第156回本会議・第10回景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会 合同会議 議事録

日時

2014年5月1日(木)13:00~15:00

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【消費者委員会委員】
河上委員長、石戸谷委員長代理、阿久澤委員、岩田委員、齋藤委員、高橋委員、夏目委員、橋本委員、山本委員、唯根委員
【専門調査会委員】
小早川座長、白石座長代理、鹿野委員、川出委員、増田委員、宮城委員
【説明者】
消費者庁 川口審議官 菅久審議官 黒田課徴金制度検討室長 加納消費者制度課長
【オブザーバー】
国民生活センター 丹野理事
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、金児企画官、稲生参事官補佐

議事次第

  1. 開会
  2. 経済団体からのヒアリング
  3. 要件・手続に関する検討(4)
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○金児企画官 本日は、皆様お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会第156回本会議・第10回景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会 合同会議」を開催します。

本日は、所用により専門委員の長田委員が御欠席、本会議委員の高橋委員、山本委員がおくれての出席との御連絡をいただいております。

本日の配布資料ですけれども、議事次第の裏面に一覧がございます。資料1から資料4までございますので、もし不足がございましたら事務局へお声がけをお願いいたします。
それでは、小早川座長に議事進行をお願いいたします。


≪2.経済団体からのヒアリング≫

(1)日本経済団体連合会からのヒアリング

○小早川座長 それでは、議事に入りますので、皆様よろしくお願いします。

本日は、経済団体からのヒアリングを行います。

本日お越しいただいておりますのは、日本経済団体連合会阿部泰久経済基盤本部長、全国商工会連合会後藤準常務理事、同じく榎本陽介企業支援部企業環境整備課長、日本商工会議所杤原克彦理事、以上の方々にお越しいただいております。本日御参加の皆様におかれましては、お忙しいところを御出席いただき、まことにありがとうございます。

本日は、まず各団体から、去る4月1日に公表しました中間整理に対する御意見、それから中間整理ではちょっと置いてありました被害回復のあり方についての御意見、御発言をいただき、その後、質疑応答を行いたいと思っております。以上の次第で進めますので、よろしくお願いいたします。

それでは、早速ですけれども、日本経済団体連合会から御発言をお願いいたします。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 経団連の阿部でございます。2月に引き続きまして、このような機会をいただきまして大変ありがとうございます。

お手元に、私どもが4月にまとめました「景品表示法への課徴金制度導入に対する意見」をお配りしておりますので、これに基づきまして4月1日の中間整理、あるいはその後のこちらでの議論の模様等を踏まえながら、幾つか補足して御説明したいと思います。

1ページ目の「はじめに」のところは飛ばさせていただきまして、その下の課徴金制度導入の検討についての基本的な考え方からでございます。

まず、私どもの基本的な考え方として、景表法に何らかの形で課徴金制度を導入することには反対ではございません。ただ、2ページ目の「そもそも」からの段落でございますけれども、もともと事業者側にとっては、「著しく優良」あるいは「著しく有利」という要件に対する判断基準がなかなか明確でないところがある。昨年末からの食品関係の事件等を見ましても、事業者にとって何がこの景表法に触れるのかということがわかりにくいところがございます。ここにつきまして、まず消費者委員会、消費者庁でしっかりとしたわかりやすいガイドラインを示していただければと思います。

中身に入ります。3ページ目からでございます。課徴金制度の趣旨・目的でございます。私どもは、この課徴金のあり方につきまして、基本的には違反行為の抑止に重点を置くべきだと考えております。いわゆる事業者の「やり得」防止という点は十分にわかるわけでございますが、実際に何が「やり得」かということについては非常に分かりにくいところがございます。あるいは、現実の「やり得」に対する対応措置としては、民事訴訟法によります損害賠償請求等も考えられるわけであります。したがって、行政制裁としての課徴金のあり方は、基本的には違反行為の抑止ということで考えていただければと思っております。

続いて、3ページの下のほうに参りまして、対象行為でございます。私どもは、この課徴金の対象となる行為は、4条1項1号、2号の優良誤認・有利誤認となる表示行為に限るべきと考えております。こちらでの御議論であります、いわゆる不実証広告でございますが、これは非常に中身が不確定なものでございます。一定の期間内に合理的な根拠を提出し得なかった場合は優良誤認とみなすという規定でございますので、ほかの考え方とはかなり異質なものだと思っております。みなし規定に対して課徴金を導入するという考え方について、私どもは十分に理解できません。

こちらでの議論を拝見いたしますと、1)案、2)案という考え方が示されているようでございますが、1)案は、私どもは到底賛成できませんが、2)案につきましては、考え方次第ではいわゆるみなし規定ではなく、本来、優良誤認であるものについての前広な規定だと考えることができるかもしれません。ここは、さらにこちらでの御議論を深めていただいた上で、具体的にどのような規制の仕組みになるかを見きわめたいと思っております。

現状では、私どもは優良誤認・有利誤認に限るべきと考えておりますが、不実証広告規制につきましては、中間整理以降の議論が少し変わってきているのかなと思っておりますので、2)案の中で具体的にどのような手続措置がとられるか等を踏まえまして、再度検討させていただければと思っております。

4ページに参ります。主観的要素でございます。率直に申しまして、私ども、平成20年改正法案のとおりでよいと考えております。故意・重過失に限るべきと考えております。こちらでの御議論では、前回までにA案、B案、C案という3案が示されているかと思いますが、A案は当然私どもは採り得ません。私どもの主張はC案と御理解いただきたいわけでございますが、B案の中身についてはまだ非常に幅が広いところがございまして、B案の設計次第では非常にA案に近いものになり得ますし、あるいはC案と実質的にそれほど変わらないものになるのかもしれないと思っております。

私どもの現在のスタンスは、C案、故意・重過失に限るということで引き続きお願いしたいと思っているわけでありますが、B案をさらに御検討いただいた上で進化する過程で、B案とC案の違いがもう少し明確になる、あるいはA案ではないのだということを明確にできることになれば、ここは私どもも再度考えさせていただければと思っております。現状ではC案でお願いしたいわけでありますが、B案については少し成り行きを見てみたいと思っております。具体的にどのような考え方をされるのかにつきまして、十分に追っていきたいと思います。

5ページに参りまして、課徴金の水準及び額の算定方法でございます。ここは私どもは具体的な算定率等は示しておりませんが、もともと景表法は独占禁止法の中の不公正な取引方法の1分野だと考えております。所管は消費者庁に移りましたけれども、基本的なあり方は不公正な取引方法の規制に対応したものだと考えております。そういう意味では、今の独占禁止法の課徴金制度の中での不公正な取引方法に対応したような考え方があり得るのかなと思っております。ただし、景表法は基本的には対消費者場面でございますので、業種等によりまして率を変えることなく、一律の考え方でいかがかなと思っております。

その上で、前回は述べておりませんでしたが、裾切り要件につきましては、中小・零細企業に対する配慮ということとともに、行政の効率性を考えましても、全ての行為を要件に当てはめて課徴金の対象にするということは無理があると思います。何らかの形での裾切りは考えられると思っております。私ども、どの水準がいいというのは、まだ持ち合わせておりませんが、中小・零細企業について課徴金ということが本当にあり得るのかと、疑問に思っておりますので、ぜひここは御配慮願いたいと思っております。今までの御議論の中で、全体の対象行為の七、八割がカバーできればいいという御意見も伺っておりますが、そのぐらいの範囲かなと思っております。零細な個人商店とか、ましてや露天商のところにまで対象が及ぶべきとは私どもは考えておりません。ここは、ペーパーにないところで、補足させていただきます。

6ページに参りまして、徴収した課徴金の取扱いでございます。ここは、私どもは基本的には国庫に入るべきと考えております。今まではこちらの御議論の中でもいろいろなことがございました。また、この点は、5ページに書いております事業者が自主的に対応した場合の調整とセットで考えさせていただければと思っております。私どもは、事業者が自主的に返金等の対応をした場合については、課徴金の算定の際に考慮してくれとお願いしたわけでございますが、それとの絡みで、この分配のような形の可能性があり得るかどうか。現在、犯罪収益に対する分配に関する基本的な法律がございます。それに乗れるものなのかどうかということは、さらに御議論いただければと思っております。

ただ、消費者団体に分けるという発想は、私どもは全くございません。あくまでも国が一旦徴収した上で、これを直接被害に遭われた消費者の方への弁済に充てるのか、あるいは何らかの形で消費者全体の利益のために使えるかということについては、これは私ども、前段で申し上げました自主的な返金等の対応に対する課徴金の算定の考慮とセットで考えさせていただければと思います。

それから、再度になりますが、このような形で課徴金制度が入りました折には、今まで以上に事業者が責任を問われる場面が多くなりますので、わかりやすいガイドラインがさまざまな分野について必要かと思いますが、これをぜひともお願いしたいと思います。

以上でございます。

(2)全国商工会連合会からのヒアリング

○小早川座長 どうもありがとうございました。

続きまして、全国商工会連合会から御発言をお願いいたします。

○全国商工会連合会後藤常務理事 全国商工会連合会の後藤でございます。私ども、特にペーパーを出しておりませんけれども、今回の課徴金制度の導入については、もう少し議論を尽くしていただきたいという感があります。導入について反対するものではありませんけれども、従来から私、申し上げておりますように、事案につきましては、特に悪質性の高い、故意または重過失といったものを対象にしていただきたいと考えております。

景表法の規制の対象は、故意・過失の有無については現在問われていないと理解しておりますけれども、仮に課徴金制度を導入することとした場合に、対象事案の要件を広く過失によるものまで含めることになりますと、私どもの会員の大半を占める小さな事業所にとっては事業活動に大きな影響が出てくる。対象事案は、例えば詐欺的な商行為とは言えないようなものや違反行為を繰り返すもの、故意に事実と異なる表示をしようというものなど、社会的な常識の範疇で悪質であると考えられるものに限定していただきたい。

特に、過剰な要件を課することになりますと、小規模な事業者は従業員数が非常に少ない。仮に第三者的なチェック体制を整えることも、事実上不可能に近いということでありまして、こういったことになりますと事業者が安心して事業活動を行えない結果になりかねないということですので、十分御配慮いただきたい。

それから、不実証広告についてでございますが、これはいろいろ意見の分かれているところでもございますし、優良誤認と不実証広告の境目が我々事業者としてはよくわからないところがございますので、このあたりをもう少し事業者にとってわかりやすい議論をしていただきたいと思っております。

それから、規模基準についてでありますけれども、中間整理においては賦課金額が一定額を下回る場合、一定の裾切りが必要であるという方向性を示していただいたという点については、我々は大変評価しております。

それから、賦課金額の算定についてでありますけれども、中間整理において課徴金の額を個別に算定するのではなくて、ある程度一律に定めるべきとの方向で意見がまとめられているところでありますが、一律の基準で課徴金の額を定められますと、経営基盤の弱い我々小規模な事業者は、例えば被害額を超えた高額な課徴金を納付することで事業継続が困難になるといったこともございますので、この辺に十分配慮していただきたいと思っております。仮に課徴金制度を導入することとした場合は、企業規模による適用除外の規定、もしくは賦課基準の算定率を軽減する措置を設けるなどの配慮をぜひお願いしたい。

また、小規模事業者については、法の適用まで一定の猶予期間を設置いただくといった措置も考えられないか、ぜひ御検討いただきたいと思っております。

それから、景表法の違反性の判断についてでありますが、判断が著しく困難であるとは考えておりませんけれども、小規模事業者の場合は大企業と違いまして法務部門というものがありませんので、かなりアバウトといいますか、事業者としての常識とかのれんに対するみずからの誇りといったもので、消費者に対して最大限の情報提供を行っているというのが現状でございます。したがって、ほんの一部の悪質な業者のために課徴金制度の導入等の規制が強められることになりますと、先ほど来申し上げておりますように、こういった事業者に大きな影響が出てきますので、広く一般の事業者がわかるような形での周知をお願いしたいと思っております。

とりわけ、景品表示法違反の判断について困ったときの、事業者側としての相談窓口の設置。それから、窓口を設置した広報もあわせてお願いしたい。

それから、被害者回復のあり方についてというか、控除制度についてでありますけれども、違反行為者が自主的に被害回復を図った金額を課徴金の額から控除することについて、一つの方法としては検討するに値するのではないかと思っております。しかしながら、事業者から剥奪した、いわゆる「やり得」を、個々の被害者の被害回復のために使用せずに、一部の消費者を代表する団体への寄附、それから、被害を受けていない消費者に広く還元するということは、本来の意味で被害者回復が図られたとは言えないと思いますので、強い違和感を我々としては持っております。

こういった消費者団体等に対する対応というのは、国の政策として消費者行政の予算の範囲内で対応すべきものではないかと思っております。違反行為者から剥奪した「やり得」を個々の被害者に返すことが困難であるので、広く一般消費者に還元する方法を検討するという観点であれば、その分はあくまで国庫に納付して、広く、偏りのない消費者行政に活用していただくことが基本ではないかと思っております。

それから、自主的返金の検討についてということでございますけれども、これは我々、今回の課徴金制度というのは行政上の罰則と思っております。自主的返金のほうは、例えば違反行為を行ってしまった事業者が、消費者に対して直接被害回復を図る方法という観点では、返金とかサービス券、代替商品を渡すことを今までもやっておりますし、これは従来からの繰り返しになりますけれども、違反行為を行ってしまった後も事業継続、事業の活動を継続したいと考えている事業者は、まず、自ら過失を公表して消費者に対して誠実な対応をとる。これが我々事業者としての基本であります。

特に、我々、小規模な事業者は、地方では地域密着型と言われていますので、取引先や顧客が地域内に限定されている。そのために、違反行為の事実が風評で広がると顧客自体もどんどん離れていきますし、取引先からも取引を停止されてしまって、結果として事業活動の継続が困難になるということもございまして、こういった返金というのを我々としては広く行っているところでございます。

それから、自主的返還の対象期間については、今、申し上げたようなことで地域密着型でございますので、特に期間を設けて、これ以降はもう返金に応じないといったことは一切ない。通常は期間を設けずに、申し出があった消費者全てに対して返還せざるを得ないのではないかと考えております。

以上です。

(3)日本商工会議所からのヒアリング

○小早川座長 ありがとうございました。

次は、日本商工会議所から御発言をお願いします。

○日本商工会議所杤原理事 日本商工会議所の杤原でございます。本日は、お招きをいただきましてありがとうございます。2月のときに御指定をいただきましたけれども、他の会議とバッティングしている関係で出席がかないませんでしたので、そのときの発言の分も含めて、若干お時間をいただきまして商工会議所の考え方を申し述べたいと思います。先ほど全国連の後藤常務さんのほうからもお話がありましたように、私どもも中小・小規模事業者の多くを会員としている団体でございますので、その立場で発言させていただきたいと思います。

私どもの立場といたしましては、中小・小規模事業者の経営実態を踏まえて、十分な、慎重な検討をお願いしたいというのが今の基本的なスタンスでございます。そもそも、今回の食材偽装表示の問題を受けまして、各事業者の皆様は、自主的あるいは消費者庁さんのきちんとした御指導のもとに業界ごとのガイドラインをお作りになられたり、再発防止策に取り組んでおられますので、まずもって、これが経営の基本であると考えており、尊重していただきたいということでございます。それでもなお不十分であるのかどうか、行政の指導監督の効果も含めて、よく実態を検証していただきたいと考えております。

それでもなお、表示の問題は複雑でございまして、しかも全ての事業者が行っておりますので、仮に悪意のない健全な事業者であっても、不当表示というのは意図せずに起こる問題であります。ただ、その原因の多くは、正当な表示なのか不当な表示なのか、その判断の線引き、ミシン目のところが一般の事業者にとっては極めて難しいという声がございます。

このため、事業者が正当な表示あるいは不当な表示の判断の線引きをしっかりできて、意図せざる優良誤認表示あるいは有利誤認表示を起こさないように、まずは行政のほうでしっかりとした、おおよそ全ての取引について不当表示、正当表示の区分をきちんと事業者のほうに明確に示していただく必要があると考えてございます。

これにつきましては、不当表示の事例だけを示したり、告示すればいいというお考えもあるかもしれませんけれども、それ以外の多くの事業者は相当な表示の中で活動しておりますので、事業者側がきちんと判断できなければ、この問題は解決できないということであります。きちんとした線引きができるように、きちんとしたガイドラインを示していただきたいということでございます。

それから、違法性があるものにつきましては、既に措置命令あるいは都道府県知事の指示・罰則がきちんと備えられておりますので、まずそちらの適用をきちんとしていただいて、その上でさらに必要ということであれば課徴金というのも選択肢の一つになるのではないかということであります。

それから、2点目でございますが、課徴金の導入を検討する際にぜひとも御留意いただきたいことがございます。経団連さんからも御発言がありましたように、独禁法由来でございますので、課徴金はそもそもカルテルとか入札談合等の違反行為、すなわち違法性が明確な事案を対象とするものと理解してございます。一方で、表示の多くは正当なものが多く、違法性が明確でないものに対して、あらかじめ課徴金の網をかけておけばいいのだという考え方に対しては、なお検討の余地があるのではないかと考えてございます。

これまでに景品表示法に基づいて出された措置命令の件数が極めて少ない、1年当たり2桁のオーダーであるということであれば、まさに違法性の判断が難しいからではないかと考えられます。新たな法律上の制裁措置を設けられるのであれば、グレーの部分があってはならないと考えております。何よりも課徴金制度につきましては、我が国におきまして法律が少なく、事業者にとって極めて重たい措置であるということであります。抑止力になるということは承知いたしますけれども、正当な事業活動が萎縮したり、日本経済への弊害を懸念する声もあることも十分御注意いただきたいと思います。

3点目は、中小企業の経営実態を踏まえた課徴金制度の検討についてということでございます。全国連さんのほうからお話がありましたように、そもそも日本企業の数は386万社でありまして、そのうちの385万社、99.7%が中小企業でありまして、そのうちのさらに334万社、86%が従業員20人、もしくは5人以下の小規模事業者ということであります。そもそもその数も1999年の483万社から386万社まで減っているということでありまして、今後もその傾向は続くと言われております。

中小企業・小規模事業者の経営基盤は極めて脆弱でございますので、御承知のとおり、7割は赤字決算ということでございます。また、所得額から見ても、現行の景品表示法の罰金300万円自体が既に重たくて、大きなペナルティーであると考えてございます。万が一、罰金の支払いによって倒産することがあってはならないと考えておりますし、仮に払えば倒産することも十分想定される金額であるということでございます。

もう一点、率の問題が議論されておりますけれども、中小・小規模事業者は経常利益率が極めて低うございまして、ここ数年は、特に小売・卸ではマイナスの経常利益率になっている状況にございます。課徴金制度導入の理由の一つに挙げられておりますような、いわゆる「やり得」が発生しない経営実態にあるということも十分御配慮いただきたいと考えてございます。中間試案の中にも「やり得」という言葉を使われておりますけれども、あたかも多くの中小・小規模事業者が「やり得」を行っているような誤解を招きますし、仮にそういう目で見られますと経営にも影響が出ますので、この表現は御検討いただきたいと思っております。

以上のようなことを考えあわせますと、課徴金制度の必要性はあるとは思いますけれども、中小・小規模事業者にとっては過重過ぎるのではないかと考えられますし、また事業活動を萎縮・抑制するという効果もございますし、この機会に廃業を選択させたり、利益以上の課徴金を徴収して倒産に追い込むような事態も想定されなくもございませんので、先生方におかれましては現場の実態を踏まえた慎重な議論をお願いいたしたいと考えてございます。

以上でございます。

(4)質疑応答

○小早川座長 ありがとうございました。

それでは、14時15分ごろをめどに質疑応答を行いたいと思います。お話いただきました内容について、あるいはその他の御意見、御質問でも結構ですが、委員の皆様から、よろしくお願いいたします。それでは、宮城委員、どうぞ。

○宮城委員 いろいろ具体的なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございます。

いろいろお話がありましたけれども、経団連さん、全国商工会連合会、日本商工会議所、お三方に共通して、まず質問なのですが、主観的要件のところです。今のところ、過失か重過失かというところで、抽象的に重過失がいいのではないか、あるいは過失がいいのではないかという議論になっておるのですけれども、それでは何が軽過失で、何が重過失なのだというところにつき、私の認識では、抽象的な言葉で議論してもしようがないのではないかという気がしております。具体的にどういう場合に課徴金が課されて、どういう場合に課されないのか。どういう認識のためにどうなのだというところかと思うのです。

お三方共通しておっしゃられているのが、思いもかけないところでミスが出ていて、課徴金を課されるというところを非常に懸念されていると、伺っていて理解したのですが、前回にもちょっと伺って、同じような質問になるのですけれども、具体的にどういったケースが思わぬ課徴金ということを懸念されているのかというのがもう少しイメージできるような、こんな事例もあるというものはありましょうか。具体的なケースで、お願いします。

○小早川座長 いかがでしょうか。では、阿部本部長。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 前回のお答えとそれほど変わらないわけでありますが、事業者として通常尽くすべき注意義務を果たしていれば、私どもは免れるべきと考えております。その通常尽くすべき注意義務というのは、みずからの経験・能力等に応じて、必ずしも同じではないと思っております。例えば前回の例で、食品の小売店で問屋等、川上から仕入れたものにつきまして、そのまま川上の業者が言うことを信じて販売したら、実は違っていたと。例えば魚沼産コシヒカリだと言われて売っていたら、実は栃木産コシヒカリだった。このような事例では、わかるかと言われても、専門的な知見があればわかるものでもないと思います。

そういう意味での事業者としての通常尽くすべき注意義務の内容・程度はレベルによって違うと思います。大企業、中小企業、個人事業によって違うと思うわけでありますが、それぞれの事業者が通常果たすべき注意義務を怠っていなければ免れるべきと考えております。

○小早川座長 ほかの方々はいかがでしょうか。特にございませんか。杤原理事、どうぞ。

○日本商工会議所杤原理事 私ども、企業さんに聞きましたところでは、阿部本部長と同じように、問屋さん、あるいは海外から輸入してくるときに、貿易業者からはちゃんとした書類が整っていて、生産地がわかっているのだけれども、そもそも生産地で出国・通関するときに偽装されていたものについては、日本側では見抜けないので、そういったものについても責任を問われるのは困る。そこまでは、小規模企業では無理だというお声がございます。こういった判断が難しい上に、事業者さんのほうはものすごい懸念・不安を持たれておりまして、むしろ課徴金ではなく、司法の場で判断してもらったほうがいいのではないかという御意見もございます。

○小早川座長 いかがでしょう、宮城委員。

○宮城委員 そうしますと、お三方とも、上流とか外国とか、ほかの事業者さんから仕入れをしたものについて把握できなかったというケースを主として心配していらっしゃる。ほかにもあるかもしれませんが、とりあえずそういうことなのですか。しかし、それは通常尽くすべき注意義務を尽くして、それを把握できなかったということは、前回のときにも申し上げたのですけれども、重過失ではなくて過失ではないかという。

だから、そういうことを懸念して言われるのであれば、それは通常の過失で十分切り分けができるところで、仕入れをする事業者さんによく確認されて、基礎資料なども受け取って、それでそのように誤解させられたということであれば、私の理解ではそれは軽過失もないので、課徴金の対象になるようなことはないのではないかと思っているのですが、いかがでしょうか。

○小早川座長 阿部本部長。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 話がかなり違いますけれども、金商法上の課徴金は、いわゆる故意・過失等を要件としておりません。うっかりミスみたいなものも課徴金の対象になってしまうわけでありますので、そういうものとはぜひ変えていきたいと。そういう意味では、こちらでの御議論の中で、私どもの主張はC案でございますが、B案の設計次第ではさほど変わらないものになり得るかなと思っております。

○小早川座長 宮城委員、どうぞ。

○宮城委員 それから、中小事業者さんのほうで、小さいところでは法務部もないから判断できないのだというお話があったのですが、これは法律的な知識とか景表法を知っていれば判断できるかということでも、またないと思います。むしろ、場合によっては消費者庁自体よりも、現場の事業者さんのほうが現場の実態を細かい事情までよく御存じなので、これは消費者をだましていることになるのか、それともこれは正しい表示であるのか。場合によっては、現場の事業者さんのほうがよく理解できるというところもあるのではないかという気がしております。

それと、ガイドラインということでお三方とも共通しておっしゃられたわけですけれども、御承知のとおり、景表法は横断的な規制ですので、果たして現在の消費者庁のマンパワーのもとで、全業種に対して事細かなガイドラインがつくれるものかどうか、それはどうなのだという気がちょっとしております。

あと、経団連さんがおっしゃられている、事業者団体がつくられているような自主的なガイドラインはどうなのだというところがありますが、消費者的な立場で懸念しますのが、その事業者間のガイドラインなるものがしっかりと消費者から見た表示のガイドラインになっているのかどうか。業界では常識だけれども、一般人から見るとそれは常識的なことに見えないということがないのかどうか、そういったところのチェックは必要だと思う。

公正競争規約などは、それについては消費者庁と消費者団体の目が入っているということで、そのあたりのチェックはある程度できると思うのですけれども、ほかの事業者における表示ガイドラインというのはどんなものがあって、どういう実態なのか、私は詳しく存じ上げませんが、そのあたりは消費者の意見を聞いてつくっているということはあるのでしょうか。現場のガイドラインの実情などを御存じでしたら、教えていただければと思いますが。

○小早川座長 阿部本部長。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 まさに公正競争規約を設定いたしますのは、事業者または事業者団体でございますが、当然、消費者庁等によるチェックを経て、それがオーソライズされるわけであります。今、事業者団体ではそれぞれ大きなものから小さなものまで含めまして無数のガイドラインなるものがありますが、確かに御指摘のとおり、事業者が集まって勝手につくっていると言われても仕方のないようなものから、非常に中身がしっかりしたものまでございます。何らかの形で所管省庁等によってオーソライズできる仕組みがあればと思います。

○小早川座長 宮城委員からの御発言の前半には、消費者庁、行政側のガイドラインというのがどこまで有効かという問題提起もありましたけれども、その辺についての御意見、御感想は何かおありですか。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 私どもが知っております限り、行政のガイドラインにつきましては、法令と同じようなレベルでのコンプライアンスを事業者は行っているはずであります。

○小早川座長 では、ほかにいかがでしょうか。川出委員。

○川出委員 経団連さんと全国商工会連合会さんにお聞きしたいのですが、事業者が自主的な返金をした場合に、それを課徴金の額の算定の際に考慮する制度については賛成というご意見であったと思います。この調査会では、自主的返金とならんで、もう一つ、事業者が一定の寄附をした場合に、それを課徴金額から控除する制度の導入についても議論しているのですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。

○小早川座長 阿部さん、どうぞ。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 基本的には、被害に遭われた方に対する補償でございますので、私どもがお願いしておりますのは、事業者等の自主的な対応によって、既に被害が救済された場合については、課徴金額を考慮してくれということであります。寄附というのは、また違った考え方でありまして、例えばどこに、どれだけ寄附すればいいということが一元的に定まるのでしょうか。であれば、これは国が一元的に徴収した上で、国の政策に基づいて必要な支援を行うというやり方のほうが望ましいと思います。

○小早川座長 後藤常務理事。

○全国商工会連合会後藤常務理事 私も、寄附の先を問わないというのか、その辺のところもいろいろあると思います。これは、非常に問題が多いのではないかと思っておりますので、そこは寄附とは分けるべきではないか。被害者の救済に充てたものは控除すべきと考えますけれども、研究機関に出してもらってはだめなのかとか、そういう細かな話になってくると事業者としても混乱するのではないかと思っております。

○小早川座長 川出委員。

○川出委員 寄附の場合にも課徴金額から控除するという制度を設ける理由の一つとして、事業者が自主的に返金しようとしても、すべての被害者に返金できないような場合も考えられ、そのような場合には、減額されるとはいえ課徴金を課されることになるので、例えば、消費者の利益を図ることを目的とした団体への寄附を課徴金から控除することを認めることで、課徴金を支払わなくてもよくなるという事業者側にとっての利点があるということが挙げられているのですが、そのような利点はあまりお感じにならないということでしょうか。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 まず、自主的な対応を行おうとする場合に返金できないということは、私どもはあり得ないと思っております。現実に、昨年来の食品偽装等に係る業者の対応を見ましても、実際に購入されたという証拠がなくても言われたままに返しているわけでありまして、それがいわば自主的な対応なのであります。例えばレシートとかポイント等に記録が残っていなければ返金できないということであれば、これは自主的な対応とはとても評価されないと思います。

○小早川座長 川出委員、よろしいですか。

○川出委員 はい。

○小早川座長 今の点でちょっと補足しますと、返金できないということはないだろうとおっしゃったのですが、裏側から言えば、事業者が、きちんとした証拠があろうがなかろうが何らかの形で返金せざるを得ないということもあるでしょうし、それから、はっきりした基準を定めずに返金してしまうということもあるでしょう。そのようにとにかく返金という形をとればそれをすべて課徴金の際の控除に考慮するというのも、これも制度としていかがなものかというような議論を重ねまして、そういう無理な、あるいは不自然な形の返金を制度に組み込むよりは、きちんとしたルートとして寄附という道筋もつくっておいたらどうかということなのですね。そういう方向で決まったわけではありませんけれども、私のほうからちょっと説明を補足させていただいた次第です。

後藤さん、どうぞ。

○全国商工会連合会後藤常務理事 被害者の数が多いということになれば、集団訴訟で民事的に解決する方法が別途用意されているということですので、ここは民事的な部分ときちんと線引きすべきではないかと我々は理解しています。

○小早川座長 わかりました。

ほかにいかがでしょうか。岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 3つの団体にそれぞれお尋ねしたいと思います。

まず、商工会連合会様のほうにお尋ねしたいと思うのですけれども、法の適用について、小規模事業者については猶予期間を設けてほしいとおっしゃったと思うのですが、その猶予期間の必要性というのか、どういう準備というか、どういう対応をするので、こういう時間的な猶予が欲しいという事情があれば、もう少し具体的に御説明いただきたいというのが1つです。

もう一つは、何が課徴金の対象になって、そうではないのはどこかという区分がわかりにくいというのは、それは私自身もそういうふうに感じておりまして、この会議で何回も発言しています。そして、一般の事業者が相談窓口を設けてほしいとおっしゃいました。これは、もちろん事業主向けの相談窓口なのですが、それは自治体が設けている消費者行政としての窓口は、もちろん消費者の方が相談にも行きますけれども、事業主の方が御相談に行くということは排除されていないと思いますので、そちらに行かれるというのでいいのではないかと私は思っているのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。質問がたくさん重なるといけませんので、商工会連合会さんに以上の2つをお尋ねします。

○全国商工会連合会後藤常務理事 まず、小規模企業の経営実態は、借り入れも多数していますし、非常に厳しいです。それで、課徴金の金額にもよりますが、50万円、100万円といった金額でも、規模の小さなところでは実質的にすぐに払えといってもなかなか払えない事情もある。したがって、そういった場合にはある程度借り入れをしたり、資金調達をする猶予期間が少なくとも欲しい。金額にも、先ほど裾切りは私ども評価したいと申し上げたのも、そういう趣旨で、非常に経営は厳しい。皆さんが思っている以上に、少額の金額を用意することも難しい企業も多いということを十分に勘案していただきたいということです。

それから、相談窓口ですが、一般の消費者の皆さん方の相談とは異なって、より事業者として取引先の問題とか細かな相談になって、多分専門の方がおられるかもしれませんが、事業者が相談したときに的確な相談、回答ができるのかといった部分もあろうかと思っております。我々の組織も、それは日本商工会議所と私ども全国商工会連合会でオールジャパンは全部カバーしていますが、そういった知識を持った人間を我々としても配置していかないといけない。それには、それなりの費用もかかることでもありますし、相談の案件ごとの時間も必要になってくる。そういったことも十分お考えいただくということになると、国で何らかの手当てをしていただくのがいいなと。それは我々の希望でございます。

○岩田委員 主張はわかりました。ありがとうございます。

それから、続けてよろしいですか。

○小早川座長 今のお話の中で、相談窓口は今あるものを事業者も利用できるのではないかという点ですが、行政の側から何か御説明は。

○消費者庁菅久審議官 そもそも宣伝が足りないのかなと思って、今とても反省しつつ、残念に思っているのですけれども、表示対策課というところで事業者から連日相談を受けておりまして、具体的にこれからやる表示ですね。やったものについて相談というのはないのですけれども、これからこういう表示をしたいのだけれどもという相談は今でも受けておりますので、ぜひ不明な点があったら、そちらに今でも御相談いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○小早川座長 今のは補足ですが、岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 ありがとうございました。

今の消費者庁の御説明についてですが、県とか市町村がやっております消費者相談の窓口がありますけれども、そこでも例えばこういう広告が課徴金の対象になるリスクがあるかどうか、そういう相談に乗れるだけの体制があるのでしょうか。

○消費者庁菅久審議官 具体的に県ごとで体制はいろいろ違うと思いますが、消費者相談というよりは、まさに景品表示法を都道府県自身が執行しておりますし、あと地方ですと、公正取引委員会の地方事務所も担当しておりますので、大体そういうところに事業者の方が御相談に行っているかと思います。県のほうで不明であれば、ブロックごとの公正取引委員会に相談、それが回ってきたり、また消費者庁のほうにさらに相談が来たり、そういうことを順番に。それはたらい回しという意味じゃなくて、行政間で答えぶりを相談した上で返すということをやっているかと思います。

もちろん、個々のケースごとに上手くいっていないことがあったりして、御不満な点があったりすれば、それはそれで言っていただければきちんと対応したいと思います。

○小早川座長 後藤常務理事から手が挙がっていますので、どうぞ。

○全国商工会連合会後藤常務理事 消費者庁のほうに御確認申し上げたいのですけれども、相談窓口というのは県にどのぐらいの数があるのでしょう。

○消費者庁菅久審議官 都道府県窓口といいますか、景品表示の担当をしているのは都道府県庁ですね。ですから、そこの担当課だと思います。

○全国商工会連合会後藤常務理事 つまり、1カ所ということでしょうか。

○消費者庁菅久審議官 そうですね。

○全国商工会連合会後藤常務理事 電話で済む話であれば、それでいいのかもしれませんけれども、我々の小規模なところが県庁所在地まで行って相談するという時間と経費の問題ですね。これは、我々にとっては非現実的な話であって、もう少し近くで親身になって相談する窓口が欲しいということを申し上げたい。

○消費者庁菅久審議官 ヒアリングの場なので、私が余り意見を言うところじゃないと思うのですけれども、今でも日々、広告を出されている方は、御自身でこの広告が嘘じゃないかどうかを考えながらやっていらっしゃると思うのですね。だから、その範囲内でやっていらっしゃる分には、多分多くの方は相談する必要がなくやっていらっしゃるのだと思うのですけれども、そこで不明な点があれば御相談いただいていることと思います。もちろん、電話がパンクして非常に大変だとなれば、それを増設する、また体制を強化するということは考えていきたいと思っております。

○小早川座長 では、今の点はその程度にして、岩田委員。

○岩田委員 続けてよろしいですか。ありがとうございます。

それでは、商工会議所に御質問したいと思うのですが、中小・小規模企業の経営実態をよく考えてほしいというお話の中で、業種によっては赤字経営が圧倒的に多い業種もあるのだということもお話になりました。そして、利益が出ていない企業に対して課徴金がかかってくると倒産になるというお話もなさったかと思うのですが、そこの部分は私はちょっと理解できないのです。

仮に、その年度が赤字であったとしても、もし本当にやってはいけないような表示をやって、そのことによって本来は得られない収入があったということになれば、それは表現の仕方は、私も「やり得」について、書き方というのはもう少し検討したほうがいいとは思いますけれども、今、とりあえず「やり得」という表現を使いますけれども、そういう場合であっても「やり得」は発生しているわけであって、その企業の経営実態がどうかということで課徴金をかける、かけないということの判断がゆがんではいけないと私は思うのですが、そのあたりは、利益以上の課徴金が課された、倒産してしまったら困るとおっしゃったところの意味合いをもう一度お尋ねしたいと思います。

○日本商工会議所杤原理事 違法な行為をした者を見逃してくれという趣旨では全くございませんで、今でも景表法の中に措置命令がありまして、罰金もあるわけですので、まずもって、それできちんと処罰をしていただければいいのではないか、これが前提でございます。この先、皆様方が設計されるときに率の問題にどうしても行き着かれると思ったわけですが、独禁法の課徴金の率を拝見しましても、罪の重さによって率が当然変わっておりますし、それから中で業種が分かれておりますし、さらに中小企業への配慮のパーセンテージというものが設定されております。

そういったことをかんがみますと、例えば卸とか小売ですと、平成24年の法人企業統計でいけば、経常利益率が0.5とか0.3しかございませんで、それだけの率で経営されておりますので、そこに対して、例えば一般的に言われているような3%という数字を掛けたときに、利益以上の利益を吐き出させてしまうことがあり得るのではないかということでございます。不当な行為をした者に対して、そこを見逃してくれとか外してくれということでは、一切ございません。

○岩田委員 課徴金の計算の仕方は、例えば年間の総売り上げに一定の比率を掛けるというのではないのではないでしょうか。その問題になっている広告によって売った商品の売上高に対して掛けるわけで、全体の年収に対して一律に、例えば3%掛けようというのではないと私は理解しておりましたが。

○日本商工会議所杤原理事 恐らく皆様方、そういう理解だと思います。不当利得というものが計算できるとも実は正直思っていないのですが、仮に計算できたとして、この不当表示を見て買った人が特定できて、その人たちの金額が全部把握できて、それ積み上げて計算できて、それがあるパーセンテージを掛けて課徴金として徴収されましたというときに、経常利益が既にマイナスになっている企業であっても、その課徴金をお支払いするわけです。赤字決算の中から、またさらにその金額を払うということですから、場合によっては倒産するケースもあり得るのではないかという心配をしているということでございます。

○岩田委員 御説明に私自身は少し違う意見を持っておりますけれども、余り長く時間をとっても何ですので、最後になってしまいましたが、経団連のほうにお尋ねしたいと思います。

御主張は全般的に私はよく理解できるところが多いのですが、さっきのやりとりで御説明も補足されたところで、徴収した課徴金の取り扱いについての件ですが、冒頭の御説明の中で、基本的には自主的な返金があった場合に課徴金をどうするかということについて、その取り扱いがどうなるかということとセットで考えたいとおっしゃったのですが、そのセットで考えたいということの意味を御説明いただきたいということが1つと。

そのときに御説明があったのは、特定の消費者団体に還付するということは問題ではないかということをおっしゃりつつ、被害者全体とか、あるいはそれが難しい場合には消費者全体に還流するようなことがあり得るようなニュアンスに私は受け取ったのですが、そのあたりも補足していただければと思います。

○小早川座長 どうぞ、阿部本部長。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 セットでと申し上げたのは、自主的な対応をして返金等をした場合についてはその分を課徴金額から控除していただくことになれば、自主的な対応がなくて課徴金となる場合についても、同じように消費者、実際に被害に遭われた方に対する対応は必要かと思います。そういう意味で、犯罪被害財産等による被害回復給付金制度というものが今、ございますが、これに近いような仕組みが回せるかどうか、ぜひ御検討願えればと思うわけであります。非常に少額・多岐にわたるような場合について、うまく回るかどうか、私は全然わからないわけでありますが、同じような仕組みが全く想定できないとは思いません。

その上で、そのような形での直接被害に遭われた方へ分配ができないのであれば、これは消費者行政を含めた国全体の消費者施策に使うということであれば、国が国庫に一旦入れた上で予算措置をとればいいだけの話だと思います。

以上です。

○小早川座長 今の犯罪被害者云々のシステムの考え方が何か使えないかということは、たしか阿部さんにもおいでいただいたと記憶していますが、前の行政手法研究会でも結構時間をかけて検討したわけですね。そこでいろいろな議論があり、検討がされた結果、今回は課徴金というところに対象が絞られてきているという経過があることは御承知のとおりだと思います。御意見は御意見として承ります。

齋藤委員。

○齋藤委員 テーマが変わってよろしいですか。

○小早川座長 どうぞ。

○齋藤委員 それでは、2つの団体と消費者庁にそれぞれお伺いします。

まず、全国商工会連合会さんにお伺いしますが、2つありまして、1つは、最近はネット販売する会社というか、個人事業者や農家を含めて、結構あると認識しております。そうすると、地域性が希薄になると思うのです。先ほどおっしゃられた、地域に特化しているので、その地域で顔が立たなくなれば事業が成り立たないということを勘案してくれということを、ネットについて何か検討されたかということ。

もう一つは、本当の、誰が見ても悪いと思うような者は、個人事業者だけでなく、結構少人数でやっているところが多いと私は認識しています。そういう者を無罪放免というか、課徴金も何もかけないということで取り締まりを緩くするとマーケットの汚染度が高くなると思うのです。そのあたりについて、検討会の意見の中で何か出てきたでしょうか。

○全国商工会連合会後藤常務理事 まず、ネット販売のほうですが、私どもの団体はエリアを会議所さんと分けているのですが、商工会議所のほうは比較的規模の大きな都市部です。私どもは郡部でして、そういったところはどういう事業者の年齢構成になっているかというと、かなり高齢でございまして、後継者も余りいない。ネット販売は、確かに販路開拓については有効な手段だという理解はしているのですが、なかなかそこまで行き着いていないという実態がございます。

ですから、総体で見ますと、我々の地区の中にもそういったネット販売を一生懸命やっている事業者がいないとは言えませんけれども、大層としてはほとんどそちらのほうではなくて、リアルな店舗を構えて、日々商売している方たちが実態で、今おっしゃっているようなネットのところまでなかなか行き着かないというのが実情です。

2つ目の悪意を持ったというのは、これは私ども、ずっと申し上げているのですが、この人たちを事業者と呼べるのかどうか。そこの一番の入り口のところがあって、もともと犯罪者に近いような人たちと、我々の、事業をちゃんと継続して、地域とともに事業活動をしていこうという経営者とは全く異質のものではないか。それと一緒にして議論されること自体、非常に違和感がありますし、余り愉快ではない、不愉快な気分になるわけです。だから、そこはきちんと分けていただきたいという思いです。

○齋藤委員 続いて経団連さんにお伺いします。課徴金を納付することになった場合に、それまでの消費者へ返還した金額とかを考慮してほしいと言われましたが、実際には課徴金は売上高に一定率を掛けるということに多分なると思います。片方で支払いのほうには、本当に購入されていない方、レシートがない方も含まれるし、全額返金するということもあると思う。そのあたりの調整というのはどういうふうにお考えでしょうか。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 昨年、実際に関西のある大手ホテルは、対象商品の売り上げの何倍もの返金をしているそうであります。そういう場合、実際に課徴金が課されても算定額を上回る返金をしてしまったということであれば、そこでおしまいというだけかなと思います。少なくとも実際に被害に遭われた方には対応しているわけでありますので、それで返し尽くしたということであれば、課徴金額がマイナスというのはあり得ないので、ゼロでおしまいかなと思っております。

○宮城委員 ちょっと誤解があるようなので。

○小早川座長 では、宮城委員。

○宮城委員 消費者庁のお考えは多分同じだと思うのですけれども、我々の中で議論しているのは、証拠があろうとなかろうと、何が何でも返金すればよろしいという考えは全く前提としてとっておりません。課徴金から控除して減免するという話ですから、それにはきちんとした客観的な証拠に基づいた返金でなければ課徴金からの控除は認めないという、消費者庁としては恐らくそのような取り扱いになるのではないかと思います。つまり、最低限領収書、できれば契約書とか顧客名簿。業者さんとか被害者となった消費者の側で、きちんとした客観的な何かで確認できるものに対しての相当額の返金だけ控除しましょうということで議論しているので、それは全く前提が違いますので、その前提でお願いします。

○小早川座長 私もそのような理解ですが、その点はよろしいですね。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 特に。

○小早川座長 齋藤委員、さらに。

○齋藤委員 消費者庁にお伺いします。先ほど相談窓口は設けているので、ぜひ積極的に相談してほしいという前向きな発言があって頼もしく思ったのですが、私も企業で営業をやっていたことがあり、広告宣伝する場合に、広告宣伝物というのは間際になってでき上がることが多いのです。コンセプトを固め、どの点を訴求するというのは最後まで煮詰めていきます。表示するものについては最後の最後の段階ででき上がることになるケースが多いと思います。そうすると、すぐに答えをくれということに多分なると思うのです。その即時対応力があるかどうかということが1点。

都道府県に相談した場合に、先ほど同じ府県の中でも遠隔地からは相談に行けないという発言がありましたけれども、それが行けたとしても、都道府県あるいは消費者庁によって回答の内容が異なるということはないのでしょうか。

○小早川座長 今日の趣旨からすると、ここは簡単にお願いします。

○消費者庁菅久審議官 本当に相談の中身次第だと思います。商品の実際と広告が合っているか合っていないかということをお伺いしながら判断していくのが基本でございますので、相談を寄せていただいたときに、その商品について、先ほどもお話がありましたが、消費者庁が知っているわけじゃなくて、むしろ最初に、この商品はどういう内容ですかということをよくお伺いし、この広告を見てお客さんはどう思うと思いますかということを話し合いながら、ずれていたら、ずれているのでやめたほうがいいのではないですかという説明をしていると思いますので、まさに広告の内容とか商品の内容次第だと思います。

ですので、早く答えられるものもあれば、非常に難しければちょっと時間がかかることになろうかと思います。そこは、相談に来られる方も非常にラフな段階で来られる方もいらっしゃれば、最後ぎりぎりに来て、あしたまでと言われても、それはものによっては答えられないものもある。そこは、事業者の方御自身で判断くださいということですので、基本的な考え方を御説明した上で、そういう面に基づいて御判断くださいということもあるとは聞いております。

○小早川座長 消費者庁とのやりとりは、今日はこの程度に。

○齋藤委員 わかりました。では、後日。

○小早川座長 よろしいですか。

では、ほかに。河上委員長、どうぞ。

○河上委員長 1点だけ伺いたいのですけれども、課徴金制度を導入することについての趣旨が、どちらかというと不当な表示の抑止というところにあるのだということでは、皆さん一致していて、被害回復の問題は別問題として分離して考えたほうがいいのではないかところでもトーンは一致しているような気がします。

他方で、一旦、定まった課徴金額について、被害者に返金している分については控除というか、軽減すべきであるというのは、それは課徴金が被害回復のための役割を事実上担っているからというのと結びついた議論になるのではないかという気がするのです。被害回復は被害回復、課徴金は課徴金、やるべきでないことをやってしまったときに課せられる制裁金であるからということであれば、返金したことは結構なことではあるけれども、減額の事由にはならないのではないかという疑問があるのですが、その辺はどうなのでしょう。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 委員長、おっしゃるとおりでございますが、独占禁止法の課徴金制度というのはそういう趣旨で判定しておりまして、国が課徴金を取って、さらに民事上の賠償請求等が当然行われる。その間では何も調整がない。それは本当に望ましい姿かどうかということについて、私ども疑問に思っております。通常は一定の調整があるべきでございます。日本の課徴金制度が、これからいろいろな分野でふえていく可能性もあるときに、独禁法型の取れるものは取る、国が取っておしまい、後は民事でそれぞれやるべきだから国は関係ないという仕組みは、私は望ましくないと思っております。

ただ、目的が被害救済よりは抑止であるということについては、これは大前提だと思います。その上で、細部の設計の中でどういう配慮ができるかということだと思いますので、よろしく御検討いただければと思います。

○河上委員長 あとは意見なのですけれども、むしろ事業者の方々には頑張れと言いたいですね。例えば、通常の人が注意を尽くせば回避できるような誤った内容での表示をしてしまって、著しく優良な表示をやってしまうような事業者に本当に責任がないのか。第4条の規定の中にある優良誤認表示というのはすごく厳しい要件で書かれていて、実際のものより「著しく優良」であることを示して、そして「不当に顧客を誘引している」という場合が優良誤認表示なのです。

やるべきことをやったということを前提にしながら、なお、どこからどこまでが許容される表示なのかわからないなどというよりも、むしろ自分たちはちゃんとできる。そんなことができないやつは市場から排除してほしいと言っていただければうれしいと思いました。これは意見でございます。

○小早川座長 何かございますか。どうぞ。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 先ほど中小企業団体のほうから猶予期間というお話がございましたが、これは大法人、大規模な企業であっても同じでございまして、実際に決められた後、施行までの間にそれなりの期間を置いていただきたい。行政庁を前に恐縮ですが、例えば中小企業庁が年度で予算を決めて法律を通して、さまざまな支援・助成措置を4月から施行とお決めになりますね。しかし、実際に普及してくるのは秋ぐらいです。甚だしきに至りましては、年度末になって適用事例がないから何とかしてくれと業界団体に駆け込んでくる。お金をもらえる話でも、実はそのぐらいの時間がかかるので、十分な猶予措置をお願いしたいと思います。

○小早川座長 杤原理事。

○日本商工会議所杤原理事 河上委員長から中小・小規模事業者にエールをいただいたのですけれども、実はそれゆえに慎重に御検討いただきたいということであります。事業者に頑張ってほしいということはもちろんそうでありまして、商工会の管内も商工会議所の管内も小さな企業さんが一生懸命頑張っておられます。例えば、とてもさびれた商店街の真ん中でも売り上げを伸ばしている八百屋さんがおられまして、これは段ボールを捨てずに、段ボールの耳を切り取って裏を使ってポップ広告を書いて、一番キャッチーな売り文句を書いてお客さんを集め、売り上げを1割2割伸ばしているというもので、それは「安いよ!」「旨いよ!」の一言で書くわけであります。

その「安いよ!」「旨いよ!」が不当表示に当たるのか、優良誤認に当たるのか、現場ではそういうことを心配しているわけでありまして、悪質のもの、故意のものは犯罪ですから、当然法律の適用で取り締まっていただければよろしいかと思いますが、頑張っている人たちが間違って、不当表示なのか、不当表示じゃないのかの判断の線引きがわからなくて悩む問題でありまして、御配慮いただきたいと思う次第であります。

○小早川座長 今の「安いよ、旨いよ」問題をどうするかというのは、恐らく行政と業界の方々とのさらなるコミュニケーションが必要なのでしょうね。ガイドラインがどうなるかということは、またその先の話だと思います。

予定の時間が来ておりますが、あとお一方ぐらい、どなたか御発言ありますか。

○宮城委員 民事訴訟との関係で、3団体ともたしかおっしゃっていたと思いますが、恐らく集団訴訟が始まるので、被害回復についてはそれでよいのではないかという御意見であるかなと承ったのです。半ば意見になるのですが、それについては多分に疑問がありまして、御承知のとおり、第1弾の手続と第2弾の手続、集団的訴訟手続がありますけれども、第1弾の手続で返還請求権が認められないと話にならないわけでして、被害回復には全くつながらないわけです。

それについては不当な表示があったということだけでは足りないので、不当な表示があり、かつそれによって多くの消費者が誤認を生じ、それによって損害を受けたことで初めて請求権が発生するので、不当な表示があったというだけで、直ちに集団的被害回復に結びつくわけではありません。それについてはやってみないとわかりませんけれども、かなりハードルがあるだろうという気がしております。ですから、それだけで解決ということはなかろうと思われます。ごめんなさい、まとまらないまま話を始めてしまいましたけれども、それについてはどんなふうにお考えですか。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 集団訴訟制度の御検討の中で、私ども、何度もヒアリングを受けておりますが、そのときは、まさにこういう問題に対応するために集団訴訟制度が要るのだというのが、消費者庁、消費者委員会からの御説明だと記憶しております。現に私どもの記録には、まさにこの食品偽装等の不当表示事例については、これで対応できるというお話を承ったことが残っております。

○小早川座長 これで対応できるというのが、不当表示なのかどうかということと 。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 現実に、第1弾目の訴訟の帰趨によると思いますけれども、個々の被害額の立証をどこまですればいいか。先ほど宮城委員のおっしゃられた、自主的な返金といっても、むやみやたらに返しても仕方がないのではないかというお話と同じかなと思っております。どこまで対応できればよしとするかという、ある意味での程度問題でありまして、厳格に領収書がなければだめとか、販売記録が残っていないとだめということになりますと、こういう仕組みは非常に動きにくいのかなと思っております。

○小早川座長 今の点は、御意見なり認識なりがそれぞれあるということだと思います。

それでは、まだあるかもしれませんが、予定の時間もオーバーしております。いろいろな御意見を頂戴しまして、大変有益であったと存じます。いただきました御意見につきましては、今後の検討の参考にさせていただきます。

皆様には、本日はお忙しいところを御出席いただき、また有益な御意見を頂戴しまして、まことにありがとうございました。

(3団体退席)

≪3.要件・手続に関する検討(4)≫

○小早川座長 続きまして、前回議論しました論点のうちで不実証広告規制に係る表示を課徴金賦課の対象とするかどうかという点がございます。これについて議論し、検討していただきたいと思います。

まず、前回の議論につきまして事務局から説明をお願いします。

○稲生参事官補佐 資料2と資料3をごらんください。資料2は、今までもお出ししておりましたものと同様、前回の主な意見、質疑応答を整理したものです。この中で申しますと、3ページ目の一番上のポツのところですけれども、不実証広告規制に係る表示を対象とするかどうかについて「2)案に関し、表示を行う時点で『合理的根拠』は少なくとも存在しているべきであり、後から実験して合理的根拠を収集することを認める結果になるのはいかがかと思う」といった御意見がございまして、中ほど、2の上のあたりですけれども、「今回の議論で直ちに結論を出すことは難しいので、もう少し考えていただいた上で判断してはどうか」という御意見を受け、「引き続き検討することとしたい」ということとされました。

それを受けて、不実証広告についての前回の議論を整理したものが資料3でございます。内容としては、「1)案では、優良誤認に基づく『やり得』を前提とした課徴金と異なる性質の課徴金を課すことになる」といった指摘がありまして、全体的には2)案を推奨する意見が多く見られたところでしたけれども、今、申し上げたとおり、意見が分かれた点があったので、方向性を決めるには至らなかったということでございます。本日、引き続き議論していただくに当たりまして御参考となりそうな御意見をその下にピックアップしておりますので、こちらも御確認いただければと思います。

以上です。

○小早川座長 そのような次第であったと思います。この不実証広告につきましては、前回の資料4の6ページで提示されていた1)案と2)案に関する議論で、2)案への賛成意見が多いのかなと思っておりましたが、結局のところ意見の一致には至りませんでしたので、本日、引き続き議論をしていただきたいと思う次第です。あと30分程度、14時55分あたりをめどにと思っております。

では、御意見のある方、御発言をお願いいたします。

私のほうからですが、この2)案は、読みようによって、どういう考え方なのかというところがあるかと思うのです。こういう話は、具体的に法律に書いたらどうなるのか伺ってみたい気もするのですが、あるいは、まだそういうレベルまでは行っていないということなのか、それとも、そういう性質のものではないということなのか、消費者庁のほうで何か。

○消費者庁加納消費者制度課長 具体的な条文案までは詰めておりませんので、案としては、例えば推定するという考え方もあるのではないかという趣旨です。

○小早川座長 川出委員。

○川出委員 今の点ですが、私も同じようなことになるかと考えていました。2)案というのは、あくまで優良誤認表示が課徴金の対象であるという前提に立ったうえで、ある表示が優良誤認表示である疑いを抱かせるような一定の事情がある場合に、事業者側が合理的な根拠を示す資料を出さないという事実をプラスして、当該表示が優良誤認表示だと推定するという構造ですので、そのような形の規定になるのではないかと思います。

そのうえで、前回も申し上げたことですが、この案が、優良誤認表示であるという推定を働かせるものであるとすれば、その推定を覆すことはどの時点の資料であってもできるということでないとおかしいのではないかと思います。つまり、課徴金納付命令に対する取消訴訟が提起された場合に、その時点において、問題となった表示が優良誤認表示ではなかったのだという立証を事業者側がしたのであれば、その表示は、客観的的に優良誤認表示ではないわけですから、課徴金納付命令が取り消されるという仕組みになるのではないでしょうか。

○小早川座長 そこは、前回もいろいろなイメージでの発言があって、私も発言しましたが、考えられるのは、一つは、全く実証データを持たずに広告をしていたところ課徴金を払えと言われた、そこで実験をしてみたら、その結果はたまたま前に言った広告のとおりであったという、非常に運のいいケース、そういうものが本当にあるのかどうかわかりませんが、それが1つ。もう一つは、事業者側で隠す必要は全くないと思いますが、何かの事情で、消費者庁から資料を出せと言われたのにその場では実証資料が出なかった、出せなかった、どこかへ行ってしまっていた、しかし後から見つかったというケース。例えばその2つが考えられるわけです。このうち、後者はいいけれども前者はだめだよということにするのかどうか、その辺も条文の書き方の問題になるかと思うのですが、どうですか。あるいは、そこまでここで詰める必要はないのか。

○消費者庁加納消費者制度課長 推定するという規定ぶりになった場合の取り扱いは、川出先生がおっしゃったようになるのではないかと私も個人的には思う次第であります。あとは、むしろそういうことをそもそもしないような制度設計にしてしまうかどうかということではないかと思います。

後から実験して追加的に出すことを封じてしまうとすべきであるというのであれば、2)案よりは、1)案のようにしてしまったほうがすっきりするのではないかと思いますけれども、先ほどの、表示当初にあったものだけは取消訴訟における主張を許すけれども、その後の追加的実験は許さないという形で、仮にそういうふうに出した場合、条文がどうなるかというのは、にわかに私も思いつきませんけれども、そういうことであれば、また別途の条文上の書き方を工夫することになるのではないかという気がいたします。

○小早川座長 宮城委員。

○宮城委員 現実的に考えると、前回からお話の出ているとおり、ほとんど後から実験をして覆すのは無理なのではないかと思われて、実際の執行力から見ると、そう変わらない話になろうかということなので、そこに注力して議論してもという気がいたしますし、少なくともこの2)案であっても、執行力としてはとりあえず所期の目的は達せられ、かつ一応、手続保障もつくりましたということで、現実問題として、この制度の通りやすさを考えると一応理屈が立って、反対もしにくいのではないかという気がいたしますので、2)案で運用してみて、どのような効果が上げられるかを見て、不都合があればまた考えるということでどうなのかなという気がしているのですが、どんなものでしょうか。

○石戸谷委員長代理 同じような意見でありまして、前回の議論を踏まえて、平成24年、25年の措置命令を行った事件の中身を見て、この不実証広告規制を実際どういうことでやっているのかという事案を見ると、今、宮城委員が言われたようにほとんど2)案で行けるのではないか。これをやれば背が伸びるとか、顔が小さくなるといったものを措置命令で不実証広告規制でやっているわけでして、後からやったら実際こうだったというのが余り考えにくいようなものが多いので、理屈からいけばいろいろなケースがあり得るのかもしれませんけれども、実際には実益という面から見ると2)案で十分対応できるのではないかと思います。

○小早川座長 ということは、逆のほうから言うと、1)案でも2)案でも執行の結果は変わらないだろうということですが、例えば「推定する」という文言をどこかに散りばめるか散りばめないかで、もしそれがない場合、つまり1)案となりますが、その場合に、今のような背が伸びるという広告に対して行政の側で、いや、そんなことはないだろう、著しく優良誤認であると認定してしまって、それで処分をしたとすると、それはいけないのかどうか。その場合は、そのままだと、裁判になったときに、行政側に立証責任があるということで、それが立証できなければ処分は破られることになるのか。どうでしょうか。

○山本委員 今のは2)案の場合ですか。

○小早川座長 「推定」という文言を入れないで、しかし行政が推認して処分してしまったという場合。

○山本委員 「推定」という文言を入れずに推定して処分してしまったときにどうなるかですね。何も手当てしないとすると、行政側が証明する責任を負うことになりますね。だから、行政側がそれだけの根拠を何も出せなければ、納付命令は違法になる。

○小早川座長 ただ、行政側からは立証しないけれども、裁判所としても、これで背が伸びるはずがないという心証を裁判官が持てばどうなるのかなと。

○山本委員 通常の証明責任の問題になるとすれば、合理的に考えて、そんなことはあり得ないという場合であれば、それは行政側が特にすごく証拠を出さなくても裁判官としては、それは不当表示に当たる、景表法違反に当たるという認定をするのではないでしょうか。だから、そこは公知の事実なのかどうかわかりませんが、行政側が証明責任を負っていても、明らかに不当表示に当たるということであれば、納付命令は違法にはならない。

○小早川座長 というようなことで、際どい話になるかと思うのですが、仮に推定によって処分することができるという立て付けになっていれば、事情は大分違うでしょうね。

○山本委員 こういう場合は推定できるということがはっきりと法定されていれば、もちろん覆される可能性はありますけれども、何もない場合よりは、行政側のほうが積極的に証拠を出さなくても不当表示であると認定されることになるのではないかと思います。

○小早川座長 はい、菅久審議官。

○消費者庁菅久審議官 出発点が、もともとは4条2項がなかったので、まさに行政側が表示されている効能・効果はないということをある程度立証しなければならないという前提で調査していたわけですね。それが大変だったので、今回4条2項が出たと。2)案にしなければ何が起きるかというと、つまり証拠を出せなければ措置命令が確定し、その確定した措置命令に基づいて課徴金がかかる事になるのだと思いますから、そこで合理的根拠の有無ではもう争えなくなる。その道が塞がれるということだと思います。

それが手続上まずいからというので2)案が出てきて、そこで手続上、合理的根拠ということでも裁判したら争えるよという余地を残している。ただ、ずっと御議論あるように、実際上はそんなことはまずほとんど起きないだろう。したがって、執行力においては、2)案にしても余り変わりはないという話じゃないかなと思います。

○小早川座長 ありがとうございました。では、山本委員。

○山本委員 条文のイメージをこの場でどこまでやるかという問題はありますけれども、逆に1)案にした場合には、結局、4条1項1号の部分を、合理的な資料を持たずにこういう表示を行ったことというような書き方になる。さらに厳密にやろうとすれば、先ほど委員長が言われましたけれども、後から出したのだけれども、実はそのときも持っていたという主張を封じるためには、さらに提出命令か何かの手続を設けておいて、そこで出さないとだめだとする。そこまでやるかどうかということはありますけれども、いずれにしても4条1項1号の要件全体を恐らく触らなくてはいけないということになるのですかね。

○小早川座長 加納課長、どうぞ。

○消費者庁加納消費者制度課長 1)案の場合は、4条1項1号とは別の類型として、ストレートに新しい類型を追加してしまうということではないかと思っておりまして、今、山本先生がおっしゃった、何とかしたこと。合理的期間内にそれなりの資料を出さないことという部分をおっしゃったかとお聞きしたのですけれども、一つのイメージとしてはそんな感じ。それ自体が不当表示になってしまうと、優良誤認とはまた別の亜流のような形で、根拠なくして効果・性能について表示したことというのを新たな不当表示にしてしまうということかなと、1)案自体については理解しております。

あと、提出命令みたいな制度を設けるかどうかというのは、訴訟手続とは別に、行政手続の中でということかもしれませんが、そこまでは想定しておりませんけれども、今の4条2項のような形の合理的期間内に提出しないことということで、1)案がおおむねカバーされるのではないかと、イメージとしては思っておりました。

○小早川座長 加納課長。

○消費者庁加納消費者制度課長 失礼しました。手続のところは、今の1)案の下の注記のところで、上から3行目ぐらい、合理的な資料を持たないことを認定するための特別の手続を設けない場合には、こうなるのではないかと書いておりまして、裏返して、特別な手続を設けるということもあり得るということで書いておりましたので、そこは私は4条2項違反をそのまま不当表示類型として書けばいいのではないですかという趣旨で先ほど申し上げましたけれども、それとはまた別途、行政手続の中で特別な手続を設けることもあり得るという前提でございます。

○小早川座長 山本委員。

○山本委員 確かに1)案のほうも、要件全体を、何も根拠を持たずに表示したこととして、景表法の課徴金全体がそういう場合に課されるということになれば成り立つかと思うのですが、1)案ですと、現在の4条1項1号との関係を少し整理しないと、つまり4条1項1号には、根拠を持っていることという要件が入っていないわけですね。表示がこういう客観的な性質を持つものとなっているので、それをそのままにして、新たに不当表示の類型を並べるだけであると、その間の関係が希薄になるのではないかという気がするのです。

だから、合理的な根拠を持たないで表示したことが、違法であるという形で全体を整理してしまえば、そういう制度はあり得ないことはないと思うのですが、そこまでやるとすると、この要件自体をかなり動かさなくてはいけなくなるので、論理的にはあり得ると思いますし、厳格にやろうと思えば多分そうだと思うのですが、今回そこまでできるかどうかということではないかと思います。

○小早川座長 河上委員長、どうぞ。

○河上委員長 現在の4条の中で優良誤認、不実証であったとみなすという第2項の規定でも、1項にそろえる形で一定の措置の命令ができるようになっているということは、山本委員がおっしゃるように、違う種類のものが現在の措置の要件としても混じっているとは考えられないのですか。たまたま課徴金を課すことになったときに、同じような形でやっていいのかという効果における程度問題で問題提起がなされているような気がするのですけれども、そうではないのですか。

○小早川座長 山本委員。

○山本委員 確かに現在も2項は1項と少し性質が違うといえば、そのとおりなのですが、これはあくまで現在から将来に向けて、事業者に対してこうしてくださいということを命令するという制度ですので、課徴金を取るという場合とは少し違うのではないかと思います。過去の行為について経済的な不利益を課すという効果が違いますので、課徴金を課す行為と措置命令を課す行為を少し分けて考える必要があるかなと思います。

○小早川座長 ここは、消費者庁からあらためて現行法の御説明をいただいてもいいのかもしれませんが、私の理解しているところでは、措置命令というのは、現在、消費者にとって危険な状態が存在するのであれば、それを除去するという話で、かつそれは急を要するので、本当にそれが優良誤認の要件を満たすほどに危険なものかどうかということを詰めていたら時間がたってしまう。そこで、この2項の手続を設けて、かつ、ここは一種の転換なのですけれども、事業者側から答えがなかったときは要件該当とみなすことにして、それで危険状態を排除しようということではないかと思います。

そこが、課徴金の場合ですと、今、山本委員が言われたように、今ある状態をどうするかということではなくて、お金を取るわけです。取ってしまったら、もうそれで取られた状態は将来まで続く、それはしようがないということになる、そこが違うのかなと。そういうふうに、みなすということでバシッと決めてしまうだけの根拠といいますか、サブスタンスが、この場合にもあるのだろうか、平たく言えば、消費者がだまされて金を出捐してしまったという状態に課徴金を課すというのと、そうかどうかはわからないけれども不実証ということで課すというのは、質的に違う話ではないか、そのような問題だろうと理解しておりましたが。

河上委員長、どうぞ。

○河上委員長 趣旨は大体わかりますけれども、そうすると、先ほど加納さんがおっしゃったみたいに、新しい類型として、今までは事実と違うことを言って優良誤認をさせたということがあるのだけれども、実は根拠もないのにいいかげんな表示をしたということを、事実と違うことを言ったというのと、ほぼ等価なものとして第3の類型として、ここに出すという形で議論したほうが、ある意味ではすっきりするのではないかという話だったので、それはありかなという気がしたのです。

前々から申し上げているように、根拠も持たずに著しく優良な表示をして不当に顧客を誘引した。それは、他の競争者との関係でも、有利に立って利益を得ていることにはなるのだろうと思います。また、まだこれはちゃんと実証されていませんと断った上で顧客に買わせるというのが売り手としてのあるべき姿なのに、そういういいかげんな表示をしたということ自体、課徴金にふさわしい行為ではないかと個人的には思います。ただ、政策的に考えて、そこまで対象行為を広げて進むよりも、従来の優良誤認表示の枠に入れておいて、推定が破られない限りは、これは優良誤認表示であるという前提で課徴金を一旦は課しますとしておいて、破れるものであればちゃんと実証しなさい、ということでも良いかもしれません。

しかし、さっきから申し上げていることですけれども、本来は持っていないといけない合理的根拠なのですから、今から改めて用意する余裕を与える必要はなくて、ある程度スピーディーにそれを覆すことを要求することが必要で、推定規定を入れたときにそれができないのは、ちょっと疑問です。川出先生から、いつまででも後で覆るのではないですかねという話があったので、そこがよくわからなかったのです。

○小早川座長 川出委員。

○川出委員 いつまでも覆せるというわけではなく、課徴金納付命令に対して取消訴訟が提起された場合に、その審理が行われている間までは認めざるを得ないのではないかということです。取消訴訟において請求が棄却され、その裁判が確定した後に、合理的な根拠を示す資料を提示してそれを覆すということまで認めるべきではないと思います。

それから、事業者は、表示をする以上は、合理的な根拠を持っているべきだというのは、まさにそのとおりで、2)案において、事業者側が一定期間内に合理的な根拠を示す資料を出さないという事実がある場合に優良誤認表示であるという推定が働くのは、その表示をする際には事業者がそうした資料を持っているはずだという前提があるからこそです。その意味で、2)案も、発想としては1)案と同じ基盤に立っていますので、1)案との違いはそんなに大きくないかなという気がします。

○小早川座長 処分のときに、その推定の前提となる間接事実はなければいけないということですね。

岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 先生方の非常に緻密な難しい議論に本当についていけているかどうか、自信がありませんけれども、私は2)案がいいと思います。河上先生の思いもわかりますけれども、新しい類型をつくるということは非常に大きな話で、今日、3団体からヒアリングいたしましたけれども、私の印象では、思っていた以上に経済団体は理解があると思いましたけれども、不当表示の新しい類型をつくるということになると、これはまたちょっと大きい問題で、また議論が振り出しに戻りかねないという懸念もございます。

2)案にしても、消費者の保護に欠けることは全くありませんし、抑止効果がそれで落ちるということも全くないと思います。そして、実際にこういう推定を覆すような裁判が起こることも、まずは想定できませんので、2)案がいいと思います。

○小早川座長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 私も2)案でいいかと思いますけれども、この推定したときから取消訴訟を起こすまでの期間というのは、どのぐらいのことなのでしょうかというのが1つ疑問なのです。要は、取消訴訟をしたときに資料を持っているべきというのは、まさにそのとおりであって、その期間が短ければほぼ同じなのかなと素人からは考えられます。資料を出しなさいと言われたときに、なくしてしまってありませんでしたというのは、そもそもシステム、そこの会社の制度整備が全然なっていないのではないかという問題になってくると思いますので。

○小早川座長 処分がされてから取消訴訟を起こせるのは、現行法では6カ月に限られています。ただ、その後、訴訟で原告事業者側が証拠を出していく、これは、特段のはっきりした期限があるわけではありませんから、民訴の原則と同じで、原則は判決が出るまでは出せるということにはなります。それは結構長い時間になるかもしれません。だけれども、そこで出せる証拠というのが、実は処分のときに実証できたのだという証拠に限るか、処分された後で後付け実験したら、運よくその結果が出ましたというのも出せるかというのが、さっきちょっと出ていた論点ですね。時間の問題というのは、その2つあると思います。取消訴訟の出訴期間は短く限られています。

白石座長代理。

○白石座長代理 課徴金は金銭的な不利益を課すものですので、第三者である裁判所に見てもらう余地は残しておいたほうがよいのではないかと私は考えています。引き延ばしに使われるのではないかというご懸念はもっともですが、今、御説明があったとおり、6カ月の出訴期間と限られており、もし合理的な根拠を示す資料を持っていなさそうで、引き延ばしのためだけに訴訟を起こしているような様子があれば、裁判官は適切に対応するのではないかと存じます。

それから、これはテクニカルな問題なので、この場では聞かないでおこうと思っていたのですけれども、どうも必要な感じもしますので伺うのですが、課徴金納付命令を出したときの納付期限はどうなるのでしょうか。今、引き延ばしを許さず迅速に対応するという必要性が、1)案に親近感をもつ方々からは唱えられておりますので、納付期限についても御説明いただければよいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○小早川座長 その点は、さっきの経済団体ヒアリングの中にもちょっと出ていた話ですね。

○消費者庁菅久審議官 済みません、今、独禁法がどういうぐあいだったか、ちゃんと覚えていないのですけれども、それと大きく変わるものは余り想定していなくて、普通どおりだと思っております。

○白石座長代理 独禁法の課徴金の納期限は、今度改正されて、すぐ裁判所に行くことになって、7カ月になっています。それで、全部7カ月かなと思ってみましたら、金商法と公認会計士法は、私の見間違いでなければ、2カ月になっているように見えますので、そのあたりが法制的にどうなっているのかというところを教えていただければと思った次第です。

○消費者庁菅久審議官 申しわけございません。特に規則について、消費者庁で今まで深く詰めているわけではありません。特に長くするつもりも、特に短くするつもりもなくて、現行法制下でちょうどいいところというぐらいしか考えておりません。つまり、そこに特に意識的に何か作業しようというつもりは全くございませんでした。通常の手続で定めていけばいいのではないかなと思っておりました。

○小早川座長 今のお話は、出訴期間の話と、もう一つは、命令から履行までの期限の話。

○白石座長代理 今、7カ月とか2カ月と申しましたのは出訴期間ではなくて、命令後納付期限までの期間です。納付期限から後は延滞金がつくわけですね。

○小早川座長 わかりました。

ほかにいかがでしょうか。

それでは、短い時間で中身の濃い議論をしていただいて、その結果、いかがでしょうか、前回の資料と、今日の資料でもまた出ております、6ページの、1)案ではなくて、基本的に2)案の考え方で行っていいのではないか。2)案の具体的な形に関して、推定という言葉を使うのかどうかとか、法文にどう書くのかとか、後付け実験は排除するということですっぱり行くのかどうかとか、その辺のことはまだ確定しなくても、そういう意味で方向としては2)案の方向でよろしいのではないか。私の感じでは、ここでの議論はそういうふうにまとめさせていただければと思います。よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○小早川座長 ありがとうございます。
それでは、本日の議事は以上でございます。


≪4.閉会≫

○小早川座長 事務局から何か連絡事項がありましたら。

○金児企画官 本日も熱心な御議論をありがとうございました。

次回は、5月7日水曜日の午前10時から事業者からのヒアリングを予定しております。

なお、本会議の委員の皆様は、この後、委員間打ち合わせを行いますので、委員室にお集まりください。

以上です。

○小早川座長 それでは、本日はこれにて閉会といたします。お忙しいところをお集まりいただき、どうもありがとうございました。

(以上)