第4回 食品表示部会 議事録

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日時

2010年10月4日(月)15:00~17:30

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 田島部会長、日和佐部会長代理、青柳委員、阿久澤委員、阿南委員、鬼武委員、春日委員、
 川戸委員、栗山委員、迫委員、澁谷委員、宗林委員、立石委員、手島委員、中下委員、
 森委員、山浦委員、山根委員、山本委員、
【説明者】
 消費者庁 原審議官、相本食品表示課長、平中課長補佐、中村課長補佐、江島課長補佐
【消費者委員会事務局】
 消費者委員会 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.「チルドハンバーグステーキ品質表示基準」、「チルドミートボール品質表示基準」の改正のパブリック・コメント等の結果報告について
3.「乾めん類品質表示基準」等の改正について
4.食品添加物の指定に伴う食品衛生法施行規則の改正について
5.原料原産地表示の義務拡大について
6.その他
・玄米及び精米品質表示基準のパブリック・コメント開始についての報告
・期限表示に関する検討状況についての報告
・遺伝子組換え表示に係る実態調査についての報告
・Codex 委員会への出席についての報告
7.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:14KB)
【資料1】 チルドハンバーグステーキ品質表示基準等の一部改正案に関するパブリック・コメント等の募集結果について(PDF形式:111KB)
【資料2-1】 乾めん品質表示基準等の見直し開始に伴う御意見募集の結果並びに「乾めん類品質表示基準」及び「めん類等用つゆ品質表示基準」の諮問について (PDF形式:13KB)
【資料2-2】 諮問書 (PDF形式:64KB)
【資料2-3】 乾めん類品質表示基準の一部改正の概要 (PDF形式:211KB)
【資料2-4】 めん類等用つゆ品質表示基準の一部改正の概要 (PDF形式:156KB)
【資料2-5】 乾めん類品質表示基準一部改正(案)新旧対照表 (PDF形式:119KB)
【資料2-6】 めん類等用つゆ品質表示基準一部改正(案)新旧対照表 (PDF形式:112KB)
【資料2-7】 乾めん類品質表示基準等の見直し開始に伴う御意見募集 (PDF形式:128KB)
【資料2-8】 乾めん類品質表示基準等の見直し開始に伴う御意見募集の結果について (PDF形式:270KB)
【資料2-9】 JAS法に基づく品質表示基準の改正に係る消費者委員会への諮問について (PDF形式:108KB)
【資料3-1】 ポストハーベスト農薬の表示に関する諮問について (PDF形式:19KB)
【資料3-2】 諮問書 (PDF形式:50KB)
【資料3-3】 食品衛生法に基づく食品添加物の表示 (PDF形式:270KB)
【資料3-4】 食品衛生法施行規則新旧対照表 (PDF形式:17KB)
【資料3-5】 関係法令抜粋 (PDF形式:22KB)
【資料3-6】 食品衛生法施行規則の改正に係る消費者委員会への諮問について (PDF形式:105KB)
【資料4-1】 原料原産地表示の義務化に向けて 【資料4-2】 対象品目についての意見募集の結果 (PDF形式:621KB)
【資料5-1】 玄米及び精米品質表示基準の見直し開始に伴う御意見募集 (PDF形式:192KB)
【資料5-2】 「玄米及び精米品質表示基準見直しに係る説明会」の開催について (PDF形式:59KB)
【資料6-1】 食品の期限表示制度に関する意見交換会 (PDF形式:453KB)
【資料6-2】 食品の期限表示に関する検討の進め方 (PDF形式:105KB)
【資料7】 遺伝子組換え表示に係る実態調査 (PDF形式:150KB)
【資料8】 Codex委員会への出席についての報告 (PDF形式:21KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 時間はまだ3~4分あるところですけれども、皆様おそろいになりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会 食品表示部会」第4回の会合を開催いたします。
 本日は、石塚委員、海老澤委員が御欠席ですけれども、過半数に達しており、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。
 それでは、田島部会長、議事進行、どうぞよろしくお願いいたします。

○田島部会長 表示部会の部会長を務めております、田島でございます。よろしくお願いいたします。本日は、消費者委員会事務局から原事務局長ほか、齋藤審議官、消費者庁からも原審議官及び相本食品表示課長に御出席いただいております。
 なお、本日の会議につきましては公開で行います。議事録についても、後日公開することといたします。
 では、議事に入る前に事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○原事務局長 配付資料ですけれども、議事次第の裏のページに一覧にしております。今回は大変たくさん議題がありますので、資料も大変多いものになっています。
 資料1「チルドハンバーグステーキ品質表示基準等の一部改正案に関するパブリック・コメント等の募集結果について」。
 資料2が、乾めんの品質表示基準等の見直しについての関連する資料です。
 資料3が、ポストハーベスト農薬の表示に関する諮問についてです。
 資料4が、原料原産地表示の義務化に向けての関連資料です。
 資料5が、玄米及び精米品質表示基準の見直し開始に伴う御意見募集などの関連資料です。
 資料6が、食品の期限表示制度に関する、先般開かれた意見交換会など、今後の検討の進め方についての資料です。
 資料7が、遺伝子組換え表示に係る実態調査。
 資料8が、Codex委員会への出席についての報告。
 審議の途中で、資料の過不足がございましたら、事務局まで申し出ていただければと思います。
 事務局からは以上です。

≪2.「チルドハンバーグステーキ品質表示基準」、「チルドミートボール品質表示基準」の改正のパブリック・コメント等の結果報告について≫

○田島部会長 ありがとうございました。
 それでは、本日の議題に入ります。本日は盛りだくさんでございますが、まず「チルドハンバーグステーキ品質表示基準」「チルドミートボール品質表示基準」の改正のパブリック・コメント等の結果報告がございます。
 「乾めん類品質表示基準」「めん類等用つゆ品質表示基準」についての改正の御提案。
 食品添加物の指定に伴う食品衛生法施行規則の改正について。
 以上が議題でございます。
 それから、原料原産地表示の義務拡大について御報告がございます。これは、厚生労働省と農林水産省の食品の表示に関する共同会議での検討経緯、意見募集結果及び本年3月に消費者庁で実施された、原料原産地表示に関する意見交換会を踏まえ、原料原産地表示基準の改正を検討する品目について、消費者庁からその経過と提案の御説明がございます。
 議題2にまいりまして「チルドハンバーグステーキ品質表示基準」「チルドミートボール品質表示基準」の改正のパブリック・コメント等の結果報告について、まず審議をしたいと思います。
 それでは、消費者庁の相本食品表示課長から御説明をお願いいたします。

○相本食品表示課長 お手元の資料1で御説明申し上げます。チルドハンバーグステーキ品質表示基準等の一部改正案につきましては、本年3月の第1回「消費者委員会 食品表示部会」におきまして、この諮問内容を御審議いただき、文言の修正について部会長の一任を取り付けていただいております。
 これに関し、本年5月の第2回「消費者委員会 食品表示部会」におきまして、パブリック・コメント案の御審議をいただき、提案の内容について御了承いただいたことから、本年5月からパブリック・コメント及びWTO/TBT通報を行ったところです。その結果については、資料1の1.と2.にありますとおり、それぞれ特段のコメント、意見等がなかったところです。
 したがいまして、本チルドハンバーグステーキ品質表示基準等の一部改正については、諮問を申し上げている内容の原案どおりの改正を行いたいと考えております。

○田島部会長 パブリック・コメントについての御報告でございました。ただいまの御報告につきまして、御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしくお願いいたします。
 前回の委員会でもって審議して、その結果をパブリック・コメントにかけたところ、何もなかったということでございます。
 それでは、改正案で答申することで、よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○田島部会長 それでは、消費者委員会委員長の承認の後、所要の手続を経て答申することといたします。

≪3.「乾めん類品質表示基準」等の改正について≫

○田島部会長 続きまして、次の3番の議題にまいります。3番の議題は、乾めん類品質表示基準等の改正についてでございます。これも相本食品表示課長から御説明をお願いいたします。

○相本食品表示課長 お手元の資料2-1をごらんください。「乾めん類品質表示基準等の見直し開始に伴う御意見募集の結果並びに『乾めん類品質表示基準』及び『めん類等用つゆ品質表示基準』の諮問について」です。本改正については、本年7月の第3回「消費者委員会 食品表示部会」において、乾めん類品質表示基準など4品目の改正について御説明を申し上げたところです。
 これに関し、本年7月からパブリック・コメントを行い、それぞれの改正案に対する御意見を募集したところです。
 その結果ですが、この乾めん類品質表示基準に関しては、原案に対して賛成意見を12件いただいたところです。また、その他意見につきましては、さまざまな具体的な御提案がございましたけれども、これについては、お手元の資料2-8に御意見募集の結果という形でまとめております。
 また、めん類等用つゆ品質表示基準に関しては、原案としては醸造方式の文言の整合性について、しょうゆの表示基準と整合性を図るという内容ですけれども、御意見の募集に際し、原材料の記載方法に関して、一般の加工食品品質表示基準との整合性を図り、原材料を重量順に記載すべきとの御意見などをいただいたところです。したがいまして、この御意見について、今回の改正案に追加することといたしております。
 また、その他の御意見につきましては、同様に別添の資料2-8の方に整理しております。
 3点目、うなぎ加工品品質表示基準です。これに関しては、うなぎ加工品品質表示基準、これはもっぱらうなぎ加工品に関して、その原料の原産地の表示を義務づけることを内容とする表示基準ですけれども、これに関しては、一般の加工食品品質表示基準に整理統合した上で、この加工食品品質表示基準の別表2に、うなぎ加工品と追加すればよいのではないかという御意見をいただきました。
 したがいまして、これに関しては、また後ほど御説明申し上げますけれども、原料原産地表示の義務化の拡大の中で、併せて検討することとしております。
 また、その他いただきました御意見につきましては、同様に資料2-8の方に整理しております。
 4点目といたしまして、チルドぎょうざ類品質表示基準に関しましては、調理冷凍食品品質表示基準と更に整合性をとるべきなどのさまざまな御意見をいただいたところです。
 したがいまして、いただいた御意見の内容の実態把握や、調理冷凍食品の日本農林規格、あるいは品質表示基準との関連、整合性などについて確認した上で、更に改正案に反映させるべきかどうかを引き続き検討することといたしております。その他いただいた御意見につきましては、資料2-8の方に整理しております。
 以上のことから、今回この4品目の品質表示基準のうち、1番の乾めん類品質表示基準の改正案及び2番のめん類等用つゆ品質表示基準の改正案について、諮問を申し上げたところでございます。
 具体的な改正の内容につきましては、お手元の資料2-3及び資料2-4で概要を御説明しております。
 乾めん類品質表示基準の一部改正については、現行の表示例においては調理方法を一括表示欄の中で記載する。「調理方法 ゆで時間6分」と赤く記載しているところですけれども、これを他のめん類の表示と同様に、一括表示欄の枠外に記載してもよいということで、改正案の表示イメージとして枠外に具体的な調理方法を記載することが認められるという内容の追加を行っております。
 資料2-4でございますが、めん類等用つゆ品質表示基準に関しては、現行の表示に関してはしょうゆの原材料の表示が、例えば新式醸造といった用語を使うことになっておりますけれども、これに関して、しょうゆの品質表示基準と整合性を取り、しょうゆに関しては、例えば混合醸造という用語を使うという原案の改正内容に加えて、原材料名の記載方法については、一般には重量順に記載することになっておりますので、このめん類等用つゆ品質表示基準においても、原材料の表示については重量順に記載できるように規定を改めたところです。
 具体的な改正告示の案につきましては、その後の資料2-5及び資料2-6でお配り申し上げております。
 以上、御審議の方、よろしくお願いいたします。

○田島部会長 ありがとうございました。前回の部会で話題になりました品質表示基準の改正がいろいろございましたけれども、そのうち今回乾めん類品質表示基準の改正、並びにめん類等用つゆ品質表示基準の改正が御提案でございます。いずれもほかの品質表示基準との整合性を取るといったことが改正の趣旨でございます。ただいまの御説明に対しまして、御意見、御質問等はございますでしょうか。
 山本委員、どうぞ。

○山本委員 出席の連絡をしたつもりだったのですけれども、名前がなくて急遽この席に座らせていただきました、山本でございます。めん類等用つゆ品質表示基準に関して、前回の説明でしょうゆの品質表示基準に合わせた用語にするとの案が示されまして、それに加えてパブコメの結果でもって原料を重量順に並べるという新しい内容も含めて今回諮問されているわけですけれども、それまでのめん類等用つゆがそのようになっていた過去の根拠といいますか、もともとしょうゆの派生品との関係で、まずしょうゆがあってということだったのだと思うのですけれども、何か根拠があったのを加工食品品質表示基準に合わせるということになりますが、もともとの根拠を確認した上でこの意見があったので今回変えるということになったのか、意見があったから変えると単純にしてしまうのか、これは意味が違うと思いますので、そこはどのように検討されたのかということが1つです。
 確かに意見が4件出たということなんですけれども、大体こういうものは問題ないとか、現状何の支障もないというときに、「支障がない」という意見を言うことは余りないので、4件出ていますけれども、逆にもっと多くの「問題ない」という意識も中にはあるのではないかという気も、こういうパブコメの調査は大体そうなんですけれども、その辺も含めて総合的に検討して加えられたのかどうかについて、先ほどの検討の経緯も含めて簡単に説明していただければと思います。

○田島部会長 消費者庁、よろしくお願いします。

○中村課長補佐 食品表示課の中村でございます。では、今の2点について、経過も含めて御説明させていただきます。
 今回、パブリック・コメント、意見募集を前広、幅広にした経緯の中で4件御意見があったと。この原材料を順番に書くかというのは、以前、農林水産省の時代のJASの調査会の中でも、今、既存の個別品質表示基準を見直す中で、加工食品品質表示基準と合わせられるものは合わせていきましょうという考え方で進んでいたところです。私たちも農水省からの引き継ぎを受けて、その考え方を持っていたところです。
 今回、4件の意見がありまして、当庁でどうしようか。
 それから、しょうゆの業界の方、めん類等用つゆの業界の方にも、こういう考えが来ているのでどうなのかということを、集まっていただいた中で御議論して意見をちょうだいしたところです。
 そういう中で、体制として加工食品品質表示基準に合わせた品質表示基準の見直し、言わば加工食品品質表示基準の表示方法に合わせたやり方で大きな問題はないと伺ってきたところです。
 もう一点は、このめん類等用つゆができたころには、だししょうゆとか、しょうゆ加工品とか、鍋用のつゆとか、そういうものについて余り商品がなかった。現在のところ、業界の方から伺った資料によると、めん類等用つゆが大体159千klぐらいある。しょうゆ加工品、いわゆるだししょうゆとか、にんにくしょうゆとか、ポン酢しょうゆのようなものを言うらしいんですが、こういうものと焼き肉のたれのようなものが130千klぐらいある。ほぼ今、加工食品品質表示基準で書かれている製品と、めん類等用つゆの製品が大分拮抗してきているということもあります。
 そういう生産の実態や業界の方の意見も踏まえて、このような案を提案させていただいたところです。
 以上です。

○田島部会長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○山本委員 ありがとうございます。特に表示の順番を変えるというのは、メーカーのラベルのことを考えますと非常に版替えも含めて大きな変更になりますので、その辺のことも含めましても、特にめん類等用つゆの業界の規模も十分考えていただいて、十分に対応ができるような期間と準備をお願いしたいと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。そのように消費者庁の方で進めていただきたいと思います。
 ほかに、森委員、どうぞ。

○森委員 今後、個別の品質表示基準の改正というのが順番に行われてくるということで、今まで議論した中の話が、これからのものにも準じていくんだろうと思っています。先ほどお話があったように、基本的な原則としては加工食品の横断的な品質表示基準に従ってやりますと。今回の場合は調理方法ですね。個別の品表の中で調理方法が決まっているものについては、今後もこのような形で枠外の記載も求めていくという理解でよろしいですね。
 今後のものについても同じような考え方でやっていくという確認です。

○田島部会長 消費者庁、お答えできますか。

○中村課長補佐 一般的に確約ができないのは、それは幅広、前広に意見を聞いた中で、調理方法を義務化する必要性があるのかどうかという御意見を伺った上で判断するので、何とも言えないのですが、確認と言われると何とも言えない部分があるんですけれども、現実的に一般論としては、今ある事項が必要性があれば、そのまま存続させたいと思っております。

○田島部会長 新たな品表の改正が出てきたときに、個別に考慮するということですかね。統一的なお答えはなかなか難しいと思います。
 ほかにございますか。山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 新旧対照表の方を見ますと、原材料名の表示方法が新式から混合になっただけではなくて、それ以下のア、イ、ウのところがない形になっておりますから、これは省くという趣旨でしたか。消費者としては、どういうふうな内容のものなのかということが、これではわからなくなってしまうので、もしこういった混合だけという形になりますと、非常に問題だと思います。

○田島部会長 消費者庁、お願いします。

○中村課長補佐 引き続き中村がお答えします。この新旧対照表で示していることは、先ほど課長が説明されたとおりのものを新旧対照表の形で示したものという意味しかありませんので、これからは上乗せの部分がなく、加工食品品質表示基準に従って基本的に書かれることになるということが、この新旧対照表で表わしているものでございます。

○田島部会長 どうぞ。

○山浦委員 具体的には、このア、イ、ウの項目については、どういう扱いになるんですか。

○中村課長補佐 その書き方が、めん類等用つゆ品質表示基準の一部改正案の表示イメージの方に、具体的に例示しているものです。ですので、例えば旧来の場合ですと、しょうゆの量にかかわらず先にしょうゆの醸造方式を書いて、それから風味原料を書いて、それから糖類を書くという順番が、今度はストレートに使ったものの多いものから順番に書く。ですので、一部改正の概要の方をごらんいただけるとありがたいのですが、従来ですと量の多寡にかかわらず風味原料でまとめたものを2番目に書かれていたものが、そこを切り離して砂糖が前の方に出てくる。多いもの順に順番に書くような形になるような改正の趣旨で、新旧対照表をつくっております。

○田島部会長 よろしゅうございますか。改正案の方が、より現実に即したものと私は理解したんですけれども。
 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 多分加工食品に横断的なものに合わせていくということであれば、私は法律上の新旧対照表がどうなるかわかりませんけれども、しょうゆについては原料の多い順に書くというのがどこかにあればわかると思います。それが記載されてないことが、今、山浦委員から明確にするようにという御意見があったのだと思います。

○中村課長補佐 基本的に書かれるときに、従来の赤字の新旧対照表の1ページをごらんいただきたいんですけれども「加工食品品質表示基準第4条第1項第2号(エを除く。)の規定にかかわらず」と書いてあります。ここの規定というのが、加工食品品質表示基準の基本的な書き方には寄らずに、このスタイルで書きなさいということを規定しておりまして、新旧の改正案の方にはそのことが書かれていない。
 これだけ見ると、確かにここで多いもの順ということが出てこないのですが、先ほど申しました「かかわらず」までの部分がなくなることで、加工食品品質表示基準に従った書き方になるというのが原則ですということが明示されていることになります。ほかの品質表示基準の改正の場合も、このような形で従来からやっておりますので、今回も改正の諮問の内容としては、このようなスタイルと決めさせていただいたところです。

○田島部会長 よろしゅうございますか。
 ほかにございますか。山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 そうしますと、加工食品品質表示基準を用いて重量順にやるというルールはあって、その言及が今回はなかったということですか。

○相本食品表示課長 御指摘のとおり、第1条に、まず加工食品品質表示基準に定めるもののほかというのがあります。ここにめん類等用つゆ品質表示基準に定めていること以外は、すべて加工食品品質表示基準が適用されるということが大原則になりますので、ここに書いてないことは一般原則に従いますという趣旨です。

○田島部会長 川戸委員、どうぞ。

○川戸委員 重量順に書くということはわかりました。それで1ページのイの方は、風味原料は「かつおぶし」「こんぶ」「乾しいたけ」等の一般的名称で書くと書いてありますけれども、風味原料の次に書くと書いてありますね。ところが、資料2-4の方だと、風味原料そのものが消えてしまって、これはもう単純に砂糖が上に上がって重量順になっているわけですね。
 こういう場合、風味原料とそのほかの差は、どこにあるんでしょうか。

○相本食品表示課長 新しい案では、この風味原料というくくりはもうやめて、実際に風味原料で使っているものを重い順に書くと。

○川戸委員 ここに風味原料の次に括弧を付して、「かつおぶし」「こんぶ」「乾しいたけ」等の使用量の多いものから順に記載するということで。

○相本食品表示課長 それはもうやめるということです。

○川戸委員 わかりました。了解です。

○田島部会長 よろしゅうございますか。
 ほかにございますでしょうか。
 それでは、ないようでございますので、改正案どおり次の手続に進むということでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○田島部会長 それでは、そのようにさせていただきます。

≪4.食品添加物の指定に伴う食品衛生法施行規則の改正について≫

○次の議題にいきまして、4番でございます。「食品添加物の指定に伴う食品衛生法施行規則の改正について」でございます。
 これも引き続きまして、消費者庁の相本食品表示課長から御説明をお願いいたします。

○相本食品表示課長 お手元の資料3-1で御説明いたします。食品添加物の指定に伴う食品衛生法施行規則の改正案に関する諮問です。本改正ですけれども、収穫後の農作物に使用されるポストハーベスト農薬に関して、我が国では防かび剤の一種ということで、食品添加物の一種と食品衛生法上取り扱われているところです。これに関し、現在、防かび剤といたしましては、イマザリルなど5種類の防かび剤が厚生労働大臣により使用が認められており、これらについては、使用基準に基づいて、現在、果物、具体的にはかんきつ類とバナナのみで使用が認められているところです。
 今般、これらの防かび剤に加え、指定添加物としてフルジオキソニルが新規に指定される手続が進められているところです。この添加物の使用基準としては、あんず、おうとうなど、新たに12種類の果物への使用が認められることになっており、現在この防かび剤に関しては、かんきつ類とバナナにのみ表示義務がかかっており、これ以外の作物に防かび剤を使用した場合には、このままでは表示義務がかからないことになりますので、これらのあんずなどの12種類の果物に、防かび剤であるフルジオキソニルを使用した場合には、必ず表示がなされるように関係する食品衛生法施行規則等を改正するという諮問案です。
 具体的には、資料3-3、横紙の2枚目を御確認いただきたいのですけれども、これまでの経緯は、平成20年11月に、厚生労働省より食品安全委員会へ、このフルジオキソニルを食品添加物として指定することに対するリスク評価の依頼がなされたところです。これに関し、食品安全委員会において審議を行い、平成21年7月に食品安全委員会より厚生労働省へ、具体的に一日許容摂取量を0.33 mgとするリスク評価結果が通知されたところです。
 このリスク評価結果を基に、今年に入り、先月9月ですけれども、厚生労働省においてこのフルジオキソニルを食品添加物として使用するためのWTO通報及びパブリック・コメントを実施し、この結果を踏まえて、近い将来において新たな食品添加物としてこのフルジオキソニルが指定される見込みとなっております。
 したがいまして、冒頭御説明申し上げたように、このフルジオキソニルが食品添加物として使用される際に、きちんと使用している食品に表示がなされるように所要の改正を行うという内容です。
 具体的な改正といたしましては、お手元の資料3-4「食品衛生法施行規則」の新旧対照表の下の欄です。現行の別表第三の十一のハに、かんきつ類とバナナのみが表示の義務対象として指定されているところですが、これを改正案のように「果実(消費者庁長官が定めるものに限る。)」とした上で、具体的に消費者庁長官が定めるものといたしまして、消費者庁告示として、あんず以下、各果実を指定するという改正案としております。
 このような改正の形としましたのは、この食品衛生法施行規則の方にすべて列挙した場合、縦に果物の名前が全部並ぶという形で、一覧性に欠けるという見にくさがございますので、これを避けるために具体的な果物の範囲は告示の方で記載したものです。法律的な整理であり、これらの対象となる果物が食品衛生法に基づく表示義務に関して、何ら差異があるものではありません。
 以上、御審議の方、よろしくお願いいたします。

○田島部会長 ありがとうございました。新規添加物の指定につきましては、厚生労働省が定める話でございますが、その表示に関わる部分については消費者委員会が関わるので、審議事項として御提案されたものでございます。改正案でございますが、お手元の資料3-4でございます。
 ただいまの御説明につきまして、御審議のほどよろしくお願いいたします。
 山根委員、どうぞ。

○山根委員 質問です。一番最初のそもそも厚生労働省がフルジオキソニルをリスク評価を依頼することに至った背景というか、どういうことで依頼があったのかということを教えてほしいと思います。使用したいという希望がたくさんあるのかということです。それと海外ではどういう状態なのかということを教えていただきたいと思います。
 例えば使用基準が決められている幾つかの防かび剤があるわけですけれども、これらの中では、今のところかんきつ、バナナ以外で使用が見つかっていないということなんですけれども、これ以外に新しいものを是非使用したいという希望が多いのでしょうか。

○田島部会長 消費者庁から回答できますか。お願いいたします。

○江島課長補佐 これはフルジオキソニルが新規添加物として指定いただきたいという申請が、申請者である農薬メーカーからあったことで、厚生労働省が指定するための手続を始めたということです。
 これらの新たな作物に使われるのかどうかということについて、現在のところ日本にかんきつ類は相当量輸入されていますが、それ以外のりんごとかなしについては、日本へ輸出される量は少ないです。しかしながら、これが指定された場合には、やはり日本に輸入されるものについては、どうしても輸送に時間がかかりますので、やはりかんきつと同様、ほぼ100%近い量のものが、このフルジオキソニルで処理されて輸入されることになると思います。

○田島部会長 青柳委員、どうぞ。

○青柳委員 確認の質問をさせていただきたいのですが、配付された資料を見ますと、表示基準改正手続は、添加物指定手続の条件になっていないということが書かれていたと思いますが、この意味は表示の対象、方法などの決定によらず、添加物として使用が認められれば、使用が許可されるということですね。

○相本食品表示課長 理屈としてはそういうことになるのですけれども、私どもとしては、この新たな添加物が表示の義務がかからないまま指定されるのは望ましくないと考えておりますので、実際に厚生労働省がフルジオキソニルを使用できるような改正をするのに合わせて、表示義務がかかるように調整を進めているところです。

○青柳委員 そうすると万が一の話になりますが、食衛法の施行規則の改正に伴って、防かび剤として認められる。それから、使用されるということになるのに、もしここで認められなければ表示されないで一般的に流通をしていく、すなわち消費者から見て、かんきつ類とバナナに比べると、ちょっとおかしな、不整合なことが起きるということで理解してよろしいでしょうか。

○相本食品表示課長 法律上の解釈としては、そういうことになります。

○青柳委員 ありがとうございました。

○田島部会長 法律上の解釈は、今、言ったとおりでございますが、そうならないように改正したいというお話です。
 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 今回、消費者庁から消費者委員会に初めて添加物に関する諮問がなされ、この部会でやることを少し明確にしていただいた方がいいと思うのです。そこで、食品衛生法に基づく表示の対象は、公衆衛生の見地から表示が必要な食品及び食品添加物、省令で対象品目を規定して、今まで厚生労働省の管轄であった表示部分が、すべて表示に関しての監督省庁が消費者庁に移ったということです。資料3-1に少し経過が書いてあるのですけれども、この部会で議論することは、当然もうわかり切ったことでしょうけれど、食品衛生法に基づく添加物表示は、物質名表示が原則であって、その中で必要性の高い8用途、今回の防かび剤、もしくは防ばい剤というのは、用途名と括弧して物質名を付して書くことが1点目で、まずその表示規則について確認すること。2点目は、今回の場合のフルジオキソニルというのは、名称なり物質名が1つと考えられるのでしょうけれども、例えばここに記載があります防かび剤ジフェニルの場合は、名称がジフェニルと書けるのですけれども、別名がビフェニルとも書けますし、簡略名・類別名でDPということでアルファベットでも表記ができる。ですから、フルジオキソニルについても、名称として、1つになると思いますけれども、どういう表示する上での表記が行われるかということを確認することが2点目です。
 3点目は、それは容器包装に入ったものが原則として書かれるもので、ただし、ばら売りについても書かれるということが追加になるという順番の資料の説明があって、これら3点の添加物の表示方法についてここで審議することであると思いますけれども、いかがでしょうか。

○田島部会長 確かにそれはそうで正論なんですが。

○鬼武委員 そういうことを聞かれているのではないですか。

○田島部会長 宗林委員、消費者庁の御回答をいただく前に、どうぞ。

○宗林委員 私も2点のうち1点は同じことで、このフルジオキソニルをどういう表記を許すのかが書かれていなかったので、OPPとか、そういう表記を認めるのかどうかということをお聞きしたいと思います。今の鬼武委員と一緒です。
 あともう一つ、技術的なことで単なる質問なんですが、これまでは輸入してくるときに、間の紙に染み込ませて、揮発させるような使用方法もあったと思うんですが、これは実際はどういう使用方法なのか、幾つか考えられるのか教えていただきたいと思います。その数値が安定するのかどうかということも含めて関係すると思うので、教えてください。

○田島部会長 使用法ですね。それは私も知りませんね。では、消費者庁の方から御回答をお願いします。

○相本食品表示課長 鬼武委員から御指摘がございました説明の順番につきましては、おっしゃるとおりだと思いますので、以降の提案に際しては、そのような形で進めさせていただきたいと思います。
 それから、表記方法に関しましては、私どもとしてはフルジオキソニルに関しましては、略称ではなく、そのままフルジオキソニルと書いていただくことを考えております。
 使用実態につきましては、担当より御説明いたします。

○江島課長補佐 申請者からの説明では、液に漬ける、あとスプレーのような形で噴霧するという報告を受けております。

○宗林委員 そうすると、個々の輸入してくる前に、収穫後に液にディップするという意味ですか。

○江島課長補佐 はい。

○宗林委員 あと箱の中に染み込ませるような揮発性の物質ではないということですね。そういうやり方はありませんか。

○江島課長補佐 はい。そのようなやり方ではないようです。

○田島部会長 山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 手続上の現状なんですけれども、パブリック・コメントが行われているということなので、厚生労働省としてはこれを添加物指定として、現在、最終的に認めているわけではない段階ですか。その段階で、この表示部会で並行して審議するという御提案ですか。
 私としては、こういったポストハーベスト農薬の使用拡大ということに非常に疑問を持っておりまして、なるべくこういったものが使われないような流通が必要ではないか。余り遠くから運んで来ること自体問題だと思っているんですけれども、この安全性についての議論も今、行われているわけですから、少なくとも最終的に指定してしまえば、消費者としてはそれを使っているかどうかということを知りたいわけですけれども、そこでの有害性の問題も我々は懸念しておりますので、表現としてどうなるかわかりませんけれども、非常に毒物にもなり得るような、農薬としても使われているようなものが入っているんだということが実際にわかるような、そういう表示方法を我々としては望みたいと思います。

○田島部会長 青柳委員、どうぞ。

○青柳委員 大体防かび剤が使われるというのは、輸入品がウェート的には非常に高いと思うんです。その中で、今回指定をする予定の商品の中で、輸入品として特に入ってきている商品は、例えばキウイ、ザクロ、一部西洋なし、ここら辺が輸入品として十分考えられるわけですが、輸入先のところで新しく認可されるフルジオキソニルがどれぐらい使われているかという調査はなされていらっしゃるんでしょうか。

○田島部会長 それでは、先ほどの山浦委員の御指摘を含めて、今の青柳委員の使用実態の御回答もよろしくお願いいたします。

○相本食品表示課長 御指摘のとおり、現在、厚生労働省の方でフルジオキソニルを添加物として使用するための手続を進めているところであり、冒頭、御説明いたしましたとおり、私どもとしてはこれが添加物として使用されることに合わせて、表示の義務をかけるべきだと考えておりますので、今回、諮問を申し上げたところです。仮にすべて手続が終わって表示の方もとなりますと、実際に使用されているのに表示はなされないということになりかねませんので、それは避けたいということです。
 表示の方法につきましては、今回御提案申し上げたとおり、使われている食品添加物を表示させるというのが、これまで食品表示法に基づいて表示を義務づけた内容ですので、それを踏襲した形にしております。

○江島課長補佐 それでは、回答させていただきます。申請者からの聞き取りになるんですけれども、キウイフルーツについては、生産量のうちフルジオキソニルが使用されている量としては1%未満だそうです。ほとんど使われてないということだそうです。ただし、使うことはできるということです。
 ザクロは、生産量のうち7割がフルジオキソニルが使われているそうです。
 西洋なしは、生産量のうち8%がフルジオキソニルが使われているという報告を受けております。

○田島部会長 よろしいですか。ほかにございますでしょうか。
 立石委員、どうぞ。

○立石委員 フルジオキソニルが食品添加物として認められたら、今、認められているイマザリル以下5剤は農薬の登録がないわけですから、農薬の登録があって、かつ、食品添加物として認められるのは初めての薬剤になるわけです。今回フルジオキソニルが食品添加物として認められたら。
 この剤は、実は果菜類、洋菜類、それから果物で我が国では、使っております。それから、恐らく農薬メーカー1社が独占的に特許権を持って販売されていますから、この1社からの申請だと思うんですけれども、この会社が日本で食品添加物を売られるかどうかはまだわからないんですけれども、仮に売られたとしたら、もし残留農薬基準値以上が検出された場合、農薬として使ったのか、もしくは食品添加物として使ったのかの区別が非常に難しくなると思います。
 今回の問題は、残留農薬基準値が、当然、今の認められている残留農薬基準値より上がるはずなんです。収穫後に認められるということは、確実に残留農薬基準値は上がるんです。上げないと、今の農薬基準値ではとても食品添加物で認められるはずがないわけですから、そういった問題があるわけです。
 そういったところを十分に踏まえて今回検討されているのかどうか教えていただきたいと思います。

○田島部会長 当然確認をしての議論だと思いますが、森委員、どうぞ。

○森委員 ちょっと誤解があるような感じがするんです。残留農薬基準との関係で言うと、基本的に添加物して認められているものと残留農薬基準はほぼイコールです。これによってポジティブリストの残留農薬基準値が上がることはないと思います。

○田島部会長 私もそういうふうに理解していますけれども、立石委員、どうぞ。

○立石委員 もう一度確認していただきたいのですが、私が聞いている限りは、添加物として使用された場合の、農薬基準値は変わらないはずですけれども、いわゆる使用基準といいますか、最終的に現物を店頭などで調べた場合の基準値ですね。これが変わるはずです。要するに、食品添加物として使用された場合と、農薬として使用された場合は当然違ってくるはずです。農薬の残留農薬基準値がそのまま適用されれば、食品添加物として使えないはずです。残留基準値は、ものすごく低いはずです。ここのところを誤解といいますか、これは添加物として使えば、今は収穫前散布日数なり希釈倍率を守りながら使っておりまして、極めて生産者は気を使いながら使っております。そういうことで言えば、今までも残留農薬基準値をオーバーする例はほとんどないんです。
 今後は、もしそれが食品添加物として認められたら、生産者は今までの農薬として使うケースと、収穫後に使う、ポストハーベストで使うケースの両方が出るわけです。そうした場合に、これまでの残留農薬基準が当然修正されるはずではないかと思います。なぜならば、当然高い濃度のものが商品に付着しているはずですから、そこのところで言えば同じというのはおかしいのではないかと。そこはもう一度確認をお願いしたいと思います。

○田島部会長 その議論は厚生労働省で審議を十分尽くしているはずですので、御説明をお願いします。

○江島課長補佐 御説明をさせていただきます。フルジオキソニルについては、添加物としての使用のほかに、農薬としての使用もあります。今回、添加物の部分については、表示の規制を変えないといけないということで、ここに記載させていただいているんですけれども、残留農薬の部分についても、実を言うと残留基準を今回見直しているところでして、確かに残留基準が上がっている果物はあります。

○田島部会長 よろしゅうございますか。
 立石委員、どうぞ。

○立石委員 具体的にどの程度上がるか教えていただけますか。

○江島課長補佐 では変わったものだけ上げさせていただきたいと思います。
 夏みかんの果実全体、これが基準値の現行が 1ppm だったものが 10ppm に上がる予定です。
 オレンジ(ネーブルオレンジを含む)が 1ppm だったものが 10ppm に上がる予定です。
 ライムも 1ppm だったものが 10ppm に上がる予定です。
 その他のかんきつ類果実も 1ppm だったものが 10ppm に上がる予定です。
 ももが 0.5ppm だったものが 5ppm に上がる予定です。
 ネクタリンも 0.5ppm だったものが 5ppm に上がる予定です。
 あんずも 0.5ppm だったものが 5ppm に上がる予定です。
 すももも 0.5ppm だったものが 5ppm に上がる予定です。
 おうとう(チェリーを含む)も 0.5ppm だったものが 5ppm に上がる予定です。
 それで基準値が緩くはなります。ただし、資料にも書かせていただいていますけれども、基準値上限まで入っていたと仮定して、ADIの占有率は13%程度となっております。

○田島部会長 そのように残留農薬基準が変わるという御説明です。
 中下委員、どうぞ。

○中下委員 先ほどの山根委員の御質問とも重なるんですけれども、私たちは表示をどうするかということだけしか議論できない場だということは重々承知しております。けれども、農薬メーカーが申請があったというだけで、なぜ拡大しなければならないのか。今のように残留基準を上げてまで、これを添加物として使用を認めなければならないのかということについては、どのように御認識なんでしょうか。御説明いただきたいと思います。

○田島部会長 消費者庁に聞かれても困るんではないですか。厚生労働大臣のお考えですので、消費者庁がそれについてコメントを付けるというのはいかがかと。

○中下委員 それはわかるんですけれども、消費者にとっては非常に危険が高いものになるわけですから、表示の仕方も単にそれだけでいいのかどうか。

○田島部会長 お気持ちはわかりますけれども、ここの場は表示部会でありまして、食品衛生の部会ではないので、ちょっと議論は。

○中下委員 どのような理由でされたかぐらいは御説明いただいてもいいのではないですか。

○田島部会長 わかりました。それでは、消費者庁から経緯について御説明をお願いします。

○相本食品表示課長 経緯につきましては、先ほど担当よりも御説明申し上げましたとおり、現に使用されている実態があるものについて、我が国で防かび剤として使用したいという申請があったことを踏まえて、厚生労働省で検討が行われたと理解しております。

○田島部会長 そのとおりだと思います。
 山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 今のお話を伺っていまして、10倍も基準値が緩くなるということは大変な事態だと思うんです。消費者としては、農薬基準ということである程度安全性が担保されたんだろうと思っていたところで、ポストハーベスト農薬という形でもって、何かこれまでの基準をかいくぐるような甘い基準ができてしまうということは非常に問題だと思います。
 さっき私が申しましたように、こんな緩い基準が実際に使われて輸入されて来るんだということが周知徹底できるような、これは適切な表現ではありませんけれども、ドクロマークを付けて、こういうものが入っているんだというぐらいの表示方法でなければ、表示部会としても安全性の問題に懸念を示す意味で問題ではないかと思います。

○田島部会長 御意見として承るという話でございますね。
 ほかに、青柳委員、どうぞ。

○青柳委員 私の方からは、実際に表示の運用についてお話をさせていただきたいのですが、かんきつ類等の商品については、実際ばら売りが非常に多うございます。そうなると、実際にどこで表示していくかということになりますと、現状は小売りの店頭でその表現をしているというのが圧倒的でございます。
 その場合、これは個人的な感想でございますが、生鮮の品質表示で、その中で規定されているのは、名称と原産地になりますね。その中で、原産地・名称については、行政の御努力もありまして、非常に徹底がされてきているという印象を持っておるんですが、実際に防かび剤の問題になりますと、果たしてそこまで十分にできているかという印象を持っております。
 今回、バナナとかんきつ類以外、かなり多くの商品、実際に使用されるかどうかは別として、アイテムが非常に広がってまいります。そのときに、今のままの状態で広げても表示されない。表示されないということは使っていないということになるわけですね。使っていないということが事実かどうかは別として、現象面だけでは使っていない形になりますから、これはお願いも含めてなんですが、これを導入するに当たっては、青果業の方は非常に小さい方も多うございますから、これの啓蒙といいますか、浸透といいますか、そういうものをきちんと時間をかけておやりになることが非常に大事ではないかと思います。ただ決めました、だからやってくださいということだけでは、なかなか徹底できないのではないかということが心配としてございますので申し上げておきます。
 以上です。

○田島部会長 ありがとうございました。
 迫委員、どうぞ。

○迫委員 今の関連でございます。ばら売りになっているときの問題としまして、食品衛生法に基づく添加物の表示等についてという通知が出ていますね。これは、バナナとかんきつ類について規定されているわけですが、これ以外の新たなものについてを、どのような表現で、実際どのような指導体制を取っていくのか、通知の改正が必要になってくるのではないかと思うのですが、その辺がどういう見込みになっているか教えていただきたいと思います。

○田島部会長 法の執行の問題ですので、ちょっと先の話でございますが、改正がなされた以降、業界等をどういうふうに指導していくつもりかという話ですので、消費者庁の方からお答えをお願いします。

○相本食品表示課長 今、御指摘がありましたことは、具体的には資料3-5の3ページ目をごらんいただきたいと思いますが、ばら売りに関しましては、これまで通達でこの表示をしていただくように指導するということを進めてきたところです。また、各委員からの御指摘も踏まえまして、私どもとして、まずこの通達については改めて消費者庁としても発出する。また関係する自治体、保健所等を通じて徹底をお願いする。更に事業者団体等にも事前によく御説明した上で、現場での表示の徹底が図られるように進めてまいりたいと考えております。

○田島部会長 ありがとうございました。
 それでは、いろいろ御心配等をいただいて、特に添加物行政についてのコメント等もいただきましたけれども、この表示部会の審議の範囲を超えているお話などもございますので、この辺で議論は打ち切りたいと思います。
 どうぞ。

○中下委員 今の議論打ち切りについて、ちょっと異議がございます。先ほど青柳委員からも御指摘のありましたように、ばら売りでなされている部分についての表示が、実態として本当に担保されるのかというところに疑念があります。表示がないままでも販売できてしまうと、それでは問題だから表示を義務付けようと、これはわかるんですけれども、そこの疑念が払しょくされない限りは、消費者に対する影響を考えた場合に、はたして運用が担保できるのかどうかということを確認の上で表示の検討をした方がいいのではないかと思います。私としてはこの点について、先ほど山浦委員がおっしゃられたように、もっと別の表示の仕方を検討していただきたいと思います。

○田島部会長 ただいまの御意見、別の表示の仕方といいますと、例えばドクロマークを付けるとか。

○中下委員 あるいは店頭で明記すると。

○田島部会長 どうぞ。

○宗林委員 3ページには書いてありますけれども、現状はどういう表示を具体的に指導されているのか現状の指導の在り方を教えていただきたいと思います。ポップ表示でしょうか。何もないものも結構あり、それは使ってないということなのかもしれませんが、チェックする際の具体的な表記の方法の指導、あるいはやり方のようなものを教えてください。また今後についてもですね。

○田島部会長 それでは、現在、バナナとかんきつ類がばら売りでも表示することになっているんですが、それの指導の現状について、消費者庁からわかる範囲でお願いします。

○江島課長補佐 現在のところ、かんきつ類とバナナについて、包装されてないものについては、通知に基づいて表示をするように指導がなされております。表示の仕方としては、立て札のような形での表示をするようにという指導をしております。

○田島部会長 青柳委員、どうぞ。

○青柳委員 POPで表示をしております。

○田島部会長 ということで、これが新しく承認されたらば、同じような指導をするということでございますが、中下委員、どうぞ。

○中下委員 例えばバナナとかんきつ類については、特に輸入品では使われていると思って私たちも買っています。でもそういうことが大きく表示されているのを余り見たことがないです。ですから、現実的には今の立て札を立てるようなことが果たして行われるか、極めて疑問だと思います。それでも、消費者も、いろいろな啓発書がありますから、バナナとかんきつ類については使われているものだと思って選択をしております。
 しかし、おうとうだとか、すももだとか、びわだとか、こういったものに使われているとだれも思わないし、そのままで買ってしまうと思うんです。なので、これはもう徹底した方法をきちっとやっていただかない限り、認めるべきではないと思います。

○田島部会長 法の執行状態についての御議論と、それから、法をつくるという御議論はやはり分けて議論したいと思いますが、どうでしょうか。

○中下委員 おっしゃられていることはわかるんです。でもこういうふうに、分けて、分けてとやっていくと、結局消費者の安全性が担保されないんですよ。だから、これはそもそもここで議論すべきことではないかもしれませんが、もし今回の添加物の指定が実際に表示がどういうふうにして担保されるかを検討しないで、認められているとしたら、それはまた別問題だという格好で認められるとしたら、その制度そのものがおかしいと思います。
 だから、私たちは消費者委員会なんですから、消費者の立場に立って、安全が確保できるような状態で考える、縦割りで、ここまでということにとらわれないでやっていかないと、消費者の安全は担保できないと思います。

○田島部会長 話が大分大きくなってきましたけれども、どうぞ。

○迫委員 今のお話の中で、食品安全委員会において安全性の担保については、既に検討がされていることがまず大前提にあろうかと思います。そうしますと、この食品表示部会の中で検討するべきことは、まずは消費者に対して適正な情報提供がされるということで、表示がきちっとされた状態で消費者の手元に渡ることが重要であろうと思います。そのための議論をする場であると認識しております。
 更に、それを今度は有効な表示がされるようにしていく、そのための方法論を次の段階としては担保していただく。これは行政として消費者庁がきちっと取り組んでいただくべきことではないかと思っております。
 特に懸念されることは、実際に指導監督の現場の中では、多分保健所の食品衛生監視員とか、そういう専門職が行政指導していくのではないかと思うんですが、消費者庁とそういう分野との連携が、まだまだ若干弱いのではないかというところも懸念されますので、十分担保されるような体制を取っていただければ、これが消費者にとって一番いい形になるのではないかと思います。
 以上です。

○田島部会長 宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 関連でお聞きしたいのですが、実際にポップ表示の、保健所の抜き取りの監視でジフェニルとかOPPの違反率というのは、どのぐらいでしょうか。実態としての検査率と違反率について教えていただけないでしょうか。
 そうすると、今回も同じ表示の仕方で、法律が遵守されていくのか参考になるかと思うんですけれども、最初にはOPPやジフェニルが許可された際には大分書いてあったんですが、最近は実際余り見られません。多分使われているのではないかと思うんですが、その辺はどうなんでしょうか。表示の在り方として、適当かどうかということなんですが。

○田島部会長 そのような調査はございますか。

○相本食品表示課長 保健所の方で定期的な調査は行っておりますが、私どもの方で、今、御質問のあったような表示率のようなところまでは把握しておりませんので、それにつきましては、また別途調べてみたいと思います。

○田島部会長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 現状のばら売りで、どれぐらい徹底されているかは私もわからないのですけれども、たしか昨年の農水省と厚労省の表示共同会議のときに、今、宗林委員がされた質問と全く同じ質問をしました。実際に、ばら売りにもポップ等で表示することを決めた初期のころは防かび剤については徹底して添付でなされていたのですけれども、実際に去年の時点ではどうですかということを尋ねました。その時、厚生労働省の基準審査課の方が、適切な表示がなされていますし、今後も実効性が確保されるようにしたいと答え、議事録にも記述されていると思います。それが1点です。
 それから、最初にお尋ねしたように、この部会で何をやるかということを正確に消費者庁が説明しないから混乱するのであると思います。例えば、資料3-1、3-2と説明があり、資料3-3の裏面に、各食品安全委員会、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会との関係のポンチ絵がありますが、その中で消費者庁および消費者委員会食品表示部会が、どういう役割で議論するのかということを、この中にフローとしてわかるようにしていただいて、そこで議論することにすれば、もう少し明確になるでしょう。更に1点気づいたことですが、この中に食品安全委員会より厚生労働省へ、具体的に一旧許容摂取量と記載されているのは1日許容摂取量の間違えであるから訂正してください。食品安全委員会はリスク評価を実施して、一日許容摂取量設定していることを伝えることが重要であり、このようなミスがないように留意いただきたいと思います。

○田島部会長 御指摘ありがとうございました。当然のことが前提になっての議論だと思います。新しい食品添加物を認可するためには、食品安全委員会の安全性の検討が行われており、それから厚生労働省の審議会の議論も経ているという話でございますので、それを踏まえて表示の問題をどうするかということが、この表示部会に諮問されてきているんだと理解しております。
 ということで、繰り返しますが、ここで安全性の議論等をするわけにはいきません。ということで、先ほどの発言に戻りますけれども、議論をそろそろ打ち切りたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、御発言がないようなので、この改正案で次の手続に進むことにしたいと思います。
 どうぞ。

○中下委員 済みません。反対ですので、異議をとどめていただきたいと思います。

○田島部会長 反対の意見につきましては、議事録にとどめさせていただきますが、安全性の議論につきましては。

○中下委員 それでは、対案を出します。ばら売りの場合、指導をなさっているということですけれども、今回はきちっと表示を義務づけるべきだと思います。指導だけでは、ばら売りで徹底されない可能性が高いと思いますので。

○田島部会長 わかりました。ばら売りで販売されるときに、表示がなされているはずですけれども、その指導方法について。

○中下委員 法律で表示を義務づける。

○田島部会長 一応義務づけられているんです。

○中下委員 個別商品に表示を義務づける。

○田島部会長 消費者庁、どうぞ。

○相本食品表示課長 食品衛生法上、義務づけの対象になっているのは、容器包装に入っている食品でございますので、ばら売りについては法律上の表示義務はないけれども、容器包装に入ったものに準じて表示をしていただくよう指導するということです。

○田島部会長 ポリ包装でも包装されれば義務づけられるという話ですね。
 山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 私も表示については必要だと思いますけれども、先ほど申しましたように、防かび剤としてこういったポストハーベストが使われているんだということが消費者に周知徹底できるような表記方法を望みたいと思いますので、消費者庁さんの今回の諮問に対しては、そのまま認めるわけではなくて、やはり消費者にとっての選択権が確保できるような、農薬とは違う緩い基準のものが今回こうやって決まったということがわかるような表現にしていただかないと困るということを、議事録にとどめていただきたいと思います。

○田島部会長 わかりました。
 宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 その容器包装のところですが、そうするとスチレントレーに2つ、3つを、簡易包装でラッピングされているものは包装に該当して、表示義務が生まれ、1個ずつばらばらに入っているものは指導対象になるという整理なんですね。容器包装があるかどうかの区別は。多分そうだと思います。だから、同じところでも売るときにパッキングして、スチレントレーの中に入れると対象になるということではないですか。

○田島部会長 消費者庁、どうぞ。

○江島課長補佐 そのとおりです。ばらで売った場合は、確かに表示義務はない。その一方、袋に入れたら容器包装に入れたことになりますので、表示義務がかかるということです。

○田島部会長 青柳委員、どうぞ。

○青柳委員 質問なんですけれども、例えばグレープフルーツを、ただ単にラッピングしただけで容器包装という部類に入るんでしょうか。今のお話だとそうだと思いますが、それでよろしいんですか。

○江島課長補佐 容器包装に入っているのであれば、そうなります。

○青柳委員 ただ単にラッピングしているだけですよ。容器包装には入っていませんよ。これも食衛法の対象になるんですね。トレーに入っているものは当然そうだろうと理解しますけれども、ただ単にばら売りで、裸売りではなくて、ただラッピングしているのがありますね。それも容器包装ということなんですね。

○江島課長補佐 食品を包んでいるのであれば、そうなります。

○青柳委員 わかりました。

○田島部会長 消費者庁の公式の見解ですので、ラッピングしてあっても容器包装ということになるそうです。
 立石委員、どうぞ。

○立石委員 最後に質問ですが、これから先、もし食品添加物と認めた場合、残留農薬基準が変わりますね。そうした場合に、これまでの残留農薬基準ではない新しい基準でもって、今、日本で使っているセイビアなどについても同じ基準で残留農薬基準が適用されるということでよろしいんですね。

○田島部会長 仮定の質問ですので、お答えしにくいと思いますが、お答えいただけますか。

○江島課長補佐 厚生労働省がお答えすべきことですが、前担当だったので一応知っていますのでお答えいたします。残留基準ができた場合は、当然のことながら輸入品であれ、国内産品であれ、同じ残留基準が適用されます。

○田島部会長 それでは、いろいろ御異議もございましたけれども、この会議としては次の手続に進むということを御了承いただいたものといたします。

≪5.原料原産地表示の義務拡大について≫

○田島部会長 それでは、次の議題5にまいりまして、原料原産地表示の義務拡大についてでございます。これも相本食品表示課長から御説明をお願いいたします。

○相本食品表示課長 お手元の資料4-1でございます。JAS法に基づきます原料原産地表示の拡大に関しましては、前回第3回の食品表示部会で流通実態の調査等についての御報告を申し上げたところです。今回改めて原料原産地表示が消費者庁が発足する前、JAS法に基づいて平成12年以降開始されたわけですけれども、これの対象品目の拡大に関します検討の経緯や、これからの進め方について改めて御説明をいたします。
 2ページ目、消費者庁が発足するまでJAS法に基づく表示は、農林水産省がその基準をつくるということで進めてきたところです。具体的には平成12年に加工食品の原料原産地となる対象品目についての検討を行って、平成12年12月から平成14年8月にかけて、ウナギ加工品や農産物漬物等8品目について、順次原料原産地の義務づけを行ったところがスタートでございます。
 これについては平成15年に更に対象品目の拡大の検討を進めようということで、真ん中の段の中ほどでございますけれども、20食品群の表示義務化というところで、平成15年8月に当時農林水産省、厚生労働省が共同で開催しておりました食品表示共同会議におきまして、加工食品の原料原産地表示に関する今後の方向を整理、公表したところです。
 この中で表示対象品目の選定について具体的な要件を定め、検討することになっており、1番目の要件としては原産地に由来する原料の品質の差異が、加工食品としての品質に大きく反映されると一般に認識されている。2番目といたしまして、製品の原材料に占める主原料である農畜水産物の重量の割合が50%以上であるという、2つの要件を定めたところです。
 このような要件を基に平成15年11月以降、農林水産省において品目群リストを公表し、全国で公開ヒアリングを実施して消費者等からの御意見をいただいたところです。このような意見募集の結果も踏まえ、具体的に対象品目を検討し、翌平成16年9月に、新たに20食品群の食品について原料原産地表示の義務づけを拡大したところです。
 第三段階としては、平成18年に新たな追加の対象となる品目について、パブリック・コメントで意見募集を行い、公開ヒアリング等を通して意見募集を実施したところです。この中でパブリック・コメント等で要望が出された品目の中から、具体的にどのような品目を対象にするかの検討を行い、緑茶飲料、あげ落花生について平成19年10月に新たに表示義務の対象として追加したというのが、これまでの経緯です。
 更に昨年8月ですけれども、消費者庁発足直前ですが、食品の表示に関する共同会議において加工食品の原産地表示の拡大に関する検討を行い、今後の進め方についての整理がなされたところです。
 具体的には3ページ目のIIですが、今後対象品目を拡大するに当たって3つの課題があることを整理しております。1番目が輸入品や国産品と原料原産地が頻繁に切り替わった際に、どのような表示をすべきか。2番目として、表示の物理的スペースが制約されているという問題。3点目として、中間加工品を輸入した場合の原料原産地情報がわからない場合に、どのように対応すべきかという論点が挙げられております。
 1番目の切り替えに関しては、例えば可能性がある切り替え産地を列挙すればどうかというアイデアですけれども、これについては商品の内容と表示の内容が一致せず、かえって消費者に誤解を招く情報を与えかねないことから、不適切という整理がなされております。
 2点目では原材料の産地の切り替えについて、国産、外国産あるいは輸入といった大くくりの表示を認めたらどうかという案につきましては、このような頻繁に産地の切り替えが行われる加工食品についても対応でき、導入は適切だろうということが示されております。
 3点目として、輸入中間加工品の原産国表示については、原料原産地が不明な場合でも対応できることから、導入は適切という整理がなされてございます。
 更に共同会議報告書におきましては、4ページ目ですけれども、III義務対象品目を選定する際の基本的な考え方としては、平成15年にとりまとめられた今後の方向における要件を踏襲する形で、原料の品質の差異が加工食品としての品質に大きく反映される、あるいは原材料が単一の農畜水産物の重量割合が5割以上といった、品目横断的な要件について、基本的に維持すべきであろうということが整理されております。
 更に今後具体的な義務対象品目の選定に当たっては、過去に検討した際に対象とならなかった品目について、先ほどの3つの課題、原産地の切り替えや中間加工品の問題等で対象とならなかったものについて考えたらどうか。また、対象品目の追加に当たっては消費者等からの提案があった品目について検証を行い、更に公開ヒアリングあるいはパブコメを活用することによって、幅広く調整して検討したらどうかという提言がなされたところです。
 これが昨年8月までの、消費者庁発足までの経緯でございまして、昨年9月以降、消費者庁を発足してからですけれども、私どもといたしまして、原料原産地の表示拡大に関する取組みについて整理しております。
 5ページ目、本年2~3月にかけて消費者庁ホームページを通じて原料原産地表示に関する意見募集を行ったところです。また、いただいた御意見も踏まえまして本年3月に意見交換会を実施したところです。このパブリック・コメントに基づきまして、具体的に御要望が多く寄せられたものが5ページ目の左側でございまして、昆布巻、果実飲料、黒糖、食用植物油、鰹節についての御要望をいただいたところです。
 これ以外にも少数意見も含めまして御要望があったところが右側でございまして、すべての加工食品に義務づけてほしいという御意見あるいは1件の御意見ですけれども、いろいろな調味料などにも義務づけてほしい。インストア加工の総菜や弁当に義務づけてほしいといった御意見もいただいたところです。
 このような皆様からいただきました御意見等を私どもで整理をいたしまして、6ページ目ですが、特に御要望が多かった5品目について本年、流通実態等の調査を行い、先般の第3回食品表示部会で御報告したところです。前回の調査の報告につきましては、お手元に机上配付資料という形で再度配付いただいております。
 この中で私どもとして流通実態等を踏まえて調査を行った概要ですけれども、6ページの右側です。昆布巻ですが、昆布巻につきましては加工工程としてニシンなどを具材として巻く。更に干ぴょうで縛るといった工程を加えておるという加工食品ですけれども、このような工程につきましては主要な原料である昆布の品質そのものについては、影響を及ぼすものではないと考えられること、また、味付け、包装、殺菌などの工程を経ますけれども、これにつきましては既に原料原産地表示を義務づけたあげ落花生などと比較しても、同等程度の加工工程ではないかということで、このような実態を踏まえると原産地表示を義務づける要件として挙げた、I及びIIに該当するのではないかと考えているところです。
 続きまして黒糖ですけれども、これにつきましてはサトウキビを圧搾・加熱し、沈殿物を冷却・成型するという加工工程をとっているところです。このような加工工程につきましては、もとの農産物であるサトウキビの搾り汁と基本的には組成が余り変わらない、もとの原材料の品質が比較的そのまま食品に残っているのではないかということから、このような指定の要件に該当するのではないかと整理をしているところです。
 3点目の果実飲料に関しましては、例えばストレート果汁など果実飲料の種類によっては、既に原産地表示の対象となっております緑茶飲料と同様に、原料果汁や果実の選定及びこれをブレンド、仕上げする工程が、そのおいしさ等の品質を左右する重要な役割を果たしている場合があるのではないかということを踏まえまして、生産流通の実態や消費者の関心などを踏まえ、果実飲料の中から具体的に原料原産地表示を義務化すべき果実、あるいは果実飲料の種類などを絞り込むことが適当ではないかと整理しております。
 かつお削り節ですが、これは生産工程が複雑であり、かつ、かつお削り節の原産国の在り方につきましては、さまざまな御議論をいただいているところですので、引き続きそのような実態などについて、更に調査を進めていってはどうかと整理しております。
 5番目の食用植物油に関しましては、複数の生産工程を経て精製されるという生産実態があり、原料の産地が品質に大きく反映していると言えるか、整理が必要でなかろうかと考えているところです。
 7ページ以下、個別の品目についての論点を整理しているところでございます。7ページは昆布巻ですけれども、これまで消費者庁発足以前の農水省における議論といたしましては、これは昆布巻だけではありませんが、昆布巻を含んだ昆布加工品一般につきましては輸入量の実態が明らかでない、あるいは他の原料との組み合わせ、加熱、調味などの工程を経て製造され、加工度が高いということから、義務表示の対象品目とはされなかったという整理がなされております。
 このうち昆布巻に関しましては、パブリック・コメントあるいは意見交換の場においていただいた御意見として、まず昆布巻等の輸入が急増している。原産地が中国産であっても原料原産地の表示がなされなければ、消費者から北海道産と誤認されやすい。あるいは産地表示を義務化することで、原産地による品質の差異が消費者に明確になる。消極的な御意見といたしましては、昆布巻の中芯あるいは干ぴょうの表示を無視して昆布のみの表示を行うことは、かえって消費者の混乱を招くのではないか。あるいは昆布巻よりも加工度の低い昆布製品もあり、その中でどうやって整合性を保っていくのかといった御意見もありました。
 生産流通実態調査に関しましては、昆布加工品のうち昆布巻については、国内流通量の約4割(約2,000t)を中国産が占めていることが推定されており、価格に関しては国内産の乾燥昆布価格は、中国産の乾燥昆布に関して2~3倍程度の違い、このような市場の評価の違いがあるといったこともわかったところです。
 生産工程に関しては昆布巻の加工工程には手間のかかる工程もあるけれども、基本的には昆布の品質に影響を及ぼすものではない。また、先ほど御説明したとおり工程については、既に対象となっているあげ落花生と同様ではないかということです。
 今後整理すべき論点としては、先ほど御説明したような調査結果も踏まえて、更に要件に合致するかどうかについて追加的な調査が必要かどうか。あるいは昆布巻の原産地表示を義務化した場合に、原料である昆布のみを義務対象とすることでよいかどうか。昆布巻以外の昆布加工品(佃煮昆布等)についても、更に検証が必要かといったことが論点であろうと整理しております。
 8ページ目は黒糖です。黒糖に関しては沖縄県などからの要請をいただいており、例えば本年8月には沖縄県より、沖縄産の含みつ糖と輸入の含みつ糖及び再製糖との表示区分を明確化するため、含みつ糖の品質表示基準あるいは原産国表示を規定するという要請をいただいております。
 パブリック・コメントや意見交換の場においては、黒糖ではない再製糖あるいは加工黒糖が黒糖、黒砂糖などと表示され販売されており、自主基準だけでは収拾がつかないといった御意見。輸入されている含みつ糖が国産黒糖と同様に、単に黒糖と表示され、原産国について消費者の誤認を招いているのではないかという御意見。一方で再製糖などを黒砂糖と長年にわたり表示して、消費者から認知されているという事業者がおられ、これに関しまして黒糖はサトウキビを搾って煮固めた砂糖、黒砂糖は糖蜜を含んだ黒い砂糖と、区分けをしてはどうかという提案もいただいているところです。
 流通実態に関しては、国内に流通する黒糖等のうち輸入が約3割、黒糖以外の含みつ糖が約4割です。価格としては国産の黒糖が1kg当たり300円程度で、輸入黒糖と約3倍程度の価格差、市場の評価の違いがあるということです。
 生産工程に関しては先ほど御説明したとおり、サトウキビをそのまま搾って固めたものですので、もとのサトウキビと余り組成は変わらないといったことと、他方、このような黒糖とサトウキビの搾り汁を、更に精製した粗糖や糖みつと黒糖を混ぜて、加工黒糖として販売されている実態もあるとのことです。
 今後整理すべき論点として、まず黒糖についてこのような原産地表示の対象とすべきかどうかの判断に当たって、更に追加的な調査が必要かどうか。あるいは黒糖を使用する加工食品について、原料である黒糖の原産地表示を義務化するとすれば、どういったことが必要か。例えば類似の食品といたしまして、こんにゃくについては原料であるこんにゃく粉の原産地表示を義務づけておりますけれども、黒糖の加工品についても同様の整理としてよいかどうか。あるいは黒糖の加工品について義務づけるとすれば、黒糖の使用割合をどれだけの割合のもの以上とすべきかということ。あるいは黒糖以外に例えば加工黒糖として売られている製品あるいは黒砂糖とされている食品について、どのように考えるべきかといったことを整理しております。
 9ページは果実飲料に関して、従来の議論といたしましては果実飲料については緑茶飲料、野菜飲料などと同様に、搾汁、抽出、ブレンド等の加工を行い、一定の品質を維持し、加工度が低いとは言えない。また、輸入原料果汁の場合は果実の原産地についての情報が得られないといったことから、義務表示対象とすることは適当でないという整理がされたところです。その後、緑茶飲料に関しては原料である緑茶が義務づけられていることとの整合性、あるいは原料茶葉の選定及びこれをブレンド・仕上げする工程が、そのおいしさなどの品質を左右する重要な役割を果たしていることから、義務化されることとなったという経緯があります。
 パブリック・コメントや意見交換会においては、輸入りんご果汁については年々増加し、輸入原料製品が市場にあふれており、消費者が容易に県産原料製品を識別できない状況となっている。あるいは原料原産地表示を義務化することにより、国内農業の振興、地産地消の推進、食料自給率の向上につながるという御意見。他方、消極的な御意見といたしましては、原産地の異なる原料への切り替え、混合比率の変更等が日常的に実施されているということで、義務化されれば事業者に多大な負担となる。あるいは例示としてオーストリアから果汁を輸入した場合、隣国のルーマニアなどから集めた生果が混合されているといったものについて、輸入といった大くくり表示を認めずに国名の表示まで求めた場合には、このような原料を日本に輸出できなくなるのではないかといった問題提起もなされております。
 生産流通実態に関しましては、国内に流通する果汁が約40万t、このうち約90%が輸入を占めている。国産果汁に関しましては、輸入果汁価格のおおむね2~3倍程度で取引されている実態があります。生産工程に関しては、果実飲料には原料となる果実の果汁が1種類のものや、複数種類を混合したもの、あるいは果汁100%のもの(果汁ジュース)、果汁に水などを加えて希釈したもの(果汁入り飲料)、果汁をそのまま使用したもの(ストレート果汁)、果汁を濃縮・還元したもの(濃縮果汁)など、さまざまな種類があって、それぞれ生産工程や輸入実態が異なるということです。
 今後整理すべき論点として、ストレート果汁など果実飲料の種類によっては、緑茶飲料などと同様に、原料果汁や果実の選定及びこれをブレンド・仕上げする工程が、そのおいしさなどの品質を左右する重要な役割を果たしている場合があるのではないか。また、原料果汁の原料である果実の原産地についての情報が不十分であっても、大くくり表示や輸入中間加工品の原産国表示に係る工夫などを行えば、表示は可能ではないか。生産流通の実態や消費者の関心などを踏まえて、その対象の種類を絞り込む必要があるのではないかといったことを挙げております。
 10ページは鰹節及び食用植物油です。鰹節に関してはパブリック・コメント等におきまして、原産地は節にした場所、煮熟した場所、鰹の漁獲地とすべきという、いろいろな御意見があるところです。また、製品の特性を吟味した上で主要な工程を精査し、その作業を行った国の情報をしっかり提供すべきであって、生切り・煮熟、焙乾等の2つが、製品の品質を決めると認識しているという御意見もありました。
 生産流通実態に関しては、国内生産量が近年4万t前後、そのうち97%が鹿児島及び静岡両県で生産されている。輸入量は国内生産量の1~2割程度です。鰹節は一般に煮熟、くん乾、タール分除去、カビ付け等の複雑な工程を経て製造されているという実態があります。
 今後整理すべき論点としては、鰹節は生産工程が複雑であり、鰹削り節の原産国の在り方をめぐってはいろいろな御意見があることから、引き続き生産実態等については更に調査を進めてはどうかということです。
 食用植物油ですが、過去に大豆油に関しましては原料の産地が品質に大きく影響しない精製度の高い食品であって、義務表示対象品目とすることは適当でないという整理が過去になされたところです。
 パブリック・コメントあるいは意見交換などの場においては、ごま油はごま、オリーブ油はオリーブが単品原料として使われていることから、その表示は容易ではないか。ごま油の搾油用として輸入するごまの産地が20か国以上にわたって、特定の国だけを選択して使用できない。あるいは植物油の国際流通は粗油で行われることが一般的であって、日本は粗油を輸入し、更に精製(二次加工)、調合等を行って製造することが多いという実態があるところです。
 流通実態に関しては植物油の原材料農産物に関し、米ぬかを除けばほぼ100%が輸入である。生産工程は粗油の生産(一次加工)と精製油の生産(二次加工)という独立した工程に分かれております。
 今後整理すべき論点としては、植物油に関しては複数の生産工程で精製される実態の中で、原料の産地が品質に大きく反映される食品であると言えるか、整理が必要であろうと考えております。
 最後に議題の2番目で御説明しました、うなぎの加工品ですけれども、うなぎ加工品品質表示基準の見直しとして意見募集を行ったところ、原産地表示の義務対象を拡大すべきといった御意見もあり、先ほどの5品目と併せて更に検討を進めてはどうかというところです。
 現在の表示基準ですが、うなぎ加工品に関して具体的にはうなぎの蒲焼と白焼を、原産地表示の対象とするということとしております。パブリック・コメント等における主要な御意見としては、うなぎ加工品の品質表示基準に関しては、加工食品品質表示基準に整理、統合可能ではないか。個別の品質表示基準はなくすということで、一本化してはどうかということです。また、うなぎ蒲焼やうなぎ白焼以外にも、消費者に原料原産地を明確に伝えることが必要ではないかといった御意見もあったところです。
 流通実態としては、平成21年に国内に流通するうなぎが約7万t、国産が3割、輸入品が7割(中国6割、台湾1割)という状況です。そのうち中国からは白焼や蒲焼にされた加工品が約2万程度輸入されているところです。
 今後整理すべき論点としては、このうなぎ加工品品質表示基準は廃止し、加工食品品質表示基準に追加することが可能かどうか。あと、現在対象となっておりますうなぎ蒲焼、白焼以外のうなぎ加工品、具体的にはうなぎの佃煮、肝焼きなどについても対象とすべきかどうかというところについて、検討が必要だろうと考えております。
 以上、私ども消費者庁としてこれまでの検討の経緯、それから、今後の進め方についての御報告をさせていただきましたので、御審議をよろしくお願いいたします。

○田島部会長 ありがとうございました。この加工食品の原料原産地表示の拡大につきましては、前回の部会でも御議論いただきました。そこでの結論は順位づけが難しいもの、例えば果実飲料、植物油については、消費者庁で調査、論点整理を進めていっていただきたいという議論になったと思います。比較的簡単なものとして昆布巻とか黒糖のようなものは、早い段階でもって表示基準を御提案いただきたいとなっておったと思います。
 消費者庁としては今後の予定として、一番近いものですと12月に表示部会がまたございますが、そこでの議論に乗せられる品目というのはあるのかどうか、スケジュール的なことを御紹介いただけたらと思います。

○相本食品表示課長 先ほどの資料4-1の12ページでございます。本日私どもとして原料原産地表示義務化対象品目についての御審議をいただきたい。この紙の10/4と書いているところです。本日の御議論、御指摘も踏まえまして、準備のできたものについて次回、12月という部会長からのお話もございましたけれども、それに向けて具体的なJAS法に基づく品質表示基準の改正案を、消費者委員会に諮問させていただきたいと考えております。
 この後、御議論を踏まえて食品表示部会で御了解いただいたものにつきましては、WTO通報、パブリック・コメント等の手続を進めて、告示の改正へ進めていきたいと考えております。

○田島部会長 ありがとうございました。前回の部会でも議論したので品目を少し搾っていきたいと思うのでございますが、私としては資料の御説明に従っていきますと上から2つ、具体的には昆布巻と黒糖がまず始めに表示基準を御提案いただくのに適当なのではないかと思っておりますけれども、委員の皆様はいかがでございましょうか。御意見のほどよろしくお願いいたします。

○山浦委員 前回も少し議論したと思うんですけれども、2点ほど私が提案したと思うんですが、果汁飲料について生産流通実態調査の結果報告ということで、先ほどお話されましたけれども、輸入品においてストレートの果汁ジュースというものよりも、やはり輸入するコストを考えますと濃縮還元を対象にするような、濃縮の果汁といったものが量的にはかなり多いのではないかと想像できるんです。これは皆さん御存じのように、非常に少ない量になったものを、日本の工場においてさまざまなフレーバー等を入れて製品にするわけです。
 したがって、そこで消費者はジュースというふうに飲みますけれども、かなり加工度が高いようなものも実際にはあるのではないかと思うんです。そうしますと、そこでの原料の生産の実態がどうなのか、流通の実態がどうなのかということについては、非常に私どもは関心を寄せておりまして、流通実態も併せてお話いただきたいんですけれども、これについての原料原産地表示の必要性を私は強く感じています。
 もう一点は、先ほど順序からするとかなり後ろの方になってしまうかもしれませんが、食用油の問題については、この前の意見交換会の中でもトレーサビリティという制度がこれから始まるので、粗油だからわからないとか、そういう議論ではなくて、やはりどういう経路で入ってきたものか、特に遺伝子組換え表示の問題も一方にありますので、これが使われているかどうかがわかるような原料原産地表示も必要ではないかと思います。
 これは実際に需要があるわけです。世論調査をとりますと遺伝子組換えのものは食べたくないという消費者は多いわけですから、そういうことも考えますと、これも余り先延ばしをしないで、しっかりと議論するべきではないかと考えます。

○田島部会長 ありがとうございました。果実飲料と食用油については消費者の関心が非常に高いから、表示の義務化を推進すべきという御意見でございました。ほかにございますでしょうか。

○阿南委員 ありがとうございます。昆布巻と黒糖について6ページに調査結果の概要が出ていますけれども、私はこの2つに関して要件Iに照らし合わせた調査というものを、もう少し厳密にやった方がいいという意見を申し上げたいと思います。
 昆布巻については、原産地による品質の違いについて、それが大きいのか大きくないのかは検証されていませんので、調査が必要です。また、黒糖については、議論がぐちゃぐちゃになっていて、黒砂糖とか加工黒糖という話と切り分けることが大事だと思いますし、沖縄産のサトウキビからできた黒糖と輸入の黒糖との、その品質の差異というものが果たして本当にあるものなのかどうかということは、ちゃんと調べた方がいいと思います。
 以上でございます。

○田島部会長 貴重な御意見ありがとうございました。鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 今回、優先順位が2つ挙がったものから出てきていますので、そこで質問と意見があります。
 今、阿南委員からも出て、同じことの繰り返しになるかもしれませんが、1つは7ページの表を参照しますと、農水省における議論では他の原料と組み合わせ、加熱、調味等の過程を経て、加工度が高いということで義務表示が適当でないことが結論されていますけれども、今回の場合には生産工程で品質に影響を及ぼすものでなく、昆布自体の品質には影響を及ぼさないという全く逆の結論が出ていますので、ここの中身が今回どうしてそう変わったのかというのを、1つ検証する必要があるのではないかと思います。
 ここに書いてありますように、昆布巻については本当に昆布巻だけなのか。要するに昆布を使った製品はほかにいろいろあります。それに比べて今回、昆布巻だけが出てきているのに疑問を感じます。例えば50%以上の昆布が使われたニシン昆布巻きの場合では義務表示となり、それ以下では表示義務の対象にはならないことであり、昆布の原料原産地表示がラベル表示されていないと、ニシンの重量の方が50%以上である商品であるとなります。これはラベル表示がされていないと、ニシンの方が多いのであると消費者に想像させるような、クイズみたいな表示になりかねない。したがって、これらの点についてはもう少し整理しないと、実際には消費者庁として管理ができないのではないかと思っています。それが昆布巻についてです。
 黒糖については、1つはまず表示の上で混乱するのは、技術的に黒糖と黒砂糖と加工糖と整理をされていても、表示としてそういうものがラベル表示された場合には、消費者にはほとんど区別が理解できないと思われます。そういうものである黒糖を表示するかというと、その点ががまず難しいと考えます。
 二つ目は、これまでの原料原産地のように原料そのものというよりも、黒糖調味とか砂糖という目的に使って、そのまま黒糖として食べるものは除いて、50%以上の黒糖を使用した加工食品というのは多分存在しないと推測されます。その要件からして黒糖そのままを食べるという、本当に黒糖だけの商品に義務表示が発生すると思うのです。ですから、そういうものの表示だけでいいのかということになって、これはむしろ地域振興だという考え方に基づき、原料原産地表示のほかに地域特産品認証事業としてEマークという制度を検討しては如何でしょうか。現在、約450品目の認定があり、鹿児島の黒糖は既にEマークが付いています。
 ですから、黒糖はそのような表示はできるわけですから、強調表示を地域の振興でやるというのも1つの手かもしれません。原料原産地の義務化というのは、一旦決めてしまうと際限なく拡大していきますから、最終的にはコストとか様々な面で消費者の利益にかなうものではありません。混乱する前にもう少し慎重にやっていただきたいというのが意見です。
 以上です。

○田島部会長 大変貴重な意見をありがとうございました。青柳委員、どうぞ。

○青柳委員 昆布巻の点について意見を申し上げたいんですけれども、私は昆布巻の生産とか加工については詳しく存じ上げているわけではありませんし、多数の方から要望が非常に強いということも調査結果で出ているわけですが、ただ、私個人としてはなぜ昆布巻なんだろうというところが、どうしても整理ができないんです。
 例えば佃煮とか昆布を使った加工品は非常にたくさんございます。その中で何で昆布巻なんだろう。昆布巻の加工度は結構高いと私は認識しておるんですが、例えば鰹のたたきがございます。鰹のたたきは原料原産地が義務づけをされております。鰹のたたきを皆さん御家庭で食べるときに、そのまま食べる人はいるかもしれませんが、普通は何かお醤油とかそういうものをつけて食べますね。例えば小売の段階でお醤油を鰹のたたきの上から例えばかけたとします。それでパックをして売ることになると、実は原料原産地が必要なくなるんです。そうすると一般の人から見れば、それと昆布巻を比べたときにどちらが一体加工度が高いんだということになると、多くの方が疑問を持つのではないかという視点がありまして、ここのところはなかなか自分の中では整理ができておりません。
 そういうふうに、こういうものをどんどん広げていきますと、広げていくというのは非常に方向性として出ているのはわかるんですけれども、昨年の共同会議の報告書の中では、原料の品質の差異が大きく左右する。それから、重量の50%という基本的な要件もあり、維持すべきものと考えると明記されているわけです。それをきちんと斟酌して、その中で拡大をしていくという大前提を個々の商品によって崩してしまうと、この先収拾がつかなくなるのではないかという気がするんです。勿論すべての商品にそれをつけるという御意見の方もいらっしゃいますから、そのことはいいんだという意見もあるかもしれませんが、現状としてはこの2つを守っていこうということが出ているわけですから、そういう観点から立つと、やはりどうしても何で昆布巻なのかなというのが、私の正直な意見でございます。
 以上です。

○田島部会長 ありがとうございました。もう少し御意見を伺ってから、まとめて消費者庁からお答えをいただきたいと思います。山本委員、どうぞ。

○山本委員 同じような意見を表現を変えて言うことになるかもしれませんが、やはり要件Iというのが昆布巻も黒糖も、どこまで合うんだというのがどうしても残ります。特に黒糖の意見交換会における意見は、要件Iの品質の差の話はなくて、産地振興のために原料原産地表示は必要という話に終始したような形になっておりまして、要件Iを守るということにどこまで該当するのか。確かに8ページの今後整理すべき論点で最初に書いてあるとおり、本当に要件Iが当てはまるものなのかということが非常に疑問に思っています。
 昆布巻にしましても、どなたか委員がおっしゃったように、消費者に逆に何でとなったときに、誰も回答できないという言い方は変かもしれませんが、要件Iと合わない内容となってしまうという疑問が残っています。この疑問があるがゆえに、今度次の案件が出たときに考え方や判断基準がどんどん広がっていって、際限なくなるのではないかと、そんな形の種をまいているとも思えて仕方がないです。
 6ページの一番最初に、昆布巻で干ぴょうとか中芯はあるにしても、昆布そのものの品質は変わらないということが書いてあるんですけれども、そんなことを言い出すと、例えばいい例かどうかわかりませんが、しいたけの肉詰めみたいな、もともと昆布巻は中芯とか干ぴょうはあるけれども、食べるときに全部分けて食べるわけではなくて、ぱくっとまとめて食べますね。全部ばらして食べるわけではなくて、1つの材料だけを取り出して、それは変わらないとか言い出したら、そんな食品は山ほどあるのではないかと思います。そういうこともあって、要件Iと併せて、実際に食するときの原料原産地の必要性を、もうちょっと検討された方がいいのかなと私は思います。
 以上です。

○田島部会長 澁谷委員、どうぞ。

○澁谷委員 私も要件I、IIを満たしているかどうかについて、昆布巻、黒糖というのは大変奇異な感じがしております。御意見としては要望が多かった項目ということで挙がっていますけれども、やはり要件I、IIに合っていると客観的に納得できないというところが本音です。
 特に昆布巻では先ほど来出ています、ほかの昆布の製品はどうするかということと、黒糖についても意見交換会のところに意見がありますけれども、視点が違うのかなということとか、やはり50%を超えないような、味付けに使うという場合ではどうするのかということもいろいろ考えると、これが優先順位が高いというのは、もう少しベースに戻って考え直した方がいいのではないかという気がします。

○田島部会長 宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 例えば4ページの具体的な義務対象品目の選定というところで、消費者等からの義務化の要望が強くとありますが、実際に要望があった品目と集計されているものが、内訳はもしかすると事業者の出席者が多くて、その要望が強かったものが今回挙がってきているのではないかということはないでしょうか。
 事業者の意向が入ってはいけないというわけではないですが、消費者が選択するときの表示として参考となる、資するようなもの、要望が強かったものを入れていっていただきたいと私は思うわけで、これまでも意向が結構逆になることもあり、消費者は果実飲料も大変表示してほしいと思っても、そういうものに限ってなかなか難しいとか、事業者から反対されるとように、意見が反対の場合が非常に多いので、今回の原料原産地表示の希望品目の結果を見ると、産地を保護するという意味で事業者が明確にしたいからという意見に、かなり引きずられているような結果ではないかと。事業者と消費者の、内訳がないのでわからないんですが。
 このような意見募集をされたということは、出発点としてはいいのかもしれませんが、そこから先、消費者がどれを望んでいて、消費生活の中で寄与が大きく、皆さんが望んでいるものということを消費者庁でしっかり見据えて、更に要件I、IIを満たすことを、消費者庁側でしっかり判断をした上で、選択品目として掲げてほしいんです。
 もう一度原点に戻って考えていただきたいなと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。ほかにございますか。迫委員、どうぞ。

○迫委員 この5品目については前回の議論の中で、ある程度優先順位をつけましょうという話で順位がついたと。そういう中で要件Iについて、明確ではないけれども、何とかありそうなのは上の2つぐらいではないかという議論があったような気がいたします。ただ、そうは言ってもまだみんなが納得できていないということが、今のお話の中でもいっぱい出てきているわけですし、ここの部分の特に昆布巻、黒糖辺りの優先順位は前回たしか上の方に挙げられたと思うんですけれども、より深い調査等を、もう一回やり直していただいた方がいいのではないかと思います。
 以上です。

○田島部会長 山本委員、どうぞ。

○山本委員 先ほどの発言に追加というか、言葉不足だったんですけれども、要件IとIIは4ページの資料にあるように、基本的な要件とするということであります。
 例えば最初に20品目決めた後にリーフのものから緑茶飲料を追加したとか、焼きピーナッツにあげピーナッツを追加した例はあります。それは、消費者等からの要望があり、要件IとIIを十分満たしていると判断されたので追加となったのであって、昆布巻、黒糖、以下今回挙げられているものを検討するに当たって、何でこんなに急に変わるのかというところがあるということを、先ほどの説明に加えておいていただければと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。ほかにございませんか。
では、今までのところをまとめて消費者庁から御答弁をお願いいたします。

○相本食品表示課長 ありがとうございます。まず経緯ですけれども、本日御説明申し上げたとおり、出発点といたしまして対象とする品目をどうするのかという、パブリック・コメントから説明申し上げたところです。5品目というのはその中で消費者、事業者という御意見もございましたが、いずれにしても比較的御要望の多かったところを、まず対象とすべきかどうかというところで考えたところでして、ここに挙がっていないものについてどうするのかというのは、これからの課題だと思っておりますけれども、まずは消費者庁として御意見いただいたものについて、どうするのかというのを整理していくのが第一点目であろうということから、この5品目について考えてみたというところが出発点です。
 要件Iとの関係でございますけれども、もともと原産地の表示に関しましては生鮮食品、農産物、畜産物、水産物等につきましては、すべてJAS法に基づいて義務づけることになっております。他方、加工食品については一般的には原料原産地までは義務づけないという中で、その特例として当初8品目、現在20食品群と4品目に拡大したという、段階的な拡大を図ってきたところです。
 その際の考え方は、もともと8品目とか、あるいは20食品群というのをどう考えたのかということですけれども、おそらくは生鮮食品との比較に考えた場合に、例えば農産物の漬物、うなぎの蒲焼といったものは、生であれば当然原産地は書かれる。それに対して加工したものについては義務づけにはならないということですので、生のものと加工したもので消費者から見たときにある程度一体性、つまり加工の度合いが比較的低くて、もとの農産物、水産物の品質がそのまま加工食品として生き残っていないだろうかというものについて、それについては特例的に原産地を書いてもらおうというところから出発したものと考えております。そういう御議論があって要件Iが整理されたのだろうと考えております。
 したがいまして、まずは私どもとして例えば昆布巻に関しましては、原料の昆布と比較したときに、その昆布巻についてどうかというところを考えていこうというところで、このような整理をしたところです。
 過去に農林水産省におきまして、昆布加工品全体については見送ったという経緯がありましたけれども、今回は昆布加工品のうちから昆布巻について取り出して考えてみてはどうかというところで、確かに50%という要件があって、芯の重量の大きいものについては昆布の割合が5割を切るのではないかという問題もあり、そういう論点は整理する必要がございますが、昆布自体については煮て味を付けたという加工度の下で、もとの昆布の品質が比較的生きている食品として見なしていいのではないかというところから、このような説明をしているところです。
 黒糖でございますけれども、これにつきましても説明の中にもありますが、まずサトウキビを搾って、精製せずに固めたというものですので、例えば既に対象品目とされているようなこんにゃくに比べると、原材料の品質がそのまま最終製品である黒糖に継承されているのではなかろうかということで、黒糖について対象にしてはどうかということを提案申し上げているところです。
 加工黒糖、黒砂糖の扱い等につきまして、あるいは黒糖を使用した食品につきましては、例えば50%ルールとの関係をどうするのかという、さらなる整理が必要であろうと考えておりますので、それについて改めて明確な区分をした上での具体的提案をさせていただきたいと考えてございます。

○田島部会長 ありがとうございました。一通り消費者庁から御説明いただきましたけれども、出された意見に対して直接お答えにもなっていないところもあったかと思いますので、次回までに整理すべきところは整理し、調査すべきところは補足調査をしていただきまして、もう一度仕切り直しといいますか、次回御提案いただくときはもう少しすっきりした形で御提案いただければと思います。宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 次に御提案いただくときにということなんですが、やはりI、IIの要件を満たすかの判断、消費者からの要望が強いのかどうか意見交換会の希望が出たものだけを前提とせず意見交換会の結果も1つの要素として、消費者庁の方でもう少し総合的にバランス感覚を見て品目を出していただくか、あるいは候補品目をこの場に出していただいて、少しその議論をする場を持つとか等提案の方法を検討していただけないでしょうか。今回のようにピンポイントで昆布巻と出てきてちょっとびっくりしたんですが、意見募集が、すべてのような形で選定の過程になっているような印象を受けます。候補品目の選定にあたっては、いろいろな要素を踏まえて消費者庁さん側で少し幅広に提案される等少し検討していただけないでしょうか。

○田島部会長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 多分今日、お答えがもらえなかった1つの中で、地域認証表示というのが一方で地域振興の形で表示が、たしか4年ぐらいの更新制度として存在し、黒糖とかりんごジュースに付いているというのが、450品目ぐらい県レベルとかで認証されていると思います。そちらの方との整理・整合性についても、原料原産地の拡大の品目と重複したものとの整理について、次回の部会に提案を頂きたいと思います。ご検討よろしくお願いいたします。

○田島部会長 山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 先ほど質問いたしました果実飲料も、濃縮果汁についての実際の輸入量、ウェートについて、次回是非御報告いただきたいと思います。

○田島部会長 山根委員、どうぞ。

○山根委員 随分大幅な仕切り直しというイメージも受けているんですけれども、私はこの要件に加えてというか、実行の可能性もすごく大事だと思っています。原産地表示は拡大の方向にあるわけですし、実行可能性というか、事業者の意欲とも言えるのかもしれないんですけれども、そういったものとある程度セットにならないと広がっていかないことも、実情としてあると思っています。
 消費者団体としてどんな品目に拡大を希望するかというのを、過去に何度か質問を受けたりしているわけですけれども、そういうところでも必ずしもどうしてもこれだけに表示が欲しいという意見は、会の中でもまとまるものでもなくて、それぞれ希望がばらけていたりということもあるわけですが、その中でも拡大はしてほしい、可能なところから、できるところからやっていってほしい、なるべく日々必要なものに是非ということで、大体意見を出すようなことがあるわけです。ただ、できるところからぽつぽつやるのでは、かえって整理がつかなくて市場が混乱する、と言われるのももわからないではないですが、実行可能性もとても重要であると思っていますので、次回の整理でまたポイントを示していただければと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。ほかに御意見ございますか。
 それでは、少し時間をかけて消費者庁で議論をもう一度仕切り直してみますか。議論を進めていきたいと思います。消費者委員会としては加工食品の原料原産地の表示義務拡大をすべきなのか、そうすべきでないのかというところも一度御議論していただきたいですね。今回5品目の提案でございますけれども、ばらばらと出てくるのではなくて、すぱっと表示義務を拡大するんだったら拡大する方向に、どんな方向があるのか。あるいは全然論点を変えて、トレーサビリティを導入するのかという議論を少し消費者委員会の方でしてみたいなと考えております。
 ほかに御発言ございますでしょうか。立石委員、どうぞ。

○立石委員 今の田島部会長のお話のとおり、この問題というのはこれまでも経過があって、私も何度も要件I、IIについては見直すべきだという主張はさせてもらったわけですけれども、この要件I、IIがある限りにおいて前に進むことができないのではないかと思います。というのは、原産地に由来する原料の品質の差異が、加工食品としての品質に大きく反映されると一般に認識されているというとらえ方が、実に幅の広いとらえ方ですし、そうではないと言われればそうだし、そうだと言えばそうだし、ここのところは極めてあいまいな中で、要件Iにとらわれている限りは前進がないと思うんです。
 そういう面では私どもは何度も主張させていただいていますけれども、非常に苦境に陥っている日本の農業の中で、本当になくなっていいのかという議論も含めて、やはり支えていただくのは表示という中で、商品に原産地が表示されていない限りは消費者に選んでいただけないわけです。
 そういった中でどんどん消えていっていく品目が多いわけです。例えばこんにゃくの例で申し上げますと、私もこんにゃくで前に驚いたんですけれども、昔、当時はこういう表示の義務がなかったときに、やはり中国のものがこちらに来て国産と称して売られていたわけです。そのおかげでこんにゃくの産地はどんどんなくなっていったわけです。そういったことで取り返しがつかない時点で、やっとこんにゃくがなったわけです。
 こういうことが繰り返し行われるのかなということを考えると、もう一度日本の農産物をどうしていくかという観点も含めて、消費者の皆さんに考えていただきたいと思います。私どもとしては支えていただきたい。是非とも表示で需要を喚起して、我々としてはそういう中で精いっぱい頑張っていきますけれども、やはりいかんせん海外とのコストの差は大きいわけですから、その点は十分にお願いをしたい と思います。
 以上です。

○田島部会長 ありがとうございました。御意見として承っておきたいと思います。
 そのほかございますでしょうか。

○中村課長補佐 山浦委員から濃縮果汁の果汁の流通状況というのがございましたが、それは机上配付資料の果実飲料の流通実態調査の中に出ているものでよければ、御報告させていただいているもので済ませられるかどうかだけ、確認をしたいのですけれども。

○山浦委員 基本的にはこれで結構です。

≪6.その他≫

 ・玄米及び精米品質表示基準のパブリック・コメント開始についての報告
 ・期限表示に関する検討状況についての報告
 ・遺伝子組換え表示に係る実態調査についての報告
 ・Codex 委員会への出席についての報告

○田島部会長 それでは、最後の議題は報告事項でございます。6その他で一括して御報告を消費者庁よりお願いいたします。

○中村課長補佐 中村でございます。まず最初の議題として、玄米及び精米品質表示基準の見直し開始に伴う御意見募集の御説明をさせていただきます。
 第1回の食品表示部会の中で、玄米及び精米品質表示基準については下期から開始しますと御説明したところですが、それを部会終了後速やかに意見募集を開始しまして、1か月間意見を募集させていただきました。併せて資料の中にございますけれども、説明会というものを開いて意見募集の参考にさせる会を開きたいと思っております。
 資料5-1の2ページ目等にどういうことをやるか参考で書いてあるんですけれども、まずはトレーサビリティ法ができたときに、容器包装に米のトレーサビリティ法に基づき都道府県等の産地の情報提供をするときに、JAS法の品質表示基準で書けなくなる。未検査米については検査証明がないと書けなくなるということを避けるために、そこの改正をしたいというのが原案でございます。
 内容については後ろの方に付いています「玄米及び精米品質表示基準見直しの理由及び内容(案)」がございますが、まず当庁としてはこの内容のとおり、従来は都道府県名を書くには農産物検査法の証明書がないといけないということを、米トレーサビリティ法に基づく証拠書類をもって、都道府県名等が書かれていればパッケージの表示ができる、容器包装の表示ができるということに改正したい。それに併せていろいろな御意見をちょうだいしておりますので、こういうものについてもこちらからの意見募集の参考にさせていただいて、意見を論点として御意見をちょうだいできればなという形で、御意見募集をさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。

○江島課長補佐 それでは、続いて資料6-1について御説明をさせていただきます。
 期限表示制度に関する意見交換会を9月15日に実施いたしました。まず最初に国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部長の山本先生に「食品の期限表示制度について」ということで基調講演をいただいた後に、意見交換ということで消費者関係の方5名、事業者関係の方5名、計10名の意見発表者で意見交換をさせていただきました。
 主な意見として資料の19ページ目になりますけれども、菅いずみさん、山浦康明さん、和田正江さん、飛田恵理子さん、中村幹雄さん。事業者関係として花澤達夫さん、南俊作さん、西川秀美さん、渡部恭久さん、小林謙太郎さん、以上10名の方の意見の抜粋を記載させていただいております。
 意見全体として期限表示、賞味期限、消費期限について消費者への周知が必要であろうという意見、そして製造年月日の併記の必要性について、期限の再設定について認められないという意見、事業者関係の方からは事業者団体ごとに期限設定のマニュアルを既に設けているという実態を御説明いただきました。3分の1ルールの見直しの必要性についても指摘がありました。
 今後は資料6-2にありますとおり、食品の期限表示に関する検討の進め方に従って検討を進めていく予定にしております。
 以上になります。

○中村課長補佐 それでは、引き続いてなんですが、遺伝子組換え表示に係る実態調査で、資料7をごらんください。
 消費者基本計画の中で、遺伝子組換えの表示義務の拡大について検討していくことになっておりまして、今年度については9月から調査を開始いたしました。調査内容としては海外の遺伝子組換えの表示の実態の運用調査を行うという形で、EUを中心にEU圏の数か国の状況を文献調査や実態調査、現地において文献の収集等を行って、実際の運用面がどうなっているかということも含めて調査を行うことにしています。
 2番目に、意図せざる混入の5%の問題がございますので、実態が本当にどうなっているかということをアメリカ、カナダで実態調査を行う。このヒアリング以外にも、こちらで実施機関の契約した者たちが分析用サンプルを実際に抜き取って、日本に戻ってきて分析、混入率の実態調査を行うことと、同様に国内ではどういう状況になるかという実態の調査を行うことにしております。
 3番目としては、ここでも御議論いただきました遺伝子組換えパパイヤの具体的な混入、例えば生果が移動することがございますので、それが実際に非遺伝子組換えならそれがちゃんと分別されて流通できるかどうかという、事業者指導や実態も含めて調査を行って、実際の分別生産流通管理マニュアルをつくって、それを事業者の方に提供して、正しく表示ができるようなことを働きかけたいということで、マニュアルづくりを行うことにしております。
 この(1)~(3)に関して、表示の在り方どうこうという検討会ではなく、この(1)~(3)の内容についてちゃんと適切に行われるような、技術的な検討のメンバーを入れた委員会をつくって、調査をちゃんと動かすような委員会をつくっていくことにしております。
 実施期間は3月に報告書ができますので、速やかに報告書を公表するようなことをしたいと思っております。
 以上でございます。

○相本食品表示課長 最後の資料8に基づきまして、コーデックス委員会の関連会合が11月に2つ開催されますので、その議題等について御説明させていただきます。
 1点目でございますが、第32回栄養・特殊用途食品部会が11月1日から5日まで、チリのサンティアゴで開催されます。これにつきましては消費者庁の関係では、栄養表示のガイドラインあるいは表示目的の栄養参照量、仮議題の3番、4番辺りを中心に議論することになっております。また、この会合に先立ちまして技術的作業部会が10月30日、31日に開催されることになっております。本件につきましては、我が国を含めた関係各国それぞれの事情を踏まえた栄養表示が認められるということをベースに、議論に参画したいと考えております。
 もう一点は2枚目でございますけれども、コーデックス食品表示部会に関し、物理的作業部会が11月15日、16日の2日間、ベルキーのブリュッセルで開催されます。これに関しては食品表示部会における検討議題のうち、遺伝子組換えに由来する食品の表示に関する定義について、2日間にわたって議論することになっております。我が国といたしましても、これまでどおり各国のアプローチの違いを尊重した上で、提言案の合意がなされるよう対処することにしております。

○田島部会長 ありがとうございました。
 以上4点の報告につきまして、御質問等ございますでしょうか。山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 玄米及び精米品質表示基準見直しのところですけれども、今回こういった消費者庁さんからのパブリック・コメントのお話がありましたが、これではまだ不十分だと思うんです。
 具体的には農産物検査法というのがございます。ここでいろいろな等級というものが定められて、それに従って生産者は出荷するわけですけれども、そこでの一等米、二等米、三等米といったものが実際に消費者には見えてこない。それが現状であるわけでして、今回3ページにあるような未検査米であっても産地、産年、品種の表示をすべきではないかといった議論とか、あるいはふるい下米の使用率の表示の義務化といった問題については、私もいいかなと思いますけれども、それに加えて農産物検査法とJAS法の玄米及び精米品質表示基準の矛盾があるわけです。
 こういった問題も踏まえて、米の表示のルールはどうあるべきかといった問いかけを是非していただきたいと思います。具体的には複数原料米の問題をどうするのかとか、輸入米と国内米の二重基準があります。こういった問題などについても解決をしなければいけない。そういういろいろな課題がありますので、もう少し視点を広くして意見を募集していただきたいと思います。
 もう一点、遺伝子組換えの表示について先ほど御説明がありましたけれども、今回厳しいルールをつくる、各国で作成する際の参考とするようなガイドライン的なつくることになっているわけですから、日本としても理想的な、しっかりと消費者の選択権が確保されるような遺伝子組換え表示のルールを提案していただきたい。それにつきまして消費者団体、市民団体の意見等もありますので、参考にしていただければと思います。よろしくお願いします。

○田島部会長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、本日の議事は以上でございます。事務局から連絡事項などがありますので、よろしくお願いいたします。

○原事務局長 長時間ありがとうございました。
 次回の日程ですが、12月13日月曜日の14時からを予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上です。

○田島部会長 それでは、本日は時間を超過いたしまして大変申し訳ございませんでした。お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。これにて閉会とさせていただきます。

≪7.閉 会≫

(以上)