第7回 家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会 議事録

日時

2013年5月24日(金)16:00~18:46

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
古城座長、井手座長代理、小塩委員、古賀委員、白山委員、橋本委員、矢野委員
【消費者委員会担当委員】
山口委員長代理、小幡委員、細川委員
【説明者】
東北電力  岡信執行役員企画部長
石森執行役員営業部長
松岡企画部部長
四国電力  佐伯常務執行役員経営企画部長
島田常務執行役員人事労務部担任
守家執行役員営業部長
【事務局】
消費者委員会 小田大臣官房審議官、浅田参事官
消費者庁 草桶審議官、長谷川消費生活情報課長、日下部企画官

議事次第

1.開会
2.東北電力・四国電力へのヒアリング(委員からの質問事項への回答)
3.消費者庁作成「チェックポイント(案)」の検討
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:61KB)
【資料1】 東北電力・四国電力の申請に関する質問事項(PDF形式:149KB)
【資料2】 東北電力資料 【資料3】 四国電力資料 【資料4】 チェックポイント(案)(PDF形式:181KB)

≪1.開会≫

○浅田参事官 本日は、皆様お忙しいところありがとうございます。ただいまから「消費者委員会 公共料金等専門調査会 家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会」第7回会合を開催いたします。
 本日、所用により、蟹瀬委員が御欠席でございます。さらに、山口委員は、若干遅れるということで御連絡をいただいております。
 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。皆様、お手元の資料を確認していただきたいと思いますが、4点ございます。
 資料1、質問事項、資料2、東北電力の資料、資料3、四国電力の資料、資料4が最後に使いますチェックポイント(案)でございます。不足の資料がございましたら、事務局のほうにお申し出ください。
 なお、この議事につきましては、従前と同様、実際に録画をして、翌営業日の月曜日から議事録ができるまでの間、消費者委員会のホームページで動画を配信いたします。
 以上でございます。
 それでは、古城座長、進行をお願いいたします。

≪2.東北電力・四国電力へのヒアリング(委員からの質問事項への回答)≫

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。
 まず、電気料金値上げ認可申請の内容にかかわる質問事項についてです。前回の調査会で申請内容について委員の皆様から寄せていただいた質問等を取りまとめ、次回の調査会で両電力から回答をいただくこととしていました。これを受け、取りまとめた質問事項が資料1です。本質問事項につきましては、事前に東北電力、四国電力に示し、回答を準備いただきました。本日は、東北電力、四国電力においでいただき、質問事項への回答について御説明をいただき、その後、質疑応答をしたいと思います。
 東北電力、四国電力におかれましては、お忙しいところ御出席いただき、まことにありがとうございました。
 それでは、説明のほうに入りたいと思います。項目を上から幾つかに分け、それぞれごとに両電力からの御説明及び質疑応答を行いたいと思います。時間も限られておりますので、御発言は簡潔にお願いいたします。
 まず、東北の復興関係、人件費について、東北電力からお願いいたします。

○岡信企画部長(東北電力) 東北電力の岡信でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 お手元の資料2に基づきまして御説明申し上げます。
 復興関係、人件費でございますが、3ページをごらんください。東日本大震災及び新潟・福島豪雨水害に伴う設備被害によりまして、これまで特別損失として2,120億円程度を計上しておりますが、これらについては料金原価に入れてございません。一方、設備復旧のための設備投資額は2,457億円を見込んでおりまして、これによる減価償却費242億円を料金原価に算入しております。
 設備投資の償却期間につきましては、全設備平均で12年程度を見込んでおります。これは、投資の大部分を占めます火力設備の主要機器、ボイラーとか発電機器でございますが、こちらの耐用年数が15年であることに加えまして、ばい煙処理など環境設備の耐用年数が5年であることなどが合わさったものでございます。
 4ページをごらんください。これは、震災・水害対応の設備投資額の内訳でございます。表に記載いたしましたとおり、投資額累計の約3/4を火力設備への投資が占めております。
 5ページをごらんください。24年度は、石炭火力の復旧や23年度から継続して取り組んでいる緊急的な支出抑制や繰り延べ、人件費の削減などの効率化により収支改善しております。しかしながら、25年度以降も緊急的な支出抑制、繰り延べを継続することは、安定供給に支障を来すことになります。また、25年度以降も原子力停止に伴う影響は継続いたしまして、加えて震災や水害復旧工事に伴う減価償却費などの負担が増大することから、収支は非常に厳しく、財務体質も悪化いたします。
 6ページをごらんください。被災地の皆様に対しては大変申しわけございませんが、電気料金は全てのお客様に公平に御負担いただくことなどから、料金面での配慮を講ずることは難しいと考えております。当社といたしましても、国に対して機会をとらえ、復興事業の枠組みの中で支援・助成の充実をお願いするとともに、省エネセミナーを開催し、国のエネルギー関連補助事業について御紹介いただいております。
 7ページでございますが、女川原子力発電所の再稼働時期についてです。女川に限らず、原子力発電所の再稼働に向けては、新規制基準を踏まえた対応や安全性確認のための審査、地元の理解獲得などに一定の期間が必要と考えています。その上で、女川については震災の復旧工事に加え、基準地震動超過や新規制基準を考慮した地震・津波の評価を実施しており、これらを踏まえた安全性向上工事が一定量発生すると想定しています。このうち津波対策につきましては、十分な余裕を持った高さに防潮堤をかさ上げする工事を平成28年3月までの予定で実施することといたしまして、先日、5月14日でございますが、社長の定例記者会見で公表しております。当社としては、早期の再稼働に向けて取り組んでまいりますが、申し上げたことを踏まえますと、女川原子力発電所の再稼働は28年度以降になるものと考えています。
 9ページからは人件費について御説明いたします。
 初めに、役員給与の概要です。役員数は、前回原価と同じ21名で織り込んでいます。役員給与は、平成24年12月から最大40%程度の削減を実施しており、前回と比べて2億円減少しています。一般電気事業供給約款料金審査要領において、役員給与については「常用労働者1,000名以上の企業平均値を基本」とするとなっておりますが、今回の一人当たりの平均額2,700万円は、人事院調査1,000人以上3,000人未満の企業平均(3,200万円)を下回る水準になっており、前回より1,100万円削減しています。
 次の10ページは、販売電力量当たりの役員数でございます。当社は、販売電力量当たりの役員数2.6人でございまして、電力10社平均の5.6人を下回る水準となっております。
 11ページは、人件費の地域補正で人事院のデータを使用した理由でございます。「賃金構造基本統計調査」は、都市と地方における本社・支店機能の違いや、これに付随した正社員比率や職種の違いなども反映されてしまっているため、賃金の同種・同等比較を行うことが困難であります。
 一方、「人事院勧告の民間給与データ」は、「賃金構造基本統計調査」の問題点を意識して人事院が独自に調査しており、また、実際に国家公務員給与の地域手当の妥当性検証に用いられていることから、人件費の地域補正に用いることは一定の合理性があるというふうに考えております。
 12ページは、出向者についてです。出向者76団体609名のうち、今回の原価には電気の安定供給にかかわる34団体331名分の当社負担額である約6億円を織り込んでいます。また、電気事業連合会など42団体278名分の当社負担額である約7億円は原価不算入としております。
 13ページから19ページに原価算入いたしました出向先について記載しておりますけれども、説明は割愛いたします。
 20ページをごらんください。これは、人件費の比較対象といたしました公益事業セクターの範囲です。通信及び航空は、電気事業と同様に消費者物価指数の公共料金の中に含まれております。また、東京電力の査定においては、この5業種を公益事業として算定しており、当社もそれに従い算定したものです。
 21ページは、退職給与金の概要です。退職給与金は、退職給付水準の見直し等による費用減はあるものの、年金資産に関する運用収益の低下などにより、前回と比べて25億円の増加となっています。年金資産の運用に関しては、過去の運用実績の平均に基づき当年度の運用益を想定し、その想定額を費用からマイナスする形で原価に織り込むことになっています。また、この想定額と実際の運用益とで差異が生じた場合などには、一定の期間で費用の加減算を行うことになっています。
 22ページは、当社の退職給付制度の見直しの概要です。平成16年度以降、退職給付制度の見直しを行っており、25年4月からは給付利率の下限の引き下げなどの見直しを実施しています。
 23ページは、一般厚生費の概要です。福利厚生制度の見直しなどにより、前回と比べて17億円減少しています。
 24ページは、福利厚生制度の見直しについてです。既に宿泊・体育施設の全廃、カフェテリアプランの付与ポイントの半減などを実施しています。その結果、25ページのとおり、一人当たりの一般厚生費は、1,000人以上の企業平均値の31万1,000円と同水準にまで引き下げております。
 26ページをごらんください。これは、健康保険料の事業主負担率についてです。他産業平均並みの56%まで引き下げています。事業主負担割合を引き下げる場合は、被保険者の合意が必要であり、被保険者の負担も大きくなることから、さらなる引き下げは大変厳しいと考えています。
 27ページは、委託検針費・集金費についてです。手数料見直しなどの効率化により、前回よりも3億円減少しています。契約期間満了により検針員・集金員を新規採用する際は、手数料が割安な契約条件で採用することにより、委託検針費・集金費を削減していることに加え、平成25年4月より検針員・集金員についても社員給与と同様に手数料の引き下げを実施することから、その分の効率化も反映しています。
 28ページは、定年退職者の再雇用制度についてです。一般職社員を再雇用するエルダースタッフ制度と特別管理職を再雇用する専門役制度がありまして、定年退職者数をもとに新規雇用者数を想定しています。
 なお、当社ではパートタイムの勤務を希望する者が多く、表に記載した人数のうち8割以上がパートタイム勤務でございます。
 29ページは、雑給についてです。高年齢者再雇用に伴うエルダースタッフ・専門役の増加はあるものの、執行役員報酬の削減などにより、前回と比べ約1億6,000万円削減してございます。
 なお、相談役・顧問の報酬については、原価に入れておりません。
 30ページは、相談役・顧問の社用車使用割合についてです。相談役・顧問が専用に使用する車両はございません。主としてタクシーを必要に応じて利用しておりまして、その利用の度合いがおおむね4%となっております。
 東北の復興関係、人件費についての説明は以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 続いて、四国電力からお願いいたします。

○佐伯経営企画部長(四国電力) 四国電力でございます。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、人件費に関する御質問について御説明を申し上げます。
 資料の3ページをごらんください。まず、役員報酬につきましては、役員数を2名削減し、役員退職慰労金の廃止を含めた減額措置によりまして、前回と比べて2.1億円、率にして3割を削減いたしております。また、一人当たりの年間報酬額につきましては、全役員では2,800万円、常勤役員のみでは3,300万円でございます。
 なお、役員の数につきましては、必ずしも企業の規模に比例するものではなく、現在の役員数は、当社が置かれております現下の大変厳しい経営環境を乗り切っていく上では必要かつ最適なものというふうに考えてございます。
 4ページをごらんください。年収メルクマールの補正方法のうち、御質問いただきました公益補正と地域補正につきまして御説明します。
 補正の考え方は、基本的に先ほど御説明がありました東北電力さんと同じであります。年収の比較対象としましては、公益事業の範囲につきましては、東電さんの査定方針で示されたガス、水道、鉄道、通信、航空の5業種としております。地域補正につきましては、賃金構造基本統計調査の都道府県別の年収データは、非正規労働者や異なる職種が含まれることなどから、適正な地域間の年収格差を反映できないということから、同一雇用形態・職種の地域別給与を公表している人事院勧告のデータを使用させていただいております。
 なお、人事院勧告における全国と四国・中国地域の給与格差は、グラフの真ん中のところですけれども、マイナス3%は、一番左の消費者物価指数における全国、四国の格差2.5%よりも大きく、物価水準以上に低く抑えられており、人事院勧告のデータによる地域補正に御理解を賜りたくお願い申し上げる次第でございます。
 5ページをごらんください。出向者の給与について御説明をいたします。出向者の給与は、電力設備の維持・運用など、電気事業と密接な関連のある業務に従事する出向者に限定した上で、当社負担分を原価に算入いたしております。出向者給与のうち当社負担分は、当社の基準による支給額が出向先の基準による戻入れ額を上回る部分でございまして、料金原価上は3か年平均で20億円程度となっております。
 6ページから8ページにかけまして、原価算入を行っている出向先業務内容等に記載しておりますので、御参照いただければと存じます。
 それでは、9ページのほうへ移らせていただきます。退職給付金について御説明します。退職給付金につきましては、退職給付会計に基づき算定した費用を原価に算入をいたしております。当社では、平成16年度に退職給付制度の見直しを行いまして、人件費水準の抜本的な引き下げを行いました。退職給付水準につきましては、右の表に記載のとおり、標準者で2,548万円となってございます。
 なお、数理計算上の差異の償却費用につきましては、当社では従来より原価には算入をいたしてございません。
 10ページをごらんください。一般厚生費の効率化内容について御説明をいたします。今回の申請に当たりましては、カフェテリアプランの付与ポイントの3割削減、持ち株奨励金の半減、文化体育費の全額カットなどによりまして5.6億円の効率化を織り込んでございます。これにより一人当たり一般厚生費はメルクマールであります1,000人以上の企業平均を下回る水準に引き下げてございます。それを右の表に記載してございます。
 11ページをごらんください。健康保険料の事業主負担割合についてでございます。健康保険料の事業主負担割合は、東電さんの査定方針を踏まえ、「健康保険組合の現勢」、これは申請時点で参照可能でありました23年3月末現在を使っておりますが、このうち単一・連合健康保険組合の平均負担率56%としておりまして、現行の私どもの水準からしますと4.4%の削減を織り込んでございます。
 12ページをごらんください。委託検針費・集金費の引き下げについてであります。委託検針費・集金費につきましては、社員の賞与に相当する協力謝礼金というものがありますが、これを現行水準から50%削減することによりまして、検針費で1億8,300万円、集金費で4,800万円の引き下げを行ってございます。
 13ページに参ります。採用人員抑制の考え方について御説明をいたします。当社は、高年齢者の層が厚く、今後、定年による大量退職が見込まれる中、電力の安定供給確保や技術継承などの観点から、平成23年度以降、毎年130人程度を採用してまいりました。しかしながら、今回の料金値上げに当たりまして、最大限の効率化を推進する観点から、採用人員の抑制にも取り組むこととしまして、発電や電力輸送部門など技術系については最小限の抑制にとどめ、事務系につきましてはシニア社員の活用、あるいは効率化の織り込みによりまして大幅に抑制するということを基本にしまして、26年度以降の採用人員を50人抑制して80人で行こうということにいたしてございます。
 14ページ、雑給について御説明をいたします。雑給の対象者は、嘱託、臨時職員及び入向者としてございます。今回の申請に当たりましては、嘱託等の給与を賃金構造基本統計調査における一般労働者の年収より100万円程度下回る水準まで引き下げてございます。また、相談役・顧問の報酬につきましては、原価に算入をいたしてございません。
 最後に15ページですが、当社では、役員車として使用している社有車が7台ございます。相談役・顧問や役員のほかにも、この社有車につきましては社員の外出移動とか来客の送迎対応といったようなことでも業務上必要な際にも利用してございます。このうち、相談役・顧問が社有車を利用している割合は、24年度の使用回数の実績で見た場合、約1割となってございます。
 以上、簡単ですが、人件費関係の御説明を終わらせていただきます。

○古城座長 ありがとうございます。
 ただいまの御説明について、御意見、御質問をお願いしたいと思います。
 どうぞ、矢野さん。

○矢野委員 御説明どうもありがとうございました。それから、細かな質問に対しても丁寧にお答えいただいてありがとうございます。
 大きくは2つ質問をさせていただきたいと思います。1つは雑給、もう一つは検針・集金に関連する部分です。
 まず、ページで早いのは、東北電力さんは27ページに委託検針費・集金費がありますので、そこを先に質問させていただきます。
 委託集金費のほうですが、人員が今回は前回よりも増えていて、集金費の合計は減っているということで、単純に見れば集金する総額の費用に対して人数が増やされているのはどういうわけなのかということで、ある意味では費用対効果についてどうお考えなのかをお聞きしたいと思います。
 それから、大きな2つ目の雑給についてです。雑給は、東北と四国両方にお聞きしたいと思いますが、まず、両電力で違っているのが、東北さんは執行役員が29ページのところで計上されているのですが、四国さんの場合はそれがなくて、執行役員の位置づけはどうなっているのか、役員報酬のほうに入っているのかどうかが1つ。
 それから、先ほどの出向社員とあわせて、雑給のほうには受け入れが入っていますが、いわゆる受け入れ者に対しても給与負担をするというのはどういうお考えなのか、何らかのそういう負担割合とか基準があるのかをお聞かせ願いたい。それは両電力さんにお聞きしたいと思います。
 それから、東北電力さん、その他が雑給の中で非常に多いのですけれども、この内訳はどうなっておりますでしょうか。
 以上です。

○石森営業部長(東北電力) 東北電力の石森でございます。
 まず、委託集金員の人数が前回よりふえている件について御説明させていただきます。説明の中でも少しございましたけれども、稼働日数の違いというのがございます。稼働日数が多い集金員の場合ですと、どうしても手数料が割高になるということもございまして、稼働日数の少ない集金員を近年は採用し、効率化を図っている。あわせまして、東北の場合、震災の被災がございます。特に沿岸部の営業所におきましては、やはり集金員のある程度の強化というのが必要なものですから、その部分も考慮して入れているということでございます。

○岡信企画部長(東北電力) あとは東北の雑給でございますが、3点ほどあったと思います。1つ目は、執行役員の給与なのですが、これは各社さんによって雇用の形態が少し違うようでございまして、当社の場合には委任型の雇用契約をしているということで、会計士等と相談して雑給で整理しております。
 それから、受入出向者でございますが、これは大半が企業グループからの出向者の受け入れでございます。企業グループ一体となって技能や知識の向上、それから、お互いに協力しながら電力の安定供給に努めようということで、企業グループの社員を当社が受け入れている。そういたしますと、当然、当社の事業に貢献してくれておりますので、貢献度の意味合いで当社からも給料の負担を申し上げるという内容でございます。
 それから、その他でございますが、これは主にアルバイトさんの給与が入ってございます。
 以上でございます。

○古城座長 四国電力、お願いします。

○島田人事労務部担任(四国電力) 四国の島田でございます。
 まず、私どもの雑給の中に執行役員、常務執行役員は入ってございません。といいますのは、私どもでは、名前は役員でございますけれども、いわゆる当社の裁量で導入しました最高位の使用人の幹部という位置づけでございまして、すなわち、いわゆる給料手当、社員の中に入ってございます。役員でもございますが、社員の中に入っているということでございます。
 それから、私どもでは雑給の中に入向者が58名ほど入っております。これは東北さんと同じように、企業グループ、関係会社から業務の内容によって受け入れをして、企業としての一体感あるいは効率を高めようという趣旨でございまして、人件費の負担につきましては、当該給与につきまして当社で負担をいたしております。
 以上でよろしゅうございますか。

○古城座長 そうすると、電力会社は関連会社から出向してもらったのは電力会社で払うと。電力会社から出向したのは出向先で払ってもらうということですか。

○岡信企画部長(東北電力) 基本的にはそういうやりとりをしております。あと、負担の水準については、それぞれごとに出向元、出向先で協議をして決めていくという内容でございます。

○古城座長 それで、お互いに出向したときの給料はどちらが多いのでしょうか。向こうに出向して向こうで払ってもらっている額と、東北とか四国が引き受けてこちらで払っている分とは大体同じなのですか。

○岡信企画部長(東北電力) 当社の場合からまず申し上げますと、一番わかりやすい例が、当社の社員が企業グループ各社、ユアテックとか東北発電工業とかの会社がありますけれども、そこに出向するといった場合には、ユアテックや東北発電工業から当社が受け入れるお金は、先方のユアテック、東北発電工業の賃金水準で受け入れますので、当社が100払っているとすれば、戻る水準は70とかそういう割合になります。

○古城座長 人数とかを含めて総額ではどうなっているのですか。御社の社員がもらっている分と、御社が向こうの社員に払っている額とは。

○岡信企画部長(東北電力) 総額で言えば、当社がもらっている分の額が多いという現状です。

○古城座長 わかりました。
 あと、いかがでしょうか。
 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 3点ございます。
 まず、四国電力さんの役員報酬なのですけれども、東北電力は1兆3,000億円ぐらいの売り上げのある電力会社で役員が21人、それに対して四国電力は4,431億円の売り上げについて役員数が18人と。しかも、東北と四国と比べれば、四国のほうが狭いので21人の東北に比べて18人も必要なのか。しかも、いわゆる生活資金という観点からすると、東北電力が2,700と言っているのに四国電力は2,800も必要なのかなということを考えます。役員数あるいは役員給与の点はもう少し削減できるのではないかと思うのが1つです。
 それから、これは両社に対してお聞きしたいのですが、いわゆる福利の関係で健康保険の負担割合が56%になっているのですが、これは値上げ申請に当たって消費者委員会あるいは消費者庁のほうでは5割にすべきではないかと。労使関係で56にされるのであれば、それは勝手かもしれません。だけど、少なくとも法律上義務づけられた値上申請にあたって上乗せした56%を一般ユーザーに押しつけるというのはどうなのかと思うのです。これは、いわゆる被受給者との関係で難しいのだとおっしゃるならば、それは経営責任の問題として、やはり原価算入については5割に抑えるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 それから、出向者の話が少し出ましたけれども、東北電力の関係で、特に17ページ以下、17ページより前は事業展開の上でやむを得ない必要な範囲なのか。素人考えでそう思えなくもないのです。17ページ以下は、いわゆる電力業界のいかにもおつき合いで、エネルギー関係の全般的なものについて相当の出向者を出しているような状況にあるように思えます。こういうのは政府がやるならともかくとして、一電力会社が、いわゆる利用者の負担に課す形で原価に算入して、これは合計すると数十人になると思うのですが、出さなければいけないものなのかというところは納得しがたいのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
 以上、3点です。

○島田人事労務部担任(四国電力) まず、役員の関係でございますけれども、確かに人数は、初めに申し上げましたように、地域の実態等をとってみましても、必ずしも従業員数には比例せずに、役員の分掌業務の関係かと思うのですけれども、ある一定の人数は必要であるというような実態がございまして、当社も精査をした上でこういう人数にしてございます。
 それから、年間報酬のことでございますけれども、これにつきましても、私ども、審査要領にのっとりまして、人事院調査の同等規模の民間企業の平均年収を下回る水準ということで、前回原価と比べまして30%の削減をして申請をさせていただいております。ただ、これにつきましては、これまでもいろいろなところで多くの意見をいただいておりますので、そうしたことも踏まえまして、今後さらに削減することについても検討したいというふうに考えてございます。
 それから、健康保険料でございますが、56%ということでありますが、これは確かに全健康保険組合の平均値ということで使ったものでございまして、正確に申しますと、私ども申請日以降に24年3月末の同様のデータが出まして、それでは55%というデータが出ておりますので、その点は訂正すべきと思っておりますが、平均値ということで考えてございます。
 なお、1点だけ補足いたしますと、実は私どもの健康保険組合で、いわゆる支出でございますけれども、医療費で支出されているのは43%でございまして、残りほとんどが前期高齢者・後期高齢者の納付金・支援金ということになっております。逆に申しますと、仮に会社が56%だとしますと、従業員が44%ということになるわけですけれども、従業員が出したものは全部従業員自分たちのために使っている。会社が負担するものは一切従業員の補助にはできず、全体の制度維持のための前期・後期高齢者支援金に回っているということからしても、会社の負担は過剰ではないのではないかというふうに考えた部分もございます。
 以上でございます。

○岡信企画部長(東北電力) 東北電力からお答えいたします。
 まず、事業主負担率でございますが、これにつきましては四国電力さんと基本的に同じでございますが、一般の企業平均並みで今回申請をさせていただいております。この負担の割合まで下げる段階で既に組合といろいろ協議をして合意を得たばかりでございますので、これ以上の引き下げというのは実態上難しいと。やはり料金の申請においては実態がどうかということも踏まえて算入すべきだと考えまして、当社の考えでございますが、こういった申請値になりました。

○山口委員長代理 これは、仮に6%下げると幾らぐらいの削減になるのでしょうか。56%を50%にすると。

○岡信企画部長(東北電力) 原価の影響ですか。それは別途ペーパーか何かでお答えをしたいと思います。
 それから、出向者について御質問いただきました。17ページ以降の出向先でございますが、例で申し上げますと、一番上の電中研につきましては、やはり当社単独ではできないような設備もありまして、知見も備えているということで、そういう単独で実施できない研究開発、技術開発を電中研はやっておりますから、ここへの出向も当社の事業運営のためにも必要だと思っております。
 それから、もう一つだけ具体例で申し上げますと、海外電力調査会ですが、当社の場合には、以前は海外に事務所を持っていたのですが、コスト削減の中で全て廃止したという経緯もございまして、やはりこういう海外電力調査会を利用いたしまして、海外の電気事業の調査研究や先行事例を得るということについては必要でございますので、やはりここも出向者を派遣してそういったものを得ていくというのは事業運営上必要だと、そんな考えでございます。

○古城座長 よろしいでしょうか。
 それでは、白山委員、お願いします。

○白山委員 まず、東北電力にお聞きしますが、28ページに定年退職者の再雇用制度の御記載がございます。以前に私どもがした人件費に関する質問が、原価算定期間の職員採用計画の詳細はどうなっているかという質問だったはずです。なぜこのような質問をしたかというと、経営の合理化に関して、企業にとっては新規採用の人員を抑えるというのは、中長期的な経営的判断としては非常に大きな御判断になると思っておりまして、その場合に、そこまで踏み込んだ経営合理化を考えておやりになられているか否かということの判断のメルクマールになるのではという趣旨から御質問をさせていただいたわけでございます。
 四国電力の資料の13ページを見ていただきますと、採用人員の抑制ということで130名から80名に50名も減らしているということで、経営の御努力をされていらっしゃるということがわかります。東北電力の資料の28ページに書いてあるのは再雇用制度の話であって、原価算定期間の採用人員の詳細計画というのは記載がないわけでして、このあたりがどうなっているのかというのをお聞きしたいのが第1問目でございます。
 もう一つは、四国電力の役員数の適切性という点でございます。この点は非常に難しい問題であるということは理解しておりますが、例えば東北電力の資料の先ほどごらんいただきました10ページのところでは、販売電力量当たりの役員数というのを定量的な数字で出しているわけです。四国電力では、例えばこういった数値を出すとどうなるのかというのは、比較という観点では少し考えてみたいと思いますので、この2点についてお答えいただければと思います。

○岡信企画部長(東北電力) 東北からお答えいたしますと、ここは勘違いがあったようでございまして申しわけございません。あくまでもこの28ページにつきましては、高年齢者の再雇用制度を記載いたしまして、こちらのほうは、どちらかというとパートタイム勤務ですので、全体の生産性とはまたちょっと違った数字にはなります。一方で、たしか申請の概要に入れていたと思うのですけれども、採用数につきましては数字が手元にございませんけれども、直前の採用数の3割以上削減した数字になっておりまして、今、具体的な数字を申し上げたいと思います。

○松岡企画部部長(東北電力) 直前の3か年の平均値と比べますと38%減少させており、原価算定期間の人数として平均220名織り込ませていただいております。

○山口委員長代理 従前は何人ぐらいですか。

○松岡企画部部長(東北電力) 400名弱です。

○古城座長 あと、四国電力お願いします。

○佐伯経営企画部長(四国電力) 販売電力量当たりの役員数は、具体的に計算した結果を持っていませんけれども、18名で、今回織り込みの販売電力量が275億kWhぐらいですので、ここで言いますと6.5人/kWhか6.6人/kWhか、そのあたりの水準になるのだと思います。私ども、当然のことながら規模が小そうございますので、数字的に言いますと人数が高目になるというのはそういうことかと思います。
 ただ、一言補足させていただきますと、今、電力システム改革もありますし、原子力再稼働の問題もありますし、私どもの電気事業としてはいろいろな課題を抱えている中で、規模の大小にもかかわらず対処すべき課題というのは非常に多い中で、しかるべく役員がそれぞれのパートを持って事業体制をとっていくというのは、小さい会社ながらもやはり必要かということで、先ほども申し上げましたけれども、私どもとしては今の非常に厳しい環境の中では現状の体制というのは必要不可欠かなというふうに私ども自身としては認識をいたしているところでございます。

○白山委員 今、口頭では御回答いただきましたけれども、やはり両社の比較ということで、後日で結構ですので同じレベルで資料を出していただきたいのですけれども。

○岡信企画部長(東北電力) わかりました。

○佐伯経営企画部長(四国電力) 了解しました。

○古城座長 よろしくお願いします。
 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 ありがとうございました。
 両電力さんにお聞きしたい点と、あと、東北電力さんに聞きたい点が3点ありますので、最初に両電力さん共通でお聞きしたいことをお聞かせ願います。
 両電力さんが申請をされた時点では、まだ九州電力と関西電力さんの審査の結果が出ていなかったので、それとの関係で言うと審査要領では同業種も含めて、全て審査のいろいろな会社を比較しながらするという原則があると思いますので、この申請された内容に対していろいろな修正が要求されると思うのですが、その中で1つ、給与について、人事院資料を使われた理由ですが、これは関電、九電の場合は国家公務員ということになったと思うのですが、それと比べた場合の両電力さんの給与差額を教えてください。
 それから、1つは、持株会奨励金というのがあると思うのですが、これは消費者委員会の小幡委員がご提案されたことなのですが、東北電力さんが1億8,600万円、四国電力さんが4,600万円分を計上されているのですけれども、これについて前回の両電力の査定結果をうけて、今後再考される予定はないかということをお聞きしたいと思います。
 それから、健康保険料の事業主負担割合については先ほど山口委員がおっしゃったので、それはやはり50%まで下げるべきだということを意見として申し上げたいと思います。
 それから、東北電力さん固有に3点お聞きしたいのですけれども、国の災害復興支援との関係ということで、やはり電気料金は電気料金の査定要領に基づいて算定されてしまうと思うのですが、何か特別に電気料金の関連で利用者に還元できる補助金のようなものを県とか国に対して出すなど、何らかの働きかけをされているかどうかということが1つ。
 それから、日本原電などに出向者がたくさん出ていらっしゃると思うのですけれども、原発関連の費用についてですが、東北電力さんの今回の申請を拝見いたしますと、被害が甚大であり、当分再稼働は難しいということになっていますので、ここの原発関連の出向者の分というのは、少なくとも私は原価算定に入れることについては消費者の理解は得られないかと思いますので、この原発関連の人件費がどれぐらいあるかという詳細を教えてください。
 以上です。

○岡信企画部長(東北電力) まず、今回の当社の申請値年収642万円の国家公務員との比較でございますが、手元に今ございませんので、これは後ほどデータを提示申し上げたいと思います。ただ、地域特性の強い企業でございますので、県庁職員などとは比較しておりますが、そういった給料と比較しますと、今回の申請原価というのは、むしろそれを下回るような水準であるという点については御理解をいただきたいと思います。
 それから、持株会の奨励金でございますが、当社といたしましては、社員の財産形成もありますけれども、やはり持ち株を通して常に企業価値の向上を我が事のように考えながら業務を推進するというインセンティブにもなると思っておりますし、それから、一応調べましたところ、持株会奨励金を保有している会社の平均値がちょうど当社の補助率の10%になっているということもございまして、今回の申請となっております。
 それから、国等への要請でございますが、料金の減免とかそういった要請については当社から行っておりません。公聴会でも被災者の方は大変な生活だという御意見や、今回の値上げに対する厳しい御批判を多くいただいたのですけれども、これは本当に残念なことではありますし、申しわけないと思いますが、料金については被災者の方にも公平に御負担していただくことになるというのが基本的な考えでございます。国のほうにいろいろな措置を申し入れておりますのは、復興予算の中で地域振興関係とか産業振興、そういった目的の復興予算とか復興政策がありますので、そういったものを発動していただいて、申しわけありませんけれども、電気料金の負担はいろいろな意味で復興の少し重しになりますので、何とかそこをカバーしていただけないかと、そういったような要望を折を見てしているところでございます。
 それから、最後は原子力発電、特に日本原電への出向者でございますが、当社の場合には東海第二の受電料金を今回織り込ませていただいている。これについては、基本契約や、受給契約があって、日本原電も東海第二の再稼働に向けていろいろな取り組みを行っているということでございますので、いずれ必要な供給力と認識していることから、他社受電料金についてきちんと織込んでいるというのが基本的な考え方でございます。
 したがいまして、他社受電をしていることもあり、加えて日本原電がいろいろな技術開発をやっているということもあって出向者を派遣してございますので、他社受電料金として原価に算入しているということからすれば、出向者の織り込みも当社としては妥当性があるという考えでございます。
 それから、原電等原子力関係の出向者の負担についての一覧というお話でございましたので、それについてはまた別途、手元にございませんので、改めて資料をつくりまして提示申し上げたいと思います。
 以上でございます。

○古城座長 井手委員。

○井手座長代理 1点だけですけれども、販売電力量とか売上高で見ると、東北電力と四国という2つを比べただけでも、四国は規模的にもかなり小さい。にもかかわらず、一人当たりの役員とか地域補正とか公益補正をやった結果として、給与の水準がいずれも四国電力のほうが高い、これをどのように考えたらいいのか。その点だけ四国電力にお聞きしたいと思います。

○島田人事労務部担任(四国電力) 私ども補正を行いまして645万という数字になってございます。それは、年齢と勤続で見ると、確かに当社はほかに比べて高くなっております。私どもは別に年功賃金といいますか、そういうわけではございませんが、どうしても経験を積むことによって能力が上がり、業績が上がり、給料も上がるというサイクルを回しておりますものですから、どうしても年齢・勤続が高くなると給料が高くなるという傾向はございます。
 もう一点、年齢は42歳ぐらいの平均なのですけれども、これは恐らく他産業と比べても一、二歳の差であると思うのですが、勤続が20年近い。といいますのは、非常に定着率が高うございます。そのために、勤続が高いものですから、もう一つ、今、過去の政策の結果ということになるのですけれども、50歳以降に人員のピークがございまして、そういうこともありまして平均の賃金を押し上げているという実態がございます。
 ただ、一言言いますと、定着率が高いからそうなっているということも言えるわけでございますけれども、私どもの業界は、公益事業といいますか。

○古城座長 今のお話は、他の電力会社と比較しての御説明ですね。

○島田人事労務部担任(四国電力) わかりました。そういうことで、過去の採用の経緯、結果でたまたま50歳あたりがピークになっているので、他社さんよりもさらに高くなっているということはございます。

○古城座長 あとちょっと私のほうから質問したいのですけれども、四国電力出向者の数が相当多いですね。これは、例えば東北電力は合計252名ですけれども、四国電力は1,400名と出ておりますけれども、どうしてこんなに多いのでしょうか。

○島田人事労務部担任(四国電力) 現在、1,400名でございますが、御説明いたします。まず、当社は本体の業務の合理化・効率化によりまして、削減した人員をグループ会社に出向させまして、グループ各社の社員と一体となりまして電力供給設備の建設・運営・保守や提案型営業ということを推進しまして、グループ内での電気事業のコスト削減やサービスの充実に取り組むという体制整備を進めてまいりました。

○古城座長 他電力と比べて人件費全体が高いのでしょう。

○島田人事労務部担任(四国電力) はい。

○古城座長 だから、合理化が進んでいるから、出向者の人件費負担が多いけれども本体は小さいというのだったら話はわかるのですけれども、そこのところを聞きたいのですよ。

○島田人事労務部担任(四国電力) 今おっしゃる、いわゆる645万は平均でございますので、出向者にはまず影響はございません。数が多いという、1,400名が多いという御指摘でございます。これは、1つには配電業務を、従来は当社直営で実施しておりました設備の設計・保守業務をグループ会社で。

○古城座長 定義はわかるのですが、ほかの電力会社と比較して、ほかの電力会社はこれをやっていないのですけれども、うちはこれをやっているから多いのですという説明を教えていただきたいのです。

○島田人事労務部担任(四国電力) 実は、それが配電業務でございまして、他社さんは社内でやっている業務を当社は関係会社に委託をしまして、人も出して、そこで一括してやると。それによって二重処理といいますか、業務の効率化を図って全体の人数を削減する、そういうビジネスモデルということで取り組んでおります。その結果、実は500名ほど配電業務の者が関係会社に出向しておりまして、これが非常に押し上げるという結果になってございます。

○古城座長 それは調達ですから、配電の他社にお金を払っているのでしょう。サービスや商品を関連会社から買って、かつ、人件費についての差額を負担しているわけですね。

○島田人事労務部担任(四国電力) 人件費は、当然、その会社から応分の負担で。

○古城座長 そうすると、どこが合理化になっているのですか。

○島田人事労務部担任(四国電力) これは数字で示すのはなかなか難しいのですけれども。

○古城座長 いや、簡単。概念的にちょっと教えていただければいいのです。他社に出したおかげで人件費が節約できているとかそういうのだったらわかるのですけれども、たくさん出して差額をやっているといったら、自社でやっているのと同じではないのでしょうか。

○島田人事労務部担任(四国電力) それによりまして、例えば関係会社の人材育成であるとか、技術とか能力レベルの向上であるとか、そういうことで安定供給のレベルを上げるという効果が出てまいります。なかなか数字で申し上げにくいのですけれども。

○古城座長 細川さん。

○細川委員 それに関係する質問ですけれども、例えば東北電力の14ページ、出向者に関する取り扱いでいろいろなところが書いてありますけれども、見ると、多くは業務を社外委託していると。社外委託しているけれども、能力とかそういう技術力はないから自分のところから派遣して技術をつけさせてやって、それの費用は原価算入で給料は負担していると。委託費も払って、技術的にないからといって、その給料も払うと、こんなことがありますか。普通、民間企業というのは、どこか能力があるところを競争入札で値段と能力の関係でどこかに委託するわけでしょう。これは逆のことを言えば、能力がないのにグループ企業だから委託していると、能力をつけさせるために人も送って、それで、そのお金もこちらで払ってやっていると、こんなことありますか。こんなことをしていたら、競争入札を導入してコストを下げるなんていうモチベーションは全く働かなくなってしまう。なぜならば、自分たちのグループ企業だけは能力はないのだけれども能力をつけさせてやる。そうすると、ほかのところは競争入札しても、そこは能力がありませんから選ばないという、あと、座長がおっしゃったように、まさに見かけの社内での人員削減で、数として示すためだけの方策になっているのではないかというふうに私は感じるのですけれども、両電力会社、もし御反論があればお願いします。

○岡信企画部長(東北電力) 当社の場合には、比較的関係会社に占める当社からの出向者の割合というのは少ないほうだと思っています。それで、関係会社は当社からの出向者がいないと当社から発注するようなサービスの委託業務ができないかというと、そういうことではございません。関係会社のほうもかなりサービス提供能力を上げておりまして、少ない人数ながらも当社からの社員を出向させることによって、より高度なサービスを提供できるようにしてもらいたいという意味があって、1つは出向派遣をしているということでございます。
 それから、誤解のないように申し上げたいのですけれども、関係会社であろうと、そのほかの通常の取引会社であろうと、今回掲げました3割の競争拡大については、どちらも区分することなく競争拡大をこれから進めていくという考えでございます。
 あともう一点だけ、確かに関係会社に対して委託費を払っているのですけれども、冒頭も申し上げたつもりだったのですが、関係会社から当社出向者見合いの給料を当社として給料の戻し入れを受け入れておりますので、二重払いとかそういうことではございませんので、その点については御理解をいただきたいと思います。

○佐伯経営企画部長(四国電力) 先ほど先生から御質問あったことも含めて私のほうから。
 私どもは、労働生産性が非常に低いというのを審査専門委員会のほうで御指摘をいただいているというのは、今、高齢者が多いというのは、今から30年ぐらい前に大量の退職者が出たときに大量に採用したということもあり、その当時は電源開発がどんどんふえてきている時期で大量に採用したというのがあるのです。若い人もとっていかなければいけないので、今、このタイミングで生産性が悪くなっているという事情があります。それは、グループ内に出向を出すことによって全体で社員の活用を図っていこうとやっているのは事実でございます。そこが出向者が多くなっているというところの背景でございます。
 東北さんからお話がありましたように、今、先生からお話があった関係会社に出すとか、こういう機関に出して二重に給与を負担しているとかそういうわけではなくて、先方で仕事をしていただいている仕事については先方のペイがあって、その差額分については私どもから負担をするというようなことで、二重で支払うとかいうことにはなってございませんので、そのあたりは御理解をいただけたらと思います。

○古城座長 御質問ある方。簡潔にお願いします。

○山口委員長代理 改めて言いますが、どう考えても四国電力の生産性は低過ぎると思います。納得できないですよ。だって、従業員の全体の人数が6,000人ちょっとですよね。それは発電量から見たら、明らかに東北電力の数分の1ではないですか。ところが人員は半分ですよ。しかも、先ほど話が出たように、出向者がこのほかに1,000人以上いるわけでしょう。やはりもうちょっと努力していただく必要があると思います。

○佐伯経営企画部長(四国電力) 問題意識を持ってございます。

○古城座長 まだ御質問はあるかと思うのですけれども、次に移らせていただきます。
 続いて、燃料費、購入・販売電力料について御説明いただきます。
 まず、東北電力からお願いいたします。

○岡信企画部長(東北電力) 32ページをごらんください。燃料費の諸経費と運賃についての御説明でございます。諸経費につきましては、燃料種別ごとにお示ししたとおりでございまして、御質問にございました精製コスト、備蓄費、タンク管理費などは、重原油の製油所における費用等に含まれます。この製油所における費用等につきましては、太枠で示している売り主価格の一部を構成するものでありまして、料金原価は大手元売りと大口需要家間のいわゆるチャンピオン交渉の結果に基づき算定しておりますので、大口需要家と同等の効率化が反映された水準となっております。
 なお、資料に掲載している費目以上の詳細な金額につきましては、契約上の問題にもなりますので御回答できないことを御了承いただきたいと存じます。
 また、運賃についてでございますが、石炭、重原油の国際指標はございますが、LNGについてはそういったものは存在いたしません。石炭は、当社が輸送手配をしておりまして、運賃につきましてはスポット用船料の市況と遜色のない水準で今回料金に織り込んでおります。
 また、重原油は売り主の輸送手配となっておりますけれども、料金の織り込み価格の運賃部分は国際指標を用いて織り込んでおります。
 それから、34ページをごらんください。購入・販売電力料についての説明でございます。当社は、従来から長期的に安定した供給力の確保や経済性の観点を踏まえまして、ほかの電力会社やほかの発電会社から電力を調達するとともに、販売も行ってきております。前回改定と比較いたしまして、購入電力料は514億円の増加、販売電力料は45億円の増加となっており、結果として購入・販売差し引きでは470億円の増加となっております。
 35ページは、購入電力料の概要でございます。原価算定に当たっては、電力受給契約の締結済みの期間は契約料金といたしまして、原価算定期間中に契約更新等を予定している場合は、それ以降、効率化を織り込んだ更改見込み値としております。
 電力量につきましては、前提計画の供給力想定に基づいておりまして、申請原価につきましては、原子力発電所の停止等に伴い、受電電力量合計は減少している一方で、自家発や新エネルギーからの購入増加及び燃料価格の上昇等により、前回改定に比べ514億円の増加となっております。
 なお、地帯間購入に再掲いたしました系統運用電力につきましては、販売側にも購入側と同額が織り込まれておりまして、原価に与える影響はありません。
 36ページでございますが、これは販売電力料の概要です。今回、ほかの電力会社への販売電力料の減少はあるものの、燃料価格の上昇による増加や新電力に対する常時バックアップ契約の新規契約増加などに伴いまして、前回改定に比べ45億円の増加となっております。
 37ページは、購入電力料における効率化についてです。固定費用の削減や今後の交渉努力を先取りしたコスト削減分など、3か年平均で50億円の効率化を織り込んでおります。
 なお、卸電力取引所取引の活用による効率化については、次の38ページで御説明いたします。
 38ページは、卸電力取引所取引を活用することによる効率化額でございますが、自社の発電コストとの差額としており、購入・販売合計で3か年平均で6億円の効率化を見込んでおります。購入・販売電力料の内訳は以上でございまして、燃料費、購入・販売電力料についての説明を終えさせていただきます。

○古城座長 ありがとうございます。
 四国電力、お願いいたします。

○佐伯経営企画部長(四国電力) それでは、燃料費及び購入・販売電力料に関する御質問について御説明します。
 17ページをごらんください。燃料購入価格における諸経費の内訳につきまして記載をしております。諸経費につきましては、燃料別に申し上げますと、重油については製油所経費、内航費など、原油につきましては、基地経費、内航費など、石炭につきましては中継基地経費、内航費、揚炭費など、LNGにつきましては基地での受け入れ経費などでございまして、おのおのの構成比につきましては、表の下段にお示ししているとおりでございます。具体的な金額につきましては、契約上のこともございまして省略をさせていただいておりますので、御了解いただけたらと思います。
 その他経費の主なものは、輸入代行料等でございます。
 18ページでは、燃料調達における外航運賃について記載をしております。当社みずから外航船を手配しているのは石炭輸送のみであります。折れ線グラフのとおり、石炭運搬船の用船市況は乱高下することから、専航船を軸にしつつ、さまざまな契約を組み合わせてリスク分散を図ることで経済的かつ安定的な運賃の実現に努めてございます。
 なお、24年度の外航輸送実績におきましては、専航船契約期間が2年ないし5年の中長期契約、1年以内の短期スポット契約の構成比率はおのおの3分の1程度となってございます。右のグラフのとおりでございます。
 19ページをごらんください。購入電力料の算定概要について説明をします。今回改定における購入電力料キロワットアワーは、前回改定時とほぼ同量の86億kWhでございました。購入先は電源開発さんのほか、IPPや水力発電を行う公営電気事業者などでございます。
 購入電力にかかわる原価織り込み額につきましては、既存の契約期間は契約料金で、原価算定期間中に更改が予定されている契約分につきましては相応の効率化を織り込んで計上を行っておりまして、前回に比べ88億円の減となってございます。
 20ページをごらんください。販売電力料について御説明をいたします。今回改定での販売電力料キロワットアワーは、地帯間販売が6億kWh、新電力向けの常時バックアップと取引所販売分が3億kWhで、合計9億kWhでございます。
 地帯間販売電力料、いわゆる融通につきましては、前回に比べ電力量で55億、金額にして634億円の減となってございます。今回原価におきましては、見かけ上、融通送電による収入、原価項目としましては控除収益という形で整理しておりますが、これの減少が原価増の大きな要因となっておりますが、実質的には原子力停止に伴う燃料費の増加が値上げの理由でございまして、この点についてわかりにくいので次ページ以降で説明をさせていただきたいと存じます。
 21ページでございます。この表は、今回、前回原価の比較表を簡単に整理したものでございます。今回は、原子力の発電量が大幅に減少したことから、前回、融通送電に使用していた火力を含む全ての供給力を自社需要に充当した結果、前回に比べて融通送電による収入、すなわち控除収益が大幅に減少することとなりました。控除収益の減少は料金原価を増加させることから、控除収益の減による費用増607億円と火力の追加発電に伴う燃料費の増104億円を合わせた費用増は711億円となります。融通送電による収入、すなわち控除収益の多くは燃料費でございますので、今回の値上げの主たる要因は燃料費の増によるものということで御説明をしている次第でございます。
 燃料費の影響がどの程度あるのかということについて、こちらも料金審査専門委員会のほうで御質問がありましたので、その資料も引用しながら敷衍して説明させていただきます。
 23ページをごらんください。このグラフは電源別の供給力と融通の関係について、前回、今回対比で比較をしたものであります。前回改定時には、原子力が安定していたことを前提に、真ん中の棒グラフの上のほうの部分ですが、62億kWhの融通送電を行ってございました。今回は、一番右ですけれども、原子力の利用率低下に伴う自社需要向けの供給力不足を賄うために融通送電をしていた火力の供給力を充当せざるを得なくなりました。この結果、原子力の発電量が火力に置きかわり、燃料費が大幅に増加するということになったわけであります。
 次のページをごらんください。この図は、前回原価における総原価を小売り対象原価と融通原価、すなわち融通収入に分解したものでございます。真ん中の図の下側にありますように、前回原価には融通送電に伴う料金収入として619億円が含まれており、その内訳は、燃料費が390億円、設備の維持管理に必要な燃料費以外の費用が229億円でありました。これらの費用を融通送電先から回収することにより、すなわち原価上は控除収益という形で整理をすることによりまして、自社需要に対応する原価が低減するということになっていたわけでございます。
 続いて25ページをごらんください。この表は、前回改定で織り込んでおりました融通の原価について前ページでお示しした燃料費と燃料費以外に分けて融通の影響を補正し、右の表のCの欄のとおり、自社需要対応の原価を算定の上、今回原価と比較したものでございます。
 右端の差引欄のとおり、燃料費で494億円の増加となり、燃料費以外の部分は欄外で合計していますとおり、マイナス202億円の減少となっていることがおわかりいただけるかと思います。
 次のページをごらんください。この図は、前回原価と今回原価の差異について増減内訳を項目別に図示したものですが、燃料費については、前ページで御説明した増加額494億円のほか、今回の需要が275億kWhと前回よりも17億kWh減少しており、それに相当する燃料費200億円を勘案すると、実質的な燃料費の増は694億円となっていることをお示しいたしております。
 こうした燃料費の増加に対し、効率化によるコスト削減を織り込むことにより、右端の棒グラフに記載のとおり、今回原価は前回に比べ292億円の増加となっているということであります。
 27ページをごらんください。このページでは、以上の説明を総合して値上げの要因についてまとめてございます。今回原価の5,056億円に対する現行収入4,431億円の不足額は625億円でありますが、その内訳は左の枠内に整理のとおり、需要減による収入減が133億、実質的な燃料費の増加が694億、融通の燃料費以外の自社充当分が229億、コスト削減による燃料費以外の減少分がマイナス431億円でございまして、値上げの主たる要因は原子力発電量の減少に伴う燃料費の増加によるということになります。
 ちょっとややこしゅうございましたが、分解して説明をさせていただいた次第でございます。
 それでは、最後に28ページで融通電力に係る経費を原価に算入することについての御質問がございましたので、24ページでお示ししたこちらの図を改めてごらんいただきながら御説明をさせていただきます。
 前回改定時には供給余力があり、融通送電が可能であったため、必要経費のうち融通送電に必要なコストである619億円については、控除収益として小売り料金とは別に融通送電先から負担をすることとなり、自社のお客様の負担は軽減をいたしておりました。これに対し、今回のように火力発電設備の全てを自社需要、すなわち当社のお客様向けに充当している場合、それらのコストにつきましては実際に電気を御使用になっているお客様に御負担をしていただくということになったわけでございます。
 最後に、29ページに販売電力料の規制・自由化部門別の配分について御説明をいたします。販売電力料は、経済産業省令にのっとりまして、規制・自由の部門別に配分をされ、それぞれの部門の控除収益として計上されることが定められております。規制部門と自由化部門の販売電力料の割合は、実績においてもおおむね半々となっており、今回申請原価においても同様の水準となってございます。
 ちょっと長くなりましたが、以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、御意見、御質問をお願いいたします。
 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 購入・販売電力料についてお尋ねをいたします。主に東北電力さんのほうにお尋ねしますけれども、34ページのところに購入電力料と販売電力料で、先ほど地帯間購入について少し説明をいただきましたけれども、ほかの電力会社からということで購入も販売もほぼ同じ額というふうに説明を受け取りましたけれども、それでいいのかどうか。若干ではありますが、地帯間購入にしても基本は購入と販売に関しては安く買って高く売るというのが普通の考え方かなと思いますが、そういう意味からすると、地帯間に関しては高く買って安く売っている状況になっていますね、34ページの今回の改定の3か年の単価の平均がそういうふうになっていますから、その辺をどう考えているのか。
 それから、この辺の金額的な余り差がないということは、全国の電力会社さんで一定のそういった単価に関しての基準というか協定みたいなものがあるのか、地帯間購入についてはその辺を教えてください。

○石森営業部長(東北電力) まず、先ほど同量のお話がございましたけれども、それにつきましては系統運用電力という、例えば35ページの一番上の欄の「地帯間購入電力料」の一番右側の「備考」の中で、「[]は系統運用電力の再掲」というふうに書いてございます。それから、36ページをお開きいただきまして、販売電力料で、やはり同じように一番上の欄の一番右側の「備考」のところに「[]は系統運用電力の再掲」ということで書かせていただいております。この銘柄が電気事業者相互の協調という電気事業法に基づきまして、隣接会社間での電力のやりとりということで、電力設備の有効活用を目的に同じ量のやりとりをするということがございまして、その分が販売側にも購入側にも両方に再掲されるものですから、この部分については増えても差し引きされるような格好で量的には原価には影響していないというふうな説明をさせていただきました。
 その上で、今回に限り地帯間購入につきましては、購入電力側のほうが販売電力側よりも単価的に見ても、おっしゃるような御指摘になってございますけれども、その理由につきましては、購入電力側のほうでございます。当社の場合、東京電力の柏崎刈羽、福島第二の受電がございますので、その分につきまして電力量が今回の原価算定期間では一部しか入っておりません。一方で販売のほうは、当社の女川、東通もあるのですけれども、火力も東京電力に販売している部分がございます。建設当初から、販売、購入につきましては契約に基づいてやってございますので、原価算定期間についてはそういう事情があるということでございます。決してやりとりが決まっているとかそういうものでなく、電気事業法の、電力会社間相互の協調というものに基づいて私契約で行っている部分でございます。

○古城座長 井手委員、どうぞ。

○井手座長代理 今の点に関連して、柏崎等という説明がありましたけれども、これは、やはり日本原電とかと同じで、東北電力が東電から電気を買わなくても基本料金みたいなものを払わなければいけないという理解でよろしいのでしょうか。

○岡信企画部長(東北電力) 東京電力との間では、原子力開発について、当社が開発参加して融通受電を受けるものもありますし、東京電力が当社の原子力開発に参加をして、当社が東京電力に融通を送電するものも両方あります。前者のタイプといたしまして、今、石森のほうから申し上げたのは、東京電力の柏崎刈羽1号と、福島第二の3、4号でございます。これは基本協定とか基本契約、毎年の受給契約もはっきりしておりまして、自社電源のように扱うということでございますから、これは当然必要な電源でございます。そうしますと、自社で抱えておればレートベースにも入りますし、減価償却費も計上しますので、それと同じように契約上、当社から東京電力に基本料金としてお支払いをするという契約になっております。

○古城座長 よろしいでしょうか。
 橋本さん、どうぞ。

○橋本委員 四国電力さんにお聞きしたいのですけれども、先ほど、今回の値上げに当たっての融通原価についての詳しい御説明があったのですけれども、一つ一つ聞いていくとそうかというふうに思うのですけれども、結局は、確認なのですけれども、前回のときから比べて607億円の減というところなのですけれども、例えば、前回のときも収益があったというのですけれども、燃料とか施設とかいうと販売価格はここに掲げている金額ということではないですよね。普通、私たちが考えると、もちろん収益はこれだけありましたということなのですけれども、例えばその中に原価というものが含まれているとすると、設備とか燃料代とかというものは別に計算していて、あくまでもこれは販売した金額ということで、その辺、実際の収益というのは一体どのくらいあったのかというのがわかればちょっとわかりやすいかなというふうに思ったのですけれども、ちょっと説明、わかっていただけたでしょうか。

○守家営業部長(四国電力) それは、実績がどうなっているかということでございましょうか。

○橋本委員 はい。

○守家営業部長(四国電力) 実績につきましては、またその年々によって融通を送電しております量が違いますので、そこのところは具体的な金額は変わってまいります。ただ、例えば24ページをごらんいただきますと、前回の融通の部分を示してございますけれども、平成20年のときの契約に基づいて、そのときの融通料金をいただくものとそれに必要なコストという形で計算をしてございます。
 あと、実績のほうにつきましては、融通の収入はお出しできますけれども、費用の側については全て電気は一体になっていますので、その中で融通の部分のコストかどうだったのかというところは把握できないような形になってございます。

○橋本委員 でも、消費者としてはそういうところが知りたいなというふうに感じるのです。実際に負担が、収入はあったというのですけれども、この金額が収入というふうには思えないですね。そういうところはきちんと数字的に出していただければなと思います。ただ、出せませんというお話でしたので、それはそれで確認いたしました。

○守家営業部長(四国電力) 収入につきましては、最後の29ページのところに融通販売電力料というところで、一番下の合計欄をごらんいただきますと、これが実際の融通販売電力料の収入ということになります。

○橋本委員 だけど、そこにかかったコストというのは計算できないという。

○守家営業部長(四国電力) それはあくまで仮定の計算というか、原価の計算と同じような考え方に基づいてという形の計算しかできないことになります。

○橋本委員 納得できないですけれども、わかりました。

○古城座長 ちょっと時間が押しておりまして、次の項目に移ってもよろしいでしょうか。
 それでは、続いて事業報酬、調達・修繕費・設備投資等について、まず東北電力から御説明をお願いいたします。

○岡信企画部長(東北電力) 40ページをごらんいただきたいと思います。事業報酬についての説明でございます。当社は、純損益ベースで3期連続の赤字となりまして、会社創立以来の厳しい収支状況にあります。震災等による収支悪化への影響は、平成23年度から24年度累計で9,000億円程度となり、膨大な負担を吸収するため緊急的な支出抑制や繰り延べを含むあらゆる分野のコスト削減に努めるとともに、平成23年度からは配当も見送っておりますが、コスト負担の増加を全てカバーし切ることはできずに、自己資本の約4割を取り崩して対応しております。
 41ページは、事業報酬制度についてです。事業報酬は、レートベースに事業報酬率を乗じて算定することが省令に定められております。事業報酬率につきましては、電気事業をめぐる経営リスクがほかの一般的な事業会社の経営リスクと比較し、どのような位置にあるかを勘案し、決定されます。また、算定の前提となる3割の自己資本比率は、ほかの公益事業の状況を参照しつつ、電気事業を運営していく中で望ましい自己資本比率として設定されたものであります。
 なお、このレートベース方式は昭和35年に導入され、現在に至っております。
 前のスライドにありましたけれども、当社の自己資本は大きく毀損しておりまして、財務体質悪化の中で資金調達環境も悪化しております。中長期的な観点では、現行レートベース方式のもとで資金調達コストの低減に努めまして、内部留保の充実を通じて将来の資金調達コストを低減させていくことは、電気料金の安定性の観点からお客様にとってもメリットがあるものと考えております。
 42ページは、日本原燃の増資にかかわる対応についてです。原子力を推進しております当社にとりまして、日本原燃の再処理事業を初めとする原子燃料サイクルが円滑に遂行されることは極めて重要であり、日本原燃の経営の安定が当社の経営の安定にもつながるものと考えております。この日本原燃の事業である再処理事業や濃縮事業などにおきましては、引き続き多額の資金需要が見込まれることや、資金需要を長期安定的に調達するためには財務基盤の強化が必要であったことなどから、平成22年9月に増資を引き受けたものです。
 43ページをごらんください。当社のこれまでの配当実績はグラフのとおりでございます。平成23年度以降は配当を見送っております。今後の配当につきましては、当年度の業績や中長期的な収支見通しなどを総合的に勘案しながら判断してまいります。
 44ページは、原価変動調整積立金と別途積立金についてです。前回の改定のときには、燃調制度導入以前の円高、油価差益により積み立てた1,210億円をレートベースから控除いたしました。右の上に囲んだ金額でございます。今回は、原価変動調整積立金につきましては、平成21年度に全額取り崩しており、残った別途積立金につきましても繰越利益剰余金のマイナスによりまして、実質的に取り崩されていることからレートベースの控除対象外としております。
 続きまして、46ページでございます。ここから調達・修繕費・設備投資等の説明でございます。
 まず、46ページは現状の競争発注比率を示しております。17%でございますが、3年後までに3割程度に拡大することを目指してまいります。
 なお、この目標は関係会社と一般会社の区分けをせず設定しております。
 47ページは、競争発注拡大に向けた取り組みについてです。資機材の仕様汎用化、新たな取引先の開拓、分離発注等、従来から競争発注拡大に取り組んでおりますが、今後も技術主管部門と契約部門の連携を強化しながら、競争原理が一層働く環境を整備してまいります。
 48ページは、競争発注比率についてです。3年後までに3割程度を目指してまいりますが、そのほかに製造会社の品質保証、性能保証が必要なもの、施工可能な取引先が限定されるものがあり、これらは課題解決が難しく、競争発注が難しい部分でございます。今後、課題の解決に向けて継続して検討を行いまして、競争発注の拡大につながる環境整備を図っていくこととしております。
 49ページは、経営効率化の具体的な内容についてです。人件費や燃料費等、あらゆる項目を見直し、年平均で約800億円の経営効率化に取り組んでまいります。
 50ページをごらんください。普及開発関係費については、一般電気事業供給約款料金審査要領にのっとりまして、イメージ広告やオール電化関連の広告宣伝、販売拡大活動にかかわる費用を原価不算入とした結果、前回原価から74億円減となっております。
 原価に織り込んだ件名は、表のマル4からマル7のとおりとなっており、参考として次ページ以降でこの内容について御説明しております。
 51ページをごらんください。ここはマル4の項目が書かれておりまして、今後も継続した節電への呼びかけが必要であることから、東北の気候特性等を踏まえたエネルギーの有効利用を推進する活動や料金メニューを紹介する費用を原価に算入しております。
 52ページをごらんください。ここはマル5の内容でございまして、電気を安全に御利用いただくための周知や防災意識の維持・高揚に必要な費用、停電情報の発信に関する費用を原価に算入しております。
 53ページをごらんください。マル6は、発電所立地にかかわるPR施設の運営等にかかわる費用に加え、発電所立地地域のお客様に対する情報提供、理解促進活動に必要な費用を原価に算入しております。
 54ページをごらんください。マル7は、東北電力ニュースやCSRレポートといった、当社からお客様に対して、あるいは地域社会に対して企業情報等の発信をしていくための費用に加え、エネルギー、環境意識の啓発に関する情報提供や、地域の皆様との対話活動に関する費用を原価に算入しております。
 55ページをごらんください。研究費につきましては、個別に研究件名を精査し、費用の優先度を考慮して研究件名を厳選した結果、前回原価から16億円減の53億円となっております。
 56ページは、自社研究費についてです。右側の表のとおり、販売拡大関連や政策的研究の研究件名を原価不算入とし、安定的、効率的な電力供給につながる研究や、再生可能エネルギーの利用拡大に対応する研究などを厳選して原価に織り込んでおります。
 57ページは、電中研分担金についてです。右側の表のとおり、政策的研究、販売拡大関連の件名を原価不算入とし、従来の算定方法では約30億円の支出になるところを25億円に削減しております。
 なお、58ページにございますとおり、電中研の研究につきましては、研究計画の策定や実施段階において適宜意見交換や確認・指示を行い、効率的な研究実施となっているかを確認する体制となっております。
 59ページは、修繕費の織り込みについてです。各社ごとに設備構成が異なることに加え、供給エリアの地理的条件並びに気象条件も大きく異なることから、修繕費についてはヤードスティック査定による比較はなじまないと考えております。
 なお、修繕費につきましては、メルクマール修繕費率2.51%を1割程度下回る2.24%での申請値となっており、適正な水準に抑制しております。
 60ページは、バックエンド費用についてです。原価算入している費用では足りないのではないかという御質問でございますが、バックエンド費用につきましては、国の審議会等での議論を経て定められた法令等に基づき算定しておりまして、事業者としては現行の制度や金額が妥当であると考えております。
 事業報酬、調達・修繕費・設備投資等についての説明は以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 続いて、四国電力、お願いします。

○佐伯経営企画部長(四国電力) それでは、事業報酬以下について御説明いたします。
 31ページをごらんください。事業報酬等について御説明をいたします。事業報酬は、一般企業における利益とは異なり、金融機関からの借入金や社債の支払い利息などの資金調達コストに当たるものでございます。電気事業を営んでいく上では、発電所、送電所などの設備を継続的に建設していく必要がございまして、それに要する膨大な資金を安定的に調達することが不可欠でありますので、料金算定規則におきまして事業報酬についての定めがございます。今回の申請に当たりましては、この定めに沿って適切に原価算定を行ってございます。
 一番下の表では、当社の財務状況についてお示ししておりますが、24年度は通期で原子力の全台停止となり、大幅な業績悪化となったことから、自己資本比率は18%まで低下するというような状況になってございます。
 32ページをごらんください。こちらはレートベースの特定投資について日本原燃さんへの増資の件でございますが、先ほど東北さんから御説明があった内容と基本的に同じでございますので説明は省略をさせていただきます。
 33ページをごらんください。配当の考え方をお示しいたしております。当社は、これまで効率化を進めながら、その成果について計7回の料金改定でお客様に還元する、その一方で安定的な配当の継続に努めてまいりました。しかしながら、24年度は、先ほども申し上げましたが、収支の悪化によりまして配当を見送ってございます。今後の配当につきましては、業績水準や財務状況などを総合的に勘案しながら慎重に判断していきたいと考えてございます。
 34ページは、積立金の取り崩し状況でございます。当社は、これまで経営基盤の強化と電気料金の安定を目的に原価変動調整積立金、別途積立金を積み立ててまいりましたが、伊方発電所の再稼働おくれによる燃料費等の増加を踏まえまして、原変積立金につきましては24年度に全額450億円を取り崩し、別途積立金につきましても25年6月の利益処分において全額490億円を取り崩す予定といたしてございます。
 35ページに競争発注比率の目標について記載をしてございます。当社は、これまで電力の安定供給の維持、災害時の早期復旧など的確に対応していこうという観点から、自前での技術力、工事能力を育成・確保する観点からグループ内製化というのを進めてまいりました。その結果、他社さんに比べまして競争発注比率が低い現状にございます。
 こうした現状を踏まえ、今後はコスト削減とともに取引の透明性をより一層向上させるという観点からも競争発注比率を拡大していくという取り組みを図っていくこととしてございます。その具体的な目標につきましては、今後3年間で現状の3倍程度である15%以上を目指すとともに、その後もさらなる拡大に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 36ページをごらんください。調達・取引価格の効率化目標について書いてございます。今回の原価算定に当たりましては、調達・取引価格の削減目標率を7%マイナスということで設定し、修繕費、設備投資などのコストダウンを織り込んでおります。表のとおりでございますが、総額86億円、原価低減を織り込んでおります。この目標につきましては、特命発注、競争発注を問わず一律の削減率でございまして、先ほど御説明しました競争発注比率の拡大により期待される効果も含めて、今回設定した削減目標の達成に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 37ページは、経営効率化の具体的な内容でございます。これは、先般も御説明しましたので簡単に申し上げますが、3か年平均で281億円のコストダウンを織り込んでございます。これは値上げ率にしまして約6%圧縮ということでございます。
 次に、38ページでは普及開発関係費について御説明をいたします。今回の原価では料金算定要領に基づきまして、イメージ広告、オール電化関連、あるいは販売関連のPR館の運営に係る費用については全額原価不算入といたしてございます。
 39ページでは、普及開発関係費の主な業務内容につきまして一覧整理をしております。
 また、40ページから45ページにかけまして、原価算入を行っている普及開発関係費の内容について詳細記載しておりますのでごらんいただければと思います。この説明は省略いたしまして、46ページに移らせていただきます。
 46ページでは研究費について書いてございますが、研究件名につきましては個別に精査をいたしまして、電力の安定供給に資するものに厳選をして原価算入をいたしております。これは自社研究、電中研研究について同様でございます。
 電中研研究について47ページで敷衍しておりますが、電力中央研究所の分担金につきましては、電力の安定供給に直接的に必要とは言えない研究、それから、電化推進関連の研究などにつきましては原価不算入とするなど、研究件名を個別精査することで減額を行っているところでございます。
 48ページをごらんください。これはヤードスティック比較について記載をしております。費用別の各社比較についての御指摘がございましたが、電気事業を利用する費用につきましては、設備の構成とか経年数の違い、また、地域の需要密度の高低などによりまして、電力各社間で費目ごとの費用水準に違いが生ずることから、一律横並びでの比較はなかなか難しい面があると考えてございます。電気料金に関する情報公開につきましてはガイドラインがございますので、それにのっとりまして、今後とも的確な対応を図っていきたいと考えております。
 49ページ、修繕費のメルクマール率についてでございますが、修繕費のメルクマール率の採用期間を3か年でお示しいたしてございましたが、その理由は、料金算定規則(省令)に基づく申請原価の提出様式が3か年ということになっておりましたので、それを引用したものでございます。右下の表の記載のとおり、今回の申請原価における修繕費率は直近3か年、5か年、いずれも修繕費率を今回の申請原価が下回っておりますということをお示ししているものでございます。
 それから、平成27年度の原子力の追加設備投資が多いということで、この内訳をという御質問でございました。まず、27年度の設備投資のうち293億円が伊方発電所の追加安全対策でございます。この具体的な実施内容は、右の表のとおりでございます。当社は、伊方発電所のさらなる安全性向上の観点から、申請時点で具体化できた安全対策につきまして極力早期に竣工させる計画といたしております。その結果として、数年の工期を要する恒設非常用発電機設置などの竣工時期が27年度に集中し、他の年度と比較して設備投資額が大きく増加するという結果でこういう数字になったものでございます。
 原子力バックエンドの関係でございますが、51ページです。原子力バックエンド費用につきましては、将来発生することが確実な費用であるため、世代間で公平に負担する観点から定められた法令等に基づいて算定し、適切な原価計上をしているというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について御質問がある方、目の前の札をお立てください。
 小幡委員。

○小幡委員 両社とも非常に厳しい状況にあるということで、先ほどの最初のほうの古賀委員のご発言の中で持株奨励金の話がございましたが、配当もないという大変厳しい状況のもとで、持株奨励金を認めて原価算入するというのはいかがかなと思いますが、これは意見です。
 競争発注比率の話なのですが、四国電力さんの35ページのところですが、これは先ほどの出向の多さというのと同じ、あるいは連動する話だと思うのですが、グループ内製化、要するにグループ会社に出して、そこでたくさんやらせるという方向をとってきたために競争発注比率が非常に少ない、ですから、ほとんどグループ会社が受けているという状況で、そこに社員を出向させて、その人件費も補填しているという、そもそもそこの問題があると思うのですが、今後、グループ会社、一般取引先を問わず積極的に競争拡大ということですが、それは、グループ会社には契約が行かないようにする、つまり、競争の中に入れるという意味でしょうか。何のためのグループ会社で、何のために社員を出向させて人件費を補填しているのか、そのあたりも含めて、これは連動する話だと思うのですが、どういうことでしょうか。

○古城座長 御説明をお願いします。

○佐伯経営企画部長(四国電力) 私のほうから御説明します。
 先ほども申し上げましたのでちょっと重複しますけれども、電気事業というのは設備的にも息の長い設備があって、それを維持管理していく、発電、運用もしていくという中で、設備になじんだ人間がその設備の維持・運用を図っていくというのは非常に重要なことというふうに認識しているのです。四国は島だから少ないと御説明してちょっと叱られたこともあったのですけれども、必ずしもそうではないかもしれませんが、グループの中でそういう技術力を確保して、いざというときも含めてやっていこうというのが今までやってきた体制です。そこの中で私どもの従業員も出向することによって、関係会社の従業員とも一体になって知識を共有したり、技術力を共有する中で電気事業を供給信頼度も高くやっていこうというのが今まで取り組んできたところであります。
 ただ、それが必ずしも間違っていないというふうには思っているのですけれども、実はこの料金の改定の作業というのですか、審査の過程で、ある物品について非常に高く買っているという事例が出てきたのは事実であります。その教訓もありまして、競争発注については前向きな大きな経営の課題として取り組んでいこうというのは、今、社内でも認識しているところです。

○小幡委員 先ほど、山口委員長代理からも生産性が低いのではないかという話がありましたが、要するにこの結果、コストが非常に高くかかっている構造になっているということですので、今後、グループ会社という形態について改められる。出向も含めて改め、グループ会社には1社入札で落ちないようにする。つまり、グループ会社であっても単に競争の1社にすぎないので、グループ会社に必ずしも契約は行かない、そういうふうにされるということですか。

○佐伯経営企画部長(四国電力) 今後の取り組みとして、そういう取り組みを強化していこうということは考えております。

○小幡委員 そうすると、出向者との先ほどの関係も出てくるように思うのです。出向させて、こちらのほうが報酬が多い分について差額を補填するというやり方をとっていらっしゃる。それも含めて、人件費と両方の兼ね合いがあるのではないかと思いますが、人件費のほうもまたお考えいただけるということでしょうか。

○佐伯経営企画部長(四国電力) おっしゃるとおりで、人員の問題もありますし、今までこういうやり方でやってきているところで、内製化というか、グループ内でやってきた中で、さあ、あしたから競争にしましょうといっても、発注の条件も変えたり、いろいろ条件も変えたりしないといけない、そういう準備もしないといけないということで、他社さんがこの3か年でもっと高いレベルの目標率を掲げていることは重々承知しているのですけれども、四国電力はこの目標値というのは頼りないではないかというふうに御指摘されるかもしれないけれども、そういうところも含めて、まずは15%やりましょうということでここの目標を掲げ、他社さんが掲げられている数字も念頭に置きながら、さらなる拡大に向けて努力をしていきましょうということで考えているところで、そのあたりは現状も踏まえて御理解をいただければと思っているところです。

○古城座長 皆さんが心配しているのは、四国電力は人が余っているのでグループ会社で引き取ってもらって、人件費の差額を補填して物も買っているということになっていませんかという心配があるわけです。

○佐伯経営企画部長(四国電力) 一言申し上げますけれども、グループ内での特命でやっているところはあるのですが、それによって一つもメリットはないことはなくて、例えば伊方発電所の稼働率というのは御承知かと思いますけれども。

○古城座長 それは、メリットのあるものもあるし、メリットのないものもあって、ほかの電力会社に比べて割合が多いので、それはメリットのないものがかなりあるのではないですかということだと思うのです。

○佐伯経営企画部長(四国電力) メリット、デメリットがあるところも否定はいたしません。だから、メリットがあるところも御承知はいただきたいと。

○古城座長 それはわかっています。
 小塩委員、どうぞ。

○小塩委員 私も、競争入札について2つの電力会社さん両方にお聞きします。数字を具体的に挙げられて、3年後に引き上げていくという目標を提示なさっているのですが、具体的に毎年どこまで上がったか客観的にチェックする仕組みがちゃんとあるのかというのをまずお聞きします。
 それから、四国電力さんにお聞きします。効率化によって7%コストが削減できるというお話でしたが、その根拠として、22年から24年に特命発注から競争発注で6.8%のコストが削減されたので、それを見て7%ぐらいいけるのではないかという御判断だと思います。しかし、いただいた数字を見ますと、23年度実績で競争入札が4%ということですね。だから、競争入札のそれまでの上昇は最大で4%ポイントだったということですね。ところが、これからはそれを15%まで引き上げるということですから、今までよりも物すごくペースを上げるということになります。そうなると、過去の7%というコスト削減よりも、もっと大幅なコスト削減があってしかるべきだと思います。数字がちょっと控え目ではないかという気がします。その点についてお考えをお聞きしたいと思います。

○岡信企画部長(東北電力) 東北電力からまずお答えを申し上げます。
 競争を30%まで拡大していくということについては、既に着手しております。どういう体制でやっているかといいますと、社長を議長といたします経営効率化推進会議というものがございまして、そこで資材部とか技術主管部とか部門横断的な体制をとって、きちんとPDCAを回すようにやっていこうということで、取り組みを開始したところでございます。3年間で30%でございますので、途中結果の目標というのは特に掲げてはいないのですけれども、毎年の進捗状況をチェックしながらきちんとやっていきたいと。
 それから、もう一つ、調達のコストダウン、その中でこの競争の拡大というのも入ってくると思うのですが、同じ経営効率化推進会議の中で今検討中なのですけれども、社外の専門家の方に来ていただいて、どうしても我々だけですとなかなか知識が及ばないとか、工夫が行き渡らないというところがございますので、競争の拡大、調達コストの低減にきちんと結びつけられるような取り組みもやっていこうということで、これは社外の方の人選も含めて今動いている最中でございます。

○佐伯経営企画部長(四国電力) 最初の客観的なチェックということで事後のチェックについては定期的にやっていかなければいけないと思っていますし、PDCAというのでしょうか、それをやることで競争のやり方自体についてもいろいろ工夫があると思うので、そのあたりのチェックは十分やっていきたいと思っています。
 2つ目の4%で6.8%いったのだから、3倍いったらそれの3倍いくのではないかというのではなくて、競争することによるメリットはその程度あるという、これは7%は競争だけではなくて特命にも一律適用して重きをかけているのですけれども、そういう意味では、必ずしも競争発注比率が広がることによってコストダウン率が広がるということではないというふうに私は理解をいたします。

○古城座長 次、矢野委員。

○矢野委員 2つほど、1つ意見と1つ質問なのですが、1つは、普及関係開発費についてです。これは意見として受けとめていただきたいと思いますけれども、現段階では電力会社を選べないわけですから、選ぶために資するような普及関係開発費は要らないということで、前提となった部分、かなり削減はされておりますけれども、しかし、例えば東北電力さんであればマル5やマル6、マル7、むしろマル6やマル7に関する50ページの部分に関してはまだまだ削減できるのではないか。本当に必要な普及関係開発費、選べない中での当然に安定供給されるために必要なものとしてまだ削減の可能性はあるのではないかというふうにとらえていますので、それは四国電力さんも受けとめていただければと思います。
 質問のほうは、バックエンド費用に関してです。質問が、もう少し踏み込んだお答えが聞けるかなと思いましたが、法令に基づいたということでその中身でしたが、先の審査専門委員会のほうでは、審査原価全体の中での原子力関連費用をそれぞれお出しいただいております。東北電力さんのほうが1,275億、四国電力さんが865億というのがトータルの原価における原子力関連費用でしたが、原価に含まれていない原子力関連費用がありますでしょうか。もしあるのでしたら、また後日資料を出していただきたいと思っております。
 以上です。

○古城座長 質問のところだけお答えください。

○岡信企画部長(東北電力) 原価に含まれていない原子力関連費用でバックエンドということになりますと、六ヶ所村の工場の処理能力を超える部分、工場はまだ決まっていませんので、そういったものがあります。それはお求めのとおり、別途データをお示ししたいと思います。

○佐伯経営企画部長(四国電力) 私どもも。

○古城座長 それでは、白山委員、お願いします。

○白山委員 各委員の方々に関連する質問です。四国電力ですが、競争発注比率の具体的目標の35ページのところですが、先ほどの議論でグループ内製化の話と競争発注の比率が低いことの関連性があるのだと思うのですけれども、ここで競争発注比率を拡大していくという計画をお立てになられるならば、当然、グループ会社のほうの出向者数が従来どおりのままで本当に合理的な経営の継続がなされるのかどうか、経営計画上における論理的整合性の問題があると思います。あるいは、出向者数とか出向者の出向元と出向先との給与差額の補填の問題、これが例えばグループ会社へ転籍をすることで給与差額補填を無くすとか、あるいは出向者を親会社へ戻すとか、何らかの形で経営計画上において、競争発注比率を上げるということと関連して、もしそれを上げていく御計画をされるならば、出向者の方の経営計画も当然に見直しをして、その分出向者の給与差額補填の原価の算入を減らすというような経営計画上の論理的な整合性がないと総合的におかしいのではないかというふうに思います。このあたりはどうでしょうか。

○佐伯経営企画部長(四国電力) 競争発注をするということは、イコール、グループ会社から仕事が変わるということでは必ずしもないと思っているのです。今、グループ会社ももっと効率化ができていないとするならば、もっと効率化をして競争発注したところで競争に勝ってやっていくということも十分あるわけで、そのあたりを含めてグループ会社の筋肉質になるような対応というのはやっていけると私自身は思っています。

○白山委員 であるならば、例えば先ほどの出向者数の一番多い四電工とか四電エンジニアリングとかの出向者の人数が、現状はこうですけれども、これに対して出向者給与との差額はこれこれこうで、競争発注の拡大によって当然にグループ会社の売り上げも減るわけですから、それに対して出向者給与との差額補填はどうなっていくのだというところの経営計画上の論理的整合性を具体的に示してもらいたいのですけれども。

○佐伯経営企画部長(四国電力) そのあたりは、これはあくまで目標でございますので、リジットに計画を立てて、こういうスキームで、こういうプランニングができてというものではございませんので、そういうところでお示しすることは今の段階では難しいということです。

○島田人事労務部担任(四国電力) ただ、厳密な連動性は難しいのですけれども、当社自体の退職人員が今後ふえてまいりますので、これを採用人員で補うと人員が減らないわけですけれども、そこを抑制することによって当社の人員を減らしていく。減らした分を、今、出向者で出ておりますけれども、それを戻すことによって当社が何とか全体を減らしながら、出向者も減らしながらということで、今後、出向者を減らす方向にはございます。何年までに何人というのはこの場では持ち合わせていないのですけれども、そういうことでございます。

○古城座長 お話を伺っていると、御説明があったように、ある時期の人員が余っているのですね。それをどうするかということで。

○島田人事労務部担任(四国電力) その時々の情勢で採用したわけでございますけれども、なかなか一気に人員構成そのものを変えるというのは難しいという面もございます。

○古城座長 わかりました。
 細川委員、どうぞ。

○細川委員 研究開発にかかわる費用についてお聞きします。両電力会社ともありますけれども、東北電力のほうが詳しいのでそちらでお尋ねします。東北電力の57ページです。
 先ほど、直接安定供給等に関係ないものは除外したという御説明がありましたけれども、ただ、ここで書いてあるのは原価不算入だと。原価不算入にするだけということで、研究は多分するという意味かなと思います。そういう意味で言うと、先ほど東北電力が特に、安定供給に必要だから、だけど我々に能力がないから電力中央研究所にそれを委託しているのだというお話がありましたけれども、ちょうど上の囲みにあるように、本当に必要なものを議論して、それで、それに幾ら必要だから分担金を払うのではなくて、まさにここにあるように、前年度の電灯電力収入×0.2%を分担金として払うのだという、これが大原則なわけですね。だから、要は、もう初めにお金ありきで、そのお金で何をやるかと考えて研究項目を並べているとしか思えないのです。ほんのちょこちょことやって、ほんの少し減らして、しかもそれは原価算入で減らすだけで研究はやりますというのでしょう。それでは納得いきませんし、しかも電灯電力を母数として、その0.2というのはどういう意味ですか。電灯電力のみによって研究費を補うということは、自由化部門に寄与する研究については自由化部門の収入からは出さないという意味ですか。個人消費者だけに研究費用を分担させるという趣旨だとすると、まさに総括原価方式で必要だといったお金は、消費者が払ってくれるからまずお金がありきという電力会社と電力中央研究所の関係は、そういう関係としか私には思えないのですけれども、もし反論があればお願いします。もし時間がなければ後から回答いただいても結構ですけれども、座長にお任せします。

○岡信企画部長(東北電力) これはわかりにくい資料で申しわけございません。従来の算定方法では、この分担金の方式により、料金原価にも前回までは織り込んでいたということでございまして、今回はあくまでも分担金の方式ではなくて件名を洗い出して、必要不可欠なものだけを織り込んでいるという内容でございます。
 あともう一点、これは電灯電力収入×0.2のところに、我々の資料のつくり方が悪いのですけれども、ここだけ見ますと何となく規制部門だけに電中研の研究費を負担させるのかというふうに見えてしまうかもしれませんけれども、決してそうではございませんで、ここに記載してあるのは規制部門も自由化部門も含めた全体の研究費でございますので、これを一定のルールにのっとって規制部門と自由化部門にそれぞれ配分して御負担をいただくということになります。

○古城座長 時間が非常に押しておりまして、予定ですと今が5時32分なのですけれども、30分以上超過しておりますので、延ばすわけにいきませんので、これまで御説明いただいた以外にその他というのがございます。これで御説明いただくところなのですけれども、申しわけありませんが、ここは省略させていただきまして、委員のほうから質問をしていただくということで時間を節約させていただきたいと思います。
 その他の部分について御質問のある方、お札を立ててください。

○浅田参事官 その他の項目につきましては、資料1の3ページ、7.にございます。供給予備率、自由化部門と規制部門、消費者への説明、料金メニュー、資産売却、もしくは四国電力資料のの52ページに目次がありますので、こちらを御参照ください。

○古城座長 四国電力さん、需要が減少することによってコストも節約できるけれども、収入が減るほうが影響は大きいというふうに御説明なさっていますね。需要変は主に大口が減るのでしょうか。

○守家営業部長(四国電力) 大口も減りますけれども、規制側の部分につきましても一昨年以来の節電にかなり御協力いただいていまして、節電の定着分という形での減少もございます。

○古城座長 100減るとすると、割合はどれぐらいですか。

○守家営業部長(四国電力) 規制と自由とのということですか。

○古城座長 減少。

○守家営業部長(四国電力) すぐ手元にないので、改めて別途。

○古城座長 先ほどの質問で、半々ということはないでしょう。産業用ですから、景気の影響を受けて自由のほうが大きく減るでしょう。

○守家営業部長(四国電力) 前回との関係ですので、結構規制側も減ってございます。

○古城座長 そうすると半々ぐらいなのですか。

○守家営業部長(四国電力) そもそもの需要の規模が、自由化側が6、規制側が4という形でございますので、それないしは半々近いぐらいのところです。

○古城座長 後で数字を。

○守家営業部長(四国電力) 数字については具体的に。

○古城座長 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 両社にお聞きしたいのですが、まず、東北電力の説明資料の64ページです。表の見方なのですが、販売電力料は規制部門、つまり、一般消費者に売っている部分が36%なのに、報酬はどうも半々ぐらいというふうに読めなくもないのです。そうしますと、要するに、一般消費者には36%売っているけれども、利益は49%上げているよとなるのかなと。四国電力についても、同じように54ページを見ますと、一般消費者に41%売っています、ところが利益は53%上げていますというふうに読めるのです。東京電力の一時期ほど極端ではありませんが、やはり傾向としては一般消費者、要するに零細のユーザーのほうにツケを回しているようにうかがえるのですが、この辺をもう一回見直すということはあり得ないのでしょうか。

○守家営業部長(四国電力) 四国のほうからお答えいたします。
 販売電力料と事業報酬との関係でございますけれども、その前に料金収入額と事業報酬の関係をごらんいただきますと、これにつきましてはおおむね半々というところでは同じになっているかと思います。そういう意味で、販売電力料と料金の収入というのがウエイトからすればちょっと違います。それの大きな理由につきましては、やはり規制部門のほうが低圧でお送りいたしますので、そこの部分だけ配電のところでコストが多くかかります。そういう意味では、電力量に比べて販売単価、料金単価というのが高くなっているというのが、この販売電力料のウエイトと料金収入のウエイトが違っている大きな理由でございます。

○山口委員長代理 そうすると、規制部門の事業報酬の中からまた配電費用が出るということですか。

○守家営業部長(四国電力) この事業報酬はもうけということではなくて、先ほども御説明いたしましたけれども、これは設備等にかかる資本コストという部分ですので、それぞれにどれだけの資本といいますか、供給に必要な設備というのを使っているかというものに比例してきます。

○石森営業部長(東北電力) 私からも同じ説明になりますけれども、事業報酬というのは設備等にかかわる資金調達コストということになるものですから、販売電力量ということではなくて、設備の実態によって規制部門と自由化部門に配分される。そういった意味で言いますと、低圧の部分は引込線とか柱上変圧器とか、自由化部門に比べて多大にかかっておりますので、このように配分されているという説明でございます。

○古城座長 あといかがでしょうか。
 井手委員。

○井手座長代理 選択約款のところで、四国電力が60ページで、東北電力が72ページですけれども、選択約款は料金メニューをつくるときの需要想定をどのぐらいと予測しているのでしょうか。選択約款をどのくらい選択する人がいて、どのぐらいの需要家がつくと考えているのか。そこで選択約款の収支を必ず計算するはずですね。これは割引料金ですから、ネットレベニューテストで、それで全体の売り上げが上がらないと選択約款として本来認められないわけです。四国電力56円といった料金をピークのときに設定していますが、具体的にこういうのはどのぐらいの需要がつくと想定しているのでしょうか。もし需要がつかない場合は、これを選択しない他の需要家が費用を負担するわけですから、その辺はきちんと計算されて選択約款というのをつくられているのかどうか。というのは、選択約款をたくさんつくればいいというものではないので、選択約款を選ばない人が余計なコストを負担するようなことになるといけないので、これは電力会社も規制当局も収支というのをきちんと見ていかないといけないと思うのですけれども、これについてお考えを聞かせてください。

○石森営業部長(東北電力) 今回、当社の場合で言いますと、新しい料金メニューのピークシフト、季節別時間帯別電灯というのは、年間で5,000件程度です。3年間で1万5,000件程度入ってくるということで想定してございます。ただ、標準的な使い方をしていただいた場合には、供給約款で使われても、あるいは選択約款で使われても料金的にはイコールになるという計算の仕方でレートを切ってございますので、基本的には選択約款で供給約款側に何か恣意的な影響を与えているとか、そういうことでは考えてございません。

○守家営業部長(四国電力) 四国について申し上げますと、四国の場合、ピークシフト型時間帯別電灯につきましては、3年間で2,000口ぐらいを想定してございます。その考え方は、このメニューに移行することによって現行よりも1割ぐらいお支払いいただく電気料金が少なくなるであろうと思われる規模という形で見てございます。そういう意味では過大な想定ということにはなっていないかなというふうに考えてございます。

○古城座長 今のはちょっとよくわからなかった。割引料金というのは、御存じのようにネットレベニューテストを使うわけですから、割り引いたかわりにお客さんが喜んでたくさん使ってくれるので、電力会社は増収になって、その結果、一般のお客さんも負担が軽くなるという理屈だと思うのですが、お客さんの支払い額が減ってしまうと、その分だけ電力会社の収入が減るわけですから、ほかのお客さんの負担が増えるからそれはまずいわけでしょう。

○守家営業部長(四国電力) その考えを60ページに書いてございまして、例えばピークシフト型時間帯別電灯は、ピークをカットしていただく。そのかわりとして割り引きますという形でございます。これは短期的には確かに私どものコスト削減にはつながりませんけれども、もう少し長い目で見たときには、やはりピーク供給力の設備というのを投資する必要がない。

○古城座長 わかりました。
 細川委員、どうぞ。

○細川委員 ちょっと時間にゆとりがあるようなのでお聞きしたいと思います。
 いろいろ創意工夫が必要だと思うのです。私、ちょっと不思議に思うのは、水道料金というのは大体2か月に1回払いが当たり前ですね。ところが、電気、ガスもそうですけれども、毎月支払うという形ですね。前から、ほかの電力会社からもお話を聞いていますけれども、規制部門というのは配電コストもあるし、徴収コスト、検針コストとかもありますね、ということであれば、2か月に1回というものを選択すれば安くなるとか、本来そういう選択肢もあっていいのかなと思うのです。ただ、前に委員会打ち合わせのときに議論して、井手先生からも御指摘があったのですけれども、そういう国もあるけれども、日本は3段階方式で毎月で切って、多く使う家庭からは高い料金を取っているという、そういう制度との整合性もあるなんていう話もありましたから、簡単ではないかもしれませんけれども、例えばそういう工夫とか、あるいは、私はプリペイドでいいと、1年間初めにお金をそれぞれの電力会社に預けてしまって、それを毎月引いていくという形で安いならそれのほうがいいというお客さんだっているかもしれませんね。そうすれば、資金はあらかじめ早く入るわけですから、今は後払いですけれども、前払いなら安くするということだってあり得るわけで、そこら辺の料金の払い方の工夫の議論みたいなものは、電力会社では今まで全くしていないのでしょうか。

○石森営業部長(東北電力) それぞれメリット、デメリットがあるものですから、御意見ということでは検討させていただきます。やはり3段階料金の関係もあるのでしょうけれども、例えば海外だと、1年に1回とかそういう例もございますので、そういう中で割引をどういうふうに組み合わせていくのか、一方で、これからスマートメーターが入ってきますので、そういった場合の料金制度というのはどういうふうにして、よりきめ細かな料金制もできますので、いろいろな検討はしてまいりたいというふうに思ってございます。

○古城座長 まだ御意見あると思いますけれども、時間がそろそろなくなってまいりましたので、本日はこれまでとしたいと思います。まだいろいろ御質問ありそうな感じなのですけれども、それにつきましては、各委員の方、文書で出していただきまして、事務局から両電力会社に御質問をお寄せしたいと思うので、それにお答えいただけますと大変ありがたく思います。
急がせて申しわけなかったのですけれども、また、時間も長くなって皆さんに御迷惑をおかけいたしましたが、本日は東北電力、四国電力からの御意見を伺う会はこれで終わりたいと思います。
 両電力につきましては、長い間どうもありがとうございました。ここで退席いただきます。

(東北電力、四国電力 退席)

≪3.消費者庁作成「チェックポイント(案)」の検討≫

○古城座長 それでは、引き続きましてチェックポイント(案)について検討いたしたいと思います。
 消費者庁では、過去の他電力の値上げ申請の際の経験や当調査会委員の関心事項等をもとに、今後、経済産業省と査定方針案について協議を行う際に参照するチェックポイント(案)を資料4のとおり取りまとめたところですので、消費者庁長谷川消費生活情報課長から御説明をいただきたいと思います。
 長谷川課長、よろしくお願いします。

○長谷川消費生活情報課長 それでは、恐れ入りますが、お手元の資料4をごらんいただきたいと思います。
 「東北電力及び四国電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関するチェックポイント(案)」を消費者庁のほうで取りまとめさせていただきました。
 それから、委員の皆様には、今回、チェックポイントは全体にかかわりますので、東北電力、四国電力の申請の概要の資料と、参考ということで関西電力、九州電力のチェックポイントも御用意させていただきましたので、適宜御参照いただければと思っております。
 まず、今回のチェックポイントの作成の基本的な考え方ということでございますが、委員の先生方の御意見を踏まえまして作成いたしました。また、私ども、東北と四国の地元に伺い、消費者との意見交換を行いまして、さまざまな御意見をいただいたところでございます。それを踏まえて作成いたしました。
 ざっと読んでいただきますと、実は、両電力会社は2月中旬に申請ということで、まだ関西と九州の査定方針案が出る前、あるいは経産省と当庁の間で査定案をまとめる前の段階でございましたので、そうした面では、それらを踏まえていないところが散見されるということもございますので、そういう意味では、関電、九電と共通するものも多くなっております。
 また、今回御議論いただいた中で新たに課題が出てきたところも随時こちらの中で記載させていただいております。
 まず、前文のところは、まさに基本方針ということでありますので、電力の重要性、必需性といったところの認識を改めて入れております。また、電力料金は、家庭用電気料金という一つの項目以外にも間接的にいろいろコスト上昇プレッシャーということで負担を与えることも、こういう点についても意見交換会において議論がありましたので、その点について記載しております。
 さらに、東北につきましては特殊事情ということで、東日本大震災によります甚大な被害といったところが非常に大きな課題でございます。そうした点についての認識といったところも指摘させていただいております。
 早速、人件費等でございますが、給与等についての考え方は、前回の関電、九電も踏まえておりますが、特に役員報酬につきましては、国家公務員の指定職並みの給与といったものが前回の関西電力、九州電力において示されたものですので、その点について明確にさせていただきました。現状ではとても乖離があるというところだと思っております。
 それから、マル2の役員報酬、社員の給与水準の補正のあり方でありますが、これも東北、四国それぞれ別の補正のやり方をやっているということもありますので、関電、九電の統一的な方針が示されていますので、そうしたものの観点からしますと、やはり乖離がありますので、そうした点について記載をさせていただいております。
 それから、厚生費の点は、まさに本日も御議論があったところでございます。両電力会社から56%というところでの申請内容になっておりますが、やはり我々としては、東電以降の50%を目指して可能な限りの削減をしているかといったところをポイントとして挙げております。実際、関西電力、九州電力におきましては、算定期間内に50%ではありませんが、先ほど話がありましたが、足もとの負担率も徐々に下がっておりますので、いわばフォワードルッキング的にそういう見込み率を見込んで下げていくべきという認識は経済産業省とも了承していますので、引き続きこれについては50%を目指すといったところを明記させていただいております。
 それから、一般厚生費についても同様な形でございます。福利厚生施設費、文化体育費の削減の話とか、次の次のポツでございますが、きょうお話がありましたが、自社株の取得を目的とするような奨励金とか拠出金についての廃止・縮減といったところを記載しております。
 それから、出向者についても随分御議論があったところでございます。特に四国電力については、多数の出向給与といったものが計上されておりますので、そこの点についての電気事業の観点から果たして本当に妥当なのかといった点、その理由を明確かつ合理的に示してもらいたいと思っています。
 それから、調達も御議論あったところでございます。3ページ目をごらんいただきますと、東北電力30%、四国電力15%ということでありますが、これまでの関電、九電、東電を踏まえますと、やはり東電のケースで5年で60%を目指すということを示されましたので、そうした事例を踏まえた水準となっているかといった点はチェックをしてまいりたいと思っています。
 それから、マル5の調達費用の削減率においても、やはり7%という申請内容でございますが、これについても10%というこれまでの経験を踏まえた形で行いたいと思っています。
 それから、以下、広告宣伝費の話ですとか、それから、本日ありました電力中央研究所の分担金といったところについても改めて問うてまいりたいと思っています。
 それから、マル10の子会社・関連会社の合理化といった点についても、本社並みに行ってもらいたいというところでチェックをしてまいりたいと思っております。
 それから、事業報酬については、関電、九電と同様でございます。
 また、減価償却費、レートベースについても、基本的な考え方は同様でございます。
 4ページ目をお開きいただきたいと思いますが、燃料費、購入電力料等、ここは御議論の中で課題が、これまでの関電、九電と違ったポイントも出てまいりましたので、修正をつけ加えておるようなところでございます。
 マル17は、今後の原価算定期におけるコストの削減の燃料調達における見込みの話。
 それから、マル18においては、その燃料費の低廉化においては、削減努力と申しますか、経営努力と申しますか、燃料費の削減期待額をきっちりと織り込んでいるかといった点。
 そして、マル19ですが、先般、本日も含めて課題になっていると思います。ほかの電力会社、それから電気事業者に支払う購入電力料の内容について、きちんと説明、あるいは査定をやってもらいたいというふうに思っております。
 購入電力料の相手方の広告宣伝費とか寄附金とか団体費とか、そうしたものが真に必要なものに限られているかといった点、それから、相手方にもしっかりとコスト削減努力を求めているか、そういうところを求めていきたいと思っております。
 それから、東北電力の日本原電からの購入電力料についても同様でございまして、やはり先方に対して削減努力を反映しているかといった点。
 それから、四国については、お手元にお配りさせていただいています資料の5ページ目に書いてございますが、今回の引き上げの主要な理由が販売電力料の大きさということだと思いますので、それについての説明が十分かといった点では疑問もあろうかと思います。融通送電分については、消費者の理解が得られるよう、他社への販売電力料の見込み、結局、それは収入になるわけですので、その収入の見込みとか、あるいは販売方針とか、そうした点が明確かつ合理的に説明されているかといった点、それから、発受電電力量や費用構成との関係。結局、総原価と総収入の関係は、この販売電力料が入ってきますとちょっと複雑になりまして、自由化部門、規制部門というのが、当然、これまで関電、九電までの議論としてはメーンであったわけですが、それに販売電力料というのも大きなファクターとして入ってきているものですから、そうしたトータルとしての総収入と総原価といったところの説明ぶりというのは重要ではないかと思っております。その関係を、電力量の変化も当然あるわけですので、そうしたところをわかりやすく説明しているかといったところを我々としては問うていきたいと思っております。
 マル20では、原発の再稼働については、料金への影響について明確に説明しているかという点を問うてまいりたいと思います。
 それから、5ページ目をごらんいただきますと、きょう、委員のほうからありましたが、規制部門と自由化部門のところについても改めてバランスのとれたものになっているかという点を指摘しているところでございます。
 それから、需要の推計、見込みの実績の乖離についても、関電、九電並みに、その乖離の公表について問うてまいりたいと思っています。
 それから、最後になりますが、新料金体系、今回いろいろなプランも出てまいりました、それから、節電のインセンティブといった議論もあります。ですので、そうした観点から説明がなされているかといった点を指摘しております。
 特にマル28をごらんいただきますと、実は、地元の消費者の方々と意見交換会をやると、どうも情報提供にいろいろと問題と申しますか、十分ではないような状況がわかってまいりまして、そういうような声があったということでございます。ですので、そうした点を踏まえて、消費者の居住地にかかわりなく、適時かつ公平な広報・周知体制がとられているかといった点を入れております。特に東北電力におきましては、被災者の方々は大変困難な状況にございますので、丁寧な説明と理解を得るための十分な努力をしているかといった点。
 それから、やはり電力会社が町の状況ではなくて、積極的に説明会とかの開催といったものをすべきだというふうに思われますので、その点も記載しております。
 マル29は、消費者の負担のみならず、全般的に負担は利害関係者でどうシェアしていくのかといった点について、周知・説明等をしているかといった点を記載しているところでございます。
 それから、6ページ目でございますが、資産売却は、前回、関電、九電と同様でございます。
 また、節電の予測を需要予測にどう織り込んでいるかといった点についても重要な問題であると思っておりますので、この点も指摘されます。
 供給予備力についても、その根拠についての説明についても求めるということにしております。
 適切な審査、あと、今後、中長期的に取り組むべき事項については、基本的には関電、九電、東電、横並びの項目ということになっております。
 簡単ですけれども、以上です。

○古城座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見のある方は御発言をお願いしたいと思います。
 細川委員、どうぞ。

○細川委員 先ほど、四国電力のほうで役員数が多過ぎるのではないかという話も出たので、そのあたりで気になったのは、1ページのマル1で「役員報酬、社員年収について、それぞれの立場に応じて」云々「削減されているか」で、その後括弧があります。括弧の中は数のことを言っているのです。この前の文章は一人当たりの額のことを言っているのです。ちょっと変かなと。普通、括弧の中というのはより詳しい説明のことを言いますね。中身が違ってしまっているので、括弧ではなくて「また」とかという形にしないと文章的に変かなというふうに感じました。
 以上です。

○古城座長 今の点は改善する必要がありますね。

○長谷川消費生活情報課長 検討します。

○古城座長 文章については、こちらにお任せください。
 あといかがでしょうか。
 白山委員、どうぞ。

○白山委員 細かい話で恐縮なのですが、マル10の「子会社・関連会社について本社並みの経営合理化」の「本社」というのは、電力会社本体のことですね。「本社」と言ってしまうとちょっと違う概念になってしまうので、電力会社本体並みのという意味でよろしいですね。

○長谷川消費生活情報課長 そうです。

○古城座長 それも直させていただきます。
 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 2ページのマル3の「厚生費等」の最後のところに出向者が書かれていますけれども、きょうのところで、受け入れ者の給与についても、一旦説明がありましたけれども、本当に妥当なものかどうかについては見ていかなければいけないと考えます。
 それから、3ページのマル7のところに「広告宣伝費」と書いてありますが、むしろ大きいくくりで普及開発関係費そのものの妥当性をきちんと指摘したほうがいいのではないでしょうか。
 それから、4ページ、燃料費ですが、今、経産省のほうがいろいろなほかの会議が動き始めていて、先日、総合資源エネルギー調査会の総合部会も3回目まで終わりましたけれども、2回目のところの資料で燃料価格が、将来見通しが2035年まで出ているのですが、今回の計画の2015年が平成27年で最後の3か年目になったと思うのですけれども、そこも新政策のシナリオだと現行シナリオよりも石炭、LNG、原油等が全て安くなる見通しを立てています。だから、そういったものを織り込んでいく燃料費削減を指摘したほうがいいのではないかと思っています。
 それから、6ページの最後のマル38は、消費者が理解しろみたいに言っていて、電気料金を理解しろとか、エネルギー政策を理解しろと。いや、そういうことではないでしょう。そもそもの公共料金の研究会のところで出された報告書では、むしろ公共料金制度の改善に消費者がきちんと参画をしていって改善に貢献するようにすべきだということを報告書では盛りましたから、そのためにもそういった説明と情報提供は必要だということですから、理解ではなくて、むしろ関心を持ち、改善に参画するための説明と情報提供というふうに直す必要があるのではないかと思います。
 以上です。

○古城座長 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 先ほど、細川さんもおっしゃったのですが、役員の人員数のことも問題なのですが、これは従業員の人数も、やはり四国電力の関係ではかなり余剰人員を抱えているような話があったのですが、そこは何らかの形で盛り込まなくていいのか、ぜひ盛り込んでいただけないかなと思います。
 それと、3ページの一番上の行の「東京電力の事例を踏まえた水準」というのは、東京電力の水準は何%でしたか。

○長谷川消費生活情報課長 5年で60%です。

○山口委員長代理 やはりそれをここに明記したほうがわかりやすいのではないかと思うのですが、どうしても60%と言う必要はないのですが、それと余りにもかけ離れていますので、そこは明記したほうがいいのではないかと思います。

○長谷川消費生活情報課長 まさに余りにも乖離があるものですから、検討させていただきます。5年で60というペースと、あと、例えば四国のような15%、足もとは今4%にすぎないと、実現可能性の話とかいろいろあるものですから、そこは検討させてください。

○古城座長 あといかがでしょうか。

○矢野委員 追加でいいですか。

○古城座長 どうぞ。

○矢野委員 選択約款のところなのですけれども、先ほど井手委員からも出されましたけれども、選択約款そもそもの決め方というか、ここで言うと5ページの「新料金体系への移行」のところになるのですか、選択約款そのものについては項目が設けられてはいないのですね。
 私自身は、東京電力のときから疑問を持っていて、きょうも最後の説明のところで割引のメニューと発言されましたが、そもそも電気料金を上げていて、後から割り引くというのは本末転倒ではないかと。消費者としては、それだけ割り引けるのだったら、もともとの原価をきちんと下げるべきと思いますから、コストも含めてですが、改めて選択約款の需要想定とかそういったことも受けて、設定が適切なのかを指摘したほうがいいのではないかと思います。

○古城座長 それは別項目で1つ置いておいたほうがいいような気がします。
 あといかがでしょうか。
 小塩委員。

○小塩委員 これは、審査される側よりも、する我々のほうの問題かもしれないのですが、マル22「規制部門と自由化部門の関係」で、きょうもいろいろ議論があったのですけれども、どういうふうに評価していいのか、ちょっとわからないところがあります。具体的にこういう方針でチェックしましょうという我々サイドのスタンスをしっかりと固めないと、向こうは専門家ですから、出してきた資料もうまく解釈できないという問題があると思います。すぐには無理かもしれないですが、どのように臨むべきだという方針をしっかり立てないといけないと思います。
 以上です。

○古城座長 あといかがでしょうか。
 どうぞ、細川委員。

○細川委員 マル19ですけれども、やはり消費者からの意見を聞いても、日本原電が発電していないのにお金を取るということ自体、納得いかないという声が非常に強いですね。まさにマル19の2つ目のポツに「購入電力料」と書いてありますけれども、言葉として矛盾ですね。購入する、買うからお金を払うので、それをゼロなのにお金を払うというのは、また蒸し返してもしようがないですけれども、そういう意味で言うと、むしろ東北電力並みの削減努力ではなくて、東北電力以上の削減努力をするのが当たり前ではないかと。並を目標とするのではなくて、並よりも少なくするのがそもそもの趣旨で、少し我慢しようという、我々の姿勢としてそのぐらい言えないのですか。

○小田審議官 それは、関西電力、九州電力のときに査定方針案に対する意見でそういうことを言っていないですから。

○細川委員 言っていないから、ここで言うのはおかしいということですか。

○小田審議官 そうですね。関西電力と九州電力のときに、関電は日本原電から買っているわけですね。そのときの査定方針案は、関電並みの努力をしているかということだった。多分、それに対して意見は出されていないと思いますから、では、なぜ東北電力の場合は、日本原電は東北電力以上に削減しなければいけないかと。

○古城座長 それは、前に言えなかったからではなくて、今度気がついたから言うということはできると思うのですけれども。

○細川委員 いや、私は言いました。ただ、ここには反映されていないけれども、議論の中では言いました。だけど、そこで反映されていない、今も反映されていないので、私はそれが前からひっかかっているので、また言っているということです。だから、審議官が言われるのは、消費者庁の立場はそういうことになるかもしれないけれども、私の意見として言っておきます。

○小田審議官 だから、今、座長がおっしゃったように、なぜかという、そのときではなくて、今回はなぜかという理由が要るのではないでしょうか。

○古城座長 いや、今回は気がついたから言いましたというのはできると思うのです。だけど、大もとのところでちょっと難しい問題があると思います。細川さんの意見もよくわかりますけれども。

○細川委員 では、せめて「少なくとも」とか、「少なくとも東北電力並みに」という、我々がこれでいいのだと言っているのではないというのをぜひ検討ください。

○古城座長 あといかがでしょうか。
 それでは、皆さん急がせて申しわけありませんけれども、時間が押しておりますので、今まで出た意見を踏まえて、消費者庁においてはチェックポイントを取りまとめていただきたいと思います。
 それでは、議論は以上といたします。

≪4.閉会≫

○古城座長 事務局から連絡事項はございますか。

○浅田参事官 本日は長時間ありがとうございました。
 次回の調査会は、5月30日、木曜日、14時からの開催ということでございます。案件は、北海道電力による値上げ申請のヒアリングを予定しております。この調査会に先立ちまして、横断的事項を扱う「公共料金等専門調査会」を13時から予定しており、前回に引き続き、横割りの課題について御議論いただく予定です。
 したがって、まとめますと、13時に専門調査会を開催、その後、14時から引き続き電気料金調査会、案件は北海道電力のヒアリングということでございます。よろしくお願いいたします。

○古城座長 それでは、本日の会はこれにて閉会とさせていただきます。
 お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)