
第87回消費者委員会(平成24年5月15日)
1.消費者基本計画の検証・評価・監視について
(1) 東日本大震災・放射能汚染への対応とリスクコミュニケーション(施策番号21関係)
(2) こんにゃく入りゼリーによる窒息事故への対応
(3) 消費者安全行政(施策番号4、12、13-2、13-2-2関係)
(4) 食品表示一元化(施策番号69、73関係)
(5) 地方消費者行政(施策番号121、122関係)
2.その他
5月15日(火)に第87回消費者委員会を開催しました。
1.消費者基本計画の検証・評価・監視について
消費者庁において検討されている消費者基本計画の改定素案に対しては、消費者委員会として、本年3月27日に公表している「消費者基本計画の平成23年度の実施状況に関する検証・評価及び計画の見直しに向けての意見」の内容も踏まえて、数回にわたり各省庁ヒアリングを実施したうえで、5月下旬にさらなる意見を述べることとしています
今回は各省庁ヒアリングの第1回目として、以下の施策についてヒアリングを行い、それぞれの議論の最後で河上委員長から以下の発言がありました。
(1) 東日本大震災・放射能汚染への対応とリスクコミュニケーション(施策番号21関係)
(消費者庁、経済産業省、環境省からヒアリング)
基本的には計量というのは一番大事なところで、何が基準になるのかということがわからないと混乱のもとである。放射能測定に関して言うと、どういう目的で、何を測るのかによって違ってくるし、測り方についてもいろんなレベルがあり得て、一概に言えない部分があるのはよくわかるが、わかりやすい基準の策定に向けた対応をお願いしたい。
また、リスクコミュニケーションについては、少なくとも省庁間でばらばらにいろいろなことをやることがないよう整合性を保つことと、特に食品の安全性に関しては、きちんとしたリスクコミュニケーションをとっていくことが大事で、この点は計画の中にもきちんと書き込んでいただきたい。
放射線の測定器に関して、一定水準の性能を確保するために、一番考えられるのは計量法による対応だろうと考えられるので、計量法でうまく規制する方法がないかということを、しっかりと検討していただければありがたい。
除染ビジネスの問題に関しては、実態把握をしていくことと、登録制度とか認証制度のようなものを考えて、一定の技術と一定の水準を持った人がやるという仕組みを導入しないと、民間に任せてしまうには限界がある。その辺りも、積極的に検討する余地があるのではないか。
(2) こんにゃく入りゼリーによる窒息事故への対応について
(消費者庁からヒアリング)
物性・形状というのは、今までの添加物や成分に着目した食品の安全という観点で考えていたものと相当違った角度からの介入ということになり、その意味ではなかなか受け入れてもらえないところがある。しかし、人為的につくり上げたものが一定の高度なリスクを持っているのであれば、やはりその部分について、何らかの基準ないしは介入の指標を考えてみることは必要なことではないか。よって、改めて厚生労働省などに、消費者委員会としても働きかけをしなくてはいけないと考えている。こんにゃく入りゼリーの窒息事故はその後、発生していないとされているが、「消費者事故」と認定されていないだけで、事故として起こっている可能性はある。窒息事故の再発防止に向けて、消費者庁としても、今後とも是非ともフォローアップを継続していただくことと、関係省庁に対する働きかけを消費者委員会とともにやっていただければありがたい。将来に向けて、法整備の検討も視野に入れた働きかけが必要な問題ではないか。
(3)消費者安全行政(施策番号4,12,13-2,13-2-2関係)
(消費者庁、文部科学省からヒアリング)
事故情報の扱い方というのは非常に難しく、消費者委員会でも、この情報の扱い方について専門調査会における検討を始めたところである。今後、機会を見て提言を行いたいと思うが、既にこれに関連する建議を出しているので、その内容等を再度検討いただいた上で、消費者基本計画の具体的な施策の中にできるだけ盛り込んでいくことをお願いしたい。
(4) 食品表示一元化(施策番号69,73関係)
(消費者庁からヒアリング)
それぞれの食品に応じて表示の仕方や項目には、ウエートの置き方もあり、限られた場所にどういう情報をどういう形で出すのがいいのかという点で、大変難しい問題があることは承知しているが、平成24年度中の法案提出を目指しているだけに、これを実現するために速やかに合意形成を図った上で、成果を出していただきたい。
(5) 地方消費者行政(施策番号121、122関係)
(消費者庁からヒアリング))
地方に行くと、共通して地方消費者行政活性化基金が終わった後のことが大変不安視されている。それは消費生活相談員の人たちばかりではなく、県の担当者も、必ずしも自分たちのところに予算がうまく取れるという自信がなく、不安感が強い。集中育成強化期間が終わった後も、やはり一定期間は何らかの形で地方消費者行政の支援を効果的に行う必要がある。確かに、地方による温度差もあり、もう少しで独り立ちしてやっていけそうなところと、まだまだ始まったばかりで、ちょっと手を離したらすぐにだめになりそうなところとがあるので、それぞれの実情に応じて対応していただく必要がある。
高齢社会がどんどん進んで、福祉の問題と消費者問題はボーダーレスになっている。その意味でも福祉との連携といったこともやっていただかないといけないし、犯罪に近いような消費者問題も増えていることを考えると、警察との連携とか、いろいろな形で人や機関をつなぐことが必要になる。さらに、その担い手を育てるというようなことも含めて、まだまだやるべきことは多く、それに伴う費用も覚悟しなければならない。したがって、しっかりと財源確保のための必要な支援策を計画の中でも盛り込んでいただき、是非、地方消費者行政支援のために頑張っていただきたい。
以上
