第7回 消費者安全専門調査会 議事録

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日時

2011年4月12日(火)10:00~12:10

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
宇賀座長、中川座長代理、赤松委員、阿南委員、大前委員、片山委員、齋藤委員、佐竹委員、
杉山委員、田澤委員、鶴岡委員、中尾委員、中嶋委員、中村(晶)委員、中村(均)委員、
橋本委員、松岡委員、横矢委員、吉岡委員
【消費者委員会委員】
中村(雅)委員長代理、佐野委員
【説明者】
消費者庁 消費者情報課 金児首席情報分析官
【事務局】
消費者委員会 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.前回までの議論の整理
3.事故情報の公表について(現状と課題)
4.その他
5.閉 会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:9KB)
【資料1-1】 事故情報の分析に関する前回までの議論の整理 (PDF形式:129KB)
【資料1-2】 事故情報の公表・活用に関する前回までの議論の整理 (PDF形式:15KB)
【資料2-1】 生命・身体被害に係る消費者事故情報の公表等について (PDF形式:74KB)
【資料2-2】 生命・身体被害に係る消費者事故の情報の収集、分析及び公表、並びに再発防止について (PDF形式:133KB)
【参考資料1-1】 消費者安全法の重大事故等に係る公表について (PDF形式:188KB)
【参考資料1-2】 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について (PDF形式:463KB)
【参考資料1-3】 消費者安全法に基づく国会報告について (PDF形式:268KB)
【参考資料1-4】 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告(抄) (PDF形式:563KB)
【参考資料1-5】 消費者安全法の重大事故等以外の消費者事故等の事故情報データバンクの登録について (PDF形式:121KB)
【参考資料2-1】 「事故情報対応チーム」の発足について (PDF形式:146KB)
【参考資料2-2】 事故情報対応チームとして消費者への注意喚起や事業者等の取組の要請を行った事案について (PDF形式:519KB)
【参考資料2-3】 消費者安全啓発に係る資料についてのお知らせ
【参考資料3-1】 消費者庁携帯サイトの開設について (PDF形式:538KB)
【参考資料3-2】 子どもを事故から守る!プロジェクト‐過去の「子ども安全メールfrom消費者庁」 (PDF形式:117KB)
【参考資料3-3】 リコール情報周知システムにおける情報の流れの概要(イメージ) (PDF形式:100KB)
【参考資料4-1】 生命・身体被害に係る消費者事故情報等の公表に関する基本要領 (PDF形式:198KB)
【参考資料4-2】 消費者事故情報公表の法的論点の整理 (PDF形式:417KB)
【参考資料4-3】 消費者事故等情報通知様式 (PDF形式:237KB)
【参考資料4-4】 重大製品事故の報告様式 (PDF形式:302KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、少し遅れましたけれども、始めさせていただきたいと思います。
 本日は、余震が続く中、また、大変な状況の1か月を過ごしましたけれども、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
 ただいまから「消費者委員会消費者安全専門調査会」の第7回の会合を開催いたします。
 遅れて来られる委員の先生方がいらっしゃるところ、大変恐縮ですけれども、始めさせていただきたいと思います。
 まず最初に配付資料の確認をさせていただきたいと思います。配付資料は、議事次第と書かれている裏のページに配付資料の一覧をお付けしております。
 今日は、新しい、公表という論点に入るということもありまして、基本となる資料を消費者庁で御準備いただいて付けさせていただいております。
 資料1の関連は、消費者委員会事務局でまとめました事故情報の前回までの分析に関する論点の議論の整理と、それから、これまでの議論の中で、今日、それから、次回、論点としております公表とか活用に関する議論の出ていたものを整理しております。
 それから、資料2が、消費者庁で今日の議事のために御準備をいただきました「生命・身体被害に係る消費者事故情報の公表等について」という資料になっております。
 その次からが参考資料になります。参考資料1は、ニュースリリースや何かを使いまして、「消費者安全法の重大事故等に係る公表について」など、定期的に消費者庁で公表されている案件について、枝番をつけて5までお付けしております。
 参考資料2は、事故情報対応チームを去年の9月に発足しておられまして、事故情報対応チームの状況について、今まで御説明を伺う機会がなかったものですから、これについて随時お話をしていただければと思っております。
 参考資料3は、公表について、いろいろと消費者庁も工夫を重ねておられるところで、それに関連をする資料をクリップ止めしております。
 参考資料4は、消費者庁が発足するに伴って、消費者事故情報等の公表に関する基本要領を定めておりますけれども、その基本要領と、これに至るまでのいろんな議論の経緯を参考のためにお付けしております。
 いずれの参考資料についても消費者庁で御準備をいただいております。
 以上になりますけれども、審議の途中で不足がございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。
 それでは、宇賀座長、議事進行、どうぞよろしくお願いいたします。

○宇賀座長 おはようございます。本日、朝の地震の影響で私の利用しております西武池袋線が一時止まってしまいまして、少し遅れまして失礼いたしました。
 まず初めに、去る3月11日に東日本の大震災が発生いたしました。この場を借りまして、被災者の皆様方に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地が一刻も早く復興することをお祈り申し上げます。
 本日は、消費者委員会の事務局から、原事務局長のほか、齋藤審議官、それから、消費者庁からも金児首席情報分析官に御出席いただいております。
 なお、本日の会議につきましては、公開で行います。議事録につきましても、後日公開することといたします。
 カメラの方はここで御退室願います。
 それでは、議事に入らせていただきます。議事次第の「2.前回までの議論の整理」につきましては、資料1-1「事故情報の分析に関する前回までの議論の整理」及び資料1-2「事故情報の公表・活用に関する前回までの議論の整理」に基づきまして、事務局より御説明をいただきたいと思います。

≪2.前回までの議論の整理≫

○齋藤審議官 消費者委員会事務局の齋藤でございます。
 それでは、資料1-1をごらんいただきたいと思います。「事故情報の分析に関する前回までの議論の整理」というタイトルがついた資料でございます。
 前回まで3回にわたりまして、この分析に関する御議論をしていただきました。前回は2月1日でしたけれども、NITEから酒井主査にお越しいただきまして、R-Mapを用いたリスクの評価手法についての御説明をいただきまして、それについての御議論をしていただきました。その内容は、資料1-1の6ページ、7ページに要約をさせていただいております。
 本日の御議論は、分析ではなくて、その次の公表・活用に関する議論ということですので、この場での御説明はざっくりしたものにさせていただきたいと思います。
 前回どういう議論があったかということでございますが、R-Map分析手法、これは発生頻度と危害の大きさという2つの軸に沿ってリスクの大きさを評価して対応を考えるという手法でございますが、これにつきましては、6ページの一番上にありますように、事故調査の優先度、順番を判断する際に役立つ面があるということで、一定の有用性を認めるような御議論がございましたけれども、他方でやはり限界があるという御議論もかなりございました。
 下から4つ目のポツでございますけれども、例えば、企業の立場からすれば、致命的だと思われるようなものについては確率が低くてもリコールをするということで、必ずしもこのR-Mapに沿って対応しているわけではないといった御議論がございました。
 また、ちょっと飛ばしますけれども、7ページにまいりまして、上から5つ目のポツでございますが、企業は企業の論理で判断をしているわけですけれども、消費者は消費者の論理というものがあるのではないか。また、その中で、子どもについては更に慎重に考えるということで、企業の考え方、消費者の考え方がR-Mapの評価に当たって更に上乗せ的に加わってくるといった御議論があったかと思います。
 また、その上にありますけれども、社会が変われば変わっていくといったことで、時代、時代でそのとらえ方も変わるのではないかといった御意見もございました。
 下の方にまいりまして、企業のとらえ方、消費者のとらえ方、また、それらとは別に、国としてどうとらえるのか、リスクを評価するのかということはまた別途考える必要があるのではないかといった御議論もあったところでございます。
 大変大雑把でございますが、前回の御議論はそんなところだったかなと思います。
 それから、資料1-2に移らせていただきまして、こちらは本日の議題であります「事故情報の公表・活用に関する前回までの議論の整理」ということで、第1回~第6回まで御議論いただきました中で、この公表・活用に関する部分をピックアップしたものでございます。
 まず、資料1-2の1ページでございますが、第1回専門調査会で議論されたことを要約しております。上の方は6つほどポツで固めておりますけれども、ここに書いておりますことは、公表された情報が消費者、親、子ども等にしっかり伝わっているか、消費者に対する注意喚起が十分行われているのかといった観点からの御意見がございました。
 また、その次に2つほど固めておりますが、こちらでは予防という観点から、リスクがちゃんと伝わっているか。車について違和感といった情報が伝わっているか、そういう御議論もございました。
 また、その次ですが、2つほどポツでまとめておりますけれども、セミプロ向けの情報、それから、一般消費者向けの情報は分けて考える必要があるのではないか。あるいは共有財産として、いつでも見られる状態にしておく情報と、消費者の行動を変えるような、目立つような情報提供という分け方もあるという御議論もございました。
 それから、その下は5つほどポツでまとめておりますが、こちらにございますのは、データバンクで広く情報を開示するという形の情報提供があるわけですが、そういうものについて、もう少し使い勝手をよくするといった観点からの御意見等がございました。
 それから、次のページでございますけれども、データバンクに入ってくる情報の中で、消費生活センターに寄せられる情報もあるわけですけれども、そういうものについて、プライバシーの問題などのセンシティブな問題にどう対応するかという御意見がございました。
 それから、第2回ではこの2つぐらいだったかと思いますけれども、キッズデザインのようなアイデアをどういうふうに情報提供するか、あるいは誤使用というものをどう伝えていくかといった御意見がございました。
 第3回でございますけれども、その際には、ここで1つ挙げておりますけれども、消費者から情報を集めてくる、そういう点も念頭に置いて、どう情報を公表していくかという考え方をすべきではないかという御議論がございました。
 第4回は、自動車リコール制度に関する消費者委員会の調査内容を御説明したわけですけれども、その際に出てきた御意見といたしましては、情報をなるたけそのまま生で公表した方がいろいろ役に立つ、編集していく過程で大事な情報が抜け落ちてしまうということを考える必要があるのではないかといった御議論がございました。
 次の3ページ、第5回でございますが、この回は、言語処理による情報検索(連想検索)についての御説明と、それに基づいた御議論があったところです。主に2つかなと思いますけれども、上から4つほどまとめて考えますと、データベース型の情報提供につきまして、どういう利用者を想定するのか、その利用者のどういうニーズを想定するのか、そのニーズにマッチしたデータベースの設計はどうあるべきかといった観点からの御議論があったかと思います。もう一つは、双方向性というんでしょうか、情報提供すると同時に情報を呼び込んでくるような、そういう考え方も必要ではないかという御指摘があったかと思います。
 第6回は、先ほどのR-Map分析手法を用いたリスク評価について御議論があったわけですが、その際は、このR-Mapの評価手法を消費者への注意喚起とか情報提供に使うことは考えられないかといった御意見がございました。
 以上、簡単ではございますが、これまでの御議論の御紹介でございます。以上です。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 資料1につきましては、もし御自身の発言の趣旨が必ずしも反映されていないということがございましたら、事務局におっしゃっていただいて、次回までに加筆修正をしたいと思います。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、委員の皆様の御発言の趣旨がもし十分に反映されていない点等がありましたら、御発言をお願いします。特によろしいでしょうか。後で何かお気づきの点がありましたら、直接事務局にお伝えいただければと存じます。どうもありがとうございました。
 それでは、本日と次回の第8回におきまして、公表について議論を行ってまいりたいと思います。議事次第の「3.事故情報の公表について」の議論を行いたいと思います。
 その前に、本日の議論に関連しまして、金児首席情報分析官より御説明をお願いします。

≪3.事故情報の公表について(現状と課題)≫

○金児首席情報分析官 それでは、資料2-1をまずご覧ください。私から3つの柱に基づいてお話しさせていただきます。1つ目が「事故情報の公表等」、2つ目が「事故情報の活用」、3つ目として「情報発信の工夫」でございます。
 資料2-2をごらんください。今、申し上げました事故情報の公表というのは、このポンチ絵で説明しますと、情報収集した後の左側の公表という部分、それから、情報収集の下の事故情報データバンク、HPによる公開の部分に当たるところでございます。それから、事故情報の活用というのは、右側の原因究明、その下の再発防止・未然防止策の実施の辺りに当たるところだと思っております。
 それでは、まず「事故情報の公表等」のところですけれども、資料2-1の「(1)法令に基づき通知等をされた事故情報の公表」でございます。ここには主に2つありまして、1つが消費者安全法に係る事故情報で、週1回定期公表しております。それから、消費生活用製品安全法に係る事故情報は週2回定期公表しております。
 実際に公表している資料ですけれども、参考資料1-1として、消費者安全法のものを付けてございます。こちらにおきましては、通知件数、計43件通知となっておりますけれども、2として、そのうち重大事故等として通知された事案を22件としております。その中で、関係行政機関が20件、地方公共団体が2件。その後ろに、それぞれの事案につきまして、事故発生日、通知受理日、製品名等、事故内容などを一覧表の形で整理してございます。製品名等につきましては、製品起因が強く疑われる場合には、機種・型式、事業者名を掲載しております。あと、ガス機器、石油機器につきましては、一番上にガスこんろの事案がありますけれども、関係行政機関による公表があり、その他消費生活用製品安全法の公表に合わせまして、そういった詳細情報も公表しているところでございます。
 この定期公表は週1回の作業でございますけれども、体制としては、担当者3人程度で作業しているところでございます。
 この消費者安全法の定期公表につきましては、先ほど原事務局長から話がありましたように、参考資料4-1の基本要領に沿って公表しているところでございます。4-1の「II.定期的な公表」というところにございますけれども、「1.公表のタイミング」は、原則週1回、月曜日から翌週日曜日までの情報を集約し、通知機関等と調整の上で、翌週水曜日に公表。現在は、木曜日に公表としております。これは、後ほど御説明いたしますけれども、重大事故等以外の情報についても作業しておりまして、これを木曜日に公表するということを始めており、そういったこともありまして、今は、木曜日に公表しております。
 それから「2.公表の内容」の5行目、この際、消費生活用製品安全法等の運用に合わせて、因果関係があると強く疑われる場合には詳細な内容を公表するとしてございます。
 それから、次のページの「3.記者発表及びホームページ掲載」は、毎週水曜日、これは現在木曜日ですけれども、15時に消費者庁にある記者クラブに資料配付を行って、記者から問い合わせがある場合には説明する。それから、消費者庁ホームページに掲載するという運用を行っているところでございます。
 次に、参考資料1-2でございますけれども、こちらは、消費生活用製品の重大事故に関してのプレスリリースでございます。これは毎週火曜日と金曜日に公表しております。「1.ガス機器・石油機器に関する事故」「2.ガス機器・石油機器以外の製品に関する事故であって、製品起因が疑われる事故」「3.ガス機器・石油機器以外の製品に関する事故であって、製品起因か否かが特定できない事故」「4.製品起因による事故ではないと考えられ、今後、製品事故公表等調査会及び第三者委員会合同会議において、審議を予定している案件」というふうに、それぞれ整理をしてございます。
 それから、次のページの「6.特記事項」で、消費者に注意喚起が必要と思われる場合には、ここに情報を記載しております。今回の場合ですと、石油ストーブのリコールについての情報を掲載しております。その次のページですと、対象機種の写真なども掲載しているところでございます。
 ちょっと飛んでいただきまして、後ろから2枚目ですけれども、別紙といたしまして、重大製品事故の一覧表を掲載してございます。このうち1のガス機器・石油機器につきましては、製品名、機種・型式、事業者名を掲載しております。それから、2の製品起因が疑われる事故についても同様でございます。3が製品起因か否かが特定できていない事故。ここについては、機種・型式、事業者名は載せてございません。
 こういった公表の作業は4人の担当者で作業しているところでございます。
 次に、参考資料1-3でございますけれども、「消費者安全法に基づく国会報告について」でございます。これは、消費者安全法第13条に基づきまして、消費者事故等に関する情報を集約、分析してとりまとめを行い、それを政府として国会に報告しているものでございます。最近のものは、今年2月に、平成22年4月1日~9月30日までの間の情報を取りまとめまして公表してございます。このときは2回目で、1回目は平成22年6月に公表してございます。この中身は、左側の消費者事故等に関する情報の集約及び分析の状況、それから、それを受けての消費者庁の措置が右側に書いてございます。こういった情報を盛り込んで国会に報告し、公表しているところでございます。
 次に、事故情報データバンクについて御説明させていただきます。参考資料1-3の左下に書いてございますけれども、参画機関から事故情報等を広く収集し、インターネット上で閲覧、検索できるデータベースですけれども、さまざまなところからの情報が入っておりまして、左側からまいりますと、消費生活用製品安全法に基づいて報告のあった製品事故の情報、それから、真ん中辺りが消費者安全法に基づいて通知された重大事故等、あるいは重大事故等以外の消費者事故等。マル2として、「8,737件」と書いてありますけれども、このうち事故情報データバンクに入れられるのは生命・身体に係る事故情報で、このうち、今回の期間ですと803件が入ることになりました。右側のマル3ですけれども、PIO-NETの相談情報。こちらも、34万8,000件ぐらいの情報のうち危害情報・危険情報として5,236件が事故情報データバンクに入れられるということになっております。
 そのほか、事故情報データバンクの参画機関からの情報です。右側に小さい文字で書いてありますけれども、各省庁、関係機関からの情報が入れられてございます。
 資料2-1に戻っていただきまして、「(3)事故情報データバンクにおける公開」でございますけれども、このデータバンクにつきましては、これまで消費者委員会からの指摘も踏まえまして、さまざまな改善を行ってきております。
 まず、事故の原因となった製品の画像などの表示を昨年7月から行っております。それから、国土交通省が保有する自動車の不具合による事故、火災情報も昨年12月から入れるようにしてございます。あと、重大事故等以外の消費者事故等をデータバンクに登録してございます。これにつきましては、プレスへ配る資料といたしまして、参考資料1-5、簡単な内容でございますけれども、これをプレスに配付することとしたところでございます。それから、今年2月からは、国民生活センター、各都道府県・政令指定都市を中心とした消費生活センター以外の消費生活センター等の情報も事故情報データバンクに入れるという充実を図ってきたところでございます。
 以上が「事故情報の公表等」についての御説明でございます。
 次に「事故情報の活用」について御説明させていただきます。先ほど申し上げましたように、これは資料2-2の右側、あるいは下側に該当する部分でございます。資料2-2の右側の原因究明の中の「事故情報分析タスクフォース」につきましては、前回御議論いただいたところと承知しております。
 それから、消費者への注意喚起、関係行政機関や事業者等への要請につきましては、まず、参考資料1-4の「消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告」、これは国会報告の本文の抜粋ですけれども、その中の15ページをご覧いただければと思います。「情報を受けての消費者庁等の措置」として、平成22年4月1日~9月30日までの間の措置について説明してございます。「1.法執行・行政処分等」とございまして、「(1)消費者安全法」につきましては、消費者安全法第14条第1項に基づきまして、2件の資料提出の協力依頼を事業者に対して行ったというものがございます。
 次に、17ページの下の「2.消費者庁による情報提供」というところですけれども、「定期的な公表・・・」と書いてありまして、その次の18ページ、事故情報に基づいて注意喚起を行ったということが記載されております。平成22年6月には、自転車の使用等に関する注意喚起、それから、自転車用幼児座席の使用に関する注意喚起や電動車椅子の使用に関する注意喚起。これらは報告、通知された事故情報に基づきまして行っております。
 それから、19ページでございますけれども、そのほかに注意喚起を行っているということで、例えば、平成22年5月には、パロマ工業の湯沸器に関する注意喚起、それから、ライターの火遊び、日焼けマシンの使用について、子どもの誤飲事故防止に関する情報提供といったものを行ってきたところです。
 次に、20ページですけれども、「3.消費者庁から関係機関等への対応等の要請を行ったもの」といたしまして、下の平成22年4月27日のものですけれども、「遊具に起因する重大事故等の情報提供・・・」とございまして、次のページの一番上に書いてございますけれども、関係機関等と連携を図り、事故原因調査等を行い、事故原因調査の概要対策をまとめて、各都道府県や関係省庁に通知した。事故原因調査というのは、タスクフォースで行ったものでございます。
 それから、こんにゃく入りゼリーによる窒息事故の再発防止策の周知徹底が平成22年7月に行われてございます。それから、平成22年8月に電子タバコに関する薬事法の適用の考えについて、厚生労働省に資料提出依頼などをしてございます。
 次に、事故情報対応チームについて説明させていただきます。資料は、参考資料2-1でございます。これは、昨年9月に事故情報対応チームが発足したときのプレス配付資料でございますけれども、生命・身体関連の事故情報について、より一層の未然防止や拡大防止を期するために、その取扱いの迅速化・重点化、情報の発信・公表の円滑化を図るということで、体制といたしましては、チーム長が羽藤審議官、以下、チーム員が並んでございます。人は変わってございますけれども、今、私はこのチーム副室長の坂田の後任ということで、この業務に携わっております。
 その下に「チームと消費者安全課の担当ラインが協力することにより」と書いてございますけれども、資料2-2のポンチ絵に戻っていただきますと、この黄色の枠の中のちょっと濃い部分が事故情報対応チームが協力している部分と考えていただければと思います。
 公表、情報収集、情報解析、事故情報データバンク、注意喚起などについて、消費者安全課だけではなくて、事故情報対応チームも協力して行ってございます。事故情報対応チームが注意喚起等をするときは、右側の原因究明体制の事故情報分析タスクフォースなどは通らないで、多くの事故情報の中から事案を選び、それほど深い分析等は行わなくてもでできるものについて、注意喚起等を行うという対応を取っております。
 具体的にどういったことを行ったかということについては、参考資料2-2に載せてございます。最初が介護ベッド用手すりの事故、その他、ベビーカーの脱輪等による事故の防止、携帯型音楽プレーヤーが過熱する等の事故、乳児用の寝返り防止枕の使用に伴う米国での事故。これは、米国CPSCが公表した情報を基に注意喚起をしたものでございます。それから、エアゾール式簡易消火具の破裂事故で、ヤマトプロテック社が自主回収しているけれども、まだ回収が十分でないということで注意喚起を行ったというものでございます。それから、次の3ページ目の上の方に、冬の事故やトラブルに関する注意喚起ということで、冬の季節が始まる前に注意喚起を行う。イラストが描いてありますけれども、少しでもわかりやすくということで、こういったイラストを使った情報提供もしております。それから、その下の除雪機の取扱いに関する注意喚起ですが、3行目に書いてあります「その後・・・」というところですけれども、医療機関ネットワーク事業の参画医療機関から、除雪機に関する事故情報が2件寄せられたとの情報も活用して注意喚起を行いました。それから、5ページですけれども、飲食物に似ている商品の誤飲・誤食ということで、これは、幼児がペットボトル入りの液体入浴剤をお茶と間違えて飲み、一時意識がなくなったという事故の情報の通知がありました。この写真の中の右側の茶色い入浴剤によるもので、事故としては1件だけですけれども、やはり重要な案件と考えまして、注意喚起を行ったところでございます。それから、その下のエア遊具の事故です。これは、民間団体が行った事業の中で起こった事故で、消費者安全法に基づく通知はなく、報道がされただけですけれども、私どもとして取り上げまして、事業者への要請等を行ったところでございます。
 以上が事故情報対応チームの活動の状況でございます。
 それから、参考資料2-3といたしまして、消費者安全啓発資料「安全・安心を考える リスクの学習帖」及び手引書をこの2月に作成いたしました。この資料を作り、講座も行いました。講座は全国20か所の学校・社会教育施設等で開催。この資料の作成と講座につきましては、社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会、佐竹委員のところにお願いし、やっていただきました。また、この資料作成に当たりましては、赤松委員にも御協力いただいたと承知してございます。
 この「リスクの学習帖」は、中をご覧いただきますと、所々に事故の情報が入っておりまして、通知された事故情報もここに活かされているということでございます。
 次に、3番目の「情報発信の工夫」でございますけれども、参考資料3-1といたしまして、消費者庁携帯サイトを紹介させていただいております。これはどの省庁でもやっていることかもしれません。
 それから、資料としてはございませんけれども、ツイッターによる情報提供を始めております。ツイッターですので、短い文字しか盛り込めませんので、こういった注意喚起を行いましたとか、定期公表を行いましたとかの程度でございますけれども、迅速に情報を提供しているということでございます。
 それから、参考資料3-2といたしまして「子ども安全メール」の例を掲載しております。これは「子どもを事故から守る!プロジェクト」の一環でございますけれども、資料として付けてございませんけれども、「子どもを事故から守る!プロジェクト」でも、携帯電話用サイトとか、パソコン用ホームページを設けているところでございます。
 あと、参考資料3-3といたしまして、リコール情報の提供についてでございます。これは、私どもといたしましても、先ほど説明した定期公表の中でもリコール情報というのは、その時々に出しているわけでございますけれども、一覧できるような形でわかりやすく提供されていないということで、そこが課題だと認識しております。そこにつきましては、リコール情報を一元化したサイトを作っていきたいと考えておりまして、今年度、システムの構築にあたっていく予定でございます。
 私からの説明は、とりあえず以上でございます。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問のある方、それから、この問題について御意見のある方、御発言をお願いします。
 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 2つ質問があります。1つは、この事故の報告です。本来、リコールすべき事案で、事業者が倒産している場合が消費者にとって一番困ることになると思うのですけれども、この事故情報の取扱いはどうなっているかということが1つ。私は、倒産しているのであれば、詳しいことは余り調べなくても発表したらどうかと思ったりするものですから、お伺いします。
 それから、もう一つ。最後のところであったと思うのですが、リコール情報の一元化は大いにやるべきだと思いますが、参考資料3-3の右側に直接届出とあります。これは消費者庁に対して直接届出ということで、ダブってあちらこちらに届けなければならないという仕組みになっていないということを確認したいと思います。もしそうなったら二重行政の懸念があるということです。

○金児首席情報分析官 事業者が倒産している場合につきましても、その事業者の製品に関する事故情報の通知等がありましたら公表している場合は結構あります。
 この直接届出は、消費者庁への届出ではなくて、経済産業省への届出ということでございます。資料が間違っているかもしれません。

○齋藤委員 最初の倒産の件ですけれども、倒産している場合には、だれも消費者に呼びかける人がいないよということを強調して公表する方がいいのではないか。普通以上に注意してくださいね、この情報はメーカーからは来ないのですよ、あるいは販売事業者からは来ないのですよと、そういうのが要るのではないかと思うのですが、その辺はどう考えておられるでしょうか。

○金児首席情報分析官 定期公表の中で、倒産している事業者の製品不具合情報を公表するときには、事業者は倒産していますということを明記して公表しております。

○齋藤委員 目立つようにやっていますか。

○金児首席情報分析官 そもそも定期公表自体が目立つかどうかという問題もありまして、それは十分ではないかもしれませんけれども、私どもとして、毎回、記者にはそういった情報も含めて説明し、その上で記者がそのことを報道してくれれば目立つようになると考えております。

○齋藤委員 通常であれば、生きている事業者が何らかの格好で手を打つ、倒産するとその分が欠けるわけです。消費者にとっては、全く同じことをやれとは言わないまでも、同様のことをやってくれたら注意する可能性がある。それを担うのは多分、消費者庁だろうと思っていますので、お願いする次第です。

○宇賀座長 ほかにいかがでしょうか。
 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 ホームページでの定期公表を事故情報データバンクとともにいろいろ見させていただいたんですけれども、これを見る人に対して、メリハリをつけて、注目してもらう工夫ですね。例えば、消費者庁の場合は、御注意くださいというものを別に作ったり、それから、事故情報データバンクでは、注目事故コーナーとか、こういうのを設けている。こういう点は結構なことだと思うんです。読む人にとって、捉えどころがないといいますか、そういうものは、メーカー名、製品名が全くわからないもの。私も読んでみましたけれども、どう参考にすればいいのか、全く見当がつかないんです。これを見ようとする人は、恐らく自分自身に何らかの事故情報被害があったとか、トラブルに遭遇したとか、そういう人たちなどが見るだろうと思うんですけれども、その場合に、同じようなタイプのケースがありますよということは、何らかの工夫でできないものかという気がするんです。なかなか難しいんでしょうけれども、その点を工夫してみられたらどうか。担当者が非常に少ない中で大変でしょうけれども、その点をお願いしたい。
 もう一つ、子どもについての情報発信を別枠で設定しているというのも結構なことだと思うんです。高齢者の場合、コンピュータを利用したり、あるいはパソコンを駆使したりという人がどの程度広がっているか、ちょっとわからない面はありますけれども、高齢者についても必要なのではないかという気がします。
 以上です。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 何か消費者庁でお答えになることはございますでしょうか。

○金児首席情報分析官 製品名とか、型式とか、その辺までまいりますと、製品起因がかなり疑われるものでないと、なかなか公表は難しいのかなと思っておりますけれども、できるだけ消費者にわかりやすく提供していきたいとは思っております。
 それから、子どもの安全については、メール配信等があるんですが、確かに高齢者についての事故もいろいろ起きておりまして、事故情報対応チームなどでも、その辺については気を配ってというか、重点を置いて注意喚起等をやっているところでありますけれども、そこはひとつの課題かもしれません。

○宇賀座長 橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 最近の公表を見ますと、画像であるとか、それから、先ほどのイラストを使ったという形で、絵柄で見せるというのは非常に有効だと思いますので、これからもどんどんやっていただきたいんです。その中で、例えば、製品事故で、そこの会社にリンクすると、こういうリコールをしていますよというところにリンクできるとか、そういうことではとても使いやすくなっているということがあるんですが、1点お聞きしたいのは、例えば、そこの企業が大手のところであれば、自分たちのホームページでプレスリリースをしていますよとか、注意喚起というページをつくっているんですけれども、こういった製品事故、重大事故が起きた場合には、企業が持っているホームページ上で何らかの公表をある一定期間しなければいけないとか、そういったことがあった場合には、必ず自分のところでホームページ上の注意喚起のページをつくらなければいけないとか、そういうような法的なものが何かあるんでしょうか。

○金児首席情報分析官 これは経産省の所管に係るものなので、私も詳細は存じ上げないんですけれども、恐らくそういった法令上の規定はないと思います。ただ、事故情報について、ホームページとかで十分に消費者に情報提供してくださいということは、経産省から事業者にお願いはしていると聞いております。

○宇賀座長 中村委員、どうぞ。

○中村(均)委員 事故情報の公表なんですけれども、要は、公表することが目的ではなくて、消費者、あるいは使用者の安全確保というか、発生・拡大防止が目的ですよね。そうした場合に、公表のところで、事故内容があって、その後になぜ使用者、消費者が気をつけることまで踏み込んでいないのか。要は、こういう事故があったので、今後、使用者、消費者はこういう点に気をつけろということを入れて初めて使える情報になるんではないのかなという気がするんですが、いかがですか。

○金児首席情報分析官 それはおっしゃるとおりの面はあろうかと思いますけれども、ひとつとして、まだ事故の原因がわかっていないものがこの段階では多いということと、あとは、体制、この作業の人数等、そういった問題もあろうかと思います。

○宇賀座長 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 参考資料1-3の絵を見ていただきたいのです。この絵を見ると、消費者事故に関する情報はすべて集約されて、消費者被害の未然防止・拡大防止へ結びついているように見えるんですけれども、まず、左上の消費者事故に関する情報の集約及び分析とありますが、これは全国ベースの事故情報が全部この中に入っているのかどうかが問題です。国交省関係は入っていないと思うのです。それから、ダブりがあるのか、ないのか。1、2は経産省、3、4、5は多分、消費者庁関係だろうと思われるのです。
 それから、今、中村委員が言われたことと同じことになりますけれども、今度は右下の事故情報データバンクに反映されているものは、上の中のごく一部なのでしょうか。ここでは、事故の内容だけで、どうしろというのは記入されていませんよねというお話がありました。今度は、情報を受けて消費者庁が措置を取りましたというものが右の方にありますけれども、これがすべてなんでしょうか。例えば、国交省の事故に関しては、消費者庁はタッチしないということでありますと、事故情報は一元化できないということになるのです。もう消費者庁ができて1年以上たつんですけれども、その辺のこともよく知りたいと思います。
 最後に、消費者被害の未然防止とか拡大防止というのは、この公表だけで本当にいいのかどうか。取られた措置の中でもダブりがあるのか、ないのかということも含めて、もう少し論理的に、合理的に説明するような資料をつくっていただければと思うんです。どこが欠けていて、どこが埋まっているのかということです。全国ベースのことがこれではまだわからないように思うのですけれども、いかがですか。

○金児首席情報分析官 全国ベースかと問われると、それは全国ベースの情報を集めているわけですけれども、確かに事故がすべて通知されているわけではないと思いますが、例えば、国交省から事故の情報が来ているかということでありますと、バス車内でお客さんが転んだというような事故は消費者安全法に基づいて通知が来ているところでございます。
 情報のダブりの件でございますけれども、マル1とマル2は消費者安全法の重大事故等と重大事故等でないものの違いですので、基本的にダブりはないと思います。それから、マル4とマル1はダブってくるものがあります。
 それから、他省庁の措置でございますけれども、消費者安全法に基づいて通知が来たものについては、重大事故等については、以前、ここで説明があったと聞いておりますけれども、追跡調査を行いまして、通知元である各省庁がどのように対応したかということはフォローしております。それで十分ではないというものの中から、タスクフォース等で取り上げたりしているところでございます。

○宇賀座長 よろしいですか。では、中尾委員、どうぞ。

○中尾委員 私は、非常によくできているなと思って感心しました。震災の後、ここの坂口さんにお願いして、欧州委員会に行かせていただいて、いろいろ討論して、消費者庁のやっているレベルの分析は欧州委員会より立派だなと思いました。
 ただ、1つ、どこが違うのかというと、先ほどベッドのこういうので挟むとか、乳母車の車輪が外れてしまうとか、ああいうことが、欧州委員会の場合はディレクティブということで、指令して、マンデトリーで直さなければいけないというのもあるけれども、7~8割のスタンダード設置に回ると思うんです。だから、法律による処分と、もう一つは、各省庁に言ってスタンダードをつくれということをしないと、今の場合は、善良なるメーカーの改善を求めているということで、これはマスコミの人たちと大きくループをつながって直すというふうにして、今まで、日本的にうまいこと回っていたんだと思うんですけれども、例えば、中国製品の少しそういうのが欠けているものが入ってきたときに、防ぎようがなくなるんです。ヨーロッパの場合はスタンダードをつくって、ヨーロッパ圏外からの安全性の劣るものを防がなければいけないという意思をはっきり持ってやっている訳なんで、これから理想的な方法として、スタンダードづくりを経済産業省に強く言って、こういう失敗事例がいっぱいあるんだから、このスタンダードを2年以内につくれとかいう命令ができるようにしたら、うまく回っていくんではないかと思います。
 アメリカの場合は、ここで出てきて、ディレクティブみたいになったら、あとは民事訴訟で勝手にやってねという世界になってくるから、それは勝った、負けたでやっているけれども、日本みたいに民事訴訟で自分で戦うというよりは、お国に助けてもらいたいという国民性があるんだとしたら、スタンダードをつくるということを次の日本の行き方にすべきではないかと思います。
 以上です。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 赤松委員、どうぞ。

○赤松委員 鶴岡委員、中村委員の御意見に重なるところがあるんですけれども、公表のポンチ絵に関して意見を言わせてください。先ほどから、委員の先生方の御発言にも、目的は再発防止であろうということで、私もそれをすごく感じております。再発防止に公表の情報がどのように生かされるかと考えたときに、2つあると思うんです。
 まず、対象の人にちゃんと情報が届くかどうかということと、その届いた情報をちゃんと解釈しているかどうかということが再発防止の行動につながると思います。それを考えると、ホームページだけの情報公開は、情報格差というのはまだありますし、これでは難しいんではないかと思います。アクセスできない人がいると思います。
 もう一つ、解釈するという点に関しては、生の情報を出した方がいいと最初の方で説明があったんですけれども、ただ生の情報だけを出しても、膨大な量になりますし、それをまとめて、解釈をサポートするような解説みたいなものも一緒に出さないと、なかなか理解は難しいんではないかと思います。
 ホームページによる情報公開という、今、ここに書いてある公開の方法と、消費者が理解できるサポートを考えていただきたいと思います。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 では、片山委員、どうぞ。

○片山委員 先ほどの中嶋委員の発言と重なりますが、参考資料1-3の図で、消費者安全法、消費生活用製品安全法によって入手した情報のうちの3件について、各地の消費者センターに通知をして、周知、注意喚起を行うように要請をしているということですが、毎週の報告以外に、各地の消費生活センターへこういう通知をしているというのは、ホームページとか、記者発表でなかなか情報の伝わらないような人にも、隅々まで情報を伝える、そのための工夫と理解します。ですが、そうだとすると3件というのは非常に少ないのではないかということを危惧します。
 それから、各地の消費生活センターに実際にどのような形で周知、注意喚起を呼びかけておられるのか。
 また、各地のセンターがその呼びかけ、通知に対応して、きちっと消費者への通知、注意喚起ができているのかどうかのフォローをしていただいているのかどうか、その辺の現状をお教えいただけたらと思います。

○宇賀座長 では、消費者庁の方でお答えください。

○金児首席情報分析官 すみません、その3件というのは。

○片山委員 参考資料1-3のマル2の3つ目で、参考資料1-4の18ページのところですね。

○金児首席情報分析官 3件は少ないというのは、自転車使用中の転倒とか、そういったものですね。そもそも、こういった注意喚起が少ないという御指摘になろうかと思いますけれども、これは平成22年4月1日~9月30日までの対応でございますけれども、この3件に加えまして、その他情報提供として7件といったものもやっているわけでございます。確かに十分でないという認識がありまして、この平成22年9月に、事故情報対応チームというものを作りまして、もっとやっていきましょうというふうにしたところでございます。消費者センターへの情報提供とか、なかなかフォローまではやっていないというところは事実だろうと思います。

○宇賀座長 松岡委員、どうぞ。

○松岡委員 「子ども安全メール」についてお伺いしたいんですが、これは個人にメールが行くものなのかどうかということと、その場合、個人が受けることをどうやって設定しているのかということ、それから、現在、何件ぐらい発信しているのかということをお伺いしたいんです。

○金児首席情報分析官 この「子ども安全メール」は、いわゆるメールマガジンと考えていただければよろしいかと思うんです。消費者庁ホームページにアクセスして、個人が登録して送ってもらうというものでございます。件数は、数千件だと思うんですけれども、今、手元に関係資料はございません。

○松岡委員 こういう形の発信というのは非常に重要で、大変有意義だと思います。というのは、ホームページ上でもっていろいろ情報を公開されていますけれども、関心のある方にとっては非常に貴重な情報で、うまく見られると思いますが、関心がないというか、普段、何も感じないで生活している方には、そういう情報は届かないわけです。
 情報の発信の仕方は、アクティブな発信の方法とパッシブな発信の方法があると思うんですが、公表だけですと、普通の消費者にとってはパッシブな発信なので、何らかの方法でアクティブに行動を起こすという発信の仕方が非常に重要ではないかと思っています。そういう意味合いでは「子ども安全メール」というのは非常にいい試みで、これをいろいろと広げていっていただければと思います。
 それから、ほかにもいろいろアクティブな発信の方法があるんではないかということで、幾つか考えがあるんですが、リソースの問題でなかなか難しそうなんで、後々議論していきたいと思っていますが、以上、意見として。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 では、阿南委員、どうぞ。

○阿南委員 御説明がありませんでしたけれども、国会報告の中では、国民生活センターの注意喚起についても掲載されております。国民生活センターから発信される注意喚起は、消費者にとってはとてもわかりやすい内容だと思います。消費者庁の注意喚起と、国民生活センターからの注意喚起が連動しながら効果を発揮していければいいと思っておりますけれども、そこの連携の仕方について、ちゃんと位置づけられているのかどうかということについて、1点お聞きしたいと思います。
 それと、公表されていますが、私もいろんなところで話をする際に、その公表のデータにアクセスするのですけれども、自分で足算したり、いろいろしたりしているんですけれども、非常に使いにくいものなんですが、公表については、どのくらいのアクセスがあるのでしょうか。毎週情報発信されているということですが、実際、どんな人たちがそこにアクセスしているのかということがわかれば教えていただきたいと思います。

○金児首席情報分析官 国民生活センターとの連携については、情報交換は定期的にやっておりますが、国民生活センターの公表について、消費者庁としてどうするか、必ずしも定まったものはないと思うんですけれども、例えば、国民生活センターの商品テストの公表に併せて消費者庁が注意喚起を行ったということはありますので、そういった連携をとることもあるという程度だと思います。
 それから、ホームページのアクセスについては、申し訳ありませんけれども、どれくらいアクセスしているかという数字は確認しておりません。
 あと、「子ども安全メール」の登録件数ですけれども、現在、7,240件だそうです。

○宇賀座長 では、佐竹委員、どうぞ。

○佐竹委員 今、まさに相談現場で、この事故情報について、消費者に対応させていただいているんですけれども、新聞であったり、ラジオであったり、リコール情報などが報道で発表されるとすぐ消費者から消費者センターに御相談が寄せられます。消費者庁から届く情報は、必ずしもその時点で届いているものばかりではないんです。この資料でいただいております、ほぼ同じものがセンターに随時送られてきています。つまり、報道発表されますニュースリリースがそのまま、たくさんセンターに情報が寄せられているんです。ですから、相談の現場で、日ごろ、相談をやりながら、この事故情報がたくさん寄せられていましても、すべてに目を通して、相談員が的確に消費者に届けられているかというと、とてもそこまではいっておりません。ですから、相談が寄せられたら、その都度、消費者庁のニュースリリースよりも、事業者のホームページにアクセスをして、消費者にそれぞれ情報提供しているというのが現状です。
 それと、リコール情報などですと、事業者のお問い合わせ先がよく出ているんですが、まず、そこにつながらないという苦情が寄せられています。私たちは、事業者からもいろんな事故に関する情報をいただいて、その情報を消費者に伝えたいのですが、詳細情報は消費者庁からも寄せられておりません。一般の方に公表される情報とともに、大変だと思うんですが、消費者に絶対これだけは伝えたいという情報は分けてセンターに情報提供いただければと思います。
 それと、情報をいただくタイミングは、報道発表されると同時、あるいは直前にセンターにいただけたら、消費者から相談を寄せられても、的確に御助言ができるんではないかと思っております。これは日々、相談の窓口で感じていることです。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 消費者庁、何かコメントございますか。

○金児首席情報分析官 その辺の状況がどうなっているかは、確認してみたいと思います。

○宇賀座長 橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 先ほど私が企業にホームページ上できちんと出しなさいと言ったのは、まさに佐竹委員がおっしゃったことで、何か事故があったときは、皆さん、消費者庁のホームページから入っていくよりは、事故があった会社のホームページから、今、何か起きているんではないかということで入っていくことが多いんです。ですから、そういった事故等があったときに、企業のホームページできちんと公表されると、申し訳ないんですけれども、消費者庁のホームページから入っていくよりは理解しやすいし、比較的早いですし、消費者庁のいろんなプレスもきちんとされてきていますけれども、型式とか、写真とかは、ホームページで、こういうところが不具合ですよというのがとてもわかりやすく載せている企業も多いので、そういったことを今後、企業に課していくというのも必要ではないかということで、先ほどお尋ねいたしました。
 以上です。

○宇賀座長 中尾委員、どうぞ。

○中尾委員 また消費者庁を援護しますが、参考資料1-1のところで、重大製品事故一覧とかがあるんですけれども、例えば、製品起因が疑われる事故というので、ここのところまで持ってきて、ちゃんと公表している。前は、誤使用ということで、NITEの時点で捨てられたものが上がってきている。これはすばらしいことだと思います。
 欧州委員会のときに、2005年ぐらいのときに誤使用と言われた、例えば、ガソリンタンクのねじをちゃんと締めていなくて、こぼれてしまったものとか、ガソリンと灯油を間違えて入れてしまって家が燃えてしまったとか、便座のところにずっと座っていたおばあちゃんが低温火傷するとかいうのを幾つか紹介したら、これはステューピットだから、そんなものはスタンダードをつくるような話ではないと言われました。
 だから、そのレベルから行くと、ヨーロッパの方がはるかに誤使用という枠が大きくて、ステューピッドのことはスタンダードにするんではなくて、消費者がよく気をつけてやるべきであるという感じに思っているみたいです。
 2005年の時点は、多分、今のヨーロッパと同じぐらいのレベルで、誤使用ということで全部捨てていったんだと思うんですけれども、消費者庁ができてから、そういうものを全部上げてチェックして、今回の注意喚起のところでも、かなりステューピッドなところだけれども、これは直してくださいよということを出しているのが多くなったんではないかと思います。総体的に見たところ、そんなような感じです。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。中村委員、どうぞ。

○中村(晶)委員 1点確認させていただきたいんですが、参考資料4-1と4-2をいただいているんですけれども、法的論点の整理に基づいて4-1の基本要領ができているわけですね。これを基にして、事故情報対応チームでの判断をなさっていると理解すればよろしいんでしょうか。

○金児首席情報分析官 参考資料4-2は、消費者事故情報公表の法的論点に関する研究会、これは消費者庁発足前、内閣府国民生活局のときから、研究会委員の名簿が、13ページにございますけれども、宇賀先生に座長になっていただきまして、取りまとめていただいたものでございます。これを参考にいたしまして、参考資料4-1の基本要領を消費者庁として作成したというものでございます。
 事故情報対応チームとの関係ですけれども、事故情報対応チームは定期的な公表をサポートするという形で、基本的に消費者安全課で作業は行っておりまして、記者対応等を事故情報対応チームが行うということになっております。
 事故情報対応チームが行う注意喚起等は、定期公表以外のものでございますけれども、定期的公表以外の公表につきましては、参考資料4-1の基本要領の中ですと、2ページ目の「III.消費者安全法第15条第1項に基づく公表」とか、3ページ目の「IV.社会的影響等を勘案した公表」、この辺りになる訳なんですけれども、事故情報対応チームが行う注意喚起は厳密にはIIIの消費者安全法第15条第1項を使っているものではございません。ただ、その中に「1.公表に係る判断」というところで考慮要素を書いてございますけれども、例えば、被害の重篤性、事故の発生数、事故の発生の拡大可能性、事故の新奇性、そういった事項については、実際にどの案件を取り上げるかということを検討する際に使っていると思います。

○中村(晶)委員 ありがとうございます。公表する情報の中には、1つは、今、ひとしきり議論がありました、客観的な事実、どういう事故があったかというような事実の問題と、先ほど鶴岡委員、中村委員、赤松委員が言われました評価とか、何を注意したらいいのかという、指導・アドバイスの部分の大きく2つに分けられると思うんですが、2番目の、どう注意したらいいのかとか、これはどういう問題なのかという部分について、まだ原因が究明されていないということとか、陣容が手が回らないということもあって、なかなかそこまでは難しいという御説明があったんですけれども、ここでの議論は、消費者の立場に立っての情報ということですので、まず、受け手の側からどういう形で出てきたら、一番事故の再発を防止できるのかという視点で、何をどう評価して、どう気をつけたらいいのかというのは欠かせないということを踏まえて、是非、制度というか、やり方をもう一回見直していただきたいと思います。
 事故の原因が究明できない場合であっても、現実にそういう事故が起きているという事態があるときに、原因究明を待たずに、まず、これに気をつけていてください、そして追加の情報がわかったら、すぐに公表しますというふうにやっていただくのが一番よろしいかと思います。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 消費者庁の方、どうぞ。

○金児首席情報分析官 先ほどの原因究明されていないとなかなか難しいというのは定期公表の話で、まさにただ今、委員がおっしゃられるような問題意識から、事故情報対応チームというのが設けたところでございます。
 例えば、参考資料2-2の5ページの下方のテレビ台のガラスが割れる事故などが典型ですけれども、これはテレビ台の強化ガラスが割れる事故です。人的被害はないんですけれども、結構数多く発生した。何で割れるか、原因はわからないということですけれども、消費者庁として、そこに書いてありますように、製品の上にはテレビ等、物を置かないようにするなどということを注意喚起しているところでございます。
 事故情報対応チームによる注意喚起には、消費者向けのものについては、何をしてください、こういうことに注意してくださいということは記載しているところでございます。

○宇賀座長 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 先ほどの赤松委員と中村委員のお話にダブるかと思うんですけれども、情報一元化に関しての情報の公表、それから、公表のやり方について、一度整理をしていただければと思うんです。まず、どういうふうにして届けるかという情報戦略については、今、ホームページ、ツイッター、メルマガ、新聞、テレビへの公表となっているわけです。通常ですと、ここで大体終わり、これで手を尽くしたということになるかも知れませんけれども、官庁の場合ですと、例えば、業界団体を使って企業にお願いをするというやり方もあれば、学校の教育現場に対して情報を提供して、子どもたちに注意喚起をしてもらうとかというような、企業や一般団体とは違う情報のルートをお持ちだと思うんです。ですから、どういう経路が使えるかというのを、消費者庁だけのツールではなくて、全省庁のルートを使ったら、どんなふうに流せますというのを、もう一度御検討いただけないでしょうか。
 通常、1H5Wで考えますと、何のためにというと、これは赤松委員が言われたように事故を未然に防止するためです。では、誰に届けるのかをもう一度よくお考えいただきたい。誰にどうやって届けるのか。子どもだったら、学校を通すのが一番ではないでしょうかとか、そういうふうに考えていただけないか。では、何を届けますか。こんな事故が起きましたでいいんでしょうか。どうやったらその事故は防げますよというふうなHOWは届けないのでしょうか、いつ届けますかなどがあります。
 例えば、先ほど中村委員から、公表の法的論点の整理の参考資料4-2の話がありましたけれども、これを読む限り、企業名の公表というのは別に懲罰ではない。事故をどうやって防ぐかということに論点を絞っていますから、はっきりと企業の責任であるとわからなくても、最悪のケースは公表しないといけないということが書かれている部分もあるわけです。
 そうすると、何時というのもそういうふうに事故を防ぐことから考えていけるのではないでしょうか。そういうふうに考えた場合には、だれにどうやって届けるかというときに、すべての事故情報は一元化できておりますでしょうか。そういうふうにして全体を論理的に考えていただけると、もう少し整理がつくのではないでしょうか。これは私からお願いでありまして、今日、中尾先生はすごいサポートをされていますけれども、私は批判ばかりで申し訳ございません。

○宇賀座長 では、横矢委員、どうぞ。

○横矢委員 今のお話と関わっていることなんですけれども、私も、子ども向け、親向けのサイトで情報を流してくださっているのはとてもいいことだと思っているんですが、この世界にいて感じるのは、親も子どももすぐ育っていってしまって、流れていくといったら何ですけれども、人が変わっていくんです。なので、想像以上にこまめにフォローしてあげないと、いつの間にか人が少なくなってしまって、そのままになってしまうということが起きてしまうのではないかなと思いました。なので、例えば、赤ちゃんができたら、母子手帳とか、みんなに配るようなものの中で、関心のある人だけが見るとかではなくて、通る道として、全員がこれは見なさいよという感じの入口を用意するとか、絶えずやっていく必要があるなと思いました。
 その中で、今回「リスクの学習帖」を細かく拝見して、とてもいいものだなと思ったんですけれども、これもやはり関心のある人にしか伝わりにくいかな、もったいないなと思いました。今の若いお母さんは、まだ学校でこういうことを習っていない世代だと思いますので、ちょうど抜けてしまう恐れもあるので、これを活用して、こまめに、できるだけ多くの人に伝えるようにしていただけると、とてもありがたいなと思います。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 佐竹委員、どうぞ。

○佐竹委員 今の御意見に追加してなんですが、注意喚起情報としましては、国民生活センターがずっと継続して出していらっしゃいます。「くらしの危険」という情報のリーフレットがあるんです。一般消費者向けに非常にわかりやすくて、どういう事故が起こって、どういう注意点が必要かということがまとめられているリーフレットなんです。ただし、残念ですけれども、消費生活センターには届いていますが、一般の方には恐らく、ダウンロードしたりという形では入手できますが、お手元には届かないんではないかと思うんです。
 ああいうような注意情報をもっと末端隅々まで届けられるようになるといいなと思いますので、是非、消費者庁でも工夫をしていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 では、中川委員、どうぞ。

○中川座長代理 先ほどの中嶋委員の話に乗りたいと思うんですけれども、全体にきちんと整理し直しましょうということですが、その際、議論を伺っていて気になる点がありまして、資料2-1がわかりやすいかと思うんですが、「1.事故情報の公表等」という段階と「2.事故情報の活用」の2番目の○で、消費者への注意喚起等ということで参考資料2-1等が挙がっていました。
 2の話は、事故情報をそのまま公表するだけではなくて、勿論それもあるんですけれども、では、どうすればいいのかという次のステップを組み込んだ、情報をつくり変えたものなんです。実際、参考資料2-1を見てみますと、どうしなさいということが書いてあるわけです。これは、かなり事故情報が熟成しているといいますか、その段階で出しているもので、かつ企業は対応しているんだけれども、消費者に届いていないとか、あるいは企業がそもそも対応していないんではないかとか、あるいは外国で起きている、日本で起きているかはわからないけれども、日本で起きそうだからという形のタイプ、非常に消費者庁が積極的に打って出ているタイプの情報の出し方なんです。2のところであれば、確かに全消費者に伝えるべき緊急性があるからやっているわけです。伝わるべきものが伝わっていないからやっているわけなんです。
 それに対して「1.事故情報の公表等」の(1)は、定期公表と先ほどおっしゃっていましたけれども、恐らく消費者安全法の13条3項に基づくものではないかと思いますが、これは注意喚起ではないんです。今、どんな情報が消費者庁に来ていますということを知らせているだけなんです。しかも定期公表で毎週ですから、どんな対応を取ればいいかなどというのは、わかることもありますが、わからないこともあるわけですので、この段階で消費者に隈なく伝わるようにという考え方をするのは無理ではないかと思うんです。
 つまり、今、こんな事故情報があります、場合によって、原因がはっきりしていれば、型式を出すこともありますし、出さないこともあります。しかし、事故情報自体は国民共有財産ですから、言い方は悪いですけれども、関心のある人は見てくださいという形になると思うんです。いっぱい出てきますので、消費者は見てもとてもわからないわけで、しかも事故の情報しかないので、何をしていいかもわからない。
 ただ、これを公表する、ないしは(3)の事故情報データバンクに載せることによって、まずは事業者が動くだろう。それから、関係行政庁も動くだろう。そういう動きを見ながら、やはりだめだったなというところをピックアップして、消費者庁が強力に公表していく。これが消費者安全法の15条、あるいはそれに準ずるというので、社会的影響を考慮しての公表と呼ばれると思います。
 公表といっても、1の場合と2の場合で随分違いますので、先ほど中嶋委員がおっしゃった、どこら辺まで、だれに伝えるべき情報なのかというのは1と2で大分違うと思うんです。2はまさに消費者に伝えなければいけないんですけれども、1の方は、関心のある消費者、あるいは消費相談センターは、3のデータバンクに自分からアクセスするでしょうし、定期公表の非常に読みにくい、読みにくいといいますか、いっぱい情報がありますので、それを見て自分で考えるでしょうし、何よりも事業者、関係行政庁が何らかの対応を取るだろうと、そのきっかけをつくっているのが1だと思いますので、1の段階で定期公表を見て、これがわかりにくい、消費者に伝わりにくいというのは筋違いではないかなという気がしました。
 条文を読むとそういう理解になるんではないかと思うんですけれども、それがよくないという考え方もあるかもしれませんが、少なくとも現状はそういうところであって、それはそれで合理的な仕分けかなと。何もかも最初から一行政機関が抱え込むというのは不可能ですので、まず1で情報を共有して、いろんな人が、社会の中のさまざまな人がそれぞれやることをやってもらって、2で足りないところを最終的に補うというふうなリソースの分散にしていかないと、これは実際動かないだろうと思いますので、そういう視点が重要ではないかと思って申し上げました。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 では、消費者庁の方、どうぞ。

○金児首席情報分析官 今のお話に参考になるかと思いまして、情報をお伝えしたいと思います。参考資料4-2の「消費者事故公表の法的論点の整理」の12ページをご覧いただきたいんです。「論点7:その他の留意点」を読み上げますけれども、「消費者被害の発生・拡大の防止を図るための情報公表以外にも、行政の透明性確保の観点から、消費者庁が集約した情報を積極的に公表することが望ましい。そのための具体的な取組みとしては、消費者庁に通知された事故情報の概要を定期的に公表したり、事故情報データバンクに寄せられるヒヤリハット情報等の事故情報をアクセスの容易な環境に置くことなどが考えられる」、こういった考え方もあるのかなと思います。
 ただ、私ども、定期公表の際には、なるべくわかりやすい表現となるように、毎回長官まで相談して作っております。記載も丁寧にされるように、また、問い合わせにも丁寧に答えるように心がけているところでございます。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。中尾委員、どうぞ。

○中尾委員 今のお話だけれども、こうやって公表しても、企業は別に修理する必要はないんでしょう。設計変更する、やりなさいというマンデトリーでも何でもないから、それに対して、商いのモラルとして変えてねと言っているだけなんでしょう、この法律は。

○中川座長代理 いえ、何も言っていない。

○中尾委員 何も言っていないから、直す必要も全くない。

○中川座長代理 その段階ではね。次の段階でやる。

○中尾委員 だけれども、事故を起こさないと、そういうのにどんどんいかないということは、もっと前に、これはやばそうだから直してよということをマンデトリーでするような方法をしないと、どんなに公表しようが何しようが、勝手に言ってねと、そういうことにならないんですか。

○中川座長代理 だから、そこのところは消費者安全法で言う15条以下なんですけれども、対応しなさいと。例えば、関係行政庁が何もしていないから、おまえのところはちゃんとやれよとか、先ほどおっしゃったような安全基準をつくれよというのは、その次の段階なんです。情報そのものを定期公表しますという話と、それに基づいて、行政側として不十分なところがあるから何をすべきかという、次のステップに出すのとは違うでしょうというところなんです。

○中尾委員 さっきのステューピッドのもので、おしりが低温火傷するというのは、今、新しく買ったものは、座ると電気が切れるようになっているんです。経済産業省の辺りで、これはおかしいよということをフィードバックしているんです。こういうところを通さないで。それとか、ふたをきちっと止めないでガスこんろを入れたら燃えましたというものも、ワンタッチのものにしてくださいと。今、新しいものはみんなワンタッチで、ねじを回すものではないんです。だから、公表する前に、裏取引ではないけれども、こういう事故があるから直してよということをきちっと指導しているんです。そういうので、ああ、そうですか、わかりましたということで、そうしないと、あなた、もう商いできないよというような、法律では全然ないけれども、そういうのでフィードバックがうまく回っていったんではないか。だけれども、法律でないと言うことを聞いてくれない人も、これから輸入業者で出てくるから、その辺のレベルのところもマンデトリーでちゃんとやってねということを、消費者庁から命令できるようなことをしないと難しいんではないでしょうか。どう思いますか、先生。

○中川座長代理 そのとおりで、それができるようになっているんです。多分、その話は次か、次ぐらいにやるんだと思うんです。
 関係行政庁も動いていない、事業者も動いていないという場合に、消費者庁が何ができるかというので、今のところは、権限がほかの行政機関にあると勧告しかできないことになって、それで十分かという話になると思うんです。
 それは勿論、その次に出てこなければいけない話ですけれども、今日は、結局、資料2-1の1を議論しているのか、2を議論しているのか、微妙で、その原因は、先ほど金児首席情報分析官がおっしゃったように、まさに消費者庁に対する期待に応えようとして、1の段階でサービス満点に、この段階でどんなふうにすればいいかも全部一緒に考えましょう、できればやりましょうというふうにやってきた結果、1なのか2なのか、よくわからなくなってきたという感じがすごくするんです。
 まず、1は今、こんな情報があります、多少、製品原因かどうかわからないけれども、しかし、事実はあるんですということをまずは知らなければ、その次のステップにいかないでしょうと、だから情報を一元化して、情報を共有するというのが、消費者庁の消費者安全の情報の一元化の最初の目標だったはずなんですけれども、公表する以上わかりやすくというので、どんどんサービスしていった結果、1をやりながら2もやらなければいけない、次のステップでどのような対応を取るべきか、事業者がどうすべきかという話も一緒にやれ、毎週やれということになると、それは長持ちしないだろうという心配をしているわけです。結局、あぶはち取らずになるんではないか。そこは、もう少し1と2を仕分けしていかないと、この人数ではとても、増える要員もありませんし、そもそも法律もそこは1と2は分けているんではないかと思いますので、ちょっと頭を冷やすといいますか、そういうことをした方がいいんではないかと思ったわけです。

○宇賀座長 中尾委員、どうぞ。

○中尾委員 さっき、ガラス台が割れますねと言って、原因追求で、例えば、残留要素が少なかったから割れたんだとかいうのがあるかもしれないけれども、欧州委員会は、そんなことは何も言っていなくて、割れないようなガラスをつくれ、例えば、重さ30キロのものを乗せても割れないようなガラスをつくれ、どうしたらいいと一言も言っていないんです。
 ただ、こういうものをつくれ、評価方法はこうだと、それだけを言う。だから、原因追求する必要も全然ない。これだけ困っている人がいるんだから、はい、やれと、そういうので、先生がおっしゃった1番のところで言ってもいいんではないか。2番で大きな事故になったときは事故情報で原因までやって、何かしてやらなければいけないだろうけれども、1番のところは、そこまで詳しくやるのも大変だから、やらなくてもいいんではないかという気もします。

○宇賀座長 赤松委員、どうぞ。

○赤松委員 中川委員、解説ありがとうございます。
 確認させていただきたいんですけれども、公表というところが2か所ありますね。公表と、ホームページによる公開というのと。公表というのは、定期的にやるものなので、それは客観的な事実だけと解釈したんですけれども、ホームページによる公開というのは、対象者はだれに向けているんですか。事業者向けなんですか。

○中川座長代理 私に聞かれてもわかりませんが、これは法律に根拠ないんですね。サービスで始めている。

○金児首席情報分析官 そうですね。これはホームページで見られるので、事業者も見られますし、一般の消費者も見られる。

○赤松委員 注意喚起まで行くには解析が必要ということで、ものによってはスピーディーにやらなくてはいけないものもあると思うんです。1と2と分けて考える必要はあると思うんですけれども、すごく密接に関係していると思いますし、ものによっては対応の仕方が違うものも出てくるんではないかと思います。
 だれを対象にやっているのかを整理して、情報をうまく活用できるようにしていただきたいと思います。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 さらっと読んでしまったので気がつかなかったんですけれども、資料2-1の1の(3)の最後のポツに「国民生活センター及び各都道府県・政令指定都市の中心となる消費生活センター以外の消費生活センター等の情報の事故情報データバンクへの掲載」となっているんですが、普段、PIO-NETに載っている事故情報データバンクのことを言っているのか、一般消費者向けサイトへの掲載というのはどういうことなのか。PIO-NETには、いわゆる事故情報データバンクがありますけれども、あれには一般消費者向けではない情報も入っていますね。一般消費者向けサイトへの掲載というのは、より詳しく載せるという意味なんでしょうか。

○金児首席情報分析官 単に、消費生活センターとの事務的な調整がまだ行われていなくて、載せていなかったというだけのことのようでございます。

○橋本委員 では、一般の市町村の消費生活センター等の事故情報を一般消費者向けサイトへ掲載しましたよという意味でよろしいんですか。

○金児首席情報分析官 はい、そうです。すべての細かい情報というわけではないですけれども、概要的なところを載せるということでございます。

○宇賀座長 田澤委員、どうぞ。

○田澤委員 今、まさしく橋本委員がおっしゃったところが私は理解できなかったんですけれども、参考資料1-3の事故情報の一元化のところの事故発生からの図がございますね。この図は、昨年の9月30日までの状態での図と捉えていいんでしょうか。というのは、今、2-1で話題になりました件についてとは違いますよね。9月30日までの図であって、それプラスアルファいろいろな工夫をいたしましたというのが、この資料2-1の今、お話になっているところに出てきたと捉えていいんでしょうか。というのは、消費生活センターというのは基本的にはPIO-NETがみんな入っているわけです。そのPIO-NETの情報というのは、この図の中にもうのっかっているわけです。工夫したというところがどういう流れになるのか。

○金児首席情報分析官 平成22年9月30日時点ですと、マル3のPIO-NETの下に書いてございます主たる消費生活センター分のみとなっていて、その後、本年2月からは主たる消費生活センター以外のところの分も情報が載せられることになったということでございます。

○田澤委員 そういうことでいいんですね。わかりました。ありがとうございました。できましたら、私たちは23年の4月でいろいろ議論しているわけなので、一元化しているんですか、情報のダブりはないですかと議論しているときに、できるだけ新しいもので御説明いただけたらいいなと。このほかにも、例えば、国土交通省が云々とか出てきていると思うので、そういうのを次回にでも出していただけたら、話がわかりやすいかなと思いました。お願いします。

○宇賀座長 阿南委員、どうぞ。

○阿南委員 今の件ですけれども、全国の消費生活センターに受け付けられた35万件余りの情報はまだ十分活用し切れていないと思います。なので、これから、情報収集のところにちゃんとそれを位置づけて、それを分析するというふうにしないと、今のところ、通知された、起こった事故だけを分析しているということではないですか。そうすると、消費生活センターに寄せられてくる、ちょっとおかしい、重大事故につながるかもしれないという情報はまだ分析されていないし、集められていないのだと思うのです。だから、そういう点で言うと活用されていないということだと思います。それを国民生活センターが優先順位をつけて解析して、注意喚起につなげていると聞いておりますけれども、その体制をどうやって強化していくかということが課題になってくるのではないかと思いました。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 単純な質問なんですけれども、今の情報一元化の情報収集から、措置として公表するという、この作業に関わっておられる専従の方々の人数はどれぐらいおられるのですか。
 というのは、企業の場合だと、苦情対応をやっているところ、年間20万件くらいこなすのに60人とかの、実際に企業そのものの方々は60人のうちの恐らく3分の1ぐらいで、残りの方は派遣なんですけれども、人数は大体どれぐらいになっているのか教えてください。

○金児首席情報分析官 職員は、ほかの仕事も兼ねてやっている人もいるんですけれども、消費者安全法の重大事故等の公表については3人、消費生活用製品安全法の重大製品事故の公表については、こちらは週2回でございますけれども、4人でやっているところでございます。

○中嶋委員 3人と4人で合計7人ということですか。その方々は専従ということでいいんですか。

○金児首席情報分析官 専従といいますと、例えば、消費者安全法の公表の方はタスクフォース関係の仕事も兼ねてやっている人などもおりますので、そこをどうカウントするかは難しいんですけれども、そんな状況でございます。

○中嶋委員 情報収集と公表という仕事に対して、7人の方で人数は十分だと思われているんですか。この方以外に、例えば、派遣とかで入っている方はおられるわけですか。

○金児首席情報分析官 そうですね。照会専門員は、消費者安全法、消費生活用製品安全法それぞれに1人ずつ程度でしたか、情報の受付関係の業務をやっている方だと思うんですけれども、2名だと思います。

○中嶋委員 合計9名、これで十分ですか。例えば、今日、私は批判ばかりしているのですが、人数がいなければできない。企業だって対応はできない場合には、仕方なく人数は増やして、コストを掛けるんです。この辺は、中村委員の方がよく御存じで、この人数のところは中村委員がお話しになった方がいいと思うのですけれども、本当に9名でこういうことができるんでしょうかということなんです。

○金児首席情報分析官 ですから、9名の体制ですと、できることはこの程度になるということだと思います。

○中嶋委員 それだとだめじゃない。法律で一応、決まって、一元化しましょうと言われているのに、9名ではできないので、だったら派遣でも何でも頼んで、とりあえずは人数をそろえないことには、委員会でどんどん突き上げられるだけで、たまらないと私は思うのね。ちゃんと楽しく仕事しようと思うと、それなりのことは皆さんと相談をして、お金もかかるんですけれども、やらないといけないのではないでしょうか。

○宇賀座長 中村委員、どうぞ。

○中村委員 今日の資料2-1の最初のところで、消費者安全法に基づくのと、消費生活用製品安全法に基づく、2つのルートがあって、これの整合性というか、2つ並べてみると、いつも違和感を感じているんですが、今日、参考資料1-1と1-2で実際の公表のサンプルが出ていますね。これ、どこが違うかというと、消費生活用製品安全法の方は、製品起因かどうかで、実は4つのジャンルに分けているんですね。製品起因か否か特定できないもの、製品起因が疑われるもの、それと製品に起因するもの、起因しないもの、この4つに分けて発表しているんですが、これはもともと消費者庁ができる前、経産省が所管していた時代から、経産省としては、業界を指導、監督する立場から、消費者事故を防ぐためには、製品を改善させる必要があるかどうかという観点から、この「製品起因」という言葉を使ってジャンル分けして指導等に利用してきたんです。
 それがそのまま今、引き継がれて、消費者庁のホームページからも同じ言葉が出てくるんですが、もう一方の消費者安全法のものにはこういうジャンル分けがないんです。ただ、すべての事故情報のベタ張りで、製品に起因しているのかどうかということがちっともわからないという状況になっている。備考欄に、ちょっと後ろの方に、消費生活用製品の重大製品事故として公表済みという程度は書いてあるんですが、その先、結局は消費生活用製品安全法の製品起因かどうかはまた別のページを見ないとわからない。
 これがそもそも一元化されていないところが私は本当に扱いにくいなと思うんですが、もう一つは、製品起因という、従来、産業界に製品改善を求めるかどうかという視点から決められていたキーワードというか、基準を、消費者庁ができたんだから、消費者バージョンで、消費者目線での新しいまとめ方を早くつくる必要があるんではないか。
 製品起因かどうかという、消費生活用製品安全法の過去の経産省のやり方をずっと引きずって、そのまま消費者庁がやっているところにもすごく違和感を感じるんです。
 ここら辺で、消費者目線からすると、製品起因かどうかというところが非常に違和感を感じるのは、さっき中尾先生も言われたけれども、30キロのものを乗せて割れるようなガラス板をつくるなと、それだけでいいはずなんだけれども、これが消費生活用製品安全法のジャンル分けになると、製品起因になかなかいかないんです。実際に割れる原因がどこにあったかというところまで追求できて初めて製品起因のランクにのっかってくるんです。ですから、一生懸命になって電子顕微鏡で割れたガラス粉を探して、ああ、異物が入っていました、異物が見つかったから、不純物が入るから割れやすかったんだ、中国製でしたみたいなことを、実はNITEで今、検査しているわけです。そこまでやって初めて製品起因に上がる。
 ですから、消費者目線で言うと、テレビから火が出た、火が出るテレビなんてとんでもないテレビだ、まさに製品に起因しているんではないかと思うんですが、実際に経産省の伝統的なものからすると、テレビから火が出ただけではだめなんです。テレビのどの部品にどういう問題があったかから、そこから発火したかという、部品の特定とかメカニズムまでわからないと製品起因にしない。そうしないと製品の改善が指導できないからなんです。そこをいつまでも引きずっているところにも問題があるんではないか。
 消費者を保護するという視点からいったら、真の原因究明までいかなくても、危ないものは危ない、危なくないものにしてくれと、この目線で整理するようなものを是非考えてもらいたいと思っています。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 消費者庁の方、何かコメントはございますか。

○金児首席情報分析官 コメントになるかどうか、わかりませんが、おっしゃることは非常によくわかります。どの段階で機種・型式、事業者名を出していくかという問題については、私どもはいつも問題意識を持って、長官とも議論しているところです。
 ひとつは、消費者安全法と消費生活用製品安全法は通知・報告の義務者が異っておりまして、消費生活用製品安全法の方は事業者から報告がくるということで、割と詳細な情報が得られるんです。例えば、事故の起きた製品の型式について、過去に類似事故が何件起きたかとか、そういった情報がわかりますので、製品起因、製品に問題があったかどうかというのは比較的わかりやすい。
 それに対しまして、消費者安全法の方ですと、例えば、消費者センターから寄せられてくる情報の中には、事故が起こったけれども、過去に類似事故が何件起こったとか、そういう情報は普通ないですから、その段階で製品に問題があったかどうかは、なかなかわからないということがあります。背景だけの説明ですけれども。

○宇賀座長 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 今、消費者委員会の中村委員からお話があった件ですけれども、製品起因かというような検討を今、実際にNITEはやっているのですけれども、実は、昨年の11月に経産省の製品安全課はホームページの中に、EUと同じニューアプローチ方式の採用を検討しますと載せております。これは何かというと、法律でもって包括的に安全であることを要求するだけであって、安全対策などの具体的な詳細の規定はJIS規格に任せるというものなんです。
(※ニューアプローチ方式は、先に、中尾先生が『欧州委員会は、そんなことは何も言っていなくて、割れないようなガラスをつくれ、例えば、重さ30キロのものを乗せても割れないようなガラスをつくれ、評価方法はこうだ』と言われたことと同じです。)
 今、ISO規格とJIS規格を国際整合化させていますけれども、製品安全に関しては経産省関係は製品安全四法で決めておりまして、JIS規格は製品安全については強制力がありませんから、機能しておりません。それがニューアプローチ方式になりますとちゃんと機能するようになりますし、今の中村委員が懸念されているようなお話もなくなると思います。では、何年間ぐらいかかるのかというと、恐らく3、4年かかるだろうと思います。それ以外の生活用品の安全についてはどうするのかというのは、今、議論している最中だろうと思うんです。いずれにしろ、法の仕組みが変われば、これは変わる。その変わりかけている状態にあるというのを伺っております。

○宇賀座長 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 2つ言いたかったのですが、1つは今のと同じですので省略します。
 人数7人が多い少ないがありましたけれども、それを抽出していく過程で、いろんな官庁で、今、NITEの件が出ましたけれども、たくさんの人が携わっている。それを全部入れないと、7人だけですべて考えているというのでは誤解を招くと思うのです。したがって、こちらで持っている情報は、多分、そこでもまれたエキスが来ている。したがって、私は、通常考えるような人数は要らないと思っています。問題は、その中でどこに重点を置いていくのか、これは大いに啓発しなければならない。これを絞り込む能力が問われていると思います。
 それから、製品起因のところですけれども、私は、経済産業省との合同会議に出ていて、毎回たくさんの案件を検討します。これは公表しないことにするけれども、本当にそれでいいかというのを先ほどの4つのジャンルで分けていくのですけれども、公表しなくていいという中に製品起因でないというのがあります。私の印象に残っているのでは、火事の現場にあったということで、事業者から報告が結構来ています。その中で、現場にはあったけれども、外側が焼けているだけで中は全然焼けていないというのは明らかに違うということで、消防が原因ではないと判断した、これはよろしいかというのがあるわけです。そうすると、確かに現場にはあったけれども、全部対象にするのかというふるい分けは要ると思うのです。したがって、先ほどの製品起因が考えられるなら全部ということについては、作業がたくさん出て来て、結論は無駄ということになりそうな気がしております。
 あと、例えば、火事になったけれども、自殺のために使ったのではないかということで、警察と消防がそう考えたということもあったりします。明らかにそうだといえるものは除外してもいい。そういうことが適切に行われているかということをこの合同会議でチェックしているわけです。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。消費者庁の方、どうぞ。

○金児首席情報分析官 1点だけ、私の最初の方の説明で間違ったところがありました。参考資料3-3のリコール情報周知システムの件ですが、ポンチ絵の中の一番右側の直接届出というところですけれども、これは事業者から消費者庁への届出というイメージを考えておりまして、ほかの省庁に届けられないものについて、消費者庁へ届けるということなんですけれども、まだ検討している段階で、具体的なものまでは詰められていないという状況でございます。以上です。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 今日、いろいろと貴重な御意見をいただきました。今日の議論を整理して、今後の検討に生かしていきたいと思います。
 本日の議題は以上ですが、最後に事務局から連絡事項などございますでしょうか。

≪4.その他≫

○原事務局長 どうも議論をありがとうございました。
 次回の専門調査会は、5月17日火曜日の10時から行う予定にしております。
 なお、次回も引き続き、今日、論点として取り上げました事故情報の公表、活用について、更にちょっと深めての論点も出てきているように思いますので、それで議論をお願いしたいと思っております。
 事務局からは以上です。

○宇賀座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

≪5.閉会≫

(以上)