第8回 食品表示部会 議事録

最新情報

日時

2011年3月9日(水)10:00~10:50

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 田島部会長、日和佐部会長代理、青柳委員、阿久澤委員、石塚委員、鬼武委員、
 川戸委員、栗山委員、迫委員、澁谷委員、立石委員、手島委員、中下委員、
 森委員、山浦委員、山根委員、山本委員
【説明者】
 消費者庁 相本食品表示課長、平中課長補佐、江島課長補佐、中村課長補佐
【消費者委員会事務局】
 消費者委員会 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.加工食品品質表示基準の一部改正案に関するパブリックコメント等の募集結果について
3.みそ品質表示基準及びパン類品質表示基準の見直し開始に伴う御意見募集の結果と対応について
4.パパイヤからのDNA検出技術の改良について
5.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:57KB)
【資料1-1】 加工食品品質表示基準の一部改正案に関するパブリックコメント等の募集結果について(PDF形式:16KB)
【資料1-2】 加工食品品質表示基準の一部改正案に関するパブリックコメントの募集結果について (PDF形式:223KB)
【資料1-3】 加工食品品質表示基準の一部改正の概要 (PDF形式:183KB)
【資料2-1】 みそ品質表示基準及びパン類品質表示基準の見直し開始に伴う御意見募集の結果と対応について (PDF形式:153KB)
【資料2-2】 みそ品質表示基準等の見直し開始に伴う御意見募集 (PDF形式:20KB)
【資料3】 パパイヤからのDNA検出技術の改良について (PDF形式:16KB)
【参考資料】 玄米及び精米品質表示基準の見直しの理由及び内容 (PDF形式:56KB)


≪1.開会≫

○原事務局長 おはようございます。時間になりましたので始めさせていただきたいと思います。皆様お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会食品表示部会」の第8回会合を開催いたします。
 本日は所用により阿南委員、海老澤委員、春日委員、宗林委員が御欠席ですけれども、過半数に達しており、本日の部会は成立いたしていますことを御報告いたします。
 最初に配付資料の確認をさせていただきたいと思います。今お配りしている資料は議事次第の書かれた紙の裏に配付資料一覧を記載しております。
 資料1-1~資料1-3として「加工食品品質表示基準の一部改正案に関するパブリックコメント等の募集結果について」ということで、関連の資料になっております。
 資料2といたしまして資料2-1と資料2-2ですけれども、こちらにつきましては「みそ品質表示基準及びパン類品質表示基準の見直し開始に伴う御意見募集の結果と対応について」ということで、その関連の資料となっております。
 資料3「パパイヤからのDNA検出技術の改良について」。
 それから、参考資料となります。
 資料3と参考資料まで、消費者庁で御準備をいただいております。不足の資料がございましたら、審議の途中でもお申し出いただければと思います。
 それでは、田島部会長、議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

○田島部会長 おはようございます。本日は消費者委員会事務局から原事務局長のほか齋藤審議官、消費者庁からも相本食品表示課長に御出席いただいております。
 なお、本日の会議につきましては公開で行います。議事録についても後日公開することにいたします。
 それでは、本日の議題に入ります。本日は「加工食品品質表示基準の一部改正案に関するパブリックコメント等の募集結果について」、「みそ品質表示基準及びパン類品質表示基準の見直し開始に伴う御意見募集の結果と対応について」を議題として取り上げたいと思います。

≪2.加工食品品質表示基準の一部改正案に関するパブリックコメント等の募集結果について≫

○田島部会長 それでは、議事次第2の加工食品品質表示基準の一部改正案に関するパブリックコメント等の募集結果についての議論に入りたいと思います。消費者庁から御説明をお願いいたします。

○相本食品表示課長 加工食品品質表示基準の一部改正案に関するパブリックコメント等の募集結果について御説明申し上げます。資料はお手元の資料1-1、資料1-2及び資料1-3になります。
 消費者庁においては、原料原産地表示の義務化対象品目として、黒糖、黒糖加工品及び昆布巻きを追加することについて、昨年11月22日から12月21日までの間、パブリックコメントとして御意見を募集したところです。これについては42件の御意見をいただいたところです。併せて、昨年12月9日より本年2月6日までの間、WTO/TBT通報を実施しました。これに関しては各国からの御意見がなかったという結果でした。
 パブリックコメントでいただいた御意見ですけれども、内訳としては42件のうち原案を推進すること、あるいは原案に対して肯定的な立場の御意見が7件、原料原産地表示の義務化を推進すること、あるいはこの2品目について追加することに慎重または否定的な立場の御意見が8件、昆布巻きの原料原産地表示義務化に関する御意見が6件、黒糖及び黒糖加工品の原料原産地表示義務化に関する御意見が5件、そのほか今般パブリックコメントの対象とした内容以外に関する御意見が17件ありました。
 これらいただきました個別の御意見の概要、その御意見に対する消費者庁の考え方については、お手元の資料1-2に整理をしております。この原料原産地表示の2品目の拡充ですけれども、これについては昨年3月に閣議決定された消費者基本計画、食料・農業・農村基本計画において、加工食品に関して原料原産地表示の義務づけを着実に拡大することが、政府として求められていること。また、この2品目の拡充については、これまでの当食品表示部会の御議論を踏まえて、その手続を進めることについての御諒承をいただいていることを踏まえて、原案どおりの改正を行うこととしたいと考えております。 

○田島部会長 ありがとうございました。ただいまの御報告について御質問、御意見等ございますでしょうか。

○森委員 今回出されたパブリックコメントを見ると、この食品表示部会でかなり議論された内容が多く寄せられている。最終的には部会長一任という形でこの部会の中はとりまとめられたが、どうして黒糖と昆布巻きなのか? という疑問がかなり多く寄せられている。今後は新しく発足された調査会の中で今回のパブリックコメントの内容を鑑みて、御議論をいただければと思います。

○田島部会長 ありがとうございます。実は明日、第2回の原料原産地の拡大の進め方に関する調査会が開かれる予定となっておりますので、その議論に生かしたいと思います。
 ほかにございますでしょうか。

○青柳委員 森委員と大体意見は重なるんですけれども、昨年11月の部会で部会長一任ということで義務化が進められたわけですから、それについてここで意見を言うことは特にありませんが、ただ、その結果のパブリックコメントを見ると、かなり反対の意見の方が多いなという印象を素直に受けました。
 それを解消するという意味ではありませんが、これから消費者庁でQ&Aを御用意されるようですから、Q&Aの中で特に原料原産地表示をするための要件1、要件2に照らして、今回の拡大について非常に疑問を持っている御意見が多かったようですから、そこら辺をきちんと整理して、Q&Aの中で消費者庁の考え方をお伝えする御努力をしていただきたいというのが1点です。
 もう一点は今、森委員がおっしゃいましたけれども、調査会が前回から立ち上がって始まったわけですが、7月ごろにとりまとめをして、部会に上げて更に親委員会で方向性を出すことになっているようですけれども、今後どの商品を拡大していくかについては予定があるように聞いておりますが、実際の方向性が出てから今後は拡大をしていくという理解を私はしているんですけれども、それでよろしいのかどうかをお伺いしたいのですが。

○田島部会長 第一点につきましては、消費者庁の方にQ&Aの拡充を望みたいと思います。
 第二点につきましては私からは答えにくいんですが、消費者庁としてのお考えはありますか。7月の結論を待たないで新たな原料原産地表示の拡大品目を提案する予定があるかどうかという御質問でございます。

○相本食品表示課長 現時点においては私どもとして具体的な品目について、これを拡大するという方針を示したものはございませんので、まずは現在進めていただいております調査会における議論を踏まえながら、検討を進めてまいりたいと考えております。

○田島部会長 ありがとうございました。ほかにございますか。

○鬼武委員 今、二人の委員から出された意見と私も同じように、パブリックコメントを見ますと慎重な意見がかなり出されているところに注目をしました。本件の2件については部会長の一任になっておりますので、その件については以前の議事録なり私どもの意見を申し上げておりますので、そこについては何も申し上げることはございません。
 ただ、先ほど拡大の調査会が進められますので、そこで今回パブリックコメントとしていろんな意見を受けた議論を幅広にしていただくということと、今後はその手続といいますか、その進め方なりポリシーなりをきちんと議論した上で、拙速な決め方にならないような手続が望まれるのではないかと思っておりますので、是非そういう点から御配慮いただければと思います。
 以上です。

○田島部会長 ありがとうございました。山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 今回の黒糖、黒糖と昆布巻きに加工品昆きの対象を拡大していくことについては、私も同意いたします。
 今回の位置づけですけれども、単発的にこの2点が出てきたというものではなくて、消費者にとりましては加工食品の原産地がどうなっているのかということについての疑問を以前から持っておりますから、こういった品目にかかわらず、今後どういうものを基準にするかという基準の議論も含めてしっかりと議論をして、私は基本的には対象の拡大という方向でしっかり議論をしていきたいと思います。例えば食用油を使った製品につきましても消費者の要望を聞いておりますので、そういった問題も含めて議論をしていきたいと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。

○山本委員 皆さんの意見と私も同じですが、ただ1つちょっと気になっておりまして、以前に黒糖とはということでQ&Aが出されました。黒糖の定義はそこで示しているという形になっておりますけれども、パブコメの一番最後にあります、てん菜等を使ったときの黒糖の言葉の使い方についても、Q&Aで補足されるということでよろしいのでしょうか。それとも今回は関係ないということで、触れないということなのでしょうか。そこだけ確認しておきたい。

○田島部会長 消費者庁、よろしくお願いします。

○相本食品表示課長 てん菜を使った砂糖についてお尋ねがございましたけれども、これについては昨年3月に公表いたしました消費者庁のQ&Aにおいて、黒糖の定義として、さとうきびの絞り汁をそのままかためたものと定義しておりますので、それ以外の原材料を使ったものは黒糖に当らないという見解は、既に私ども消費者庁としてお示ししているところです。

○山本委員 それでは、そういったものに対して黒糖という言葉は使ってはいけないということでよろしいですね。

○相本食品表示課長 黒糖を使用していないものについて黒糖という名称を使ってはいけないということは、Q&Aにおいて既に明確にしております。

○田島部会長 よろしゅうございますか。ほかにございますでしょうか。

○中下委員 今回の御意見の提出者の内訳というのは、どのようなものなのでしょうか。

○相本食品表示課長 整理しまして後ほどお答えいたします。

○田島部会長 わかりました。ちょっとお時間をいただきたいということでございます。
 ほかにございますでしょうか。

○山浦委員 先ほどの黒糖の問題なんですけれども、私も実物を拝見しましたが、ビートからの黒糖といったものは見た目あるいは品質においても、沖縄のさとうきびにおける黒糖と変わらないような印象を受けております。これは今回、沖縄のさとうきびといったものを念頭に置いているという御議論ですが、やはりもう少し精査して、一体黒糖というものの性質がどこまで、どういう定義づけができるのかといったことも、少し議論してみる必要があるかなと思っております。

○田島部会長 ありがとうございます。Q&Aで出されるときに、その点も含めて精査していただきたいと思います。
 ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。それでは、いろいろ貴重な御意見をちょうだいいたしましたが、結論的には御異論がないようですので、この改正案で答申することにさせていただきますが、よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○田島部会長 それでは、この改正案にて消費者委員会委員長の同意など、所要の手続を経て答申することにいたします。

≪3.みそ品質表示基準及びパン類品質表示基準の見直し開始に伴う御意見募集の結果と対応について≫

○田島部会長 それでは、議事次第3のみそ品質表示基準及びパン類品質表示基準の見直し開始に伴う御意見募集の結果と対応について、消費者庁から御報告をお願いいたします。

○相本食品表示課長 みそ品質表示基準及びパン類品質表示基準の見直し開始に伴う御意見募集の結果について、御報告申し上げます。資料はお手元の資料2-1及び資料2-2になります。
 みそ品質表示基準及びパン類品質表示基準の見直しに関しては、第6回消費者委員会食品表示部会において、消費者庁としての改正の方向性について御説明を申し上げ、1月6日から2月4日まで広く御意見の募集を行ったところです。
 まず、みそ品質表示基準ですけれども、総計24件の御意見をいただき、主な御意見としては、みその定義に関してだし入りみそと従来のみそを明確に区分すべきである。だしの規定をすべきであるなどの御意見をいただいたところです。また、原材料の表示方法に関しては、加工食品品質表示基準の原材料の表示方法に合わせるべき、大豆、米などの主原料、副原料及び食品添加物を区分する表示方法を維持すべきなどの御意見をいただきました。このほか内容量表示、無添加の使用規制など、表示禁止事項に関する御意見などがございました。
 これらのような御意見を踏まえ、更に消費者庁として精査確認の上、改正の準備が整い次第、みそ品質表示基準については改正案を諮問することとしたいと考えております。
 2点目として、パン類品質表示基準の改正ですけれども、総計218件の意見の御提出をいただきました。
 主な御意見としては、パン類品質表示基準については廃止せずに引き続き維持した上で、食パンに一定の内容重量が保証されている旨の表示、米粉やライ麦などを使用した場合には、小麦粉と米粉など、使用した穀類との対比率を表示するなど、新たな表示を行うべき等の御意見など、非常にさまざまな御意見をいただきました。また、名称の表示方法あるいはバターロールという名称のパンについては、バターの量の規制について行うべきであるといった御意見もいただきました。
 以上のように、非常に広範な内容の御意見が寄せられた状況でございますので、消費者庁としてはいただいた御意見の具体的な問題点、内容あるいは実際のパン類の流通実態など、更に詳細な実態の把握が必要と考えております。このような十分な検証をしっかり時間をかけて行った上で、今後検討を行っていく必要があると考えております。

○田島部会長 ありがとうございました。ただいまの御報告について御意見等ございますでしょうか。よろしくお願いします。

○森委員 パン類品質表示基準の見直しということで、意見募集の内容を見てみるとパン類の個別の品質表示基準を廃止して、加工食品の品質表示基準に統合するというのは、かなり乱暴ではないかという気がいたします。出された意見一つひとつについてしっかり吟味をして、精査する必要があるのではないかと感じました。

○田島部会長 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。

○鬼武委員 私もこの2品目の最初にスタートした意見書を見ていまして、やはり消費者庁として改正案の論点として、どういう考え方をお持ちかというのがもしあれば早目に出していただいて、それをもとに議論して改正案を出していただく方がスムーズに審議がいくように思います。
 例えば、みその方でいきますと、いわゆるだしなり、みそ加工品のところの意見が多かったこと、無添加表示についての意見が多かったので、その点について論点として考えられているのだったら考えられているとか、パンは先ほど森委員からお話があったように、残してほしいという意見が多くあることに対して、加工食品品質表示基準に統一することの改正案の視点といいますか、その辺を出した方がいいように思っております。
 以上です。

○田島部会長 ありがとうございました。先ほど鬼武委員から御発言がございましたけれども、やはりいきなり諮問案をこの委員会に提案するのではなく、ある程度原案がかたまった段階で、ポリシーという言葉を鬼武委員は使いましたけれども、ポリシーが出た段階で一度委員会に諮っていただいて、その後、諮問案の提案という二段階ぐらいの慎重審議をしたいなと私自身も思っておりますので、委員会の総意ではございませんので、私の個人的な発言でございますが、私自身も少し慎重な進め方をしていただきたいと思います。というのは、パン類の品質表示基準では218件と非常に多いんです。その内訳を見ると製造業者が67件で、パン類のメーカーは非常に多いという印象を受けていますので、業界の意向も十分に斟酌した改正案をつくっていただきたいと、私からも要望したいと思っております。
 ほかにございますでしょうか。

○迫委員 今、座長のおっしゃった意見に賛成させていただきます。まず、みそに関してはかなり同じような内容が書かれておりますので、これは論点の整理がしやすいのではないかと思っております。
 パンについては非常に多様な意見が出ていることで、このパンとみそとの違いというところが、日本人の食生活の中で現在パンというものが非常に大きな位置を占めていること、主食としての位置、間食としての位置、さまざまな位置を占めているということでは非常に重要な食品だろうと思っております。そういう意味できちんと個々の項目について整理して、新たなもの等々についても吟味していく必要があるだろうと思っております。

○田島部会長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。

○山本委員 パンの品質表示基準の見直しについて、パブリックコメントの意見が反対も含めて非常に多かったということで、再検討するという判断をされたことはよかったと思いますけれども、もともと消費者庁の方から廃止の方向で提案された今回の見直しの件ですので、実態を調査した上で検討するにあたっては、今一度白紙に戻してといいますか、廃止の方向で考えるのではなくて、全くニュートラルな段階でもう一度現状を確認した上で、改めて検討いただきたいと思っております。
 以上です。

○田島部会長 そういう御意見もあったことを議事録にとどめたいと思います。
 ほかにございますでしょうか。そのような内容でございますので、今さまざまな御意見が出たことを消費者庁としては十分お考えの上、今後の改正案の作成について進めていただきたいと思います。

≪4.パパイヤからのDNA検出技術の改良について≫

○田島部会長 それでは、議事次第4のパパイヤからのDNA検出技術の改良について、消費者庁から御報告をお願いいたします。

○平中課長補佐 安全性が確認された遺伝子組換えパパイヤ、具体的にはパパイヤリングスポットウイルス抵抗性パパイヤ55-1系統と申しますが、及びその加工品が国内で流通される場合に、遺伝子組換えである旨の表示を義務づけるという件につきましては、昨年3月にJAS法及び食品衛生法に基づく表示基準の改正案を消費者委員会へ諮問申し上げたところでございます。
 これにつきましては、昨年5月に開催されました第2回の食品表示部会において御議論いただき、その際に消費者庁より農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が行った分析調査を示しましたところ、パパイヤジャムなど糖度の高い加工品の一部からDNAがうまく検出できないということがございましたので、この件については適正な執行を担保する観点から、検出技術の改良を進めるべきという御意見をいただいたところでございます。
 この御意見を受けまして、消費者庁といたしましてはその後、国立医薬品食品衛生研究所に検査法の開発を依頼いたしまして、検査技術の改良を進めてまいりました。具体的には昨年5月にも御指摘がございましたパパイヤジャムなど、糖度の高い加工品からのDNA抽出をするために、DNA抽出の際の濃縮を行ったり、あるいは増幅方法の変更などを行いましたところ、パパイヤジャムなどの品目につきましても、ほぼDNAの検出が可能となったという報告を受けております。この結果、更に多くのパパイヤ加工品についてDNAの検出が可能となる技術の見込みが立ちましたので、その旨の報告をさせていただきます。
 関係省庁との法律に基づく協議につきましては、このDNAの検出技術の改良が行われるまで保留をしておりましたので、引き続きこの協議を早急に進めまして、協議が整い次第、パパイヤ及びパパイヤを主な原材料とするものにつきまして、遺伝子組換えである旨の表示を義務づけるという諮問案のとおりの表示基準改正案をもちまして、パブリックコメント及びWTO通報を開始することとしたいと考えております。
 以上でございます。

○田島部会長 ありがとうございました。パパイヤにつきましてはここに書かれているとおり、検出技術について十分に技術を改良してほしいということで、この委員会で申し入れたところ、国立医薬品食品衛生研究所で検査法を改良した結果、十分な技術が開発できたので、諮問案のとおり表示基準を改正することについてパブリックコメント及びWTO通報を開始することにしたいという御説明でございました。
 ただいまの御報告につきまして御意見等ございますでしょうか。

○山浦委員 今日の御説明ではなかったんですけれども、パパイヤの生鮮の単品についてどうするかといった問題も当然対象だと思いますが、その際にパブリックコメントをする参考資料としてトレーサビリティの問題とか、あるいは生鮮の果実は初めての例だと思いますので、こういった個々の果実に例えばラベルを付けるとか、何かマークを付けるようなさまざまな技術といったものもできるのではないか。そういうことも含めてしっかりと参考資料を付けた上でパパイヤそのもの、そしてその加工品であるジャム等についてのパブリックコメントを募集するという形をとっていただきたいと思います。
 その他として安全性の問題、今回の対象ではなかなかなりにくいかと思いますけれども、この点についてもし提出があれば、そういったものも載せて集計していただきたいと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。パブリックコメント等を出すときの参考にさせていただきたいと思います。
 ほかにございますでしょうか。

○山根委員 関心があるので伺いたいんですけれども、新しい検査法というのは日本独自に開発された検査法なのか、国際的に認められている何かそういうものなのかどうか、教えてください。

○江島課長補佐 検査法ですけれども、リアルタイムPCRというやり方です。遺伝子を増幅いたしまして、それで大体50回程度増幅をするんですが、それまでにDNAの指数関数的な増加が認められるかどうかということで検査をいたします。DNAの検査という形です。一般的にやられているやり方になります。

○田島部会長 FAMICで行ったときに、糖濃度が高いジャムなんかだとなかなか検出が難しかったんです。それで国立医薬品食品衛生研究所で糖度が高い場合に分解酵素を加えてDNAの抽出を容易にしたらしいんです。勿論、ですから日本独自の技術で開発したものでございます。PCRについては今、御説明があったとおりです。

○手島委員 一部補足させていただきますと、特に糖度の高いところからのDNAの抽出法を改良することがポイントということでしたので、そこに幾つかの改良を加えて行ったということです。

○田島部会長 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。
 では、ないようですので、ただいまのは御報告でございますので、続いて議事を進めたいと思います。
 御審議いただく案件は以上でございますが、報告事項がございます。参考資料が付いてございますけれども、前回の部会におきまして、米トレーサビリティ法に基づきます都道府県名等の産地情報を伝達することに伴い、消費者庁より農産物検査法に定める検査法を受けていない玄米を原料とした精米などに、都道府県名等の表示ができるよう見直す玄米及び精米品質表示基準の改正の諮問及び改正案の御提案がありました。そこで審議をいたしました結果、消費者庁より提案がありました改正案「××県産(未証明)」では、委員より消費者にとってわかりにくい表示との御意見があり、修正案については部会長一任とさせていただきました。
 前回部会にて、御欠席の他の委員からも御意見を伺ってほしいとの要望がありましたので、消費者庁より再度提案いただいた改正案「××県産(産地未検査)」について御意見をお聞きいたしました。いただいた意見の中には消費者及び事業者の方への中長期的な周知活動が必要との御意見もありましたので、表示方法については未証明に代わる文言を、農産物検査法に基づく産地の証明がない旨を消費者に伝えるための表現として、産地未検査と修正することにし、産地未検査の意味が購入時に消費者にわかるよう、消費者庁におかれましては消費者に対して普及啓発を進めるとともに、事業者に対しても追加説明を積極的に記載するよう、Q&Aなどを使った指導をお願いすることにいたしました。
 なお、Q&Aには「産地未検査とは農産物検査法等による産地の証明を受けていない米穀のことを言います」または「米トレーサビリティ法に基づき伝達された産地には、産地未検査と記載しています」という内容の説明を入れていただくことにさせていただきたいと思っております。
 私からの報告は以上でございます。

○山浦委員 ありがとうございます。今日、机上配付資料ということで私の意見書も配付させていただいておりますが、今回出されました「○○県産(産地未検査)」という御提案でございますけれども、私としましては前回の未証明ということも含めて、証明が十分にされていないのではないかという印象を与える表現は、どうもよくないのではないかということを申し上げたいと思います。
 実際に検査がなされているということが、ここでは強調されてしまう結果になりますので、農産物検査の証明こそが不可欠だという印象になるのは、やはりまずいのではないかということが1点です。
 具体的にはトレーサビリティ法(米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律)に基づいて証明されているという部分は、しっかりと強調した方がいいのではないかと思います。
 2点目として、もし検査米ということを強調されるのであれば、消費者にとりましては検査をする際の1等米、2等米といったものが実際には目につくことはないわけです。ですから、検査米でこれがもともと1等米、2等米なんだということがわかるような仕組みにしなければ、フェアではないと思います。本来、検査米ということについても私は疑問があるんですけれども、そういった問題もあるのではないか。
 3点目に生鮮食品の品質表示基準との整合性がどうなんだろうということを考えます。今回、包装容器入り精米のみが産地表示に第三者証明を必要とすることになりますので、ばら売りの米、未検査米、業務用に仕向ける場合は第三者証明がなくても産地表示が可能となる。そういったこととの整合性がとれないのではないかということから見ましても、問題があるのではないかと思います。
 結論的には私はトレーサビリティ法に基づく証明がなされているという点を、むしろ強調すべきではないかと考えます。是非、議論をしていただきたいと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。そのような御意見を踏まえまして、先ほども申し上げましたが、参考資料に書かれているのは義務表示の部分だけでありまして、任意表示として消費者に対して、例えば米トレーサビリティ法に基づき伝達された産地には、産地未検査と記載していますという説明文句を加えていただくように、業者に指導するのを徹底することを消費者庁にお願いしたいということでございます。
 消費者庁から何か追加で御説明はありますか。よろしゅうございますか。ほかに御意見ございますか。

○中下委員 私も今、山浦委員の意見を聞きまして、確かに未証明でも未検査でも何となく消費者にはわかりにくいなと思いますので、ここに未検査ということを書かずに、むしろ米トレーサビリティによるものと表示すれば足りるのではないかと思います。
 既にこの間、座長に一任ということで委員会ではまとまったと私も認識しておりますし、私もその旨を賛同いたしましたけれども、今の御意見を伺いますと、もしできるものであればそのように訂正をした方が、消費者への情報伝達としては適切ではないか。任意表示として書く、あるいはQ&Aで書くというのを、一々それを読まれる方がどのぐらいおられるかなという気もいたしますので、そのようにできるものであればそうしていただいたらどうかと思います。

○田島部会長 ありがとうございます。前回、座長一任とさせていただきまして、消費者庁とも何回も意見交換をして、私の意見をまとめたんですが、やはり義務表示のところに米トレーサビリティ法という俗称の法律名というのは、なかなか書きにくいという御指摘を受けまして、それもそうだなということを認識しておりまして、だったら任意表示を工夫して、何とか消費者の御理解をいただきたいというところが妥当なところではないかということで、このように落ち着いたというものでございます。
 ですので、任意表示がないと確かに未検査、未証明だけでは消費者は誤解を生んでしまうので、業界に対して任意表示も必ず書いてくださいと、消費者庁には指導を徹底していただきたいと思っております。

○山浦委員 義務的な位置づけが難しいのであれば何らかのガイドラインとか、実質的にはそれが生きるような形を是非目指していただきたいと思います。単純に任意表示ということであれば、全くそういった必要がなくなることにもなりかねませんので、やはり消費者に伝える意義があるところを強調されて、半強制ではないですけれども、何らかのガイドラインが必要かなと思いますので、よろしくお願いします。

○田島部会長 消費者庁にはなお一層、何らかの方法はないのかどうか、できるだけ義務に近い表示の仕方がないのかどうかというのを工夫していただきたいと思っております。
 消費者庁、何かございますか。

○相本食品表示課長 田島部会長、各委員の御意見も参考にさせていただき、どういった工夫ができるかということについては、引き続き私どもとしても検討していきたいと考えております。

○田島部会長 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。

○山根委員 私はどうして農産物検査を受けているか受けていないかで、産地表示に括弧づけが必要なのか、区別する必要があるかというところが、ひとつ納得ができていないことがあります。事業者の側とすれば、結局産地確認、表示には農産物検査を受ける必要があるんだということになるのではないかと感じますので、今後ともいろいろ検討をしていただければと思っています。

○田島部会長 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。

○立石委員 山浦委員の意見書の3)で、生鮮食品品質表示基準との整合性がとれないという表現があって、リンゴなりミカンは第三者証明がなくとも産地表示が可能という記載があるのですけれども、米の場合は、外見上で判別ができず、難しいということです。現物介在型の取引ではありません。常に倉庫にあるものですので伝票1枚でやりとりしているという実態の中、長く米に携わっている人間でも、多分、新潟だとか産地名や、品質についても見た目でわからない。年産もわからないという商品の特性をよく考えていただきたいです。ところが、ミカンだとかリンゴは長く携わっている人間にとっては、見ただけですぐ見抜けるわけです。そういった商品特性が違うということです。
 アメリカにおいても、農産物検査と同様のインスペクション(検査)という仕組みができているわけです。日本の場合は卸売市場流通が主でありまして、そこで現物をきちんと見て判断するという評価基準がありますが、アメリカの場合は卸売市場流通ではなくて相対取引が主ですから、その場合はそれを担保するために第三者によるインスペクションの仕組みがあって、それをまた担保するための法律で保護されています。農産物検査法という枠組みの中で、米の取引が検査によって確からしさをきちんと担保していることを、もう一度御理解をいただきたいと思います。
 以上です。

○田島部会長 山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 立石委員の今の御意見につきましては、今回、米トレーサビリティ法が実際に施行されるということで、産地情報がしっかり伝わる仕組みが始まるんだということが1つと、例えばDNAとかさまざまな検査方法といったことも開発されておりますから、抜取検査でチェックをするとか、そういう仕組みも今後は非常に拡大するのではないかということも踏まえて、私はこういった意見を述べさせていただきました。

○田島部会長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。

○立石委員 確かにトレーサビリティ法できちっと情報が伝達されることに、非常に期待しております。ただ、やはり複数介在していく中では情報が正確に伝わるかどうか心配されます。、中には偽装が起きやすい業界、米は過去にも偽装が起きておりますから、完全に防ぐのは難しいと思います。そこには抑止力としてきちんと検査を受けるという中で確からしさを担保していく仕組みはどうしても必要だと、御認識いただきたいと思います。

○田島部会長 迫委員、どうぞ。

○迫委員 産地未検査米という表示に関して説明文等を任意表示として追加することが可能になる形ということを、お示しいただいたわけですけれども、任意表示をする場合というより、このトレーサビリティ法に基づく表示をする場合に、任意表示の場合の表示義務みたいなものを決めることができないか。先ほど義務に近い形でというお話がありましたが、もし表示をする場合にはこういう方法でとか、こういう文言でという、かなり細かい部分まで任意表示における表示義務が規定できれば、より適切な情報が提供できるのではないかと思います。
 以上です。

○田島部会長 ありがとうございました。今の御意見も消費者庁の方にお伝えしたいと思います。ほかにございますでしょうか。

○鬼武委員 余り議論を複雑にさせたくないのですけれども、義務表示と任意表示というのはそもそも法律上の規定が違うので、そこはまず理解したうえで議論した方がいいと思います。
 今回は欄外にこういう形で書くということで、ベストな方法はなくてベターな情報提供であり、法制度化されるといろんな形で事業者が工夫して表記すると考えられますので、現時点で法律上の縛りとして義務に近い形で規定するというのは、時期尚早という気がします。むしろいろんな意見なりアイデアが出されて、その表記が消費者に受け入れられていくことが重要であり、そういう面では任意で欄外に書ける方がいいと思います。未検査というのは分かりにくいと当初相当こだわったのですけれども、米トレーサビリティ法という文言を一覧中に書けないということであれば、欄外に注釈をつけるという判断を支持します。義務的に近い任意という考え方は法律上の取り扱い上無理であり、基本は義務と任意は分けた方がよいという意見を持っております。
 以上です。

○田島部会長 ありがとうございます。任意はあくまでも任意ですので、そこまで業者さんを縛ることは法律上できません。
 ほかにございませんでしょうか。よろしゅうございますか。消費者庁から何かございますか。

○中村課長補佐 先ほど御質問がありました、加工食品品質表示基準のパブリックコメントの内訳についての御説明をしたいんですが、よろしいでしょうか。

○田島部会長 お願いします。

○中村課長補佐 意見42件中、今回の改正案に関係する意見というのは26件あります。資料の方では42-17という形になるんですが、17件はビート黒糖その他の意見と、1件については重複して入っておりましたので、26件が今回の改正案に対する御意見になります。
 内訳としては個人が15、食品事業者団体が8、食品事業者が2、消費者団体が1、計26件の御意見をちょうだいし、それをパブリックコメントの別表でされた意見の一覧表にさせていただきました。
 以上でございます。

○田島部会長 ありがとうございました。中下委員、よろしゅうございますか。

○中下委員 はい。

○田島部会長 それでは、事務局から連絡事項をお願いいたします。

○原事務局長 どうも御審議ありがとうございました。少し今日は早目に終わりまして、どうもありがとうございます。
 次回の日程ですけれども、4月7日木曜日の13時からを予定しております。議題については改めて御連絡をさせていただきます。
 以上です。

○田島部会長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

≪5.閉会≫


(以上)