形で来ているわけですけれども、安全の内容に関する規制については全く手当てされていないように思うのです。

食品の安全性というのは、まずは内容に関して、規格基準であるとか、添加物の指定とか、遺伝子組換え食品の審査制度であるとか、不衛生食品の販売禁止、新開発食品の販売禁止、もろもろの食品衛生法上の内容規制がまずあって、それを踏まえた上で、それをクリアした上で、さらに表示を付加することによって、より安全を担保すると。まず内容規制があって表示規制があると、そういう立てつけになっていると思うのですね。表示規制だけでは内容規制をカバーできないというのは、先ほどのチーズの話でもそうだと思います。内容規制抜きにして表示規制だけ先行させることについては、安全上の問題をおろそかにしているように思うのですね。

ここは表示を議論する場ではありますけれども、十分内容規制が整う、あるいは内容規制がそれなりにあることを前提とした表示規制として考えるならまだしも、内容規制が全然ない状況で表示規制だけするというのは、ちょっと問題ではないのかなと思っていまして、その点で、この制度自体、表示基準ルールだけで進めていくというのが問題ではないかということを言いたいと思います。

というのは、トクホは健康増進法上、許可制度をとっています。その上で食品衛生法の表示基準での保健機能食品制度という表示ルールという2本立てになっています。栄養表示の場合は、今回、表示基準の中に組込まれましたけれども、健康増進法上の栄養表示という制度があって、その上でさらに表示基準があるという2本立てなのですね、常に。ところが、今回の機能性表示食品制度は表示基準だけなのです。それ以外の内容規制的なものはないのです。この点については重大な問題をはらんでいるように思うので、その点をきちんとした上で、さっきも誰かのお話であったように、食品安全委員会との協議とか、そういう問題があったと思うのですけれども、そこのあたりがなくして表示ルールだけ先行して話をするというのは、ちょっと問題ではないか。

26年度中に措置をせよと言うのですけれども、措置というのは、しない措置もあるし、検討期間を3年要するとかいう措置もあるし、そもそも食品表示基準自体、来年度の4月施行予定で、5年間猶予措置があるのですから、5年先にようやく新制度が基準としてスタートするのですから、結構余裕がある。それに合わせるぐらいのゆとりを持って、再度、内容規制から、あるいはトクホとか、そのあたりとの制度の関連性を含めて議論をするべきではないのかと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 内容規制というのが何をおっしゃっているのか、いまひとつ明らかではございませんけれども、先ほど塩澤から御説明を申し上げましたように、安全性については当然、事業者に評価をしていただいて、それを届出をしていただくということになります。届出内容については基本的にはオープンにして、誰の目にも触れるというものにいたします。そういう措置を持ちまして、事業者の方には緊張感をお持ちいただくということで、安全性、機能性もそうですけれども、担保をしていくということも考えです。

それから、GMPのお話がございましたけれども、これは日本では民間団体が定める規格でございますので、それを政府が法的に義務づけるというのは、なかなか法制上、困難であるということがございます。以前も申し上げたかと思いますけれども、GMPを取得していない事業者が必ずしもいい加減な品質管理をしているということにはならないということは御理解をいただきたいと思っております。

○石川委員 本委員会でもそういう説明をされていたと思いますけれども、GMPというものを民間団体の認証取得の制度と矮小化して考える必要は何もなくて、もともとアメリカの食品衛生法とかのレベルは多分GMPを法制化しているはずだと思います。薬事法のレベルのGMPは法制度化されている、義務化されているレベルの話だと思います。そのあたりの民間団体の認証のようなマーク制度のような意味のGMPではなくて、法律上のGMP制度を導入してはどうかと。

例えば、食品衛生法上の50条か51条あたりの製造基準などにGMPの基準を盛り込んで、サプリメント工場はGMP的な営業許可をとって、それでやりますと。それであれば、安全品質はかなり保てるのではないかと思うわけで、そういった制度的なものをもっと考えていただいて、すればいいのではないかと。表示のルールを超えますけれども、そういうGMP制度を導入した上で、さらにその安全性を確保した上で、表示制度をまた充実させる。そういう方向性があるべき姿ではないかと思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 その点については、これはあくまで食品でございますので、市中に流通している食品について機能性を表示するか、しないかというオプションの違いだと思っていますので、そこまで厳格な規制は必要ないと我々は思っております。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○石川委員 実は、機能性表示というものをどんどん言い出すと、従来の食品から概念が離れていくのではないのかなと。もともと医薬品以外は食品だという形で、控除的に食品ということになっているので、サプリメントは全部食品になっていますけれども、そもそも伝統的な食品から大分かけ離れて製造しているという状況において、もはやこれを食品と言っていいのかというレベルの話になってくる。ダイエタリーサプリメント法でも食品扱いしていないという法制度もあるということですね。そうすると、医薬品と食品の間の中間的な部分に食品という概念に入り切らないようなものは、そういうカテゴリーが発生するのではないのかなという気がしています。

そういう意味で、従来の食品と同じ扱いで考えるべきなのかというところから見直しを考えるべき話だろうと思います。農産物が入るので、ややこしくなりますけれども、サプリメントのあたりであれば、健康補助とか機能性補助の経口剤とか、そういう工業品みたいな位置づけでもいいと思います。それで販売を禁止するとか、そういう話ではないですけれども、カテゴリーとして医薬品、食品以外の第三のカテゴリーとして規制をすべきとするような議論も本来は必要なのではないかと思っています。

まず、食品だから食品衛生法だけという、そういう割り切り過ぎるような考え方が、出発点としては問題ではないかと。もっと実態に即した第三の類型的な要素も加味した、そういう制度設計も踏まえて再度検討していただいて、それでもやはり食に行くと言うのであれば、食品衛生法で改正すればいいし、場合によっては薬事法、名前が変わったらしいですけれども、あちらのほうで医薬品、医薬部外品の外側に新しい制度をつくって、GMPを義務づけて、届出制にしてもいいと。そういった制度設計もあるのだろうと思います。

そういった法制度的なものが、検討会では全然議論されていないように思います。そのあたりをここの表示部会で議論すべきなのかと言われると異論があるのですが、まず私が言いたいのは、内容規制を踏まえた上で表示ということなので、その内容規制についての評価を踏まえた上で表示をするのだから、内容規制がないことについてマイナスに評価をして、この表示についてはもうちょっと先延ばしで検討をしたらいいのではないですか、というようなことは言えると思いますので、その点を審議してもらいたいと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○春日委員 少し私は誤解しているかもしれませんけれども、今までのお話を聞いていると、多分この機能性表示食品というのは、ある有効なエビデンスがあると思われる成分が含まれている食品であるということであって、その食品がある機能を持っているということではない場合があるということだと思います。ですから、そこが誤解をされるかもしれないので、そこをきちんと消費者の皆さんに、そういうふうな有効と思われる機能を持った成分がその食品に入っているのであって、その食品そのものが有効な機能を持っているわけではない場合があるということをよく伝えていただきたいということと、今お話になっている有効性に関するエビデンスというのも強いエビデンスではなく、弱いエビデンスではないかと思います。

大体その食品を使ってエビデンスをとるというのは非常に難しいわけです。例えば、どのくらいの期間、本当にちゃんとその食品を摂っているかという問題もありますし、ある成分が同じでもそれが含まれている食品によって、その効果が出る場合も出ない場合もあるかと思います。例えば、吸収が違ってしまう可能性もあります。そういう意味では、同じ成分でも、その含まれている食品によって効果が違うということがあると思います。また、システマティック・レビューといっても、パブリケーションバイアスがかかっている可能性が高いわけですね。ポジティブなものしかほとんど報告されていない可能性が高いわけです。

ですから、そういうことを考えると、ここで言われているエビデンスは弱いと。その辺のことをよく消費者の皆さんにわかっていただかないと、誤解をされるのではないかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

それでは、栗山委員。

○栗山委員 さっき手を挙げたのは違うことなのですが、今の春日委員のお話に関して、多分、消費者はそういうふうには理解していないのではないかと思います。その考え方は科学者というか、医療者とかサイエンスの方々には、本人の健康状態や同じものが入っていても、それを受けつける人と受けつけない人がいる事は当たり前、という理解があると思います。

また、私などのようなアレルギーの関係の人間からいけば、ほかの人の栄養になるものが、ある人にとっては毒になるという実感があるので、多少分かったとしても、先生がおっしゃるように受け取るのはものすごく難しいし、企業さんもそこを伝えようということは全く考えていらっしゃらないし、社会が受け取るレベルがそこであればいいと思いますが、消費者がそう受け取っていないからこそいろいろな議論がされているのではないかと思っています。ですから、本音を言えば、石川委員のおっしゃるようなことが一番しっくりくるなと。ある機能で話をするのではなくて、積み立てていくべきではないかと思います。

これが今の御発言を受けての発言で、阿久澤先生、その前に手を挙げたものに移ってもよろしいですか。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○栗山委員 ありがとうございます。参考資料2-1の4ページの「食品の機能性表示を行うに当たって必要な科学的根拠の考え方」。一応、科学的根拠はあるとされていることが条件となっていると思いますが、(1)の○の2と3で、経過措置を講じると書いてあって、それは長い間ではないと一応理解はしたのですが、この必須の要件の経過措置の間はどういう条件で届出を受けつけて、それをどういうふうに検討なさるのでしょうか。教えていただければと思います。

○塩澤食品表示調査官 今、栗山委員から御質問があった点について、お答え申し上げます。この経過措置期間は文字どおり経過措置期間でございますので、この間は必須にはしませんということでございます。ですので、例えば、今までのエビデンスなどをもとに、経過措置期間内に事前登録していない研究、国際指針などに基づいた報告をしていないものというものが示されたときには、それを理由として受けつけないとすることはできないと思っております。

ただ、一方で、特保の試験方法に準じるなど、基本は特保を踏まえていますよというものを書かせていただいております。そういう意味では、例えば3ポツ目でございますけれども、CONSORT声明自体は今、特保でも必須としていないものでございますけれども、ただ、特保でも今は査読付き論文で出されているものと、ヒト介入試験が要件になっておりますので、そういったことについては、もう既に踏まえられると考えております。

以上が今、栗山委員から御質問があったものでございます。

それから、若干発言してよろしいですか。さかのぼるような発言になって申しわけないのですが、その前に栗山委員がおっしゃったことについて、若干回答させていただきたいと思います。

先ほど、消費者の方々は専門の方と違って、なかなか機能性表示を手にしたときに、変な期待感を持って読み取ってしまうのではないかのような趣旨の御発言だったかなと思うのですけれども、それはそうかもしれません。ですので、我々としては、今回いろいろと初の情報なども開示されることになりますので、今回の制度の食品を見る、活用するといった場合に、必要最低限な情報については、最初に申し上げましたとおり、消費者教育などを通じて、それは一生懸命普及してまいりたいと思っております、というのがまず1点でございます。

先ほど、その前に春日委員から御発言があった内容について、若干補足させていただきますと、御発言の中で、成分なのか食品なのかのようなお話が冒頭にあったかと思います。これは海外でも同様のことは整理されてございまして、成分ベースで評価するというものと食品ベースで評価するものは、若干取り扱いが異なるであろうといったことかと思います。

ただ、今回、最終製品ベースでの臨床試験ですとか、最終製品ベースでのレビューもよしとしています。こういった場合、やはりその最終製品、例えば、ミカンだったらミカンと、その中に含まれている成分とか、その関係性ということが重要になってきますので、そういうふうに最終製品ベースでのエビデンスのとり方というものと、あとは成分ベースでのエビデンスのとり方、機能性表示のあり方というのは若干異なると思いますので、ここは我々としてもきちんと整理した上で、消費者の方々に誤認のないようにしたいと思っております。

吸収性の問題などもございました。こういったものについても海外のガイドラインにも考え方が整理されてございますので、ここは海外のガイドラインを参考に、変な誤解が生じないように、我々としても整理をしたいと考えております。

春日委員から御発言があった、その2は、たしかエビデンスの程度の問題であったかと思います。恐らく食品では、そんなに医薬品のような強力なエビデンスがないのではないかといったような御趣旨の御発言だったかと思いますけれども、確かに食品についてはエビデンスの程度はまちまちかもしれません。ただ、今回はそういった、どのくらい効くのかという情報も含めまして、それは一般の方々でもわかるような平易版ですとか、専門の方々もわかるような詳細版、この両方を届出開示対象としてまいりますので、まずその情報というものはディスクローズされることになります。

さらにその後、それをどのように使うかについては、読み取りの技術なども必要になってこようかと思いますので、先ほど申し上げた消費者教育などで、そこは手当てをしていきたいと考えております。

専門用語で恐縮ですが、いろいろなバイアスがはらんでいるのではないかという御指摘もございました。例えば、先ほどパブリケーションバイアスという話をされていましたが、これは今回の機能性表示食品のみならず、医薬品の分野でも起こってくる問題かと思っております。例えば、我々としてはレビューとして取りまとめていただく場合も、当然そのパブリケーションバイアスも含めたもろもろのバイアスの評価、バイアスのリスクというものは当然評価していただいて、それも届出開示の対象とすることを考えております。レビューについても国際指針がございますけれども、そちらを見ても、そういうもろもろのバイアスの評価が必須になっておりますので、それを我々としても当然、評価の対象、開示の対象としてまいりたいと考えております。

以上、専門家の先生のお話なども承りながら、我々として適切な制度をつくっていきたいと考えている次第です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 今、一番最後のパブリケーションバイアスについては当然検討するということですが、そういうのはこれからガイドラインで書いていくということですね。もうちょっと前の話で、私の心配は、消費者が変な期待感を持ってしまうのではないかとおっしゃったと思うのですが、私はもちろんそこがないとは言わないのですが、特保のところでさんざん経験しているところで、それは消費者が変な期待をするように書いてしまったり、宣伝してしまうのではないかということを主には心配しております。

消費者教育ということですが、私にはとても違和感のある言葉で、消費者教育ではなくて、皆さん方は消費者に対して適切な情報提供をする立場におありになると思っております。それは専門家なり、省庁というか行政のなさることであって、消費者に対する教育ではないのではないかという違和感を持ちましたので、一言つけ加えさせてください。

○阿久澤部会長 春日先生、どうぞ。

○春日委員 今度の場合に例えば、その研究計画について、UMINの臨床試験登録システム等に事前登録というのは、これはパブリケーションバイアスをなくすためのものですね。医薬品でようやくこういうのが始まった段階で、これは私の誤解かもしれませんけれども、食品に関して、そういう臨床試験をやるのに今までこういうことをやっているとは思えないので、それで私はパブリケーションバイアスがあるだろうと申し上げたわけです。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 春日委員がおっしゃることはもっともなところもあると認識しておりまして、やはり医薬品の分野からパブリケーションバイアスをなくす策として、こういう事前登録システムというのが定着してきたということを我々としても認識しております。それとあわせまして、医薬品の分野で先行していて、食品の分野が大分おくれているというのも実態であるということも認識しております。

私どもは、機能性表示関連のものとしては、3年程度前でしょうか、食品の機能性評価モデル事業をやっておりまして、成分ベースでエビデンスを評価した場合に、どういうふうな結果になるか、どういうふうな問題が起こるかという課題抽出、こちらを目的とした事業を行って、報告書を当庁のホームページに掲載しております。

この中で、もう既にいろいろなバイアスというものが疑われました。したがって、今後は業界が中心となって、事前登録、CONSORT声明、こういったものを踏まえた報告を推進していくべきであるというのがおおよそ3年くらい前に示されております。今回の検討結果は、当然それを踏まえた内容でございます。

具体な話で恐縮ですけれども、先ほどUMINの登録という話がありました。こちらの主目的はおっしゃるようにパブリケーションバイアスというものをなくすことでございます。つまり事前に登録することによって、その計画というものがオープンになりますから、後に、なぜ報告をしていないのかということが一目でわかるようになるという意味で、パブリケーションバイアスをなくすことにつながります。

ただ、もう一つの効果としては、後づけ解析をなくすという目的もございます。今まで、これは食品に限ってではないかもしれませんけれども、主にどの評価、どの項目を評価するかを本来最初に設定して、それで必要サンプル数を計算したりとか、統計解析をかけるわけでございます。ただ、ややもすると、そういった位置づけ、何を評価するかというのは曖昧に後づけでいろいろな項目を評価して、これで有意差があったから、これでやろうみたいなことがまかり通っていたという事実もございます。

ですので、最初に我々としては、こういう項目を主な評価指標にしますということを宣言をしていただいて、本当にそれで評価した結果、どうなったかというのがオープンになるというのが、今後適切な機能性表示にもつながってくると思っておりますので、そういう少なくとも2つの意味において、このUMINの臨床試験登録システムへの事前登録をそのうち、必須にしたいと考えた次第でございます。

○阿久澤部会長  それでは、迫委員。

○迫委員 2人とも1時で退席をさせていただきますので、私のほうから1点だけ意見を申し上げさせていただいて、河野委員から今、託されたのは、日程的なことを知らせてくれというようなお話でございます。

まず、いわゆる健康食品をどうするのかという問題がここには絡んでくるだろうと思っています。つまり、これは検討会の中の資料に出ていたのですが、消費者の健康食品に対する意向調査。その中で特保でもない、栄養機能食品でもない、いわゆる一般的な健康食品について、エビデンスが明確にあるとか、信頼できるとか、特に健康食品の利用者は大多数がそういうふうに思っているというような、そういう現実があります。

そういうものに対して、全く新たな制度がつくられて、これから健康食品が出てくるということであれば、一からの積み上げでいいのですが、現状が先行している中で、どうやってそこの中でいいものと悪いもの、玉石混交のものを仕分けていくのか。それに対して今回の制度は一つ期待ができるものではないかと。

ただ、そこでは先ほど情報提供とおっしゃいましたけれども、明確に情報提供をきちんとしていくというプラスアルファのものが必要になってくるだろうとは思っています。そういう意味で、期待をする制度であり、あるべき姿になれば期待できる制度であるということに言い変えさせていただきますけれども、そんなふうに思っているということでございます。

それから、日程のこと。

○河野委員 きょう、これで審議が終わってしまうのか。今回は1時までということで御提示いただいて、移動が必要ですので、きょうはどうなるのかを教えていただきたい。もし今後審議がここで延長されるのであれば、私は、個々の修正点については先ほどの私の意見書に書かせていただきましたので、そのあたりは意見として申し上げる機会はなかったのですが、ここでぜひ検討いただきたいということを申し上げたいと思います。

○阿久澤部会長 日程につきましては、きょうここで伺った御意見を、冒頭述べさせていただいたように、委員会のほうに報告させていただき、委員会のほうでその意見も含め、答申内容を検討するという日程になると思いますので、ここでの御意見を伺うというのは、きょうのみということになります。

先ほど、河野委員のほうからは、意見書もありますし、口頭でも伺っていますので、その辺の御意見につきましては、委員会のほうにきちんと伝えたいと思います。

○板倉委員 もう3時間を過ぎまして、発言も頭が働かない状況になっているのに、最後までけりをつけるためにまだ延長するというのは、私は非常に問題だと思います。ですから、次回にやっていただくということをぜひお願いしたいと思います。

○阿久澤部会長 ほかに御意見がないようでしたら。

○板倉委員 ほかにありますけれども、時間が足りませんし、ここの場でそれについて、また議論をしていくだけの皆さん方の気力も残っていないのではないかと思いますので、別の会に続きをお願いできればと思います。

○阿久澤部会長 確かに時間を超えていることは申しわけないことですが、どうでしょう。この先、もう少し時間をいただければとは思うのですが、もし御意見があって、発言されるということであれば。

○立石委員 板倉委員の言われることはもっともだと思います。一言言わせていただきたいのですが、もともとこの制度自体が規制改革の流れをくんで、制度ありきの中で動いているなという感じがあるので、制度上の弱点というのは石川委員が指摘されたとおりであって、特に機能性に関する内容確認、安全性のところについては非常に弱いですね。そのことが実は余り明確になっていない中で、まず表示ということについては、私もおかしいと。石川委員と全く同意見です。

ですから、やはり議論の場として、鬼武委員も言われたように、こういった場で今まで全くやっていなかったわけです。そういったことも含めて、とにかく通してしまえと。来年4月ありきということで進めているのはよくわかりますけれども、ここはもう少し、こういった制度については慎重にいろいろな角度から問題点や課題を見ていかなければいけない。

特に形式的審査のところが問題です。形式的審査というのはどこまでやるのかがわからない。届出制は登録制と違いますよと言いつつ、形式的審査の中身の精度というか、その実態が全然見えていない中で、それが本当に担保されるのかというところは、我々は全然見えない中で判断をしろということは非常に問題があると思います。

先ほど春日委員も言われたように、この食品に関して言えば、極めて機能性ということでエビデンスとか、そういったものが弱い。現実、例えば、大豆のイソフラボンは、食品安全委員会などの資料を見ても、かなり拮抗しています。多く摂り過ぎるといろいろな問題が出てきますよということが明確に書かれていたり、ああいう資料を見ると、やはり安全性の問題というのは、摂り過ぎるとか、そういうような表現とかを含めて、極めて難しいなと思っています。

そういった情報が、今、特保であれば食品安全委員会の情報とかを含めて見られるわけですけれども、これからそういったものがどこまで見られるのか。そういったところも含めて、この件はもう一回慎重に議論をしたほうがいいのではないですか。余り拙速にやることは非常に問題があると私は思います。

○阿久澤部会長 もう少し議論を重ねたほうが、よいという御意見ですね。

どうぞ。

○石川委員 制度の説明を聞きたい点で非常に重要な点ですけれども、形式審査で国の関与は基本的にないですよという形で届出で機能性表示を認めたとして、その後、エビデンスの問題等で科学的根拠がないということがわかった場合に、その表示の撤回を求めることはできるのかということについて非常に疑問があると。届出制度なので、撤回制度は基本的にないと思います。許可制度の取り消し、登録の取り消しというのはありますが、届出の取り消しは多分ないのだと思います。

そうすると基本的には何かお願いして、ちょっと取り下げてくれないかみたいな話をするときに、実際に食品表示法6条の指示とか指示にかわる措置命令ができるのかが非常に疑問に思っています。というのは形式審査だからです。形式なので、形式をとっているのだから届出をしたんですよと。後で論文に問題があったとしても、通っているものをどうやって戻すのですかという話になる。実体要件ではないのですね。機能性はあるという実体要件であれば、機能性がないことが後でわかれば、実体要件が欠けるのだから、その表示はできないという、わかりやすい話です。

ところが、形式審査なのに後で、実体でこれはだめですよという話になると、入口と出口の話が全然違ってくるんです。まずは要件が何なのかということについて、ヒアリングというか、レクチャーの際に聞いていたのですが、機能性のある科学的根拠があることと言うのですが、実際にこのガイドラインで考えられているのは、その科学的根拠があると思われる資料の内容という形で、資料の審査なのですね。言っていることが実体的な要件のことでありながら、手続は形式審査だという形で、そのあたりも実体と手続の関係がうまく見えてこない。

非常にいろいろな要素を盛り込んで、非常に精密につくられて、立法技術を駆使して、ここまでよくされたなとすごく感心するのですが、最後のところで実体なのか、手続なのか、そのあたりの届出制度との整合性が法律家としては十分説明を受けて、納得できていない。そういう制度なので、それをもう少し詰める作業が要るのだろうと思います。安全にかかわる規制の問題と登録、届出、許可、どれか国の関与はできるだけ避けたいという要素と兼ね合わせて、どういう制度が可能なのかをもう少し検討すべきではないか。そういう実体論というよりも制度論ですね。そこの検討が十分ではないので、現時点では表示制度として、諮問に承認を出すという時期ではないと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 事後的にエビデンスが足りていなかったことが判明した場合にどうなるのかいうことでございますけれども、これは機能性表示食品としての要件を欠きますので、機能性の表示はできないということになります。したがいまして、我々が今、考えていますのは、仮にそういった商品が発覚した場合には、通常の加工食品の表示にしてくださいとか、通常の生鮮の表示にしてくださいという指示をするということになります。したがいまして、届出が得られたその届出が有効であったとしても、以後、機能性の表示はできなくなるということでございます。

それから、届出制については幾つか御意見がございましたけれども、閣議決定の文では、企業等の責任で表示をするということになっています。つまり自己認証です。自己認証というのは、事業者が基準に適合していることを自分で宣言をして表示をするという制度です。したがいまして、そこからは国との手続が必要だということは、必ずしも出てくるわけではございません。届出をしなければいけないとか、あるいは登録をしなければいけない。そういうことは自己認証からは出てきません。栄養機能食品をお考えいただければ、すぐにわかると思います。

ですが、我々は安全性と機能性を担保するという観点から届出制を求めると。それから、届出の材料として安全性、機能性については一定レベルのものを求めると。したがいまして、先ほど塩澤が申し上げましたように、レビューであれば、こういう手順でやってほしいということを定める。それに乗っかってこないものについては、届出は受けつけませんよということをするということにしております。

しだかいまして、入口と出口は全くねじれてございません。表示はあくまでも表示が適切になされているかどうかということでございますので、その点で齟齬があれば、直ちに6条1項の指導等の対象になり得るということでございます。

○阿久澤部会長 石川委員のおっしゃられていることはまた違うと思います。制度施行上での法律上の根拠というか、法律上どの要件を具体化した制度なのかということがきちんと整理されていないということだと思います。

その制度につきましては、冒頭申しましたように、委員会のほうで慎重に審議していただけるかと思います。今の石川委員の制度にかかわる内容は根本となるところですし、この前の委員会においても、このような内容の御発言があったかと思います。委員会においても問題視しているところですので、この辺につきましては慎重に検討していく内容かと思っております。

○鬼武委員 まだたくさん質問がありますが、いいですか。

○阿久澤部会長 時間との兼ね合いになりますが。

○鬼武委員 時間の延長枠を決めてください。その上で発言します。

○阿久澤部会長 板倉委員は長時間過ぎるということなのですが、許されるのであるならば、もう少し延長させていただいて、意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

○栗山委員 私も長時間過ぎると思います。前々回は2時半、前回は2時までというあれですが、今からだとどれくらいの感じですか。

○阿久澤部会長 皆さんの意見を伺うと、このくらいの時間になってしまうんですね。この後、どれくらい意見が出てくるかということになろうかと思いますけれども、どうでしょう。続けさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。

では、鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 何時までにするかとか、そのタイムスケジュールを決めないで、先に話していいですか。

○阿久澤部会長 あと御意見のある方、いらっしゃいますか。鬼武委員のみでしょうか。鬼武委員、10分くらいでいかがですか。

○鬼武委員 まず、質問があります。表示制度の規定にかかわることなので、この件について、まず消費者庁のお考えを伺いたいと思います。

今回の機能性表示の規定が先ほどの私の理解が正しいとすれば、第3条2項に規定されたということで認識しております。第2条第1項第10号において、機能性表示食品という用語が定められておりますが、今回の食品の新たな機能性表示制度を食品表示基準として法制化する場合、第3条の横断的義務表示の第2項に該当する機能性表示食品に規定するか。それとも、加工食品の第7条の任意表示の機能性表示規定にするのか。その点について検討がどういうふうに考えられているのかということです。表示に当たっては、現行、国の許可が必要としていないとしている機能性表示食品を、国の許可が必要とする特別用途食品と同じレベルで規定することが適切であるか。もしくはそれにしないほうがいいのか。その辺のところについて、まず考え方の整理の点について、もう一度お考えをお尋ねしたいと思います。

○阿久澤部会長 お願いします。

○塩澤食品表示調査官 お答え差し上げます。今回の制度の規定がなぜ第3条第2項に規定されているのかといった御質問かと思います。加工食品の場合について、今お話ししますけれども、一般の場合の第7条、こちらが任意表示の欄になりますが、その任意表示のところは食品表示法の第4条、第1項に具体的に示されている表示事項、例えば名称、アレルゲン、栄養成分の量及び熱量など、幾つかの項目が具体的に列記されていると思います。こちらに派生する表示の方法を規定するものとして位置づけておりまして、例えば、栄養成分の量及び熱量に派生する表示の方法として、栄養強調表示ですとか、あとは栄養機能食品、こういった表示の方法を定めているものでございます。

他方、機能性表示食品や特定保健用食品に係る表示事項につきましては、先ほど申し上げました食品表示法の第4条第1項に具体的に列記されている表示事項に派生するものとは言えないと考えております。このため、この食品表示法第4条第1項の最後に、その他食品関連事業者等が食品の販売をする際に表示されるべき事項というものとして示す必要があると考えておりまして、こういう理由から、例えば一般用加工食品の場合は7条ではなく、第3条第2項に必要的表示事項を規定しているといった整理をしてございます。

○阿久澤部会長 それでは、石川委員。

○石川委員 この機能性の評価に当たっての最終製品を用いた臨床試験といわゆるシステマティック・レビューとの関係ですが、「または」なのですね。臨床試験はヒト試験とかがベストなのでしょうけれども、単体の試験でそれよりもシステマティック・レビューという形で複数の試験関係をあわせてTotality of Evidenceという形でやるということで、どうもその話を聞くと、システマティック・レビューのほうが優れた制度のように見えます。そういう優れた制度があるのに、なぜ臨床試験を重ねてやるのかという疑問があって、それはヒアリングのときに聞いて、システマティック・レビューができるほどにない場合は臨床試験だという話になるのですが、そうは言いましても棲み分けが要るのではないのかなという。「または」でいいのか、なと。もう既にシステマティック・レビューができるレベルのある臨床試験でいいのかとか、そのあたりはどちらが優劣するのかというのも結局のところはよくわからない状況になってきます。

さらによくわからなくなってくるのは、特保は臨床試験、ヒト試験だと。機能性表示食品は特保がとれないレベルの科学的根拠が弱いものを機能性表示で認めるような制度のイメージだったのですけれども、その中にシステマティック・レビューという非常に科学的根拠が高い制度を導入しようという形で、特保と機能性表示との棲み分けが私の頭の中で非常に混乱していまして、よくわからない状態に今なっています。

これでいいのかどうなのか。機能性の科学的根拠として一番コアになる部分ですけれども、このあたりについて、もう少しわかるように整理してもらいたいなと思うのですけれども、もう一度説明をお願いできますか。

○塩澤食品表示調査官 幾つかお尋ねがあったと思います。そのうちの1つは、エビデンスとしてはシステマティック・レビューのほうが強力に思えると。にもかかわらず、なぜ臨床試験を残すのかといった御質問だったかと思います。これは先ほどおっしゃったような理由が一番の理由でございまして、やはり昔から研究されている成分、食品ももちろんあろうかとは思いますけれども、比較的新しい食品とか成分も中にはございます。その中で新しいものについて、システマティック・レビューをやろうと思うと、なかなか論文が集まらないというのは実際としてあろうかと思います。したがいまして、このレビューについては成分ベースのもの、最終製品ベースのもの、両方ともよしとするのが適当ではないかと考えました。

では、なぜ臨床試験を残すのかについて、さらに補足の説明でございますけれども、国際的に見ても別に臨床試験、ヒト介入試験がだめだと言っているものでは全くございませんでして、例えばアメリカの事業者向けのガイダンスを見てみましても、ゴールドスタンダードと位置づけられているのはダブルブラインドのRCTという、専門用語で申しわけないのですが、ヒト介入試験で最もちゃんとしたデザインとされているものですが、こういったものが望ましいと書かれています。

また、コーデックスのガイドラインの先ほど御紹介した資料を見てみましても、よくデザインされた、そういうヒト介入試験が望ましいとされていることもございますので、ヒト試験がシステマティック・レビューに劣るということは必ずしもございません。

適切に行われたシステマティック・レビューは科学的にもちろん強力でございますが、レビューというのは複数の論文を束ねるものでございまして、その複数の論文は必ずしもいろいろな条件が完全に合致するものではございません。多少のばらつきというものはどんなに頑張っても生じ得るものでございます。

ですので、そういうばらつきの処理をどうするかという問題とか、それぞれのデザインについて、メリット、デメリットというものがございますので、とりあえず両方を設けることによって、あとはそれを適切に御活用いただくなり、消費者の方々にきちんとメッセージが届くようにしていただいて、あとは消費者の方々にお選びいただくというふうに考えている次第でございます。

○阿久澤部会長 よろしいですか。

○石川委員 そのシステマティック・レビューよりも臨床試験のほうが相対的に優れている場合もあり得るという。そうするとシステマティック・レビューはすごくいい制度なのだと思っていたのですけれども、その前提とする試験データの集め方によっては、もう一つな場合もあり得るということですね。

そうすると、システマティック・レビューの巧拙自体を審査するのかという疑問が次に出てきます。形式審査というけれども、システマティック・レビュー自体には巧拙があり得るとしたら、その内容まで踏み込んで消費者庁は考えて、届出受理番号をつけたりするのかという疑問が出てくるのですが、そこはどういう対応なのでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 もちろん巧拙というのはあるかもしれません。ただ、明らかにだめな論文というと言い過ぎですけれども、だめなレビュー、だめな報告というのは、必要的な事項が書かれていないというのがよくあるパターンです。私どもとしては、レビューにしても臨床試験にしても、その質の向上に寄与するような項目を事前に列記させていただいて、その各項目について必要事項を埋めていただくということを考えております。

このフォーマットについては先ほどから述べておりますけれども、それぞれの国際指針などを踏まえた項目というものをきちんと用意して、そこにちゃんと書き込まれないものについては、形式要件を満たさないものとして受理できないといったような整理で、少しでも適切な研究を根拠とした食品が世の中に出回るようにしていきたいと考えております。

○阿久澤部会長 よろしいですか。

○石川委員 その流れで、システマティック・レビューについて、それなりの審査をして不備があれば、訂正をお願いするなりして、再度、届出受理をするという形ですけれども、そこで事業者が科学的根拠があるのだと。レビューしているではないですかということで、その届出に基づいて表示させようという形で、新規定で2条の定義に当てはまるのではないですかと言われた場合に、消費者庁が違いますよと言った場合に出てくるのはガイドラインの通知なのですね。これは表示基準ではないです。表示基準の解釈にすぎないから、その一つの解釈にすぎないものについて疑義が生じた場合に、届出を受理せよみたいな形の行政訴訟が出ないのか。そういう疑問が実はあって、届出の段階できっちりとした形式審査に徹しないと、裁量的な要素ができますと、その時点でこの届出制度をばかにするのではないのかなと。入口でも法的に非常に懸念があると。さらに先ほどの執行体制でも実体要件なのか、形式要件なのかで、どちらのレベルでやるのかということについて、入口と出口が変わる可能性があったりするという点で、非常に巧妙につくられた制度ですけれども、疑問がどんどんわいてきて、今のままでいいのかというので、もう少し審査をしないといけないのではないかと思います。

システマティック・レビュー自体が優秀なことはよくわかったのですけれども、巧拙があって、審査に裁量の余地があるという点がきょうの話でも見えてきましたので、そのあたりをもう少し詰める作業が要るのではないかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

どうぞ。

○栗山委員 自分で時間を言っておきながら、すみません。今の巧拙などですと、特保のときでも出てきたのが結構、自分のところでつくっている研究所で発表している内部研究みたいなものが資料として上がってきたりしています。どこかに発表しているとか、査読があると言っても、もちろん中身の巧拙もあると思いますが、その論文のインパクトファクターだけが評価ではないと思いますが、出ている学会誌の中身とか、論文が掲載されている雑誌なり、そういうもののグレードもあると思いますので、石川委員のおっしゃった心配はそのとおりに思います。

もう一つ、先ほど、もし科学的根拠を持って、企業が自己認証をしているということで、そうでなかった場合は6条1項に従って普通の加工品や生鮮品にしてもらいますとおっしゃっていらっしゃったのですが、すみません、私は6条の1項が今、手元にないので、教えていただけたらと思います。

○越野課長補佐 食品表示法の第6条第1項でございますけれども、例えば、表示事項を表示しなかったり、表示の仕方が悪かったり、そういう場合は対象になりまして、指導を行いまして、ちゃんと直しなさいという指示をしまして、それと同時にちゃんと事業者を公表するという仕組みでございます。さらにそれに従わなかった場合は、ちゃんとしなさいと命令をする。そういうスキームでございます。

もう一個、食品を摂取する際は、食品安全から、安全性に重要な影響を与える事項がございます。それは緊急性を要するものは第6条第8項で回収命令とか、そういうもののスキームが食品表示法の中にあるということでございます。

○栗山委員 ありがとうございます。今、法律の情報をお願いしたのは、その中に「著しい」という言葉とかが入っていますか。科学的根拠を示して、それに違反した場合は今おっしゃっていただいたような指導が入る。普通の加工食品や生鮮食品になると伺いましたが、情報を知りたいなと思いました。

○越野課長補佐 こちらにもあるのですけれども、後ほどお届けするということでよろしいでしょうか。

○栗山委員 「著しい」が入っているかどうかを教えてください。

○越野課長補佐 調べます。

○阿久澤部会長 ほかには御意見ないかと思いますが、ありますか。

○塩澤食品表示調査官 少しだけ。先ほど栗山委員がインパクトファクターですとか、論文とか雑誌の質についてはどうなのだ、みたいな御発言があったかと思います。その点については検討会でも論点として挙がっておりまして、やはり何でもありというのはよくないだろうと。論文の質に関して何らかの一定の要件を考えて、それを講じていくべきであろうということが検討会でも示されまして、その旨、報告書にも書かれてございます。ですので、そういった観点から、何らか論文の質、こういうものを満たすもののような考え方は、今後示していきたいと考えております。

○越野課長補佐 第6条第8項でございますけれども、「著しい」ということではなくて、「重要な影響を及ぼす」と表現されています。その項目はごく一部のものでございますけれども、そのようになっております。

○栗山委員 細かくてごめんなさい。その「重要」というのは、どの程度を想定していらっしゃるのかなと。それは科学的根拠を示すとあったけれども、それに間違っていたら、普通の加工品にしますとおっしゃるのですが、そのときの「重要」は。

○竹田食品表示企画課長 今のお尋ねですけれども、回収のところについては、今、申し上げましたように「重要な影響」がかかっていますが、指示をするということについては、表示すべき事項を表示していないとか、遵守すべき事項を遵守していないということで対象になりますので、重要性とか、そういう価値判断は入ってこないということになります。

○栗山委員 ありがとうございます。

○塩澤食品表示調査官 関連してですけれども、どういうふうな表示事項が満たせなかった場合とか、そういう話なのですが、例えば、必要な注意喚起表示を怠ったとします。自分たちの製品ないしは成分があるものと相互作用があるとわかっているにもかかわらず、それを書かなかった、あるいは欠落していたとか、そういった場合には食品表示法でも安全性に重要な影響を及ぼす事項について、基準に従った表示をしていない場合というものの対象になり得るかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

それでは、鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 ほかの委員の方がいいということであれば、続けて質問します。何となく雰囲気として、皆さんが疲れていらっしゃるので、これ以上やると空気が読めないやつが一人いて、どんどん質問をして終わらないのではないかと言われるのは、私は嫌なので、まずお尋ねしますが、続けてよろしいですか。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○鬼武委員 では、まず1つ目です。資料2-2の3ページ、今回は表示の中身について1点お尋ねします。表示の中身については、報告書のところでも、これは消費者庁長官による個別審査を受けたものではないということで、報告書の中の10ページのところでも、安全性とかについては、特保とは違い、消費者庁長官が個別に認めたものではないという旨を書きなさいということで左になっていると思いますが、具体的な書き方としては、本品はということで、このラインが引いてあるものが今回の案だと思います。

なお書き以下のところに書いてあります、ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官による個別審査というものが、何に対して個別審査というか、ここには必要ではないかと思っていまして、機能性及び安全性について個別審査を求めたものではありませんと書くべきではないのでしょうか。報告書もそういうふうになっていますが、その点はいかがでしょうか。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 その点について、お答え差し上げます。この規定については、やはり現行制度との並びというか整合というのも踏まえるべきであろうという観点のもと、考えたものでございます。具体は何かと申しますと、こういった記載は栄養機能食品でも必要的表示事項として規定されてございます。具体的には、例えば、栄養表示基準をごらんいただくと、この栄養機能食品の必要的表示事項の一つといたしまして、消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない旨、これを書くべきだという規定がございます。

栄養機能食品についても、安全性や機能性とか、要は特保と違って個別に審査したものではないという点において、そういった規定が設けられております。つまり安全性もその食品の機能性も特保と同じような形で審査されているわけではないという意味で、個別の審査を受けたものではない旨という規定がございます。ですので、その並びをとって、今回のような案を考えた次第でございます。

○鬼武委員 制度的にほかの並びとそろえたというのはわかるのですけれども、審査を受けていないという中身が、この報告書の中身からも有効性と安全性ということが書かれているので、それは私の意見としては、そういうものは入れるべきではないでしょうか。きちんと消費者に理解をしてもらうという点で言えば、そういうふうに具体的に表記することが重要とする意見を持っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

どうぞ。

○池原委員 表示のところですけれども、今回、2カ所、努力して短くしていただいたということで、それはたいへんありがたいと思っていますが、それでも相当な表示の量だと思います。消費者庁長官に届け出た内容を表示するということで、それはもちろん届け出た内容によるのですが、それをそれなりに推定した上で、これらの表示を全てやった場合に、どのくらいの面積になって、現実的に、これは表示ができるのかどうかというところについて、何か活動されていましたら、ぜひ御紹介いただきたいのですが。

○塩澤食品表示調査官 その点についてでございますが、今おっしゃるように、どういう表示をしたいかとか、ケース・バイ・ケースだとは思いますので、厳密にこうということは申し上げられないのですけれども、我々は想定されるようなシミュレーションを組んで、何平方センチメートルくらいであれば、おおむね書けるかというのを試しております。

我々の得ているデータとしては、おおむね60平方センチメートル程度あれば書けると。ただ、30平方センチとか40とかだと、ちょっと厳しいかもしれません。

○池原委員 機能性表示でオンされるところだけでですか。全てでということですか。

○塩澤食品表示調査官 全部です。

○池原委員 わかりました。

○阿久澤部会長 それでは、どうぞ。

○鬼武委員 今回、安全性の確認なりガイドラインということが出ていないところで不十分で、個々での議論ができないということは非常に残念な部分があります。これまで消費者委員会の親委員会(本委員会)のほうでも審議をまだやっていないし、実は報告書が出た段階でもガイドラインなり、その点については関係者が一番聞きたい部分です。この制度の概要だけですと、なかなか理解ができなくて、それを先送りというか、先延ばし、次の会議でこちらでしますということで出されていると、我々はどこの部分でガイドラインや通知について担保して、最終的にこの部分についてはアダプトというか、採択できるのかということで、そこが非常に難しいなというのを感じています。

1点だけ、お願い、要請があります。この間、厚生労働省なり各省庁との協議を今後するということで財務省も入っていますが、安全性のガイドラインについては従前から、食品安全基本法の中では食品安全委員会が関与するということになっていますので、これについてはぜひガイドラインなり、今までの考え方、科学的なエビデンスの必要性等のことについてはリスクアセスメントの立場から、同じ内閣府である食品安全委員会のほうにぜひ意見を聴取していただきたいというのを意見として持っております。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。ガイドラインのないままの審議というのは、前にも問題視されている内容ですけれども、このガイドラインの内容は報告書の内容も含めて、しっかりとガイドラインあるいはQ&Aに盛り込まれていくと考えてよろしいですね。

○鬼武委員 あと、食品安全委員会にぜひかけていただきたいのですが、その辺はどうですか。

○竹田食品表示企画課長 ガイドラインを現時点でお示しできておりませんけれども、消費者委員会の本会議でも御説明させていただきましたが、報告書の内容をきちんと漏れなく落とし込んでいくと。さらに詳細に書き込んでいくということで緩くなるということはございません。

ガイドライン作成に当たってでございますけれども、私どもは当然、必要な者、必要な団体、必要な機関には意見をお聞きしてやっていきますので、そこのところはお任せいただきたいと思います。

○阿久澤部会長 よろしいですか。

○鬼武委員 だから、必要な部分については食品安全委員会にも諮るということですね。

○竹田食品表示企画課長 必要があれば、ということでございます。

○鬼武委員 国会答弁みたいなのはやめましょうよ。我々はそうではないのだからわかりやすくお答えください。

○阿久澤部会長 立石委員。

○立石委員 届出制の項目は全容が見えないのですけれども、先ほど気になったフレーズがありまして、要は一般消費者向けと専門家向けというか、そういった情報が2つあるということについてです。要するに公開される情報と公開されない情報があるのかどうか。この制度を担保する要因の一つは、多くの人が目に触れて、形式チェックされ登録番号が付与されたとはいえ、届出された中身を多くの方が見ることができて、問題提起できるということです。そのチェックの中身がどの程度までできるかというのは、いわゆるフルスペックで情報が出されるのかどうかというところの問題となります。消費者委員会の答弁では、竹田課長からフルスペックという言葉が出たので、私は安心していたのだけれども、フルスペックということで、あらゆる情報が全て開示されるのかどうか、その辺がよくわからない。

相互関係、相互的な作用はいろいろな成分なりを含めて、かなりのところがわからないとチェックできないわけでありまして、そういう届出項目についての情報はどの程度なのか。一般向けと専門家向けは、いわゆる消費者庁しかわからない情報とそうでない情報とが2つあるのか。その辺を教えていただけませんか。

○塩澤食品表示調査官 まず、消費者のほうは置いておきまして、詳細版について、お話しします。詳細版の情報開示でございますけれども、これは原則、届出をしていただいたもの全てでございます。ただ、先ほども説明につけ加えさせていただきましたが、企業秘密にかかわる、その企業独自の技術による製法とか、企業秘密にかかわるところについては、消費者庁には届け出ていただくけれども、それは情報開示の対象にならないとか、そういった整理は若干はあると思います。ただ、それ以外のものについては、すべからく開示対象としたいと考えております。

なお、今の特保の制度につきましても、特保では情報開示請求という手続にのっとって情報が開示されるわけですが、今、申し上げたような企業秘密に関するものについては、マスキング対象になっております。ですので、そういうのも踏まえた情報公開というのは当然やっていくものと考えております。

また、一般の消費者向けの情報でございますけれども、これは詳細版というものを一般の消費者に、さあ読んでくださいと言っても、それは全く理解できないということが予想されますので、必要な情報について、普通の人がわかるようなもので資料をあらかじめつくっていただき、それを開示するということを考えております。

なお、例えばシステマティック・レビューにつきましては、どういうふうな項目、どういう構成で一般の人用をまとめる方法というのも国際的に整理されてございますので、そういったものも踏まえつつ、適正に一般の方々に届くような情報のあり方を我々として、ガイドライン等でしっかりお示ししていただきたいと。企業等の方々については、それを踏まえて書き込んでいただきたいということを考えてございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

最後、お願いします。

○石川委員 これまで批判的なことを言っていましたけれども、今回の制度の中で義務表示事項として、消費者の誤認をさせないような義務表示事項をたくさん出していただいたことは大変評価できるところで、これはぜひともこのまま義務表示事項は残すという形で進めていただきたいと。その表示禁止事項としても義務表示事項に関するような表示を禁止されているということで第9条にそういう記載があるのですが、これは容器包装表示に限っているという点で、せっかく表示を禁止しているのに広告はオーケーみたいな話になって、表示と広告の規制のすき間は昔からあるのですけれども、これを何とかしてほしいなと。せっかく容器包装で書いてはいけませんと、消費者庁の許可とか個別の審査を受けたものではありませんと書いていても、実はとかいう話でセールストークで違うことを説明しても法令上は何の問題もないと。そのあたりは非常に制度的に義務表示を求める法律の制度趣旨からしてもおかしいので、ここだけは広告まで拡張できると思います。そのあたりをもう少し、範囲は広がりますが、ぜひとも検討してもらいたいと思っています。

○阿久澤部会長 新開発食品調査部会のほうでも話題というか、検討すべき事項ということで、ワーキンググループのほうでそれも検討していくということになっておりますので、大きな問題点だと思っております。

どうぞ。

○鬼武委員 もうきょうで審議が終わるのですが、今後のスケジュール的なところと、WTO通報を今回日本が新たな食品表示制度を作成することについて、その辺のところの日程を教えていただけますか。

○越野課長補佐 WTO通報のことについて御説明させていただきます。11月11日に通報(※) させていただいております。60日間の期間でございますので、今、募集中でございます。現段階のところでは、まだ意見は各国から来ておりません。

以上でございます。

※WTO通報は11月11日に開始した旨の発言がありますが、これはJETROの掲載日であり、WTO事務局からの配布日は11月3日です。(消費者庁からの補足連絡による追記)

○阿久澤部会長 それでは、よろしいでしょうか。

どうぞ。

○板倉委員 私も頭が働かない状況になっているのですけれども、まず、この制度自体はセルフメディケーションということを本当に考えていないと思います。先ほどから、食品だから、食品だからと言われますけれども、食品だから緩くしていい、食品だから消費者は安全だと思っている。そういうものを利用しながら、薬事法に触れない範囲で機能を表示する、医薬品的な効果を期待させるようなことをするものを、お墨つきをあげて、表示してもいいとするものだろうと思っています。

ですから、そもそも制度自体が存在するべきではないと思うのです。ただ、政府決定ということで進んでいるということなので、それに少しでも消費者の方が誤解を招かないように具体的な表示の議論をしていただきたかったと思います。ガイドラインも何も出ないままで、それでこうなるから、これで判を押せみたいな形で会議にかかってきて、しかも時間がもう過ぎているから、終わるまでにそんなに延びては困るという形で、頭が働かなくて議論もできないような時間になってから、こういうことについて最後まで押し通そうとする議事運営の進め方自体、私は非常に問題だと思っています。

薬事法との関係で、名前自体は薬事法でなくなっていますけれども、どうやるかについては、例えば部位の表示についても具体的には何もわかっていないわけです。事業者の方もそうでしょうけれども、消費者のほうにしても、反対しようにも賛成しようにも、どうなるのかがわからないということです。

私は、どこかでいい加減なものが通ったときに、既得権という形で、ほかの事業者でオーケーをとったので後発もそれについて同じあればいいという形で、結局、裁量行政で最終的に緩くなってしまう制度となっていくのではないかという心配をしています。新開発食品の表示の部会で、いろいろな広告等について、私たちが問題点について発言をしていても、それは前にも認めているから、この商品について禁止することはできないという形で御説明をされます。

いろいろな場面でどういう方々が判断をされるか、ガイドラインも、かなり個人差が出てくるわけですね。そういうところでどなたかが非常に緩いものをやった。それがずっと踏襲されていって、結局日本では医薬品も食品もどこら辺でどう線引きをしていいのかがわからないという状況で、本当の意味できちんとしたセルフメディケーションが消費者にもできない。医薬品等について、きちんと正しく選択して利用することができないというような状況になっていくことが全体像として問題になると思います。

細かいところでは、例えば先ほどから、表示するときに面積がどうのとおっしゃるのですけれども、そもそも機能性表示は企業が自分たちの商品を売るために表示をしたいということなのにもかかわらず、どうして文字数がどの程度だったら書けないから困るとかいうような意見が出るのか。そもそもそれ自体をもし呑まれるとしたら、消費者視点に立った会議ではないと思っています。

もう一つ、河野委員からの御意見等についても、例えば問題があった事業者について公表されるのかどうかとか、そういうようなことについても意見としては出ていても、最終的にはどうなるのかもわからない状況があります。どこまでのどういうものなのか、受け付けなかったものについての実態について、きちんと公表していくということも今後は作業として必要になってくるのではないかと思います。

そうでなければ、単にガイドラインという形で筋引きがあったとしても、その読み方は個々によって非常に違ってきますし、担当者が変われば、当然変わってくるという話になると思うので、前に受け取らなかったものについて、きちんと残していくということが必要だと思います。

あと、安全性についての担保ですけれども、消費生活センター等について情報が入ってくるというようなことも書かれていますが、まず、こういう問題が起きたときは事業者さん、販売者さん、製造者さんに苦情が行くのが当たり前のことであって、消費者対応がよければ、消費生活センター等には出てこないわけです。むしろ本当に被害の未然防止を考えるとすれば、企業のほうには苦情について全て受け取るということと、それをきちんと記録するというようなことをシステムとして義務化して、なおかつ、それについては少なくとも行政側がチェックができるというような形にしていただかないと、安全性は非常に問題が起きたときだけ初めてチェックができるというような状況です。しかも消費者の方が、まだどの程度に効果があるかということがわからないものについて、自分でお金を払って商品を買うわけですから、せめて安全性については、具体的に現状で、どの程度まで安全性についての情報が把握できるのかということを踏まえて、具体的なシステムをつくっていただきたいと思います。

やはりこういうものについて、ほかのものと一緒に、たかが3時間とか4時間の議論で、それで最終的に承認をするようなことはできないわけで、今、2時ですけれども、例えば2時半までやったところで、消費者委員会自体がおっしゃっているような議論を尽くしたということにはならないと思います。

そういう意味でも、私は石川委員の考え方はもっともだと思いますし、そういうものについても、もう少しほかの委員の方々とも議論をしたかったわけです。後から議事録を見て、それで判断して意見を出してもらえばいいです、みたいな形ではなくて、あくまでここの場というのは、コンセンサスを得るためのそれぞれの方がいろいろな発言をする場となってもらいたいので、ぜひ中途半端に時間を切って、ほかに意見がありませんから、これで承認しましょう、みたいな話で取りまとめてはいただきたくないと思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 すみません、先ほど細かな点ですけれども、重要な点だと思いますので、1点補足をさせていただきたい点がございます。例えば、指示とか命令とか、そういった対象になった場合に、その会社の名前を公表するようにすべきだという御指摘がございましたが、これは既に食品表示法第7条で担保されてございます。ですので、6条の規定に引っかかるような事業者については、当然、会社名が公表されるというものでございます。

○板倉委員 6条の「重要な」というもののとり方が違うということを私たちは言っているはずです。栗山委員が先ほど御発言をされたのも、重要という言葉の程度が人によって曖昧であるということだと思います。

○竹田食品表示企画課長 重要というワードが入っているのは回収のほうの措置でございまして、表示の一般については、そのような価値判断はございませんので、表示すべき事項、遵守すべき事項に違反があれば、指示の対象になるということでございます。

○板倉委員 指示は必ずしも公表とは限らないのですね。

○竹田食品表示企画課長 6条1項に基づきまして指示をしたものは、7条に基づきまして公表されます。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○石川委員 1点だけ。基本的に言いますと、食品表示基準の改正だけで対応すべきマターではないと。健康増進法であるとか、薬事法改め医薬品等の品質安全確保法ですかね。というような法律上の制度として導入すべきだと思いますので、そういう制度設計をしないから、こういういびつな構造が残ったままになっていると思います。ですから、もう一度この根拠条項のところから見直していただきたいと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○栗山委員 私も石川委員の意見に賛成です。

○立石委員 私も賛成です。

○阿久澤部会長 先ほども申しましたけれども、今回、私がここで皆さんにお伺いしているのは、制度がもしできたならばを前提とした基準案についてですが、制度が問題だという御指摘が多いわけです。

○石川委員 きょうの議論は、食品表示基準制度の中でしか議論していないです。制度と部会長がおっしゃっているものはいまないです。食品表示基準の中でまとまってしまっているんです。その外側に制度をつくった上で、食品表示基準をつくりましょうという御提案をしているので。制度論イコール食品表示基準論そのものなので、今回の議論はここの部会のマターを全然超えていないと理解しています。

○阿久澤部会長 今の御意見に対して、皆さんから賛成という意思表示がありましたけれども、結論として、要するに今回はもとが適切でないということで、基準案についても適切でないと考えるということでしょうか。

○石川委員 その出発点が食品表示基準から行ってしまったので、安全規制も入れられないし、なかなか工夫をされて、非常にすごい制度をつくられたと思いますけれども、やはり出発点から無理筋だったから、そこを法律から入れたら、もっとすっきりした制度になるのではないかと思いますので、まだ食品表示基準が施行は5年先まで猶予があるわけですから、別にそれに合わせるような形でもいいのではないでしょうかということで、もう少し考えていただいて、もっといいものにしてはどうでしょうかと提案をしています。

○阿久澤部会長 基準案そのものを全否定するわけではないということですね。

○石川委員 いいところもあります。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○池原委員 確認させてください。消費者委員会の本委員会での議論が既に1回あって、そこから、あるテーマについて食品表示部会で議論をしなさいという、最初はそんな御説明だったと思いますけれども、役割分担みたいなものが、もしあるのであれば、それを確認していただいた上で、今のお話は、それに該当するのかしないのか。そこを整理していただいてよろしいですか。

○阿久澤部会長 冒頭申しましたように、制度についてはこの前に委員会での議論を皆さんは御承知かと思いますけれども、おおむねという形での制度としてはよろしいだろうと。そして、きょう石川委員からも御指摘があったような、制度についての御指摘も多々あるわけですけれども、おおむね適当だろうということをもって、それぞれの専門分野からの委員に基準案について御検討いただくようにということできょう皆さんにお伺いしているということです。

ですから、その基準案について、適切であるか、適切でないか。適切でないのであれば、どこが適切でないのかというようなことを本委員会に戻し、本委員会ではその内容も含め、答申内容を議論するということになります。

○池原委員 基準案は具体的に言いますと、資料2-2の内容であるということでよろしいでしょうか。

○阿久澤部会長 そういうことです。

○池原委員 これだけ議論をした結果、この2-2の基準案については、結局、ここの結論としては、どうなったと理解したらよろしいですか。

○阿久澤部会長 ですから、この2-2に具体的に触れたのは鬼武委員からの個別審査のところだったのですけれども、それについては鬼武委員も御納得されたということかと思います。

○鬼武委員 解釈ですね。

○池原委員 要は、トータルで、特に指摘するようなことはないということですね。

○阿久澤部会長 それと関連することで御意見として、いろいろと御指摘は伺っているという内容かと思います。

○石川委員 でも、私の意見は、結局2条の10号の定義そのものに疑義が生じているわけです。届出という概念とか科学的根拠を有するとかですね。その点でこの定義自体にもう少し練り直しをする必要があるとすると、これを前提にした全ての制度について見直しが必要になってきますから、食品表示基準としてはもう少し検討をするべきであるという意見になります。制度論としては食品表示基準しかないので、そういうことです。

○阿久澤部会長 そうすると、御指摘の内容を盛り込んだ形の基準案になれば、よろしいということですね。

○石川委員 多分それは基準だけだと難しいと。先ほどから言っていますけれども、特保は特別用途食品制度という健増法26条1項と29条に基づいていると。栄養機能食品も栄養表示という健増法31条に基づいていると。こういう別の実体的規定に基づいて、それに適合するような表示基準をつくっているという構造になっていますので、そういったものが機能性表示食品でも必要ではないのかと。そういう意味で健増法あるいは医薬品等の品質安全確保法、薬事法改め、あのあたりの規制をする必要があるのではないか。それを踏まえた上での、この定義づけという制度設計にすべきではないかと思います。

○阿久澤部会長 そうしましたら、今回問われている基準案は、適切であるという方もいれば、今、石川委員、また石川委員と同様の意見を持って、その理由でこの基準案は適切ではないということの理解でよろしいでしょうか。

○立石委員 適切ではないということは、材料が不足しているわけです。要するにガイドラインが示されない中で、内容確認、安全性のところとか、そういうところについて、今の中身だけでは極めて脆弱な制度なのです。だから、石川委員が言われた意見に私は賛同するわけです。脆弱な中身をこの中で判断しろと言われても、判断材料がないでしょうと。

○阿久澤部会長 それについては準備する。要するに報告書に基づいて、あるいは意見等も参考にしてつくるという御回答をいただいているということだと思います。

○板倉委員 関連ではないのですけれども、報告書で3ページに、本報告書における臨床試験云々という説明書きが下に書いてあります。臨床試験という言葉自体について、医薬品との混乱等も含めて、そういうような視点でお考えいただいたりはしているのでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 報告書の3ページの注にもございますけれども、こういうふうな注をつけて、臨床試験という言葉を使うのが適当ではないかという検討会の議論の方向性でしたので、それを踏まえたものでございます。

○板倉委員 非常に気になるのは、臨床試験という言葉自体がひとり歩きをしてしまって、臨床というのはクリニカルというのが、そもそも臨床と日本語に訳されたところからクリニカル、イコール臨床だとお話になったと思うのですが、臨床というのは床についている人に臨むという字です。

ですから、そもそもその言葉を最初に使ったときは当然、医薬品が対象だったわけで、臨床ということで妥当だったと思いますけれども、あえてここに注書きをしてあって使っている言葉がひとり歩きをしてしまって、いろいろな食品に臨床試験の結果4人で差が出ましたとか、そんなような話になってしまうと、言葉自体も非常に医薬品との差別化ができなくなってしまうということがありますので、そういうような言葉についても、ほかにもあるかもしれませんけれども、御検討いただいて、ぜひセルフメディケーショという意味でも、きちんと使い分けができるようにガイドラインをおつくりいただければと思っております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

石川委員からの御意見によると、制度と基準案を切り離して、基準案だけがここで適切か、不適切かということはできないという御意見かと思いますので、石川委員の意見を主体として、またそれに賛同する委員も何名かおったわけですので、今回はこの基準案について適切、不適切は特にここで問わず、石川委員の意見を主体に委員長に報告し、委員会で検討していただくという形にさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○鬼武委員 あわせて、きょう議論となった中身で重要な点については、ぜひ報告していただければと思います。

○阿久澤部会長 当然それはさせていただきます。制度に限らず、機能性あるいは安全性、その要件について、食品安全委員会との協議をしてほしいという、鬼武委員あるいは河野委員からもあったかと思います。それと執行体制を充実させてほしい。あるいは消費者への啓発ですね。この辺もしっかりとしてほしいということ。そして、ガイドラインあるいはQ&A、これらにしっかりと報告書あるいは今いろいろ多くある御意見を反映させて、しっかりとつくってほしいというような多くの意見がございましたので、その辺も含めて委員会のほうに報告させていただくという形にさせていただきます。

○板倉委員 安全性については今のようなやり方だと、私は担保されると思っていません。御説明いただきましたけれども、例えばテストなどでも十分ではないと思いますし、それらを通っていくというものでもないと思います。鬼武委員が御提案になった語句、安全性を加えるという部分についても私は賛成しておりますので、そういったことについてもぜひ入れていただければと思います。

○阿久澤部会長 御報告させていただきます。

今回の議論につきましては、本委員会のほうに報告させていただきます。

では、この案件につきましては、これで終わらせていただきます。

最後の議題ですが、立石委員から1つ意見書が出ておりますが、時間もすぎておりますのでこれについては次回ということでよろしいでしょうか。

今回はこれにて終了とさせていただきます。毎回長時間で本当に申しわけございません。どうもありがとうございました。

では、次回の日程について事務局から説明をお願いいたします。

○大貫参事官 次回の日程でございますが、12月10日を予定しております。よろしくお願いいたします。

○阿久澤部会長 どうも本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございました。

≪4.閉会≫

(以上)