第21回 新開発食品調査部会 議事録

日時

2014年9月17日(水)16:00~17:25

場所

消費者庁記者会見室

出席者

【委員】
阿久澤委員、板倉委員、大野委員、木戸委員、久代委員、栗山委員、古野委員、清水委員、寺本委員、山崎委員、山田委員、唯根委員
【参考人】
参考人1名
【説明者】
消費者庁 食品表示企画課
【事務局】
黒木事務局長、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領等の改正について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

その他

 本調査会の議事については、新開発食品調査部会設置・運営規程第6条第2項に基づき、個別品目の審査内容が許可申請を行っている事業者の権利または利益を侵害するおそれがあるため、非公開とします。

≪1.開会≫

○大貫参事官 ただいまから「消費者委員会新開発食品調査部会第21回会合」を開催します。

本日は、□□□委員、□□□委員が御欠席との御連絡をいただいておりますが、出席者が過半数に達しており、定足数を満たしていることを報告します。

参考人といたしまして、□□□の□□□先生に御出席いただいております。

それでは、議事に入ります前に配付資料を確認させていただきます。

お配りしております資料ですけれども、議事次第の4つの資料をお配りしております。不足がございましたらば、事務局にお申しつけください。

それでは、阿久澤部会長、議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領の改正について≫

○阿久澤部会長 それでは、「特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領等の改正について」、平成26年9月17日、第21回調査部会の審議を始めたいと思います。

改正案は別添1(資料1)から別添4(資料4)まであります。特に多くの御意見がありました試験計画書の追記、保健の用途ごとの留意事項が具体的に示されています特定保健用食品申請にかかわる申請書作成上の留意事項、別添2(資料2)につきまして活発な御意見等をいただきたいと思います。

それでは、資料番号順に進めさせていただきたいと思います。


(1)別添1(資料1)

○阿久澤部会長 初めに、資料1「特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領」について、消費者庁から御説明をお願いしたいと思います。

○消費者庁食品表示企画課 それでは、説明させていただきます。

まず、資料1ですが、「特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領」について、こちらは細々とした修正はございますが、大きく変わったところ、3月から追記をしたところがありますので説明させていただきたいと思います。

それは1か所でございますが、19ページをお開きください。

今回御用意させていただきました新旧対照表は、現行の通知からの変更点を全て網羅したものでございますので、ほかにも修正箇所は幾つか下線を引かせていただいているところではございますが、今回追記したところは19ページの下の半分、「(5)商品の表示及び広告」のところでございます。

こちらは、ことしの3月、一部特定保健用食品において表示がこちらに提出されたものであったり、内閣府令及び通知とかを逸脱した事例というのが見受けられたといったことで、今後こういうことのないようにということで、表示事項の変更があったときの変更届を出していただくということにはなっているのですけれども、実際販売をされたときにどういったものが販売されているかという実物の写真を送ってくださいということを通知の中で追記させていただいているところでございます。

読み上げさせていただきますと、最後の3行なのですけれども、「なお、商品が販売される際には、当該商品の表示が、許可等申請書及び変更届と齟齬がないか確認するとともに、当該商品の表示部分が分かる写真を消費者庁食品表示企画課へ送付すること」を追記させていただきました。

別添1について大きく変わったところは以上でございます。

○阿久澤部会長 それでは、これについての御意見等をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○板倉委員 まず最初にお聞きしたいのですけれども、消費者委員会のほうでこういうルールについて、今回は指導要領ですけれども、議論をしてこちらの見解として出すわけですけれども、その場合に、その後は消費者委員会の本体のほうで議論されて公開される、最終的に判断されて消費者庁のほうに行くというようなことで、その場合に消費者庁のほうでこちらの判断が覆されるというようなことについてはあり得ると考えてよろしいのでしょうか。

○阿久澤部会長 これは、例のノンアルコール飲料の特保の件に関連したことかもしれませんが、これについて消費者庁あるいは事務局、まずは消費者庁のほうに。

○消費者庁食品表示企画課 今回の通知の改正において消費者委員会の御意見を聞くということについては、法令上定められているものではないのですけれども、特保の申請があった際に、その有効性、安全性について消費者委員会及び食品安全委員会に意見を聞くとされており、科学的な妥当性について毎回意見をいただいているといったことでございます。今回、審査基準の見直しも含めているので、この通知の改正においても意見を聞かせていただいているところでございます。

具体的に委員会様のほうから意見が返ってきたときに、今回の目的と通知の改正の目的と合っているかどうかというところも議論をさせていただきたいと思っておりますので、具体的にどういった内容になるのかというところまではわからないところで、覆るかどうかというところまでお答えすることができるかどうかは、この場で回答することはできないというところでございます。

○阿久澤部会長 そうしましたら、多分今の質問は、一部の報道で消費者庁が許可の方針を決定したと報じられていまして、気になさっているということも含めまして、現状について事務局のほうから報告をお願いしたいと思います。

○大貫参事官 先日、一部で報道がございましたけれども、ノンアルコール飲料の特保の申請についてでございます。消費者委員会がノンアルコール飲料の特保の申請に関して許可は不適当というふうに答申を行った件についてでございます。

報道の内容ですが、許可の方針というふうに報道されておりましたが、この報道は誤っており、消費者庁から現時点では方針は決まっておらず検討中というふうに聞いております。消費者委員会事務局としてもそのように認識しているところでございます。

以上、御報告申し上げます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 今、大貫参事官のお返事の前に、消費者庁のほうから有効性と安全性について科学的な検討をというのが消費者委員会の審議するときの役割のように確認したのですが、ちょっと一言、私は科学者でも法律家でもなく一市民なので、今回のノンアルコールの場合も科学的にこれを、あの新聞報道が誤報であるという前提で、あれが全然間違いとおっしゃっているのにその記事を取り上げてというのは何か申しわけないのですが、科学的な根拠であれを認可しないわけにはいかないというような方向性だったと思うのです。今、まさに有効性、安全性を科学的な視点からというふうにおっしゃったのですが、消費者委員会の食品表示部会には、まさに科学的根拠を議論するために入っているのではないと私自身が認識しているのです。消費者としての意見を言ってくださいと言われて委員に入ったと思っているのですが、そこら辺はどうなのでしょうか。私、科学的根拠も法律的な問題も決して判断できる立場の人間ではないのですが、そこら辺のところで議論に加わってもいいものでしょうか。

○阿久澤部会長 お願いします。

○大貫参事官 恐縮でございます。あの報道ぶりの中で科学的根拠に基づきということが報道されていたところでございますが、消費者委員会事務局としての理解では、この部会で審議された内容が有効性についての科学的な根拠という中に、この食品が食生活を改善しという、それが前提になっているわけでございます。その部分についてノンアルコール飲料についての2品目について条件を満たさないという科学的な根拠があったというふうに認識しておりますので、この部会で出されました結論については有効性についての科学的根拠に基づいた答申がなされているというふうに認識いたしているところでございます。

また、栗山委員の御発言でございますけれども、科学的根拠というのは必ずしも自然科学に限った話ではないと思うのです。社会科学的なものも含めまして一種の科学的根拠であるということであると思いますので、消費者としての御意見を存分に御発言いただいて、この会議体としての結論を科学的に出すことができれば、それはそれでよろしいのではないかというふうに事務局としては考えております。

○阿久澤部会長 栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 ありがとうございます。

今のは消費者委員会ですよね。重ねて申しわけないのですが、消費者庁としては、独立した存在であるということを前提に私たちが許可したものを、今回のことは誤報であったとしても、私の今の質問を消費者委員会ではなく消費者庁はどのように考えているかを教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。

○阿久澤部会長 何か御見解があればお願いいたします。

○消費者庁食品表示企画課 消費者委員会様から返ってきた答申内容も踏まえて全般的に判断してまいりたいというふうに考えているといったところでございます。

○栗山委員 今のはすごく限定的に、一消費者としての発言というのは、いわゆる科学的根拠の中に消費者庁さんとしても入れていただいているのかどうか。今、委員会はそうおっしゃっていただいたのですが、自然科学だけではなく社会科学の面からも私というサイエンティストではない人間が入っていて、それを発言することは続けてもいいのでしょうかという確認に、多分、委員会さんは確認をしてくださったと思うのですが、まことに申しわけないのですが、消費者庁さんはいかがお考えでしょうかということを伺わせていただければと思います。

こんなことを考えたのは、まさに誤報ではあろうかと思いますが、まだ検討中ですよね。そこの書いてある新聞記事を読んで、これが誤報であるというのはどこからも情報が入ってこなかったので、そういう意味で私の立場というのはどういうのだろうというのを改めて考えた結果の質問なので、この場のあれではないのかもしれないのですが、委員会さんにお答えいただいたので消費者庁さんからもお答えいただければと思いました。

○阿久澤部会長 どうぞ、大貫参事官。

○大貫参事官 事務局のほうからで恐縮なのですけれども、消費者庁さんのほうは、あくまで消費者委員会としての組織としての答申に対してそれを御検討いただくということでございますので、個別の委員のそういう思いに対して必ずしもお答えをいただけるのかなというふうに思います。

○栗山委員 わかりました。

○阿久澤部会長 それでは、よろしいですか。

どうぞ。

○板倉委員 ちょっと教えていただきたいのですけれども、先ほど御説明いただきました19ページの「商品が販売される」云々のところですけれども、表示と広告ということですけれども、ここでおっしゃっているのは、例えば、私自身は許可文言についての表示の議論をここで消費者委員会としているということであって、容器包装につけられているところまでの議論を十分し尽くして判断しているわけではなかったわけですけれども、それはどちらに入るのでしょうか。

それから、変更されるという場合は、申請時にこういう容器になるというような1枚ぺらの紙が出てきたら、それは私たちが見て承認したことになるのでしょうか。それだけ確認させていただきたいです。

○阿久澤部会長 消費者庁、お願いいたします。

○消費者庁食品表示企画課 いつも諮問をさせていただいているときには審査資料一式をそれぞれ先生方のほうにもお渡しをしているといったところでございます。その中に表示見本もつけさせていただいているといったところから、それ全体を見て御判断いただいているのかなというふうには思っていたところでございます。

○阿久澤部会長 ということは、許可文言のみでなく全てというふうに考えていいと。

○板倉委員 ということは、前に同じような文言で同じように許可されてしまった場合には、以前の事例があるのでそのとおりでなければ問題が起きるというふうにも読めるということでよろしいのでしょうか。

○阿久澤部会長 今の御回答ですと、そのようにとれるかと思うのですが。

○消費者庁食品表示企画課 同じ回答になってしまって申しわけないですけれども、表示見本も見ていただいているというふうに思っております。

○板倉委員 特定保健用食品に関するQ&Aということで消費者庁のほうでお出しになっていらっしゃいますね。そのあるページのところでは、許可文言についての一部を切り取る形で広告等をしてはいけないというような回答があったかと思いますけれども、そうしますと、それは、今、実際にはそういうことではない場合もあるというふうに判断してよろしいのでしょうか。

○消費者庁食品表示企画課 こちらから示させていただいているQ&Aには、一部を切り取って、それが強調して許可の表示を超えるような場合には誤認を与えるおそれがありますというふうに回答させていただいていると思っているところでございます。

○阿久澤部会長 許可表現を超える切り取りはいかんという。

○板倉委員 とすると、実際に商品として出ているものについては消費者委員会のほうで今までの委員の方々は許可の範囲を超えないというふうに判断されたというふうに読んでいいわけですね。

○消費者庁食品表示企画課 CMについては、たしか消費者委員会では審議をされていないというふうに判断しておりますし、まだ販売前でございますのでCM自体も打たれていないので。

○板倉委員 今のでCMが入っていないということなのですが、ここの(5)は「表示及び広告」になっていますので、広告についての取り扱いはどう考えればよろしいでしょうか。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○消費者庁食品表示企画課 今回、もとから書いていた(5)番の上の3行のところなのですけれども、こちらは表示、広告の特保に対する取り扱いについて、これは今までどおりということでございます。

下の3行については、許可表示及びそのほかの義務表示とされている場所のところについて許可を出したときのものと異なることがないように事業者のほうは注意をしてくださいといったことを追記させていただいているといったようなものでございます。

○唯根部会長代理 もう一度確認なのですけれども、そうしますと、広告については今までと扱いは一緒。どうも私も委員になって誤解をしていたのですが、私たちは義務表示の全体の表示として文章を読んで、それを許可するという理解で、その中の一部を切り取って表示をされること、ここで言う範囲内であれば広告や何かで強調できるというところで消費者に誤認を与えるというか、誤解されやすいような表現に切り取られることでというところの影響まで許可していたつもりがないというか、そういうような方が多いのではないかと思うのですが、これはここにあるように、表示の範囲内であれば広告には使えるということに今後もなるということでよろしいのでしょうか。

○阿久澤部会長 消費者庁、お願いいたします。

○消費者庁食品表示企画課 広告に今後使えるかどうかというのを事前に判断するということは恐らくできないのかなと思っております。

○板倉委員 今の広告とか表示とかの範囲が議論のところで違っているように思うので整理させていただきたいのですけれども、私たちは許可文言だけについて議論していたつもりが、出されていた容器包装の表示の案についても私たちが認めたことになっているということについて、これからもそういうようなことで私たちはそこまで含めて許可のときに判断をしなければいけないというようなことで考えていっていいのかというのを一つお答えいただければと思います。

○消費者庁食品表示企画課 これは先ほどお答えしたとおり、表示見本もつけておりますので、それを見ていただいて、おかしな表示があるとすれば御指摘いただきたいというふうには思っております。

もちろん、事務局側というか、資料の事前確認をする側としてもそのあたりは確認をして、諮問をする前に問題があるところについては指摘をしているといったところでございます。

○阿久澤部会長 板倉委員、よろしいでしょうか。

どうぞ。

○大貫参事官 板倉委員の御発言の中で、私どもが許可をしたというふうにおっしゃられていたのですが、許可をするのは消費者庁でございますし、また、消費者委員会から答申をする内容は許可文言についての答申をするということでございます。

○板倉委員 ということは、容器包装の部分のところについては議論していなければ、申請資料としてついていたからといって消費者委員会の責任でそれを認めるのではないと考えてよろしいということですね。

○大野委員 部会のほうではその部分が随分議論になると思うのですけれども、例えば表示が見えにくいとか字が小さいとか、そういうところでよくお願いして大きくしてもらったり、コントラストをよくしてもらったりしているのですけれども、そのことはあくまで参考という形ですかね。わかりました。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○栗山委員 次に移る前に一言いいですか。

先ほど、「わかりました」というふうにお答えしたことに一言追加させてください。私、会議中に消費者庁さんから科学的根拠に基づいて御発言をしてくださいと何度か言われた記憶があるので今の質問をさせていただきましたというのが、先ほどの「わかりました」の次につけ足していただきたい言葉です。

○阿久澤部会長 それでは、そのほか御意見ございますでしょうか。

○板倉委員 今のこととの関係で、容器包装につきまして外部の方からその内容について問い合わせがあったときに、消費者委員会の責任で決めたというような御発言は今後されないということでよろしいですね。あくまで消費者庁のほうでそれを最終的に判断して認可したのだというふうに考えてよろしいわけですね。

○消費者庁食品表示企画課 許可については消費者庁が行っておりますので、あくまでも法律上の書き方では消費者委員会及び食品安全委員会に意見を聞くという形になっております。

○阿久澤部会長 板倉委員、そのような何か外からのあれがあるわけですか。

○板倉委員 実際に知人が問い合わせをしたときに、容器包装についても消費者委員会のほうで決めたことだというふうに説明を受けたというふうに聞いておりましたので、私は許可文言の範囲内のところで議論をしてきたつもりだったのですけれども、実際に外部のほうにそこまで消費者委員会の責任というふうなことで説明していただくということになると、それなりにこちらとしては、それを問題があるというなら、どの程度までに根拠をそろえないとその反論ができないのかというのも含めてこれから考えていかなければいけないのではないかと思ったものですからお尋ねをした次第です。

○阿久澤部会長 そのほか何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。

そうしましたら、資料1についてはこれでお認めいただいたということにさせていただきたいと思います。


(2)別添2(資料2)

○阿久澤部会長 次の資料2「特定保健用食品申請に係る申請書作成上の留意事項」について、消費者庁から説明をお願いいたします。

○消費者庁食品表示企画課 それでは、資料2に参りたいと思います。

こちらも3月の部会で御議論いただいたところから、さらに加筆・修正させていただいたところを説明させていただきたいと思っております。

9ページになります。こちらのページは、ヒト試験での有効性の試験に関するところで、加筆・修正した箇所というのはaの「試験計画書」のところで、ポツが6個ほどありますが、その2つ目と3つ目について今回追記をさせていただきました。

これについて、2つ目のところが「被験者数を設定した根拠を試験計画書に記載すること」。3つ目のところが、「有効性の判定に使用する評価指標を、あらかじめ定めておき、試験計画書に記載すること」ということで、試験計画書を作成するに当たって基本的なところということなのですけれども、それを追加させていただいているといったところでございます。

続きまして、変更した箇所なのですけれども、14ページ目でございます。

ここは言葉のみの修正ということなのですけれども、真ん中の「例数」というところに線を引かせていただいております。今まで症例数というふうになっていたのですけれども、対象となる被験者の方々は別に病人ではない、一般的に健常人が対象になるわけなので「症例数」という言葉は適切ではないということで「例数」に直させていただいております。ほかのところも「症例数」となっていたところは「例数」というふうに直させていただきました。

続きまして、次の15ページになります。こちらで修正した箇所は真ん中のところでございます。ここはたくさん加筆させていただいているところなのですけれども、段落は上から続いて2段落目の最後の2行のところでございます。「複数の評価指標を設定した場合など、多重性の問題が生じる場合においては、適切に調整を行う」ということを今回さらに追記させていただきました。これについては評価指標を複数設定した場合には、偶然によるエラーというものが生じやすくなるといったこともあるので、そういったときにおいても適切に有意差というものが出せるように危険率等の調整は行ってくださいといったようなものでございます。

また、同じページの最後の行から次のページにかかるところなのですが、「試験開始時点の被験者数及び試験中の脱落者について、当該人数及び理由を試験報告書に記載する」ということで、試験報告書の作成の留意点のところなのですが、どのように被験者が脱落をしていったか、試験中中止されていったのか、そういったことがわかるように理由等を添えて報告書のほうには書いてくださいといったことを追記いたしました。これも試験の信頼性を上げるためというふうに考えております。

また、そのほかの変更点といたしましては、ページが飛びますが21ページ目から22ページ目にかかるところなのですけれども、最後の行、「h 食事調査」のところでございます。本文は次のページになるのですけれども、「通常の食事においても摂取されるような成分があり、申請食品を摂取することにより、過剰摂取のおそれが考えられる場合など必要に応じて食事調査を行う」ということで、安全性の試験においての食事調査の意義として、関与成分とかその他の成分が特定保健用食品の中に含まれていて、また一緒に摂取されるような通常の食品の中にも含まれているような場合に過剰摂取のおそれがあるのではないか、そういったときには食事調査等を行って、その安全性の確認というのを行う必要があるのではないかということで、安全性試験における場合の食事調査に関する記載を書かせていただいております。

また、続きまして、今度は個別の試験についての留意事項のところの修正でございます。ちょっと飛びますけれども、32ページをお開き願います。

こちらで加筆・修正させていただいた箇所は真ん中のあたりです。(3)番の「食後の血中中性脂肪の上昇関係」のところの「ア 試験方法」のところでございます。

こちらには3月までは二重盲検クロスオーバー比較試験のみを書いていたところでありますが、追加として二重盲検並行群間比較試験も可としております。こちらは基本的に有効性の比較試験においては二重盲検の並行群間で行っていただくといったものなのですが、食後の血中中性脂肪なのでクロスオーバーでやるほうが比較的短時間でできるといったものもあったので、今までの申請品はクロスオーバーでやられるものが多かったといったところからクロスオーバーのみを書いていたのですが、並行群間でやることを否定するものではございませんので、ここに記載させていただいております。

同様に食後の血糖値の上昇関係についても同じような記載をさせていただきました。

また、次の33ページ目をお開き願います。こちらは、先ほどの血中中性脂肪の「オ 有効性の判定」のところでございます。

こちで、もともと評価指標としては血中中性脂肪のAUC値であったり、2点以上の食後血中中性脂肪値などの有意差で判定するとしておりましたが、どちらを使ってもいいというわけではなくて、あらかじめ設定したほうで行うということで、追記として文章の間に「血中中性脂肪値など適切に評価指標をあらかじめ設定し、有意差で判定する」とさせていただきました。

こちらは、有効性の指標をあらかじめ設定することということは大事でございますので、そういうふうに修正させていただいております。

続きまして、あともう1点あります。35ページでございます。場所は「(6)体脂肪関係」の「イ 評価指標」のところでございます。

こちらに追記したところは、新たにインピーダンス法で腹部の脂肪面積の測定ということを追記させていただいております。ただし、このインピーダンス法は、まだ機械によって精度がまちまちだという話も聞いておりますので、「ただし」のところを追加いたしまして、「ただし、インピーダンス法による腹部脂肪面積を測定する場合は、CTによる測定と相関があることが確認された機器であること」というただし書きを追記させていただきました。

今回大きく修正した点というのは、資料2では以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

当部会での指摘事項も踏まえて修正していただいたところがたくさんありますが、これについて御意見等をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

どうぞ。

○久代委員 12ページのgの「被験者の特徴及び被験者数」の上から4行目、「申請に当たっては、主な摂取者層での有効性を確認することが必要である」。どなたが主な摂取者になるかというのは特保の場合はわかりにくいところがあって、体脂肪が気になる方、血圧が高目な方という曖昧な指標になっていますけれども、これは疾病を対象にできないのでやむを得ないと考えています。

今回、主な対象をどこにするかということに関係するのですけれども、15ページの赤字の2段目のところで、「被験者が境界域者と軽症者のように複数の層で構成される場合は、原則として層別解析を行う」。これは「原則」という言葉を入れていただいたので、その次のところで「ただし、被験者が境界域者の一層のみで構成されるなど、上記のおそれがない場合は、層別解析の必要はない」という文言を入れていただきました。

そこで確認させていただきたいのですけれども、34ページの血圧の部分ですけれども、「原則として、外来血圧値が正常高値血圧者及びI度高血圧者」と、正常高値はここにランクが書いてありますけれども、I度高血圧者というのは高血圧学会のガイドラインでも大きな問題がなければ生活習慣の修正指導によって1か月から3か月間様子を見て構わないというランクですのでI度高血圧者が入っているのだと思いますけれども、主な摂取者対象者を正常高値だけというふうに限った場合には、この例だけを対象にして試験を組むことによって層別解析も不要になりますし、主な摂取者層というのを正常高値にすればI群で済む。原則という言葉が入っていますので、それでも十分試験は成り立つというふうに考えてよろしいかという、これは中性脂肪もみんな当てはまると思うのですけれども、そこは混乱がないように、私は主な摂取者層をそこに絞ればそれでいいのではないかというふうに思いますけれども、原則という言葉を入れていただいたので、そういうふうに運用して構わないということですね。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

ほかはございますか。

○古野委員 34ページのほうでいいのですけれども、「被験者数」というところで、正常とかI度が入った場合は層別解析が可能な被験者数を確保するということの、具体的にはどうするのですか。何を求めているのかわかりづらいです。

○久代委員 例えば、長期摂取試験では12週間の摂取期間を設けて、プラセボ食品と対象食品を比べて2時点以上で有意差を持って差があるということ。前値と比べて下がっているし、群間で差が出るということを層別でそれぞれの群間で確認しなさいと。

○古野委員 では、層別に必要なサンプル数を設定しなさいということなのですね。

○久代委員 ということですね。だから、例えば血圧で言えば軽症高血圧、I度高血圧者と正常高値血圧者それぞれ層別解析をして有意差が出るかということになると思います。しかし、主なターゲットを高目の人を正常高値に考えれば、このI群だけで試験が成り立つということを確認させていただいたわけであります。II群を設ける場合にはそれぞれの群で有意差が確認できること。その対象は、もしかしたらI度高血圧者も正常高値者もそれぞれ別に摂取する可能性があるので、それぞれ効果を確認したいということだと思います。

○古野委員 結構厳しいです。

○久代委員 血圧に関しては、前値が高いほどよく下がるという効果があるので、摂取前の血圧とかコレステロールが高いほどよく下がるということで、高いほうが効果が出やすいということで今までかなり高い人を対象にした試験も昔は行われていました。それを最近は正常高値血圧の層別解析で十分有意差が出ていますので、特保の対象をもう少し高目の人はそこにターゲットを絞ってもいいかなということで「原則」という言葉を入れられたのだというふうに思います。

○阿久澤部会長 そのほかございますか。

どうぞ、山崎委員。

○山崎委員 21ページのちょうど真ん中あたりなのですが、黒字の部分で「なお」以下の真ん中のパラグラフです。「統計学手法によって有意差検定が可能な被験者数を確保すること」というのがありますが、ここは安全性試験です。長期摂取試験の場合は試験食群とプラセボ群を両方設定する可能性があると思いますけれども、過剰摂取試験の場合は、恐らくプラセボ食試験というのは設定しないと思うのです。そうすると比較対照する群がないのです。ですから、全ての場合に統計学的手法によって有意差検定を行う必要があるわけではない。それを考えると、これは統計学的手法によって有意差検定を行う場合には、それが意味のある被験者数にしなさいというふうに変える必要があると思います。

その場合に、まずは長期摂取試験の場合に試験食群とプラセボ群の2群を設定して、有効性試験と一緒に長期摂取試験も兼ねるという場合はいいのですが、安全性試験として長期摂取試験だけを行う場合に比較対象群を設定することを義務づけるのか、義務づけないのかというのはどこにも書いていないので、ここは明らかにしたほうがいいと思います。

それから、過剰摂取試験に関しては比較対象群を設定する必要はないと思います。

○消費者庁食品表示企画課 先ほどの比較対象群ということなのですが、有効性を判断するに当たってはプラセボ群との比較ということではございますが、安全性でございますので摂取をし始めてから何かしら体調に有害事象等が発生する場合であったり、検査値が異常値を示すような場合ということも考えられますので、例えば摂取前との比較をするということもあり得るかと思っております。それはI群だけの試験でも可能というふうに考えております。

○山崎委員 安全性試験としての長期摂取試験の場合に、摂取前と摂取後とで群が違いますので、その間の有意差があるかないかというのは非常に重要な情報になりますので、そういう意味での統計解析をしなさいというのであれば十分に意味があると思いますので、そこが少しわかるように何か書くか、あるいは何かQ&Aでそこを説明すればいいのかなと思います。

それから、過剰摂取試験も含めて生化学的試験とかいろいろな試験項目がありますね。そうすると、いわゆる正常値との比較という意味で有意差があるかないかの比較をしなさいという意味もあるのではないかと思いますが、その場合は正常値というのは非常に多くの被験者から得られているバックグラウンド値と考えればいいので、これはここで言うような統計的な有意差検定というものにはならないのではないかと思うのです。ですから、何か言い回しを少し工夫すればいいのかなと思います。

言われた趣旨は、よく理解しました。

○阿久澤部会長 御提案があった有意差検定を行う場合というふうに限定したほうがいいという御意見でしたね。それに対して消費者庁としては、そうしなくてもいいということですか。先ほどの回答がちょっとよくわからなかったのですが。

○消費者庁食品表示企画課 比較の仕方としては、摂取の前後での比較というのができるのかなというふうに思っていたので、この書き方をしているといったところでございました。

○阿久澤部会長 視点が違っていたということなのですね。

委員の皆さん、どうでしょうか。

○大野委員 「有意差検定をする場合には」とやってしまうと、しない場合がかなり多いというニュアンスになってしまうと思うのです。ですから、本文はそのままにしておいて、Q&Aか何かで対応したほうがよろしいのではないかと思うのです。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

どうぞ。

○板倉委員 別のことですけれども、先ほど14ページのところで「症例数」を「例数」に直すというようなお話がありました。これは、「症例」というふうになると病気というのでしょうか、そういうイメージがあるからということで「例数」に直されるというようなことでよろしいのでしょうか。

それで、特定保健用食品の場合は試験方法についても臨床試験という言葉ではなくてヒト試験という言葉で今まで説明がされてきていますけれども、この間、機能性の検討会のところで臨床試験というような言葉でそれに修飾をつけたような形で報告書が出ているのです。私は個人的には、本当に社会学的にといっても調査と言えるかどうかわかりませんけれども、50名ぐらいですので有意差とかということでは全くありませんが、やはり臨床という言葉をつけると医薬品的なニュアンスが強くなるというところがあるので、特定保健用食品のときにこれからもヒト試験として通されるのか、あるいは、報告書の後にパブリックコメントをされたときにまたそういうようなことが変更として出てくるとした場合には、こういうような会議で議論をされるのか、そこについて教えていただければありがたいです。

○阿久澤部会長 これは、そういう場合にこういうところで議論するかということを消費者庁に伺うということでよろしいですか。

○板倉委員 そうです。

○阿久澤部会長 消費者庁。

○消費者庁食品表示企画課 今回の改正の箇所としては考えていなかったので、そういった御意見が今後出てくるかもしれないということで、そのときは検討していきたいとは思っています。ただ、消費者委員会さんのほうでここに関して御議論いただくかどうかということでは、まだ未定ではあります。

○阿久澤部会長 現時点では明確な回答はできないということですね。

○板倉委員 もう一つよろしいでしょうか。

先ほど22ページのところで、食事調査等については安全性の視点から食事調査を行うというようなことで御説明をいただきましたけれども、食品成分のうちに余りデータでなくて、実際に私たちが食生活の中でどの程度とっているかがわからないようなものについては、その絶対量がどの程度の食生活の中での占める割合があって、どの程度までに影響力があるのかということ自体が判断できない。

ですから、ある意味、確かに有意差だけはあるかもしれないけれども、それが本当に有用な差かどうかというのが判断できないような場合があるかと思うのですけれども、そういう場合に食事調査を行うみたいなことがお願いできるようになるのかどうかということを教えていただければと思います。

○阿久澤部会長 消費者庁、お願いいたします。

○消費者庁食品表示企画課 今の御指摘のところは、たしか有効性試験に該当するかというふうに思っています。有効性試験については原則として食事調査を行ってくださいというふうなことは書かせていただいておりますので、安全性のところでの食事調査の意義ということで説明させていただきましたが、有効性についてももちろん食事調査を行うこととさせていただいております。

13ページの上のところに書かせていただいております。「i 食事調査」の項の4行目の途中から、「また、摂取前や摂取期間中の食事内容が試験結果に影響を与える可能性も考えられる。これらのことから、許可要件の根拠となった有効性試験における試験期間中の食事内容の調査は基礎データとして重要であり、評価の参考となることも考えられる」という感じで記載させていただいております。

○板倉委員 ただ、この場合に栄養成分の調査だけすればいいというふうにも読み取れてしまうものですから確認させていただいた次第です。関与成分と言われるようなものについても一般的に食生活の中でもとり得るようなものについては、やはりベースのデータがわからないとどの程度に効果があるかという判断ができない場合がございますので、そういうものについては情報としていただくということがあってしかるべきかなと思いました。

もう一点よろしいでしょうか。例えば、体重とか肌の水分量とかいろいろなことで季節的な変動があるものがございます。そういうときに、それぞれの試験がいつの期間から始まってというようなことで、いつに評価されたものなのか。例えば、本当にプラセボと同じ時期に調査されたのかというようなことも含めてきちんと示していただくということは今はやられているのでしょうか。

○阿久澤部会長 実施時期についていかがでしょうか。消費者庁、現在の話ということでどうでしょうか。

○消費者庁食品表示企画課 現在の資料についてはそこまでは書かれていないことですけれども、有効性についてはプラセボとの比較ということで、その中には、恐らく同時にスタートされれば季節的な変動は溶け込んでしまうのかなということで考えております。

○板倉委員 プラセボが必ず同時期だということがわかればいいのですが、それはきちんと確認はとられているということでよろしいのですか。

○寺本委員 ちょっといいですか。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○寺本委員 一般的にこういう試験をやるときに、プラセボで同時並行試験をやるという場合には、同時期にやるというのは当然だと思います。それでなければ試験として認められないと思いますので、片方がわかってから片方をやるなんていうことはあり得ないということです。

○阿久澤部会長 評価のときにそういうのも記事に入るということですね。

そのほかございますか。どうぞ。

○大野委員 言葉尻のことで申しわけないのですけれども、33ページの修正していただいたところのオの2行目なのですけれども、その最後のほうで「食後血中中性脂肪値など適切に評価指標をあらかじめ設定し」という「適切に」というのが、これは「適切な」ではないかと。「適切な評価指標をあらかじめ設定し」と、もし「適切に」にしたいのだったら、「など評価指標をあらかじめ適切に設定し」と後のほうになるのではないか。こういうガイドラインの言葉ではこうなるのだったらそれはいいのですけれども、普通に僕が文章を書くときにはそういうふうにやるので、ちょっと検討していただければと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ、栗山委員。

○栗山委員 今の板倉委員の御質問。

○阿久澤部会長 消費者庁さん、今の件については「適切な」ということでよろしいですか。

どうぞ、栗山委員。

○栗山委員 今の板倉委員の御質問で、寺本委員のお答えいただいたことなのですが、実は、また経験でお話しして申しわけないのですが、医薬品の某製薬企業さんが9月、10月にした調査と、季節的にもう一つの季節、2月、3月にした結果を広くいろいろなところで宣伝していたことがあるのです。プラセボではないのですが、そうすると私たちぜんそくの患者にとっては9月、10月というのは眠れない月だし、2月、3月というのは楽になる。9月、10月に調査して薬を3か月使って、2月、3月にこれだけよくなりましたと言われても、それは季節バイアスが絶対にかかっていますよ。

すごく単純に言うことができるのですが、多くの医療職の方がそれに気がつかれなかったという事実があるのです。すごく善意に、当然それは修正されているなり、同時にスタートされているという常識を逆手にとってということがあり得ないとは言わないので、こういうのは恐縮ですが、せっかく板倉委員が気がつかれたので、何か一言それを御検討いただけたら幸いです。

○寺本委員 例えば幾つかの試験でプラセボ対象試験をやるというときには、それは1個の試験であって、そのときに、我々はお薬で言えば実薬とプラセボとを同時期に同じように使うというのが試験のやり方です。それが、例えば春にやられたり、秋にやられたりする。確かに我々もそういう経験はよくするわけで、お正月を越えるとまた違ったり、そんなことがあるので、そういったことを考えながら試験というのはやるわけです。

ですから、少なくともプラセボ対象試験というようなことをやるときは、同じ時期に同じ人たちをランダムに分けてやるというのが試験のやり方なので、それは恐らく、試験結果を解釈するときに、確かにそれは春にやったからこういう結果になったのだねというのは構わないと思うのですけれども、プラセボと比較するという場合にはそれはそれで成り立つ試験なのだろうと思います。それが一般的な試験なのだと思います。

○古野委員 追加でいいですか。

私は、栗山先生の心配はわかるのです。先生は余りにもハイレベルの話をされているから。たまたま今日の前半の例で、無作為に割りつけていたにしても初期値が違うということはあるわけですね、関連する要因が。だから、無作為に割りつけているから両群が完璧に一致するということの完全な保証はないから、通常はデータを解析するときに血圧とかいろいろな症状とかに目的変数と言われるものに影響する重要な要因が両群均等であるかということは、普通は解析のときに見ます。先生、それでいいですか。

○寺本委員 それはそうですよ。

○古野委員 だから、そう心配されることはないと思います。そういうことを必ずしろと言ったら、こういう試験をする人のレベルがよほど低いのかというふうに思われるといけないので、そこはちゃんとやっていると思いますよ。

○栗山委員 そう書くことがすごく難しかったり、そのことによってすごく過大な荷重がかかるというのでは、それは何か申しわけないかなというか、必要ないのかなというふうに思うのですが、例えばそれを気がついた人がいて、では、その一言を書き足そうかということに、要するに性善説に基づいて、あるいは科学的な検証試験としては必ずそういうのが常識だから、それ以外のことはあり得ないよと言えるだけの。

○古野委員 言い放つこの。

○栗山委員 ではなくて、そうではない体験をしている、まさにこんな特定保健用食品ではなくて製薬企業の、しかも大企業のキャンペーンにそれが利用されているという現実を見たものとしてはいかがなものでしょうと板倉委員が考えられても不思議はないなというふうに思ったのです。

まさに寺本先生のような方は、いや、その世界の方々はそんなことはしていないだろうという大前提で、そんなことをしたら、これはもう検証でも何でもなくなるものだからというふうにおっしゃるのはすごいよくわかるのですがということで、これ以上は追加しませんから。

○板倉委員 できればそういう試験期間ですか、そういったものを情報としていただくということだけでもしていただけるとありがたいかなと思います。

○寺本委員 恐らく、現在こういったものをやるときに、必ずどこかのレビューのある論文に出したものを出しなさいというふうに言っているのは、そういったような問題をできるだけクリアしていただきたいということを言っているというふうに考えたほうがいいと思うのです。

ですから、観察研究をうそついてダブルブラインドでやりましたなんていうふうなことがあるようでは、もうレビューにならないわけですから、そういうことは恐らくないのではないかと思います。

○阿久澤部会長 山崎委員、どうぞ。

○山崎委員 今までの調査会での審査で栗山先生がおっしゃった問題も実際にあって、一つの例は脂質関係の場合なのですが、そもそもプラセボ群の指標値が変わるのです。冬というのは、皆さん大体太ります。ですから、普通はプラセボ値そのものは初期値から試験期間の終了までに上がっていくのです。そういう時期を選ぶと試験食群はほとんど水平だけれども、プラセボ群が上がる、だから下がったというような結果になるのです。結局、季節変動というのはプラセボ群がどう影響するかというのは実際に見えるのですが、調査会のときにどうしたかというと、疑義がある場合には申請資料にない試験時期、試験期間ではなくて試験時期を問い合わせるということをケース・バイ・ケースでしていたのが今までだと思います。

それを体系的に調査時期を明記しなさいというと、現在の運用からちょっと強化することになって、本当にいいのは医薬品と同じように試験計画書そのものを全部出してもらうのが一番いいのですが、それは現在の運用ルールを明確化するという今回の通知の改正から一歩踏み出して、よりよくするという形になりますので、その次に今度は検討する事項として消費者委員会、あるいは消費者庁で御検討いただくという問題なのかと思います。

ですから、試験時期に関しては調査会のほうがちょっと大変ですけれども、ケース・バイ・ケースで問い合わせるか、あるいは消費者庁の事務局が申請資料になければ調査時期だけは書いてねと口頭でお願いをするというベースでまずは運用するというのがいいのかなと思います。

○阿久澤部会長 久代委員、どうぞ。

○久代委員 確認ですけれども、摂取前値と比べて有意差がなくても対象群と比べて差があるから中性脂肪が上がらなくてよかったねというのを認めるかどうか、私の理解では、摂取前値と比べて有意に下がらなければその後の効果は認めにくいという解釈でいたのです。つまり、プラセボ群との差があればそれで効果があったと認めるのか、前値との差、中性脂肪が下がるという効果が確認できなければ、これは効果がまだ不十分かなというふうな理解でいたのですけれども、どうなのでしょうか。

○山崎委員 私の記憶では、中性脂肪に関しては絶対値の比較はもちろんしますけれども、初期値との変化量で有意差が出ればある程度いいでしょうというのでオーケーにした食品があったと思います。

○久代委員 いずれにしても下がることが一応前提ということですね。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○大野委員 栗山先生が言われたように、試験計画者から見れば、当然有意差が出る方向で考えますので、なるべくそういう計画を立てるわけです。でも、そういうところでのバイアスが結果に対して影響を与えているかどうかを判断するのは、科学者として自覚している人の責任なのですね。僕らの責任なのです。そういう意味で、僕らは勉強しなくてはいけないということですね。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

どうぞ。

○板倉委員 ここと関係ないかもしれないのですが、確認なのですけれども、今、機能性の検討会のところでもHACCPとGMPについては強く望まれるという言葉であって、義務化というように読み取れるかどうか非常に微妙なところだと思うのですけれども、特定保健用食品については、そういう部分はどうなっているのかだけ教えていただけないでしょうか。

○阿久澤部会長 消費者庁、いかがでしょうか。

○消費者庁食品表示企画課 特段義務化というふうには考えてはいません。当然、食品ですから食品衛生法に基づいて適切な製造をされるということは大原則ではございます。HACCPを必ずとりなさいとか、GMPを導入しなさいということまでは求めていません。

○阿久澤部会長 よろしいでしょうか。ほかにございませんか。

どうぞ。

○山田委員 前、事務局に伺ったことですけれども、新しい有効成分に関しては食品安全委員会のほうで審査していただくという認識でよろしいですか。

○消費者庁食品表示企画課 新規の成分であったり、今まで許可をした関与成分量よりさらに多い量での一日摂取目安量で申請がされたものについては、食品安全委員会でその安全性について御議論いただいております。

○山田委員 ありがとうございます。

ちょっと気になったのは、23ページのところで「食品安全委員会においては」ということが書いてあるのですけれども、新開発食品に関してはかなり食経験というものが重要な情報になるので、それについて触れていないので、それも含めて食品安全委員会で評価していただければ安心です。

○阿久澤部会長 よろしいでしょうか。今のを含めて食品安全委員会のほうで審査していただければということですね。

どうぞ。

○清水委員 安全委員会では、やはり食習慣、食経験というのは非常に重要な項目としてまず最初にしっかり議論するようにしておりますので、多分それはこれからも変わらないと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

ほかはよろしいでしょうか。

そうしたら、御意見も出尽くしたようですので、資料2の内容につきましては一部Q&Aに明記というふうなこと、また、字句の一部修正等がございましたが、これでお認めいただくということでよろしいでしょうか。

どうもありがとうございます。


(3)別添3(資料3)、別添4(資料4)

○阿久澤部会長 それでは、資料3の「特定保健用食品制度における規格基準」と資料4「特定保健用食品における疾病リスク低減表示について」ということで、まとめて消費者庁から修正箇所等につきまして説明をお願いしたいと思います。

○消費者庁食品表示企画課 資料3、資料4については、現段階、3月以降修正した箇所はございませんので、特段こちらから説明するところはございません。

以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

それでは、資料3と4について何か御意見ございましたらお願いしたいと思います。

どうぞ。

○板倉委員 資料3の別表2に食品形態というので書いていただいていますけれども、例えばカプセルとか錠剤型というのは食品群、分類としてはどこに入ることになるのか教えていただければと思います。

○消費者庁食品表示企画課 現段階において、規格基準型において錠剤は、錠剤よりちょっと大き目の錠菓というものはございますが、錠剤での許可は規格基準型で認められている食物繊維とオリゴ糖と難消化性デキストリンでの血糖値の上昇抑制については認められているものはございませんので、この表の中には入っていないといったところでございます。ただ、今後出てくるかどうかというものについては、出てきたときに追加されるという形になってくると思っております。

○板倉委員 形態としては何に入りますか。この分類番号とかを書いていただいていますので、実際にはどういう部分に入るのかちょっとイメージとしてわからなかったのでお尋ねをしました。

○消費者庁食品表示企画課 こちらの分類のいわゆる分類番号というのは、たしか総務省が作成されているものでありまして、この番号に当てはまらないとだめというわけではなくて、あくまで参考にしてくださいということでこの表を示させていただいておりますので、今、カプセルとか錠剤がどこに当てはまるのかといったことについては現段階では調べ切っていないので、今、お答えすることができないというところでございます。

もちろんそういったものが今後出てきた場合には、この表の中の、番号がどれになるのかはわからないですけれども、食品形態の範囲の中に何らか追記される形になると思われます。

○板倉委員 今、錠菓という言葉で御説明いただいた部分については、資料3の6ページのところにお菓子ということなのかなと思うのですけれども、チョコレート類の後ろについているのですけれども、カプセルとか何とかとは関係なしに、そのものがどういう形で食品として売られるかということで決まるということでよろしいのでしょうか。

○消費者庁食品表示企画課 そういうことでございます。

○阿久澤部会長 ほかにございますか。

どうぞ。

○山崎委員 先ほど座長が、この部分はQ&Aで説明すればいいでしょうという発言をされたのですが、今回の通知改正に関して消費者庁としてQ&Aというものを出される計画を持っておられるかどうかという御見解を承りたいのですが。

○阿久澤部会長 消費者庁、お願いいたします。

○消費者庁食品表示企画課 現在Q&Aは、たしかこれが平成17年に出たころに1回出ておりまして、それに対しては何らかの修正なり、今回の検討の件もあわせて追記とかが必要かというふうには考えております。ただ、いつ出せるかということまでは決まっていませんが、具体的なところやピンポイントとかいうところが必要になってくる可能性はありますので、何らかを考えていきたいというふうに考えております。いつ出せるかというのは明確にできませんが。

○阿久澤部会長 そのほかはございますか。

それでは、資料3と4につきましてはよろしいでしょうか。

ありがとうございました。

それでは、特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領等を改正することについて、新開発食品調査部会において審議した結果ですが、消費者庁から意見を求められた改正案、別添1から別添4は、従前通知されていた新基準書を整理するとともに、ヒト試験デザインがより明確に提示され、申請者の費用負担の軽減や審査期間の短縮が図れると考えられるところから、おおむね妥当であると認められます。

しかしながら、今回示された審査等取扱い及び指導要領審査基準は、審査に必要な要件を最低限示したものと考えられ、申請者と審査する側とがさらに情報共有するため審査基準書を補完する、ただいま御質問等もありましたが、Q&Aの策定が必要であると考えられます。

消費者庁におかれましては、この審査等取扱い及び指導要領審査基準等に対するQ&Aを可能な限り早期に作成・公表し、より一層の透明性、公平性、原則化を図ることを望んでおりますので、よろしくお願いしたいと思います。

本日は以上です。

事務局から連絡事項がありましたらお願いいたします。


≪3.閉会≫

○大貫参事官 本日も長時間にわたり御審議いただきありがとうございました。

次回の第22回につきましては、後日決定次第御連絡を差し上げます。次回もどうぞよろしくお願いいたします。

○阿久澤部会長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)